作業機
【課題】 圃面の状況の如何にかかわらず走行基準線を確認しながら作業走行を容易に行い得る作業機を提供する。
【解決手段】 所望の走行方向を指し示す走行基準線Xと、その走行基準線Xに沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示73とを表示する液晶表示部69を設け、液晶表示部69を運転操縦部に備えてある。
【解決手段】 所望の走行方向を指し示す走行基準線Xと、その走行基準線Xに沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示73とを表示する液晶表示部69を設け、液晶表示部69を運転操縦部に備えてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の走行方向を指し示す走行基準線に沿って作業走行する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば作業機の一例である乗用型田植機では、走行機体の左右側部に、次行程の植付圃面に走行基準線を印す植付マーカーを夫々備え、前記走行基準線を印すべく下向き作用姿勢と機体上部に引き上げられる格納姿勢とに切換可能に構成していた。そして、走行機体のボンネットの前部の左右中心位置に走行基準杆としてのセンターマスコットを立設し、このセンターマスコットの先端部を走行基準線に一致させるように、操縦者が目視確認しながら作業走行するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−187637号公報(段落番号〔0024〕の第1行〜第3及び、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した構成のものは、次ぎ行程の圃面に走行基準線を印す構成を採っているところから、圃面の状況によっては、水分が多い場合や線が付けにくい場合があり、そのような場合には、走行基準線を確認できないことがあった。
本発明の目的は、作業地の状況の如何にかかわらず走行基準線を確認しながら作業走行を容易に行い得る作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、所望の走行方向を指し示す走行基準線と、その走行基準線に沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示とを表示する表示装置を設け、前記表示装置を運転操縦部に備えてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
〔作用〕
走行基準線と機体標示とを表示できる表示装置を運転操縦部に設けることによって、操縦者は表示装置を目視しながら、表示装置に表示された機体表示を走行基準線に一致させるように、ステアリング操作を行うことによって、所望の作業方向に移動できる。
【0007】
〔効果〕
したがって、走行基準線を作業地に印す必要がなく、作業地の状況に影響されずに走行基準線の目視確認が容易になり、作業走行が確実になる。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記走行機体に設けた位置センサによって前記走行機体の現在位置を把握すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
つまり、機体表示をその走行機体に設けた位置センサによって表示装置に表示できるので、表示装置において走行基準線と機体表示とのズレの確認が容易になり、所望の走行方向の確認が容易迅速になった。
【0010】
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明において、前記表示装置に、前記した走行基準線と機体標示を表示するとともに、作業機の後方向視界を映し出すカメラを備え、前記走行機体の後進状態では、前記カメラの撮像と前記走行機体の後進方向を示す後進走行基準線を表示すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
機体後方を写し出すカメラの撮像を前記表示装置に表示できるので、後方の確認が容易になる。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴構成は、所望の走行方向を指し示す走行基準線と走行機体との位置ズレを目視する為の走行基準杆を前記走行機体に設けるとともに、前記走行基準杆に表示装置を取り付け、前記表示装置に前記走行基準線を表示するとともに作業状態を標示する作業状態標示部を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
この場合には、従来構成と同様に走行機体に走行基準杆を設ける。次に、走行基準線を圃面に印すのではなく、その走行基準杆に設けた表示装置に走行基準線を印す。
このように、表示装置を走行基準杆に取り付けることによって、走行基準杆と走行基準線との位置関係が明確になり、かつ、両者を目視対比することも容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5が支持されて、作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
【0015】
図1に示すように、苗植付装置5は、伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された植付ケース7、植付ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、接地フロート9及び苗のせ台10等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
【0016】
図1に示すように、肥料を貯留するホッパー12及び繰り出し部13が運転座席11の後側に固定されて、運転座席11の下側にブロア14が備えられている。接地フロート9に作溝器15が備えられて、繰り出し部13と作溝器15とに亘ってホース16が接続されている。これにより、前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13によって繰り出され、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給されるのであり、作溝器15を介して肥料が田面に供給される。
肥料に代えて種籾をホッパー12に貯留することにより、ホッパー12から作溝器15を介して種籾を田面に供給する直播作業も行うことができる(この場合、苗植付装置5を停止させる)。
【0017】
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1,3に示すように、機体の前部にミッションケース17が固定され、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。角パイプ状の右及び左の機体フレーム21が、ミッションケース17の後部の上部に連結されて後方に延出されており、ミッションケース17の後部と右及び左の機体フレーム21とに亘って、側面視三角形状の補強部材20が連結されている。
【0018】
