説明

作業アタッチメント及びこれを備えた建設機械

【課題】長寿命化を図りつつ、検出点の調整を容易に行うことができる作業アタッチメント及びこれを備えた建設機械を提供すること。
【解決手段】第一リンク12に対して連結軸J3回りに回動可能に設けられた回動部材25と、第一リンクに対する回動部材25の回動を規制可能なボルトB1と、ボルトB1によって回動が規制された回動部材25に保持されることにより第一リンク12とともに回動可能な状態で第一リンク12に取り付けられ、所定の検出点P3、P4を有する被検出部材22と、アーム7とともに起伏可能となるようにアーム7に設けられるとともに検出点P3、P4を検出可能な磁気センサ21とを備え、ボルトB1による回動部材25の回動を規制するための操作、及び回動を許容するための操作がフランジ部12bを挟んでアーム7の反対側の外側位置から行うことができるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械の作業アタッチメントに設けられた角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、図9に示すように、アーム101と、アーム101の先端部に設けられたバケット102と、アーム101に対し連結ピン110回りに回動可能に接続されたリンク103と、リンク103とバケット102とを連結するリンク104と、リンク103、104を揺動させることによりアーム101に対してバケット102を揺動させるシリンダ105とを含む作業アタッチメントを備えた油圧ショベルが知られている。
【0003】
この種の建設機械では、作業アタッチメントの動作中にバケット102と建設機械のキャブとの干渉(接触)を回避すべく、アーム101に対するバケット102の揺動角度の検出が行われている。具体的に、作業アタッチメントには、アーム101に対するバケット102の揺動角度を特定するために、前記リンク103の角度を検出する角度検出装置106が設けられている。この角度検出装置106として、例えば、アーム101に対するリンク103の相対角度を検出する角度センサを用いたもの(例えば、特許文献1)が知られている。
【0004】
一方、特許文献1のようにリンク103の相対角度を逐一検出するのではなく、前記相対角度が所定の角度以上であるか否かを検出するものを角度検出装置106として用いたものもある。例えば、アーム101に対するバケット102の揺動角度が所定値以上であるときにアーム101の傾動角度を制限するような制御を行う場合には、リンク103の角度を逐一検出することを行わなくても、リンク103の角度が所定角度以上であるか否かを検出すれば十分である。このような場合に、リンク103の角度が所定角度となっているか否かに応じて検出状態が切り換わるセンサ(以下、切替センサと称す)を用いれば、前記角度センサを用いる場合と比較してコスト面で優位となる。
【0005】
図10は、切換センサを用いた場合における図9のX−X線断面図である。図11は、図10のXI−XI線断面図である。
【0006】
各図に示す切換センサ111は、円形のリング状に形成された被検出リング107と、この被検出リングに設定された検出点P1、P2(図11参照)を越えたか否かを検出する検出部材108とを備えている。被検出リング107は、周方向の所定範囲を構成する金属部分107aと、その他の範囲を構成する非金属部分107bとを有し、これら各部分107a、107bの境界が検出点P1、P2として設定されている。前記検出部材108は、磁気センサ等からなる。
【0007】
そして、前記被検出リング107は、前記連結ピン110を通した状態で、リンク103の外側に形成されたフランジ部103aの内側面に対しボルト109によって固定されている。また、検出部材108は、被検出リング107の外周面に臨むように、アーム101に固定されている。
【特許文献1】実開平3−39104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記アーム101の先端には、前記バケット102だけではなく破砕機等の作業機が取り付けられる場合があるが、シリンダ105のストロークを一定にしても、作業機の種類に応じて、作業機の揺動範囲(角度)が異なるものとなる。つまり、アーム101と作業機との揺動支点と、リンク104と作業機との揺動支点との間の距離の違いに応じて作業機の揺動範囲が変化する。そのため、作業機とキャブとの干渉を避けるためには作業機ごとに前記検出点P1、P2の位置の調整が必要となる。
【0009】
しかしながら、図10及び図11に示す従来の切換センサでは、前記検出点P1、P2の位置を変更するための作業が行ない難いという問題があった。その理由は、以下の通りである。
【0010】
つまり、被検出リング107の角度を調整するためにボルト109を抜いて他のねじ穴に螺合することを要するが、被検出リング107は、リンク103のフランジ部103aに対し内側からボルト109で固定されているため、ボルト109を抜くためにリンク103自体をアーム101から取り外すことが必要となり、その作業が大掛かりなものとなっていた。
