便座装置
【課題】簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能な便座装置を提供する。
【解決手段】便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋30とを備える。
便蓋30は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部33と、表面側透光部33の縁部の本体10側の後端39に埋設され、本体10から給電されることにより発光して表面側透光部33内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源34とを有している。また、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有している
【解決手段】便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋30とを備える。
便蓋30は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部33と、表面側透光部33の縁部の本体10側の後端39に埋設され、本体10から給電されることにより発光して表面側透光部33内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源34とを有している。また、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有している
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図8及び図9に従来の便座装置が開示されている。この便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、本体に揺動可能に設けられ、便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、本体又は便座に揺動可能に設けられ、便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備える。
【0003】
本体、便座又は便蓋は、内部透視構造であるスケルトン構造とされ、内部に光源としてのLEDが埋設されている。
【0004】
このような構成である従来の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮することに加え、スケルトン構造とされた本体、便座又は便蓋がLEDの発光により光って、良好な美観を呈する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−120448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の便座装置は、良好な美観のために便座又は便蓋を十分に発光させようとする場合、多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなければならず、製造コストが増加する傾向にある。
【0007】
これに対して、特開平9ー140633号公報開示の便座装置は、光源が便座又は便蓋に埋設されておらず、離れた光源から光ファイバーを介したり、照射したりすることにより便座又は便蓋の端面から光を導入し、便座又は便蓋の全体を光らせるものである。この場合、多数の光源を便座又は便蓋に埋設する必要がないことから、製造コストの低廉化を実現可能である。
【0008】
しかしながら、この便座装置では、離れた光源から光ファイバーを介して光を導入する場合、光ファイバーの分だけ材料コストが増加することに加えて、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合が生じるおそれがある。また、この便座装置では、離れた光源から照射して光を導入する場合、便座又は便蓋が開いた状態では、光の導入経路が断たれてしまい、便座又は便蓋が閉じた状態のときしか、便座又は便蓋を光らせることができない。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能な便座装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部と、該表面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該表面側透光部内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源とを有していることを特徴とする。
【0011】
このような構成である第1発明の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮する。
【0012】
そして、この便座装置では、表面側透光部の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源が本体から給電されることにより発光し、表面側透光部内を照射する。このため、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなくても、表面側透光部の全体が発光し、良好な美観を呈することができる。また、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができる。
【0013】
また、この便座装置は、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合も生じない。
【0014】
さらに、この便座装置では、LEDからなる表面側照射光源が便座又は便蓋に設けられた表面側透光部の縁部に埋設されていることから、便座又は便蓋が開いていても、閉じていても、表面側透光部の全体を光らせることができる。
【0015】
したがって、第1発明の便座装置は、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0016】
表面側透光部を構成する透光材料としては、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。
【0017】
表面側照射光源を構成するLEDは、少なくとも可視光を発するものであればよく、可視光とともに、赤外線又は紫外線を発するものであってもよい。また、表面側照射光源を構成するLEDは1つに限定されない。
【0018】
第1発明の便座装置において、前記部材は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有していることが好ましい。
【0019】
この場合、表面側照射光源から表面側透光部内に照射された光が不透光部で遮られて裏面側に伝わらない。このため、この便座装置は、より効果的に表面側透光部の全体を光らせることができる。また、不透光部の色彩が表面側透光部に表示され、便座又は便蓋が閉じた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部が存在しない場合には、便座又は便蓋が閉じた状態において、視線の先の便座又は便器が透けることとなるが、不透光部の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができる。
【0020】
第1発明の便座装置において、前記表面側透光部と前記不透光部との界面は光拡散処理されていることが好ましい。
【0021】
この場合、表面側照射光源から表面側透光部内に照射された光が表面側透光部と不透光部との界面で光拡散され、表面側透光部の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置は、より効果的に表面側透光部の全体を光らせることができる。光拡散処理としては、界面を微小な凹凸からなる粗面とする粗面化を採用することができる。
【0022】
第2発明の便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部と、該裏面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該裏面側透光部内を照射可能なLEDからなる裏面側照射光源とを有していることを特徴とする。
【0023】
このような構成である第2発明の便座装置も、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮する。
【0024】
そして、この便座装置では、裏面側透光部の縁部に埋設されたLEDからなる裏面側照射光源が本体から給電されることにより発光し、裏面側透光部内を照射する。このため、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなくても、裏面側透光部の全体が発光し、良好な美観を呈することができる。また、この便座装置も、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができる。
【0025】
また、この便座装置も、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合が生じない。
【0026】
さらに、この便座装置でも、LEDからなる裏面側照射光源が便座又は便蓋に設けられた裏面側透光部の縁部に埋設されていることから、便座又は便蓋が開いていても、閉じていても、裏面側透光部の全体を光らせることができる。
【0027】
したがって、第2発明の便座装置も、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0028】
裏面側透光部を構成する透光材料としては、上述の表面側透光部を構成する透光材料と同様のものを採用することができる。
【0029】
裏面側照射光源を構成するLEDは、上述の表面側照射光源を構成するLEDと同様のものを採用することができる。また、裏面側照射光源を構成するLEDも1つに限定されない。
【0030】
第2発明の便座装置において、前記部材は、前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有していることが好ましい。
【0031】
この場合、裏面側照射光源から裏面側透光部内に照射された光が不透光部で遮られて表面側に伝わらない。このため、この便座装置は、より効果的に裏面側透光部の全体を光らせることができる。また、不透光部の色彩が裏面側透光部に表示され、便座又は便蓋が開いた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部が存在しない場合には、便座又は便蓋が開いた状態において、視線の先の壁等が透けることとなるが、不透光部の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができる。