図1及び図4に示すように、ミッションケース17の右及び左の横側面から右及び左の前車軸ケース23が延出されて、右及び左の前車軸ケース23の端部に円筒状の支持部23aが斜め前方下方(縦軸芯P1参照)に向いて備えられている。右及び左の前輪1を支持する前輪支持部24が、右及び左の前車軸ケース23の支持部23aに縦軸芯P1周りに回転自在及び縦軸芯P1の方向にスライド自在に支持されている。図2,3に示すように、ミッションケース17の下部にピットマンアーム25が縦軸芯P8周りに揺動自在に支持され後向きに延出されて、前輪支持部24とピットマンアーム25とに亘ってタイロッド26が接続されている。図1に示すように、ピットマンアーム25を揺動操作する操縦ハンドル27が備えられており、操縦ハンドル27によりピットマンアーム25を揺動操作することによって、右及び左の前輪1を操向操作する。
【0019】
図3,4,5に示すように、後車軸ケース28が一体的に形成されて、後車軸ケース28に右及び左の後輪2が支持されている。断面コ字状で縦長の右及び左のブラケット22が後車軸ケース28の前部に固定され、右及び左のブラケット22の上部の横軸芯P2周りに右及び左の上リンク29が上下に揺動自在に支持されて前方に延出されており、右及び左の機体フレーム21の中間部に固定されたブラケット21aの横軸芯P3周りに、右及び左の上リンク29が上下に揺動自在に支持されている。
【0020】
図3,4,5に示すように、右及び左のブラケット22の下部に支持ピン31が横外向きに固定されて、支持ピン31の横軸芯P4周りに右及び左の下リンク30が上下に揺動自在に支持されて前方に延出されており、ミッションケース17の後部の下部の横軸芯P5周りに、右及び左の下リンク30が上下に揺動自在に支持されている。右及び左の機体フレーム21に受け部21bが固定されて、支持ピン31に受け部31aが固定されており、右及び左の機体フレーム21の受け部21bと支持ピン31の受け部31aとに亘って、右及び左のサスペンションバネ32が取り付けられている。図5及び図6に示すように、左の機体フレーム21の後端の前後軸芯P6周りに、ラテラルロッド34が上下に揺動自在に支持され、後車軸ケース28の右の後部の前後軸芯P7周りに、ラテラルロッド34が上下に揺動自在に支持されている。
【0021】
これにより、図4,5に示すように、後車軸ケース28が右及び左のサスペンションバネ32により上下動及びローリング自在に支持されるのであり、右及び左の上リンク29、右及び左の下リンク30により後車軸ケース28の前後方向の位置が決められ、ラテラルロッド34により後車軸ケース28の左右方向の位置が決められる。
【0022】
次に、右及び左の前輪1への伝動構造について説明する。
図4に示すように、ミッションケース17の左の横側部に静油圧式無段変速装置33が連結されており、エンジン19の動力が静油圧式無段変速装置33に伝動ベルト35を介して伝達され、静油圧式無段変速装置33に伝達された動力がそのまま伝動軸36を介して、油圧ポンプ37に伝達されている。
【0023】
図6に示すように、静油圧式無段変速装置33の出力軸33aの動力が伝動ギヤ55を介して伝動軸56に伝達されており、伝動軸56に低速ギヤ57及び高速ギヤ58、伝動ギヤ59が固定されている。伝動軸56と平行に配置された伝動軸60に、シフトギヤ61がスプライン構造にて伝動軸60と一体回転及びスライド自在に外嵌され、伝動軸60に伝動ギヤ62が固定されている。これにより、シフトギヤ61をスライド操作して低速ギヤ57及び高速ギヤ58に咬合させることにより、伝動軸56の動力が高低2段に変速されて伝動軸60に伝達される。
【0024】
図6に示すように、ミッションケース17、右及び左の前車軸ケース23に亘って一対の伝動軸63が突き合わせて配置され、一対の伝動軸63の間にデフ機構64が備えられており、デフ機構64のケース64aに固定された伝動ギヤ65が伝動ギヤ62に咬合し、一対の伝動軸63の端部にベベルギヤ66が固定されている。円筒部材81がキー構造により一方の伝動軸63に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、円筒部材81をデフ機構64のケース64aの端部に咬合させることにより、デフ機構64をロック状態とすることができる。
【0025】
次に、後車軸ケース28の右及び左の後輪2への伝動構造について説明する。
図2,4,6に示すように、ミッションケース17の後部の下部(平面視で機体の左右中央CLの少し右側)に、走行出力軸78が備えられ後向き突出して、デフ機構64のケース64aに固定されたベベルギヤ79が、走行出力軸78に固定されたベベルギヤ80に咬合している。走行出力軸78の端部に自在継手82が取り付けられ、伝動軸84が円筒継手83(動力を伝達しながら自在継手82に対する伝動軸84のスライドを許容する)を介して自在継手82に接続されている。後車軸ケース28の前部(機体の左右中央CLの少し右側)に入力軸38が前向きに突出しており、伝動軸84と入力軸38とが自在継手82を介して接続されている。
【0026】
図2に示すように、後車軸ケース28に伝動軸39が備えられ、入力軸38に固定されたベベルギヤ38aが、伝動軸39に固定されたベベルギヤ39aに咬合している。伝動軸39の右及び左の端部に、摩擦多板型式の右及び左のサイドクラッチ41が備えられており、右及び左のサイドクラッチ41と右及び左の後輪2を支持する車軸43との間に、伝動軸42が備えられている。これにより図2,4,6に示すように、静油圧式無段変速装置33の出力軸33aの動力が、伝動軸56,60、デフ機構64のケース64a、走行出力軸78、伝動軸84、入力軸38、伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ41、伝動軸42を介して右及び左の後輪2に伝達される。
【0027】
図6に示すように、ミッションケース17の内部の壁部と走行出力軸78との間に複数の摩擦板44が備えられ、円盤状の操作部材45が走行出力軸78に相対回転自在に外嵌されている。走行出力軸78の下側を交差するように操作軸46が回転操作自在に支持されており、操作軸46の中間部46aが断面半月状に形成されて、操作軸46の中間部46aが操作部材45の後端に接している。以上のように、摩擦板44、操作部材45及び操作軸46等により、ブレーキ47が構成されており、ブレーキペダル(図示せず)と操作軸46及び静油圧式無段変速装置33とが機械的に連係されている。
【0028】
これにより、ブレーキペダルを踏み操作すると、静油圧式無段変速装置33が中立停止位置に操作されるのであり、操作軸46が図6の紙面時計方向に所定角度だけ回転操作されて、操作軸46の中間部46aにより操作部材45が図7の紙面上方に押し操作され、操作部材45が摩擦板44を押圧して、ブレーキ47が制動側に操作される。図2,3,6に示すように、ブレーキ47が制動側に操作されると、デフ機構64及び伝動軸63を介して右及び左の前輪1に制動が掛かるのであり、走行出力軸78、伝動軸84、入力軸38、伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ41、伝動軸42を介して右及び左の後輪2に制動が掛かる。
【0029】
図2に示すように、右及び左のサイドクラッチ41はバネ(図示せず)により伝動状態に付勢されており、右及び左のサイドクラッチ41を遮断状態に操作する右及び左の操作アーム51が備えられ、ピットマンアーム25と右及び左の操作アーム51とに亘って連係ロッド53が接続されている。図2に示す状態は、右及び左の前輪1が直進位置A0に操向操作された状態で、右及び左のサイドクラッチ41が伝動状態に操作された状態であり、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2に動力が伝達されている。右及び左の前輪1が直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていても、前述の状態となるのであり、機体は直進又は緩やかに右又は左に向きを変える。
