説明

低温除湿乾燥と遠赤外線乾燥の両機能を持った木材用乾燥機

【課題】 従来の木材用乾燥機では、乾燥時間に4日以上を要し、これ以上の時間短縮では材に割れ、ヒビ、反り、変色が発生するため、短時間乾燥は困難であった。また、高額であるため設備投資が困難であることから、割れ、ヒビ、反り、変色が発生しないで、1〜2日の短時間で乾燥が可能で、しかも低コストな乾燥機が望まれていた。
【解決手段】 潮解性の吸収剤を含浸、あるいは塗布した木質材を乾燥機の躯体である天井・壁・開閉扉に採用して、木材の除湿機能を躯体の壁自身に持たせる低温除湿乾燥機機能と、遠赤外線を放出する天然鉱石を加熱しながら低温で短時間の乾燥を促進させる遠赤外線乾燥機の機能との、双方の機能をひとつの乾燥機に持たせて、高含水率のスギ材を1〜2日で、しかも割れ、ヒビ、反り、変色が発生しない乾燥ができる低額な乾燥機を発明することで解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温で割れやヒビが発生しにくい低温除湿乾燥機の機能と、短時間でしかも低温度で乾燥が可能な遠赤外線乾燥機の機能の両機能を備えることにより低コストで、短時間で、割れ・ヒビ・変色が発生しない乾燥を実現させた木材用乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の木材人工乾燥技術には、蒸気加熱乾燥、蒸煮加熱乾燥、煙道乾燥、燻煙乾燥、低温除湿乾燥、高温乾燥、薬品乾燥、高周波(マイクロ波)乾燥、真空減圧乾燥、赤外線加熱乾燥、熱板加熱乾燥などがある。
【0003】
低額の乾燥技術では、低温除湿乾燥機があるが、割れやヒビは発生しにくいものの、含水率が80%以上のスギ板材では約1ヶ月の乾燥時間を要するため、生産性が極めて悪い。
【0004】
短時間乾燥技術では真空減圧乾燥機があるが、一連の装置を購入する設備投資が極めて高い。更に、物理的に強制減圧を行うため材中の細胞が破壊、損傷されるため、材の長期的保存・耐久性が疑わしい。
【0005】
短時間乾燥技術では赤外線加熱乾燥機があるが、赤外線照射装置の設備投資が必要であるのと、多量の木材を乾燥する場合の機能に乏しい。
【0006】
短時間乾燥技術では高温乾燥機があるが、それでも、含水率が80%以上のスギ板材では室温が80〜150℃で、4日〜5日の乾燥を要し、しかも、割れ・ヒビ・変色が発生しやすいため歩留まりが低下する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
安い外国産輸入材が80%以上を占める日本の木材市場の中で、国産材の普及が極めて低く、人件費の高騰などから間伐の実施が停止されており、森林の荒廃が日本中で社会問題となっている。この問題を解決させるため、国産材及びそれらの間伐材による高付加価値製品の開発が必要であり、製品化技術の開発が第1の課題である。
【0008】
木は、道管(広葉樹)や仮道管、細胞膜をもった細胞などで構成されている。木の内部に浸透した水分には自由水(自由に地中から吸い込んで自由に出て行く水分)と結合水(細胞内で細胞と結合している水分)がある。自由水は天然乾燥で含水率30%程度まで排出できるが、結合水は自然乾燥では30%以下は困難である。そのために乾燥機による人工乾燥を行うが、それでも通常では1週間以上の時間を要する。これを生産性向上のために4日前後で乾燥しようとすると、通常では80〜150℃の高温乾燥となり、割れ、ヒビ、反り、変色が発生し易くなり歩留まりが低下する。1〜2日間で乾燥させ、しかも割れ、ヒビ、反り、変色が発生しにくい短時間乾燥機の開発が第2の課題である。
【0009】
