説明

体内プローブおよびそれを用いた装置

【課題】センサーによる位置データと既知の画像データとの間の整合に依存することなくプローブを精度よく案内できるようにすること。
【解決手段】カテーテル20のような医療用プローブが当該プローブの別のプローブに対する相対配置を決定することにより患者の体内に案内される。相対配置の決定は、例えば、両方のプローブに取り付けたフィールドトランスデューサ30にまたはそれらから非イオン性の放射線を送信することにより行う。一実施形態において、部位プローブ28は体内の患部に固定され、該患部を治療するための器具プローブはこれらのプローブの相対配置をモニターすることにより患部に案内される。2個以上のプローブを互いに整合して医療処理を行うことも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブの配置状態を検出するためのセンサーを有する医療用プローブに関するものであり、さらに、そのようなプローブを利用する装置や医療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の外科手術の手法においては、治療を要する体内の傷害部分または患部を外から見えるようにするために体の組織を切開する手法がある。このような手法は患者に相当な外傷を与えることになるため、医者は体内の組織を治療または測定するために体腔または小さな穴を介して体内に挿入したプローブを用いる最少化した侵襲性の手法を開発してきた。例えば、内視鏡と一般に称される装置は先端部と基端部を有する細長いプローブを備えている。このプローブの先端部は体内腔を通して胃腸管内に挿入される。この内視鏡はカメラや光ファイバーのような光学装置を備えて先端部周りの組織観察が可能であり、手術は内視鏡の管路を介して手術器具を挿入および操作することにより行うことができる。また、一般に腹腔鏡および関節内鏡と称される他のプローブは周囲組織に開けた小孔を通して体内に挿入され、治療または計測すべき体内組織に到達させる。さらに、カテーテルと称される他のプローブは血管や動脈のような導管系統または尿道のような体内管路を通して挿入できる。
【0003】
医者は、処理の間、感触や、蛍光透視法のようなプローブと人体の連続的な画像処理によって、プローブを所望の位置に案内することができる。さらに、このプローブが光学要素を備える場合は、医者は当該プローブをその先端部の周りの組織の視覚的観察に基づいて案内することができる。しかしながら、このような使用方法は光学要素を適用するのに十分な大きさの従来型の内視鏡のようなプローブにのみ適用可能であった。さらに、光学的案内要素は通常窪んだ組織内にプローブの先端部を配置する場合にのみ有用であって、硬質または半硬質の組織内にプローブを案内する場合には通常は有用性がない。
【0004】
例えば、本明細書において参考文献として含まれる米国特許第5,558,091号、第5,391,199号、第5,443,489号およびPCT国際公開第WO 96/05768号の開示において、プローブ先端部の位置または方向またはその両方は主に当該プローブの先端部もしくはその近傍におけるホール(Hall)効果による装置または磁気抵抗装置、コイルまたは他のアンテナ装置のような1個以上のフィールドトランスデューサを用いることによって決定できる。さらにこの他に、1個以上の付加的なフィールドトランスデューサが体外において外部基準座標空間内に配置される。このフィールドトランスデューサは好ましくは磁場、電磁放射または超音波振動のような音響エネルギーを検出して送信するように構成されている。すなわち、外部基準用フィールドトランスデューサとプローブ上のフィールドトランスデューサの間の場を送信することによって、これらの装置の間の場の送信特性が決定できる。さらに、これらの送信特性から外部基準座標空間におけるこのようなセンサーの位置および/または方向を推定することができる。このように、プローブのフィールドトランスデューサによってプローブの位置が決定できるので、このようなトランスデューサを「位置センサー」とも称する。
【0005】
上述の米国特許第5,558,091号に記載されているような、外部基準座標空間のフィールドトランスデューサは磁気共鳴画像処理データ、コンピュータ処理された軸方向断層写真データまたは従来のX線画像データのような画像処理データの基準座標空間で登録できるので、当該システムから得られる位置および方向のデータは患者の体の画像に重ねられたプローブの外形として表示できる。従って、医者はこの情報を使ってプローブを患者の体内における所望の場所に案内してその体内組織の治療や測定の間にその方向をモニターすることができる。それゆえ、このような構成は医者が体内組織内においてプローブの先端部を操作する際の機能的効果を大幅に高めることができる。従って、この方法は感触のみによってプローブを操作する従来法に比較して明らかに有利である。例えば、この方法は操作のために周囲組織の光学的画像を得る必要がなく、光学的要素を用いるには小さすぎるプローブの場合でも使用でき、硬質または半硬質の組織内でのプローブ操作にも適用できる。つまり、このようなトランスデューサ式システムによれば、処理中にプローブと患者の連続的画像処理によるプローブ操作に伴う困難を回避することができる。例えば、蛍光透視法において固有のイオン性放射線への曝露処理を省くことができる。
【0006】
米国特許第5,391,199号に示される実施形態において記載されるように、このシステムは1個以上の基準カテーテルとマッピング/切除用カテーテルを備えている。これらのカテーテルは各々にその先端部近傍に上述のようなフィールドトランスデューサを有している。このマッピング/切除用カテーテルはその先端部における局所的な電気的活性を検出して高周波エネルギーを周囲組織に加えてこれを切除するための電極を備えている。基準カテーテルはその先端部が心臓内の固定位置に配置され、マッピング/切除用カテーテルは電気的活性を測定しながら心臓内を移動できる。基準カテーテルとマッピング/切除用カテーテルの先端部の位置は外部アンテナの基準座標空間内においてモニターされる。マッピング/切除用カテーテルにより得た電気的活性データおよび位置データにより心臓の電気的活性のマップを作ることができる。また、基準カテーテルの位置情報は心臓の動きによる補正とマッピング/切除用カテーテルの位置データの蛍光透視法またはMRI画像のような画像への整合のために使用できる。上記米国特許第5,391,199号に示される方法の一例においては、このマップは治療のための心臓内の部位を位置決めするために使用することができ、位置センサーにより得られる位置情報はその治療部位にマッピング/切除用カテーテルを操縦するために使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このようなトランスデューサ式プローブ操作および治療システムにもさらなる改良が必要とされている。特に、センサーによる位置データと既知の画像データとの間の整合に依存することなくプローブを精度よく案内できることが望まれている。このことは特に胸部、肺、肝臓、胃腸管等の組織のような比較的柔らかくて移動性のある組織におけるプローブの配置および治療の場合に望まれる。さらに、プローブの案内情報を医者に分かりやすく容易に使用できるような形で提供できるシステムを提供することが望まれている。また、体内組織の治療、観察および測定に多数のプローブを組み合わせて用いる方法を簡単化できるシステムの提供も望まれている。
本発明は上記およびその他の要望に対処すべくなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴の一つは医療器具を案内する方法を提供することである。望ましくは、この本発明の特徴に従う方法は患者の体内における一定の部位に部位プローブを供給する工程と、当該患者の体内に案内すべき器具プローブを供給する工程とを含む。さらに望ましくは、この方法は各プローブに対してまたはそれから1種以上の場を送信してその送信された場を検出する工程を含む。而して、上記部位プローブと器具プローブの相対配置がその検出された場の特性から決定され、器具プローブがそのように決定された相対配置に基づいて部位プローブに向けて移動される。この開示における単一プローブについて使用されるように、用語「配置(disposition)」はプローブの位置、方向またはその両方を言う。また、この開示におけるいずれかの2個のプローブについて使用されるように、用語「相対配置」は1個のプローブから他の1個に対する方向、1個のプローブから他の1個までの距離またはその両方を言う。従って、相対配置を決定する場合には、1個のプローブから他の1個に対する方向または1個のプローブから他の1個までの距離が決定される。しかしながら、2個のプローブの相対配置を完全に決定するためには方向と距離の両方を決定することが好ましい。なお、一方または両方のプローブの方向も決定できる。
【0009】
例えば、磁気、電磁気または音響の場を上記部位プローブおよび器具プローブ上のフィールドトランスデューサと外部フィールドトランスデューサの間で送信することができ、これによって、当該外部トランスデューサにより与えられる共通の基準座標空間内における各プローブの位置が決定できる。さらに、部位プローブに対する器具プローブの位置が基準の外部アンテナ座標空間において当該2個のプローブの位置ベクトルを差し引くことによって決定できる。部位プローブに対して器具プローブを向ける工程は、器具プローブを部位プローブに向かう方向に向けるような、部位プローブに対する特定の方向に器具プローブを向ける工程を含む。好ましくは、この器具プローブを上記の決定された相対配置に応じて部位プローブに向ける工程は部位プローブに対する特定の方向に器具プローブを移動する工程を含み、さらに好ましくは、器具プローブを部位プローブに向けて移動する工程を含む。本発明のこの特徴に従う好ましい方法においては、上記部位プローブはマーカーとして作用し、器具プローブは当該マーカーに向けて案内される。
【0010】
さらに、上記プローブの相対配置を決定する工程は1個のプローブ上の位置センサーから別のプローブ上の位置センサーに場を送信してその送信の特性に基づいて相対配置を決定する工程を含む。例えば、上記部位プローブ上の位置センサーが電磁波または超音波を発するように構成されており、上記器具プローブ上の位置センサーが当該器具プローブの先端においで受信した波の振幅をモニターするように構成されている。つまり、この受信波の振幅がこれらプローブ間の距離の測定に用いられる。
【0011】
換言すれば、これらプローブの相対配置は当該プローブ間で送信される場をモニターすることによって決定できる。例えば、部位プローブのフィールドトランスデューサが磁場を生じるように構成された永久磁石を含むまたはこれにより構成されている。一方、器具プローブのフィールドトランスデューサは当該器具プローブの先端部に伝達する磁場の方向を決定するように構成されて、器具プローブから部位プローブへの方向が指示できるようになっている。さらに、この磁場の強度によって上述のような構成の部位プローブからの距離が指示できる。さらに別の構成においては、部位プローブが超音波または電磁波を発生するように構成されている。従って、器具プローブは場の振幅の増加する方向に移動することによって部位プローブに案内される。この場合、器具プローブはこのような波の振幅を検出できるフィールドトランスデューサを備えていてもよい。さらに、部位プローブはガイドワイヤ等の細長い部材を備えていて、当該細長い部材の長さに沿って場を発生できるように構成できる。
