説明

使用メガネ識別装置、映像観賞システム、映像観賞用メガネ、使用メガネ識別プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び表示装置

【課題】表示装置に表示された映像を映像観賞用メガネにより観賞するときに、そのメガネを識別するための識別結果を表示装置に表示させることが可能な使用メガネ識別装置を提供する。
【解決手段】使用メガネ識別装置10(20、30)は、表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400を識別する使用メガネ識別装置10(20、30)であって、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部15と、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果を表示装置100に表示させる表示制御部12と、を備える。これにより、表示装置100に表示された映像をシャッターメガネ400により観賞するときに、そのシャッターメガネ400を識別するための識別結果を表示装置100に表示させることが可能な使用メガネ識別装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に表示された映像を映像観賞用メガネにより観賞するときに、その映像観賞用メガネを識別するための識別結果を表示装置に表示させることが可能な使用メガネ識別装置、映像観賞システム、映像観賞用メガネ、使用メガネ識別プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2D映像に加え、3D映像の観賞方法等に関する研究・開発が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の立体視方式では、左眼用二次元データと右眼用二次元データが同一ディスプレイ画面に時分割表示されるのに同期して、観察者が装着する開閉機能付きメガネの左右をシャッター動作させて立体感を出している。
【0004】
また、特許文献2に記載のマルチ映像システムでは、複数の異なる種類の映像を同一画面上に表示し、これら映像のうち所定の種類の映像を各人が同一室内等で見ることができるようにしたシステムを提供している。
【0005】
さらに、特許文献3に記載の映像表示装置は、1つの画面に大きさを損なわずに複数の映像を表示させ、複数の者が同時に別々の映像を見るようにした装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−174793号公報(1987年7月31日公開)
【特許文献2】特開平 7−222087号公報(1995年8月18日公開)
【特許文献3】特開平10−240212号公報(1998年9月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記各特許文献の技術には次のような問題が存在する。その問題を説明するために、一例として、複数の観賞者が観賞用メガネをそれぞれ装着し、各々が観賞したい映像を1つの表示装置で観賞する観賞方法を考える。
【0008】
このとき、観賞したい映像と観賞したくない映像とが1つの表示装置に交互に表示されるときに、観賞者は、自身が装着した観賞用メガネが何れの映像に対応するものであるか知ることができない。そのため、ある観賞用メガネを装着した結果、自身が希望する映像を観賞できないこともある。また、自身がどの観賞用メガネを装着しているかを知ることができないと、特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その特定の映像観賞用メガネによって観賞可能な映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することができない。つまり、上記の観賞方法を実現する前提として、自身の装着する観賞用メガネを識別する識別結果を観賞者に正しく認識させる必要がある。
【0009】
この点、上記各特許文献の技術は、何れも、自身の装着する観賞用メガネを識別する識別結果を観賞者に認識させることはできず、それゆえ、上記の発展的な観賞方法を実現するうえで、前提となる技術を提供するものでもない。
【0010】
本願発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、表示装置に表示された映像を映像観賞用メガネにより観賞するときに、そのメガネを識別するための識別結果を表示装置に表示させることが可能な使用メガネ識別装置、映像観賞システム、映像観賞用メガネ、使用メガネ識別プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る使用メガネ識別装置は、上記の課題を解決するために、
表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネを識別する使用メガネ識別装置であって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る映像観賞システムは、上記の課題を解決するために、
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含むことを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る映像観賞用メガネは、上記の課題を解決するために、
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた、上記観賞者が上記特定の映像観賞用メガネを使用していることを示す識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含む映像観賞システムに用いられることを特徴としている。
【0014】
近年、2D映像に加え、3D映像の観賞方法等に関する研究・開発が進められている。その一例として、複数の観賞者が観賞用メガネをそれぞれ装着し、各々が観賞したい映像を1つの表示装置で観賞する、といった観賞方法などが想定される。
【0015】
しかしながら、観賞したい映像と観賞したくない映像とが1つの表示装置において交互に表示され、映像に同期した観賞用メガネの動作によって所望の画像のみを選択して観賞するときに、観賞者は、自身が装着した観賞用メガネが何れの映像に対応するものであるか知ることができない。そのため、ある観賞用メガネを装着した結果、自身が希望する映像を観賞できないこともある。また、自身がどの観賞用メガネを装着しているか認識できないと、特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その映像観賞用メガネに対応する映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法も実現しえない。
【0016】
そこで、上記観賞方法を実現する前提として、そもそも、自身の装着する観賞用メガネを識別する識別結果を観賞者に認識させる必要がある。この点、本願発明では、識別情報取得手段が、特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報(例えば、「メガネ1」という情報)を取得する。そして、表示制御手段が、「メガネ1」という識別情報に関連付けられた識別結果(例えば、「あなたはメガネ1を使用しています」という情報)を表示装置に表示させる。これにより、観賞者は、表示装置に表示された識別結果を認識し、自身が装着するメガネが特定の映像観賞用メガネ(メガネ1)であることを確認することができる。
【0017】
このようにして、観賞者は、自身が装着している特定の映像観賞用メガネを識別することができるため、特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その映像観賞用メガネに対応する映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することもできる。
【0018】
なお、表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネと、上記使用メガネ識別装置を含む映像観賞システムも本発明の範疇に入る。さらに、そのような映像観賞システムに用いられる映像観賞用メガネも本発明の範疇に入る。
【0019】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記識別情報取得手段は、上記映像観賞用メガネとの間で上記識別情報の通信が可能であってよい。
【0020】
上記構成とすることにより、上記識別情報取得手段は、上記識別情報を容易に取得することができる。すなわち、上記識別情報取得手段は、上記映像観賞用メガネとの間で上記識別情報の通信が可能であるため、上記識別情報を取得する際に、キーボード等の操作部を介して観賞者に識別情報を入力させる必要がなくなる。したがって、上記識別情報取得手段は、上記識別情報を迅速かつ確実に取得することができる。
【0021】
なお、使用メガネ識別装置と上記映像観賞用メガネとの間の通信は、無線通信および有線通信の何れであってもよい。ただし、有線接続の場合には、観賞場所の制約や移動の制限が生じるため、そのような制約・制限が生じない赤外線通信、ブルートゥースなどの無線接続とすることが好ましい。
【0022】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記観賞者によって操作部を介して入力される命令であって、上記表示装置に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付手段を備え、
上記命令受付手段は、変更された設定に関する設定情報を上記表示制御手段に出力し、上記表示制御手段は、上記設定情報に応じた映像を上記表示装置に表示させる構成であってよい。
【0023】
上記構成によれば、命令受付手段は、映像の設定を変更する旨の命令を受け付け、さらに、変更された設定に関する設定情報を上記表示制御手段に出力する。そして、上記表示制御手段は、上記設定情報に応じた映像を表示装置に表示させる。
【0024】
したがって、上記設定情報に応じた映像が表示装置に表示されるため、観賞者は、自身が装着している特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その特定の映像観賞用メガネに対応する映像の設定を主体的に変更する、という発展的な観賞方法を実現することができる。
【0025】
なお、映像の設定(あるいは、設定の変更)とは、たとえば観賞する映像の設定(映像1から映像2への変更)、映像の画質の設定(明画面から暗画面への変更)など、映像に関する設定全般が対象となりうる。
【0026】
また、上記使用メガネ識別装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記使用メガネ識別装置をコンピュータにて実現させる使用メガネ識別プログラムも本発明の範疇に入る。
【0027】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記映像観賞用メガネが、上記表示装置に表示される映像を観賞者に対して表示・非表示の状態に変更することが可能な右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するときに、
上記右目用シャッターあるいは上記左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、上記表示制御手段が上記識別結果を上記表示装置に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる同期制御手段を備える構成であってよい。
【0028】
上記構成によれば、上記映像観賞用メガネは、上記表示装置に表示される映像を観賞者に対して表示・非表示の状態に変更することが可能な右目用シャッターおよび左目用シャッターを有する。
【0029】
そして、使用メガネ識別装置は同期制御手段を備え、その同期制御手段は、上記シャッター開タイミングと上記識別結果表示タイミングとを同期させる。
【0030】
これにより、上記右目用シャッターあるいは上記左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるタイミングで上記識別結果が上記表示装置に表示されるため、観賞者は、上記識別結果を確実に認識することができる。
【0031】
それゆえ、本発明に係る使用メガネ識別装置は、上記映像観賞用メガネが右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するタイプのメガネである場合にも、同期制御手段を備えることにより、上記識別結果を観賞者に確実に認識させることができる。
【0032】
なお、上記映像観賞用メガネの一例として液晶シャッターが挙げられる。
【0033】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記観賞者によって操作部を介して入力される命令であって、上記表示装置に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付手段を備え、
上記命令受付手段は、変更された設定に関する設定情報を上記同期制御手段に出力し、上記同期制御手段は、上記設定情報に応じて、上記表示装置における映像の表示と、上記右目用シャッターおよび上記左目用シャッターの開閉動作とを同期させる構成であってよい。
【0034】
上記構成によれば、命令受付手段は、映像の設定を変更する旨の命令を受け付け、さらに、変更された設定に関する設定情報を上記表示制御手段に出力する。そして、上記表示制御手段は、上記設定情報に応じた映像を表示装置に表示させる。さらに、本発明に係る使用メガネ識別装置は同期制御手段を備え、その同期制御手段は、変更された映像の設定に関する設定情報に応じて、上記表示装置における映像の表示と、上記右目用シャッターおよび上記左目用シャッターの開閉動作とを同期させる。
【0035】
したがって、本発明に係る使用メガネ識別装置は、上記映像観賞用メガネが右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するタイプである場合にも、そのシャッターの開閉動作に同期して、観賞者によって変更された設定に関する設定情報に応じた映像が表示装置に表示されるため、観賞者は、自身が装着している特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その特定の映像観賞用メガネに対応する映像の設定を主体的に変更する、という発展的な観賞方法を実現することができる。
【0036】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記表示装置に表示される映像が、3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であり、
上記同期制御手段は、上記表示装置における上記右目用映像の表示と上記右目用シャッターの開動作および上記左目用シャッターの閉動作とを同期させ、かつ、上記表示装置における上記左目用映像の表示と上記右目用シャッターの閉動作および上記左目用シャッターの開動作とを同期させる構成であってよい。
【0037】
上記構成によれば、上記表示装置には、3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像が表示される。
【0038】
このとき、上記同期制御手段は、上記右目用映像が上記表示装置に表示されるときには、右目用シャッターを開に、左目用シャッターを閉に動作させ、かつ、上記左目用映像が上記表示装置に表示されるときには、右目用シャッターを閉に、左目用シャッターを開に動作させる。
【0039】
したがって、上記表示装置に表示される映像が3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であっても、本発明に係る使用メガネ識別装置は、上記同期制御手段を備えることにより、右目用シャッターおよび左目用シャッターを有する映像観賞用メガネを用いる観賞者に対して、3次元表示に係る映像を観賞させることができる。しかも、このとき、観賞者は、自身が装着している特定の映像観賞用メガネを識別する識別結果を上記表示装置における表示から認識することもできる。
【0040】
それゆえ、本発明に係る使用メガネ識別装置は、上記表示装置に表示される映像が3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であっても、3次元用映像とともに、上記識別結果を観賞者に対して表示させることができる。
【0041】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記識別情報取得手段が複数の識別情報を取得したときに、