【0030】
図2に示すように、右及び左の前輪1が右の設定角度A1と右の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム25により右の連係ロッド53が引き操作されて、右の操作アーム51により右のサイドクラッチ41が遮断状態に操作されて、右の後輪2が自由回転状態となる。この場合、左のサイドクラッチ41は伝動状態に残されており、左の後輪2に動力が伝達されている。右及び左の前輪1が左の設定角度A1と左の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム25により左の連係ロッド53が引き操作されて、左の操作アーム53により左のサイドクラッチ41が遮断状態に操作されて、左の後輪2が自由回転状態となる。この場合、右のサイドクラッチ41は伝動状態に残されており、右の後輪2に動力が伝達されている。
【0031】
以上のように右及び左の前輪1が右の設定角度A1と右の操向限度A2との間、又は左の設定角度A1と左の操向限度A2との間に操向操作されると、右及び左の前輪1、旋回外側の後輪2に動力が伝達された状態で、旋回中心側の後輪2への動力が遮断されて、旋回中心側の後輪2が自由回転状態となり、右又は左への旋回が行われる。これにより、旋回中心側の後輪2が旋回に伴って適度に回転しながら前進する状態となり、旋回時に旋回中心側の後輪2によって田面が荒らされる状態が少なくなる。
【0032】
次に、植付時に走行指針となるものについて説明する。図1及び図7に示すように、運転座席11の前方にハンドルポスト67を立設するとともに、そのハンドルポスト67の上面に操縦パネル68を設けてある。操縦パネル68には、走行基準線Xが表示されている。
走行基準線Xは、作業走行にあたって、田植機の進むべき方向を指し示すものである。この走行基準線Xを操縦パネル68の表示装置としての液晶表示部69に表示させるには、進むべき方向を検出する方位センサが必要であり、ここでは、ジャイロセンサ70を利用する。
【0033】
ジャイロセンサ70を利用して、走行基準線Xを液晶表示部69に表示する方法を説明する。図7及び図8に示すように、ジャイロセンサ70を機体フレーム21に取り付ける。液晶表示部69の横側方に設定スイッチ71を設ける。そして、例えば、走行機体を作業走行開始位置に位置させた状態で、走行機体を進むべき方向に向けた状態で、設定スイッチ71を操作する。そうすると、ジャイロセンサ70の指し示す方向が走行機体の進むべき方向となり、ジャイロセンサ70からの情報が制御装置Sに投入され、制御装置Sによってその方向を指し示す線が液晶表示部69に表示される。この指し示す線が走行基準線Xである。
【0034】
次に、この走行基準線Xに沿って進むべき走行機体の現在位置を位置センサ72としてのGPSシステムによって把握する。このGPSシステムで検出した位置情報は、液晶表示部69において三角印として表示される。この三角印を機体標示73という。
【0035】
以上のような構成によって、操縦者は三角印73が走行基準線X上にあるように目視しながら、操向操作を行う。走行機体の現在位置を表示する際に、走行機体に搭載したジャイロセンサ70の角度情報を組み合わせて、三角印73の位置表示を行うと、より正確な位置を表示できる。
【0036】
[第2実施形態]
走行機体の先端に設けてある走行基準杆74の構造について説明する。図9に示すように、走行基準杆74は、走行機体の先端に位置しており、予め前の植付作業行程において圃面上に印された走行基準線Xとこの走行基準杆74の先端部とを操縦者の目視判断において位置合わせする状態でステアリング操作を行う際の基準となるものである。
この実施形態においては、圃面上に走行基準線を印す方法を採用するのではなく、走行基準杆74に第1実施形態で記載した液晶表示部69を併設する構成を採用するものである。
【0037】
図9に示すように、走行基準杆74は、走行機体の先端から立設した支柱部74Aと、支柱部74Aの上部に形成した幅広面部74Bと、幅広面部74Bに設けた液晶表示部69と、幅広面部74Bから立設した先端指標部74Cとで構成してある。液晶表示部69には、走行機体が作業を行う場合に進むべき方向を示めす走行基準線Xを表示する。走行基準線Xは走行機体に設置したジャイロセンサ70の検出値に基づいて演算結果得られるものであり、次ぎのように制御装置Sによって演算される。
【0038】
例えば、ジャイロセンサ70によって作業を開始した状態での基準方向からの走行機体の角度変化を、ジャイロセンサ70が検出した角加速度、或るいは、角速度に基づいて演算し、実際に走行機体が向かっている方向を走行基準線Xとして、液晶表示部69に表示する。
一方、走行機体の左右幅方向中心位置に前記走行基準杆74の先端指標部74Cを位置させる。
【0039】
操縦者は、走行基準線Xと先端指標部74Cとを目視しながら、両者X、74Cが一致するように、ステアリング操作を行い、適正な植付作業を行うようにする。
尚、液晶表示部69内には、他の作業状態を示す作業状態標示部75を複数個並設してある。作業状態標示部75として設けてあるのは、苗のせ台10に設けてある苗残量センサ87からの信号に基づいて苗補給を促す為の苗切れ標示部75A、施肥用肥料を貯留するホッパー12での肥料貯留状態を示すセンサ88から信号に基づいて肥料補給を促す為の肥料切れ標示部75B等である。
【0040】
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態で使用したハンドルポスト67に設けた操縦パネル68の液晶表示部69を利用する。図10及び図11に示すように、走行機体のボンネット前面に前方カメラ85を取り付けるとともに、苗のせ台10の上端に後方カメラ86を取り付ける。
【0041】
前方カメラ85で、前回の植付行程で植付た隣接苗列を撮影し、液晶表示部69に表示する。表示する方法としては、隣接苗位置を目印で表示する。つまり、このような方法を採ることによって、従来利用されていた、隣接苗位置を目視によって確認する為に走行機体の前部に設けていた隣接マーカ杆を必要としなく、かつ、このような方法を採ることによって、隣接マーカ杆を通して隣接苗を直接目視する場合より、操縦性を良好にできるものである。
【0042】
後方カメラ86では、後方視界が確認し易く、後進時に後方視界を液晶表示部69に表示して利用することができるとともに、枕地位置の確認が容易にできるようになったので、枕地位置を目印として液晶表示部69に表示することによって、植え始めの位置決めを容易に行えるようになった。液晶表示部69において、前方視界を表示する状態と後方視界を表示する状態とに切り換えるのは、静油圧式無段変速装置33を後進位置に切り換えたタイミングで行うように構成する。
【0043】
[第4実施形態]
(1) 後輪伝動系に後輪増速装置48を設ける形態について説明する。図13に示すように、後車軸ケース28に伝動軸39が備えられ、入力軸38に固定されたベベルギヤ38aが、伝動軸39に固定されたベベルギヤ39aに咬合している。伝動軸39の右及び左の端部に、摩擦多板型式の右及び左のサイドクラッチ41が備えられており、右及び左のサイドクラッチ41と右及び左の後輪2を支持する車軸43との間に、伝動軸42が備えられている。