乾燥機を必要とする木材産業は概して斜陽産業と言われる。輸入乾燥材は木材産業全体で約80%を占めている。国産材の乾燥無しではビジネス展開は困難であるが、製材会社にとり高額投資を必要とする従来の乾燥機を導入することは困難である。いかにして低額の乾燥機を開発するかが第3の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして、本発明は上記目的を達成するために、木で木を乾燥させる新技術により、低額で、短時間で、しかも割れ、ヒビ、反り、変色が発生しない乾燥を実現するという課題を解決した。
【0011】
第1の課題解決手段は、国産材、あるいはそれらの間伐材を乾燥機の躯体を構成する床、天井、壁及び扉に使用することである。ひとつの製品で10m以上の多量の間伐材を使用するものは少ない。国産材を扱っている森林組合が本発明の乾燥機を購入する際に地元産の材を提供することで、乾燥機の製造コストは更に低減可能となれる。よって、多くの国産材が高付加価値を付与して製品化されることにより課題を解決する。
【0012】
第2の課題解決手段は、割れ、ヒビ、反り、変色が発生しないで乾燥時間を短縮することである。割れ、ヒビ、反り、変色を発生させないためには低温処理が必要となる。それには、乾燥時に木材から蒸発する水分を多量に吸収できることと、これを同時に排出する機能を持たせる必要がある。
【0013】
解決手段の一方は、遠赤外線を放出する天然鉱石を乾燥機室内で加熱し、室内温度を低温である40℃〜45℃の環境にし、発生した遠赤外線の温風を循環ファンで乾燥機室内を循環させることにより、低温乾燥が実施し、割れ、ヒビ、反り、変色を防ぐことである。
【0014】
解決手段の他の一方は、乾燥機躯体を構成する壁(外壁の板材は除く)、天井、開閉扉の全てに潮解性の吸湿剤を多量に含浸、あるいは塗布して、二重壁には潮解性の吸湿剤を多量に含んだ吸湿材料を隙間なく挿入することにより、躯体全体に強力な除湿機能を持たせて、木材から蒸発する水分を短時間で多量に吸収させることである。次に、外壁の板材には潮解性の吸湿剤を使用せず、この外壁の板材が、乾燥機躯体が吸収した多量の水分を排出する機能を持たせることで課題を解決した。
【0015】
第3の課題解決手段として、全ての材料に低コストのものを採用することを手段とした。乾燥機の躯体には間伐材を、二重壁の中間には廃棄物であるオガクズや低額のダンボールを、吸湿機能を持たせるためには安く入手できる潮解性吸湿剤を、遠赤外線放出の天然鉱石には高機能で低額のものを、安価な循環送風機(ファン)を、そして安価なヒーターと安価な薪ストーブを入手することで、低コストという課題を解決した。
【発明の効果】
【0016】
低温除湿乾燥機と遠赤外線乾燥機の双方の機能をひとつの乾燥機に持たせることで、低温除湿乾燥機の長所である低温であるが故に割れ、ヒビ、反り及び変色が発生しないという効果が立証された。更に、遠赤外線乾燥機がもつ低温であり、しかも材の芯から乾燥を促進させる機能から1〜2日間の短時間乾燥という効果が立証された。
【0017】
異なる産地のスギ材(厚さ15mm)を10枚づつ実施した結果は、乾燥時間が24時間、室内温度40℃で、いずれも含水率が10%以下を実現させた。乾燥後の形状では、割れ、ヒビ、反り及び変色がいっさい発生しなかった。
【0018】
テストの結果は、次の表で示される。

【発明の実施するための最良の形態】
【0019】
請求項2で述べているごとく、躯体の天井・壁・開閉扉を全てパネル化にすることで、組み立て、解体、撤去を簡素化し、移動、運搬を可能にすることと、パネル化した部材を追加、継ぎ足して行くことで、乾燥容量に合わせて乾燥機の容量を拡大することが出来る。更に、パネル化した部材を在庫することにより納期の短縮が可能となる。
【0020】
当発明の乾燥機には、送風機、送風ダクト、送風パイプ、送風ファン、排気ダクト、排気ファン、給気ファン、風導管を必要としないため、これらの装置を設置するスペースが除去された。よって、乾燥機の躯体以外は全て乾燥内容積となり、従来の乾燥機に比べると生産容量が大幅に拡大された。
【0021】