上記表示制御手段は、上記複数の識別情報に関連付けられたそれぞれの識別結果を、各々の識別情報に対応する特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像とともに上記表示装置に表示させる構成であってよい。
【0042】
上記構成によれば、たとえ複数の観賞者がそれぞれ映像観賞用メガネを装着しているときでも、上記表示制御手段によって、上記複数の識別情報に関連付けられたそれぞれの識別結果が、各々の識別情報に対応する特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像とともに上記表示装置に表示される。
【0043】
したがって、複数の観賞者はそれぞれ、自身が装着している特定の映像観賞用メガネを識別することができ、それにより、特定の映像観賞用メガネを識別したうえで映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することも可能となる。
【0044】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記識別情報取得手段が複数の識別情報を取得したときに、
上記同期制御手段は、上記複数の識別情報に対応する上記特定の映像観賞用メガネそれぞれについて、上記シャッター開タイミングと上記識別結果表示タイミングとを同期させる構成であってよい。
【0045】
複数の観賞者がそれぞれ映像観賞用メガネを装着しているときにおいても、上記識別情報取得手段は、それぞれの映像観賞用メガネに対応する複数の識別情報を取得することができる。そのとき、上記同期制御手段は、上記複数の識別情報に対応する上記特定の映像観賞用メガネそれぞれについて、上記右目用シャッターあるいは上記左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、上記表示制御手段が上記識別結果を上記表示装置に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる。
【0046】
これにより、上記右目用シャッターあるいは上記左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるタイミングで上記識別結果が上記表示装置に表示されるため、複数の観賞者はそれぞれ、上記識別結果を確実に認識することができる。
【0047】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
観賞者が上記特定の映像観賞用メガネを使用することを示す使用情報を取得する使用情報取得手段を備え、
上記表示制御手段は、上記使用情報取得手段が取得した上記使用情報が入力されたことをトリガとして、上記特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像を上記表示装置に表示させる構成であってよい。
【0048】
上記構成によれば、上記使用情報取得手段が取得した上記使用情報が入力されたことをトリガとして、上記特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像が上記表示装置に表示されるため、上記映像を表示装置に常時表示しておく必要がない。
【0049】
したがって、不要な映像表示を抑制し、各映像観賞用メガネの映像品質を高められるという効果が得られる。より具体的に説明すると、映像観賞用メガネが4つ使用されており、各々の映像観賞用メガネに対応する映像が4種類あるとする。このとき、本来であれば、表示装置には各映像観賞用メガネに対応する4つの映像を時分割して表示しなければならない。しかしながら、2つの映像観賞用メガネが不使用状態にあるときには、上記構成とすることにより、2つの映像のみが時分割して表示装置に表示されることになる。つまり、表示装置に時分割して表示される映像が4つから2つになることにより、観賞者は2倍の時間映像を観賞でき、それゆえ映像の明るさ、滑らかさ等の映像品質が向上するという効果を実現することができる。上記のように時分割数が変化すると、観賞者の観賞する映像の体感明るさ(映像観賞用メガネを介して観賞した明るさ)が変化する。観賞者が観賞環境上一定の体感明るさを所望する場合には、表示映像の輝度を変化させればよい。その場合でも、時分割数が減ることで観賞者は滑らかさが向上した映像を観賞することができる。
【0050】
なお、使用情報取得手段は、上記使用情報を、上記映像観賞用メガネとの間の有線通信または無線通信によって取得すればよい。あるいは、使用情報取得手段は、上記使用情報を、操作部を介した観賞者の入力操作によって取得してもよい。また、映像観賞用メガネは、たとえば電源ONのスイッチなどを備え、そのスイッチがONとなることにより、使用情報取得手段に対して上記使用情報を入力する構成としてもよく、使用情報の生成方法は、特に限定されない。
【0051】
また、本発明に係る使用メガネ識別装置では、
上記映像観賞用メガネは、音声を出力するための音声出力手段を有し、
上記表示装置に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、上記特定の映像観賞用メガネが有する上記音声出力手段に出力する音声制御手段を備える構成であってよい。
【0052】
上記構成によれば、上記映像観賞用メガネは、音声を出力するための音声出力手段を有する。そして、本発明に係る使用メガネ識別装置は音声制御手段を備え、その音声制御手段は、上記表示装置に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、上記特定の映像観賞用メガネが有する上記音声出力手段に出力する。
【0053】
したがって、本発明に係る使用メガネ識別装置は、複数の観賞者がそれぞれ異なる映像を観賞しているときでも、観賞者ごとに、その観賞者が使用する映像観賞用メガネに対応する映像に付随した音声を聴かせることができ、よりユーザフレンドリーな観賞環境を観賞者に提供することができる。
【0054】
さらに、本発明に係る表示装置は、
上記何れかの使用メガネ識別装置を備える構成であってよい。
【0055】
上記構成によれば、使用メガネ識別装置が表示装置に組み込まれるため、一体型の取り扱い容易な表示装置を実現することができ、観賞者にとって利便性が高まるという効果を奏する。
【0056】
また、本発明に係る映像観賞用メガネでは、
上記使用メガネ識別装置から上記識別情報に関連付けられた識別結果を取得して、その識別結果を報知する報知手段を備える構成であってもよい。
【0057】
また、本発明に係る映像観賞用メガネでは、
上記表示制御手段から観賞可能な映像の種類に関する映像種類情報を取得して、その映像種類情報に応じた映像の種類を報知する報知手段を備える構成であってもよい。
【0058】
上記構成とすることにより、上記映像観賞用メガネの上記報知手段には、上記識別結果または上記映像の種類が報知される。
【0059】
したがって、観賞者は、報知手段を確認することにより、利用する映像観賞用メガネを識別することができる、あるいは、その映像観賞用メガネで観賞可能な映像の種類を確認することができる。
【0060】
それゆえ、映像観賞用メガネの装着前は、表示装置を確認させることなく、上記報知手段により上記識別結果を直接的に観賞者に知らせることができる。また、映像観賞用メガネを装着した後は、表示装置の表示により、識別結果を観賞者に認識させることができる。それゆえ、本発明に係る映像観賞用メガネは、装着前後の二段階で、識別結果を観賞者に認識させることができる。
【0061】
また、本発明に係る映像観賞用メガネは、映像観賞用メガネを装着する前に上記報知手段を観賞者に確認させることができるため、観賞者は、表示装置の表示を確認することなく、当該映像観賞用メガネによって観賞可能な映像の種類を知ることができる。これにより、よりユーザーフレンドリーな映像観賞用メガネを観賞者に提供することができる。
【0062】
なお、上記使用メガネ識別装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記使用メガネ識別装置をコンピュータにて実現させる使用メガネ識別プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0063】
本発明に係る使用メガネ識別装置は、以上のように、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備える構成である。
【0064】
また、本発明に係る映像観賞システムは、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含む構成である。
【0065】
また、本発明に係る映像観賞システムは、以上のように、
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含む構成である。
【0066】
また、本発明に係る映像観賞用メガネは、以上のように、
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた、上記観賞者が上記特定の映像観賞用メガネを使用していることを示す識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含む映像観賞システムに用いられる構成である。
【0067】
それゆえ、表示装置に表示された映像を映像観賞用メガネにより観賞するときに、その映像観賞用メガネを識別するための識別結果を表示装置に表示させることが可能な使用メガネ識別装置等を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明に係る使用メガネ識別装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る映像観賞システムの概略的な構成を示す図である。
【図3】本発明に係る他の使用メガネ識別装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】同期制御部、及びシャッターメガネの動作を説明するための図であり、(a)は、映像A及び映像Bが表示装置に表示されるタイミングを示す図であり、(b)は、シャッターメガネ(400A)のシャッター動作を示す図であり、(c)は、シャッターメガネ(400B)のシャッター動作を示す図である。
【図5】複数の観賞者が識別結果を認識する様子を示す概念図である。
【図6】各観賞者の操作可能な操作部が1台(共通使用)のときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する図である。
【図7】観賞者ごとに操作部が存在するときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する図である。
【図8】本発明に係るさらに他の使用メガネ識別装置の概略構成を示すブロック図である。
【図9】観賞者が観賞する映像の設定を変更する例を説明するための図であって、(a)は、ユーザに設定変更の確認を要求する様子を示す図であり、(b)は、変更可能な映像の設定内容を示す図である。
【図10】観賞者が、観賞する映像の設定を変更する流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】観賞者が使用するリモコンを変更する例を説明するための図であって、(a)は、ユーザに設定変更の確認を要求する様子を示す図であり、(b)は、観賞者が設定変更する対象を決定する様子を示す図であり、(c)は、使用するリモコンがリモコンAからリモコンDへ変更されるときの様子を示す図であり、(d)は、設定が変更されたことを観賞者に知らせる様子を示す図である。
【図12】観賞者が、自身が使用するリモコンを、リモコンAからリモコンDへ変更する流れを説明するためのフローチャートである。
【図13】映像A〜映像Dが表示装置に表示されるタイミングとシャッターメガネ(400A)およびシャッターメガネ(400B)の右目用シャッターあるいは左目用シャッターの開閉タイミングとが同期されていることを示すための図であり、(a)はプレーヤー切換前について、(b)はプレーヤー切換後について、それぞれ説明するための図である。
【図14】シャッターメガネのさらなる構成を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る使用メガネ識別装置等について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0070】
〔映像観賞システム1の概略構成〕
以下、本実施の形態に係る映像観賞システム1について図2を用いて説明する。図2は、映像観賞システム1の概略的な構成を示す図である。
【0071】
映像観賞システム1は、記録再生装置500によって再生され、表示装置100において表示される映像をシャッターメガネ(映像観賞用メガネ)400を装着する観賞者に観賞させるものであり、おもに、表示装置100と、操作部300と、シャッターメガネ400と、記録再生装置500と、中継器600とを備える。
【0072】
表示装置100は、記録再生装置500によって再生される映像を表示するものであり、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、またはCRT(cathode-ray tube)ディスプレイなどである。なお、表示装置100は図示しない使用メガネ識別装置10を内蔵しているものとする。
【0073】
操作部300は、観賞者が表示装置100(または、表示装置100に内蔵される使用メガネ識別装置10)、及び記録再生装置500を動作させるための指示信号を入力するものであり、例えば、表示装置100を遠隔操作するリモコンや、表示装置100自体に設けられた操作ボタン、あるいは、表示装置100に接続された、マウスやキーボードなどで構成されてよい。操作部300を用いて観賞者により入力された指示信号は、図示しない入出力制御部を介して、表示装置100、および/または、記録再生装置500の各部に送られる。これにより、観賞者は、表示装置100、記録再生装置500を操作することができる。
【0074】
なお、同図では、操作部300は1台のみ記載されている。しかしながら、使用メガネ識別装置10、表示装置100、記録再生装置500に対してそれぞれ別々に備えられていてよい。
【0075】
シャッターメガネ400は、その一例として液晶シャッターが挙げられ、偏光板、液晶フィルタ、及び偏光板の三層構造を備え、液晶フィルタで2つの透過偏光光を切り替えることができるようになっている。より具体的には、シャッターメガネ400は、光の通過及び遮断を制御するシャッター駆動信号により左右眼用のシャッターを開閉させ、そのシャッター駆動信号は、表示装置100から出力される所望の映像信号のフィールド周波数に同期がとれており、かつ信号幅も映像信号に対応したものとなっている。したがって、このシャッター駆動信号によりシャッターを開閉することにより、観賞者は、複数の映像信号のうち、選択された「1つの映像信号に対応した映像」だけをシャッター開状態で見ることができ、かつ、それ以外の映像はシャッター閉状態で見えないため、所望の映像だけを観賞することができる。
【0076】
なお、同図では、シャッターメガネ400は、中継器600を介して、表示装置100とケーブルにより有線接続されている。しかしながら、シャッターメガネ400は、中継器600、および/または、表示装置100と、無線接続されていてもよい。
【0077】
また、同図では、中継器600には4台のシャッターメガネ400A、400B、400C、400Dが接続されている。しかしながら、シャッターメガネ400の台数は4台に限定されず、単数、または4台以外の複数台であってよい。
【0078】
記録再生装置500は、BD(Blu−Ray Disc)あるいはDVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disc Drive)等の情報記録媒体に記録された映像情報を再生するものであり、公知の記録再生装置であってよい。
【0079】
なお、同図では、記録再生装置500によって再生された映像が表示装置100に表示されるものとして説明している。しかしながら、IP(Internet Protocol)ネットワークを使ってリアルタイム放送や映画などのコンテンツを配信するサービスを利用して受信した映像データに対応する映像が表示装置100に表示されてもよい。その一例として、決められた放送スケジュールにしたがって番組をリアルタイムに配信する放送タイプのサービスであるリニアTV、または、受信側からの配信要求に応じて、該コンテンツ処理装置にユニキャストでコンテンツを配信するサービスであるVoD(Video on Demand)を利用して取得した映像データに対応する映像が表示装置100に表示されてもよい。
【0080】