【0011】
ここで、被検出リング107をリンク103のフランジ部103aの外側に固定することも考えられるが、フランジ部103aの外側に被検出リング107を配置した場合、外部から飛散した土砂等が直接衝突して被検出リング107を破損する可能性が高くなる。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、長寿命化を図りつつ、検出点の調整を容易に行うことができる作業アタッチメント及びこれを備えた建設機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明は、建設機械の機体に対して起伏可能な起伏部材を有する作業アタッチメントであって、前記起伏部材の先端部に対して揺動可能に取り付けられた揺動部材と、前記揺動部材を揺動させるための動力を出力する動力源と、前記動力源による動力を前記起伏部材に対する前記揺動部材の揺動方向に変換するように、前記起伏部材に対して連結軸回りに回動可能に設けられたリンクと、前記リンクに設けられ、前記起伏部材から前記連結軸の軸方向に離れた位置で前記連結軸と直交する方向に張出すフランジ部と、前記リンクに対して連結軸回りに回動可能に設けられた回動部材と、前記リンクに対する回動部材の回動を規制可能な規制部材と、前記規制部材によって回動が規制された回動部材に保持されることにより前記リンクとともに回動可能な状態で当該リンクに取り付けられ、所定の検出点を有する被検出部材と、前記起伏部材とともに起伏可能となるように当該起伏部材に設けられるとともに前記検出点を検出可能な検出部材とを備え、前記回動部材は、前記リンクに対する回動位置にかかわらず前記フランジ部と起伏部材との内側に位置するように前記被検出部材を保持するように構成され、前記規制部材による回動部材の回動を規制するための操作、及び回動を許容するための操作が前記フランジ部を挟んで起伏部材の反対側の外側位置から行うことができるように構成されていることを特徴とする作業アタッチメントを提供する。
【0014】
本発明によれば、回動部材によって当該回動部材の回動位置にかかわらず被検出部材がフランジ部と起伏部材との間に保持されているため、フランジ部によって被検出部に土砂等が直接衝突するのを抑制することができる。さらに、本発明によれば、連結軸回りに回動可能な回動部材によって被検出部材が保持されているので、規制部材による規制が解除された状態(回動が許容された状態)において被検出部材の検出点の角度の調整を行うことができる。そして、このような規制部材による規制及び回動の許容の操作を、フランジ部の外側から操作することができるので、従来のようにリンクを起伏部材から取り外すといった手間を省略することができ、検出点の角度調整を容易に行うことができる。
【0015】
したがって、本発明によれば、長寿命化を図りつつ、検出点の調整を容易に行うことができる。
【0016】
前記建設機械の作業アタッチメントにおいて、前記規制部材は、前記連結軸回りの所定の角度毎に前記リンクに対する回動部材の角度を調整可能に構成されていることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、検出点を前記所定角度毎に間欠的に調整することが可能となる。
【0018】
前記建設機械の作業アタッチメントにおいて、前記リンクには、前記フランジ部を連結軸と平行な方向に貫通する貫通孔が形成されているとともに、前記規制部材がボルトからなり、前記回動部材には、前記フランジ部の外側から前記貫通孔に挿入された前記ボルトを螺合可能な雌ねじ部が形成されていることが好ましい。
【0019】
このようにすれば、フランジの外側からボルトを緩めることによって、回動部材の連結軸回りの角度を調整することができる状態となる一方、フランジ部の外側からボルトを締めることによって、回動部材を所定の角度でリンクに固定をすることができる。
【0020】
また、本発明は、前記作業アタッチメントと、前記作業アタッチメントが起伏可能に設けられた機体とを備えたことを特徴とする建設機械を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、長寿命化を図りつつ、検出点の調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る解体機の全体構成を示す側面図である。
【0024】
図1を参照して、建設機械の一例としての解体機1は、クローラ2aを有する自走式の下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3に対して起伏可能に設けられた作業アタッチメント4とを備えている。以下、上部旋回体3に設けられたキャブ5の乗員から見た前後左右方向を用いて説明する。
【0025】