天井・壁・開閉扉のそれぞれの、内側(乾燥機の内部の側)の板材と外側(乾燥機の外部の側)の板材で二重壁とし、その二重壁の中間層(吸湿層)に潮解性の吸湿剤を含浸、あるいは塗布した吸湿材料を隙間なく挿入することで、通常の低温除湿乾燥機がもつ除湿能力を数十倍も高めることが出来た。この除湿機能が乾燥時間の大幅な短縮に効果を与えた。
【0022】
天井・壁・開閉扉に対し、内側の板材と二重壁の中間層(吸湿層)の吸湿材料には、潮解性の吸収剤を多量に含浸、あるいは塗布することとし、外側の板材には吸湿剤を一切使用しないことから、外側の板材自身が排気口、排気ファン及び排気ダクトの代わりの機能を持ち、木材の乾燥が進んでいるにもかかわらず乾燥機室内の湿度が減少し、躯体から水分が外側の板材から瞬時に、しかも多量に放出されていることが立証された。
【0023】
通常、潮解性の吸収剤を壁材に含浸、あるいは塗布して使用した場合には、空気中の水分を吸収した後に飽和状態になると水分が材の下部に流れ落ちて床に水を溜めてしまう性格を有するが、当発明の乾燥機では、二重壁の外側の板材が水分を放出される機能を持つため、乾燥機室内の下部に水が流れ落ちて溜まることはない。
【0024】
二重壁の中間層(吸湿層)に対しては、潮解性の吸収剤を多量に含浸、あるいは塗布したダンボール紙、圧縮紙材、強化紙、和紙、厚紙、古紙、木毛、木材チップ、木材繊維、木粉、おがくず、木くず、木片、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)のいずれか、あるいはこれらの複数を吸湿材料として採用するが、これらの材の中でも、必要な機能を発揮し、しかも低コストで推奨できるものは、ダンボール紙、おがくず、木くず、木片、古紙、木毛である。
【0025】
天井・壁・開閉扉に採用する木質材が、天然無垢木、集成材、合板、合成木材、パーチクルボード、単板積層材(LVL)、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)、挽材心合板(ランバーコア)、ブロックボード、配向性ボード(OSB)、ウエハーボード(WB)、ウッド・プラスチック・コンビネーション(WPC)、パラレル・ストランド・ランバー(PSL)、スパーポーズド・ストランドランバー(SST)のいずれか、あるいは複数材を混合したものであるが、コスト問題と社会的課題を優先するならば、全ての木質材にスギ間伐材を採用するのが相応しい。中質繊維板(MDF)などの繊維質は、吸湿力が優れているため壁の内側材には適しているが強度が低いため、長期間の稼動には問題がある。
【0026】
木材乾燥機の躯体は多くが金属製である。木製の乾燥機も製造された経緯があるが、稼動数ヵ月後には躯体の壁が木製であるため乾燥が進むと木材の収縮が起こり、材の間に若干の隙間が生じる欠陥があるとの報告がある。当発明の乾燥機では、躯体の木質材が内部材では吸湿機能をもち、外部材では水分排出機能をもつことが要求されるため、若干の隙間は水分を含んだ空気が通過を容易にさせるため、欠陥ではなく長所となる。但し、躯体に使用する木質材が組み立て前から高含水であれば、隙間は顕著と成り過ぎるので、含水率の高いグリーン材を使用することは避けねばならない。
【0027】
潮解性の吸収剤が、塩化カルシウム、酸化カルシウム、臭化カルシウム、炭酸カルシウム、金属カルシウム、チタン酸カルシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、五酸化リン、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、炭酸リチウム、水酸化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、金属リチウム、硼酸リチウム、弗化リチウム、酢酸リチウム、珪酸リチウム、次亜塩素酸リチウム、ノルマルブチルリチウム、セカンダリーブチルリチウム、塩化ストロンチウム、水素化