【0012】
特に好ましい構成において、上記部位プローブは治療、検査または他の医療処置を要する部位に置かれる。例えば、部位プローブは患部と当該部位プローブを画像処理できるマンモグラフィ等のX線処理、磁気共鳴画像処理またはCAT操作処理のような画像処理の間に患部内またはその近傍に置かれる。この部位プローブを配置した後、器具プローブの先端部を移動しながら患部を除去または修復するための手術処置が行われ、所望の治療が当該器具プローブを用いて実行できる。この時、部位プローブが患部内またはその近傍の患者の体組織に係留しているので、器具プローブは当該患者の体組織が移動または変形しても正確に患部に案内できる。従って、治療処置の間に患者を画像処理する必要がない。それゆえ、当該治療措置は画像処理装置に場所を取られたり、像処理装置からの余計な放射線の影響を医者や患者が受けたりすることなく行うことができる。
【0013】
さらに別の好ましい実施形態においては、長期間の治療目的で患者の体内に埋めこまれる装置にフィールドトランスデューサを備えてこの装置を移動または取り外せるようにできる。例えば、心臓のペースメーカー用リード線は患者の体内に埋めこまれるものであるが、時に、患者の体内にそのリード線の先端部を残したまま壊れる場合がある。このようなリード線に埋め込む前にフィールドトランスデューサを供えておけば、分離したリード線部分を上述の患部の場合と同様に位置決めして除去することができる。
【0014】
さらに、別の好ましい実施形態においては、部位プローブを所望の管路の一端部に対応する終端位置に置き、器具プローブを所望の管路の反対側の端部に対応する開始位置に置いて、当該2個のプローブの検出された相対配置を用いて器具プローブを部位プローブに向けて案内しながら、組織内に器具プローブを進入移動することによって瘻管または短路のような管路を体組織内に形成することができる。この結果、部位プローブはターゲットとして作用し、器具プローブがこのターゲットに向かって組織内を移送することにより管路が形成される。この手法の変形例として、器具プローブが部位プローブに向けて、組織を破壊できる物質またはエネルギーを器具プローブから部位プローブに発することにより、当該開始位置から終端位置に穴が空けられる。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態は内肝門脈系短路すなわち肝静脈から門脈静脈に至る短路を形成する方法を提供する。このような短路は肝硬変等の肝臓病により生じる門脈静脈の閉塞を救済するために設けられてきた。この短路により、上記の状態において広がる静脈圧の上昇が低減できる。本発明のこの実施形態によれば、針のような器具プローブが肝静脈または門脈静脈内の開始位置からこれら静脈の反対側の終端位置まで、すなわち、肝静脈から門脈静脈または門脈静脈から肝静脈まで案内される。この案内は器具プローブ上のフィールドトランスデューサと当該フィールドトランスデューサにまたはこれから送信される非イオン性の場を用いて行われる。本発明のこの実施形態に従う構成の一例においては、上述の部位プローブが終端位置すなわち門脈静脈または肝静脈内もしくはその近くに配置され、針または器具プローブが部位プローブと器具プローブの相対配置に基づいて終端位置に案内される。また、別の構成においては、器具プローブの位置が外部フィールドトランスデューサの基準座標空間のような基準座標空間内において決定でき、その位置情報を肝臓の既知画像に整合することにより、針の外形を肝臓の画像に重ね合わせることができる。本発明のさらに別の実施形態は気管支鏡のような器具プローブにまたはそれから発生される非イオン性の場を用いて肺の中に当該器具プローブを案内することにより肺の中の組織を治療する方法を含む。本発明のこの実施形態に従う好ましい方法は治療すべき位置またはその近くの肺組織に配置した部位プローブを利用して器具プローブと部位プローブの相対配置をモニターすることにより器具プローブを案内する。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態は2個以上のプローブを用いる医療手法を行う方法を提供する。本発明のこの実施形態に従う方法はフィールドトランスデューサをそれぞれ有する第1および第2のプローブを備える工程と、これら2個のプローブの相対配置を決定する工程を備える。本発明のこの実施形態に従う方法は好ましくはさらにこれらプローブ上の位置センサーにまたはそれらから送信する非イオン性の場を用いて当該2個のプローブの相対配置を決定する工程と、第1のプローブを用いて第1の医療手法を行い第2のプローブを用いて第2の医療手法を行う工程と、これら2種の医療手法を上記決定された相対配置を用いて整合する工程を備える。例えば、上記第1プローブにより行われる医療手法が組織の穴あけ、切断または切開を含む場合、上記第2プローブにより行われる医療手法が第1プローブにより治療される領域の画像処理、第1プローブにより治療される領域からの残骸物の排除や当該2個のプローブが互いに画定した空間的関係を保持することにより有利となる他の何らかの手法を含む。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態もまた第1および第2のプローブを用いて医療手法を行う方法を提供する。すなわち、本発明のこの実施形態に従う手法はフィールドトランスデューサをそれぞれ有する第1および第2のプローブを備える工程と、第1プローブを用いて一定の位置における医療手法を行う工程と、これらのプローブの相対配置を決定する工程と、第2プローブを用いて第1の位置から所定の空間的関係を有する第2の位置において医療手法を行う工程を含む。この手法において、第2プローブにより行われる医療手法の位置測定は上記決定された2個のプローブの相対配置に基づいて行われる。すなわち、第2の医療手法において治療され、計測されまた画像処理された患者の体の領域が上記2個のプローブの相対配置に基づいて選択されまた制御される。第1プローブが患者の体に対して所望の位置に配置されている限り、これら両方のプローブは患者の体内組織および互いに対して所望の配置にあることになる。上記の第1および第2の配置は互いに同一であってもよく、その場合は、これら両方のプローブは同一点において作用する。また、当該第1および第2の位置は互いに異なっていてもよく、この場合は、これら第1および第2の位置は共通の体内組織に関連している。例えば、第1プローブが動脈や静脈のような体内管に沿う1点に配置されている場合、第1および第2プローブの相対配置は第2プローブが同じ動脈または静脈の中の別の点に配置されるように選択される。さらに、上述の方法のいずれにおいても、フィールドトランスデューサを有する付加的なプローブをさらに用いることが可能である。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態は医療患者の体内の一定部位を標識するための部位プローブを備えている。本発明のこの実施形態に従う部位プローブは、好ましくは、磁気、電磁波または音響波のような非イオン性の場を検出し、かつ、検出した場の1種以上の特性を表現する1個以上のセンサー信号を供給するように構成されたセンサーの形態でフィールドトランスデューサを備えている。本発明のこの実施形態に従う部位プローブはさらに患者の体内組織にフィールドトランスデューサを固定するように構成されたアンカー部と上記センサー信号を患者の体内から患者の体外に送信するための信号送信手段を備えている。
【0019】
また、患者の体内の一定部位を標識するための部位プローブは1個以上の駆動信号に応じて非イオン性の場を送信するように構成されたアンテナ等のトランスデューサを含むフィールドトランスデューサと、患者の体内組織に部位プローブの本体を固定するように構成されたアンカー部を備えている。さらに、本発明のこの実施形態に従う部位プローブは、好ましくは、患者の体外から患者の体内に配置される装置に駆動信号を送信するための信号送信手段を備えている。
【0020】
上記のアンカー部は組織に係合するように構成されたネジ部を有するスクリューや患者の体内組織に係合するように構成された複数の柔軟で移動可能な刻み部分を有するピンサーのような機械的装置を含む。上述の部位プローブは先端部および基端部を有するカテーテルのような細長いプローブに一体に備えられている。すなわち、部位プローブは細長いプローブの先端部近傍に取り外し可能に取り付けられて、当該部位プローブは細長いプローブの基端部を体外に残した状態で患者の体内に進入し、その体内の所望の位置における患者の組織に係留してそこに留まることができる。この部位プローブに含まれる信号送信手段は上記センサーから細長いプローブの基端部に延出する1個以上のリード線を備えており、これらのリード線は部位プローブのアンカー部による組織への固定後にリード線をその位置に残した状態で細長いプローブが後退できるように構成されている。
【0021】
さらに、本発明の別の実施形態は上述のような部位プローブと体内への挿入に適した構成の器具プローブから成る患者の体内の一定部位に器具を案内するための装置を提供する。この器具プローブは部位プローブにより送受信される場を受送信するように構成されたフィールドトランスデューサを備えている。当該装置はさらに患者の体外に配置されるように構成された1個以上の外部フィールドトランスデューサと部位プローブのフィールドトランスデューサを駆動するための駆動手段を備えており、この場合において、器具プローブと外部フィールドトランスデューサが1種以上の非イオン性の場をそれらの間に送信して当該送信された場を検出する。上述の方法に基づいて説明したように、器具プローブと部位プローブの相対配置は上記検出された場から決定できる。
本発明の上記およびその他の目的、特徴および利点は添付の請求の範囲に基づく以下の好ましい実施形態の詳細な説明によりさらに明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施形態に従う部位表示用プローブ組立体は基端部22と、先端部24およびこれらの端部の間に延出する細長い穴26を有するチューブまたはカテーテル20の形態の細長いプローブを備えている。位置センサーまたはフィールドトランスデューサ30を含む部位プローブ本体28は一組のフックまたは把持手段32の形態のアンカーに物理的に接続している。フィールドトランスデューサ30は磁場または電磁場を検出するように構成されたセンサーに設けられている。例えば、センサー30は上述の米国特許第5,558,091号に開示されるような多軸の固体位置センサーとすることができる。このようなセンサーは相互に直交する方向の磁場要素に感応する複数のトランスデューサを含む。他の適当な位置センサーとしては、本明細書において参考文献として含まれる米国特許第5,391,199号および現在PCT国際公開第WO 96/05768号として公開されている国際特許出願第PCT/US/01103号に開示されるようなコイルが挙げられる。このようなコイルは単一のコイルでもよく、また、直交方向における場の要素を検出できる複数の直交コイルであってもよい。位置センサーまたはフィールドトランスデューサ30は穴26内を延出してチューブ20の基端部22から外出するリード線34に接続している。さらに、フレキシブルシャフトの形態を有する制御ロッド36がチューブの基端部22から部位プローブ本体28まで穴26内を延出している。この制御ロッド36は組み製のケーブルまたは他の柔軟な要素であって、チューブ20に沿ってこれと共に折り曲げおよび変形でき、その軸方向に推力を生じることができる。この細長いプローブまたはチューブ20は患者の体の所望の位置に到達できるように構成されている。例えば、チューブ20は従来のカテーテル、気管支鏡、内視鏡、腹腔鏡等の構造を有している。また、チューブ20の大きさおよび形状は治療する体の領域によって決まる。さらに、チューブ20は操縦可能かつ案内可能であって、選択的にその先端部を折り曲げるような後述する特徴を備えている。
