作業車両
【課題】作業車両において後向き運転姿勢での前後進走行を安全に行なう。
【解決手段】
走行車体1の前側部あるいは後側部にフロントローダ10やバックホウ11等の作業機を具備する作業車両において、走行入り切りスイッチ37を押しながら後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bを押すと前進あるいは後進する構成する。そして、バックホウ検出手段がバックホウ11の装着を検出した状態で、主変速装置48,49及び副変速装置50,51が低速変速状態で、走行入り切りスイッチ37と後シャトルスイッチ31が同時に押され、且つ、前後進切替手段Aが中立状態であるときに、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31Fあるいは後進スイッチ31Rの押された方向へ機体を走行させる走行制御手段35を設ける構成とする。
【解決手段】
走行車体1の前側部あるいは後側部にフロントローダ10やバックホウ11等の作業機を具備する作業車両において、走行入り切りスイッチ37を押しながら後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bを押すと前進あるいは後進する構成する。そして、バックホウ検出手段がバックホウ11の装着を検出した状態で、主変速装置48,49及び副変速装置50,51が低速変速状態で、走行入り切りスイッチ37と後シャトルスイッチ31が同時に押され、且つ、前後進切替手段Aが中立状態であるときに、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31Fあるいは後進スイッチ31Rの押された方向へ機体を走行させる走行制御手段35を設ける構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の前側部あるいは後側部にフロントローダやバックホウ等の作業装置を装着する作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両の前後進操作装置において、前進、後進、中立を指示する前後進レバー装置と、前後進レバー装置の指示を前後進スイッチ装置の指示よりも優先させて前後進切換制御を行なうコントローラと、切換操作部材の操作で前後進スイッチ制御状態、及び前後進スイッチ制御状態の解除をコントローラに指示する切換スイッチを設けたものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−256408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、運転者が後向き姿勢の運転状態において、前後進走行を安全に行なうことができる走行制御装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、走行車体(1)の前側部あるいは後側部にフロントローダ(10)やバックホウ(11)等の作業機を具備する作業車両において、エンジンから走行車輪への動力伝動経路中に前後進切替手段(A)、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50、51)を設け、走行入り切りスイッチ(37)及び後シャトルスイッチ(31)を設けて、前記走行入り切りスイッチ(37)を押しながら前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押すと前進あるいは後進する構成とし、バックホウ検出手段が前記バックホウ(11)の装着を検出した状態で、前記主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、前記走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前記前後進切替手段(A)が中立状態であるときに、前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体を走行させる走行制御手段(35)を設けたことを特徴とする作業車両とする。
【0005】
前記構成によると、作業車両がバックホウ検出手段がバックホウ(11)の装着を検出し、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前後進切替手段(A)が中立状態にあるときには、後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体は走行される。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明は、走行開始時には走行入り切りスイッチ(37)を押して走行入りにしながら後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押す、所謂ダブルアクション操作により走行が開始するので誤操作を防止しすることができる。また、走行入り切りスイッチ(37)を押して走行入りにしながら後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押して前後進走行する際に、低速で意図した前進方向あるいは後進方向に確実に走行し、運転者が後向きに搭乗した場合の前後進走行を安全に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、作業車両の一例としての乗用型トラクタを示すもので、この走行車体1の前側部のボンネット2内にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝達し、この変速装置で減速された回転動力を前輪4、4と後輪5,5に伝達するようにしている。運転席6の前方にステアリングハンドル7を装備し、これらをキャビン8で覆っている。
【0008】
走行車体1の前側部にフロントローダ10を装備し、走行車体1の後側にはバックホウ11等を装着する構成である。フロントローダ10は、フロントブラケット12にローダブーム13を上下回動自在に軸支して油圧により伸縮するリフトシリンダ14により昇降し、ローダブーム13の先端に設けたバケット15をバケットシリンダ16の伸縮作動により、掻き込み、ダンプ放出可能に構成している。
【0009】
また、走行車体1の後側端部のリヤーブラケット17にバックホウ11を取り付けて、アウトリガー18で支持する構成である。リヤーブラケット17の後側部には、旋回ブラケット19を上下方向の旋回軸20回りに旋回可能に架設し、この旋回ブラケット19に対してリフトブーム21を昇降回動自在に設け、ブームシリンダ22の油圧伸縮により昇降可能に構成している。また、このリフトブーム21の後側端部にバケットアーム23を上下回動自在に枢支し、アームシリンダ24の油圧伸縮により上下回動可能に構成している。バケットアーム23の先端にはバケットリンク26を介してバケット25が回動自在に支持され、バケットシリンダ27の油圧伸縮によりバケット25は回動する構成である。
【0010】
バックホウ11の操作用の後座席28や操作台29をリヤーブラケット17上に設け、オペレータが後座席28に後向き姿勢で着座し、操作台29上の後部作業機操縦用の操作具30や、後シャトルスイッチ31、操向スイッチ32等を操作してバックホウ11の作業操作を行なうように構成している。なお、前記操作具30は、前後方向の操作でバケット25が上下動し、左右方向の操作で旋回軸20回りに旋回する構成である。
【0011】
図2に示すように、走行車体1の主体を構成するクラッチハウジング40や、ミッションケース3及びアクスルハウジング42等には、エンジンEから動力の入力される入力軸43に主クラッチ44を設け、この入力軸43から伝動される前後進軸45上に前後進切替手段Aとして、シャトルクラッチ伝動停止の中立位置Nから前進位置Fと後進位置Rのギヤ伝動に切り替えるシャトルクラッチ(前進)46,シャトルクラッチ(後進)47を設けている。
【0012】