作業アタッチメント4は、上部旋回体3に対して起伏可能に設けられたブーム6と、このブーム6の先端部に対して揺動可能に取り付けられたアーム(起伏部材)7と、このアーム7の先端部に揺動可能に設けられた破砕機(揺動部材)8とを備えている。また、作業アタッチメント4は、ブーム6と上部旋回体3との間に設けられたブームシリンダ9と、前記ブーム6とアーム7との間に設けられたアームシリンダ10と、前記アーム10に一端が支持された破砕機シリンダ(動力源)11と、この破砕機シリンダ11の先端部とアーム7の先端部との間に設けられた第一リンク12と、前記破砕機シリンダ11の先端部と破砕機8との間に設けられた第二リンク14と、第一リンク12とアーム7との相対角度を検出する角度検出装置20(図3参照)とを備えている。
【0026】
前記ブーム6は、ブームシリンダ9の伸縮動作に応じて上部旋回体3に対して起伏する。前記アーム7は、アームシリンダ10の伸縮動作に応じてブーム6に対して揺動する。
【0027】
図2は、図1のアーム7の先端部を拡大して示す側面図である。
【0028】
図1及び図2を参照して、破砕機シリンダ11は、シリンダ本体15と、このシリンダ本体15に対して伸縮するロッド16とを備えている。前記シリンダ本体15の基端部は、アーム7に対して左右方向の軸J1(図1参照)回りに回転可能に支持されている。一方、ロッド16の先端部には、前記第一リンク12の基端部が左右方向の軸J2回りに回転可能に取り付けられている。そして、第一リンク12の先端部は、アーム7の先端側面に対し左右方向の連結軸J3回りに回転可能に取り付けられている。したがって、アームシリンダ10のロッド16の直線運動は、前記連結軸J3回りの回転運動、すなわち、破砕機8の揺動運動に変換される。そして、回転方向の駆動力は、ロッド16の先端部に軸J2回りに回転可能に取り付けられた第二リンク14によって破砕機8に伝達される。
【0029】
図3は、図2のIII−III線断面図である。図4は、第一リンク12の先端部を拡大して示す左側面図である。
【0030】
図2〜図4を参照して、第一リンク12は、前記軸J2から連結軸J3まで延びる板状の金属部材である。この第一リンク12の先端部には、連結軸J3の挿入位置に対応して円筒状のボス12a(図3及び図4参照)が右に向けて突出している。換言すると、ボス12aから見てボス12aの周囲には、連結軸J3と直交する方向に膨出するフランジ部12bが形成されている。フランジ部12bには、連結軸J3を中心とする円周上に12個の雌ねじ部(貫通孔)12c〜12nが設けられている。各雌ねじ部12c〜12nは、連結軸J3を中心として24°間隔で配置された3つの雌ねじ部が90°毎に4箇所配置されている。
【0031】
詳しくは後述するが、各雌ねじ部12c〜12nのうち雌ねじ部12e、12h、12k及び12m(塗り潰して表したもの)には、図3に示すように、フランジ部12bを突き抜けるボルト(規制部材)B1が螺合される一方、それ以外の雌ねじ部には当該雌ねじ部に栓をするためのボルトB2がそれぞれ螺合されている。
【0032】
次に、角度検出装置20について説明する。図5は、図3のV−V線断面図である。図6は、図3の被検出部材22の右側面図である。図7は、図3の回動部材25の右側面図である。図8は、図3の回動部材25の左側面図である。
【0033】
図3及び図5を参照して、角度検出装置20は、前記アーム7に取り付けられた磁気センサ21と、磁気センサ21の検出対象である被検出部材22と、被検出部材22を保持した状態で前記第一リンク12に取り付けられる取付部材23とを備えている。
【0034】
被検出部材22は、図5及び図6に示すように、円筒状の部材である。被検出部材22のうちの円周方向の一部である範囲E1は、ゴム等の樹脂からなり、範囲E1以外の範囲E2は、金属からなる。これら範囲E1と範囲E2との境界部分が被検出部材22の検出点P3、P4を構成する。また、被検出部材22には、軸線方向に貫通する貫通孔24が円周方向に7個形成されている。
【0035】
取付部材23は、図3、図7及び図8に示すように、前記被検出部材22を第一リンク12に取り付けるためのものである。具体的に、取付部材23は、被検出部材22を保持するととともに第一リンク12に対して連結軸J3回りに回動可能に取り付けられた回動部材25と、回動部材25の第一リンク12に対する回動を規制するためのボルト(規制部材)B1と、被検出部材22を回動部材25に取り付けるためのボルトB3とを備えている。
【0036】