【0044】
伝動軸42には、後輪増速装置48を構成するスライドシフトギヤ49が装着されており、伝動軸39に装着された出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとに咬合することによって、通常の走行状態と増速状態とに切換え可能に構成してある。
後輪増速装置48は、伝動軸42に装着されたスライドシフトギヤ49と伝動軸39の出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとで構成されている。
【0045】
前記した場合では、スライドギヤ構造を採用したが、スライドシフトギヤ49の代わりに、伝動軸39の出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとに常時咬合する常咬式の複数のギヤを伝動軸42に取り付けるとともに、二段ギヤ43aに咬合する複数のギヤと伝動軸42との間に摩擦クラッチを設ける構成を採ってもよい。
【0046】
このような構成によって、前輪伝動機構内にデフ機構を設けることが必要ではなくなった。これによって、前輪伝動構造が簡素化され、小回り旋回時にデフロック操作を行っていたことが必要でなく、操作も簡素化される。
つまり、後輪増速装置48の操作はステアリング操作と連動させて行う。したがって、ステアリング操作を行うと、旋回内側のサイドクラッチ41が切り操作されると同時に旋回外側の後輪2が増速駆動されるように構成する。
【0047】
このように前輪伝動構造にデフ機構を省略した場合に、路上で旋回する場合に前輪1に力を受けるが、田植機自体は元々バランスが後に片寄っており、かつ、前輪1自体は後輪2に比べて接地幅が狭く牽引力も少ないので、変形や偏磨耗等は少ないと考えられる。
旋回時に操縦ハンドル27が重く操作負担が大きくなる点も、パワーステアリング76を備えることによって、操作負担の増大を軽減できる。
【0048】
[第5実施形態]
図14に示すように、苗のせ台10の上端に、ミラー50を取り付け、苗のせ台10のマット状苗等を運転座席11に座った状態で目視確認できるようにし、苗補給作業を適確に行えるようにする。
【0049】
[第6実施形態]
図11及び図12に示すように、走行機体の機体フレーム21に、スタンド52を取り付ける。スタンド52は、機体フレーム21に揺動自在に取り付けられ、上下向き姿勢で下端部を接地させる作用姿勢と、機体フレーム21に平行な姿勢に収納される格納姿勢とに切換可能に構成される。機体フレーム21にはスタンド52を装着固定する取付具54が設けてある。
【0050】
このように、走行機体にスタンド52を装備することによって、スタンド54を作用姿勢に切り換えると、走行機体を持上げることができる。これによって、前輪1又は後輪2の交換時にガレージジャッキ等が必要でなく、メインテナンス性が良好になる。
【0051】
[発明の実施の別形態]
(1) 作業機としては、田植機、及び、直播機等を含む。
(2) 表示装置69としては、液晶式以外のブラウン管、プラズマ式等を含む。
(3) 次に、ジャイロセンサ70を使用して、前記した制御形態とは別の制御形態について説明する。
走行機体を作業走行開始位置に位置させた状態で、走行機体を進むべき方向に向けた状態で、設定スイッチ71を操作して三角印を液晶表示部69に表示する。ここでは、三角印が走行機体の進むべき方向を指し示すこととなる。走行機体に搭載したジャイロセンサ70によって走行機体の現在の進行方向を走行基準線Xとして液晶表示部69に表示する。
このような構成により、液晶表示部69には走行基準線Xで走行機体の現状位置が示され、三角印によって進むべき方向が示されるので、液晶表示部69には、走行機体の進むべき方向からの位置ズレが確認でき、走行基準線Xを三角印に合わせるように操縦を行えばよい。
(4) 前記した制御形態では、設定スイッチ71を操作して走行機体の進むべき方向を三角印として設定したが、三角印を液晶表示部69の左右中心位置等の一定位置に表示するようにしてもよい。そして、ジャイロセンサ70によって走行機体の進行方向を走行基準線Xとして表示し、その走行基準線Xを三角印に合わせるようにステアリング操作を行えばよい。
(5) 第1実施形態においては、走行機体に搭載したジャイロセンサ70によって走行基準線Xの設定を行うようにしたが、圃場の四隅に反射鏡を設置するとともに、走行機体にレーザ発信機及び受信機を搭載し、このレーザを発信しながら、反射鏡と走行機体の角度及び距離を算出して、走行機体の進むべき方向を走行基準線Xとして、液晶表示部69に表示する方法を採ってもよい。
走行機体の現在位置については、前記したようにGPSシステム72によって把握し、三角印にて表示する。
(6) また、第三の方法としては、走行機体に搭載したレーザ発信機及び受信機と反射鏡とからなるレーザシステムによって走行機体の現在位置を測定し、三角印として表示する。走行機体の進むべき方向は、前記したように走行機体に搭載したジャイロセンサ70の検出結果にもとづいて走行基準線Xとして表示する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】乗用型田植機の全体左側面図
【図2】後車軸ケース、右及び左の後輪への伝動系を示す平面図
【図3】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系を示す右側面図
【図4】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系を示す平面図
【図5】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系、ミッションケースから苗植付装置への伝動系を示す正面図
【図6】ミッションケースの横断平面図
【図7】ハンドルポストに設けられた液晶表示部を示す平面図
【図8】制御構成図
【図9】第2実施形態にかかる走行基準杆を示す正面図
【図10】制御構成図
【図11】乗用型田植機に前方及び後方カメラを搭載した状態及びスタンドを取付けた状態を示す側面図
【図12】スタンドを接地させて、苗植付装置を持上げた状態を示す側面図
【図13】後輪駆動系に後輪増速装置を設けた状態を示す構成図
【図14】苗のせ台上にミラーを取り付けた状態を示す乗用型田植機の側面図
【符号の説明】
【0053】
69 表示装置
72 位置センサ
73 機体標示
74 走行基準杆
75 作業状態標示部
86 カメラ
X 走行基準線
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の走行方向を指し示す走行基準線に沿って作業走行する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば作業機の一例である乗用型田植機では、走行機体の左右側部に、次行程の植付圃面に走行基準線を印す植付マーカーを夫々備え、前記走行基準線を印すべく下向き作用姿勢と機体上部に引き上げられる格納姿勢とに切換可能に構成していた。そして、走行機体のボンネットの前部の左右中心位置に走行基準杆としてのセンターマスコットを立設し、このセンターマスコットの先端部を走行基準線に一致させるように、操縦者が目視確認しながら作業走行するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−187637号公報(段落番号〔0024〕の第1行〜第3及び、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した構成のものは、次ぎ行程の圃面に走行基準線を印す構成を採っているところから、圃面の状況によっては、水分が多い場合や線が付けにくい場合があり、そのような場合には、走行基準線を確認できないことがあった。
