説明

便座装置

【課題】男子小用時に尿が飛散し、酸化・腐敗によって発生する悪臭を低減させる目的で、男子小用の標的を指示する装置がある。標的指示を的確に行えないと使用者が混乱する。
【解決手段】男子小用時の放尿標的を表示するための光源7と、光源7からの光の一部を拡散させる拡散手段9で構成される標的表示手段6を有し、標的表示手段6より水面に写る光の反射像を放尿標的とする。これを人体洗浄ノズル5の近傍に設けて人体洗浄ノズル5のシャッターと兼用する構成であるため、シャッターにより汚れ防止が可能で、人体洗浄ノズル5のノズルクリーニング水で、同時に標的表示手段6をクリーニングすることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器内に男子小用時の放尿標的を表示するための標的表示手段を備えた便座装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、便座装置に便器内に小用時の放尿標的を表示するための照明手段を設けて、便器に載置し、便座装置本体に設けた人体洗浄ノズル近傍で便器内に望ませて設けたものがある。そして、この照明手段は、レーザー光を発光する光源とその前面に光を集光させる透過体であるレンズを設けている。そして、男子小用時に放尿標的を表示し、その使用前後には表示に使用したレンズを清掃するためのエアノズルと、汚れ防止のためのモータ駆動式のシャッターを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−135791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、温水洗浄便座装置全体の構成について、装置本体をコンパクト化して各種便器形状に設置可能な構成へと開発が進められるなかで、装置本体内部に、照明手段、標的を表示するための照明手段専用のシャッター、前記シャッター開閉のための駆動構成、照明手段のレンズの清掃のためのエアノズルとエア吹き出し構成を搭載するとなると、本体自体が大型化してしまい、コンパクト化が実現できないという課題があった。さらに、照明手段の清掃について、上記構成のみでは清掃が適切にできているとは言いがたい状況であった。例えば、シャッターで覆われていない状態での尿の飛散、跳ね返りなどによる尿、便の付着などが乾燥固着すると、吹き飛ばしのみでは清掃が十分にはできなかったので、どうしても使用者が頻繁に清掃を行う必要があった。
【発明の効果】
【0004】
本発明の洗浄便座は、標的表示手段を清潔な状態で継続的に明確に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
第1の発明は、人体局部を洗浄する人体洗浄ノズルと、便座と、前記便座を載置した便器内に小用標的を指示する標的表示手段と、前記人体洗浄ノズルは前記便器内に向かって前進または後退するように駆動し、前記人体洗浄ノズルと前記標的表示手段は便座装置本体の略中央部に設けて前記便器内部に臨む先端に同一部材で遮蔽手段を備えたものである。
【0006】
そして、遮蔽手段を設けることで排便の際に便鉢から飛散した汚水や、直接飛び散った便などが、標的表示手段にかかることを防止でき、長期的に標的表示手段を鮮明に映し出すことが可能となる。さらに、遮蔽手段が同一部材で人体洗浄ノズル用の遮蔽手段を兼用するので、装置本体内部での複雑な機構を備える必要がなく、部材も少なく省スペースとなり本体のコンパクト化を実現できる。
【0007】
第2の発明は、標的表示手段を表示する際に、人体洗浄ノズルを進退駆動させることを特徴としたものである。
【0008】
そして、人体洗浄ノズルを進退駆動させて標的表示手段の遮蔽を解除して標的を表示することで、標的表示手段を必要としないとき以外は人体洗浄ノズルを駆動させず、遮蔽手段によって汚れをガードすることが可能となる。人体洗浄ノズルの進退駆動構成を用いて
遮蔽手段の遮蔽解除を行うので、遮蔽手段を駆動させるための構成を専用に設ける必要がない。また、人体洗浄ノズルを駆動させ標的表示手段からの標的表示を邪魔しない位置へ動かす。これによって、必要時にのみ、標的表示がされることになる。
【0009】
第3の発明は、標的表示手段は人体洗浄ノズルの上方に設けたものである。
【0010】