回動部材25は、前記被検出部材22と同様の外径及び内径寸法を有し、かつ、前記フランジ部12bよりも小さな外径寸法を有するドーナツ状の金属板である。この回動部材25の右側面には、図3及び図7に示すように、右方向に開口する雌ねじ部26が前記貫通孔24に対応して円周方向に7個形成されている。したがって、図3に示すように、取付部材23と被検出部材22とを左右に重ねた状態で、被検出部材22の貫通孔24に右から挿入されたボルトB3を回動部材25の雌ねじ部26に螺合させることにより、取付部材23と被検出部材22とを一体にすることができる。このように一体にされた取付部材23及び被検出部材22は、第一リンク12のボス12aの外側に回動可能な状態で嵌められる。具体的に、ボス12aの外周面には、円板状のリブ28が形成されており、回動部材25の内側面は、リブ28の外周面に摺動可能に支持されている。リブ28は、ボス12b及び連結軸J3と同心に形成されているため、このリブ28の外周に沿って回動する回動部材25は、連結軸J3回りに回動することになる。したがって、この回動部材25に重なるようにして保持された被検出部材22は、回動部材25の回動位置にかかわらずフランジ12bとアーム7との間に位置することになる。
【0037】
一方、回動部材25の左側面には、図3及び図8に示すように、左方向に開口する雌ねじ部27が円周方向に6°の間隔で形成されている。これら雌ねじ部27は、右側面に形成された前記各雌ねじ部26と周方向で異なる位置に形成されている。図3に示すように、前記フランジ部12bの雌ねじ部12e、12h、12k及び12mに左側から螺合されたボルトB1の先端部を、取付部材23の雌ねじ部27に螺合させることにより、第一リンク12に回動部材25を取り付けることができる。これにより、第一リンク12に対する回動部材25の回動も規制される。
【0038】
以下、被検出部材22の検出点P3、P4の位置を調整するための手順について図3を参照して説明する。まず、第一リンク12の左側から4本のボルトB1を緩めて雌ねじ部27から抜き出す。これにより、回動部材25は、第一リンク12(フランジ部12b)に対する拘束が解かれ、連結軸J3(ボス12a)回りに回動可能な状態となる。この状態においても回動部材25と被検出部材22とがボルトB3によって一体にされているため、回動部材25を回転させれば検出点P3、P4の角度を変更することができる。具体的に、本実施形態では、回動部材25の左側面に6°の間隔で雌ねじ部27が形成されているので、これら雌ねじ部27とフランジ部12bの雌ねじ部12e、12h、12k及び12mとを重ねた状態でボルトB1を締め付けることにより、検出点P3、P4を6°刻みで調整することが可能となる。
【0039】
以上説明したように、前記実施形態によれば、回動部材25によって当該回動部材の回動位置にかかわらず被検出部材22がフランジ部12bとアーム7との間に保持されているため、フランジ部12bによって被検出部22に土砂等が直接衝突するのを抑制することができる。さらに、前記実施形態によれば、リンクに対して連結軸J3回りに回動可能な回動部材25によって被検出部材22が保持されているので、ボルトB1による規制が解除された状態(回動が許容された状態)において被検出部材22の検出点P3、P4の角度の調整を行うことができる。そして、このようなボルトB1による規制及び回動の許容の操作を、フランジ部12bの外側から操作することができるので、検出点P3、P4の角度調整を容易に行うことができる。
【0040】
したがって、前記実施形態によれば、長寿命化を図りつつ、検出点P3、P4の調整を容易に行うことができる。
【0041】
前記実施形態のように、回動部材25の各雌ねじ部27の形成位置に対応して、連結軸J3の回りの所定の角度(6°)毎に第一リンク12に対する回動部材25の角度を調整可能に構成することにより、検出点P3、P4を所定角度毎に間欠的に調整することが可能となる。
【0042】
前記実施形態のように、第一リンク12には、フランジ部12bを連結軸J3と平行な方向に貫通する雌ねじ部12c〜12nが形成されているとともに、回動部材25には、フランジ部12bを挟んで被検出部材22の反対側から雌ねじ部12c〜12nに挿入されたボルトB1を螺合可能な雌ねじ部27が形成されている構成とすれば、フランジ部12bの左側(外側)からボルトB1を緩めることによって、回動部材25の連結軸J3回りの角度を調整することができる状態となる一方、フランジ部の外側からボルトB1を締めることによって、回動部材25を所定の角度で第一リンク12に固定することができる。
【0043】
なお、前記実施形態では、磁気センサ21による被検出部材22の検出点P3、P4を検出する構成について説明したが、他のセンサを用いた場合であっても、第一リンク12に検出点を固定する構成であれば取付部材23によって上記と同様の効果を得ることができる。例えば、アーム7にリミットスイッチを固定するとともに、第一リンク12とアーム7とが所定の角度となったときにリミットスイッチを操作するための検出子を第一リンク12に固定する構成において、前記検出子を取付部材23によって保持するようにすれば、検出子の角度の調整を容易に行うことができる。また、光源をアーム7に固定するとともに、第一リンク12とアーム7とが所定の角度となったときに前記光源から出射された光を遮る遮光板を第一リンク12に固定する構成において、前記遮光板を取付部材23によって保持するようにすれば、遮光板の角度の調整を容易に行うことができる。