【0032】
第2発明の便座装置において、前記不透光部と前記裏面側透光部との界面は光拡散処理されていることが好ましい。
【0033】
この場合、裏面側照射光源から裏面側透光部内に照射された光が裏面側透光部と不透光部との界面で光拡散され、裏面側透光部の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置は、より効果的に裏面側透光部の全体を光らせることができる。光拡散処理としては、第1発明と同様、界面を微小な凹凸からなる粗面とする粗面化を採用することができる。
【0034】
第3発明の便座装置は、不透光部を有する第1発明と不透光部を有する第2発明とを組み合わせたものである。すなわち、この便座装置は、第1発明の便座装置であって、前記部材が前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有するものであり、かつ第2発明の便座装置であって、前記部材が前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有するものである。
【0035】
この場合、この便座装置は、便座及び便蓋の少なくとも一方の部材が表面側透光部と、不透光部と、裏面側透光部とを有するものである。そして、この便座装置は、表面側透光部及び裏面側透光部の全体をそれぞれ光らせて、一層良好な美観を呈することができる。
【0036】
第3発明の便座装置において、前記不透光部は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部と、該第1不透光部の裏面側全体に設けられ、該第1不透光部とは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部とからなり得る。
【0037】
この場合、不透光部を表面側と裏面側とで色違いにすることができる。このため、この便座装置は、一層良好な美観を呈することができる。
【0038】
第3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び前記裏面側照射光源は、一つの光源からなり得る。
【0039】
この場合、表面側照射光源及び裏面側照射光源を共通化して、部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化が可能となる。
【0040】
第1〜3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は、前記本体側である後端に設けられていることが好ましい。
【0041】
この場合、表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源と、表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源に給電する本体との距離を短くすることができ、便座装置の簡略化と製造コストの低廉化とが可能となる。
【0042】
第1〜3発明の便座装置において、前記透光材料は乳色であることが好ましい。
【0043】
この場合、表面側透光部及び/又は裏面側透光部の全体をほのかに光らせることができ、使用者に良好な印象を与えることができる。乳色は乳白色の他、白色以外の色と乳色との混合色であり得る。
【0044】
第1〜3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は電磁誘導によって給電されるものであり得る。
【0045】
この場合、非接触給電により、本体から表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源に直接給電するための配線が不要となるので、便座及び便蓋の開閉機構を簡易な構造とすることができる。例えば、便座内に設けられる暖房用ヒータのコイルを電磁誘導のための1次コイルとして採用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明を具体化した実施例1〜7を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0047】
図1〜図3に示すように、実施例1の便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋30とを備える。
【0048】
より詳しくは、本体10は、便器9の後方に設置される水洗タンク(図示しない)を覆うタンクカバー11とタンクカバー11の前面下方に設けられた便座便蓋軸支部12とを有する。
【0049】
便座20は、中央に開口21を有し、後方に一対の便座支持部22を有している。便座支持部22は、便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋軸支部12に揺動可能に軸支されている。
【0050】
便蓋30は、閉じた状態で便座20の全体を上方から覆う形状とされ、後方に一対の便蓋支持部32を有している。便蓋支持部32も、便座支持部22と同様に便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋支持部12に揺動可能に軸支されている。
【0051】
また、便蓋30は、図4及び図5に示すように、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部33と、表面側透光部33の縁部の本体10側の後端39に埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源34とを有している。表面側透光部33を構成する透光材料は、乳白色に着色された透明の例えばABS樹脂である。表面側照射光源34は、図3に示すように、配線16によって本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源34は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部33内を照射可能とされている。なお、配線16は、便蓋30の揺動を妨げないように、便蓋支持部32及び支持軸13の内部を経由して配設されている。
【0052】
さらに、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有している。不透光部35を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0053】
そして、不透光部35の表面側には、微小な凹凸からなる粗面38が形成されている。表面側透光部33と不透光部35との界面は、この粗面38によって光拡散処理されている。なお、表面側透光部33と不透光部35とは、二色成形により一体成形される。
【0054】
このような構成である実施例1の便座装置1は、便器9に固定されて便座20及び便蓋30としての機能を発揮する。そして、この便座装置1では、図6に示す便蓋30が閉じた状態及び図7に示す便蓋30が開いた状態において、表面側透光部33の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源34が本体10から給電されることにより発光し、図5に示すように、表面側透光部33内を照射する。このため、この便座装置1は、必ずしも多数のLEDを便座20又は便蓋30に埋設しなくても、表面側透光部33の全体が発光し、良好な美観を呈することができている。また、この便座装置1は、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができている。
【0055】
また、この便座装置1は、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座20又は便蓋30の開閉により光ファイバーが破損する不具合も生じない。
【0056】
さらに、この便座装置1では、LEDからなる表面側照射光源34が便蓋30に設けられた表面側透光部33の縁部に埋設されていることから、便蓋30が開いていても、閉じていても、表面側透光部33の全体を光らせることができている。
【0057】
したがって、実施例1の便座装置1は、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができており、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0058】
また、この便座装置1において、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有していることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光が不透光部35で遮られて裏面側に伝わらない。このため、この便座装置1は、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。また、不透光部35の色彩が表面側透光部33に表示され、便蓋30が閉じた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部35が存在しない場合には、便蓋30が閉じた状態において、視線の先の便座20又は便器9が透けることとなるが、不透光部35の存在によりそのようなことを回避することができており、この点においても優れた美観を呈することができている。
【0059】
さらに、この便座装置1において、表面側透光部33と不透光部35との界面は粗面38により光拡散処理されていることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光が表面側透光部33と不透光部35との界面で光拡散され、表面側透光部33の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置1は、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。
【0060】
また、この便座装置1において、表面側照射光源34は、本体10側である後端39に設けられていることから、表面側照射光源34と、表面側照射光源34に給電する本体10との距離を短くすることができており、便座装置の簡略化と製造コストの低廉化とが可能となっている。
【0061】
さらに、この便座装置1において、表面側透光部33を構成する透光材料が乳白色であることから、表面側透光部33の全体をほのかに光らせることができ、使用者に良好な印象を与えることができている。
【実施例2】
【0062】