さらに、表示装置100に表示される映像は、2D表示用映像、及び右目用映像と左目用映像とからなる3D用映像の何れであってもよい。
【0081】
中継器600は、記録再生装置500、シャッターメガネ400、および表示装置100を互いに接続するためのものである。なお、記録再生装置500およびシャッターメガネ400を表示装置100に直接接続するときや、シャッターメガネ400と表示装置100とを無線接続にするときなどには、中継器600は特に必要ではない。
【0082】
〔使用メガネ識別装置10の概略構成〕
次に、使用メガネ識別装置10を図1により説明する。図1は、使用メガネ識別装置10の概略構成を示すブロック図である。
【0083】
使用メガネ識別装置10は、観賞者が、表示装置100に表示された映像をシャッターメガネ400により観賞するときに、そのシャッターメガネ400を識別するための識別情報に関連付けられた識別結果を表示装置100に表示させるものである。
【0084】
同図に示すように、使用メガネ識別装置10は、制御部11と、識別情報取得部(識別情報取得手段)15と、メガネ使用情報取得部(使用情報取得手段)16とを備える。
【0085】
識別情報取得部15は、シャッターメガネ400から、それぞれのシャッターメガネ400に固有の識別情報を取得して、その取得した識別情報を記憶部200に記憶させる。ここで、識別情報とは、特定のシャッターメガネ400を識別するための情報であって、例えば、識別情報は、識別番号、識別名称等で表現される。一例としては、シャッターメガネ400Aの識別情報は、「1」という識別番号、「シャッターメガネA」という識別名称で表され、シャッターメガネ400Bの識別情報は、「2」という識別番号、「シャッターメガネB」という識別名称で表される。あるいは、識別情報は、シャッターメガネ400それぞれに割り当てられたIPアドレス等のアドレス情報であってもよく、特定のシャッターメガネ400を識別できるのであれば、その形態は限定されない。識別番号は、機器側でのシャッターメガネ400の識別のために英数字などで表されてもよく、識別名称は、観賞者が識別しやすいように各国言語で表されてもよい。
【0086】
識別情報取得部15は、次のような方法により、シャッターメガネ400から識別情報を取得する。
【0087】
例えば、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが無線接続あるいは有線接続され、双方向に通信可能であるときには、シャッターメガネ400から自動的に識別情報が送信される。あるいは、表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)からの通信要求を受けて、シャッターメガネ400から応答送信される。また、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが、シャッターメガネ400から表示装置100へ一方方向のみに通信可能に接続されているときには、シャッターメガネ400から自動的に識別情報が送信される。あるいは、表示装置100からシャッターメガネ400への一方方向のみに通信可能に接続されているときには、操作部300を介して、観賞者が識別情報を識別情報取得部15に入力する。さらに、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが通信可能に接続されていないときには、識別情報取得部15は、操作部300を介して観賞者から識別情報を取得する。
【0088】
識別情報取得部15は、以上のように、シャッターメガネ400の識別情報を、シャッターメガネ400から、あるいは観賞者を介して取得することができる。
【0089】
ここで、図1では、記憶部200は、使用メガネ識別装置10の装置の外部であって、表示装置100に内蔵されるものとして表されている。しかしながら、記憶部200は、使用メガネ識別装置10に内蔵されてもよく、あるいは、表示装置100の外部に外付けされてもよい。
【0090】
また、記憶部200は、識別情報に加え、表示装置100に表示するための映像に対応する映像データ、その映像に付随する音声に対応する音声データを記憶していてもよい。
【0091】
さらに、記憶部200は、たとえば表1に記載の識別情報−識別結果対応テーブルのように、識別情報と、その識別情報に関連付けられた識別結果とを記憶していてもよい。
【0092】
【表1】

【0093】
なお、識別結果としては、他にも、「あなたはメガネAを使用しています」、「この画面はメガネAで観賞できます」、「この画面をユーザAが観賞しています」などの表示であっても構わない。
【0094】
メガネ使用情報取得部16は、シャッターメガネ400が使用状態にあるかどうかを示すメガネ使用情報を取得し、その旨を制御部11に通知する。
【0095】
メガネ使用情報取得部16は、次のような方法によってメガネ使用情報を取得する。例えば、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが無線接続あるいは有線接続され、双方向に通信可能であるときには、シャッターメガネ400からメガネ使用情報取得部16に対して、自動的にメガネ使用情報が送信される。あるいは、表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)からの通信要求を受けて、シャッターメガネ400から応答送信される。また、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが、シャッターメガネ400から表示装置100へ一方方向のみに通信可能に接続されているときには、シャッターメガネ400からメガネ使用情報取得部16に対して、自動的にメガネ使用情報が送信される。あるいは、表示装置100からシャッターメガネ400への一方方向のみに通信可能に接続されているときには、操作部300を介して、観賞者がメガネ使用情報をメガネ使用情報取得部16に入力する。さらに、シャッターメガネ400と表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)とが通信可能に接続されていないときにも、メガネ使用情報取得部16は、操作部300を介して観賞者からメガネ使用情報を取得しうる。
【0096】
なお、シャッターメガネ400からメガネ使用情報取得部16へのメガネ使用情報の自動送信は、例えば、シャッターメガネ400のスイッチをONにすることにより実行される設定にしておけばよい。あるいは、シャッターメガネ400からメガネ使用情報取得部16に対して、メガネ使用情報が常時送信される設定にしておいてもよい。また、上記のように、自動送信ではなく表示装置100(あるいは使用メガネ識別装置10)からの通信要求を受けて、シャッターメガネ400から応答送信される方式でもよい。
【0097】
制御部11は、表示制御部(表示制御手段)12を含む。表示制御部12は、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果(表1参照)を記憶部200から取得して、その識別結果を表示装置100に表示させる。具体的には、メガネ使用情報取得部16が取得した識別情報が「シャッターメガネA」であるときに、表示制御部12は、その識別情報に関連付けられた「あなたはユーザAです」という識別結果を記憶部200から取得する。そして、表示制御部12は、その識別結果「あなたはユーザAです」を表示装置100に表示させる。
【0098】
〔使用メガネ識別装置20の概略構成〕
次に、本実施形態に係る他の使用メガネ識別装置20について図3を用いて説明する。図3は、使用メガネ識別装置20の概略構成を示すブロック図である。
【0099】
図3の映像観賞システム2では、2台のシャッターメガネ400A、400Bが使用されており、さらに、シャッターメガネ400A、400Bはそれぞれ、音声を出力するスピーカ(音声出力手段)を備えているものとする。
【0100】
また、使用メガネ識別装置20の制御部11は、表示制御部12に加え、さらに同期制御部(同期制御手段)13と、音声制御部(音声制御手段)14とを有する。
【0101】
同期制御部13は、シャッターメガネ400の右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果または映像を表示装置100に表示させる識別結果または映像表示タイミングとを同期させる。このことを、図4を用いて具体的に説明する。
【0102】
まず、観賞者が2人存在し、各々の観賞者が、シャッターメガネ400A、シャッターメガネ400Bを装着している場合を考える。さらに、観賞態様として、シャッターメガネ400Aを装着する観賞者は3D映像を観賞し、シャッターメガネ400Bを装着する観賞者は2D映像を観賞するものとする。このときの同期制御部13およびシャッターメガネ400A・シャッターメガネ400Bの動作を図4により説明する。
【0103】
図4は、同期制御部13、及びシャッターメガネ400A・シャッターメガネ400Bの動作を説明するための図であり、同図(a)は、映像A及び映像Bが表示装置100に表示されるタイミングを示す図であり、同図(b)は、シャッターメガネ400Aのシャッター動作を示す図であり、同図(c)は、シャッターメガネ400Bのシャッター動作を示す図である。
【0104】
まず、同図(a)に示すように、表示制御部12が、記憶部200から映像Aに対応する映像データ、及び映像Bに対応する映像データを取得して、映像A及び映像Bを交互に表示装置100に表示させる。図中の「〇」は表示装置100に映像が表示され、「×」は表示装置100に映像が表示されないことを示す。また、映像Aおよび映像Bはそれぞれ、3D表示に用いられる右目用映像および左目用映像であるものとする。
【0105】
上述したように、シャッターメガネ400Aを装着した観賞者は、3D映像を観賞する。そこで、同期制御部13は、左目用映像である映像Bが表示装置100に表示されるときに、シャッターメガネ400Aの右目用シャッターを閉とさせ、左目用シャッターを開とさせるシャッター駆動信号をシャッターメガネ400Aに出力する。次に、同期制御部13は、右目用映像である映像Aが表示装置100に表示されるときに、シャッターメガネ400Aの左目用シャッターを閉とさせ、右目用シャッターを閉とさせるシャッター駆動信号をシャッターメガネ400Aに出力する。これにより、シャッターメガネ400Aは、上記シャッター駆動信号に基づいて、表示装置100に映像Aが表示されるときには左目用シャッターが閉、右目用シャッターが開となり、表示装置100に映像Bが表示されるときには右目用シャッターが閉、左目用シャッターが開となる。その結果、シャッターメガネ400Aを装着した観賞者は左目で映像Bを、右目で映像Aを見ることができ、3D映像を観賞することができる。
【0106】
なお、上記の例では観賞者が2人の場合について説明したが、さらに他の観賞者が、シャッターメガネ400Cを用いて映像B(2D表示)を観賞することも、あるいは、映像A、B(3D表示)を観賞することも可能である。
【0107】
具体的には、上記他の観賞者は、シャッターメガネ400Cがシャッターメガネ400Aと同様の同期動作をすることにより映像A、B(3D表示)を観賞することができ、シャッターメガネ400Cがシャッターメガネ400Bと同様の同期動作をすることにより映像B(2D表示)を観賞することができる。つまり、たとえ観賞者が複数存在する場合であっても、シャッターメガネ400が他のシャッターメガネと共通の同期動作をすることにより、観賞者は共通の映像を観賞することができる。なお、この場合、複数の観賞者が共通の映像を観賞しているため、表1に掲載した識別結果は、例えば「あなたはユーザA、ユーザCです」「あなたはメガネA、メガネCを使用しています」、「この画面はメガネA、メガネCで観賞できます」、「この画面をユーザA、ユーザCが観賞しています」などとすればよい。
【0108】
このように、複数のシャッターメガネ400が共通の同期動作をすることにより、共通の映像を観賞者に観賞させうることは、以降すべての説明において同様である。
【0109】
さらに、同期制御部13は、右目用シャッターが開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果(例えば、「あなたはユーザAです」など)を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる。これにより、観賞者は、右目用シャッターが開となるシャッター開タイミングにおいて、表示装置100に表示される「あなたはユーザAです」という識別結果を確認することができる。
【0110】
次に、同図(c)により、同期制御部13、及びシャッターメガネ400Bの動作を説明する。
【0111】
上述したように、シャッターメガネ400Bを装着した観賞者は、2D映像を観賞する。そこで、同期制御部13は、左目用映像である映像Bが表示装置100に表示されるときに、シャッターメガネ400Aの右目用シャッターおよび左目用シャッターを開とさせるシャッター駆動信号をシャッターメガネ400Bに出力する。次に、同期制御部13は、右目用映像である映像Aが表示装置100に表示されるときに、シャッターメガネ400Aの右目用シャッターおよび左目用シャッターを閉とさせるシャッター駆動信号をシャッターメガネ400Bに出力する。
【0112】
これにより、シャッターメガネ400Bは、上記シャッター駆動信号に基づいて、映像Bが表示装置100に表示されるときには右目用シャッターおよび左目用シャッターを開とし、映像Aが表示装置100に表示されるときには右目用シャッターおよび左目用シャッターを閉とする。その結果、シャッターメガネ400Bを装着した観賞者は、2D映像を観賞することができる。
【0113】
ここで、シャッターメガネ400Bは、映像Bが表示装置100に表示されるときには右目用シャッターおよび左目用シャッターを開としている。したがって、同期制御部13が、右目用シャッターおよび左目用シャッターが開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果(例えば、「あなたはユーザBです」など)を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させた場合、図4(b)に示される同期動作を行うシャッターメガネ400Aを装着する観賞者(ユーザAとする)も、「あなたはユーザBです」という識別結果を認識することになりという不具合が生じる。つまり、複数の観賞者がある共通の映像を観賞するときには、ある観賞者にとって正しい識別結果であっても、他の観賞者には正しくない識別結果が表示装置100に表示されるという不具合が生じうる。
【0114】
そこで、その不具合の解決方法として、以下の2つの方法が考えられる。
【0115】
1つ目の方法として、例えば複数の観賞者が2D、3D映像を同時に観賞するケースにおいては、例外的に、映像Aにのみ「あなたはユーザAです」という識別結果を表示し、映像Bは2人の観賞者に共用のため、識別情報は表示しないという方法である。
【0116】
2つ目の方法として、各観賞者が映像を観賞する前に、ある設定画面に誘導して、その設定画面において各観賞者に対して個別に識別結果を表示して、その識別結果を観賞者に認識させる、あるいは、一時的、強制的にユーザAには映像A、ユーザBには映像Bしか見せないようにして、そのときに、「あなたはユーザAです」、「あなたはユーザBです」という識別結果を個別に表示させ、その識別結果を観賞者に認識させる、という方法である。
【0117】
以上の方法により、たとえ複数の観賞者がある共通の映像を観賞するときであっても、自身の装着するシャッターメガネを識別する識別結果を各観賞者に正しく認識させることができ、上記不具合を解消することができる。
【0118】
なお、これらの方法は、制御部11(または表示制御部12)が、複数の観賞者がある共通の映像を観賞することを判断し、上記方法に基づく画面表示を実現すればよい。
【0119】
このように、表示制御部12、同期制御部13、及びシャッターメガネ400A・シャッターメガネ400Bが動作するため、少なくとも一部の観賞者は、自身が観賞したい映像と、その映像とともに表示される識別結果を表示装置100において認識することができる。
【0120】
さらに、シャッターメガネ400A、シャッターメガネ400Bを装着した観賞者の観賞態様(2D/3Dの観賞)がそれぞれ異なる場合においても、同期制御部13は、少なくとも一部の観賞者に対しては、「あなたはユーザAです」、「あなたはユーザBです」といった識別結果を認識させることができる。
【0121】
図5は、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を示す概念図である。同図では、3人の観賞者(観賞者1〜3)それぞれに対して、識別結果「ユーザ1〜3」を表示している。なお、上記識別結果とともに、観賞者1は3D映像を、観賞者2は2D映像を、観賞者3は3D映像を観賞するという設定情報が表示されている。上記識別結果と上記設定情報とを含む映像を設定確認映像と表現し、同図では観賞者1〜3は設定確認映像を観賞しているものとする。また、同図では、図面右側にいくにつれ、時間が経過していることを示す。