本発明の目的は、作業地の状況の如何にかかわらず走行基準線を確認しながら作業走行を容易に行い得る作業機を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、所望の走行方向を指し示す走行基準線と、その走行基準線に沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示とを表示する表示装置を設け、前記表示装置を運転操縦部に備えてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
〔作用〕
走行基準線と機体標示とを表示できる表示装置を運転操縦部に設けることによって、操縦者は表示装置を目視しながら、表示装置に表示された機体表示を走行基準線に一致させるように、ステアリング操作を行うことによって、所望の作業方向に移動できる。
【0007】
〔効果〕
したがって、走行基準線を作業地に印す必要がなく、作業地の状況に影響されずに走行基準線の目視確認が容易になり、作業走行が確実になる。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記走行機体に設けた位置センサによって前記走行機体の現在位置を把握すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
つまり、機体表示をその走行機体に設けた位置センサによって表示装置に表示できるので、表示装置において走行基準線と機体表示とのズレの確認が容易になり、所望の走行方向の確認が容易迅速になった。
【0010】
請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2に係る発明において、前記表示装置に、前記した走行基準線と機体標示を表示するとともに、作業機の後方向視界を映し出すカメラを備え、前記走行機体の後進状態では、前記カメラの撮像と前記走行機体の後進方向を示す後進走行基準線を表示すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
機体後方を写し出すカメラの撮像を前記表示装置に表示できるので、後方の確認が容易になる。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴構成は、所望の走行方向を指し示す走行基準線と走行機体との位置ズレを目視する為の走行基準杆を前記走行機体に設けるとともに、前記走行基準杆に表示装置を取り付け、前記表示装置に前記走行基準線を表示するとともに作業状態を標示する作業状態標示部を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
この場合には、従来構成と同様に走行機体に走行基準杆を設ける。次に、走行基準線を圃面に印すのではなく、その走行基準杆に設けた表示装置に走行基準線を印す。
このように、表示装置を走行基準杆に取り付けることによって、走行基準杆と走行基準線との位置関係が明確になり、かつ、両者を目視対比することも容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2を備えた機体の後部に、リンク機構3及びリンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5が支持されて、作業機の一例である乗用型田植機が構成されている。
【0015】
図1に示すように、苗植付装置5は、伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された植付ケース7、植付ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、接地フロート9及び苗のせ台10等を備えて構成されている。これにより、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、植付ケース7が回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面に植え付ける。
【0016】
図1に示すように、肥料を貯留するホッパー12及び繰り出し部13が運転座席11の後側に固定されて、運転座席11の下側にブロア14が備えられている。接地フロート9に作溝器15が備えられて、繰り出し部13と作溝器15とに亘ってホース16が接続されている。これにより、前述のような苗の植え付けに伴って、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13によって繰り出され、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給されるのであり、作溝器15を介して肥料が田面に供給される。
肥料に代えて種籾をホッパー12に貯留することにより、ホッパー12から作溝器15を介して種籾を田面に供給する直播作業も行うことができる(この場合、苗植付装置5を停止させる)。
【0017】
次に、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2の支持構造について説明する。
図1,3に示すように、機体の前部にミッションケース17が固定され、ミッションケース17の前部に連結された支持フレーム18に、エンジン19が支持されている。角パイプ状の右及び左の機体フレーム21が、ミッションケース17の後部の上部に連結されて後方に延出されており、ミッションケース17の後部と右及び左の機体フレーム21とに亘って、側面視三角形状の補強部材20が連結されている。
【0018】
図1及び図4に示すように、ミッションケース17の右及び左の横側面から右及び左の前車軸ケース23が延出されて、右及び左の前車軸ケース23の端部に円筒状の支持部23aが斜め前方下方(縦軸芯P1参照)に向いて備えられている。右及び左の前輪1を支持する前輪支持部24が、右及び左の前車軸ケース23の支持部23aに縦軸芯P1周りに回転自在及び縦軸芯P1の方向にスライド自在に支持されている。図2,3に示すように、ミッションケース17の下部にピットマンアーム25が縦軸芯P8周りに揺動自在に支持され後向きに延出されて、前輪支持部24とピットマンアーム25とに亘ってタイロッド26が接続されている。図1に示すように、ピットマンアーム25を揺動操作する操縦ハンドル27が備えられており、操縦ハンドル27によりピットマンアーム25を揺動操作することによって、右及び左の前輪1を操向操作する。
【0019】
図3,4,5に示すように、後車軸ケース28が一体的に形成されて、後車軸ケース28に右及び左の後輪2が支持されている。断面コ字状で縦長の右及び左のブラケット22が後車軸ケース28の前部に固定され、右及び左のブラケット22の上部の横軸芯P2周りに右及び左の上リンク29が上下に揺動自在に支持されて前方に延出されており、右及び左の機体フレーム21の中間部に固定されたブラケット21aの横軸芯P3周りに、右及び左の上リンク29が上下に揺動自在に支持されている。
【0020】