図8〜図10に示すように、実施例2の便座装置2は、実施例1の便座装置1における便蓋30の代わりに、便蓋230を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0063】
便蓋230は、図8に示すように、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部233と、裏面側透光部233の縁部の本体10側の後端239に埋設された3個のLEDからなる裏面側照射光源234とを有している。裏面側照射光源234を構成するLEDの一部は、紫外線を照射可能なUV−LEDである。裏面側透光部233を構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。裏面側照射光源234も、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、裏面側照射光源234は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して裏面側透光部233内を照射可能とされている。
【0064】
さらに、便蓋230は、裏面側透光部233の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部235を有している。不透光部235を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0065】
そして、不透光部235との裏面側には、微小な凹凸からなる粗面238が形成されている。裏面側透光部233と不透光部235との界面は、この粗面238によって光拡散処理されている。
【0066】
このような構成である実施例2の便座装置2も、便器9に固定されて便座20及び便蓋230としての機能を発揮する。そして、この便座装置2では、図9に示す便蓋230が閉じた状態及び図10に示す便蓋230が開いた状態において、裏面側透光部233の縁部に埋設されたLEDからなる裏面側照射光源234が本体10から給電されることにより発光し、裏面側透光部233内を照射する。このため、この便座装置2も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0067】
また、この便座装置2において、便蓋230は、裏面側透光部233の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部235を有していることから、裏面側照射光源234から裏面側透光部233内に照射された光が不透光部235で遮られて表面側に伝わらない。このため、この便座装置2も、より効果的に裏面側透光部233の全体を光らせることができている。また、不透光部235の色彩が裏面側透光部233に表示され、便蓋230が開いた状態において、優れた美観を呈することができている。さらに、不透光部235が存在しない場合には、便蓋230が開いた状態において、視線の先の壁等が透けることとなるが、不透光部235の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができている。
【0068】
さらに、この便座装置2において、裏面側透光部233と不透光部235との界面は粗面238により光拡散処理されていることから、裏面側照射光源234から裏面側透光部233内に照射された光が裏面側透光部233と不透光部235との界面で光拡散され、裏面側透光部233の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置2も、より効果的に裏面側透光部233の全体を光らせることができている。
【0069】
また、この便座装置2において、裏面側照射光源234は、紫外線も照射可能であることから、図9に示す便蓋230が閉じた状態で、便座20及び便器9に紫外線を照射することができる。このため、この便座装置2は、紫外線による殺菌効果により、便座20及び便器9を清潔に保ち易くなっている。
【実施例3】
【0070】
図5及び図11に示すように、実施例3の便座装置3は、実施例1の便座装置1における便蓋30と同様の構成を有する便座320を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0071】
図5に示すように、便座320は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部333と、表面側透光部333の縁部の本体10側の後端339に埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源334とを有している。表面側透光部333を構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。表面側照射光源334も、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源334は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部333内を照射可能とされている。
【0072】
さらに、便座320は、表面側透光部333の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部335を有している。不透光部335を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0073】
そして、不透光部335との表面側には、微小な凹凸からなる粗面338が形成されている。表面側透光部333と不透光部335との界面は、この粗面338によって光拡散処理されている。
【0074】
このような構成である実施例3の便座装置3も、便器9に固定されて便座320及び便蓋30としての機能を発揮する。そして、この便座装置3では、図11に示す便座320が閉じた状態及び便座320が開いた状態(図示しない)において、表面側透光部333の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源334が本体10から給電されることにより発光し、表面側透光部333内を照射する。このため、この便座装置3も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【実施例4】
【0075】
図12に示すように、実施例4の便座装置は、実施例1の便座装置1における便蓋30の代わりに、便蓋430を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0076】
便蓋430は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部433mと、表面側透光部433mの縁部の本体10側の後端439mに埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源434mとを有している。表面側透光部433mを構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。表面側照射光源434mも、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源434mは、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部433m内を照射可能とされている。
【0077】
また、便蓋430は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部433nと、裏面側透光部433nの縁部の本体10側の後端439nに埋設された3個のLEDからなる裏面側照射光源434nとを有している。裏面側透光部433nを構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。裏面側照射光源434nも、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、裏面側照射光源434nも、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して裏面側透光部433n内を照射可能とされている。
【0078】
さらに、便蓋430は、表面側透光部433mの裏面側全体であって、かつ裏面側透光部433nの表面側全体、すなわち、表面側透光部433mと裏面側透光部433nとの中間層に設けられた不透光材料からなる不透光部435を有している。
【0079】
不透光部435は、さらに、表面側透光部433mの裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部435mと、第1不透光部435mの裏面側全体に設けられ、第1不透光部435mとは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部435nとからなる。
【0080】
第1不透光部435mを構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0081】
そして、第1不透光部435mとの表面側には、微小な凹凸からなる粗面438mが形成されている。表面側透光部433mと第1不透光部435mとの界面は、この粗面438mによって光拡散処理されている。
【0082】
第2不透光部435nを構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。そして、第2不透光部435nは、第1不透光部435mとは異なる色に着色されている。
【0083】
そして、第2不透光部435nとの裏面側には、微小な凹凸からなる粗面438nが形成されている。裏面側透光部433nと第2不透光部435nとの界面は、この粗面438nによって光拡散処理されている。
【0084】
このような構成である実施例4の便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0085】
また、この便座装置は、便蓋430が表面側透光部433mと、不透光部435と、裏面側透光部433nとを有することから、表面側透光部433m及び裏面側透光部433nの全体をそれぞれ光らせることができ、一層良好な美観を呈することができている。
【0086】
また、この便座装置において、不透光部435は、第1不透光部435mと、第1不透光部435mとは異なる色の第2不透光部435nとからなることから、不透光部435を表面側と裏面側とで色違いにすることができている。このため、この便座装置は、一層良好な美観を呈することができている。
【0087】