【0122】
同図では、観賞者1〜3がそれぞれ異なる映像を観賞しているため、表示制御部12は、観賞者1に対する映像→観賞者2に対する映像→観賞者3に対する映像→観賞者1に対する映像→観賞者2に対する映像→観賞者3に対する映像、という順序で表示装置100に各々の観賞者に対応付けられた映像を表示させている。このとき、同期制御部13は、図4(c)を参照して説明した方法により、右目用シャッター及び左目用シャッターを開閉させるシャッター駆動信号をシャッターメガネ400に出力し、シャッターメガネ400は、当該シャッター駆動信号に基づいて、右目用シャッター及び左目用シャッターを開閉している。その結果、観賞者1〜3は、自身の設定確認映像をそれぞれ観賞することができる。また、観賞者1〜3が観賞する設定確認映像には、各観賞者1〜3に対応する「ユーザ1〜3」という識別結果がそれぞれ表示されている。これにより、各観賞者は、自身が使用するシャッターメガネ400を特定する識別結果と、自身が観賞する映像の設定情報とを、表示装置100の表示する設定確認映像により認識することができる。
【0123】
なお、図3の映像観賞システム2では、2台のシャッターメガネ400A、400Bが使用されているが、シャッターメガネ400の台数は2台に限定されず、任意の台数とすることができる。上記設定確認映像により、各観賞者は、識別結果と観賞する映像設定とを認識することができる。
【0124】
また、表示制御部12は、メガネ使用情報取得部16が取得した使用情報が表示制御部12に入力されたことをトリガとして、シャッターメガネ400によって観賞される映像を表示装置100に表示させる構成としてよい。
【0125】
上記構成によれば、メガネ使用情報取得部16によって取得された使用情報が制御部11に入力されたことをトリガとして、シャッターメガネ400によって観賞される映像が表示装置100に表示されるため、上記映像を表示装置100に常時表示しておく必要がない。
【0126】
したがって、不要な映像表示を抑制し、各特定のシャッターメガネ400の映像品質を高められるという効果が得られる。具体的には、シャッターメガネ400が4つ使用されており、各々のシャッターメガネ400に対応する映像が4種類あるとする。このとき、本来であれば、表示装置100には各シャッターメガネ400に対応する4つの映像を時分割して表示しなければならない。しかしながら、2つのシャッターメガネ400が不使用状態にあるときには、上記構成とすることにより、2つの映像のみが時分割して表示装置100に表示されることになる。つまり、表示装置100に時分割して表示される映像が4つから2つになることにより、観賞者は2倍の時間映像を観賞でき、それゆえ映像の明るさ、滑らかさ等の映像品質が向上するという効果を実現することができる。上記のように時分割数が変化すると、観賞者の観賞する映像の体感明るさ(映像観賞用メガネを介して観賞した明るさ)が変化する。観賞者が観賞環境上一定の体感明るさを所望する場合には、表示映像の輝度を変化させればよい。その場合でも、時分割数が減ることで観賞者は滑らかさが向上した映像を観賞することができる。
【0127】
なお、上記構成は、シャッターメガネ400の開閉動作と同期制御部13との間の同期制御が前提となるが、その詳細はすでに説明したため、ここでの詳細説明は省略する。
【0128】
次に、音声制御部14について説明する。音声制御部14は、記憶部200から、表示装置100に表示するための映像に付随する音声に対応する音声データを取得する。そして、音声制御部14は、その音声を、当該音声に対応する映像を観賞することができるシャッターメガネ400のスピーカから出力させる。
【0129】
すなわち、音声制御部14は、映像Aを観賞することができるシャッターメガネがシャッターメガネ400Aであれば、映像Aに付随する音声Aがシャッターメガネ400Aのスピーカから出力されるように、音声Aに対応する音声データの出力先を制御する。これにより、観賞者は、異なるシャッターメガネ400ごとに、そのシャッターメガネ400によって観賞することができる映像に応じた音声を聴くことができる。
【0130】
なお、音声データをアンプにより増幅させる等の音声出力処理は、公知の方法によって行えばよい。したがって、使用メガネ識別装置または表示装置100の内部に、図示しない音声出力処理回路が設けられておればよく、ここでの詳細説明は省略する。
【0131】
〔各観賞者の操作可能な操作部300が1台(共通使用)の場合〕
図5では、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を概念的に示した。次に、図6を用いて、各観賞者の操作可能な操作部300が1台(共通使用)のときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する。
【0132】
図6は、各観賞者の操作可能な操作部300が1台(共通使用)のときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する図であって、複数の観賞者のうち、1人の代表者が操作部300を介して入力操作を行う場合について説明する図である。なお、同図では、観賞者は3人であり、観賞者1は3D映像を、観賞者2は2D映像を、観賞者3は3D映像を観賞するという設定確認映像を観賞しているものとする。
【0133】
同図のケースが想定される例として、3人の観賞者が、それぞれシャッターメガネ400を装着し、かつ、その識別番号を把握していないときに、設定確認映像を観賞しながら、代表者が代表して操作部300から各シャッターメガネ400の識別情報(識別番号、識別名称等)を使用メガネ識別装置20に入力するケースが考えられる。
【0134】
このとき、図5を参照して説明した方法により、各観賞者に対して、「あなたはユーザ1(または2、3)」という識別結果が個別に表示され、さらに、「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」という設定情報が、各観賞者に対して共通に表示される。つまり、表示制御部12は、「あなたはユーザ1(または2、3)」という識別結果を各ユーザ向けに個別に表示し、かつ、「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」という設定情報を全観賞者に向けて表示装置100に共通に表示させる。
【0135】
これにより、各観賞者は、「あなたはユーザ1(または2、3)」という識別結果を認識し、そのうえで、「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」という共通の表示により、ユーザ1であれば3D映像を観賞できることを認識することができる。また、観賞者2であれば、「あなたはユーザ2」といった識別結果を認識し、そのうえで、「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」という共通の表示により、ユーザ2であれば2D映像を観賞できることを認識することができる。
【0136】
このように、各観賞者の操作可能な操作部300が1台しかないときには、「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」等の各観賞者が観賞可能な共通の画面を表示装置100に表示させることが望ましい。代表者のみが操作部300を使って映像の設定を行うことになるため、代表者以外の観賞者は映像の設定変更を行うことができないものの、上記のように共通の画面を表示することにより、他の観賞者が観賞する映像の映像態様等を知ることができる。これにより、代表者は自分以外の映像の設定変更をも行うことができ、さらに、代表者以外は自身の希望する映像の設定を代表者に行わせる契機とすることができる。こうしておけば、どの観賞者でも代表者になることができるため、操作部300が1台しかない場合であっても、全員の設定変更を行うことができる。
【0137】
なお、表示装置100に表示させる共通の画面は、図6では「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」としているが、これに限られず、種々の表示方法を採ることができる。
【0138】
〔観賞者ごとの操作部300が存在する場合〕
図6では、各観賞者の操作可能な操作部300が1台(共通使用)のときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を示した。次に、図7を用いて、観賞者ごとに操作部300存在するときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する。
【0139】
図7は、観賞者ごとに操作部300が存在するときの、複数の観賞者が識別結果を認識する様子を説明する図である。なお、同図では、観賞者は3人としている。
【0140】
このとき、図5を参照して説明した方法により、観賞者1には「あなたはユーザ1 コントローラ1で操作して下さい」という識別結果が、観賞者2には「あなたはユーザ2 コントローラ2で操作して下さい」という識別結果が、観賞者3には「あなたはユーザ3 コントローラ3で操作して下さい」という識別結果が、それぞれ表示される。
【0141】
したがって、各観賞者は、その識別結果を認識することにより、自身が装着するシャッターメガネ400を特定することができ、かつ、自身の装着するシャッターメガネ400に対応するコントローラを用いて、その後の入力操作を確実に行うことができる。それにより、誤ったコントローラを用いた入力操作によって、他人の観賞設定を過誤に変更するという事態を防止することができる。
【0142】
〔複数の観賞者が観賞する映像の一部が共通部分を有する構成〕
本構成は、複数の観賞者が、各々異なる映像を観賞しているものの、その映像の一部に共通部分(以下、「共通映像」と称する。)を有する場合に関するものであり、その一例として、図6の「ユーザ1 3D/ユーザ2 2D/ユーザ3 3D」が挙げられる。
【0143】
共通映像は表示制御部12の動作によって実現するものであり、表示制御部12は、〔各観賞者の操作可能な操作部300が1台(共通使用)の場合〕に該当するとき、あるいは、操作部300から観賞者による操作を受け付けたときなどに、表示装置100に共通映像を表示させればよい。
【0144】
本構成による効果は、次の通りである。
【0145】
シャッターメガネ400を装着していない観賞者(以下、「裸眼者」と称する。)は、各観賞者が観賞する映像に共通映像が含まれていない場合、個別の映像が重なり合った1つの映像を観賞することになり、重なり合う映像が多くなるほど、どのような映像が表示装置100に表示されているか認識できなくなる。
【0146】
この点、各観賞者が観賞する映像に共通映像が含まれている場合には、裸眼者は、共通映像を視認することにより、少なくともその共通映像から、表示装置100に表示されている各映像の内容を認識することができる。したがって、複数の観賞者が観賞する映像の一部に共通部分を含ませておくことにより、裸眼者は、一部映像を視認および観賞することができる。
【0147】
また、以下の構成により、複数の観賞者が観賞する映像の一部に共通部分を含ませておくこともできる。
【0148】
すなわち、各観賞者が個別に観賞している映像の全部あるいは一部を縮小させ、それらを1つの画面内に並べてなる映像を共通映像として表示装置100に表示する。これにより、裸眼者は、観賞者が観賞する一部映像の視認および観賞が可能となる。その際、各観賞者が観賞する映像に、その観賞者の識別情報(識別結果)を含めておけば、裸眼者は、どの観賞者がどのような映像を観賞しているかを認識することができる。これにより、裸眼者は、各観賞者の観賞状況を理解できるだけでなく、その観賞状況を確認したうえで、シャッターメガネ400を装着して、所望の映像の観賞に途中参加するという発展的な観賞態様を実現することができる。
【0149】
さらに、シャッターメガネ400を装着する他の観賞者も、共通映像を確認することにより、自分以外の他の観賞者の観賞状況を認識することができ、これにより、他の観賞者が観賞している映像の観賞に途中参加するという発展的な観賞態様を実現することができる。
【0150】
〔使用メガネ識別装置30の概略構成〕
次に、本実施形態に係るさらに他の使用メガネ識別装置30について図8を用いて説明する。図8は、使用メガネ識別装置30の概略構成を示すブロック図である。なお、表示装置100には、図6等の識別結果が表示されているものとする。
【0151】
図8の映像観賞システム3では、使用メガネ識別装置30は、使用メガネ識別装置20の構成に加え、さらに、通信部18と設定変更部19とからなる命令受付部(命令受付手段)17を有する。
【0152】
通信部18は、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令(以下、「指示信号」と称することもある。)を受け付ける。例えば、通信部18は、操作部300の操作ボタンAが「映像設定変更ボタン」として割り当てられているときに、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、上記指示信号を受け付ける。そして、通信部18は、上記指示信号を受け付けた旨、およびその内容を示す信号を設定変更部19に出力する。
【0153】
設定変更部19は、通信部18から上記信号を受信すると、変更される設定に関する情報を記憶部200から取得する。例えば、設定変更部19は、映像1を映像2に変更する旨の信号が通信部18から入力されると、映像2に係る映像データ(映像に付随する音声が存在する場合には、その音声に応じた音声データも含む)を記憶部200から取得する。そして、設定変更部19は、映像1を映像2に変更する旨、及び映像2に係る映像データ・音声データ(以下、併せて「設定情報」と称することもある。)を制御部11に出力する。
【0154】
あるいは、他の例として、設定変更部19は、映像の明度を変更する信号が通信部18から入力されると、明度を変更する旨の設定情報を表示制御部12に出力する。
【0155】
なお、映像の設定は、観賞する映像の変更(映像1から映像2への変更、2D映像と3D映像との切換え)、映像の画質の設定(明から暗画面、暗から明画面への変更)など、映像に関する設定の全般を対象とすることができる。
【0156】
そして、制御部11は、設定変更部19から設定情報が入力されると、表示制御部12が、変更された設定に関する映像を表示装置100に表示させる。また、音声制御部14が、表示装置100に表示するための映像に付随する音声を、当該音声に対応する映像を観賞することができるシャッターメガネ400のスピーカから出力させる。さらに、同期制御部13が、シャッターメガネ400の右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる。
【0157】
このように、使用メガネ識別装置30は、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付部17を備え、その命令受付部17は、変更された設定に関する設定情報を制御部11に出力し、制御部11は、設定情報に応じた映像を表示装置100に表示させる。その結果、観賞者は、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、そのシャッターメガネ400に対応する映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することができる。
【0158】
〔使用メガネ識別装置の適用例〕
以下、使用メガネ識別装置30の適用例を説明する。
【0159】
〔映像の切換え〕
観賞者が観賞する映像を変更(映像1から映像2へ変更、2D映像から3D映像への変更)する例を図9により説明する。
【0160】
なお、表示制御部12は、識別結果(表1参照)を記憶部200から取得して、各シャッターメガネ400向けの識別結果を、表示装置100における各シャッターメガネ400向けの映像中に表示させているものとする。また、図9(a)の画面は、例えば操作部300の操作ボタンAが「映像設定変更ボタン」として割り当てられており、観賞者が操作ボタンAを押すことにより表示装置100に表示されるものとする。さらに、観賞者は4人おり、観賞者1(「ユーザ1」とも称する。)が映像の設定を行っているものとして説明する。
【0161】
図9は、観賞者が観賞する映像の設定を変更する例を説明するための図であって、同図(a)は、ユーザに設定変更の確認を要求する様子を示す図であり、同図(b)は、変更可能な映像の設定内容を示す図である。
【0162】