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、水素化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、塩化カリウム、臭化カリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、塩化コバルト、グリセリン、硫酸、リン酸、尿素、塩化亜鉛、塩化鉄、硫酸鉄、硫酸銅、塩化パラジウム、塩化バリウム、酸化バリウム、リボースのいずれか、または2種以上を混合したものであるが、コストを最優先にするならば塩化カルシウムが相応しく、吸湿機能を最優先にするならば塩化リチウムが相応しい。
【0028】
遠赤外線を放出させる天然鉱石が、トルマリン、レアサンドロック(RSR),医王石、北投石、麦飯石、天照石、重晶石、結晶片岩、千枚岩、蛇紋石、アクアストーン、松鉱石、祖母聖光石、美水石、変成岩、洗濯石、グラファイトシリカ、イオン鉱石、硫酸バリウム、貴宝石、天然水晶、ラジウム鉱石、ジャポライト、滑石、長石、マグナ石、花鉱石、SGE鉱石、隆寒水石のいずれか、あるいは複数を混合したものであるが、遠赤外線放出機能とコスト面を優先するならば麦飯石が望ましい。
【0029】
乾燥により木材から発生する水分を、内側の板材及び中間層(吸湿層)を経由して外側の板材から自然に排出させる排出機能を持たせるため、排気ダクト及び排気ファンの設置が不要となる。その分、コストが低減されることと、設置のスペースが不要となり、生産性が向上することと、乾燥機設置の場所選びも容易となる。
【0030】
ヒーターと天然鉱石を乾燥機内部に設置し、遠赤外線を放出する天然鉱石をヒーターの上で直接的に加熱させるため、乾燥機外部から熱風を取り入れるための送風ダクト、送風パイプ、風導管及び送風機設置が不要となる。その分、生産性が向上することと、コストが低減されることと、設置のスペースが不要となり、乾燥機設置の場所選びも容易となる。
【0031】
ヒーターと天然鉱石を、市販のストーブの中に装着することによってヒーター加熱による火災を防ぐ役割をもたせる。薫煙式乾燥機では内部での火災がたびたび発生したが、当発明の乾燥機の躯体が木質材であることから、火災防止に重点を置かなければならない。唯一の熱源発生であるヒーターをストーブの内部に格納するのは、火災防止に大いに役立つ。
【0032】
開閉扉が横方向への開閉ではなく、立て方向に開閉するものであり、扉が乾燥機躯体の上方に回転式に固定され、扉の下部を手前に回転させながら持ち上げて支柱棒(つっかい棒)で扉を固定する方式をとり、躯体の側面の寸法は底部が天井部よりも長くすることにより扉自身の重量で閉じ方がしっかりと固定されるため乾燥室の密閉性が高まる。乾燥機の製造に当たり、開閉扉は重要なポイントであり、扉に要するコストは高い。通常では、材の出し入れが容易に出来るよう扉の間口を広げたいが、ヒーター、ファン、排気、給気、ダクトなどの設置スペースを確保する必要があるため、正面部門のスペースを約3分の一程度減少させてしまい、その分だけ扉の間口が狭まり生産性を低減させてしまう。また、設備器具等を天井部分に乗せる乾燥機もあるが、天井の低い建物の中では設置が困難となるか、乾燥機の高さを低くすることにより生産性が著しく劣ることになる。当発明ではそれらの装置を必要としないため、乾燥機の幅全てを開閉扉のスペースに採用でき、よって、生産性が向上し、長期間の使用に優位性があることも当発明の特長である。
【0033】
乾燥機の開閉扉は、設置場所の都合に合わせて、長方形の短い面に取り付けるものか、あるいは長い面に取り付けるものかのいずれかを選択できる。通常の乾燥機は、長方形の短い面に開閉扉を取り付けるが、開閉扉の前方に十分なスペースがなく、乾燥材の出し入れに苦労するケースが少なくない。設置場所のスペースの事情により長方形の長い面に開閉扉を取り付けられるようにしたのが当発明の特長である。