なお、図13に示すように、別々に配設された表面側照射光源434m及び裏面側照射光源434nの代わりに、表面側透光部433m及び裏面側透光部433mを同時に照射可能な光源434を採用しても良い。この場合、表面側透光部433m及び裏面側透光部433nを別々に光らせることはできなくなるが、部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化が可能となる。
【実施例5】
【0088】
図14に示すように、実施例5の便座装置は、実施例1の便座装置1における便座30の代わりに、便座530を採用している。そして、便座530は、実施例1の便座30の不透光部35のみを半透明部535に置き換えたものである。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0089】
便蓋530は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた半透明材料からなる半透明部535を有している。半透明部535を構成する半透明材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料に、マイカ等のパール顔料、ガラスフレーク若しくは金属箔粉顔料等の光輝性材料535aを分散させた半透明な材料である。
【0090】
このような構成である実施例5の便座装置も、便器9に固定されて便座20及び便蓋530としての機能を発揮する。そして、この便座装置では、便蓋530が閉じた状態及び便蓋530が開いた状態において、表面側透光部33の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源34が本体10から給電されることにより発光し、表面側透光部33内を照射する。このため、この便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0091】
また、この便座装置において、便蓋530は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた半透明部535を有していることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光の一部が半透明部535内に分散された光揮性材料535aによって乱反射され、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。さらに、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光の一部が半透明部535内を乱反射しながら裏面側に通過して、便蓋530の裏面側もほのかに光らせることができる。このため、この便器装置は、一層優れた美観を呈することができている。さらに、この便座装置は、半透明部535の存在により便蓋530の表面側又は裏面側の一方から他方が透けて見えてしまうことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができている。なお、便座20を便蓋530と同様の構成とした場合にも、同様の作用効果を奏することができる。
【実施例6】
【0092】
実施例6の便座装置は、実施例1の便座装置1において、表面側照射光源34と電源回路15とを電気的に接続する配線16の代わりに、図15に示すように、1次コイル616aと2次コイル616bとを設置し、電磁誘導によって表面側照射光源34に給電するものである。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので説明は省く。
【0093】
1次コイル616aは、支持軸13の内部に配設され、本体10の電源回路15と電気的に接続されている。他方、2次コイル616bは、便蓋支持部32の内部に配設され、表面側照射光源34に電気的に接続されている。
【0094】
そして、電源回路15から1次コイル616aに給電されると、電磁誘導により2次コイル616bにも電流が流れて表面側照射光源34が発光するようになっている。
【0095】
このような構成である実施例6の便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0096】
また、この便座装置は、非接触給電により、本体10から表面側照射光源34に直接給電するための配線16が不要となっているので、便座20及び便蓋30の開閉機構を簡易な構造とすることができている。
【0097】
なお、図16に示すように、1次コイル616a及び2次コイル616bの代わりに、光給電用LED616c及び光電変換素子616dを採用して、非接触給電をしてもよい。また、電気発熱体及び熱電変換素子による非接触給電を採用することも可能である。
【実施例7】
【0098】
実施例7の便座装置7は、実施例6の便座装置における1次コイル616a及び2次コイル616bの代わりに、図17に示すように、便座20内に設けられる暖房用ヒータ29の一部に1次コイル716aを設置し、便蓋30の裏面側の1次コイル716aに対応する位置に2次コイル716bを設置し、電磁誘導によって表面側照射光源34に給電するものである。その他の構成は、実施例6の便座装置と同様であるので説明は省く。
【0099】
このような構成である実施例7の便座装置7も、実施例6の便座装置と同様の作用効果を奏することができている。
【0100】
以上において、本発明を実施例1〜7に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜7に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は便座装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】実施例1の便座装置を示す斜視図である(便蓋が閉じた状態)。
【図2】実施例1の便座装置を示す斜視図である(便蓋が開いた状態)。
【図3】実施例1の便座装置を示す上面図である(便蓋が閉じた状態)。
【図4】実施例1の便座装置に係り、便蓋の断面図(図3のIV−IV断面を示す)である。
【図5】実施例1の便座装置に係る便蓋及び実施例3の便座装置に係る便座の要部拡大断面図である。
【図6】実施例1の便座装置を示す側面図である(便蓋が閉じた状態で、便蓋の表面側が発光)。
【図7】実施例1の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便蓋の表面側が発光)。
【図8】実施例2の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図9】実施例2の便座装置を示す側面図である(便蓋が閉じた状態で、便蓋の裏面側が発光)。
【図10】実施例2の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便蓋の裏面側が発光)。
【図11】実施例3の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便座の表面側が発光)。
【図12】実施例4の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図13】実施例4の便座装置に係り、変形例を示す便蓋の要部拡大断面図である。
【図14】実施例5の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図15】実施例6の便座装置に係り、便座便蓋軸支部及び便蓋支持部の要部拡大部分断面図である(図3のZ部を示す)。
【図16】実施例6の便座装置に係り、変形例を示す便座便蓋軸支部及び便蓋支持部の要部拡大部分断面図である(図3のZ部を示す)。
【図17】実施例7の便座装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0103】
1、2、3、7…便座装置
9…便器
10…本体
20、320…便座
30、230、430…便蓋
33、333、433m…表面側透光部
233、433n…裏面側透光部
34、334、434m…表面側照射光源
234、434n…裏面側照射光源
434…光源
35、235、335、435…不透光部
435m…第1不透光部
435n…第2不透光部
535…半透明部
39、339、439m…表面側透光部の縁部の本体側の後端
239、439n…裏面側透光部の縁部の本体側の後端
616a、716a…1次コイル
616b、716b…2次コイル
【技術分野】
【0001】
本発明は便座装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図8及び図9に従来の便座装置が開示されている。この便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、本体に揺動可能に設けられ、便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、本体又は便座に揺動可能に設けられ、便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備える。
【0003】
本体、便座又は便蓋は、内部透視構造であるスケルトン構造とされ、内部に光源としてのLEDが埋設されている。
【0004】
このような構成である従来の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮することに加え、スケルトン構造とされた本体、便座又は便蓋がLEDの発光により光って、良好な美観を呈する。
【0005】
【特許文献1】特開2001−120448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の便座装置は、良好な美観のために便座又は便蓋を十分に発光させようとする場合、多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなければならず、製造コストが増加する傾向にある。
【0007】
これに対して、特開平9ー140633号公報開示の便座装置は、光源が便座又は便蓋に埋設されておらず、離れた光源から光ファイバーを介したり、照射したりすることにより便座又は便蓋の端面から光を導入し、便座又は便蓋の全体を光らせるものである。この場合、多数の光源を便座又は便蓋に埋設する必要がないことから、製造コストの低廉化を実現可能である。
【0008】