まず、操作部300の操作ボタンAが「映像設定変更ボタン」として割り当てられており、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、表示装置100に同図(a)に示される確認画面が表示される。このとき、操作部300(の操作ボタンA)が1台(共通使用)の場合は、まず、どの観賞者が変更を要しているかを確認するために、同図(a)の確認画面は全ての観賞者(メガネ)向けに表示されることが望ましい。観賞者1は、「あなたはユーザ1です」等の識別結果を表示装置100で予め確認しているため、自身はユーザ1であることを認識している。したがって、観賞者1は、「ユーザ1の設定を変更します。」という項目を選択する。項目の選択は、1列目に付された「〇」印の位置を決めたうえで、操作部300の図示しない「決定」ボタンが押されることにより行われる。項目の選択が行われると、次に、同図(b)の画面が表示装置100に表示される。ただし、ユーザに設定変更の確認を要求する同図(a)の画面の表示は省略することもでき、その場合には、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、後述の同図(b)の画面が表示装置100に表示される構成で実現されてもよい。例えば、操作部300(の操作ボタンA)が観賞者ごとに存在する場合は、前述したように、また後述するように観賞者(以下、ユーザと称することもある)は対応するコントローラを認識し操作するようにもできる。従って、変更を要しているユーザは、自らのコントローラで操作することによりユーザを特定したことになるため、同図(a)の画面の表示は省略することもできる。
【0163】
同図(b)では、「ユーザ1が観賞している映像」、「観賞可能な映像」、「画質設定」という項目が表示装置100に表示されている。なお、表示される項目は、同図(b)で示す項目に限られず、他の項目を含むものであってもよい。また、同図(b)に示される例はあくまで一例であって、表示形式は例示される形式に限られない。さらに、同図(b)の表示は、設定を行っている(継続している)ユーザ1向け映像として少なくとも表示すればよく、設定を行わない他ユーザ向け映像はこれに限るものではなく、他の映像を表示しても構わない。
【0164】
まず、同図(b)の「ユーザ1が観賞している映像」では、ユーザ1が現在観賞している映像についての説明が示される。これにより、ユーザ1は、「映像1」を観賞しており、その映像1は、「2D」であり、「2010/4/1録画 2:30:00 山本太郎他」という属性を有することを確認する。
【0165】
次の項目「観賞可能な映像」では、ユーザ1が観賞することのできる映像がリスト化され表示されている。ここでは、映像1〜映像5までが表示されており、例えば、映像2は、3D映像であり、「2010/4/2録画 2:00:00 サッカー」という属性を有する。このように、ユーザ1は、映像1〜映像5までの属性を確認することにより、自身が観賞を希望する映像を決定することができる。決定する場合には、観賞を希望する項目に「〇」印を位置決めし、操作部300の図示しない「決定」ボタンを押せばよい。上記2D/3Dの種別は各映像に対し固定されているが、これは説明における便宜上のものであり、実際には選択肢として2D/3Dの種別をも選択できるようにしてもよい。そうしておけば、ユーザ1は映像、2D/3Dの種別のいずれも変更することができる。
【0166】
なお、「画質設定」という項目は、映像の明度を観賞者に変更させるものであり、暗画質から明画質を任意に調節することができ、「観賞可能な映像」を決定する前の段階で映像に応じて画質の明度を適宜調節しておけばよい。
【0167】
以上の操作により、ユーザ1は、自身が観賞する映像を映像1(2D)から映像2(3D)へ変更することができる。
【0168】
次に、観賞者1が、自身が観賞する映像を映像1(2D)から映像2(3D)へ変更する流れを図10により説明する。図10は、観賞者が、観賞する映像の設定を変更する流れを説明するためのフローチャートである。
【0169】
S10では、表示制御部12は、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果(表1参照)を記憶部200から取得して、その識別結果を表示装置100に表示させる。これにより、観賞者1は、自身がユーザ1であることを認識する。
【0170】
S20では、観賞者1が、観賞する映像の設定を変更することを希望し、操作部300の「映像設定変更ボタン」を押す。
【0171】
S30では、通信部18が、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令を受け付け、表示制御部12に、ユーザに設定変更の確認を要求する図9(a)の画面を表示させる。なお、図9(a)の画面に対応するデータは、記憶部200に予め記憶させておき、表示制御部12が記憶部200から当該データを取得するようにしておけばよい。
【0172】
S40では、図9(a)および図9(b)の表示画面において、操作部300を介したユーザの入力操作が行われる。つまり、図(9)では、「ユーザ1の設定を変更します。」が選択され、図9(b)では、「映像2」が選択される。
【0173】
S50では、通信部18が、観賞者によって操作部300を介して入力された命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する指示信号を受信する。そして、通信部18は、上記指示信号を受け付けた旨、およびその内容を示す信号を設定変更部19に出力する。
【0174】
S60では、設定変更部19は、通信部18から上記信号を受信すると、変更される設定に関する情報を記憶部200から取得する。例えば、設定変更部19は、映像1を映像2に変更する旨の信号を通信部18から受信すると、映像2に係る映像データ(映像に付随する音声が存在する場合には、その音声に応じた音声データも含む)を記憶部200から取得する。そして、設定変更部19は、映像1を映像2に変更する旨、及び映像2に係る映像データ・音声データ(以下、併せて「設定情報」と称することもある。)を制御部11に出力する。
【0175】
S70では、制御部11が設定変更部19から設定情報を受信すると、表示制御部12が、変更された設定に関する映像を表示装置100に表示させる。また、同期制御部13が、シャッターメガネ400の右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させるなどの同期制御を行う。さらに、音声制御部14が、表示装置100に表示するための映像に付随する音声を、当該音声に対応する映像を観賞することができるシャッターメガネ400のスピーカから出力させる。
【0176】
このように、使用メガネ識別装置30を用いることにより、観賞者は、特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、そのシャッターメガネ400に対応する映像の設定を変更することができる。
【0177】
〔リモコンの切換え〕
観賞者が使用するリモコンを変更(リモコンAからリモコンDへ変更)する例を図11により説明する。
【0178】
なお、表示制御部12は、識別結果(表1参照)を記憶部200から取得して、その識別結果を表示装置100に表示させているものとする。また、図11(a)で示される画面は、例えば操作部300の操作ボタンAが「設定変更ボタン」として割り当てられており、観賞者が操作ボタンAを押すことにより表示装置100に表示されるものとする。さらに、観賞者1(「ユーザ1」とも称する。)が現在使用しているリモコンは、リモコンAであるものとして説明する。
【0179】
図11は、観賞者が使用するリモコンを変更する例を説明するための図であって、同図(a)は、ユーザに設定変更の確認を要求する様子を示す図であり、同図(b)は、観賞者1が設定変更する対象を決定する様子を示す図であり、同図(c)は、使用するリモコンがリモコンAからリモコンDへ変更されるときの様子を示す図であり、同図(d)は、設定が変更されたことを観賞者に知らせる様子を示す図である。
【0180】
まず、操作部300の操作ボタンAが「設定変更ボタン」として割り当てられており、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、表示装置100に同図(a)に示される確認画面が表示される。このとき、操作部300(の操作ボタンA)が1台(共通使用)の場合は、まず、どの観賞者が変更を要しているかを確認するために、同図(a)の確認画面は全ての観賞者(メガネ)向けに表示されることが望ましいことは〔映像の切換え〕で示したのと同様である。ここでは、観賞者1は、「あなたはユーザ1です」等の識別結果を表示装置100で予め確認しているため、自身はユーザ1であることを認識している。したがって、観賞者1は、「ユーザ1の設定を変更します。」という項目を選択する。項目の選択は、1列目に付された「〇」印の位置を決めたうえで、操作部300の図示しない「決定」ボタンが押されることにより行われる。項目の選択が行われると、次に、同図(b)の画面が表示装置100に表示される。ただし、ユーザに設定変更の確認を要求する同図(a)の画面の表示は省略することもでき、その場合には、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、後述の同図(b)の画面が表示装置100に表示される構成で実現されてもよい。例えば、操作部300(の操作ボタンA)が観賞者ごとに存在する場合は、前述したように、また後述するようにユーザ(メガネ)は対応するコントローラを認識し操作するようにもできる。従って、変更を要している観賞者は自らのコントローラで操作すればユーザを特定したことになるため、同図(a)の画面の表示は省略することもできる。これも〔映像の切換え〕で示したことと同様である。
【0181】
同図(b)では、「映像の設定変更」、「使用するリモコンの変更」という項目が表示装置100に表示されている。ここで、「映像の設定変更」を選択すると、図9(b)を参照して説明した表示画面に移る。一方、「使用するリモコンの変更」を選択すると、図11(c)を参照して説明する表示画面に移る。項目の選択は、1列目に付された「〇」印の位置を決めたうえで、操作部300の図示しない「決定」ボタンが押されることにより行われる。項目の選択が行われると、次に、同図(c)の画面が表示装置100に表示される。
【0182】
なお、観賞者に設定変更の確認を要求する同図(b)の画面の表示は省略することもでき、その場合には、観賞者が操作ボタンAを押すことにより、後述の同図(c)の画面が表示装置100に表示される構成で実現されてもよい。また、表示される項目は、同図(b)で示す項目に限られず、他の項目を含むものであってもよい。また、同図(b)に示される例はあくまで一例であって、表示形式は例示される形式に限られない。なお、以降に説明する同図(b)以降の表示は設定を行っている(継続している)ユーザ1向け映像として少なくとも表示すればよく、設定を行わない他ユーザ向け映像はこれに限るものではなく、他の映像を表示しても構わない。
【0183】
同図(c)は、同図(b)に示す表示画面において、観賞者1が、「使用するリモコンの変更」を選択したときに表示装置100に表示される画面である。
【0184】
同図(c)では、「リモコンA(または、B〜D)」、「現在ユーザ1(または、2、3)さんが使用中」もしくは「誰も使用していません。」という項目が表示装置100に表示されている。
【0185】
そこで、観賞者1は、現在使用中のリモコンAを、誰も使用していないリモコンDに変更することを希望していることから、「リモコンD」「誰も使用していません」という項目からなる最終行を選択する(「〇」印))。そして、操作部300の図示しない「決定」ボタンを押すことにより、観賞者1は、自身が使用するリモコンをリモコンDに変更することができる。
【0186】
そして、同図(d)に示すように、観賞者1が使用するリモコンの設定変更が行われたことを受けて、表示装置100には、「ユーザ1さんは、現在リモコンDを使用する設定に変更されました。」という画面が表示される。これにより、観賞者1は、設定変更が無事に行われたことを確認することができる。
【0187】
なお、上記の設定変更前には、通信部18は、リモコンAから受信する信号を観賞者1が装着するシャッターメガネ400Aに関連付けて認識していたところ、上記の設定変更後においては、通信部18は、リモコンDから受信する信号をシャッターメガネ400Aに関連付けて認識する。別の言い方をすれば、設定変更前にはシャッターメガネ400Aで観賞するための映像として、表示装置100がシャッターメガネ400Aに同期して表示している映像に対してリモコンAで操作していたところ、設定変更後においては表示装置100がシャッターメガネ400Aに同期して表示している映像に対してリモコンDで操作できるようになる。
【0188】
以上の操作を経て、観賞者1は、自身が観賞する映像に対して使用するリモコンを、リモコンAからリモコンDへ変更することができる。
【0189】
次に、観賞者1が、自身の使用するリモコンを、リモコンAからリモコンDへ変更する流れを図12により説明する。図12は、観賞者が、自身が使用するリモコンを、リモコンAからリモコンDへ変更する流れを説明するためのフローチャートである。
【0190】
S110では、表示制御部12は、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果(表1参照)を記憶部200から取得して、その識別結果を表示装置100に表示させる。これにより、観賞者1は、自身がユーザ1であることを認識する。
【0191】
S120では、観賞者1が、観賞する使用するリモコンを変更することを希望し、操作部300の「設定変更ボタン」を押す。
【0192】
S130では、通信部18が、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、設定を変更する命令を受け付け、表示制御部12に、ユーザに設定変更の確認を要求する図11(a)の画面を表示させる。
【0193】
S140では、図11(a)の表示画面において、操作部300を介したユーザの入力操作が行われる。
【0194】
なお、図11(a)の表示画面におけるユーザの入力操作が終了すると、同様に、図11(b)、図11(c)の画面が表示され、図11(b)、図11(c)の表示画面において、操作部300を介したユーザの入力操作が行われる。図11(a)、同図11(b)、図11(c)の画面に対応するデータは、記憶部200に予め記憶させておき、表示制御部12が記憶部200から当該データを取得するようにしておけばよい。
【0195】
S150では、通信部18が、観賞者によって操作部300を介して入力された命令であって、使用するリモコンをリモコンAからリモコンDに変更する指示信号を受信する。そして、通信部18は、上記指示信号を受け付けた旨、およびその内容を示す信号を設定変更部19に出力する。
【0196】
S160では、設定変更部19は、通信部18から上記信号を受信すると、記憶部200に予め記憶されていた、図11(d)の画面に対応するデータを記憶部200から取得して、そのデータを表示制御部12に出力する。
【0197】
S170では、表示制御部12は、図11(d)の画面を表示装置100に表示させる。つまり、表示装置100には、「ユーザ1さんは、現在リモコンDを使用する設定に変更されました。」という画面が表示される。これにより、観賞者1は、設定変更が無事に行われたことを確認することができる。
【0198】
S180では、リモコンの設定変更前には、通信部18は、リモコンAから受信する信号を観賞者1が装着するシャッターメガネ400Aに関連付けて認識していたところ、リモコンの設定変更後には、通信部18は、リモコンDから受信する信号をシャッターメガネ400Aに関連付けて認識する。別の言い方をすれば、表示装置100がシャッターメガネ400Aに同期して表示している映像に対してリモコンDから受信する信号を関連付けて認識する。これにより、観賞者1が使用するリモコンの設定変更が終了する。なお、S180は、S170の前後の何れに行われてもよい。
【0199】
このようにして、使用メガネ識別装置30を用いることにより、特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、そのシャッターメガネ400に関連付けられた、使用リモコンを変更することができる。
【0200】
〔ゲームのプレーヤー選択〕
図9、図11を参照して説明した適用例では、映像の設定変更および使用するリモコンの変更は、観賞者の主体的な操作によって行われている。
【0201】
しかしながら、ここで説明する適用例では、ゲームのプレーヤー切換え、及びその切換えに伴う表示制御部12及び同期制御部13の制御が、観賞者の主体的な操作を介することなく、装置側において行われる点で、上記2つの適用例とは相違する。以下、その内容を具体的に説明する。