図3,4,5に示すように、右及び左のブラケット22の下部に支持ピン31が横外向きに固定されて、支持ピン31の横軸芯P4周りに右及び左の下リンク30が上下に揺動自在に支持されて前方に延出されており、ミッションケース17の後部の下部の横軸芯P5周りに、右及び左の下リンク30が上下に揺動自在に支持されている。右及び左の機体フレーム21に受け部21bが固定されて、支持ピン31に受け部31aが固定されており、右及び左の機体フレーム21の受け部21bと支持ピン31の受け部31aとに亘って、右及び左のサスペンションバネ32が取り付けられている。図5及び図6に示すように、左の機体フレーム21の後端の前後軸芯P6周りに、ラテラルロッド34が上下に揺動自在に支持され、後車軸ケース28の右の後部の前後軸芯P7周りに、ラテラルロッド34が上下に揺動自在に支持されている。
【0021】
これにより、図4,5に示すように、後車軸ケース28が右及び左のサスペンションバネ32により上下動及びローリング自在に支持されるのであり、右及び左の上リンク29、右及び左の下リンク30により後車軸ケース28の前後方向の位置が決められ、ラテラルロッド34により後車軸ケース28の左右方向の位置が決められる。
【0022】
次に、右及び左の前輪1への伝動構造について説明する。
図4に示すように、ミッションケース17の左の横側部に静油圧式無段変速装置33が連結されており、エンジン19の動力が静油圧式無段変速装置33に伝動ベルト35を介して伝達され、静油圧式無段変速装置33に伝達された動力がそのまま伝動軸36を介して、油圧ポンプ37に伝達されている。
【0023】
図6に示すように、静油圧式無段変速装置33の出力軸33aの動力が伝動ギヤ55を介して伝動軸56に伝達されており、伝動軸56に低速ギヤ57及び高速ギヤ58、伝動ギヤ59が固定されている。伝動軸56と平行に配置された伝動軸60に、シフトギヤ61がスプライン構造にて伝動軸60と一体回転及びスライド自在に外嵌され、伝動軸60に伝動ギヤ62が固定されている。これにより、シフトギヤ61をスライド操作して低速ギヤ57及び高速ギヤ58に咬合させることにより、伝動軸56の動力が高低2段に変速されて伝動軸60に伝達される。
【0024】
図6に示すように、ミッションケース17、右及び左の前車軸ケース23に亘って一対の伝動軸63が突き合わせて配置され、一対の伝動軸63の間にデフ機構64が備えられており、デフ機構64のケース64aに固定された伝動ギヤ65が伝動ギヤ62に咬合し、一対の伝動軸63の端部にベベルギヤ66が固定されている。円筒部材81がキー構造により一方の伝動軸63に一体回転及びスライド自在に外嵌されており、円筒部材81をデフ機構64のケース64aの端部に咬合させることにより、デフ機構64をロック状態とすることができる。
【0025】
次に、後車軸ケース28の右及び左の後輪2への伝動構造について説明する。
図2,4,6に示すように、ミッションケース17の後部の下部(平面視で機体の左右中央CLの少し右側)に、走行出力軸78が備えられ後向き突出して、デフ機構64のケース64aに固定されたベベルギヤ79が、走行出力軸78に固定されたベベルギヤ80に咬合している。走行出力軸78の端部に自在継手82が取り付けられ、伝動軸84が円筒継手83(動力を伝達しながら自在継手82に対する伝動軸84のスライドを許容する)を介して自在継手82に接続されている。後車軸ケース28の前部(機体の左右中央CLの少し右側)に入力軸38が前向きに突出しており、伝動軸84と入力軸38とが自在継手82を介して接続されている。
【0026】
図2に示すように、後車軸ケース28に伝動軸39が備えられ、入力軸38に固定されたベベルギヤ38aが、伝動軸39に固定されたベベルギヤ39aに咬合している。伝動軸39の右及び左の端部に、摩擦多板型式の右及び左のサイドクラッチ41が備えられており、右及び左のサイドクラッチ41と右及び左の後輪2を支持する車軸43との間に、伝動軸42が備えられている。これにより図2,4,6に示すように、静油圧式無段変速装置33の出力軸33aの動力が、伝動軸56,60、デフ機構64のケース64a、走行出力軸78、伝動軸84、入力軸38、伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ41、伝動軸42を介して右及び左の後輪2に伝達される。
【0027】
図6に示すように、ミッションケース17の内部の壁部と走行出力軸78との間に複数の摩擦板44が備えられ、円盤状の操作部材45が走行出力軸78に相対回転自在に外嵌されている。走行出力軸78の下側を交差するように操作軸46が回転操作自在に支持されており、操作軸46の中間部46aが断面半月状に形成されて、操作軸46の中間部46aが操作部材45の後端に接している。以上のように、摩擦板44、操作部材45及び操作軸46等により、ブレーキ47が構成されており、ブレーキペダル(図示せず)と操作軸46及び静油圧式無段変速装置33とが機械的に連係されている。
【0028】
これにより、ブレーキペダルを踏み操作すると、静油圧式無段変速装置33が中立停止位置に操作されるのであり、操作軸46が図6の紙面時計方向に所定角度だけ回転操作されて、操作軸46の中間部46aにより操作部材45が図7の紙面上方に押し操作され、操作部材45が摩擦板44を押圧して、ブレーキ47が制動側に操作される。図2,3,6に示すように、ブレーキ47が制動側に操作されると、デフ機構64及び伝動軸63を介して右及び左の前輪1に制動が掛かるのであり、走行出力軸78、伝動軸84、入力軸38、伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ41、伝動軸42を介して右及び左の後輪2に制動が掛かる。
【0029】
図2に示すように、右及び左のサイドクラッチ41はバネ(図示せず)により伝動状態に付勢されており、右及び左のサイドクラッチ41を遮断状態に操作する右及び左の操作アーム51が備えられ、ピットマンアーム25と右及び左の操作アーム51とに亘って連係ロッド53が接続されている。図2に示す状態は、右及び左の前輪1が直進位置A0に操向操作された状態で、右及び左のサイドクラッチ41が伝動状態に操作された状態であり、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2に動力が伝達されている。右及び左の前輪1が直進位置A0と右及び左の設定角度A1との間に操向操作されていても、前述の状態となるのであり、機体は直進又は緩やかに右又は左に向きを変える。
【0030】
図2に示すように、右及び左の前輪1が右の設定角度A1と右の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム25により右の連係ロッド53が引き操作されて、右の操作アーム51により右のサイドクラッチ41が遮断状態に操作されて、右の後輪2が自由回転状態となる。この場合、左のサイドクラッチ41は伝動状態に残されており、左の後輪2に動力が伝達されている。右及び左の前輪1が左の設定角度A1と左の操向限度A2との間に操向操作されると、ピットマンアーム25により左の連係ロッド53が引き操作されて、左の操作アーム53により左のサイドクラッチ41が遮断状態に操作されて、左の後輪2が自由回転状態となる。この場合、右のサイドクラッチ41は伝動状態に残されており、右の後輪2に動力が伝達されている。
【0031】
以上のように右及び左の前輪1が右の設定角度A1と右の操向限度A2との間、又は左の設定角度A1と左の操向限度A2との間に操向操作されると、右及び左の前輪1、旋回外側の後輪2に動力が伝達された状態で、旋回中心側の後輪2への動力が遮断されて、旋回中心側の後輪2が自由回転状態となり、右又は左への旋回が行われる。これにより、旋回中心側の後輪2が旋回に伴って適度に回転しながら前進する状態となり、旋回時に旋回中心側の後輪2によって田面が荒らされる状態が少なくなる。
