説明

供給管

海面と、海底、特に深海の海底に配置される装置との間で、流体と、電流/電気信号とを伝達する供給管に関するものである。上記供給管は、多数の管(4、4’)と、束として集められている導電体/電線(6、6’)と、管(4、4’)及び導電体/電線(6、6’)の周囲を少なくとも部分的に覆うかそれらの間に配置される充填材(10、2、3、3’)と、上記管、導電体/電線、及び充填材を囲む保護用の被覆(1)とを備えている。上記供給管の負荷伝達要素(7)は、重量の軽い複合材料のロッド(7’)であり、それらは束として集められていても良く、個々に用いられていても良く、それらの組み合わせとして用いられていても良い。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、海面と海底、特に深海での海底に配置される装置との間で、流体と、電流/電気信号とを伝達する供給管に関するものであり、多数の管及び束になるように集められた導電体/電線と、上記管及び導電体/電線の周囲及び間の少なくとも一部に配置される充填材と、上記管、導電体/電線、及び充填材を囲む保護用の被覆とを含んでいる。
【0002】
このタイプの供給管は、海底の装置と海面の装置との間で、圧力のある液体、化学物質、流体、電気または光信号、及び電力を輸送することができるような構造として組立てられている。このような供給管の初期の型は、WO93/17176から知られている。このような供給管の典型的なものでは、輸送での負荷の大部分は、中心に配置されている鋼管の実質的な断面積にかかっている。従来技術のさらに別の例としては、英国公開特許公報GB2326177Aと、英国公開特許公報GB2326758Aとに開示されている。その全てを本発明が譲り受けている。
【0003】
電力供給管に関連する国際特許申請PCT/NO05/00215は、同時に提出されている。
【0004】
上述した重い鋼管の部分は、それら自体の重量のために上記供給管の実質的な重量を占めている。上記の管は、それらが負荷伝達要素として作用するためにそのような大きな断面積が必要なのであって、輸送される媒体が必要としているわけではない。それ故、従来の構造を備える供給管を用いることのできる海の深さは、制限されている。
【0005】
鋼鉄製のロープは、負荷伝達要素として用いられることが可能であることがすぐにわかる。しかしながら、このことは考えうる範囲での問題を解決することにはならない。鋼鉄製のロープはまた、重い管との組み合わせによって実質的に重量を占めることになり、これらは供給管に生じるストレスに対して効果を達成する前にそれ自体の重量のためにちぎれてしまい、大深度に届かない。
【0006】
多くの成果と蓄積は、どのようにしてこの供給管を現実の深い深度の海底、例えば2500メートルかそれ以上深い海底に下ろして用いることを可能とするかという解決策を見つけるために用いられてきた。
【0007】
これは、現在では、本発明から派生した技術、すなわち、浮遊プラットフォームのテンションレッグを用いる方法を組み合わせることにより解決している。例については、WO02/057560A1を参照するとよい。
【0008】
それ故、本発明では、前置きとして述べた種類の供給管が、分散された負荷伝達要素を含み、上記負荷伝達要素が軽量な複合材料のロッドであることを特徴としている。上記の軽量な複合材料のロッドは、強化繊維が埋め込まれたカーボンロッドであることが好ましい。上記のロッドは、束として集合しているか、個々に用いられていてもよく、それらの組み合わせとして用いられていても良い。
【0009】
複合材料は、鋼鉄とほぼ同じ負荷伝達容量を持つと同時に、その重量が鋼鉄より約10%低減されているといった優れた特性を有している。従って負荷伝達要素は、実質的に供給管全体の重量には寄与せず、その結果として供給管を深海で用いることを選択することができる。供給管は、深くなるほど重量低減を可能にする。複合材料の典型的な例としては、強化繊維が埋め込まれているカーボンロッドがある。
【0010】
一実施形態として、上記充填材、上記管、及び導電体/電線は、供給管の長手方向の軸について、螺旋または渦巻きの形状で配置されていても良い。
【0011】
第2の実施形態として、上記充填材、上記管、及び導電体/電線は、本質的にねじれまたは渦巻き構造がない実質的に直線の形状で配置されていても良い。
【0012】
上記負荷伝達要素は、ねじれた、または渦巻き構造の束として集められていても良く、上記束が上記供給管内部のコアの要素として中心に配置されていてもよい。
【0013】
代わりとして、上記供給管の上記負荷伝達要素は、上記供給管の長手方向の軸に関して周辺に多数の束として分布するように配置されていても良い。
【0014】
代わりとして、上記供給管は、その全ての範囲またはある区間で上記供給管に質量/重量を与えるために、さらに重量要素を含んでも良い。
【0015】
上記充填材、上記管、及び上記導電体/電線は、半径方向において複数の層に配置されても良い。
【0016】
一実施形態として、上記負荷伝達要素は、横断面において単一のロッドとして分布していても良く、いくつかは、束として集められることなくできる限りお互いに隣接して配置されていても良い。