【0044】
また、前記実施形態では、貫通孔12e、12h、12k、12nに左から挿入されたボルトB1によって回動部材25の第一リンク12に対する回動を規制するようにしているが、前記回動部材25に上下または前後方向に貫通する雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部に止めねじを螺合させることによっても、回動部材25の回動を規制することができる。つまり、止めねじの先端部を第一リンク12のボス12aの側面に当接させることにより、当該第一リンク12に対する回動部材25の回動を規制することができる。そして、この構成であっても、フランジ部12bの外側(左方)から止めねじの締め付け操作、及び止めねじの緩め操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る解体機の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1のアームの先端部を拡大して示す側面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】第一リンクの先端部を拡大して示す左側面図である。
【図5】図3のV−V線断面図である。
【図6】図3の被検出部材の右側面図である。
【図7】図3の回動部材の右側面図である。
【図8】図3の回動部材の左側面図である。
【図9】従来の作業アタッチメントを説明するための側面図である。
【図10】切換センサを用いた場合における図9のX−X線断面図である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【符号の説明】
【0046】
B1〜B3 ボルト
J3 連結軸
P1〜P4 検出点
1 解体機(建設機械)
4 作業アタッチメント
7 アーム(起伏部材)
8 破砕機(揺動部材)
10 被検出リング
11 破砕機シリンダ(動力源)
12 第一リンク
12b フランジ部
20 角度検出装置
21 磁気センサ
22 被検出部材
23 取付部材
25 回動部材
26、27 雌ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械の機体に対して起伏可能な起伏部材を有する作業アタッチメントであって、
前記起伏部材の先端部に対して揺動可能に取り付けられた揺動部材と、
前記揺動部材を揺動させるための動力を出力する動力源と、
前記動力源による動力を前記起伏部材に対する前記揺動部材の揺動方向に変換するように、前記起伏部材に対して連結軸回りに回動可能に設けられたリンクと、
前記リンクに設けられ、前記起伏部材から前記連結軸の軸方向に離れた位置で前記連結軸と直交する方向に張出すフランジ部と、
前記リンクに対して連結軸回りに回動可能に設けられた回動部材と、
前記リンクに対する回動部材の回動を規制可能な規制部材と、
前記規制部材によって回動が規制された回動部材に保持されることにより前記リンクとともに回動可能な状態で当該リンクに取り付けられ、所定の検出点を有する被検出部材と、
前記起伏部材とともに起伏可能となるように当該起伏部材に設けられるとともに前記検出点を検出可能な検出部材とを備え、
前記回動部材は、前記リンクに対する回動位置にかかわらず前記フランジ部と起伏部材との内側に位置するように前記被検出部材を保持するように構成され、
前記規制部材による回動部材の回動を規制するための操作、及び回動を許容するための操作が前記フランジ部を挟んで起伏部材の反対側の外側位置から行うことができるように構成されていることを特徴とする作業アタッチメント。
【請求項2】
前記規制部材は、前記連結軸回りの所定の角度毎に前記リンクに対する回動部材の角度を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業アタッチメント。
【請求項3】
前記リンクには、前記フランジ部を連結軸と平行な方向に貫通する貫通孔が形成されているとともに、前記規制部材がボルトからなり、前記回動部材には、前記フランジ部の外側から前記貫通孔に挿入された前記ボルトを螺合可能な雌ねじ部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業アタッチメント。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の作業アタッチメントと、
前記作業アタッチメントが起伏可能に設けられた機体とを備えたことを特徴とする建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−71018(P2010−71018A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241710(P2008−241710)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】