そして、標的表示手段が人体洗浄ノズルの上方にあるので、汚水や汚物から遠ざかる位置となり、また人体洗浄ノズルの背面になり奥まった場所に位置して汚れにくい位置となるため、標的表示の際、また標的表示をしない際にも標的表示手段自体が汚れにくい構成となる。
【0011】
第4の発明は、人体洗浄ノズル用クリーニングノズルを備え、前記クリーニングノズルからのクリーニング水により標的表示手段のクリーニングを行うようにしたものである。
【0012】
そして、人体洗浄ノズルをクリーニングすると同時に、人体洗浄ノズルを洗浄する水が標的表示手段の周辺へも廻り込み、水滴が標的表示手段の表面を潤わせ、標的表示手段の表面へ付着した汚れを浮かして、流し去り、さらに標的表示手段と人体洗浄ノズルを同一部材の遮蔽手段で覆っているので、遮蔽手段が標的表示手段への水路の役目を果たし、同時にクリーニング水が標的表示手段の周囲に確実に回り込むように洗浄水の回る範囲を囲うことにもなり、標的表示手段の汚れ落とすための洗浄効果をいっそう高めることが可能となる。
【0013】
第5の発明は、標的表示手段は周囲に壁面を有し便座装置本体内部において人体洗浄ノズルの近傍に設け、人体洗浄ノズルの進退駆動方向と標的表示手段の周囲壁面とを平行に設け、前記標的表示手段の周囲の壁面の人体洗浄ノズル側のすくなくとも一つの面に当接するようにワイパー手段を設けたものである。
【0014】
そしてこの構成により人体洗浄ノズルを駆動すると、標的表示手段の周囲壁面に一部接したワイパーで拭い去る動作となる。すなわち、人体洗浄ノズルのクリーニング後、人体洗浄ノズルを駆動させることで汚物除去ができる。人体洗浄ノズルのクリーニングと同時に行ったクリーニング後のクリーニング水の付着の除去、また、付着した汚れの除去に対しても有効で、水滴などの付着物によって標的の表示状態が拡散されることがなくなり、鮮明に映し出すことが可能となる。
【0015】
第6の発明は、便蓋を有し、便座と便蓋を開閉する便座便蓋回動手段を備え、前記便座便蓋回動手段の開閉動作と標的表示手段の表示の際の人体洗浄ノズルの駆動を連動させることを特徴としたものである。
【0016】
これによって、標的表示のタイミングと、便蓋便座回動手段の動作と人体洗浄ノズルの駆動タイミングが適切に合わせられ、使用に際して不具合のない標的表示が可能となる。
【0017】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、本実施の形態によって発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1に便座装置の側面図を、図2に正面図を、図3に側面図の一部拡大図を示す。便座装置は便座装置本体1に回動自在な便座2、便蓋3が設けられ、便器4に設置されている。便座装置本体1の略中央部に人体洗浄ノズル5を設置し、その収納位置の下近傍に便器4の鉢内部を指示する標的手段6を構成する。洗浄ノズル5はノズル自身をクリーニングする機能を有している。標的手段6は光源7をケース8で覆ったものであり、防水処理が
施されている。ケース8には光源7からの光の一部を拡散させる拡散手段9が構成されており、標的表示手段6は人体洗浄ノズル5の遮蔽手段であるシャッター21を兼用して同一部材にて覆われている。すなわち、人体洗浄ノズル5が便座装置本体内部の収納位置にあるときにはシャッター21の端部が折り曲げ部21aを有して、人体洗浄ノズル5と標的表示手段6の便器内を臨む方向を遮蔽するように構成されている。便座装置本体1と別体に設けて設置状況に合わせてより早く入室した人を検知できるような位置に取り付けることが可能なトイレ空間への便座の使用者の入室を検知して制御部と信号を送受信する人体検知手段10Aと、便座装置に設けた便座への着座検知手段10B、さらに便座2の回動位置を検知する回動検知手段7を備える。また、人体検知手段10A、着座検知手段10Bと回動位置検知手段11とから入力した信号に基づいて標的表示手段6を制御する制御部12を内蔵する。図2において、便座装置本体には人体乾燥装置22を有し、人体乾燥用の乾燥風を噴出するダクトの一部を分岐して標的表示手段6の近傍に吹き出させるようにした乾燥風噴出口22aを設けている。図3(a)は人体洗浄ノズル5、標的表示手段6が収納位置にあって、遮蔽手段であるシャッター21によって遮蔽されている状態を示し、図3(b)は人体洗浄ノズル5が前進駆動し、シャッター21を押し上げて、標的表示手段6から照射される光を遮断しないよう遮蔽を解除している様子を示しているもので、Bは人体洗浄ノズル5の駆動方向、Cは人体洗浄ノズルの動作方向、22aは乾燥風噴出口22a、25は人体洗浄ノズルの上方に設けたノズルクリーニング用の流路の断面を示すものである。ノズルをクリーニングする際にはこの流路に温水または水を通水して、図中には示していないが、人体洗浄ノズル5の噴出孔を設けた先端部にクリーニング用水をクリーニングノズル25の先端から噴出して先端部付近を十分にクリーニングするよう構成されている。