しかしながら、この便座装置では、離れた光源から光ファイバーを介して光を導入する場合、光ファイバーの分だけ材料コストが増加することに加えて、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合が生じるおそれがある。また、この便座装置では、離れた光源から照射して光を導入する場合、便座又は便蓋が開いた状態では、光の導入経路が断たれてしまい、便座又は便蓋が閉じた状態のときしか、便座又は便蓋を光らせることができない。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能な便座装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部と、該表面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該表面側透光部内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源とを有していることを特徴とする。
【0011】
このような構成である第1発明の便座装置は、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮する。
【0012】
そして、この便座装置では、表面側透光部の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源が本体から給電されることにより発光し、表面側透光部内を照射する。このため、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなくても、表面側透光部の全体が発光し、良好な美観を呈することができる。また、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができる。
【0013】
また、この便座装置は、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合も生じない。
【0014】
さらに、この便座装置では、LEDからなる表面側照射光源が便座又は便蓋に設けられた表面側透光部の縁部に埋設されていることから、便座又は便蓋が開いていても、閉じていても、表面側透光部の全体を光らせることができる。
【0015】
したがって、第1発明の便座装置は、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0016】
表面側透光部を構成する透光材料としては、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。
【0017】
表面側照射光源を構成するLEDは、少なくとも可視光を発するものであればよく、可視光とともに、赤外線又は紫外線を発するものであってもよい。また、表面側照射光源を構成するLEDは1つに限定されない。
【0018】
第1発明の便座装置において、前記部材は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有していることが好ましい。
【0019】
この場合、表面側照射光源から表面側透光部内に照射された光が不透光部で遮られて裏面側に伝わらない。このため、この便座装置は、より効果的に表面側透光部の全体を光らせることができる。また、不透光部の色彩が表面側透光部に表示され、便座又は便蓋が閉じた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部が存在しない場合には、便座又は便蓋が閉じた状態において、視線の先の便座又は便器が透けることとなるが、不透光部の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができる。
【0020】
第1発明の便座装置において、前記表面側透光部と前記不透光部との界面は光拡散処理されていることが好ましい。
【0021】
この場合、表面側照射光源から表面側透光部内に照射された光が表面側透光部と不透光部との界面で光拡散され、表面側透光部の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置は、より効果的に表面側透光部の全体を光らせることができる。光拡散処理としては、界面を微小な凹凸からなる粗面とする粗面化を採用することができる。
【0022】
第2発明の便座装置は、洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部と、該裏面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該裏面側透光部内を照射可能なLEDからなる裏面側照射光源とを有していることを特徴とする。
【0023】
このような構成である第2発明の便座装置も、便器に固定されて便座及び便蓋としての機能を発揮する。
【0024】
そして、この便座装置では、裏面側透光部の縁部に埋設されたLEDからなる裏面側照射光源が本体から給電されることにより発光し、裏面側透光部内を照射する。このため、この便座装置は、必ずしも多数のLEDを便座又は便蓋に埋設しなくても、裏面側透光部の全体が発光し、良好な美観を呈することができる。また、この便座装置も、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができる。
【0025】
また、この便座装置も、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座又は便蓋の開閉により光ファイバーが破損する不具合が生じない。
【0026】
さらに、この便座装置でも、LEDからなる裏面側照射光源が便座又は便蓋に設けられた裏面側透光部の縁部に埋設されていることから、便座又は便蓋が開いていても、閉じていても、裏面側透光部の全体を光らせることができる。
【0027】
したがって、第2発明の便座装置も、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができ、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0028】
裏面側透光部を構成する透光材料としては、上述の表面側透光部を構成する透光材料と同様のものを採用することができる。
【0029】
裏面側照射光源を構成するLEDは、上述の表面側照射光源を構成するLEDと同様のものを採用することができる。また、裏面側照射光源を構成するLEDも1つに限定されない。
【0030】
第2発明の便座装置において、前記部材は、前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有していることが好ましい。
【0031】
この場合、裏面側照射光源から裏面側透光部内に照射された光が不透光部で遮られて表面側に伝わらない。このため、この便座装置は、より効果的に裏面側透光部の全体を光らせることができる。また、不透光部の色彩が裏面側透光部に表示され、便座又は便蓋が開いた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部が存在しない場合には、便座又は便蓋が開いた状態において、視線の先の壁等が透けることとなるが、不透光部の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができる。
【0032】
第2発明の便座装置において、前記不透光部と前記裏面側透光部との界面は光拡散処理されていることが好ましい。
【0033】
この場合、裏面側照射光源から裏面側透光部内に照射された光が裏面側透光部と不透光部との界面で光拡散され、裏面側透光部の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置は、より効果的に裏面側透光部の全体を光らせることができる。光拡散処理としては、第1発明と同様、界面を微小な凹凸からなる粗面とする粗面化を採用することができる。
【0034】
第3発明の便座装置は、不透光部を有する第1発明と不透光部を有する第2発明とを組み合わせたものである。すなわち、この便座装置は、第1発明の便座装置であって、前記部材が前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有するものであり、かつ第2発明の便座装置であって、前記部材が前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有するものである。
【0035】
この場合、この便座装置は、便座及び便蓋の少なくとも一方の部材が表面側透光部と、不透光部と、裏面側透光部とを有するものである。そして、この便座装置は、表面側透光部及び裏面側透光部の全体をそれぞれ光らせて、一層良好な美観を呈することができる。
【0036】
第3発明の便座装置において、前記不透光部は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部と、該第1不透光部の裏面側全体に設けられ、該第1不透光部とは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部とからなり得る。
【0037】
この場合、不透光部を表面側と裏面側とで色違いにすることができる。このため、この便座装置は、一層良好な美観を呈することができる。
【0038】
第3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び前記裏面側照射光源は、一つの光源からなり得る。
【0039】
この場合、表面側照射光源及び裏面側照射光源を共通化して、部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化が可能となる。
【0040】
第1〜3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は、前記本体側である後端に設けられていることが好ましい。
【0041】
この場合、表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源と、表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源に給電する本体との距離を短くすることができ、便座装置の簡略化と製造コストの低廉化とが可能となる。
【0042】
第1〜3発明の便座装置において、前記透光材料は乳色であることが好ましい。
【0043】
この場合、表面側透光部及び/又は裏面側透光部の全体をほのかに光らせることができ、使用者に良好な印象を与えることができる。乳色は乳白色の他、白色以外の色と乳色との混合色であり得る。
【0044】
第1〜3発明の便座装置において、前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は電磁誘導によって給電されるものであり得る。
【0045】