この前後進軸45から伝動される主変速軸48に主変速ギヤ49を設け、この前後進軸48から伝動される副変速軸50に副変速ギヤ51を設けて、ピニオンギヤ軸52に伝動している。このピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を介して後輪5,5を駆動し、また、ピニオンギヤ軸52から前輪取出軸54に伝動している。この前輪取出軸54には前輪切り状態、四駆状態、前輪倍速状態に切り替える前輪伝動切替装置55を設けている。
【0013】
また、前進入力軸43からPTO伝動軸56にギヤを介して動力を伝達し、後側のPTO軸57に伝達している。また、ミッションケース3の後側上端部に油圧シリンダ58により昇降できるリフトアーム59を設け、三点リンク機構等を介してロータリ耕耘装置等の作業機を装着し昇降可能に構成している。
【0014】
ステアリングハンドル7のフロアの近くには、図4及び図5に示すように、左右後輪5,5への走行用制動装置60の左右ブレーキぺダル61L,61Rやパーキングブレーキレバー62等を備えた構成となっている。走行用制動装置60は、左右後輪5,5への走行伝動系に制動作用を付与するもので、前記左右ブレーキぺダル60L,60Rの踏み込み操作で、左右のブレーキソレノイド63L,63R及び左右のブレーキシリンダ64L,64Rを介して作動するように連動構成している。また、パーキングブレーキレバー62の入り切り状態感知スイッチ64で感知できるように構成することで、重複作動を回避できるようにしている。なお、パーキングブレーキ作動時には、ロッドにて機械的リンク機構を介して制動することにより、油圧出力はオフする構成となっている。
【0015】
運転席6及び後座席28には、図6及び図7に示すように、オペレータの着座、非着座によって入り切りするシートスイッチ33を設け、オペレータが運転席6に座ると、シートスイッチ33がスイッチオンし、エンジン始動スイッチ34の操作によりエンジンEが始動できるように構成している。また、エンジンEの始動後は、シートスイッチ33が「切り」になると、即ち、オペレータの非着座によってシートスイッチ33がオフになると、前後進切替主変速Aがコントローラ35を介して自動的に前後進中立位置に切り替えられるようになっている。
【0016】
また、前後進切替手段Aの中立位置では、前記シートスイッチ33の「切り」作動に基づき走行用制動装置60も作動するようになっており、走行伝動系にブレーキがかかり、走行停止状態を確実に維持できる構成となっている。なお、このブレーキと同時にPTO軸57も停止することができるが、この場合には、走行停止状態での作用ができなくなるので、オペレータは運転席6に座ってシートスイッチ33を元のスイッチオン状態に戻し、走行停止状態を解除してからでなければ、通常通りのPTO作業が行なえないようになっている。
【0017】
作業車両において、前側のフロントローダ10等で作業を行なう際には、運転席6に座って、前シャトルスイッチ36の操作で前後進スイッチ36L,36Rを入り切りし、前進ソレノイド66に出力、あるいは、後進ソレノイド67に出力して前後進切替弁を作動し、シャトルクラッチ(前進)46,シャトルクラッチ(後進)47の前後進操作をする。
【0018】
また、操作台29の例えば左手側に、図9に示すように、車体2の走行を前後進させる後シャトルスイッチ31(前進スイッチ31F、後進スイッチ31R)と、走行入り切りスイッチ37、操向スイッチ32(左スイッチ31L、右スイッチ31R)等を設けている。そして、走行入り切りスイッチ37を押した状態で後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31F、後進スイッチ31Rを押すことによって、前後進が行われる。また、走行入り切りスイッチ37を押した状態で、操向スイッチ32の左スイッチ31L、右スイッチ31Rを押すことによって、左右操向がなされる。なお、操作台29には、図9に示すように、スロットルレバー用のガイド溝38、バックホウ用の上昇高さ設定ダイヤル38a、各種ランプスイッチ38bを設けている。
【0019】
バックホウ11等の後作業は、後座席28に着座して、後シャトルスイッチ31を操作して前後進する。この後向き作業操作では、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31F、後進スイッチ31Rの操作で、図3に示すように、前後進スイッチ31F,31RをON/OFFし、前進ソレノイド66あるいは後進ソレノイド67に出力して前後切替弁を作動し、シャトルクラッチ(前進)46、シャトルクラッチ(後進)47の前後進操作をする。また、操向スイッチ32は、左操向スイッチ32Lあるいは右操向スイッチ32Rを押してONにし、左操向ソレノイド68あるいは右操向ソレノイド69に作動し、操向制御弁を作動して操向クラッチを作動し機体の進行方向を制御する。
【0020】
前記操作具30の操作でバックホウ11への作動シリンダを制御する制御弁70において、図6、図8に示すように、この制御弁70が作動しないように操作具30をロックする状態と、制御弁70が作動するように操作具30の作動を許容する作動状態とに切り替えるロックアーム71を設け、このロックアーム71に設けたロックピン72に対し係止可能な係止フック73を設け、エンジンEが稼働中であるか、あるいはシートスイッチ33のONを検出すると、モータ(又はソレノイド)74でワイヤ75を引っ張り、係止フック73をロックピン72から外して非ロック状態とし、また、前記以外では、即ち、エンジンEが停止しているか、シートスイッチ33がオフの場合には、ワイヤ75を引かずに、ロックスプリング76の復元力で係止フック73をロックピン72に係合させて、インターロックするように構成している。
【0021】
ミッションケース3における運転席6の例えば左側方には、図9に示すように、主変速軸48の主変速ギヤ49変速用の主変速レバー100、副変速軸50の副変速ギヤ51変速用の副変速レバー101、及び、前輪取出軸54の前輪伝動切替装置55の切替操作用の前輪変速レバー102を設けている。また、ミッションケース3における後側上部で且つ運転席6の左側方には、図11に示すように、PTO変速レバー103を設け、PTO伝動軸56のギヤを切り替えるように構成している。
【0022】
前記構成によると、前進状態で操作する主変速レバー100、副変速レバー101、前輪変速レバー102及びPTO変速レバー103を、運転席6の例えば左側方にまとめて配置することができ、後座席28及びバックホウ11操作用の後進操作レバーの配置が容易になる。
【0023】
次に、バックホウ11の操作装置の他の実施形態について説明する。
操作台29には図10に示すように走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31を設け、コントローラ35の入力側に接続している。この走行入り切りスイッチ37を押しながら、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bを押すことにより、トラクタを前進あるいは後進するように構成している。
【0024】
この走行入り切りスイッチ37は、自己復帰する押しボタンを備える押しボタンスイッチからなり、押しボタンが押圧操作されると指示信号を出力し、再び押しボタンが押圧操作されると、指示信号の出力が停止される構成としている。また、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31a、後進スイッチ31bは、自己復帰する押しボタンを備える押しボタンスイッチからなり、押しボタンが押圧操作されているときだけ指示信号を出力し、押しボタンの押圧を解除すると、指示出力が停止する構成である。
【0025】
しかして、走行入り切りスイッチ37を走行入りにし、且つ、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aをONにすると、前進ソレノイド66に出力を開始し走行車体1が微速で前進し、また、走行入り切りスイッチ37を走行入りにし且つ後シャトルスイッチ31の後進スイッチ31bをONすると、後進ソレノイド67に出力を開始し走行車体1が微速で後進する。そして、走行開始後は後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bの押し操作だけで、微速前進走行あるいは微速後進走行が継続される。