【0019】
以上の構成により、使用者がトイレ空間に入室すると人体検知手段10Aが人体の入室または装置本体への近接を検知し、かつ回動位置検知手段11により便座2が立位状態で、着座検知手段10Bは着座を検知していない状態である信号を制御部12が受けると、人体洗浄ノズル5を前方へ進出作動させ、シャッター21を開いた状態にし、標的表示手段に対する遮蔽が解除されるので、光源7に通電されて光が便器鉢内部に向けて照射される。その際、拡散手段9にて光は拡散し、便器内の水面上にのみ使用者から直視しやすいレベルまで柔らかくぼかされた光源7の反射像がAの領域に映り、これを放尿を誘導する標的として小用を足す。使用者はこの反射像に放尿着水位置を誘導され、この反射像を打ち消すように放尿するので、確実に尿の飛散防止の効果がある。反射像である標的5は便鉢内の水面の略中央を指示するのが最も望ましいが、水面と便器ボール内面の境界域を避けなるべく中央に近い位置に尿が着水すればかなりの飛散防止効果が得られるので、水面の範囲内に標的を指示すればよい。
【0020】
光源7を仮にLEDとした場合、指向性のある特殊な構成でない、通常の汎用タイプのもので拡散角がある程度あれば、拡散手段9が貯留水面に対向する位置に構成すれば光源であるLED自体の発光方向を水面に対向する必要はない。よって、人体洗浄ノズル5の突出方向すなわち進退方向Bに合わせLEDの発光方向Cをこれと平行に設けると、ノズルのユニットと光源の設置位置を寄り添わせて、より省スペースに標的手段6を便座装置本体内に構成することができる。このような省スペース構成を取ることで、一般的に便座装置略中央に構成される人体洗浄ノズル5の下側のわずかなスペースに標的手段6を設置できるため、標的の位置調整手段を必要とせず便座装置本体1を前後に微調整するだけで、水面の高さや形状が異なる様々な便器に対しても貯留水面の略中央を指示することができ、安価で故障の少ない標的指示を有する構成を得られる。
【0021】
また、拡散手段9以外を通る光は便器鉢内部を全体的に照らし、夜間に使用者がトイレルームの照明をつけずに入った場合に照明の代わりとしての効果がある。その際、照度はトイレルームの照明より落とされているので、寝起きでトイレルームに入った使用者が覚
醒を促さない程度の照度となる。
【0022】
拡散手段9としては、透明な樹脂(例えばアクリル)のケース8の内面もしくは外面にエッチングやサンドブラスト等の加工を行い、半透明にすることで得られる。これは金型に加工をしても良いし、成型品に後加工でもよい。内面に加工をする場合は、外面を鏡面のままにできるため、汚水等の汚れが付きづらく清掃なしで長期間明るい標的を得ることができる。一方外面に加工する場合は、後加工がしやすく、また処理の大きさを変えることで標的の大きさを調節できる。他にはケース8自体を半透明(例えばポリカ)樹脂や蛍光樹脂にすることで、加工することなくケース8全体が柔らかく光る標的手段6が実現できる。また、ケース8の形状を変えることで標的の形状も変わるので、さまざまな標的を実現できる。
【0023】
また、拡散部材9をシート状とし、透明な樹脂ケース8内部に構成することも考えられる。シートの色や透過率を変えることで、光源7の種類を変えることなく簡単に標的の明るさや色を調整することができる。他には、標的を照射するために標的手段6を取り付けてある便座装置下部に設けられた孔に貼り付けることも考えられる。こうすることで、標的手段6と便座装置下部の孔との嵌合部の隙間が保護され、汚水や便、ティッシュ屑等がたまることがなく、簡単な拭き掃除のみで清潔に保つことができる。
【0024】