この場合、非接触給電により、本体から表面側照射光源及び/又は裏面側照射光源に直接給電するための配線が不要となるので、便座及び便蓋の開閉機構を簡易な構造とすることができる。例えば、便座内に設けられる暖房用ヒータのコイルを電磁誘導のための1次コイルとして採用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明を具体化した実施例1〜7を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0047】
図1〜図3に示すように、実施例1の便座装置1は、洋風水洗式の便器9に固定される本体10と、本体10に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して人が着座可能な便座20と、本体10又は便座20に揺動可能に設けられ、便器9上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋30とを備える。
【0048】
より詳しくは、本体10は、便器9の後方に設置される水洗タンク(図示しない)を覆うタンクカバー11とタンクカバー11の前面下方に設けられた便座便蓋軸支部12とを有する。
【0049】
便座20は、中央に開口21を有し、後方に一対の便座支持部22を有している。便座支持部22は、便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋軸支部12に揺動可能に軸支されている。
【0050】
便蓋30は、閉じた状態で便座20の全体を上方から覆う形状とされ、後方に一対の便蓋支持部32を有している。便蓋支持部32も、便座支持部22と同様に便座便蓋軸支部12の両側面に向けて突出するように形成され、便座便蓋支持部12に揺動可能に軸支されている。
【0051】
また、便蓋30は、図4及び図5に示すように、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部33と、表面側透光部33の縁部の本体10側の後端39に埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源34とを有している。表面側透光部33を構成する透光材料は、乳白色に着色された透明の例えばABS樹脂である。表面側照射光源34は、図3に示すように、配線16によって本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源34は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部33内を照射可能とされている。なお、配線16は、便蓋30の揺動を妨げないように、便蓋支持部32及び支持軸13の内部を経由して配設されている。
【0052】
さらに、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有している。不透光部35を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0053】
そして、不透光部35の表面側には、微小な凹凸からなる粗面38が形成されている。表面側透光部33と不透光部35との界面は、この粗面38によって光拡散処理されている。なお、表面側透光部33と不透光部35とは、二色成形により一体成形される。
【0054】
このような構成である実施例1の便座装置1は、便器9に固定されて便座20及び便蓋30としての機能を発揮する。そして、この便座装置1では、図6に示す便蓋30が閉じた状態及び図7に示す便蓋30が開いた状態において、表面側透光部33の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源34が本体10から給電されることにより発光し、図5に示すように、表面側透光部33内を照射する。このため、この便座装置1は、必ずしも多数のLEDを便座20又は便蓋30に埋設しなくても、表面側透光部33の全体が発光し、良好な美観を呈することができている。また、この便座装置1は、必ずしも多数のLEDを埋設する必要がないことから、製造コストを抑制することができている。
【0055】
また、この便座装置1は、光ファイバーを使用していないので、光ファイバーの分の材料コストの増加も生じず、便座20又は便蓋30の開閉により光ファイバーが破損する不具合も生じない。
【0056】
さらに、この便座装置1では、LEDからなる表面側照射光源34が便蓋30に設けられた表面側透光部33の縁部に埋設されていることから、便蓋30が開いていても、閉じていても、表面側透光部33の全体を光らせることができている。
【0057】
したがって、実施例1の便座装置1は、簡易な構造で、容易に発光による良好な美観を呈することができており、かつ製造コストの上昇を抑制可能である。
【0058】
また、この便座装置1において、便蓋30は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部35を有していることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光が不透光部35で遮られて裏面側に伝わらない。このため、この便座装置1は、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。また、不透光部35の色彩が表面側透光部33に表示され、便蓋30が閉じた状態において、優れた美観を呈する。さらに、不透光部35が存在しない場合には、便蓋30が閉じた状態において、視線の先の便座20又は便器9が透けることとなるが、不透光部35の存在によりそのようなことを回避することができており、この点においても優れた美観を呈することができている。
【0059】
さらに、この便座装置1において、表面側透光部33と不透光部35との界面は粗面38により光拡散処理されていることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光が表面側透光部33と不透光部35との界面で光拡散され、表面側透光部33の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置1は、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。
【0060】
また、この便座装置1において、表面側照射光源34は、本体10側である後端39に設けられていることから、表面側照射光源34と、表面側照射光源34に給電する本体10との距離を短くすることができており、便座装置の簡略化と製造コストの低廉化とが可能となっている。
【0061】
さらに、この便座装置1において、表面側透光部33を構成する透光材料が乳白色であることから、表面側透光部33の全体をほのかに光らせることができ、使用者に良好な印象を与えることができている。
【実施例2】
【0062】
図8〜図10に示すように、実施例2の便座装置2は、実施例1の便座装置1における便蓋30の代わりに、便蓋230を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0063】
便蓋230は、図8に示すように、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部233と、裏面側透光部233の縁部の本体10側の後端239に埋設された3個のLEDからなる裏面側照射光源234とを有している。裏面側照射光源234を構成するLEDの一部は、紫外線を照射可能なUV−LEDである。裏面側透光部233を構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。裏面側照射光源234も、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、裏面側照射光源234は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して裏面側透光部233内を照射可能とされている。
【0064】
さらに、便蓋230は、裏面側透光部233の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部235を有している。不透光部235を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0065】
そして、不透光部235との裏面側には、微小な凹凸からなる粗面238が形成されている。裏面側透光部233と不透光部235との界面は、この粗面238によって光拡散処理されている。
【0066】
このような構成である実施例2の便座装置2も、便器9に固定されて便座20及び便蓋230としての機能を発揮する。そして、この便座装置2では、図9に示す便蓋230が閉じた状態及び図10に示す便蓋230が開いた状態において、裏面側透光部233の縁部に埋設されたLEDからなる裏面側照射光源234が本体10から給電されることにより発光し、裏面側透光部233内を照射する。このため、この便座装置2も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0067】
また、この便座装置2において、便蓋230は、裏面側透光部233の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部235を有していることから、裏面側照射光源234から裏面側透光部233内に照射された光が不透光部235で遮られて表面側に伝わらない。このため、この便座装置2も、より効果的に裏面側透光部233の全体を光らせることができている。また、不透光部235の色彩が裏面側透光部233に表示され、便蓋230が開いた状態において、優れた美観を呈することができている。さらに、不透光部235が存在しない場合には、便蓋230が開いた状態において、視線の先の壁等が透けることとなるが、不透光部235の存在によりそのようなことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができている。
【0068】
さらに、この便座装置2において、裏面側透光部233と不透光部235との界面は粗面238により光拡散処理されていることから、裏面側照射光源234から裏面側透光部233内に照射された光が裏面側透光部233と不透光部235との界面で光拡散され、裏面側透光部233の全体により確実に行き渡る。このため、この便座装置2も、より効果的に裏面側透光部233の全体を光らせることができている。
【0069】
また、この便座装置2において、裏面側照射光源234は、紫外線も照射可能であることから、図9に示す便蓋230が閉じた状態で、便座20及び便器9に紫外線を照射することができる。このため、この便座装置2は、紫外線による殺菌効果により、便座20及び便器9を清潔に保ち易くなっている。
【実施例3】
【0070】