【0032】
次に、植付時に走行指針となるものについて説明する。図1及び図7に示すように、運転座席11の前方にハンドルポスト67を立設するとともに、そのハンドルポスト67の上面に操縦パネル68を設けてある。操縦パネル68には、走行基準線Xが表示されている。
走行基準線Xは、作業走行にあたって、田植機の進むべき方向を指し示すものである。この走行基準線Xを操縦パネル68の表示装置としての液晶表示部69に表示させるには、進むべき方向を検出する方位センサが必要であり、ここでは、ジャイロセンサ70を利用する。
【0033】
ジャイロセンサ70を利用して、走行基準線Xを液晶表示部69に表示する方法を説明する。図7及び図8に示すように、ジャイロセンサ70を機体フレーム21に取り付ける。液晶表示部69の横側方に設定スイッチ71を設ける。そして、例えば、走行機体を作業走行開始位置に位置させた状態で、走行機体を進むべき方向に向けた状態で、設定スイッチ71を操作する。そうすると、ジャイロセンサ70の指し示す方向が走行機体の進むべき方向となり、ジャイロセンサ70からの情報が制御装置Sに投入され、制御装置Sによってその方向を指し示す線が液晶表示部69に表示される。この指し示す線が走行基準線Xである。
【0034】
次に、この走行基準線Xに沿って進むべき走行機体の現在位置を位置センサ72としてのGPSシステムによって把握する。このGPSシステムで検出した位置情報は、液晶表示部69において三角印として表示される。この三角印を機体標示73という。
【0035】
以上のような構成によって、操縦者は三角印73が走行基準線X上にあるように目視しながら、操向操作を行う。走行機体の現在位置を表示する際に、走行機体に搭載したジャイロセンサ70の角度情報を組み合わせて、三角印73の位置表示を行うと、より正確な位置を表示できる。
【0036】
[第2実施形態]
走行機体の先端に設けてある走行基準杆74の構造について説明する。図9に示すように、走行基準杆74は、走行機体の先端に位置しており、予め前の植付作業行程において圃面上に印された走行基準線Xとこの走行基準杆74の先端部とを操縦者の目視判断において位置合わせする状態でステアリング操作を行う際の基準となるものである。
この実施形態においては、圃面上に走行基準線を印す方法を採用するのではなく、走行基準杆74に第1実施形態で記載した液晶表示部69を併設する構成を採用するものである。
【0037】
図9に示すように、走行基準杆74は、走行機体の先端から立設した支柱部74Aと、支柱部74Aの上部に形成した幅広面部74Bと、幅広面部74Bに設けた液晶表示部69と、幅広面部74Bから立設した先端指標部74Cとで構成してある。液晶表示部69には、走行機体が作業を行う場合に進むべき方向を示めす走行基準線Xを表示する。走行基準線Xは走行機体に設置したジャイロセンサ70の検出値に基づいて演算結果得られるものであり、次ぎのように制御装置Sによって演算される。
【0038】
例えば、ジャイロセンサ70によって作業を開始した状態での基準方向からの走行機体の角度変化を、ジャイロセンサ70が検出した角加速度、或るいは、角速度に基づいて演算し、実際に走行機体が向かっている方向を走行基準線Xとして、液晶表示部69に表示する。
一方、走行機体の左右幅方向中心位置に前記走行基準杆74の先端指標部74Cを位置させる。
【0039】
操縦者は、走行基準線Xと先端指標部74Cとを目視しながら、両者X、74Cが一致するように、ステアリング操作を行い、適正な植付作業を行うようにする。
尚、液晶表示部69内には、他の作業状態を示す作業状態標示部75を複数個並設してある。作業状態標示部75として設けてあるのは、苗のせ台10に設けてある苗残量センサ87からの信号に基づいて苗補給を促す為の苗切れ標示部75A、施肥用肥料を貯留するホッパー12での肥料貯留状態を示すセンサ88から信号に基づいて肥料補給を促す為の肥料切れ標示部75B等である。
【0040】
[第3実施形態]
第3実施形態では、第1実施形態で使用したハンドルポスト67に設けた操縦パネル68の液晶表示部69を利用する。図10及び図11に示すように、走行機体のボンネット前面に前方カメラ85を取り付けるとともに、苗のせ台10の上端に後方カメラ86を取り付ける。
【0041】
前方カメラ85で、前回の植付行程で植付た隣接苗列を撮影し、液晶表示部69に表示する。表示する方法としては、隣接苗位置を目印で表示する。つまり、このような方法を採ることによって、従来利用されていた、隣接苗位置を目視によって確認する為に走行機体の前部に設けていた隣接マーカ杆を必要としなく、かつ、このような方法を採ることによって、隣接マーカ杆を通して隣接苗を直接目視する場合より、操縦性を良好にできるものである。
【0042】
後方カメラ86では、後方視界が確認し易く、後進時に後方視界を液晶表示部69に表示して利用することができるとともに、枕地位置の確認が容易にできるようになったので、枕地位置を目印として液晶表示部69に表示することによって、植え始めの位置決めを容易に行えるようになった。液晶表示部69において、前方視界を表示する状態と後方視界を表示する状態とに切り換えるのは、静油圧式無段変速装置33を後進位置に切り換えたタイミングで行うように構成する。
【0043】
[第4実施形態]
(1) 後輪伝動系に後輪増速装置48を設ける形態について説明する。図13に示すように、後車軸ケース28に伝動軸39が備えられ、入力軸38に固定されたベベルギヤ38aが、伝動軸39に固定されたベベルギヤ39aに咬合している。伝動軸39の右及び左の端部に、摩擦多板型式の右及び左のサイドクラッチ41が備えられており、右及び左のサイドクラッチ41と右及び左の後輪2を支持する車軸43との間に、伝動軸42が備えられている。
【0044】
伝動軸42には、後輪増速装置48を構成するスライドシフトギヤ49が装着されており、伝動軸39に装着された出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとに咬合することによって、通常の走行状態と増速状態とに切換え可能に構成してある。
後輪増速装置48は、伝動軸42に装着されたスライドシフトギヤ49と伝動軸39の出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとで構成されている。
【0045】
前記した場合では、スライドギヤ構造を採用したが、スライドシフトギヤ49の代わりに、伝動軸39の出力ギヤ39bと車軸43に装着された二段ギヤ43aとに常時咬合する常咬式の複数のギヤを伝動軸42に取り付けるとともに、二段ギヤ43aに咬合する複数のギヤと伝動軸42との間に摩擦クラッチを設ける構成を採ってもよい。
【0046】
このような構成によって、前輪伝動機構内にデフ機構を設けることが必要ではなくなった。これによって、前輪伝動構造が簡素化され、小回り旋回時にデフロック操作を行っていたことが必要でなく、操作も簡素化される。
つまり、後輪増速装置48の操作はステアリング操作と連動させて行う。したがって、ステアリング操作を行うと、旋回内側のサイドクラッチ41が切り操作されると同時に旋回外側の後輪2が増速駆動されるように構成する。
【0047】
このように前輪伝動構造にデフ機構を省略した場合に、路上で旋回する場合に前輪1に力を受けるが、田植機自体は元々バランスが後に片寄っており、かつ、前輪1自体は後輪2に比べて接地幅が狭く牽引力も少ないので、変形や偏磨耗等は少ないと考えられる。