【0023】
部位プローブ本体28は先端部24近傍の穴26内に取り外し可能に係合されており、該本体28および把持手段32はチューブの先端部24から外に移動できるようになっている。把持手段32にはスプリング荷重がかけられているため、チューブの先端部から外出して延伸すると図1の破線の状態32'になる傾向がある。また、このスプリング式把持手段32はチューブの中にある時には該チューブ20の壁に摩擦的に係合するため、当該装置は当該チューブ内に取り外し可能に保持される。以下にさらに述べるように、使用時において、上記組立体は患者の体内の患部Lまたはその他の注目する組織の近くに先端部24が配置されるまで前進する。そして、この状態において、本体28とアンカーまたは把持手段32は制御ロッド36により前進する。この結果、装置はチューブ20から外に出て、把持手段32が組立体の先端部にある患部Lの組織に破線の状態32'のように係合する。これにより、部位本体28およびセンサーまたはフィールドトランスデューサ30が把持手段により患部Lの組織に固定される。
【0024】
チューブ20は制御ロッド36とリード線34を残して除去することができる。この除去において、チューブ20は基端部側に制御ロッド36、リード線34およびコネクタ35の上を摺動し、当該制御ロッドおよびリード線は穴26の先端部24から抜け出る。この制御ロッドおよびリード線のチューブの穴の中での移動を容易にするために、当該制御ロッドおよびリード線を一体成形してもよい。なお、図1にはチューブのリード線のみが示されているが、このリード線の数は位置センサー30の形態によって決まる。
【0025】
本発明の別の実施形態(図2)に従う組立体は図1の組立体の対応する要素と類似するチューブ120、部位プローブ本体128、センサーまたはフィールドトランスデューサ130、制御ロッド136およびリード線134を備えている。しかしながら、この組立体は図1の実施形態において使用される把持手段の代わりにネジ132の形態のアンカー部を備えている。使用時には、制御ロッド136が作用要素128およびネジ132を回転させながら当該作用要素をチューブ120の外に押し出すことにより、破線の状熊132'で示すように作用要素がネジを介して組織に係留される。
【0026】
また、図3に示すように、上記のネジまたは把持手段を作用要素本体に固定した針140に代えてもよい。針はあご部142を備えている。この場合も同様に、作用要素本体とアンカー部がチューブの先端部124から前方に押し出されてアンカー部が組織に係留する。この時、あご部142が作用要素本体およびセンサーを保持する。さらに、本発明のこの実施形態に従う組立体は上述のような針、ネジおよび把持手段の他の異なる形熊のアンカー部を備えていてもよい。例えば、米国特許第5,217,484号、第5,195,540号、第4,592,356号、第4,931,059号、第5,234,426号、第5,267,960号、第5,409,004号、第5,158,084号、第5,059,197号、第5,197,482号および第5,301,682号に、患者の組織に埋め込み可能であり機械的に係合する種々の装置が示されている。なお、これらの特許は装置の患者の組織への固定、患部の標識等のための機械的装置を示している。基本的には、患者の組織に対して作用装置本体を係留するように駆動できる機械的装置であれば何でも図1〜図3に示すような構造における係留装置として採用できる。なお、この作用装置本体を管状要素内に挿入することが好ましいが、このことは不可欠ではない。例えば、上記部位プローブはフィールドトランスデューサを収容する剛体の針の形態で部位プローブ本体を備えていてもよく、この針は当該針の先端部近傍に位置センサーを配置した状態で体内に進入できる。このような針は患者の組織内に進入することにより、外部の何らの支援も要さずに、それ自体で位置決めできる。そのような剛体の針は本発明の一実施形態に従う方法において挿入後に当該針を保持するために上述のようなアンカー部を備えることができる。同様に、この部位プローブは上述のような細長い柔軟な本体部と一体にすることも可能である。例えば、トランスデューサ30と把持手段32(図1)を細長いプローブ本体20に取りつけることができ、この場合は、この細長いプローブ本体はその場に残留する。
【0027】
本発明に従う装置は好ましくは器具プローブ200(図4)を備えている。この器具プローブは治療、測定または観察のような医療処置を行うために体内に挿入または進入できる装置であれば基本的にどのような装置でも使用できる。なお、ここで用いる用語「治療」には、体内組織または材料のサンプルの捕捉すなわち生検用処置(biopsies)が含まれる。図示のように、器具プローブ200は基端部と先端部を有する管状の本体202を備えており、その基端部にはハンドル部204が固定されており、このハンドル部204の反対側に先端部206が位置している。この本体202はその基端部から先端部にかけて長手方向に延在する穴208を有しており、ハンドル部204を介して外側に開口している。また、本体202はその先端部近傍に柔軟な部分を有していて、先端部206が本体の残部に対して折り曲げまたは回動できるようになっている。この器具プローブの本体は端部206において長軸237とこれに直交する軸239および241を画定している。また、プローブ200に、本体202の先端部を当該本体の残部に対して折り曲げるための装置(図示せず)を備えて、これにより、上記装置が患者の体内に進入するときにこの装置を操縦できるようにしてもよい。軸237の回りの端部206の動きを一般に「回転(roll)」と言い、本体部分の折り曲げ時もしくは装置全体の傾斜時に生じる軸239および241の回りの端部の動きをそれぞれ「傾斜(pitch)」および「揺動(yaw)」と言う。このような器具プローブの構成要素は基本的に従来のものでよく、一般に使用されている操縦可能なカテーテル、針、内視鏡などのプローブであればよい。それゆえ、穴208は装置の基端部またはハンドル部から操縦可能なはさみや鉗子等の従来の体内医療器具やその他の手術器具210に適用できるように構成されている。この手術器具210は内視鏡、関節鏡、腹腔鏡手術または従来の生検サンプリング装置において一般に用いられる種類の従来型の手術器具である。この器具は本体202の先端部の外側の作用位置210'に進入できるように構成されている。また、器具210は本体の基端部またはハンドル部204から操作および操縦可能に構成されている。それゆえ、この器具は従来の制御要素または連結手段によって操作ハンドル212に接続している。さらに、例えば、電気的、電子的または光学的制御連結手段のような器具の操作制御用の他の手段を採用することも可能である。また、例えば、本体202が切断刃を備えている場合に、器具210を本体202の固定位置に取りつけるかこれと一体に成形してもよい。さらに、本体202は一般的な従来構造の生検針であってもよく、また、本明細書において参考文献として含まれる本出願と同日出願のイスラエル受理局に提出されたBiosense社を出願人とする「位置決め可能な生検針(Locatable Biopsy Needle)」と題する同時係属の国際出願に開示されるような生検針であってもよい。上記器具プローブはメス、鉗子または患者の体内の一定の場所において手術または医療処置を施すために患者の体内に進入させることのできる部分を有する他の器具を含んでいてもよい。さらに、器具210は温度計や体内電位を測定するための電極のような体内の状態を測定または感知するための装置、光学または超音波カメラ等の画像装置のような体内の構造を画像処理するための装置、医薬を投与するための装置、治療用放射線を加えるための装置、または生体の体内構造を治療、測定または観測できる他の装置であってもよい。
【0028】
フィールドトランスデューサまたはセンサー230が基部プローブ202の先端部206に取りつけられている。このトランスデューサ230は上記部位プローブの位置センサーについて説明したような種類のものと同一のものとすることができる。トランスデューサ230は本体の基端部またはハンドル部204にリード線234を介して接続している。リード線234は本体の基端部において端末部または接続部235を備えている。基部プローブが剛体または概ね剛体の本体部を有している場合は、フィールドトランスデューサ230は当該器具の作用部分と一定の空間的関係を持って本体のほぼ任意の場所に取り付けることができ、その作用部分の配置はフィールドトランスデューサの配置から推定できるようになっている。しかしながら、器具プローブが柔軟性を有する場合は、当該器具プローブに含まれる作用部分のいずれかの近傍に取りつけられることが好ましく、これによって、器具プローブに含まれる作用部分の配置がフィールドトランスデューサの配置から推定できる。
【0029】
この装置はさらに一組のフィールドトランスデューサまたはアンテナ300を患者に対する外部基準座標空間内に備えている。例えば、このフィールドトランスデューサ300は患者の支持ベッドに取り付けることができる。このアンテナ300はフィールド送受信装置302およびコンピュータ304に連結しており、このコンピュータは陰極線管306のような表示装置に連結している。これらの要素は部位プローブ側および器具プローブ側のフィールドトランスデューサまたは位置センサーと協働してこれらプローブ上のフィールドトランスデューサの配置を決定するように構成されており、これによって、外部フィールドトランスデューサまたはアンテナの基準座標空間内における部位プローブおよび器具プローブの配置が決定できる。この装置のこれらの要素は上記米国特許第5,558,091号または第5,391,199号に記載されるものとすることができる。さらに、非イオン性の場の送信による位置センサーを備えるプローブの配置を検出する他の装置は当技術分野において知られている。すなわち、当技術分野において知られるように、電磁場または磁場は外部基準座標空間内に取り付けられたアンテナまたはフィールドトランスデューサとプローブ上の位置センサーまたはフィールドトランスデューサとの間で送信することができ、そのプローブの配置は当該プローブ上のトランスデューサにより検出される場の特性から計算できる。従って、外部フィールドトランスデューサまたはアンテナとプローブ上の位置センサーまたはフィールドトランスデューサは協働して複数の送受信機の対を構成する。すなわち、このような対の各々は一対の要素として1個の送信機と1個の受信機を備える。そして、この対の一方の要素がプローブ上に配置され、その対の他方の要素が外部の基準座標空間内における既知の位置に配置される。一般に、各送信機−受信機の対の少なくとも1個の要素はその他の対の対応する要素とは異なる位置または方向に配置されている。種々の対の要素間の場の送信特性を検出することによって、当該システムは外部基準座標空間内におけるプローブの配置に関する情報を推定することができる。なお、この配置情報には、プローブの位置、プローブの方向またはその両方が含まれる。
【0030】