【0034】
躯体の木質材をパネル化にして、組み立て、解体、撤去、移動、運搬を簡易化するために、各パネルを接合させる金属ジョイントを使用する。当発明の乾燥機は低コストに主眼を持たせているため、材料の低コスト化と同時に、製造に関わる人件費、完成乾燥機の格納場所(スペース)の確保によるコスト、ユーザーまでの運搬・流通コストなどの必要コストの削減に工夫が必要である。それには乾燥機の躯体を全てパネル化にすることと、更に夫々のパネルを容易に少人数で組み立てが可能となる金属ジョイントの採用が最適である。この場合、2〜3人が1日で組み立て完成できること、完成したパネルを格納するスペースは乾燥機全体に比べ極めて小さいこと、運搬が容易でコストが低くなること等、低コスト化を実現可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求項1において、潮解性の吸収剤を含浸、あるいは塗布した木質材を乾燥機の躯体である天井・壁・開閉扉に採用して木材の除湿を促進させる低温除湿乾燥機としての機能と、遠赤外線を放出する天然鉱石を加熱しながら木材の乾燥を促進させる遠赤外線乾燥機の機能との、双方の機能をひとつの乾燥機に持たせることを特徴とする木材用乾燥機。
【請求項2】
躯体の天井、壁、床及び開閉扉の全てをパネル化にして、組み立て、解体、撤去を簡素化し、移動、運搬を可能にする木材用乾燥機。
【請求項3】
請求項1において、乾燥機の構造が、乾燥機躯体である天井、壁、床及び開閉扉と、遠赤外線を放出させる天然鉱石と、天然鉱石を加熱するヒーターと、放出された遠赤外線を乾燥機内部で循環させるための循環ファンで構成される木材用乾燥機であり、通常、乾燥処理室外部に設置される送風機、送風ダクト、送風パイプ、送風ファン、排気ダクト、排気ファン、給気ファン、風導管を必要としない木材用乾燥機。
【請求項4】
請求項1、2及び3において、天井・壁・開閉扉のそれぞれの構造は、内側(乾燥機の内部の側)の板材と外側(乾燥機の外部の側)の板材で二重壁とし、その二重壁の中間層(吸湿層)に潮解性の吸湿剤を含浸、あるいは塗布した吸湿材料を隙間なく挿入するものとする木材用乾燥機であり、但し、外側の板材に対しては、排気口、排気ファン及び排気ダクトの代わりに排気機能をもたせるため吸湿剤を一切使用しないことと、床の構造は、吸湿機能を持たない通常の床機能を持たせた木材用乾燥機。
【請求項5】
請求項4において、吸湿材料が、ダンボール紙、圧縮紙材、強化紙、和紙、厚紙、古紙、木毛、木材チップ、木材繊維、木粉、おがくず、木くず、木片、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)のいずれか、あるいはこれらの複数に潮解性の吸湿剤を含浸、あるいは塗布したものである木材用乾燥機。
【請求項6】
請求項1、2、3、及び4において、躯体に採用する木質材が、天然無垢木、集成材、合板、合成木材、パーチクルボード、単板積層材(LVL)、中質繊維板(MDF)、硬質繊維板(ハードボード)、軟質繊維板(インシュレーションボード)、挽材心合板(ランバーコア)、ブロックボード、配向性ボード(OSB)、ウエハーボード(WB)、ウッド・プラスチック・コンビネーション(WPC)、パラレル・ストランド・ランバー(PSL)、スパーポーズド・ストランドランバー(SST)のいずれか、あるいは複数材を混合したものである木材用乾燥機。
【請求項7】