旋回時に操縦ハンドル27が重く操作負担が大きくなる点も、パワーステアリング76を備えることによって、操作負担の増大を軽減できる。
【0048】
[第5実施形態]
図14に示すように、苗のせ台10の上端に、ミラー50を取り付け、苗のせ台10のマット状苗等を運転座席11に座った状態で目視確認できるようにし、苗補給作業を適確に行えるようにする。
【0049】
[第6実施形態]
図11及び図12に示すように、走行機体の機体フレーム21に、スタンド52を取り付ける。スタンド52は、機体フレーム21に揺動自在に取り付けられ、上下向き姿勢で下端部を接地させる作用姿勢と、機体フレーム21に平行な姿勢に収納される格納姿勢とに切換可能に構成される。機体フレーム21にはスタンド52を装着固定する取付具54が設けてある。
【0050】
このように、走行機体にスタンド52を装備することによって、スタンド54を作用姿勢に切り換えると、走行機体を持上げることができる。これによって、前輪1又は後輪2の交換時にガレージジャッキ等が必要でなく、メインテナンス性が良好になる。
【0051】
[発明の実施の別形態]
(1) 作業機としては、田植機、及び、直播機等を含む。
(2) 表示装置69としては、液晶式以外のブラウン管、プラズマ式等を含む。
(3) 次に、ジャイロセンサ70を使用して、前記した制御形態とは別の制御形態について説明する。
走行機体を作業走行開始位置に位置させた状態で、走行機体を進むべき方向に向けた状態で、設定スイッチ71を操作して三角印を液晶表示部69に表示する。ここでは、三角印が走行機体の進むべき方向を指し示すこととなる。走行機体に搭載したジャイロセンサ70によって走行機体の現在の進行方向を走行基準線Xとして液晶表示部69に表示する。
このような構成により、液晶表示部69には走行基準線Xで走行機体の現状位置が示され、三角印によって進むべき方向が示されるので、液晶表示部69には、走行機体の進むべき方向からの位置ズレが確認でき、走行基準線Xを三角印に合わせるように操縦を行えばよい。
(4) 前記した制御形態では、設定スイッチ71を操作して走行機体の進むべき方向を三角印として設定したが、三角印を液晶表示部69の左右中心位置等の一定位置に表示するようにしてもよい。そして、ジャイロセンサ70によって走行機体の進行方向を走行基準線Xとして表示し、その走行基準線Xを三角印に合わせるようにステアリング操作を行えばよい。
(5) 第1実施形態においては、走行機体に搭載したジャイロセンサ70によって走行基準線Xの設定を行うようにしたが、圃場の四隅に反射鏡を設置するとともに、走行機体にレーザ発信機及び受信機を搭載し、このレーザを発信しながら、反射鏡と走行機体の角度及び距離を算出して、走行機体の進むべき方向を走行基準線Xとして、液晶表示部69に表示する方法を採ってもよい。
走行機体の現在位置については、前記したようにGPSシステム72によって把握し、三角印にて表示する。
(6) また、第三の方法としては、走行機体に搭載したレーザ発信機及び受信機と反射鏡とからなるレーザシステムによって走行機体の現在位置を測定し、三角印として表示する。走行機体の進むべき方向は、前記したように走行機体に搭載したジャイロセンサ70の検出結果にもとづいて走行基準線Xとして表示する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】乗用型田植機の全体左側面図
【図2】後車軸ケース、右及び左の後輪への伝動系を示す平面図
【図3】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系を示す右側面図
【図4】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系を示す平面図
【図5】後車軸ケースの支持構造、ミッションケースから後車軸ケースへの伝動系及びミッションケースから繰り出し部への伝動系、ミッションケースから苗植付装置への伝動系を示す正面図
【図6】ミッションケースの横断平面図
【図7】ハンドルポストに設けられた液晶表示部を示す平面図
【図8】制御構成図
【図9】第2実施形態にかかる走行基準杆を示す正面図
【図10】制御構成図
【図11】乗用型田植機に前方及び後方カメラを搭載した状態及びスタンドを取付けた状態を示す側面図
【図12】スタンドを接地させて、苗植付装置を持上げた状態を示す側面図
【図13】後輪駆動系に後輪増速装置を設けた状態を示す構成図
【図14】苗のせ台上にミラーを取り付けた状態を示す乗用型田植機の側面図
【符号の説明】
【0053】
69 表示装置
72 位置センサ
73 機体標示
74 走行基準杆
75 作業状態標示部
86 カメラ
X 走行基準線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所望の走行方向を指し示す走行基準線と、その走行基準線に沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示とを表示する表示装置を設け、前記表示装置を運転操縦部に備えてある作業機。
【請求項2】
前記走行機体に設けた位置センサによって前記走行機体の現在位置を把握すべく構成してある請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記表示装置に、前記した走行基準線と機体標示を表示するとともに、作業機の後方向視界を映し出すカメラを備え、前記走行機体の後進状態では、前記カメラの撮像と前記走行機体の後進方向を示す後進走行基準線を表示すべく構成してある請求項1又は2記載の作業機。
【請求項4】
所望の走行方向を指し示す走行基準線と走行機体との位置ズレを目視する為の走行基準杆を前記走行機体に設けるとともに、前記走行基準杆に表示装置を取り付け、前記表示装置に前記走行基準線を表示するとともに作業状態を標示する作業状態標示部を設けてある作業機。
【請求項1】
所望の走行方向を指し示す走行基準線と、その走行基準線に沿って進むべき走行機体の現在位置を示す機体標示とを表示する表示装置を設け、前記表示装置を運転操縦部に備えてある作業機。
【請求項2】
前記走行機体に設けた位置センサによって前記走行機体の現在位置を把握すべく構成してある請求項1記載の作業機。
【請求項3】
前記表示装置に、前記した走行基準線と機体標示を表示するとともに、作業機の後方向視界を映し出すカメラを備え、前記走行機体の後進状態では、前記カメラの撮像と前記走行機体の後進方向を示す後進走行基準線を表示すべく構成してある請求項1又は2記載の作業機。
【請求項4】
所望の走行方向を指し示す走行基準線と走行機体との位置ズレを目視する為の走行基準杆を前記走行機体に設けるとともに、前記走行基準杆に表示装置を取り付け、前記表示装置に前記走行基準線を表示するとともに作業状態を標示する作業状態標示部を設けてある作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−228889(P2007−228889A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54880(P2006−54880)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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