【0026】
また、走行入り切りスイッチ37を走行切りにし且つ後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aをOFFすると、前進ソレノイド66への出力を停止し走行車体1が停止する。また、走行入り切りスイッチ37を走行切りにし且つ後シャトルスイッチ31の後進スイッチ31bをOFFすると、後進ソレノイド67への出力を停止し走行車体1が停止する。
【0027】
なお、この実施形態では、図10(B)に示すように、走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31の故障時の誤操作を防止するために、スイッチ操作がOFF(電圧H)からON(電圧L)に変化したときに有効としている。また、前記副変速ギヤ51の低速変速状態を副変速センサ(図示省略)が検出し、且つ前記主変速ギヤ49の低速変速状態を主変速センサ(図示省略)が検出している微速走行時にのみ、走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31a、後進スイッチ31bの操作を有効としている。
【0028】
トラクタの走行安全性の向上を目的として、誤操作の防止のため、二つのスイッチを設けてダブルアクション操作とし、二つのスイッチを共にONしている間のみにソレノイド出力をするものがある。しかし、このような操作方式であると、走行中の振動や衝撃がある状態で二つのスイッチを押し続ける状態を維持するのは難しく、意図したとおりの走行ができにくいという不具合があった。
【0029】
しかし、前記構成によると、走行中に走行入り切りスイッチ37を押し続ける必要がなくなるため、走行開始時には二つのスイッチ37,31を操作し誤操作防止機能を維持したまま、操作性の向上を図ることができる。
【0030】
次に、図12により運転者が後向きに搭乗した場合における機体の前後進走行制御について説明する。
図12に示すように、本走行制御が開始すると、バックホウ検出スイッチ(図示省略)はON(装着)か否かの判定をし(ステップS1)、Yesの場合には、次いで、主変速ギヤ49が一速か否かを判定する(ステップS2)。Yesであると、次いで、副変速ギヤ51は低速か否かを判定し(ステップS3)、Yesであると、走行入り切りスイッチ37と後シャトルスイッチ31は同時に押されたか否かを判定する(ステップS4)。Yesであると、次いで、前記前後進切替手段Aのシャトルクラッチが中立位置Nか否かを判定し(ステップS5)、Yesであると、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31Fあるいは後進スイッチ31Rの押された方向へ機体を走行させる。なお、ステップステップS1〜5でNoの場合には、後進走行制御は中止され車体は走行しない。
【0031】
前記構成によると、トラクタに運転者が後向きに搭乗した場合において前後進走行を安全に行なうことができる。
次に、図13により運転者が後向きに搭乗した場合における機体の制動制御について説明する。
【0032】
図13に示すように、本走行制御が開始すると、バックホウ検出スイッチ(図示省略)はON(装着)か否かの判定をし(ステップS11)、Yesの場合には、次いで、主変速ギヤ49が一速か否かを判定する(ステップS12)。Yesであると、次いで、副変速ギヤ51は低速か否かを判定し(ステップS13)、Yesであると、駐車ブームはOFFか否かを判定する(ステップS14)。Yesであると、次いで、前後進切替手段Aのシャトルクラッチが中立位置Nか否かを判定し(ステップS15)、Yesであると、低速走行スイッチ(図示省略)の入力はないかを判定し(ステップS16)、Yesであると、左右後輪5,5の制動作動がなされる。なお、ステップステップS11〜16でNoの場合には、制動作動はなされない。
【0033】
前記構成によると、運転者が後向きに搭乗した場合において制動制御を安全に行なうことができる。
次に、図14によりトラクタに運転者が後向きに搭乗した場合における後部作業機用の油圧ポンプの作動制御について説明する。
【0034】
図14に示すように、本制御が開始すると、PTO変速レバー103はニュートラルか否かを判定し、Yesの場合には、ポンプスイッチによりバックホウ作動用の油圧ポンプを駆動可能で、且つ、PTOスイッチによるPTO軸57の駆動を不能にする。また、Noの場合には、ポンプスイッチによる油圧ポンプの駆動を不可で、且つ、PTOスイッチによるPTO軸57の駆動を可能にしている。
【0035】
前記構成によると、PTO軸57の駆動と油圧ポンプの駆動の区別をオペレータにはっきりと認識させることができ、油圧ポンプの駆動状態でのバックホウの不用意な作動を防止することができる。
【0036】
次に、図15及び図16に基づき運転席6及び後座席28の取付構成について説明する。
ミッションケース3の後側上部にシートフレーム120を設け、シートフレーム120の支持筒体120aの外側に後座席28のシートブラケット28aの支持穴28bを回動自在に嵌合装着して取り付け、シートブラケット28aに対して後座席28を上下調節自在で、且つ、傾斜調節自在に取り付けている。後座席28のシートブラケット28aにはオペレータの着座あるいは非着座によって入り切りするシートスイッチ33を設け、このシートスイッチ33のハーネス121を前記支持筒体120aの内部を通して機体前側に延出し、コントローラ35に接続している。なお、運転席6も同様に構成している。
【0037】
前記構成によると、乗り降りの際に後座席28を支持筒体120a回りに回動しても、ハーネス121の移動量を少なくし切損等を防止することができる。
次に、図17及び図18に基づき複数型式の運転席6の部品共用構成について説明する。
【0038】
図17には、標準型式の運転席6が図示されている。ミッションケース3の後側上部のシートフレーム120には、シートブラケット6aを介して運転席6を取り付けている。また、図18には、前後調節型式の運転席6が図示されている。この運転席6は、標準型式と同じ構成の運転席6及びシートブラケット6aと、特別に製作された第2シートブラケット6bにより構成されている。そして、第2シートブラケット6bをシートフレーム120にボルト・ナットで固着し、第2シートブラケット6bに対して支持筒体120a回りに回動自在に支持し、運転席6への乗り降りを容易にしている。
【0039】
前記構成によると、標準型式の運転席6、及び、回動調節式の運転席6を製造するにあたり、運転席6及びシートブラケット6aを共用部品とし、小形の第2シートブラケット6bだけを新たに製作することにより、回動調節式の運転席6を製造することができ、部品点数を少なくしコストの低減を図ることができる。
【0040】
次に、図19及び図20に基づきステアリングハンドル7の防振構成について説明する。
ハンドルポスト18にはステアリング軸131を支架し、ステアリング軸131の基端側にハブ132を固着し、ハブ132の内部に接続軸134を嵌合し、この接続軸134とハブ132とを一体的に回転するように連結するにあたり、ステアリングハンドル7が中立の直進状態で車体の左右方向の長孔135とピン136により連結している。
【0041】
前記構成によると、トラクタでフロントローダ10あるいはバックホウ11の作業時に多く発生する左右方向の振動が、接続軸134及びハブ132の左右方向の長孔135とピン136により伝わりにくくなり、ステアリングハンドル7の振動を軽減することができる。
【0042】
また、ステアリング軸131の基端側には軸方向の長孔131aを構成し、この長孔131aにバネ137を嵌合装着し、バネ137の先端側を接続軸134に圧接連係している。そして、長孔131aを上下方向に長く構成して、前記長孔135を軸方向に長く構成し、ピン136が長孔135内を上下動するように構成している。