図5及び図11に示すように、実施例3の便座装置3は、実施例1の便座装置1における便蓋30と同様の構成を有する便座320を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0071】
図5に示すように、便座320は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部333と、表面側透光部333の縁部の本体10側の後端339に埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源334とを有している。表面側透光部333を構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。表面側照射光源334も、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源334は、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部333内を照射可能とされている。
【0072】
さらに、便座320は、表面側透光部333の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部335を有している。不透光部335を構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0073】
そして、不透光部335との表面側には、微小な凹凸からなる粗面338が形成されている。表面側透光部333と不透光部335との界面は、この粗面338によって光拡散処理されている。
【0074】
このような構成である実施例3の便座装置3も、便器9に固定されて便座320及び便蓋30としての機能を発揮する。そして、この便座装置3では、図11に示す便座320が閉じた状態及び便座320が開いた状態(図示しない)において、表面側透光部333の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源334が本体10から給電されることにより発光し、表面側透光部333内を照射する。このため、この便座装置3も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【実施例4】
【0075】
図12に示すように、実施例4の便座装置は、実施例1の便座装置1における便蓋30の代わりに、便蓋430を採用している。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0076】
便蓋430は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部433mと、表面側透光部433mの縁部の本体10側の後端439mに埋設された3個のLEDからなる表面側照射光源434mとを有している。表面側透光部433mを構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。表面側照射光源434mも、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、表面側照射光源434mは、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して表面側透光部433m内を照射可能とされている。
【0077】
また、便蓋430は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部433nと、裏面側透光部433nの縁部の本体10側の後端439nに埋設された3個のLEDからなる裏面側照射光源434nとを有している。裏面側透光部433nを構成する透光材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料、ソーダガラス、鉛ガラス等の無機ガラス材料、その他の一般的なものを採用することができる。無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。裏面側照射光源434nも、実施例1の便座装置1と同様の構成により、本体10に内蔵された電源回路15と電気的に接続されている。このため、裏面側照射光源434nも、本体10の電源回路15から給電されることにより発光して裏面側透光部433n内を照射可能とされている。
【0078】
さらに、便蓋430は、表面側透光部433mの裏面側全体であって、かつ裏面側透光部433nの表面側全体、すなわち、表面側透光部433mと裏面側透光部433nとの中間層に設けられた不透光材料からなる不透光部435を有している。
【0079】
不透光部435は、さらに、表面側透光部433mの裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部435mと、第1不透光部435mの裏面側全体に設けられ、第1不透光部435mとは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部435nとからなる。
【0080】
第1不透光部435mを構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。
【0081】
そして、第1不透光部435mとの表面側には、微小な凹凸からなる粗面438mが形成されている。表面側透光部433mと第1不透光部435mとの界面は、この粗面438mによって光拡散処理されている。
【0082】
第2不透光部435nを構成する不透光材料は、一般に着色されたABS等の不透明な樹脂材料、マイカ等のパール顔料若しくは金属箔粉顔料で着色された光輝性をもつ不透明な材料である。そして、第2不透光部435nは、第1不透光部435mとは異なる色に着色されている。
【0083】
そして、第2不透光部435nとの裏面側には、微小な凹凸からなる粗面438nが形成されている。裏面側透光部433nと第2不透光部435nとの界面は、この粗面438nによって光拡散処理されている。
【0084】
このような構成である実施例4の便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0085】
また、この便座装置は、便蓋430が表面側透光部433mと、不透光部435と、裏面側透光部433nとを有することから、表面側透光部433m及び裏面側透光部433nの全体をそれぞれ光らせることができ、一層良好な美観を呈することができている。
【0086】
また、この便座装置において、不透光部435は、第1不透光部435mと、第1不透光部435mとは異なる色の第2不透光部435nとからなることから、不透光部435を表面側と裏面側とで色違いにすることができている。このため、この便座装置は、一層良好な美観を呈することができている。
【0087】
なお、図13に示すように、別々に配設された表面側照射光源434m及び裏面側照射光源434nの代わりに、表面側透光部433m及び裏面側透光部433mを同時に照射可能な光源434を採用しても良い。この場合、表面側透光部433m及び裏面側透光部433nを別々に光らせることはできなくなるが、部品点数を削減することができ、製造コストの低廉化が可能となる。
【実施例5】
【0088】
図14に示すように、実施例5の便座装置は、実施例1の便座装置1における便座30の代わりに、便座530を採用している。そして、便座530は、実施例1の便座30の不透光部35のみを半透明部535に置き換えたものである。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので、説明は省く。
【0089】
便蓋530は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた半透明材料からなる半透明部535を有している。半透明部535を構成する半透明材料は、透明ABS樹脂、環状オレフィンコポリマー樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、その他透明樹脂材料に、マイカ等のパール顔料、ガラスフレーク若しくは金属箔粉顔料等の光輝性材料535aを分散させた半透明な材料である。
【0090】
このような構成である実施例5の便座装置も、便器9に固定されて便座20及び便蓋530としての機能を発揮する。そして、この便座装置では、便蓋530が閉じた状態及び便蓋530が開いた状態において、表面側透光部33の縁部に埋設されたLEDからなる表面側照射光源34が本体10から給電されることにより発光し、表面側透光部33内を照射する。このため、この便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0091】
また、この便座装置において、便蓋530は、表面側透光部33の裏面側全体に設けられた半透明部535を有していることから、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光の一部が半透明部535内に分散された光揮性材料535aによって乱反射され、より効果的に表面側透光部33の全体を光らせることができている。さらに、表面側照射光源34から表面側透光部33内に照射された光の一部が半透明部535内を乱反射しながら裏面側に通過して、便蓋530の裏面側もほのかに光らせることができる。このため、この便器装置は、一層優れた美観を呈することができている。さらに、この便座装置は、半透明部535の存在により便蓋530の表面側又は裏面側の一方から他方が透けて見えてしまうことを回避することができ、この点においても優れた美観を呈することができている。なお、便座20を便蓋530と同様の構成とした場合にも、同様の作用効果を奏することができる。
【実施例6】
【0092】
実施例6の便座装置は、実施例1の便座装置1において、表面側照射光源34と電源回路15とを電気的に接続する配線16の代わりに、図15に示すように、1次コイル616aと2次コイル616bとを設置し、電磁誘導によって表面側照射光源34に給電するものである。その他の構成は、実施例1の便座装置1と同様であるので説明は省く。
【0093】
1次コイル616aは、支持軸13の内部に配設され、本体10の電源回路15と電気的に接続されている。他方、2次コイル616bは、便蓋支持部32の内部に配設され、表面側照射光源34に電気的に接続されている。
【0094】
そして、電源回路15から1次コイル616aに給電されると、電磁誘導により2次コイル616bにも電流が流れて表面側照射光源34が発光するようになっている。
【0095】
このような構成である実施例6の便座装置も、実施例1の便座装置1と同様の作用効果を奏することができている。
【0096】