【0017】
たとえ厳密に必要性が無くとも、好ましい実施の形態としては、上記充填材は、細長い水路の要素を形成しており、それらは各々の管及びケーブルの位置を保つために、少なくとも一部が各々の管及びケーブルを囲んでいる。
【0018】
他の、及びさらに別の目的、特徴、及び有利な効果は、以下に示すさらなる発明の実施の形態の記述、即ち上記目的の記述、及び付属する図面の記述とによって明らかになるであろう。
【0019】
図1は、負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管の第1の実施形態の横断面図である。
【0020】
図2は、本発明の供給管の第2の実施形態の横断面図である。
【0021】
図3は、複数の負荷伝達要素が周辺に配置されている本発明の供給管の他の実施形態の横断面図である。
【0022】
図4は、負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管の他の実施形態の横断面図である。
【0023】
図5は、負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【0024】
図6は、負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【0025】
図7は、負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【0026】
図8は、特徴的な細長い水路の要素を備えていない本発明の供給管の変形例の横断面図である。
【0027】
図9は、個々のロッドによって構成される負荷伝達要素が束として集められていない本発明の供給管の変形例の横断面図である。
【0028】
図1〜図9に示す上記供給管の横断面では、図示されていない2つの変形例が可能であると理解されるべきである。すなわち、1つは、上記供給管の個々の要素が上記供給管の長手方向の軸に関して、ある据え付ける間隔を備えるように配置されている変形例であり、1つは、上記の個々の要素が上記供給管の長手方向の軸に実質的に平行な直線の上にさらに沢山、または少なく配置されている変形例である。従来の供給管の詳細な構造と、参考となる製造方法とに関しては、前述した刊行物WO93/17176に記載されている。
【0029】
図1による上記供給管は、基本的に下記の要素、即ち複合材料のロッド7’の束からなる負荷伝達要素7と、例えばポリ塩化ビニル(PVC)の内部の水路要素3’と、導電体/電線6・6’と、一般的に鋼鉄で形成される流体管4・4’と、重量要素8または例えば鋼のロープの形状のさらなる強度要素8と、例えばポリエチレン(PE)の外側の被覆1とで構成されている。符号9’は、負荷伝達要素7の周囲に配置するゴム製の被覆のような摩擦材料であっても良い。符号9は、図3に示されるような流体管4・4’よりも大きな直径を有する管であっても良い。符号10は、水路要素3’と異なる充填物質を表しており、泡状の物質あるいは類似の物質であってもよい。実施形態では、ロッド7’は強化繊維が埋め込まれているカーボンロッドである。上記ロッドの直径は、大きさ6ミリメートルであるが、この大きさはなんら限定されるものではない。
【0030】
図2〜図6による上記供給管は、基本的に下記の要素、即ち複合材料のロッド7’の束からなる負荷伝達要素7と、内部の水路要素3’と、中間にある水路要素3と、外部の水路要素2と、導電体/電線6・6’と、一般的に鋼鉄で形成される流体管4・4’と、重量要素8または例えば鋼のロープの形状のさらなる強度要素8と、外側の被覆1とで構成されている。符号9’は、負荷伝達要素7の周囲に配置するゴム製の被覆のような摩擦材料であっても良い。
【0031】
これらの要素は、上記の図のほとんどで繰り返し見つけることができ、各々の図において同一の符号で示されている。しかし、図4及び図5では、重量要素/強化要素8は取り除かれており、PVCプロファイル8’と取り替えられている。図6では、1つの単一重量要素8である。
【0032】
図7は、横断面の範囲が幾分小さいが、1つの単一負荷伝達要素7の周りの中心に集められている流体管4のセットを備えており、単一のロッドが流体管4の周りに分散して形成している多数の負荷伝達要素7を備えている変形例を特に示している。上記単一のロッドの間に重量要素8が配置されていても良いが、ここでは一般的な鉛製のロッド8’’が配置されている。この変形例では、さらに導電体/電線6・6’と、流体管の外側のセット4’と、水路要素2・3と、外側の被覆1とを備えている。上記は、必要とするスペースが少ないコンパクトな供給管を提供する。
【0033】
図8は、水路要素が用いられておらず、泡状の物質などの充填物質10が用いられている供給管の別の特別な変形例を示す。その他の面では、上記のような要素を備えているが、横断面では異なって配置されている。
【0034】