【0043】
前記構成によると、バネ137によりステアリング軸131を浮かせる状態とすると共に、バネ137により振動を吸収し、ステアリングハンドル7の振動を軽減することができる。
【0044】
次に、図21に基づき燃料タンクの燃料給排構成について説明する。
トラクタの機体には左右一対の燃料タンク(図示省略)を設け、左右燃料タンク(図示省略)の底部を連通パイプ(図示省略)により接続し、燃料が左右に流動するようにしている。燃料の取出側である左燃料タンク(図示省略)には、取出筒体141設けている。この取出筒体141の吸入側には多数の小さな孔141a,…のある壁141bを設け、取出筒体141に取り付けた取出パイプ143を燃料ポンプ(図示省略)の吸入側に接続し、燃料を送り出している。また、燃料の戻り側である右燃料タンク(図示省略)には、戻り筒体142を設けている。この戻り筒体142には戻りパイプ144を取り付けて、燃料ポンプ(図示省略)の戻り側に接続している。戻り筒体142内にはゴムなどの弾性材からなる逆止弁145を設け、戻りパイプ144から戻り筒体142に戻された燃料は逆止弁145を経て右燃料タンク(図示省略)に戻されるように構成している。
【0045】
前記構成によると、ゴムなどの弾性材により逆止弁145を構成したので、バネなどの余分な構成を必要とせず安価なものとすることができる。また、逆止弁145が破損しちぎれても、燃料の取出側である取出筒体141には多数の小さな孔141a,…のある壁141bを設けているので、燃料ポンプ(図示省略)への送り出しを破損した逆止弁145の送り出しを回避し、燃料ポンプのトラブルを防止することができる。また、左燃料タンク(図示省略)から取り出した燃料を右燃料タンク(図示省略)に戻すようにしているので、片側だけに燃料が溜りがちになることもなく、燃料を円滑に供給することができる。
【0046】
次に、図22に基づきエンジンEのエンジンオイルの循環構成について説明する。エンジンEの下部にはオイルタンク151を取り付け、オイルタンク151とオイルポンプ152との間に、取出パイプ153及び戻りパイプ154を接続し、取出パイプ153からエンジンオイルをオイルポンプ152に供給しエンジン各部を潤滑し、余分のオイルを戻りパイプ154からオイルタンク151に戻している。そして、オイルタンク151の側方の取出パイプ153及び戻りパイプ154を配設した部分をカバー155により被覆し、取出パイプ153及び戻りパイプ154の破損を防止している。
【0047】
次に、図23及び図24に基づきトラクタの後輪5,5のブレーキ構成について説明する。
図23に示すように、主変速ギヤ49及び副変速ギヤ51で変速された動力が、ピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を経由して左右後輪5,5に伝達される。このピニオンギヤ軸52に後輪ブレーキ装置161を設け、単一のブレーキぺダル(図示省略)と後輪ブレーキ装置161を連動連結し、また、ブレーキぺダル(図示省略)にデフロックワイヤ162、デフ入切装置163を連結し、ブレーキぺダル(図示省略)を制動位置に踏み込むと、後輪ブレーキ装置161を制動側に作動すると共に、リヤーデフギヤ53をデフロック状態にするように構成している。また、リヤーデフギヤ53より伝動下手側の左右後輪伝動軸にはブレーキ装置を設けないようにしている。
【0048】
トラクタによりモアやフロントローダを主な作業内容とするものでは、左右片方のブレーキ装置の使用は不要である。しかして、左右後輪5,5のブレーキ装置を簡単化しコストの低減を図ることができる。また、左右後輪5,5の制動時にはリヤーデフギヤ53をデフロック状態にするので、左右後輪5,5を均等に制動し横滑りを防止し確実に制動することができる。
【0049】
次に、図25及び図26に基づき後輪ブレーキ装置の他の実施形態について説明する。
図26に示すように、主変速ギヤ49及び副変速ギヤ51で変速された動力は、ピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を経由して左右後輪5,5に伝達されるようにし、リヤーデフギヤ53の左右伝動軸53a,53bには左右後輪ブレーキ装置161a,161bを設け、左右後輪5,5を独立して制動可能に構成している。
【0050】
また、図25に示すように、機体には左右ブレーキぺダル161a,161bを設け、左右ブレーキリンク165a,165bを介して左右後輪ブレーキ装置161a,161bを独立して制動可能に構成している。また、左右ブレーキぺダル161a,161bを連結装置161cにより連結し、左右ブレーキぺダル161a,161bを同時に踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロックするデフロック作動装置166を設けている。
【0051】
このデフロック作動装置166は次のように構成している。デフロック装置163を作動するデフロックアーム166aの先端部に、前後方向に沿ったロッド166eを前方に延出し、ロッド166eの前側部に左右方向に沿った作動板166bの中間部を枢支連結している。作動板166bの左右両側には前後方向の左右長孔166c,166cを設け、左右ブレーキリンク165a,165bに取り付けている左右作動ロッド166d,166dの端部を左右長孔166c,166cに係合している。
【0052】
しかして、左右ブレーキぺダル164a,164bを同時に踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロック状態とし、また、左右ブレーキぺダル164a,164bの一方だけを踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロック状態とせずに解除状態を維持するように構成している。
【0053】
前記構成によると、左右後輪5,5の同時制動時にはリヤーデフギヤ53をデフロック状態にし、左右後輪5,5を均等に制動し横滑りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】フロントローダ及びバックホウを備えたトラクタの側面図
【図2】トラクタの伝動装置の側面図
【図3】制御ブロック図
【図4】走行車体の側面図
【図5】走行車体の側面図
【図6】走行車体の側面図
【図7】走行車体の正面図
【図8】走行車体の側面図
【図9】操作台の平面図
【図10】(A)スイッチの正面図 (B)スイッチの入り切りと電圧高低変化を示す図
【図11】トラクタの機体後部の側面図、平面図
【図12】フローチャート
【図13】フローチャート
【図14】フローチャート
【図15】運転席の側面図、正面図、平面図
【図16】運転席の切断側面図
【図17】運転席の側面図
【図18】運転席の側面図
【図19】ステアリング軸の斜視図
【図20】ステアリング軸の側面図
【図21】燃料タンクに設けた取出筒体及び戻り筒体の側面図、平面図、正面図
【図22】トラクタのエンジンの側面図
【図23】トラクタの伝動装置を示す図
【図24】トラクタの後部伝動装置の切断平面図
【図25】ミッションケース部の平面図
【図26】トラクタの後部伝動装置の切断平面図
【符号の説明】
【0055】
1 走行車体
10 フロントローダ
11 バックホウ
35 走行制御手段
31 後シャトルスイッチ
31a 前進スイッチ
31b 後進スイッチ
37 走行入り切りスイッチ
A 前後進切替手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の前側部あるいは後側部にフロントローダやバックホウ等の作業装置を装着する作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