【0202】
まず、観賞者1(以下、「プレーヤー1」と称する)及び観賞者2(以下、「プレーヤー2」と称する)が、対戦式のゲームを行っており、それぞれシャッターメガネ400A及びシャッターメガネ400Bを装着しているものとする。また、当該ゲームを動作させるゲーム機は表示装置100の外部に設けられており、そのゲーム機は、表示装置100および使用メガネ識別装置10(20、30)に接続されているものとする。さらに、プレーヤー1及びプレーヤー2は、それぞれ表示装置100に表示される3D表示のゲーム映像を観ているものとする。このときの同期制御部13およびシャッターメガネ400A・シャッターメガネ400Bの動作を図13により説明する。
【0203】
図13は、映像A〜映像Dが表示装置100に表示されるタイミングとシャッターメガネ400Aおよびシャッターメガネ400Bの右目用シャッターあるいは左目用シャッターの開閉タイミングとが同期されていることを示すための図であり、同図(a)はプレーヤー切換前について、同図(b)はプレーヤー切換後について、それぞれ説明するための図である。
【0204】
なお、図中の「〇」は表示装置100に映像が表示され、「×」は表示装置100に映像が表示されないことを示す。また、映像A・Cは3D表示に用いられる右目用映像であり、映像B・Dは3D表示に用いられる左目用映像であるものとする。
【0205】
まず、同図(a)を用いて、プレーヤー切換前における、映像A〜映像Dが表示装置100に表示されるタイミング及びシャッターメガネ400Aおよびシャッターメガネ400Bの右目用シャッターあるいは左目用シャッターの開閉タイミングについて説明する。
【0206】
表示装置100には、映像A、映像B、映像C、映像Dが、その順番に表示される。ここで、映像A及び映像Bは、3次元表示に用いられる一対の右目用映像および左目用映像であり、シャッターメガネ400Aを装着したプレーヤー1に対して表示される。また、映像C及び映像Dは、3次元表示に用いられる一対の右目用映像および左目用映像であり、シャッターメガネ400Bを装着したプレーヤー2に対して表示される。
【0207】
同期制御部13は、映像Aが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Aの右目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Aの左目用シャッター、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Bが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Aの左目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Cが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Bの右目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Bの左目用シャッター、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Dが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Bの左目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。したがって、プレーヤー1は、プレーヤー2に対して表示される映像C・Dを観ることができず、プレーヤー2は、プレーヤー1に対して表示される映像A・Bを観ることができない状態となっている。
【0208】
この状態においてゲームが進展し、プレーヤーのある操作によって、プレーヤー1及びプレーヤー2に対して表示される映像が互いに切り換わる(プレーヤーが切り換わる)ケースを考える。なお、この切換えは、プレーヤーのある操作をトリガとして、ゲーム機に内蔵された、ゲームを動作させるプログラムによって行われるものとする。
【0209】
このとき、そのゲーム機は、表示装置100および使用メガネ識別装置10(20、30)に接続されており、プレーヤーの切換えを指示する信号(以下、「切換信号」と称する。)が、ゲーム機から使用メガネ識別装置10(20、30)の制御部11または命令受付部17へ送信される。そして、制御部11は、上記切換信号に応じて、図13(b)に示す制御を行う。
【0210】
同図(b)は、プレーヤー切換後における、映像A〜映像Dが表示装置100に表示されるタイミング及びシャッターメガネ400Aおよびシャッターメガネ400Bの右目用シャッターあるいは左目用シャッターの開閉タイミングについて説明する図である。
【0211】
同図(b)では、表示制御部12は、映像A、映像B、映像C、映像Dを、その順に表示装置100に表示させている。このとき、同期制御部13は、映像Aが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Bの右目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Bの左目用シャッター、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Bが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Bの左目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Cが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Aの右目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Aの左目用シャッター、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。また、同期制御部13は、映像Dが表示装置100に表示されるときにシャッターメガネ400Aの左目用シャッターを開とし、シャッターメガネ400Aの右目用シャッター、シャッターメガネ400Bの右目用シャッター・左目用シャッターを閉とするよう同期制御を行う。したがって、プレーヤー1は、プレーヤー2に対して表示される映像A・Bを観ることができず、プレーヤー2は、プレーヤー1に対して表示される映像C・Dを観ることができない状態となっている。
【0212】
このように、ゲーム機に内蔵されたプログラムと使用メガネ識別装置10(20、30)とが協働して動作することにより、プレーヤー1およびプレーヤー2に対して表示される映像の切り換え、すなわち、1つのゲームにおいて展開される2つの世界(2つの視点)をプレーヤーに提供させることができ、かつ、使用メガネ識別装置10(20、30)の動作によって、自らの識別情報(識別結果)を各プレーヤーに認識させることができる。その結果、自らの使用するコントローラも特定できるといった構成および効果も実現する。
【0213】
このように、使用メガネ識別装置10(20、30)は、ゲーム機に内蔵されたプログラムと協働することにより、プレーヤーの切換え、および当該切換えに伴う表示制御部12及び同期制御部13の制御を、観賞者の主体的な操作を介することなく、装置側でのみ実行する態様を実現することができる。
【0214】
さらに、使用メガネ識別装置10(20、30)は、ゲーム機に内蔵されたプログラムと協働することにより、次のような態様を実現することもできる。
【0215】
すなわち、プレーヤーとは異なる者(以下、「オブザーバー」と称する。)が存在する場合、あるいは、プレーヤーのある操作によって、プレーヤーをオブザーバーに切り換えることができる場合に、当該オブーザーバーに対して総ての映像(映像A〜映像D)を表示する構成である。
【0216】
〔プレーヤーとは異なるオブザーバーが参加する場合〕
本構成は、オブザーバーの装着するシャッターメガネをシャッターメガネ400Cとしたときに、シャッターメガネ400Cを用いて観賞するオブザーバー映像として、例えば3D映像の場合、映像E、映像F(2Dの場合、映像E)がさらに表示装置100に表示されるというものである。例えば、映像A、B、C、D、E、F、A、B・・・の順番で各映像が表示装置100に表示される。と同時に、シャッターメガネ400A、B、Cの同期タイミングも各映像に対応するものとする。つまり、映像E、映像Fが表示されるときには、シャッターメガネ400Aおよび400Bは、いずれも右目用シャッターおよび左目用シャッターが閉であり、プレーヤー1およびプレーヤー2は、映像E、映像Fを観賞することができない。
【0217】
逆に、オブザーバーは、映像A、B、C、Dが表示されるときには、シャッターメガネ400Cの右目用シャッターおよび左目用シャッターはいずれもシャッター閉となり、映像A、B、C、Dを観賞することができない。しかしながら、オブザーバーは、映像Eが表示されるときにはシャッターメガネ400Cの右目用シャッター開となり、映像Fが表示されるときには、シャッターメガネ400Cの左目用シャッターの開動作により、映像E、映像Fをそれぞれ右目、左目で観賞することができる。
【0218】
なお、オブザーバーが観賞可能な映像E、映像Fは、例えば映像A、B、C、Dをそれぞれ縮小した二画面の3D映像を一画面として観賞するように加工したものであってもよく、あるいは、プレーヤー1およびプレーヤー2の操作するキャラクターを別視点から観察する全く別の映像であってもよく、その内容は特に限定されない。
【0219】
〔プレーヤーがオブザーバーに切り換わる場合〕
本構成は、例えばプレーヤー1がオブザーバーに切り換わることにより、プレーヤー1が観賞可能であった映像が、映像A、映像Bから映像E、映像Fのようなオブザーバー用の映像に変更されるという構成であって、上記〔プレーヤーとは異なるオブザーバーが参加する場合〕で説明した単なるオブザーバー参加だけではなく、プレーヤーからオブザーバーへの切り換えといった複雑な動作をも含む構成である。
【0220】
この構成は、ゲーム機に内蔵されたプログラムと使用メガネ識別装置10(20、30)とが協働して動作することにより実現される。また、プレーヤーからオブザーバーに切り換わった後の映像A、映像Bから映像E、映像Fへの映像の切換えは、表示制御部12の動作によって実現される。また、映像E、映像Fの映像表示タイミングとシャッターメガネ400の右目用シャッターおよび左目用シャッターの開閉動作の同期制御は、同期制御部13の動作によって実現される。したがって、これらの詳細説明は省略する。
【0221】
以上のように、使用メガネ識別装置10(20、30)は、ゲーム機に内蔵されたプログラムと協働することにより、プレーヤーの切換え、および当該切換えに伴う表示制御部12及び同期制御部13の制御を、観賞者の主体的な操作を介することなく、装置側でのみ実行する態様を実現することができる。
【0222】
また、ゲーム機に内蔵されたプログラムと使用メガネ識別装置10(20、30)とが協働して動作することにより、プレーヤーの切換えのほか、たとえばプレーヤーの何らかの操作によって、映像が反転する、突然他のプレーヤーの操作するキャラクターの体を乗っ取り、そのキャラクターの視線を通した映像に切り換わる、といった種々の複雑な表示態様をも実現することができる。
【0223】
〔シャッターメガネ400について〕
次に、シャッターメガネ400のさらなる構成を図14により説明する。図14は、シャッターメガネ400のさらなる構成を説明するための概略図である。
【0224】
図示するように、シャッターメガネは、さらに、スピーカ410と報知部(報知手段)420とを備える。
【0225】
スピーカ410は、音声を出力するためのものである。使用メガネ識別装置30が、表示装置100に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、特定のシャッターメガネ400が有するスピーカに出力する音声制御部14を備えているときに、音声制御部14は、表示装置100に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、特定のシャッターメガネ400に対して出力する。その結果、当該特定のシャッターメガネ400から上記音声が出力される。
【0226】
なお、音声制御部14は、複数の観賞者がそれぞれ異なる映像を観賞しているときには、観賞者ごとに、その観賞者が使用するシャッターメガネ400に対応する映像に付随した音声をスピーカ410を通して聴かせるよう制御することもできる。
【0227】
同図では、スピーカ410は観賞者の左右の耳を覆う形状であり、左右のスピーカ410は、円弧状の接続部によって接続している。そして、観賞者がシャッターメガネ400を装着したときには、その接続部が観賞者の頭頂部付近に接し、それによりスピーカ410の重みを支える構造となっている。ただし、同図に記載されたスピーカ410の形状・構造は、あくまで一例であって、これに限られるものではない。
【0228】
報知部420は、識別情報取得部15から識別情報に関連付けられた識別結果を取得して、その識別結果を報知する。このとき、報知部420は、上記識別結果を、識別情報取得部15から取得してもよいし、通信部18を介して取得してもよい。
【0229】
あるいは、報知部420は、表示制御部12から観賞可能な映像の種類に関する映像種類情報を取得して、その映像種類情報に応じた映像の種類を報知する。このとき、報知部420は、上記映像種類情報を、表示制御部12から取得してもよいし、通信部18を介して取得してもよい。
【0230】
同図では、報知部420は、シャッターメガネ400の側面フレームに設けられており、4つの領域に区分けされている。その4つの領域は、個別に点灯、点滅等する構成としてよく、その点灯(点滅)する位置によって、あるいは、点灯あるいは点滅の種類、その色(白、赤、青、緑等)によって、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報としうる。
【0231】
また、上記4つの領域は、その点灯(点滅)する位置によって、映像の種類に関する映像種類情報を示す設定とすることができる。これにより、例えば、最右側の領域が点灯したときには、当該シャッターメガネ400により映画を観賞することができ、最左側の領域が点灯したときには、当該シャッターメガネ400によりニュースを観賞することができる、といった映像種類情報とすることができる。
【0232】
これにより、次のような効果を奏することもできる。
【0233】
すなわち、シャッターメガネ400に対して識別番号またはラベル等を直接付した場合、使用を繰り返すことにより、識別番号等が消えてしまう。また、観賞者のシャッターメガネ装着中に、シャッターメガネに付された識別番号またはラベル等を確認することができず、確認のためにはメガネを外す必要がある。さらに、同一のシャッターメガネを他装置に使用した場合には、装置側から見た認識番号(識別名称)が変わる場合もあるため、改めて装置側でのメガネ識別状態を観賞者が認識し直す必要がある。そのため、識別番号等を付していると、装置によって認識番号等に変更が生じた場合にかえって混乱を招く。
【0234】
これに対して、シャッターメガネ400が報知部420を備えることにより、シャッターメガネ400に対して識別番号またはラベル等を付す作業が必要なくなる。また使用することによって、識別番号が消えることもない。
【0235】
さらに、シャッターメガネ400の装着前は、観賞者に表示装置100を確認させることなく、報知部420により識別結果を直接的に観賞者に知らせることができる。また、シャッターメガネ400を装着した後は、表示装置100の表示により、識別結果を観賞者に認識させることができる。それゆえ、装着前後の二段階で、識別結果を観賞者に認識させることができる。したがって、識別結果を認識するうえで、シャッターメガネをかけ直す必要はない。
【0236】
また、本実施形態では、同一のシャッターメガネ400を他の使用メガネ識別装置に使用した場合においても、使用メガネ識別装置ごとに識別番号が認識されるため、混乱を招くこともない。
【0237】
このように、シャッターメガネ400は、種々の効果を奏することができる。
【0238】
ここで、同図に記載された報知部420の形状・構造は、あくまで一例であって、例えば液晶シャッターの液晶表示部を報知部420とする、あるいは報知部420として液晶表示して文字を表示するなど、種々の形状・構造によって実現することができる。また、図示していないが、シャッターメガネ400は、表示装置100、使用メガネ識別装置10(20、30)との間で無線接続または有線接続されることが好ましく、この場合には、無線接続または有線接続するための処理回路等を備える。ただし、そのような処理回路等は、従来の回路を用いることができるため、ここでの詳細説明は省略する。
【0239】