また、この便座装置は、非接触給電により、本体10から表面側照射光源34に直接給電するための配線16が不要となっているので、便座20及び便蓋30の開閉機構を簡易な構造とすることができている。
【0097】
なお、図16に示すように、1次コイル616a及び2次コイル616bの代わりに、光給電用LED616c及び光電変換素子616dを採用して、非接触給電をしてもよい。また、電気発熱体及び熱電変換素子による非接触給電を採用することも可能である。
【実施例7】
【0098】
実施例7の便座装置7は、実施例6の便座装置における1次コイル616a及び2次コイル616bの代わりに、図17に示すように、便座20内に設けられる暖房用ヒータ29の一部に1次コイル716aを設置し、便蓋30の裏面側の1次コイル716aに対応する位置に2次コイル716bを設置し、電磁誘導によって表面側照射光源34に給電するものである。その他の構成は、実施例6の便座装置と同様であるので説明は省く。
【0099】
このような構成である実施例7の便座装置7も、実施例6の便座装置と同様の作用効果を奏することができている。
【0100】
以上において、本発明を実施例1〜7に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜7に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は便座装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】実施例1の便座装置を示す斜視図である(便蓋が閉じた状態)。
【図2】実施例1の便座装置を示す斜視図である(便蓋が開いた状態)。
【図3】実施例1の便座装置を示す上面図である(便蓋が閉じた状態)。
【図4】実施例1の便座装置に係り、便蓋の断面図(図3のIV−IV断面を示す)である。
【図5】実施例1の便座装置に係る便蓋及び実施例3の便座装置に係る便座の要部拡大断面図である。
【図6】実施例1の便座装置を示す側面図である(便蓋が閉じた状態で、便蓋の表面側が発光)。
【図7】実施例1の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便蓋の表面側が発光)。
【図8】実施例2の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図9】実施例2の便座装置を示す側面図である(便蓋が閉じた状態で、便蓋の裏面側が発光)。
【図10】実施例2の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便蓋の裏面側が発光)。
【図11】実施例3の便座装置を示す側面図である(便蓋が開いた状態で、便座の表面側が発光)。
【図12】実施例4の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図13】実施例4の便座装置に係り、変形例を示す便蓋の要部拡大断面図である。
【図14】実施例5の便座装置に係り、便蓋の要部拡大断面図である。
【図15】実施例6の便座装置に係り、便座便蓋軸支部及び便蓋支持部の要部拡大部分断面図である(図3のZ部を示す)。
【図16】実施例6の便座装置に係り、変形例を示す便座便蓋軸支部及び便蓋支持部の要部拡大部分断面図である(図3のZ部を示す)。
【図17】実施例7の便座装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0103】
1、2、3、7…便座装置
9…便器
10…本体
20、320…便座
30、230、430…便蓋
33、333、433m…表面側透光部
233、433n…裏面側透光部
34、334、434m…表面側照射光源
234、434n…裏面側照射光源
434…光源
35、235、335、435…不透光部
435m…第1不透光部
435n…第2不透光部
535…半透明部
39、339、439m…表面側透光部の縁部の本体側の後端
239、439n…裏面側透光部の縁部の本体側の後端
616a、716a…1次コイル
616b、716b…2次コイル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部と、該表面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該表面側透光部内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源とを有していることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記部材は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有している請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記表面側透光部と前記不透光部との界面は光拡散処理されている請求項2記載の便座装置。
【請求項4】
洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部と、該裏面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該裏面側透光部内を照射可能なLEDからなる裏面側照射光源とを有していることを特徴とする便座装置。
【請求項5】
前記部材は、前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有している請求項4記載の便座装置。
【請求項6】
前記不透光部と前記裏面側透光部との界面は光拡散処理されている請求項5記載の便座装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の便座装置でもある請求項2又は3記載の便座装置。
【請求項8】
前記不透光部は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部と、該第1不透光部の裏面側全体に設けられ、該第1不透光部とは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部とからなる請求項7記載の便座装置。
【請求項9】
前記表面側照射光源及び前記裏面側照射光源は、一つの光源からなる請求項7又は8記載の便座装置。
【請求項10】
前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は、前記本体側である後端に設けられている請求項1乃至9のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項11】
前記透光材料は乳色である請求項1乃至10のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項12】
前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は電磁誘導によって給電されるものである請求項1乃至11のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項1】
洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、表面側全体に設けられた透光材料からなる表面側透光部と、該表面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該表面側透光部内を照射可能なLEDからなる表面側照射光源とを有していることを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記部材は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有している請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
前記表面側透光部と前記不透光部との界面は光拡散処理されている請求項2記載の便座装置。
【請求項4】
洋風水洗式の便器に固定される本体と、該本体に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して人が着座可能な便座と、該本体又は該便座に揺動可能に設けられ、該便器上で下方に揺動して閉じた状態とされる便蓋とを備えた便座装置において、
前記便座及び前記便蓋の少なくとも一方の部材は、裏面側全体に設けられた透光材料からなる裏面側透光部と、該裏面側透光部の縁部に埋設され、前記本体から給電されることにより発光して該裏面側透光部内を照射可能なLEDからなる裏面側照射光源とを有していることを特徴とする便座装置。
【請求項5】
前記部材は、前記裏面側透光部の表面側全体に設けられた不透光材料からなる不透光部を有している請求項4記載の便座装置。
【請求項6】
前記不透光部と前記裏面側透光部との界面は光拡散処理されている請求項5記載の便座装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の便座装置でもある請求項2又は3記載の便座装置。
【請求項8】
前記不透光部は、前記表面側透光部の裏面側全体に設けられた不透光材料からなる第1不透光部と、該第1不透光部の裏面側全体に設けられ、該第1不透光部とは異なる色の不透光材料からなる第2不透光部とからなる請求項7記載の便座装置。
【請求項9】
前記表面側照射光源及び前記裏面側照射光源は、一つの光源からなる請求項7又は8記載の便座装置。
【請求項10】
前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は、前記本体側である後端に設けられている請求項1乃至9のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項11】
前記透光材料は乳色である請求項1乃至10のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項12】
前記表面側照射光源及び/又は前記裏面側照射光源は電磁誘導によって給電されるものである請求項1乃至11のいずれか1項記載の便座装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−319243(P2007−319243A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150174(P2006−150174)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】
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