作業車両の前後進操作装置において、前進、後進、中立を指示する前後進レバー装置と、前後進レバー装置の指示を前後進スイッチ装置の指示よりも優先させて前後進切換制御を行なうコントローラと、切換操作部材の操作で前後進スイッチ制御状態、及び前後進スイッチ制御状態の解除をコントローラに指示する切換スイッチを設けたものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−256408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、運転者が後向き姿勢の運転状態において、前後進走行を安全に行なうことができる走行制御装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、走行車体(1)の前側部あるいは後側部にフロントローダ(10)やバックホウ(11)等の作業機を具備する作業車両において、エンジンから走行車輪への動力伝動経路中に前後進切替手段(A)、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50、51)を設け、走行入り切りスイッチ(37)及び後シャトルスイッチ(31)を設けて、前記走行入り切りスイッチ(37)を押しながら前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押すと前進あるいは後進する構成とし、バックホウ検出手段が前記バックホウ(11)の装着を検出した状態で、前記主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、前記走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前記前後進切替手段(A)が中立状態であるときに、前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体を走行させる走行制御手段(35)を設けたことを特徴とする作業車両とする。
【0005】
前記構成によると、作業車両がバックホウ検出手段がバックホウ(11)の装着を検出し、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前後進切替手段(A)が中立状態にあるときには、後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体は走行される。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明は、走行開始時には走行入り切りスイッチ(37)を押して走行入りにしながら後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押す、所謂ダブルアクション操作により走行が開始するので誤操作を防止しすることができる。また、走行入り切りスイッチ(37)を押して走行入りにしながら後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押して前後進走行する際に、低速で意図した前進方向あるいは後進方向に確実に走行し、運転者が後向きに搭乗した場合の前後進走行を安全に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、作業車両の一例としての乗用型トラクタを示すもので、この走行車体1の前側部のボンネット2内にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝達し、この変速装置で減速された回転動力を前輪4、4と後輪5,5に伝達するようにしている。運転席6の前方にステアリングハンドル7を装備し、これらをキャビン8で覆っている。
【0008】
走行車体1の前側部にフロントローダ10を装備し、走行車体1の後側にはバックホウ11等を装着する構成である。フロントローダ10は、フロントブラケット12にローダブーム13を上下回動自在に軸支して油圧により伸縮するリフトシリンダ14により昇降し、ローダブーム13の先端に設けたバケット15をバケットシリンダ16の伸縮作動により、掻き込み、ダンプ放出可能に構成している。
【0009】
また、走行車体1の後側端部のリヤーブラケット17にバックホウ11を取り付けて、アウトリガー18で支持する構成である。リヤーブラケット17の後側部には、旋回ブラケット19を上下方向の旋回軸20回りに旋回可能に架設し、この旋回ブラケット19に対してリフトブーム21を昇降回動自在に設け、ブームシリンダ22の油圧伸縮により昇降可能に構成している。また、このリフトブーム21の後側端部にバケットアーム23を上下回動自在に枢支し、アームシリンダ24の油圧伸縮により上下回動可能に構成している。バケットアーム23の先端にはバケットリンク26を介してバケット25が回動自在に支持され、バケットシリンダ27の油圧伸縮によりバケット25は回動する構成である。
【0010】
バックホウ11の操作用の後座席28や操作台29をリヤーブラケット17上に設け、オペレータが後座席28に後向き姿勢で着座し、操作台29上の後部作業機操縦用の操作具30や、後シャトルスイッチ31、操向スイッチ32等を操作してバックホウ11の作業操作を行なうように構成している。なお、前記操作具30は、前後方向の操作でバケット25が上下動し、左右方向の操作で旋回軸20回りに旋回する構成である。
【0011】
図2に示すように、走行車体1の主体を構成するクラッチハウジング40や、ミッションケース3及びアクスルハウジング42等には、エンジンEから動力の入力される入力軸43に主クラッチ44を設け、この入力軸43から伝動される前後進軸45上に前後進切替手段Aとして、シャトルクラッチ伝動停止の中立位置Nから前進位置Fと後進位置Rのギヤ伝動に切り替えるシャトルクラッチ(前進)46,シャトルクラッチ(後進)47を設けている。
【0012】
この前後進軸45から伝動される主変速軸48に主変速ギヤ49を設け、この前後進軸48から伝動される副変速軸50に副変速ギヤ51を設けて、ピニオンギヤ軸52に伝動している。このピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を介して後輪5,5を駆動し、また、ピニオンギヤ軸52から前輪取出軸54に伝動している。この前輪取出軸54には前輪切り状態、四駆状態、前輪倍速状態に切り替える前輪伝動切替装置55を設けている。
【0013】
また、前進入力軸43からPTO伝動軸56にギヤを介して動力を伝達し、後側のPTO軸57に伝達している。また、ミッションケース3の後側上端部に油圧シリンダ58により昇降できるリフトアーム59を設け、三点リンク機構等を介してロータリ耕耘装置等の作業機を装着し昇降可能に構成している。
【0014】
ステアリングハンドル7のフロアの近くには、図4及び図5に示すように、左右後輪5,5への走行用制動装置60の左右ブレーキぺダル61L,61Rやパーキングブレーキレバー62等を備えた構成となっている。走行用制動装置60は、左右後輪5,5への走行伝動系に制動作用を付与するもので、前記左右ブレーキぺダル60L,60Rの踏み込み操作で、左右のブレーキソレノイド63L,63R及び左右のブレーキシリンダ64L,64Rを介して作動するように連動構成している。また、パーキングブレーキレバー62の入り切り状態感知スイッチ64で感知できるように構成することで、重複作動を回避できるようにしている。なお、パーキングブレーキ作動時には、ロッドにて機械的リンク機構を介して制動することにより、油圧出力はオフする構成となっている。
【0015】
運転席6及び後座席28には、図6及び図7に示すように、オペレータの着座、非着座によって入り切りするシートスイッチ33を設け、オペレータが運転席6に座ると、シートスイッチ33がスイッチオンし、エンジン始動スイッチ34の操作によりエンジンEが始動できるように構成している。また、エンジンEの始動後は、シートスイッチ33が「切り」になると、即ち、オペレータの非着座によってシートスイッチ33がオフになると、前後進切替主変速Aがコントローラ35を介して自動的に前後進中立位置に切り替えられるようになっている。
【0016】