さらに、報知部420は、上記構成に限られず、次のような方法で実現されてもよい。具体的には、報知部420は、番号、文字、色、形、記号、名前等の視認可能で、かつ、変更可能な構成を有する形態で実現されてもよい。例えば、シャッターメガネ400を他の使用メガネ識別装置において使用し、使用メガネ識別装置ごとに識別番号が付与される場合を考える。このとき、報知部420が上記形態で実現されておれば、観賞者が表示装置400に表示された識別結果を認識し、その認識に応じて、報知部420の番号、文字等の構成を変更すればよい、これにより、観賞者は、次にシャッターメガネ400を装着するときには、報知部420の変更された構成を視認することにより、使用メガネ識別装置ごとに付与される識別情報(識別結果)を正しく、また迅速に認識することができる。
【0240】
このように、報知部420は種々の形態で実現することができる。
〔効果〕
以下、使用メガネ識別装置10(20、30)等によって得られる効果を説明する。
【0241】
使用メガネ識別装置10(20、30)は、表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400を識別する使用メガネ識別装置10(20、30)であって、
特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部15と、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果を表示装置100に表示させる表示制御部12と、を備えていることを特徴としている。
【0242】
また、映像観賞システム1(2、3)は、表示装置100と、その表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400とを含む映像観賞システム1(2、3)であって、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部15と、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた識別結果を表示装置100に表示させる表示制御部12と、を備えた使用メガネ識別装置10(20、30)を含むことを特徴としている。
【0243】
また、シャッターメガネ400は、表示装置100と、その表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400とを含む映像観賞システム1(2、3)であって、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部15と、識別情報取得部15が取得した識別情報に関連付けられた、観賞者が特定のシャッターメガネ400を使用していることを示す識別結果を表示装置100に表示させる表示制御部12と、を備えた使用メガネ識別装置10(20、30)を含む映像観賞システム1(2、3)に用いられることを特徴としている。
【0244】
近年、2D映像に加え、3D映像の観賞方法等に関する研究・開発が進められている。その一例として、複数の観賞者が観賞用メガネをそれぞれ装着し、各々が観賞したい映像を1つの表示装置で観賞する、といった観賞方法などが想定される。
【0245】
しかしながら、観賞したい映像と観賞したくない映像とが1つの表示装置において交互に表示され、映像に同期した観賞用メガネの動作によって所望の画像のみを選択して観賞するときに、観賞者は、自身が装着した映像観賞用メガネが何れの映像に対応するものであるか知ることができない。そのため、ある映像観賞用メガネを装着した結果、自身が希望する映像を観賞できないこともある。また、自身がどの映像観賞用メガネを装着しているか確認できないと、特定の映像観賞用メガネを識別したうえで、その映像観賞用メガネに対応する映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法も実現しえない。
【0246】
そこで、観賞方法を実現する前提として、そもそも、自身の装着する観賞用メガネを識別する識別結果を観賞者に認識させる必要がある。
【0247】
この点、本願発明では、識別情報取得部15が、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報(例えば、「メガネ1」という情報)を取得する。そして、表示制御部12が、「メガネ1」という識別情報に関連付けられた識別結果(例えば、「あなたはメガネ1を使用しています」という情報)を表示装置100に表示させる。これにより、観賞者は、表示装置100に表示された識別結果を確認し、自身が装着するメガネが特定のシャッターメガネ400(メガネ1)であることを認識することができる。
【0248】
このようにして、観賞者は、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別することができるため、特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、そのシャッターメガネ400に対応する映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することもできる。例を挙げれば、シャッターメガネ側のシャッター開閉タイミングが固定であり、その開状態に合うタイミングで、観賞したい映像を表示装置100に表示するようにしても構わないし、あるいはその逆に、表示装置100が順次表示している映像の中から観賞者が観賞したい映像(画像)表示のみを選択して観賞するようにシャッターメガネ側のシャッター開タイミングを合わせるようにしても構わない。
【0249】
なお、表示装置100と、その表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400と、使用メガネ識別装置10(20、30)を含む映像観賞システム1(2、3)も本発明の範疇に入る。さらに、そのような映像観賞システム1(2、3)に用いられるシャッターメガネ400も本発明の範疇に入る。
【0250】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、識別情報取得部15は、シャッターメガネ400との間で識別情報の通信が可能であってよい。
【0251】
上記構成とすることにより、識別情報取得部15は、識別情報を容易に取得することができる。すなわち、識別情報取得部15は、シャッターメガネ400との間で識別情報の通信が可能であるため、識別情報を取得する際に、キーボード等の操作部300を介して観賞者に識別情報を入力させる必要がなくなる。したがって、識別情報取得部15は、識別情報を迅速かつ確実に取得することができる。
【0252】
なお、使用メガネ識別装置10(20、30)とシャッターメガネ400との間の通信は、無線通信および有線通信の何れであってもよい。ただし、有線接続の場合には、観賞場所の制約や移動の制限が生じるため、そのような制約・制限が生じない赤外線通信、ブルートゥース等の無線接続とすることが好ましい。
【0253】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付部17を備え、命令受付部17は、変更された設定に関する設定情報を表示制御部12に出力し、表示制御部12は、設定情報に応じた映像を表示装置100に表示させる構成であってよい。
【0254】
上記構成によれば、命令受付部17は、映像の設定を変更する旨の命令を受け付け、さらに、変更された設定に関する設定情報を表示制御部12に出力する。そして、表示制御部12は、設定情報に応じた映像を表示装置100に表示させる。
【0255】
したがって、設定情報に応じた映像が表示装置100に表示されるため、観賞者は、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、その特定のシャッターメガネ400に対応する映像の設定を主体的に変更する、という発展的な観賞方法を実現することができる。
【0256】
なお、映像の設定(あるいは、設定の変更)とは、たとえば観賞する映像の設定(映像1から映像2への変更)、映像の画質の設定(明画面から暗画面への変更)など、映像に関する設定全般を対象とすることができる。また、表示装置100への映像の設定画面の表示、その設定画面への入力そのものは、従来の方法でなされてよい。
【0257】
また、表示装置100に表示された映像を観賞するシャッターメガネ400を識別する使用メガネ識別装置10(20、30)であって、特定のシャッターメガネ400を識別するための識別情報を取得する識別情報取得部15と、識別情報取得部15が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を表示装置100に表示させる表示制御部12とを備える使用メガネ識別装置10(20、30)に用いられる使用メガネ識別プログラムであって、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付ステップと、変更された設定に関する設定情報を表示制御部12に出力させる出力ステップと、表示制御部12に、設定情報に応じた映像を表示装置100に表示させる表示ステップと、をコンピュータに実行させるための使用メガネ識別プログラムも本発明の範疇に入る。
【0258】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、シャッターメガネ400が、表示装置100に表示される映像を観賞者に対して表示・非表示の状態に変更することが可能な右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するときに、右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる同期制御部13を備える構成であってよい。
【0259】
上記構成によれば、シャッターメガネ400は、表示装置100に表示される映像を観賞者に対して表示・非表示の状態に変更することが可能な右目用シャッターおよび左目用シャッターを有する。
【0260】
そして、使用メガネ識別装置10(20、30)は同期制御部13を備え、その同期制御部13は、シャッター開タイミングと識別結果表示タイミングとを同期させる。
【0261】
これにより、右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるタイミングで識別結果が表示装置100に表示されるため、観賞者は、識別結果を確実に認識することができる。
【0262】
それゆえ、使用メガネ識別装置10(20、30)は、シャッターメガネ400が右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するタイプのメガネである場合にも、同期制御部13を備えることにより、識別結果を観賞者に確実に認識させることができる。
【0263】
なお、シャッターメガネ400の一例として液晶シャッターが挙げられる。
【0264】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、観賞者によって操作部300を介して入力される命令であって、表示装置100に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付部17を備え、命令受付部17は、変更された設定に関する設定情報を同期制御部13に出力し、同期制御部13は、設定情報に応じて、表示装置100における映像の表示と、右目用シャッターおよび左目用シャッターの開閉動作とを同期させる構成であってよい。
【0265】
上記構成によれば、命令受付部17は、映像の設定を変更する旨の命令を受け付け、さらに、変更された設定に関する設定情報を表示制御部12に出力する。そして、表示制御部12は、設定情報に応じた映像を表示装置100に表示させる。さらに、使用メガネ識別装置10(20、30)は同期制御部13を備え、その同期制御部13は、変更された映像の設定に関する設定情報に応じて、表示装置100における映像の表示と、右目用シャッターおよび左目用シャッターの開閉動作とを同期させる。
【0266】
したがって、使用メガネ識別装置10(20、30)は、シャッターメガネ400が右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するタイプである場合にも、そのシャッターの開閉動作に同期した、観賞者によって変更された設定に関する設定情報に応じた映像が表示装置100に表示されるため、観賞者は、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別したうえで、その特定のシャッターメガネ400に対応する映像の設定を主体的に変更する、という発展的な観賞方法を実現することができる。
【0267】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、表示装置100に表示される映像が、3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であり、同期制御部13は、表示装置100における右目用映像の表示と右目用シャッターの開動作および左目用シャッターの閉動作とを同期させ、かつ、表示装置100における左目用映像の表示と右目用シャッターの閉動作および左目用シャッターの開動作とを同期させる構成であってよい。
【0268】
上記構成によれば、表示装置100には、3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像が表示される。
【0269】
このとき、同期制御部13は、右目用映像が表示装置100に表示されるときには、右目用シャッターを開に、左目用シャッターを閉に動作させ、かつ、左目用映像が表示装置100に表示されるときには、右目用シャッターを閉に、左目用シャッターを開に動作させる。
【0270】
したがって、表示装置100に表示される映像が3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であっても、使用メガネ識別装置10(20、30)は、同期制御部13を備えることにより、右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するシャッターメガネ400を用いる観賞者に対して、3次元表示に係る映像を観賞させることができる。しかも、このとき、観賞者は、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別する識別結果を表示装置100における表示から確認することもできる。
【0271】
それゆえ、使用メガネ識別装置10(20、30)は、表示装置100に表示される映像が3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であっても、3次元用映像とともに、上記識別結果を観賞者に対して表示させることができる。
【0272】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、識別情報取得部15が複数の識別情報を取得したときに、表示制御部12は、複数の識別情報に関連付けられたそれぞれの識別結果を、各々の識別情報に対応する特定のシャッターメガネ400によって観賞される映像とともに表示装置100に表示させる構成であってよい。
【0273】
上記構成によれば、たとえ複数の観賞者がそれぞれシャッターメガネ400を装着しているときでも、表示制御部12によって、複数の識別情報に関連付けられたそれぞれの識別結果が、各々の識別情報に対応する特定のシャッターメガネ400によって観賞される映像とともに表示装置100に表示される。
【0274】
したがって、複数の観賞者はそれぞれ、自身が装着している特定のシャッターメガネ400を識別することができ、それにより、特定のシャッターメガネ400を識別したうえで映像の設定を変更する、といった発展的な観賞方法を実現することも可能となる。
【0275】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、識別情報取得部15が複数の識別情報を取得したときに、同期制御部13は、複数の識別情報に対応する特定のシャッターメガネ400それぞれについて、シャッター開タイミングと識別結果表示タイミングとを同期させる構成であってよい。
【0276】
複数の観賞者がそれぞれシャッターメガネ400を装着しているときにおいても、識別情報取得部15は、それぞれのシャッターメガネ400に対応する複数の識別情報を取得することができる。そのとき、同期制御部13は、複数の識別情報に対応する特定のシャッターメガネ400それぞれについて、右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、表示制御部12が識別結果を表示装置100に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる。
【0277】