請求項1、4及び5において、潮解性の吸収剤が、塩化カルシウム、酸化カルシウム、臭化カルシウム、炭酸カルシウム、金属カルシウム、チタン酸カルシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、臭化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化ランタン、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、無水硫酸ナトリウム、五酸化リン、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、炭酸リチウム、水酸化リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、金属リチウム、硼酸リチウム、弗化リチウム、酢酸リチウム、珪酸リチウム、次亜塩素酸リチウム、ノルマルブチルリチウム、セカンダリーブチルリチウム、塩化ストロンチウム、水素化ストロンチウム、水酸化アルミニウム、水素化アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、塩化カリウム、臭化カリウム、水酸化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫化アンモニウム、塩化アンモニウム、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアニジン、塩化コバルト、グリセリン、硫酸、リン酸、尿素、塩化亜鉛、塩化鉄、硫酸鉄、硫酸銅、塩化パラジウム、塩化バリウム、酸化バリウム、リボースのいずれか、または2種以上を混合したものである木材用乾燥機。
【請求項8】
請求項1及び3において、遠赤外線を放出させる天然鉱石が、トルマリン、レアサンドロック(RSR),医王石、北投石、麦飯石、天照石、重晶石、結晶片岩、千枚岩、蛇紋石、アクアストーン、松鉱石、祖母聖光石、美水石、変成岩、洗濯石、グラファイトシリカ、イオン鉱石、硫酸バリウム、貴宝石、天然水晶、ラジウム鉱石、ジャポライト、滑石、長石、マグナ石、花鉱石、SGE鉱石、隆寒水石のいずれか、あるいは複数を混合したものである木材用乾燥機。
【請求項9】
請求項1及び3において、ヒーターと天然鉱石を乾燥室内部に設置し、遠赤外線を放出する天然鉱石をヒーターの上で直接的に加熱させる木材用乾燥機であり、乾燥室外部から空気を取り入れたり、熱風を乾燥室内外にて循環させるための送風ダクト、送風パイプ、風導管及び送風機を必要としない木材用乾燥機。
【請求項10】
請求項1、8及び9において、ヒーターと天然鉱石を、市販のストーブの中に装着することによってヒーター加熱による火災を防ぐ役割をもたせる木材用乾燥機。
【請求項11】
請求項1、2、3,及び4において、開閉扉の開閉方向が、横方向への開閉ではなく、立て方向に開閉するものであり、扉が乾燥機躯体の上方に回転式に固定され、扉の下部を手前に回転させながら持ち上げて支柱棒(つっかい棒)で開いた扉を固定する方式をとり、躯体の側面の寸法は底部が天井部よりも長くすることにより扉自身の重量で閉じ方がしっかりと固定されるため乾燥室の密閉性が高まる木材用乾燥機。
【請求項12】
請求項1、2,3,4及び11において、開閉扉の取り付け場所は、乾燥機の設置場所の都合に合わせて、乾燥機躯体の長方形の短い面に取り付けるもの(扉の幅が狭い)か、あるいは長い面に取り付けるもの(扉の幅が広い)かのいずれかを選択できる木材用乾燥機。
【請求項13】
請求項2において、躯体の木質材をパネル化にして、組み立て、解体、撤去、移動、運搬を簡易化するために、各パネルを接合させる金属ジョイントを使用する木材用乾燥機。

【公開番号】特開2006−132911(P2006−132911A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353321(P2004−353321)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(501410757)有限会社イムノバックス・ジャパン (10)
【出願人】(595161773)
【出願人】(504193712)
【出願人】(503095723)
【出願人】(504447822)株式会社ARS (1)
【Fターム(参考)】