本発明の一実施形態に従う方法においては、部位プローブ8は従来の放射線医療中に患者の体内における患部L上に配置および係留される。例えば、患者が肺の蛍光透視法、X線等の画像処理検査を受けている時に、部位プローブ組立体がそのような検査において観察される患部に進入してプローブ本体28がその画像処理により案内されて患部上に係留される。この時、把持手段32のような係留要素が部位プローブを患部に係留するように作動し、管状の本体20がリード線34を患者の体から突出した状態で後退する。
【0031】
部位プローブの配置後、患者は外部フィールドトランスデューサまたはアンテナ300の基準座標空間内に配置される。リード線34はフィールド送受信装置302に接続されるので、部位プローブ上のフィールドトランスデューサまたは位置センサー30が当該送受信装置に接続されることになる。同様に、器具プローブ(図4)のフィールドトランスデューサまたは位置センサー230もまたリード線234を介して送受信装置302に接続される。而して、器具プローブの先端部206は位置センサーまたはフィールドトランスデューサ230を担持した状態で患者の体内の患部に向けて進入する。一方、フィールド送受信装置302およびコンピュータ304は外部フィールドトランスデューサまたはアンテナ300および各プローブのフィールドトランスデューサまたは位置センサー30および230を駆動して場の送受信を行う。この時、外部装置またはアンテナ300がフィールドトランスデューサとして使用される場合は、各プローブからのリード線34および234は各プローブにおいて検出された場を表現するセンサー信号を当該フィールドトランスデューサ送受信装置に供給する。逆に、各プローブ上のフィールドトランスデューサまたは位置センサーが送信機として使用される場合は、リード線34および234は各プローブ上のフィールドトランスデューサまたは位置センサー30,230に駆動信号を送るように作用する。従来の方法においては、コンピュータ304が各プローブ上のフィールドトランスデューサの配置を計算することによって外部フィールドトランスデューサにより画定される基準座標空間内における各プローブ自体の配置を推定する。図示の構成においては、コンピュータはプローブ28の配置を計算して表示装置306上の位置28'にその配置を表示し、同様にして、器具プローブの先端部206の配置を計算して表示装置306上の位置206”にその配置を表示する。このようにこれら2個の配置を表示することによって、器具プローブ200の先端部206から部位プローブ本体28までの位置と方向が視覚的に指示できる。この結果、医者は部位プローブに向けて器具プローブを患者の体内に進入させることができる。
【0032】
部位プローブが患部またはその近傍あるいは他の治療を要する組織に取り付けられるので、その患部または組織の実際の位置はシステムの操作に影響しない。従って、患者は外部基準座標空間内において移動することができ、患部または組織も患者の体内で移動可能である。例えば、治療を受けている肺を部位プローブの配置後で他の処理工程の前に収縮してもよい。このような状態にもかかわらず、このシステムは器具プローブの先端部と部位プローブの正確な位置を表示し続け、器具プローブの治療する患部または他の組織への操縦の適正な案内を実行し続ける。なお、本開示において使用する「操縦(navigation)または(navigating)」はプローブを患者の体内の所望の位置に移動する処理を言う。この操縦処理において、医者は器具プローブを患者の体内に進入させる時に解剖学上の知識や器具プローブの感触といった付加的な情報や手がかりに依存することもできる。また、カメラや光ファイバー装置等の従来の視覚化装置が器具プローブに備えられていれば、これらもまた付加的な案内情報の収集に使用できる。さらに、当該システムは表示306の内容に加えて、例えば、器具プローブ先端部から部位プローブの方向に延出する太い線308のような当該方向の明確な指示を行うことも可能である。さらに、当該表示装置上の器具プローブと部位プローブの表現における各指示部が異なる色や形状等の異なる特性を有するようにして、医者がそれらを容易に判別できるようにすることも可能である。
【0033】
さらに、表示装置は患者の組織の画像を示す必要はない。しかし、既知の画像データが容易に利用できて容易にプローブの配置データと整合できれば、このような既知の画像データを各プローブを表現する指示部に整合させて表示することが可能である。
【0034】
図6および図7に示すように、位置の表示を多面的に行うことができる。すなわち、表示装置306は垂直な面に配置される一対の表示スクリーン352および356を備えている。これらの表示装置はそれぞれ当該スクリーンの平面に平行な方向における位置の要素のみを表示できる。例えば、スクリーン356は患者の体の長軸に垂直な平面内に配置されており、正確な相対配置における器具プローブ先端部の表現206”と部位プローブ本体の表現28”を示す軸方向の画像を表示している。一方、スクリーン352は患者の体の長軸に平行な面内に配置されていて、相対配置の矢状方向の画像を表示している。さらに、他の三次元情報を表現する便利な形態も採用できる。例えば、上記相対配置は「バーチュアルリアリティ」式のコンピュータグラフィックの用途において現在使用されている種類の両眼式画像処理装置のような立体画像処理装置、ホログラフィック画像またはその他の適当な三次元画像処理装置において表示できる。医者が器具プローブの先端部を注目する位置に移動してしまうと、例えば、患部の全体を除去したり患部についての生検処理をしたりするような医療処置を行うことができる。この処置の間またはその後で部位プローブ28を除去する。その処置において部位プローブが係留されている組織が患者から切除される場合、当該部位プローブは制御ロッド36(図1)によって患者の体から単に引き出される。また、部位プローブに用いられている係留装置は組織を除去することなく組織から部位プローブを取り外すことを可能にできる。例えば、ネジ132(図2)は付属の制御ロッド136を回転することによって組織から取り外すことができる。さらに、把持手段に分離要素が備えられていて、当該分離要素が制御ロッドを介する操作により制御可能であり、当該把持手段が制御可能なピンサーとして作用するようにしてもよい。この場合、部位プローブは把持手段を組織から取り外すことにより当該組織から除去できる。
【0035】
コンピュータ304は器具プローブ先端部206と部位プローブ本体28の相対配置をこれら2個のプローブの位置を差し引くことにより計算できる。すなわち、本システムは外部フィールドトランスデューサ300により画定される外部基準座標空間における部位プローブ先端部の座標を同一の基準座標空間内における部位プローブ本体28の座標から差し引いて器具プローブ先端部から部位プローブ本体に至る相対配置ベクトルの各要素を算出する。さらに、上記相対配置を、器具プローブの操縦時に医者に与えられる、例えば、触感的表示または1種以上の音響信号のような視覚的表示以外の知覚可能な指示手段として提供することもできる。このように計算された相対配置は、例えば、相対配置ベクトルの各要素を表示するように、数字的かつ図表的に表示できる。また、器具プローブが自動化装置により操作される場合は、上記相対配置がベクトル座標等の適当な形で当該自動化装置に与えられて器具プローブの部位プローブに対しての移動が自動的に制御される。
【0036】
図8に示すように、基準プローブフィールドトランスデューサまたは位置センサー330を有する基準プローブ328を部位プローブ28と共に用いることができる。このようにすることにより、基準プローブは部位プローブを配置するために用いられる処理の間中、当該部位プローブの近傍に配置できる。さらに、位置モニター装置は部位プローブおよび器具プローブの位置を検出するのと同じ方法で当該基準プローブの位置を検出する。すなわち、この基準プローブと部位プローブの相対配置の実質的な変化によって、これらのプローブの一方または他方が係留される組織から外れたことが分かる。本システムはこの状態の発生時に警告音や視覚的指示により医者に自動的に警告するように構成できる。また、この基準プローブと部位プローブの相対配置は、例えば、配置処理中に得られるX線等の画像データにより、当該配置工程中に記録することができる。この予め記録された配置情報はフィールドトランスデューサにより得られる基準プローブと部位プローブの相対配置と比較できる。ここでも、基準プローブと部位プローブの相対配置に何らかの実質的な変化が生じると、これらのプローブの一方が外れたことが分かる。
【0037】
上述の構成において、各プローブは外部フィールド送受信装置に導体を介して接続している。しかしながら、このような配線による接続は必ずしも必要ではない。例えば、図9に示すように、部位プローブ428は共振回路を構成するようにキャパシタ431に連結する誘導性アンテナ430の形態のフィールドトランスデューサを備えていてもよい。この場合、外部フィールドトランスデューサは部位プローブに当該部位プローブ内の回路の共振周波数で交流電磁波の形態の駆動信号を供給する。これにより、部位プローブは同一周波数の電磁波を放出する。このような構成は例えば時間多重システムに使用できる。すなわち、一定時間間隔の間に、外部フィールドトランスデューサが当該システムを駆動するように動作する。また、他の時間間隔の間には、当該外部装置は受信アンテナとして使用される。また、部位プローブ内の再放射回路を1個の周波数で信号を受信し、異なる周波数で再放射される信号を送信するように構成してもよい。図9Aに示すように、部位プローブは内部に磁性金属素子460を配置する形態のフィールドトランスデューサと共に小形の生体受容性金属ペレット450を備えていてもよい。外部に供給される交流磁場の存在下に、このようなペレットは外部の場と同一周波数で異なる位相の場を発生して当該ペレットの付近の場の位相を変える。この位相の変化の程度はペレットを囲む小領域における当該ペレットからの距離によって変化する。器具プローブのフィールドトランスデューサもまた交流の場を検出することができ、その場の位相を部位プローブからの距離の指示情報として使用できる。この種の部位プローブは体内の多数の位置を標識するために使用できる。さらに、このようなプローブは注射器による注入によって使用することができ、生体受容性の接着剤により固定することができる。図9および図9Aに基づいて説明したような放射された場により駆動する部位プローブは長期の埋め込みの場合に特に有用である。このように、部位プローブを一定の場所に保留すれば、長時間の経過後および部位の成長、治癒または他の長期間の治療により当該部位が体内において移動しても、器具プローブは同一部位に操縦して戻すことができる。さらに、貯蔵型バッテリー等のエネルギー供給源を備える自己電力供給型の部位プローブの使用やアンテナに連結するオシレータのような交流場発生装置を使用する他の構成も利用できる。バッテリー電力供給型の部位フィールドトランスデューサは、例えば、部位プローブが当該フィールドトランスデューサの作動後すぐに除去される患部を標識するために使用される場合のように、フィールドトランスデューサが短時間にのみ作動する必要がある場合に特に有用である。また、バッテリー電力供給型のフィールドトランスデューサは長期間の用途に対応することができ、外部的に供給される信号または内部的に発生する信号により作動する。さらに、多数の場を放射するために、多数のフィールドトランスデューサまたはアンテナを直交方向に備えた複雑な構成の放射装置も使用できる。これらは異なる周波数または時分割多重方式により作動できる。なお、同様の構成が器具プローブにおいても利用できる。