また、前後進切替手段Aの中立位置では、前記シートスイッチ33の「切り」作動に基づき走行用制動装置60も作動するようになっており、走行伝動系にブレーキがかかり、走行停止状態を確実に維持できる構成となっている。なお、このブレーキと同時にPTO軸57も停止することができるが、この場合には、走行停止状態での作用ができなくなるので、オペレータは運転席6に座ってシートスイッチ33を元のスイッチオン状態に戻し、走行停止状態を解除してからでなければ、通常通りのPTO作業が行なえないようになっている。
【0017】
作業車両において、前側のフロントローダ10等で作業を行なう際には、運転席6に座って、前シャトルスイッチ36の操作で前後進スイッチ36L,36Rを入り切りし、前進ソレノイド66に出力、あるいは、後進ソレノイド67に出力して前後進切替弁を作動し、シャトルクラッチ(前進)46,シャトルクラッチ(後進)47の前後進操作をする。
【0018】
また、操作台29の例えば左手側に、図9に示すように、車体2の走行を前後進させる後シャトルスイッチ31(前進スイッチ31F、後進スイッチ31R)と、走行入り切りスイッチ37、操向スイッチ32(左スイッチ31L、右スイッチ31R)等を設けている。そして、走行入り切りスイッチ37を押した状態で後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31F、後進スイッチ31Rを押すことによって、前後進が行われる。また、走行入り切りスイッチ37を押した状態で、操向スイッチ32の左スイッチ31L、右スイッチ31Rを押すことによって、左右操向がなされる。なお、操作台29には、図9に示すように、スロットルレバー用のガイド溝38、バックホウ用の上昇高さ設定ダイヤル38a、各種ランプスイッチ38bを設けている。
【0019】
バックホウ11等の後作業は、後座席28に着座して、後シャトルスイッチ31を操作して前後進する。この後向き作業操作では、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31F、後進スイッチ31Rの操作で、図3に示すように、前後進スイッチ31F,31RをON/OFFし、前進ソレノイド66あるいは後進ソレノイド67に出力して前後切替弁を作動し、シャトルクラッチ(前進)46、シャトルクラッチ(後進)47の前後進操作をする。また、操向スイッチ32は、左操向スイッチ32Lあるいは右操向スイッチ32Rを押してONにし、左操向ソレノイド68あるいは右操向ソレノイド69に作動し、操向制御弁を作動して操向クラッチを作動し機体の進行方向を制御する。
【0020】
前記操作具30の操作でバックホウ11への作動シリンダを制御する制御弁70において、図6、図8に示すように、この制御弁70が作動しないように操作具30をロックする状態と、制御弁70が作動するように操作具30の作動を許容する作動状態とに切り替えるロックアーム71を設け、このロックアーム71に設けたロックピン72に対し係止可能な係止フック73を設け、エンジンEが稼働中であるか、あるいはシートスイッチ33のONを検出すると、モータ(又はソレノイド)74でワイヤ75を引っ張り、係止フック73をロックピン72から外して非ロック状態とし、また、前記以外では、即ち、エンジンEが停止しているか、シートスイッチ33がオフの場合には、ワイヤ75を引かずに、ロックスプリング76の復元力で係止フック73をロックピン72に係合させて、インターロックするように構成している。
【0021】
ミッションケース3における運転席6の例えば左側方には、図9に示すように、主変速軸48の主変速ギヤ49変速用の主変速レバー100、副変速軸50の副変速ギヤ51変速用の副変速レバー101、及び、前輪取出軸54の前輪伝動切替装置55の切替操作用の前輪変速レバー102を設けている。また、ミッションケース3における後側上部で且つ運転席6の左側方には、図11に示すように、PTO変速レバー103を設け、PTO伝動軸56のギヤを切り替えるように構成している。
【0022】
前記構成によると、前進状態で操作する主変速レバー100、副変速レバー101、前輪変速レバー102及びPTO変速レバー103を、運転席6の例えば左側方にまとめて配置することができ、後座席28及びバックホウ11操作用の後進操作レバーの配置が容易になる。
【0023】
次に、バックホウ11の操作装置の他の実施形態について説明する。
操作台29には図10に示すように走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31を設け、コントローラ35の入力側に接続している。この走行入り切りスイッチ37を押しながら、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bを押すことにより、トラクタを前進あるいは後進するように構成している。
【0024】
この走行入り切りスイッチ37は、自己復帰する押しボタンを備える押しボタンスイッチからなり、押しボタンが押圧操作されると指示信号を出力し、再び押しボタンが押圧操作されると、指示信号の出力が停止される構成としている。また、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31a、後進スイッチ31bは、自己復帰する押しボタンを備える押しボタンスイッチからなり、押しボタンが押圧操作されているときだけ指示信号を出力し、押しボタンの押圧を解除すると、指示出力が停止する構成である。
【0025】
しかして、走行入り切りスイッチ37を走行入りにし、且つ、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aをONにすると、前進ソレノイド66に出力を開始し走行車体1が微速で前進し、また、走行入り切りスイッチ37を走行入りにし且つ後シャトルスイッチ31の後進スイッチ31bをONすると、後進ソレノイド67に出力を開始し走行車体1が微速で後進する。そして、走行開始後は後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aあるいは後進スイッチ31bの押し操作だけで、微速前進走行あるいは微速後進走行が継続される。
【0026】
また、走行入り切りスイッチ37を走行切りにし且つ後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31aをOFFすると、前進ソレノイド66への出力を停止し走行車体1が停止する。また、走行入り切りスイッチ37を走行切りにし且つ後シャトルスイッチ31の後進スイッチ31bをOFFすると、後進ソレノイド67への出力を停止し走行車体1が停止する。
【0027】
なお、この実施形態では、図10(B)に示すように、走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31の故障時の誤操作を防止するために、スイッチ操作がOFF(電圧H)からON(電圧L)に変化したときに有効としている。また、前記副変速ギヤ51の低速変速状態を副変速センサ(図示省略)が検出し、且つ前記主変速ギヤ49の低速変速状態を主変速センサ(図示省略)が検出している微速走行時にのみ、走行入り切りスイッチ37及び後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31a、後進スイッチ31bの操作を有効としている。
【0028】
トラクタの走行安全性の向上を目的として、誤操作の防止のため、二つのスイッチを設けてダブルアクション操作とし、二つのスイッチを共にONしている間のみにソレノイド出力をするものがある。しかし、このような操作方式であると、走行中の振動や衝撃がある状態で二つのスイッチを押し続ける状態を維持するのは難しく、意図したとおりの走行ができにくいという不具合があった。
【0029】
しかし、前記構成によると、走行中に走行入り切りスイッチ37を押し続ける必要がなくなるため、走行開始時には二つのスイッチ37,31を操作し誤操作防止機能を維持したまま、操作性の向上を図ることができる。
【0030】
次に、図12により運転者が後向きに搭乗した場合における機体の前後進走行制御について説明する。