これにより、右目用シャッターあるいは左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるタイミングで識別結果が表示装置100に表示されるため、複数の観賞者はそれぞれ、識別結果を確実に認識することができる。
【0278】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、観賞者が特定のシャッターメガネ400を使用することを示す使用情報を取得するメガネ使用情報取得部16を備え、表示制御部12は、メガネ使用情報取得部16が取得した使用情報が入力されたことをトリガとして、シャッターメガネ400によって観賞される映像を表示装置100に表示させる構成であってよい。
【0279】
上記構成によれば、メガネ使用情報取得部16が取得した使用情報が入力されたことをトリガとして、特定のシャッターメガネ400によって観賞される映像が表示装置100に表示されるため、上記映像を表示装置100に常時表示しておく必要がない。
【0280】
したがって、不要な映像表示を抑制し、各特定のシャッターメガネ400の映像品質を高められるという効果が得られる。より具体的に説明すると、特定のシャッターメガネ400が4つ使用されており、各々の特定のシャッターメガネ400に対応する映像が4種類あるとする。このとき、本来であれば、表示装置100には各特定のシャッターメガネ400に対応する4つの映像を時分割して表示しなければならない。しかしながら、2つの特定のシャッターメガネ400不使用状態にあるときには、上記構成とすることにより、2つの映像のみが時分割して表示装置100に表示されることになる。つまり、表示装置100に時分割して表示される映像が4つから2つになることにより、観賞者は2倍の時間映像を観賞でき、それゆえ映像の明るさ、滑らかさ等の映像品質が向上するという効果を実現することができる。上記のように時分割数が変化すると、観賞者の観賞する映像の体感明るさ(映像観賞用メガネを介して観賞した明るさ)が変化する。観賞者が観賞環境上一定の体感明るさを所望する場合には、表示映像の輝度を変化させればよい。その場合でも、時分割数が減ることで観賞者は滑らかさが向上した映像を観賞することができる。
【0281】
なお、メガネ使用情報取得部16は、使用情報を、シャッターメガネ400との間の有線通信または無線通信によって取得すればよい。あるいは、メガネ使用情報取得部16は、使用情報を、操作部300を介した観賞者の入力操作によって取得してもよい。また、シャッターメガネ400は、たとえば電源ONのスイッチなどを備え、そのスイッチがONとなることにより、メガネ使用情報取得部16に対して使用情報を入力する構成としてもよく、使用情報の生成方法は、特に限定されない。
【0282】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)では、シャッターメガネ400は、音声を出力するためのスピーカを有し、表示装置100に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、特定のシャッターメガネ400が有するスピーカに出力する音声制御部14を備える構成であってよい。
【0283】
上記構成によれば、シャッターメガネ400は、音声を出力するためのスピーカを有する。そして、使用メガネ識別装置10(20、30)は音声制御部14を備え、その音声制御部14は、表示装置100に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、特定のシャッターメガネ400が有するスピーカに出力する。
【0284】
したがって、使用メガネ識別装置10(20、30)は、複数の観賞者がそれぞれ異なる映像を観賞しているときでも、観賞者ごとに、その観賞者が使用するシャッターメガネ400に対応する映像に付随した音声を聴かせることができ、よりユーザフレンドリーな観賞環境を観賞者に提供することができる。
【0285】
さらに、表示装置100は、何れかの使用メガネ識別装置10(20、30)を備える構成であってよい。
【0286】
上記構成によれば、使用メガネ識別装置10(20、30)が表示装置100に組み込まれるため、一体型の取り扱い容易な表示装置100を実現することができ、観賞者にとって利便性が高まるという効果を奏する。
【0287】
また、シャッターメガネ400では、使用メガネ識別装置から識別情報に関連付けられた識別結果を取得して、その識別結果を報知する報知部を備える構成であってもよい。
【0288】
また、シャッターメガネ400では、表示制御部12から観賞可能な映像の種類に関する映像種類情報を取得して、その映像種類情報に応じた映像の種類を報知する報知部を備える構成であってもよい。
【0289】
上記構成とすることにより、シャッターメガネ400の報知部には、識別結果または映像の種類が報知される。
【0290】
したがって、観賞者は、報知部を確認することにより、利用するシャッターメガネ400を識別することができる、あるいは、そのシャッターメガネ400で観賞可能な映像の種類を確認することができる。
【0291】
それゆえ、シャッターメガネ400の装着前は、表示装置100を確認させることなく、報知部により識別結果を直接的に観賞者に知らせることができる。また、シャッターメガネ400を装着した後は、表示装置100の表示により、識別結果を観賞者に認識させることができる。それゆえ、シャッターメガネ400は、装着前後の二段階で、識別結果を観賞者に認識させることができる。
【0292】
また、シャッターメガネ400は、シャッターメガネ400を装着する前に報知部を観賞者に確認させることができるため、観賞者は、表示装置100の表示を確認することなく、当該シャッターメガネ400によって観賞可能な映像の種類を知ることができる。これにより、よりユーザーフレンドリーなシャッターメガネ400を観賞者に提供することができる。
【0293】
なお、使用メガネ識別装置10(20、30)は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを各手段として動作させることにより使用メガネ識別装置10(20、30)をコンピュータにて実現させる使用メガネ識別プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0294】
〔補足〕
最後に、使用メガネ識別装置10(20、30)の各ブロック、特に使用メガネ識別装置10(20、30)の制御部11(表示制御部12、同期制御部13、音声制御部14)、識別情報取得部15、メガネ使用情報取得部16、命令受付部17(通信部18、設定変更部19)は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0295】
すなわち、使用メガネ識別装置10(20、30)は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである使用メガネ識別装置10(20、30)の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記使用メガネ識別装置10(20、30)に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0296】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R/ブルーレイディスク等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0297】
また、使用メガネ識別装置10(20、30)を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0298】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0299】
本発明は、表示装置に表示された映像を映像観賞用メガネにより観賞するときに、その映像観賞用メガネを識別するための識別結果を表示装置に表示させることが可能な使用メガネ識別装置、映像観賞システム、映像観賞用メガネ、使用メガネ識別プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び表示装置などに広く適用することができる。
【符号の説明】
【0300】
1、2、3 映像観賞システム
10、20、30 使用メガネ識別装置
11 制御部
12 表示制御部(表示制御手段)
13 同期制御部(同期制御手段)
14 音声制御部(音声制御手段)
15 識別情報取得部(識別情報取得手段)
16 メガネ使用情報取得部(使用情報取得手段)
17 命令受付部(命令受付手段)
18 通信部
19 設定変更部
100 表示装置
200 記憶部
300 操作部
400、400A、400B シャッターメガネ
410 スピーカ
420 報知部(報知手段)
500 記録再生装置
600 中継器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネを識別する使用メガネ識別装置であって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えていることを特徴とする使用メガネ識別装置。
【請求項2】
上記識別情報取得手段は、上記映像観賞用メガネとの間で上記識別情報の通信が可能であることを特徴とする請求項1に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項3】
上記観賞者によって操作部を介して入力される命令であって、上記表示装置に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付手段を備え、
上記命令受付手段は、変更された設定に関する設定情報を上記表示制御手段に出力し、上記表示制御手段は、上記設定情報に応じた映像を上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項4】
上記映像観賞用メガネが、上記表示装置に表示される映像を観賞者に対して表示・非表示の状態に変更することが可能な右目用シャッターおよび左目用シャッターを有するときに、
上記右目用シャッターあるいは上記左目用シャッターの少なくとも何れか一方が開となるシャッター開タイミングと、上記表示制御手段が上記識別結果を上記表示装置に表示させる識別結果表示タイミングとを同期させる同期制御手段を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項5】
上記観賞者によって操作部を介して入力される命令であって、上記表示装置に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付手段を備え、
上記命令受付手段は、変更された設定に関する設定情報を上記同期制御手段に出力し、上記同期制御手段は、上記設定情報に応じて、上記表示装置における映像の表示と、上記右目用シャッターおよび上記左目用シャッターの開閉動作とを同期させることを特徴とする請求項4に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項6】
上記表示装置に表示される映像が、3次元表示に用いることが可能な右目用映像および左目用映像であり、
上記同期制御手段は、上記表示装置における上記右目用映像の表示と上記右目用シャッターの開動作および上記左目用シャッターの閉動作とを同期させ、かつ、上記表示装置における上記左目用映像の表示と上記右目用シャッターの閉動作および上記左目用シャッターの開動作とを同期させることを特徴とする請求項4または5に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項7】
上記識別情報取得手段が複数の識別情報を取得したときに、
上記表示制御手段は、上記複数の識別情報に関連付けられたそれぞれの識別結果を、各々の識別情報に対応する特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像とともに上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項8】
上記識別情報取得手段が複数の識別情報を取得したときに、
上記同期制御手段は、上記複数の識別情報に対応する上記特定の映像観賞用メガネそれぞれについて、上記シャッター開タイミングと上記識別結果表示タイミングとを同期させることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項9】
観賞者が上記特定の映像観賞用メガネを使用することを示す使用情報を取得する使用情報取得手段を備え、
上記表示制御手段は、上記使用情報取得手段が取得した上記使用情報が入力されたことをトリガとして、上記特定の映像観賞用メガネによって観賞される映像を上記表示装置に表示させることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項10】
上記映像観賞用メガネは、音声を出力するための音声出力手段を有し、
上記表示装置に表示される映像に付随した音声に対応する音声データを、上記特定の映像観賞用メガネが有する上記音声出力手段に出力する音声制御手段を備えることを特徴とする請求項2〜9の何れか1項に記載の使用メガネ識別装置。
【請求項11】
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、
上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含むことを特徴とする映像観賞システム。
【請求項12】
表示装置と、その表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネとを含む映像観賞システムであって、特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた、観賞者が上記特定の映像観賞用メガネを使用していることを示す識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段と、を備えた使用メガネ識別装置を含む映像観賞システムに用いられることを特徴とする映像観賞用メガネ。
【請求項13】
上記使用メガネ識別装置から上記識別情報に関連付けられた識別結果を取得して、その識別結果を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の映像観賞用メガネ。
【請求項14】
上記表示制御手段から観賞可能な映像の種類に関する映像種類情報を取得して、その映像種類情報に応じた映像の種類を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の映像観賞用メガネ。
【請求項15】
表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネを識別する使用メガネ識別プログラムであって、
特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得ステップと、
上記識別情報取得ステップにて取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御ステップとをコンピュータに実行させるための使用メガネ識別プログラム。
【請求項16】
表示装置に表示された映像を観賞する映像観賞用メガネを識別する使用メガネ識別装置であって、特定の映像観賞用メガネを識別するための識別情報を取得する識別情報取得手段と、上記識別情報取得手段が取得した上記識別情報に関連付けられた識別結果を上記表示装置に表示させる表示制御手段とを備える使用メガネ識別装置に用いられる使用メガネ識別プログラムであって、
上記観賞者によって操作部を介して入力される命令であって、上記表示装置に表示される映像の設定を変更する命令を受け付ける命令受付ステップと、
変更された設定に関する設定情報を上記表示制御手段に出力させる出力ステップと、
上記表示制御手段に、上記設定情報に応じた映像を上記表示装置に表示させる表示ステップと、をコンピュータに実行させるための使用メガネ識別プログラム。
【請求項17】
請求項15または16に記載の使用メガネ識別プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
請求項1から10の何れか1項に記載の使用メガネ識別装置を備えた表示装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−244318(P2011−244318A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116206(P2010−116206)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】