【0038】
フィールドトランスデューサの他の形態として音響波を放出するように構成することもできる。また、可視光または赤外光のような光の放出も採用できる。体内の多くの組織は赤から赤外の光の波長に半透過性であるので、発光ダイオードのようなフィールドトランスデューサから発せられる放射光の強度を当該トランスデューサからの距離の指示手段として使用できる。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態において、部位プローブ本体はこれに取り付けた永久磁石530の形態のフィールドトランスデューサを有している。一方、器具プローブは部位プローブ本体の先端部506に固定した基準座標空間内における複数の直交方向の一定の磁場成分を測定するように構成されたフィールドトランスデューサ531を備えている。例えば、フィールドトランスデューサまたは位置センサー531は複数の磁気感応性、ホール効果型等の固体磁場トランスデューサを備えており、各トランスデューサは器具プローブ506に対する任意の局所的方向の場の成分に感応する。フィールドトランスデューサ531からの信号は器具プローブの先端部506から当該先端部に衝突する磁束線に沿うベクトル533の成分を示している。先端部506が永久磁石530の磁極の一方に適度に近い領域内に位置している場合には、磁束線に沿うベクトルは概ね部位プローブ528の方向を指す。表示装置(図示せず)はこの情報を方向ベクトルとして表示し、医者はこの情報をプローブの先端に対する方向として理解する。例えば、上述のような操縦可能なプローブを用いる場合、医者はプローブの先端部を種々の方向に揺動して方向ベクトルが器具プローブの先端部から直進する方向を探すことができる。その後、医者は器具プローブを前進させてこの処理を繰り返す。このようにして、器具プローブは部位プローブを目指して進む。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態による部位プローブは細長いシャフト部629を有するプローブ本体628を備えている。この部位プローブのフィールドトランスデューサはシャフト部629の基端部におけるハンドル631に配置される超音波トランスデューサである。このトランスデューサにより供給される超音波エネルギーは部位プローブから概ねシャフトの全長に沿って伝達され、当該シャフトを囲む超音波の場を形成する。それゆえ、この場はシャフトから離れる方向に強度が減少する。器具プローブはマイクロホンまたは他の超音波エネルギーに感応する形態のフィールドトランスデューサまたは位置センサー633を有している。モニターシステムはフィールドトランスデューサまたはマイクロホン633に衝突する超音波エネルギーの強度に直接関係する強度を有する可聴信号のような信号を供給するように構成されている。このようにして、システムは器具プローブの先端部から部位プローブのシャフト629に至る距離を指示する。而して、医者はこの情報を器具プローブのシャフト部629近傍への案内用に用いて、器具プローブを部位プローブ本体628に向けて前進する際に、器具プローブの先端部を当該シャフトの近くに保持することができる。この方法の変形例においては、超音波が部位プローブ自体からのみ発せられるために、超音波の場が概ね球形の場となり、その強度がプローブ本体からの全ての方向に減少する。この場合、感知される強度は部位プローブ本体628からの距離を示す。この情報は、例えば、器具プローブを種々の方向に移動してどの移動方向が強度の増加を最大にするかを調べることにより、器具プローブの案内に使用できる。同様の手法が部位プローブから放出される磁気および電磁気信号によっても採用できる。さらに、逆の手法、すなわち、音響波または電磁場が器具プローブから放出されて部位プローブに当たる場の強度がモニターされる手法も採用できる。いずれの手法においても、受信機として作用するプローブ上のフィールドトランスデューサまたはセンサーからの信号がプローブ間の距離を示し、2個の相対的配置に関する情報を提供する。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態によれば、複数のプローブの相対配置に関する情報が、いくつのプローブが患者の体に固定されているか否かにかかわらず、当該複数のプローブの作用を整合させたり、1個以上のプローブを案内したりするために使用できる。例えば、図12に示す実施形態において、2個の器具カテーテル690および694は整合されており、それらの先端部が互いに並列に配置されている。従って、カテーテル690および694の先端部近傍の位置センサー630および632から発せられる位置情報により、医者は両方のカテーテルを共通の治療位置692の近傍位置に操縦できる。さらに、位置センサー630および632は両方のカテーテル間および当該カテーテルと共通の治療位置692の間の方向に関する情報を提供する。それゆえ、両方のカテーテルの先端部を共通の治療位置に向けることができる。器具プローブおよび部位プローブに基づく上述の配置決定装置は、外部基準座標空間における各プローブの配置を測定すること、あるいは当該多数のプローブ上のフィールドトランスデューサ間に送信される場をモニターして当該モニターされた場から直接に相対配置を決定することのいずれかによって、多数プローブの相対配置に関する情報を提供するのに使用できる。さらに例えば、多数の異なる器具を共通の位置に移動することが必要であり、それにより、その共通位置がそれらの器具の全てにより治療される場合のカテーテル式手術法においては、多数のカテーテルの作用を整合することが有用である。また、1個以上のカテーテルが、例えば、光学的または超音波監視装置のような治療を観察する装置を担持しており、他のカテーテルが組織を操作、切断または切開するための装置を備えていてもよい。この組織の切断または「切開」はカテーテル先端部から出るレーザービームの作用、または小気泡(マイクロバブル)を吹き込んで該マイクロバブルを注入した領域に超音波エネルギーを加えて破裂させることにより行える。整合されたカテーテルは、例えば、1個のカテーテルを介してレーザー光またはマイクロバブルを供給し、他の1個のカテーテルを介してその処理を観察できるようにすれば、上記のような手術操作に使用できる。
【0042】
図13に示すように、複数のプローブがそれらの相対配置に関する情報により互いに近接することなく互いに整合されている。従って、図13に示す実施形態においては、プローブ702および704が生体組織の反対側にそれぞれ置かれて、これらのプローブ上に担持される位置センサーまたはフィールドトランスデューサから得られる位置情報により互いに整合しかつ向き合っている。このような互いに向き合った構成のプローブは種々の目的に使用できる。例えば、プローブ702はプローブ704の検出器に対して超音波を送信し、当該プローブ704の検出器はこれらプローブの間の組織の超音波画像を生じるように駆動することができる。また、初期的に互いに一定距離をもって配置されるプローブを互いに整合した後に、これらの一方または両方を他のプローブに向けて進めることができるので、これらのプローブにより上述の部位プローブと器具プローブと同様の処理を組み合わせて行うことが可能になる。このような構成においては、いずれのプローブも手術中において体内組織に固定されない。
【0043】
本発明のさらに別の実施形態による手法においては、2個以上のプローブを注目する生体組織に係合または当該組織内の離間する場所に配置することによって整合できる。例えば、第1のプローブを導管のような体内腔の中に配置して、第2のプローブを同一腔内の他の部分に配置する。この方法を用いる本発明の別の実施形態による手法(図14)においては、カテーテル720の形態を有する第1のプローブが導管系内に挿入されて脳内動脈瘤の上流側の脳内動脈の中に配置されている。カテーテル720はその先端部近傍に第1のフィールドトランスデューサまたは位置センサー722を含む。カテーテル720を配置する工程は蛍光透視法のような従来の画像処理技法により行うことができる。また、米国特許第5,558,091号に記載される方法を使用することもできる。このフィールドトランスデューサ722の配置は1個以上の付加的なフィールドトランスデューサから、または、当該トランスデューサに送信される場によって検出できる。さらに、検出された配置は既知の画像データの基準座標空間に相関され、カテーテル先端部の表現が当該既知データからの画像表示上に重ね合わされる。カテーテル720の配置後、動脈瘤Aから上流側の第1の位置における動脈への血液供給を阻止するようにカテーテルの先端部近傍のバルーンを膨張させる第1の医療処理を行う。次いで、先端部近傍にフィールドトランスデューサ728を有する第2のカテーテル726の形態を有する第2のプローブを上記第1の位置から下流側の第2の位置における動脈の外側から周囲の脳組織を通して同一動脈内に進入させる。この第2のプローブはその後ステントとして使用したり、第2の位置における別の治療を行ったりするために使用できる。この第2プローブの配置の間に、当該第1および第2プローブの相対配置に関する情報を第1プローブに対する所望位置に第2プローブを配置するために使用でき、これによって、第2プローブを動脈および動脈瘤に対して所望位置に配置することができる。
【0044】
さらに、この相対配置情報は他の配置情報の供給源と共に使用することができる。例えば、第1プローブ先端部またはフィールドトランスデューサ722に対する第2プローブ先端部またはフィールドトランスデューサ728の配置に関する情報は米国特許第5,558,091号に記載されるような重ね合わせ方式と共に使用でき、この場合、第2プローブ先端部の表現が既知の画像に整合して表示される。この重ね合わせ方式は第1プローブから遠隔位置にある脳の患部のような組織の近くに第2プローブを案内するために使用でき、その相対配置情報は当該第2プローブを正確な位置に運ぶために使用できる。さらに、相対配置情報は同様の方法で直接の画像案内情報と組み合わせることもできる。なお、相対配置情報を他の情報と共に使用することは人体の他の領域における医療処理にも適用可能である。
【0045】
複数のプローブを分離し、かつ機能的に関係する部位に配置する他の方法としては、神経刺激作用の伝達の促進および測定のために神経に沿って分離した点に2個のプローブを配置すること、および血管に沿う注入カテーテルおよび血管により作用する導管床内におけるサンプリングカテーテルの配置等が挙げられる。図15に示すように、3個以上のプローブを同様の方法で整合することも可能である。すなわち、図15の4個のカテーテル配置構成において、カテーテル804は位置806において組織を切開する一方で、カテーテル808はその位置における残留物を除去する。また、カテーテル810は当該カテーテルに担持される超音波画像処理装置を用いて組織の周囲の位置806を監視する一方で、カテーテル112が位置806における導管床内にマイクロバブルを注入して当該位置における種々の組織の間のコントラストを高める。
【0046】