図12に示すように、本走行制御が開始すると、バックホウ検出スイッチ(図示省略)はON(装着)か否かの判定をし(ステップS1)、Yesの場合には、次いで、主変速ギヤ49が一速か否かを判定する(ステップS2)。Yesであると、次いで、副変速ギヤ51は低速か否かを判定し(ステップS3)、Yesであると、走行入り切りスイッチ37と後シャトルスイッチ31は同時に押されたか否かを判定する(ステップS4)。Yesであると、次いで、前記前後進切替手段Aのシャトルクラッチが中立位置Nか否かを判定し(ステップS5)、Yesであると、後シャトルスイッチ31の前進スイッチ31Fあるいは後進スイッチ31Rの押された方向へ機体を走行させる。なお、ステップステップS1〜5でNoの場合には、後進走行制御は中止され車体は走行しない。
【0031】
前記構成によると、トラクタに運転者が後向きに搭乗した場合において前後進走行を安全に行なうことができる。
次に、図13により運転者が後向きに搭乗した場合における機体の制動制御について説明する。
【0032】
図13に示すように、本走行制御が開始すると、バックホウ検出スイッチ(図示省略)はON(装着)か否かの判定をし(ステップS11)、Yesの場合には、次いで、主変速ギヤ49が一速か否かを判定する(ステップS12)。Yesであると、次いで、副変速ギヤ51は低速か否かを判定し(ステップS13)、Yesであると、駐車ブームはOFFか否かを判定する(ステップS14)。Yesであると、次いで、前後進切替手段Aのシャトルクラッチが中立位置Nか否かを判定し(ステップS15)、Yesであると、低速走行スイッチ(図示省略)の入力はないかを判定し(ステップS16)、Yesであると、左右後輪5,5の制動作動がなされる。なお、ステップステップS11〜16でNoの場合には、制動作動はなされない。
【0033】
前記構成によると、運転者が後向きに搭乗した場合において制動制御を安全に行なうことができる。
次に、図14によりトラクタに運転者が後向きに搭乗した場合における後部作業機用の油圧ポンプの作動制御について説明する。
【0034】
図14に示すように、本制御が開始すると、PTO変速レバー103はニュートラルか否かを判定し、Yesの場合には、ポンプスイッチによりバックホウ作動用の油圧ポンプを駆動可能で、且つ、PTOスイッチによるPTO軸57の駆動を不能にする。また、Noの場合には、ポンプスイッチによる油圧ポンプの駆動を不可で、且つ、PTOスイッチによるPTO軸57の駆動を可能にしている。
【0035】
前記構成によると、PTO軸57の駆動と油圧ポンプの駆動の区別をオペレータにはっきりと認識させることができ、油圧ポンプの駆動状態でのバックホウの不用意な作動を防止することができる。
【0036】
次に、図15及び図16に基づき運転席6及び後座席28の取付構成について説明する。
ミッションケース3の後側上部にシートフレーム120を設け、シートフレーム120の支持筒体120aの外側に後座席28のシートブラケット28aの支持穴28bを回動自在に嵌合装着して取り付け、シートブラケット28aに対して後座席28を上下調節自在で、且つ、傾斜調節自在に取り付けている。後座席28のシートブラケット28aにはオペレータの着座あるいは非着座によって入り切りするシートスイッチ33を設け、このシートスイッチ33のハーネス121を前記支持筒体120aの内部を通して機体前側に延出し、コントローラ35に接続している。なお、運転席6も同様に構成している。
【0037】
前記構成によると、乗り降りの際に後座席28を支持筒体120a回りに回動しても、ハーネス121の移動量を少なくし切損等を防止することができる。
次に、図17及び図18に基づき複数型式の運転席6の部品共用構成について説明する。
【0038】
図17には、標準型式の運転席6が図示されている。ミッションケース3の後側上部のシートフレーム120には、シートブラケット6aを介して運転席6を取り付けている。また、図18には、前後調節型式の運転席6が図示されている。この運転席6は、標準型式と同じ構成の運転席6及びシートブラケット6aと、特別に製作された第2シートブラケット6bにより構成されている。そして、第2シートブラケット6bをシートフレーム120にボルト・ナットで固着し、第2シートブラケット6bに対して支持筒体120a回りに回動自在に支持し、運転席6への乗り降りを容易にしている。
【0039】
前記構成によると、標準型式の運転席6、及び、回動調節式の運転席6を製造するにあたり、運転席6及びシートブラケット6aを共用部品とし、小形の第2シートブラケット6bだけを新たに製作することにより、回動調節式の運転席6を製造することができ、部品点数を少なくしコストの低減を図ることができる。
【0040】
次に、図19及び図20に基づきステアリングハンドル7の防振構成について説明する。
ハンドルポスト18にはステアリング軸131を支架し、ステアリング軸131の基端側にハブ132を固着し、ハブ132の内部に接続軸134を嵌合し、この接続軸134とハブ132とを一体的に回転するように連結するにあたり、ステアリングハンドル7が中立の直進状態で車体の左右方向の長孔135とピン136により連結している。
【0041】
前記構成によると、トラクタでフロントローダ10あるいはバックホウ11の作業時に多く発生する左右方向の振動が、接続軸134及びハブ132の左右方向の長孔135とピン136により伝わりにくくなり、ステアリングハンドル7の振動を軽減することができる。
【0042】
また、ステアリング軸131の基端側には軸方向の長孔131aを構成し、この長孔131aにバネ137を嵌合装着し、バネ137の先端側を接続軸134に圧接連係している。そして、長孔131aを上下方向に長く構成して、前記長孔135を軸方向に長く構成し、ピン136が長孔135内を上下動するように構成している。
【0043】
前記構成によると、バネ137によりステアリング軸131を浮かせる状態とすると共に、バネ137により振動を吸収し、ステアリングハンドル7の振動を軽減することができる。
【0044】
次に、図21に基づき燃料タンクの燃料給排構成について説明する。
トラクタの機体には左右一対の燃料タンク(図示省略)を設け、左右燃料タンク(図示省略)の底部を連通パイプ(図示省略)により接続し、燃料が左右に流動するようにしている。燃料の取出側である左燃料タンク(図示省略)には、取出筒体141設けている。この取出筒体141の吸入側には多数の小さな孔141a,…のある壁141bを設け、取出筒体141に取り付けた取出パイプ143を燃料ポンプ(図示省略)の吸入側に接続し、燃料を送り出している。また、燃料の戻り側である右燃料タンク(図示省略)には、戻り筒体142を設けている。この戻り筒体142には戻りパイプ144を取り付けて、燃料ポンプ(図示省略)の戻り側に接続している。戻り筒体142内にはゴムなどの弾性材からなる逆止弁145を設け、戻りパイプ144から戻り筒体142に戻された燃料は逆止弁145を経て右燃料タンク(図示省略)に戻されるように構成している。
【0045】
前記構成によると、ゴムなどの弾性材により逆止弁145を構成したので、バネなどの余分な構成を必要とせず安価なものとすることができる。また、逆止弁145が破損しちぎれても、燃料の取出側である取出筒体141には多数の小さな孔141a,…のある壁141bを設けているので、燃料ポンプ(図示省略)への送り出しを破損した逆止弁145の送り出しを回避し、燃料ポンプのトラブルを防止することができる。また、左燃料タンク(図示省略)から取り出した燃料を右燃料タンク(図示省略)に戻すようにしているので、片側だけに燃料が溜りがちになることもなく、燃料を円滑に供給することができる。
【0046】
次に、図22に基づきエンジンEのエンジンオイルの循環構成について説明する。エンジンEの下部にはオイルタンク151を取り付け、オイルタンク151とオイルポンプ152との間に、取出パイプ153及び戻りパイプ154を接続し、取出パイプ153からエンジンオイルをオイルポンプ152に供給しエンジン各部を潤滑し、余分のオイルを戻りパイプ154からオイルタンク151に戻している。そして、オイルタンク151の側方の取出パイプ153及び戻りパイプ154を配設した部分をカバー155により被覆し、取出パイプ153及び戻りパイプ154の破損を防止している。