図9は、顕著に異なる横断面を備える供給管の変形例を特に示している。上記横断面は、幾つかのより大きな流体管4’と、幾つかのより小さな流体管4と、幾つかのより小さな導電体/電線6と、個々はロッド7’の形状であるがロッドは束になっていない多数の負荷伝達要素7とを備えている。その上、上記供給管の中央部全体に伸長する水路要素2・3・3’を備えており、外側の被覆1を備えている。上記は、製造がより容易であり、製造コストがより安価である供給管を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管の第1の実施形態の横断面図である。
【図2】本発明の供給管の第2の実施形態の横断面図である。
【図3】複数の負荷伝達要素が周辺に配置されている本発明の供給管の他の実施形態の横断面図である。
【図4】負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管の他の実施形態の横断面図である。
【図5】負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【図6】負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【図7】負荷伝達要素が中心に配置されている本発明の供給管のさらに別の実施形態の横断面図である。
【図8】特徴的な細長い水路の要素を備えていない本発明の供給管の変形例の横断面図である。
【図9】個々のロッドによって構成される負荷伝達要素が束として集められていない本発明の供給管の変形例の横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海面と、海底、特に深海に配置される装置との間で、流体と、電流/電気信号とを伝達する供給管が、多数の管(4、4’)及び束として集められている導電体/電線(6、6’)と、上記管(4、4’)及び導電体/電線(6、6’)の周囲を少なくとも部分的に覆うか、それらの間に配置される充填材(10、2、3、3’)と、上記管、導電体/電線、及び充填材を囲む保護用の被覆(1)とを備えており、
上記供給管が分散された負荷伝達要素(7)を備えており、
上記負荷伝達要素(7)が軽量の複合材料のロッド(7’)であることを特徴とする供給管。
【請求項2】
上記軽量の複合材料のロッド(7’)は、強化繊維が埋め込まれているカーボンロッドであることを特徴とする請求項1に記載の供給管。
【請求項3】
上記充填材(10、2、3、3’)、管(4、4’)、及び導電体/電線(6、6’)は、上記供給管の長手方向に関して螺旋形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の供給管。
【請求項4】
上記充填材(10、2、3、3’)、管(4、4’)、及び導電体/電線(6、6’)は、本質的にねじれまたは渦巻き構造がない実質的に直線の形状に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の供給管。
【請求項5】
上記供給管の上記負荷伝達要素(7)は、渦巻き構造の束として集められ、上記供給管内部のコアの要素として中心に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の供給管。
【請求項6】
上記供給管の上記負荷伝達要素(7)は、上記供給管の長手方向に関して周辺に多数の束として分布するように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の供給管。
【請求項7】
上記供給管は、上記供給管に質量/重量を与えるために、重量要素(8)を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の供給管。
【請求項8】
上記充填材、上記管、及び導電体/電線は、半径方向において複数の層に配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の供給管。
【請求項9】
上記負荷伝達要素(7)は、横断面において分布している個別のロッド(7’)であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の供給管。
【請求項10】
上記充填材が細長い水路の要素(2、3,3’)を形成しており、
上記細長い水路の要素(2、3,3’)は、各々の上記管(4、4’)及び導電体/電線(6、6’)の相対的な位置を互いに保つために、上記充填材の少なくとも一部が各々の上記管(4、4’)及び導電体/電線(6、6’)を囲むことが可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の供給管。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−504469(P2008−504469A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516415(P2007−516415)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【国際出願番号】PCT/NO2005/000216
【国際公開番号】WO2005/124095
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(506417647)
【Fターム(参考)】