このような多数プローブの使用は各プローブが1個または数個の装置を使用するだけでよい点で有利である。すなわち、必要な全ての装置を含む組み合わせプローブに比して、個々のプローブをより簡単でより小型にできる。本発明に従う好ましいフィールドトランスデューサおよびプローブは体内への挿入を容易にする程度に小径の装置である。すなわち、各フィールドトランスデューサは約3ミリ以下、好ましくは2ミリ以下、最も好ましくは1ミリ以下の小さな直径を有し、さらに望ましくは、約0.2ミリ以下の直径を有する。また、プローブ自体もフィールドトランスデューサと同様の範囲の大きさを有することが望ましい。使用可能なフィールドトランスデューサとしては、本明細書において参考文献として含まれる1996年2月26日に提出された同時継続中で共同出願の米国暫定特許出願第012,242号および米国受理局において本明細書と同日に出願され上記米国暫定特許出願第012,242号の優先権を主張するBiosense社を出願人とする穴を有するカテーテルと題するPCT国際出願に開示されるものが挙げられる。
【0047】
上述の技法を用いて行うことのできる医療手法の一例として肝臓バイパスが挙げられる。肝臓の進行した分岐部傷害を有する患者は門静脈の閉塞の結果として生じる致命的な胃腸管出血を引き起こす静脈血圧の上昇を被る。そこで、このバイパス手法により、肝臓の大部分をバイパス処理できる肝臓内の肝静脈と門静脈の間の短路が形成できる。この結果、静脈血圧が低下して胃腸管出血を止めることができる。また、例えば、本明細書において参考文献として含まれるZemel他の頸静脈貫通肝臓内門脈体静脈短路における技術的進歩(Technical Advances in Transjugular Intrahepatic Portosystemic Shunts)(RadioGraphics,Vol.12,No.4,pp.615-623(1992))に開示されるように、カテーテルとガイドワイヤを頸静脈を通して肝静脈内に挿入して、針をそのガイドワイヤに沿って通して門静脈のプローブとして使用する。この針は肝臓組織を通して強制的に門静脈に進入する。しかしながら、この手法は肝臓組織に何らかの病気による硬変部分や傷があると相当困難になる。針が中空であるため、別の門脈が見つかると、血液が当該針を通って流れる。そこで、カテーテルは針を置き換えてカテーテルが静脈の間に延在するようにする。さらに、膨張可能なステントのようなステント部材を当該針またはカテーテルに沿って案内してこれら二つの静脈管を接続する永久通路を形成する。また、逆の方法、すなわち入り口を門静脈側に形成して針を肝臓組織内に肝静脈まで貫通移動する方法も採用できる。しかし、この方法は蛍光透視法を用いて行われ極めて時間がかかるので、患者および医者の曝露放射線量がかなり多い。
【0048】
本発明のさらに別の実施形態によれば、上記の方法は、通路を形成するために使用される針等のプローブ上のフィールドトランスデューサに送出される非イオン性の放射線を用いることと、その非イオン性放射線を用いる処理の間にプローブの配置を決定することによって大幅に簡単化できる。図15に示すように、フィールドトランスデューサまたは位置センサー904を備える針902が肝静脈内に導入される。位置センサーまたはフィールドトランスデューサ922を有する部位プローブ920が門静脈に近い肝臓組織内に配置される。その後、針を肝臓組織内に進入させながら上述の方法で針とマーカーカテーテルの相対配置をモニターすることにより、その針を門静脈に誘導する。針が門静脈に進入したら、残りの処理を従来法に従って行う。本発明のさらに別の実施形態においては、位置センサーを有する針の位置をモニターして、その位置情報を静脈内のコントラスト媒体により得たCT画像のような患者の既知の画像に整合する。上述の米国特許第5,558,091号に記載されるように、このような整合は患者と共に画像処理される基準マーカーによって行うことができる。針が肝臓組織内を進入すると、針の先端部の外形が表示画像に重ね合わされるので、医者は針を肝静脈から門静脈またはその逆に案内することができる。肝臓組織に穴あけするための上述の処理においては、レーザーを用いて介在する組織を破壊したり針の前方の組織にマイクロバブルを注入して超音波をこれに集中させたりして組織を破壊することにより簡単に針の通路を形成することができる。なお、これらの技法を用いる場合は、上記針をカテーテルのような柔軟な装置に代えてもよい。
【0049】
次に、図17に示すように、フィールドトランスデューサを備える多数の部位プローブ1028a〜1028cを患者の体の離れた別々の場所に配置してフィールドトランスデューサを備える1個以上の器具プローブ1030をこれらの位置のいずれかに案内することができる。これらの多数のプローブは、固定の基準座標空間内に配置した基準フィールドトランスデューサ1032のような、体外に配置される付加的なフィールドトランスデューサと共に使用できる。構成の一例において、基準フィールドトランスデューサ1032は信号送信機として作用し、全てのフィールドトランスデューサ1028および1030は受信機として作用する。また、他の構成例においては、フィールドトランスデューサは送信機として作用する。さらに、種々の多重送信および信号分離構成が多重送信プローブに付属するフィールドトランスデューサ間における干渉を回避するために使用できる。例えば、各部位プローブ1028に付属するフィールドトランスデューサを図9および図9Aに基づいて説明した再放射装置のような低電力型送信装置にして、器具プローブ1030のフィールドトランスデューサを比較的低感度の受信機にすることができ、またこの逆も可能である。こうすることによって、各器具プローブは最寄りの部位プローブとは相互作用するがその他の部位プローブとは相互作用しなくなる。周波数分割型多重送信、多様化コード多重送信および時分割多重送信およびこれら多重送信技法の組み合わせが採用できる。例えば、種々の基準フィールドトランスデューサ1032が異なる周波数で送信し、部位プローブの各フィールドトランスデューサ1028a,1028bおよび1028cが他の周波数で送信して、これらの周波数が互いに異なることが可能である。また、単一の処理において使用される種々のフィールドトランスデューサが異なる種類の場を処理できるようにしてもよい。従って、一部のプローブに付属するフィールドトランスデューサが光または音響波の場を送信または受信し、他のものが磁場または電磁場を送信または受信することが可能である。図17の実施形態および上述のその他の実施形態において、器具プローブ1030の同一のフィールドトランスデューサは部位プローブ1028との相対的配置を設定し、かつ、例えば当該器具プローブの位置を患者の画像上に重ね合わせて表示するために、基準トランスデューサ1032の基準座標空間における位置を設定するように使用できる。
【0050】
また、図17に示すように、心臓ペースメーカーのリード線1040がこのリード線の先端部近傍にフィールドトランスデューサ1042を備えている。この心臓ペースメーカーのリード線は長期使用のために従来法により埋め込まれている。この場合、トランスデューサ1042は供給電源無しに動作できるように構成されているのが望ましい。例えば、トランスデューサ1042を永久磁石や上述のような再放射性のトランスデューサにしてもよい。これによって、仮にリード線1040が壊れても、器具プローブを先端部近傍に誘導してその先端部を除去することができる。同様の技法が整形外科の埋め込み体のような他の埋め込み装置を標識する場合に使用でき、また、故意に埋め込むことはないが偶然に手術の間に紛失する可能性の高い器具の標識にも使用できる。
【0051】
相対配置情報を支持するための好ましいスクリーンディスプレイを図18に示す。この表示は図5に基づいて説明した矢印306の変わりに使用できる。コンピュータスクリーン1100のような表示装置は患者の体内に配置された部位プローブの表現1102と患者に向かって案内される器具プローブの表現1104を表示している。必要に応じて、これらの両方の表現を外部フィールドトランスデューサの座標系のような基準座標系のデカルト(x−y−z)座標を表現する格子線1106を背景に表示できる。部位プローブの表現1102は球形でも他の任意の形でもよい。一方、器具プローブの表現1104は円形または他の閉じたまたは半分閉じた幾何学図形の形態の照準穴1108と器具プローブの所定の軸、好ましくは、プローブ先端部における当該プローブの長軸に垂直な方向を示す横断線1110および1112を含む。これらの線1110および1112の方向は器具プローブの傾斜(pitch)軸および揺動(yaw)軸239および241(図4)にそれぞれ対応している。これらの方向は器具プローブ先端部に対して固定されているので、器具プローブがその長軸の回りに回転すると、線1110および1112の方向は同様に変化する。線1112の一端部1112aは他の線とは異なる形態をしているので、使用者は視覚的に器具プローブ先端部の回転方向を追跡できる。従って、器具プローブの軸239および241(図4)の回りの傾斜および揺動はスクリーンおよび器具プローブ表現1104に対する座標系と部位プローブの動きによって示される。この場合、座標系を示す格子線1106の画像とスクリーン上に表示される部位プローブ1102の表現の画像がプローブ先端部における器具プローブの長軸に垂直な平面内における投影となっている。従って、部位プローブ表現を器具プローブ表現に整合する、すなわち、球1102を器具プローブ表現1104の円1108の中心に移動するように器具プローブを移動および/または折り曲げることによって、医者は器具プローブの長軸または回転軸237(図4)を部位プローブに直接に整合できる。この状態での器具プローブの進入は当該器具プローブを部位プローブに直接向けて移動すればよい。而して、医者は表示された情報を用いて器具プローブを部位プローブの一側面に操縦できる。
【0052】
さらに、器具プローブと部位プローブの間の距離は部位プローブ表現1102の器具プローブ表現1104に対する大きさによって表現される。好ましくは、器具プローブ表現の大きさは固定されていて、部位プローブ表現が距離の大小により成長したり収縮したりする。特に好ましい構成においては、部位プローブ表現は当該部位プローブに先端部が到達したときに完全に円1108を覆うようになっている。さらに、英数字表示1114およびバーグラフ1116などの他の距離の表示手段も備えられている。
【0053】
上記およびその他の変形および上述の特徴の組み合わせは本発明を逸脱しない範囲で利用可能である。なお、上記の好ましい実施形態は例示的に示したものであり、本発明の範囲は請求の範囲により規定される。
(出願に関連するクロスレファレンス)
本出願は以下の5件の出願の恩典および優先権を主張するものであり、これら全ての出願の開示は本明細書において参考文献として含まれる。
1996年2月26日出願、米国60/012,275号
1996年2月15日出願、米国60/011,721号
1996年11月26日出願、米国60/031,824号
1996年9月17日出願、イスラエル国119,262号
1996年8月26日出願、イスラエル国119,137号
以下の各々Biosense社を出願人とするPCT出願もまた本明細書において参考文献として含まれる。
1997年2月14日またはその頃にイスラエル受理局に出願の「カテーテル使用式手術法」(Catheter Based Surgery)、
1997年2月14日またはその頃にイスラエル受理局に出願の「体内エネルギー集中法」(Intrabody Energy Focusing)、
1997年2月14日またはその頃にイスラエル受理局に出願の「位置決め可能な生検針」(Locatable Biopsy Needle)、