【0047】
次に、図23及び図24に基づきトラクタの後輪5,5のブレーキ構成について説明する。
図23に示すように、主変速ギヤ49及び副変速ギヤ51で変速された動力が、ピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を経由して左右後輪5,5に伝達される。このピニオンギヤ軸52に後輪ブレーキ装置161を設け、単一のブレーキぺダル(図示省略)と後輪ブレーキ装置161を連動連結し、また、ブレーキぺダル(図示省略)にデフロックワイヤ162、デフ入切装置163を連結し、ブレーキぺダル(図示省略)を制動位置に踏み込むと、後輪ブレーキ装置161を制動側に作動すると共に、リヤーデフギヤ53をデフロック状態にするように構成している。また、リヤーデフギヤ53より伝動下手側の左右後輪伝動軸にはブレーキ装置を設けないようにしている。
【0048】
トラクタによりモアやフロントローダを主な作業内容とするものでは、左右片方のブレーキ装置の使用は不要である。しかして、左右後輪5,5のブレーキ装置を簡単化しコストの低減を図ることができる。また、左右後輪5,5の制動時にはリヤーデフギヤ53をデフロック状態にするので、左右後輪5,5を均等に制動し横滑りを防止し確実に制動することができる。
【0049】
次に、図25及び図26に基づき後輪ブレーキ装置の他の実施形態について説明する。
図26に示すように、主変速ギヤ49及び副変速ギヤ51で変速された動力は、ピニオンギヤ軸52からリヤーデフギヤ53を経由して左右後輪5,5に伝達されるようにし、リヤーデフギヤ53の左右伝動軸53a,53bには左右後輪ブレーキ装置161a,161bを設け、左右後輪5,5を独立して制動可能に構成している。
【0050】
また、図25に示すように、機体には左右ブレーキぺダル161a,161bを設け、左右ブレーキリンク165a,165bを介して左右後輪ブレーキ装置161a,161bを独立して制動可能に構成している。また、左右ブレーキぺダル161a,161bを連結装置161cにより連結し、左右ブレーキぺダル161a,161bを同時に踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロックするデフロック作動装置166を設けている。
【0051】
このデフロック作動装置166は次のように構成している。デフロック装置163を作動するデフロックアーム166aの先端部に、前後方向に沿ったロッド166eを前方に延出し、ロッド166eの前側部に左右方向に沿った作動板166bの中間部を枢支連結している。作動板166bの左右両側には前後方向の左右長孔166c,166cを設け、左右ブレーキリンク165a,165bに取り付けている左右作動ロッド166d,166dの端部を左右長孔166c,166cに係合している。
【0052】
しかして、左右ブレーキぺダル164a,164bを同時に踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロック状態とし、また、左右ブレーキぺダル164a,164bの一方だけを踏み込むと、リヤーデフギヤ53をデフロック状態とせずに解除状態を維持するように構成している。
【0053】
前記構成によると、左右後輪5,5の同時制動時にはリヤーデフギヤ53をデフロック状態にし、左右後輪5,5を均等に制動し横滑りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】フロントローダ及びバックホウを備えたトラクタの側面図
【図2】トラクタの伝動装置の側面図
【図3】制御ブロック図
【図4】走行車体の側面図
【図5】走行車体の側面図
【図6】走行車体の側面図
【図7】走行車体の正面図
【図8】走行車体の側面図
【図9】操作台の平面図
【図10】(A)スイッチの正面図 (B)スイッチの入り切りと電圧高低変化を示す図
【図11】トラクタの機体後部の側面図、平面図
【図12】フローチャート
【図13】フローチャート
【図14】フローチャート
【図15】運転席の側面図、正面図、平面図
【図16】運転席の切断側面図
【図17】運転席の側面図
【図18】運転席の側面図
【図19】ステアリング軸の斜視図
【図20】ステアリング軸の側面図
【図21】燃料タンクに設けた取出筒体及び戻り筒体の側面図、平面図、正面図
【図22】トラクタのエンジンの側面図
【図23】トラクタの伝動装置を示す図
【図24】トラクタの後部伝動装置の切断平面図
【図25】ミッションケース部の平面図
【図26】トラクタの後部伝動装置の切断平面図
【符号の説明】
【0055】
1 走行車体
10 フロントローダ
11 バックホウ
35 走行制御手段
31 後シャトルスイッチ
31a 前進スイッチ
31b 後進スイッチ
37 走行入り切りスイッチ
A 前後進切替手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)の前側部あるいは後側部にフロントローダ(10)やバックホウ(11)等の作業機を具備する作業車両において、エンジンから走行車輪への動力伝動経路中に前後進切替手段(A)、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50、51)を設け、走行入り切りスイッチ(37)及び後シャトルスイッチ(31)を設けて、前記走行入り切りスイッチ(37)を押しながら前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押すと前進あるいは後進する構成とし、バックホウ検出手段が前記バックホウ(11)の装着を検出した状態で、前記主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、前記走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前記前後進切替手段(A)が中立状態であるときに、前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体を走行させる走行制御手段(35)を設けたことを特徴とする作業車両。
【請求項1】
走行車体(1)の前側部あるいは後側部にフロントローダ(10)やバックホウ(11)等の作業機を具備する作業車両において、エンジンから走行車輪への動力伝動経路中に前後進切替手段(A)、主変速装置(48,49)及び副変速装置(50、51)を設け、走行入り切りスイッチ(37)及び後シャトルスイッチ(31)を設けて、前記走行入り切りスイッチ(37)を押しながら前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31a)あるいは後進スイッチ(31b)を押すと前進あるいは後進する構成とし、バックホウ検出手段が前記バックホウ(11)の装着を検出した状態で、前記主変速装置(48,49)及び副変速装置(50,51)が低速変速状態で、前記走行入り切りスイッチ(37)と後シャトルスイッチ(31)が同時に押され、且つ、前記前後進切替手段(A)が中立状態であるときに、前記後シャトルスイッチ(31)の前進スイッチ(31F)あるいは後進スイッチ(31R)の押された方向へ機体を走行させる走行制御手段(35)を設けたことを特徴とする作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2009−263963(P2009−263963A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113839(P2008−113839)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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