1997年2月14日またはその頃にイスラエル受理局に出願の「カテーテル調整法および使用モニター法」(Catheter Calibration and Usage Monitoring)、
1997年2月14日またはその頃にイスラエル受理局に出願の「内視鏡の高精度位置決定法」(Precise Position Determination of Endoscopes)、
1997年2月14日に米国受理局に出願の「フィールドトランスデューサを備える医療用プローブ」(Medical Probes with Field Transducers)、
1997年2月14日に米国受理局に出願の「穴を有するカテーテル」(Catheter with Lumen)、
1997年2月14日に米国受理局に出願の「位置決めシステム用の可動送受信コイル」(Movable Transmit or Receive Coils for Location System)、
1997年2月14日に米国受理局に出願の「位置決めシステム用の独立に位置決め可能なトランスデューサ」(Independently Positionable Transducers for Location System)。
本明細書において参考文献として含まれるVictor Spivakを出願人とする1996年2月14日にイスラエル受理局に出願の「他要素エネルギー集中法」(Multi-Element Energy Focusing)と題するPCT出願。
【0054】
本発明の実施態様に係る発明として以下のような発明を挙げることができる。
1.(a)患者の体内の部位に部位プローブを備え、患者の体内に導入する器具プローブを備える工程と;
(b)前記プローブの各々にまたはそれから1種以上の非イオン性の場を送信し、かつ、その送信された場をそれぞれ検出する工程と;
(c)前記検出された場の特性から前記器具プローブと前記部位プローブの相対配置を決定する工程と;
(d)前記相対配置に基づいて前記器具プローブを前記部位プローブに向けて移動する工程とから成る患者の体内にプローブを導入する方法。
2.前記移動工程が当該器具プローブを前記部位プローブの方向に向ける工程を含む実施態様1に記載の方法。
3.前記移動工程が当該器具プローブを前記部位プローブの位置に移動する工程を含む実施態様1に記載の方法。
4.前記相対配置を決定する工程が前記検出された場の特性に基づいて共通の基準座標空間における前記プローブの各々の位置を決定する工程と、そのように決定された位置に基づいて空間的関係を決定する工程を含む請求項1に記載の方法。
5.さらに、外部基準座標空間を画定する1個以上の外部要素を備える工程から成り、前記プローブの各々にまたはそれから場を送信する工程が前記プローブと前記外部要素との間に前記場を送信する工程を含み、検出された場の各々の少なくとも1種の特性が前記1個以上の外部要素に対する前記プローブの配置によって決まる実施態様1に記載の方法。
【0055】
6.前記送信工程が前記外部要素において磁場を発生する工程を含み、前記検出工程が前記プローブにおいて当該磁場を検出する工程を含む実施態様5に記載の方法。
7.前記決定工程が前記外部基準座標空間における前記プローブの各々の位置を計算する工程と、当該位置から前記器具プローブと前記部位プローブの間の距離および方向を計算する工程を含む実施態様5に記載の方法。
8.(a)患者の体内の部位に部位プローブを備え、患者の体内に導入する器具プローブを備える工程と;
(b)前記プローブの各々にまたはそれから1種以上の非イオン性の場を送信し、かつ、その送信された場をそれぞれ検出する工程と;
(c)前記検出された場の特性から前記器具プローブと前記部位プローブの相対配置を決定する工程と;
(d)前記空間的関係の指示を供給する工程と;
(e)前記指示に応じて患者の体内の前記器具プローブを前記部位プローブに移動する工程とから成る医療患者の体内にプローブを導入する方法。
9.前記指示を供給する工程が前記指示を人間に知覚可能な形態で供給する工程を含み、前記移動工程が当該指示に応じて体内の器具プローブの移動を手動制御する工程を含む実施態様8に記載の方法。
10.前記指示を供給する工程が1個以上の可聴信号の形態で当該指示を供給する工程を含む実施態様8に記載の方法。
【0056】
11.前記移動工程が前記指示に応じて体内の器具プローブの移動を自動制御する工程を含む実施態様8に記載の方法。
12.前記プローブを備える工程が患者の体を画像処理して当該画像におけるデータを用いて前記部位プローブを一定部位に配置する工程を含む実施態様8に記載の方法。
13.前記配置工程が前記画像処理工程の間に行われ、当該画像処理工程が、前記部位プローブが前記画像内に含まれるように行われる実施態様12に記載の方法。
14.前記部位が患部に近い一定部位であり、前記画像処理工程が、当該患部が前記画像内に含まれるように行われ、前記方法がさらに前記移動工程の後に前記器具プローブを用いて当該患部を治療する工程を含み、これによって、当該器具プローブが前記移動工程の間に当該患部に案内される実施態様13に記載の方法。
15.前記部位が軟質組織における一定部位である実施態様14に記載の方法。
【0057】
16.前記部位が肺の中の一定部位であり、前記画像処理および配置工程が肺の膨脹時に行われ、前記移動工程が肺の収縮時に行われる実施態様15に記載の方法。
17.前記相対配置を決定する工程が前記器具プローブおよび前記部位プローブの間の距離を決定する工程を含む実施態様8に記載の方法。
18.前記相対配置を決定する工程が前記器具プローブの前記部位プローブに対する方向を決定することなく前記距離のみを決定する工程を含む実施態様17に記載の方法。
19.前記相対配置を決定する工程が前記器具プローブから前記部位プローブへの方向を決定する工程を含む実施態様8または実施態様18に記載の方法。
20.前記送信、検出および決定工程と前記知覚可能な指示を供給する工程が前記移動工程の間に行われて前記器具プローブの移動と共に当該知覚可能な指示が変化する実施態様8に記載の方法。
【0058】
21.さらに、患者の体内またはその上に基準プローブを配置する工程から成り、前記送信および検出工程が当該基準プローブにまたはそれから1種以上の場を送信して、検出した場の少なくとも1個の特性が当該基準プローブの配置によって決まるようにそれらの場を検出する工程を含み、前記方法がさらに検出した場の1個以上の特性に基づいて当該基準プローブと前記部位プローブの相対配置を決定する工程から成る実施態様1または実施態様8に記載の方法。
22.前記部位プローブと前記基準プローブを配置する工程が当該部位プローブの近傍に当該基準プローブを配置する工程を含む実施態様21に記載の方法。
23.前記部位プローブおよび前記基準プローブが患部の上またはその近傍に配置される実施態様22に記載の方法。
24.さらに、前記部位プローブと前記基準プローブとの間の空間的関係における変化に応じて警告信号を供給する工程から成る実施態様21に記載の方法。
25.さらに、患者を画像処理することにより前記部位プローブと前記基準プローブの相対配置を決定し、前記検出した場に基づいて決定した空間的関係が当該画像処理工程において決定した空間的関係と異なる場合に警告信号を供給する工程から成る実施態様21に記載の方法。
【0059】
26.(a)センサーを備える部位プローブ本体から成り、当該センサーが1種以上の非イオン性の場を検出してその検出した場の1個以上の特性を表現する1個以上のセンサー信号を供給することにより、患者の体内の部位標識プローブの位置が当該センサー信号によって決定できるように構成されており、さらに;
(b)患者の体内組織に前記作用装置を固定するように構成されたアンカー部と;
(c)前記センサー信号を患者の体内から患者の体外に送信するための信号送信手段とから成る医療患者の体内における一定の部位を標識するための部位標識プローブ。
27.(a)アンテナを備える部位プローブ本体から成り、当該アンテナが1個以上の駆動信号に応じて1種以上の非イオン性の場を送信して、患者の体内の部位標識プローブの位置が当該1種以上の非イオン性の場の検出によって決定できるように構成されており、さらに;
(b)患者の体内組織に前記部位プローブ本体を固定するように構成されたアンカー部と;
(c)前記アンテナが患者の体内に配置された時に患者の体外から当該アンテナに前記駆動信号を送信するための信号送信手段とから成る医療患者の体内における一定の部位を標識するための部位標識プローブ。
28.前記アンカー部が組織と係合するように構成されたネジ部を有するネジを備えており、当該ネジが前記部位プローブ本体に物理的に接続している実施態様26または実施態様27に記載のプローブ。
29.前記アンカー部が組織と係合するように構成されたピンサーを備えており、当該ピンサーが前記部位プローブ本体に物理的に接続している実施態様26または実施態様27に記載のプローブ。
30.実施態様26または実施態様27または実施態様28または実施態様29に記載のプローブと先端部および基端部を有する細長いプローブを備える組立体において、前記プローブ本体と前記アンカー部が前記細長いプローブの前記先端部近傍に取り外し可能に取り付けられて、当該部位プローブ本体とアンカー部が、前記カテーテルの基端部を患者の体外に残した状態で、患者の体内に進入できる組立体。
【0060】
31.前記信号送信手段が前記センサーから前記カテーテルの基端部に延在する1個以上のリード線を備えており、当該カテーテルがその基端部から先端部の間に延在する内部穴を有しており、前記リード線が当該内部穴に配置されて、前記センサーの前記アンカー部による組織への固定後に前記リード線を残した状態で前記カテーテルが後退できる実施態様30に記載の組立体。
32.前記部位プローブ本体が約3ミリ以下の最小の大きさを有する実施態様26または実施態様27に記載のプローブ。
33.前記センサーが異なる方向の場の成分に感応する磁気感応性の複数の固体トランスデューサを備えている実施態様26に記載のプローブ。
34.前記センサーまたはアンテナが異なる方向に向けられた軸を有する複数のコイルを備えている実施態様26または実施態様27に記載のプローブ。
35.実施態様26または実施態様27に記載の部位プローブと体内に挿入するように構成された器具プローブとから成り、当該器具プローブが磁場または電磁場を送信または受信するように構成された1個のフィールドトランスデューサと、互いに所定の場所に取り付けられて外部基準座標空間を画定する複数の外部磁場トランスデューサと、当該外部トランスデューサを駆動するための駆動手段を備えており、前記部位プローブと前記器具プローブが1種以上の磁場または電磁場を相互間に送信してその送信した場をそれぞれ検出することにより、各検出した場の1個以上の特性が前記外部基準座標空間内における前記プローブの一方の空間的配置によって決まる患者の体内の一定部位に器具を導入するための装置。
【0061】
36.(a)それぞれフィールドトランスデューサが取り付けられた第1および第2のプローブを備える工程と;
(b)前記第1のプローブを用いて一定の場所において医療処置を行う工程と;
(c)前記プローブ上の前記フィールドトランスデューサにまたはそれらから1種以上の非イオン性の場を送信することにより当該プローブ間の相対配置を決定する工程と;
(d)前記第2のプローブを用いて医療処置を行う工程とから成り、当該第2のプローブにより行われる医療処置の位置が前記決定された相対配置に基づいて決定される2個のプローブを整合する方法。
37.前記第2のプローブが超音波画像処理プローブであり、当該第2のプローブを前記決定された相対配置により前記医療処置の位置を監視するように方向付ける工程から成る実施態様36に記載の方法。
38.さらに、前記医療処置において第1のプローブを補助する少なくとも第3のプローブを備える工程から成る実施態様36または実施態様37に記載の方法。
39.(a)それぞれフィールドトランスデューサが取り付けられた第1および第2のプローブを備える工程と;
(b)前記第1のプローブを用いて第1の場所において第1の医療処置を行う工程と;
(c)前記第2のプローブを用いて第2の場所において第2の医療処置を行う工程と;
(d)前記プローブ上の前記フィールドトランスデューサにまたはそれらから1種以上の非イオン性の場を送信することにより当該プローブ間の相対配置を決定する工程と;
(e)前記決定された相対配置を用いて前記2個の医療処置を整合する工程とから成る2個のプローブを整合する方法。
40.少なくとも第3のプローブを用いて第3の位置において少なくとも第3の医療処置を行う工程から成り、当該第3の医療処置が前記2個の医療処置と整合される実施態様39に記載の方法。
【0062】
41.前記相対配置が相対的方向を含む実施態様36〜実施態様39のいずれかに記載の方法。
42.前記第2のプローブが超音波画像処理プローブである実施態様36,実施態様38,実施態様39および実施態様40のいずれか1項に記載の方法。
43.前記第1のプローブを用いる前記医療処置が残骸物を形成し、前記第2のプローブが当該残骸物を除去する吸引プローブである実施態様36,実施態様38,実施態様39および実施態様40のいずれか1項に記載の方法。
44.前記第2のプローブがマイクロバブル注入プローブである実施態様36,実施態様38,実施態様39および実施態様40のいずれか1項に記載の方法。
45.前記プローブ間の相対配置を決定する工程が、(a)非イオン性の放射を用いて前記第1のプローブの位置を決定する工程と;
(b)非イオン性の放射を用いて前記第2のプローブの位置を決定する工程と;
(c)前記2個の位置を差し引く工程とから成る実施態様36,実施態様38,実施態様39および実施態様40のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
46.生体の被検体内における器具と部位の相対配置を表示して器具を部位に向けて移動する方法において、(a)平面ディスプレイ上に前記器具の任意の表現を供給する工程と;
(b)前記ディスプレイ上のプローブの軸に垂直な平面内に空間の投影を供給する工程とから成り、当該空間の投影が部位の任意の表現を含み、さらに、前記プローブの前記軸が前記部位に整合される時に、当該部位の表現が前記器具の表現に整合されるように前記投影が選択され、さらに;
(c)前記器具および前記部位の距離が変化すると共に、前記器具の表現に対する前記部位の表現の大きさを変化させる工程とから成る方法。
47.前記変化工程が、前記部位の表現の大きさが前記距離の減少に伴って増加するように行われる実施態様46に記載の方法。
48.前記空間の投影が固定座標系の表現を含み、当該固定座標系の表現が前記器具の前記軸の方向の変化に伴って前記ディスプレイ上において移動する実施態様46に記載の方法。
49.器具プローブ上のフィールドトランスデューサにまたはそれから非イオン性の場を送信して当該送信された場の特性に基づいて器具プローブの配置を決定しながら、器具プローブを肝静脈または門静脈の一方またはその近くの開始位置からのこれら静脈の他方またはその近くの終端部に案内する工程を含み、当該案内する工程が前記決定された配置に基づいて少なくとも部分的に行われる肝臓バイパスを形成する方法。
50.異常部の上流側の第1の位置に血管を通して閉塞装置を挿入する工程と、当該第1の位置において血管を閉塞する工程と、当該閉塞装置の下流側において血管を囲む組織およびその血管壁を通して器具プローブを挿入する工程と、当該器具プローブにより治療を行う工程とから成り、前記器具プローブが当該器具プローブ上のフィールドトランスデューサにまたはそれから非イオン性の場を送信することにより血管内に案内され、さらに、前記器具プローブの配置を送信された場の特性に基づいて決定する工程とから成る血管の異常を治療する方法。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は医療およびこれに関連する諸手法において使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に従うプローブの概略図である。
【図2】図1に類似しているが、本発明の別の実施形態に従うプローブを示す図である。
【図3】本発明のさらに別の実施形態に従うプローブの部分図である。
【図4】図1に類似しているが、本発明のさらに別の実施形態に従うプローブを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に従う方法の実施における患者と装置を示す概略的斜視図である。
【図6】本発明の別の実施形態に従う別の方法の実施における患者と装置を示す軸方向から見た概略図である。
【図7】図6と同一の患者および装置の矢状方向から見た図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に従う装置の要素の部分的概略図である。
【図9】本発明のさらに別の実施形態に従う装置の要素の部分的概略図である。
【図9A】は本発明のさらに別の実施形態に従う装置の要素の部分的概略図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図11】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図12】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図13】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図14】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図15】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図16】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図17】本発明のさらに別の実施形態に従う方法の実施における装置と患者の一部分を示す部分的概略図である。
【図18】図18は本発明の一実施形態において用いられるコンピュータスクリーンディスプレイを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の身体の部位に指標を付ける部位プローブにおいて、
(a)1以上の非イオン性の場を検出し、検出した場の1以上の特性を表す1以上のセンサー信号を出力して、前記患者の体内の前記部位プローブの位置が前記センサー信号から決定されることを可能とするセンサーを備える部位プローブ本体と、
(b)前記患者の身体内の組織に前記部位プローブを固定するためのアンカーと、
(c)前記患者の体内から前記患者の身体の外部に対して、前記センサー信号を送信する信号送信手段と、
を備えている部位プローブ。
【請求項2】
患者の身体の部位に指標を付ける部位プローブにおいて、
(a)1以上の駆動信号(drive signals)に対応して1以上の非イオン性の場を送信するアンテナを備え、前記1以上の非イオン性の場の検出によって患者の体内の前記部位プローブの位置が決定されることを可能とする、部位プローブ本体と、
(b)前記患者の身体内の組織に前記部位プローブを固定するためのアンカーと、
(c)前記アンテナが患者の体内にあるときに、前記駆動信号を患者の体外から前記アンテナに送信する信号送信手段と、
を備えている部位プローブ。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかのプローブにおいて、
前記アンカーは、組織に係合するためのねじ山(threads)を備えたネジ部を備え、該ネジ部は前記部位プローブに物理的に接続されている、プローブ。
【請求項4】
請求項1、2のいずれかのプローブにおいて、
前記アンカーは、組織に係合するための挟み部を備え、該挟み部は前記部位プローブに物理的に接続されている、プローブ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかのプローブにおいて、
前記部位プローブ本体は、約3mm未満の最小寸法を有する、プローブ。
【請求項6】
請求項1のいずれかのプローブにおいて、
前記センサーは、異なる方向の場の成分を検出可能な複数の固体磁場トランスデューサを備えている、プローブ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかのプローブにおいて、
前記センサー若しくはアンテナは、それぞれ異なる方向に軸を向けられた複数のコイルを備えている、プローブ。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかのプローブを備えた、遠位端と近位端を有する細長いアッセンブリーにおいて、
前記部位プローブ本体と前記アンカーは、
前記細長いアッセンブリーの前記遠位端近傍に着脱可能に搭載され、
それにより前記アッセンブリーの近位端が前記患者の身体の外側にある間、前記部位プローブ本体と前記センサーが前記患者の身体内部を前進しうる、アッセンブリー。
【請求項9】
請求項8のアッセンブリーにおいて、
前記信号送信手段は、前記センサーから前記アッセンブリーの近位端に向かって延びる、1以上のリード線を備え、前記アッセンブリーは前記近位端と遠位端との間に延びる内腔を持ち、前記リード線が前記内腔に配設され、それにより前記センサーが前記アンカーによって前記組織に固定された後に、所定位置に前記リード線を残して前記アッセンブリーを引き出し可能である、アッセンブリー。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかの部位プローブと、前記身体に挿入されるように構成された器具プローブとを備え、患者の部位に対して器具を案内する装置において、
前記器具プローブは、
磁場若しくは電磁場を送受信するためのフィールドトランスデューサと、
相互に相対的に予め選択された部位に搭載され、外部の参照フレームを定める複数の外部磁場フィールドトランスデューサと、
1以上の磁場もしくは電磁場を相互に送信し、さらに、検出される各々の場の1以上の特性が、前記外部の参照フレームにおける一つの前記プローブの空間的位置に依存するように、送信された場を検出するために、前記外部のトランスデューサ、前記部位プローブ、および、前記器具プローブを駆動する駆動手段と、
を備えている、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−44537(P2007−44537A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243005(P2006−243005)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【分割の表示】特願平9−529508の分割
【原出願日】平成9年2月14日(1997.2.14)
【出願人】(506304934)バイオセンス・インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】