このように、遮蔽手段21が同一部材で人体洗浄ノズルの遮蔽と同時に標的表示手段の遮蔽も行うので、装置本体内部での複雑な機構を備える必要がなく、部材も少なく省スペースとなり本体のコンパクト化を実現できる。そして、通常は遮蔽手段であるシャッター21により標的表示手段6は遮蔽されており、人体洗浄ノズルが駆動しなければ遮蔽された状態にあるので、汚れ防止が可能となる。
【0025】
次に、人体洗浄ノズル5のノズルクリーニング時に標的表示手段6のクリーニングを同時に行う場合について、図4で説明する。標的表示手段6の表示後、人体がトイレ室から退室して人体検知手段10Aによる人体検知がされなくなると、人体洗浄ノスルのノズルクリーニング用のクリーニングノズル25にてノズルクリーニング用の水路にクリーニング水が通水される。すると遮蔽手段であるシャッター21が便器に望む方向を遮蔽しかつ、クリーニング用水が便器内へすぐに落下することを防止して、この洗浄水26が標的表示手段6の周囲にまで流れ込み標的表示手段6の周囲の汚れを流し除去する。人体洗浄ノズル5と標的表示手段6の周囲をクリーニングした水は、シャッター21の折れ曲がり部21aの端部で開口部より汚れとともに便器内に滴下するので問題がない。また、このノズルクリーニングの動作は、人体洗浄ノズル5を使用した後にも必ず行うような構成であり、標的表示手段6を要しない排便後にも同様に、排便時に飛散した汚水や汚物が付着した際にも効果的にクリーニングができる。
【0026】
また、遮蔽手段であるシャッター21の人体洗浄ノズル5と標的表示手段6に対向する面に、洗浄水が標的表示手段6の近傍へクリーニング水が通水するように、流路となるような溝または水が伝わるようなリブを設けておけば、クリーニング水が標的表示手段6の周囲へ効率よく回り込むようにクリーニング水を案内できる。
【0027】
さらに、人体乾燥させる人体乾燥装置22で噴出する乾燥風のダクトから分岐した乾燥風噴出口22aを有し、標的表示手段6の周囲に付着した水滴を乾燥させることで、洗浄後すぐに標的表示手段6を使用する際にも、水滴による標的照射時の光屈折の影響をうけず、明確に反射像を表示できる。
【0028】
また、便座便蓋回動手段(図示せず)を動作させるようい指示する本体袖部または別体リモコンとして設けた操作部からの信号を受けて(図示せず)、使用者は直接便座2に触
れることなく便座2を立位状態にでき、かつ便座の回動が標的表示手段6の動作スイッチにもなっているため、衛生的かつ容易に標的を得ることができる。
【0029】
なお、人体検知手段10Aと着座検知手段10Bはそれぞれ、本体と別設、本体内部に設ける構成とし別に設けたが、人体のトイレ室入室と着座を一体のセンサで検知できるようであれば、この構成に限らない。
【0030】
また、回動位置検出手段7としては、機械的に便座2の位置を検出する手段の他に、電動開閉ユニットを用い便座2を回動させる場合に使用される便座開閉の制御信号の利用等が考えられる。
【0031】
(実施の形態2)
図5に本発明の第2の実施の形態を示す。図5は本発明の実施の形態2における便座装置の側面図の一部拡大図で、(a)は人体洗浄ノズル5、標的表示手段6が遮蔽手段21によって遮蔽され、収納位置に収まっている状態、(b)は、標的表示手段5の標的表示の際に人体洗浄ノズル5が後退駆動している状態を示している。本実施の形態は、実施の形態1の発明と基本的な構成は同じなので、同一符号を付して説明は省略する。異なるのは標的手表示段6が洗浄ノズル5の噴出孔23の上近傍に構成されている点と、シャッター21が、自重により下垂する姿勢となっており、端部に折り曲げ部を有さない構成である点、洗浄ノズル5には標的表示手段6の周囲壁面6aに当接するワイパー24が設けられ、壁面6aの面に平行に人体洗浄ノズル5が駆動するように設けられている点、人体洗浄ノズル5の通常収納位置は図5(a)に示す位置で、標的表示手段6の表示時は図5(b)の位置に後退駆動する点である。
【0032】
この実施の形態では標的表示手段6の光源7が発光する際には、洗浄ノズル5は後ろ方向に駆動し、標的表示手段6の表示に邪魔にならない位置に変更するので、便器内水面の一部に表示することが可能となる。シャッター21は、垂下姿勢で遮蔽状態を保ち、実施の形態1のように折れ曲がり部21aをもたず、標的表示手段6の表示の邪魔にはならない。そして、汚水や汚物等が人体洗浄ノズルや標的表示手段へ跳ね返りなどにより付着することを防止している。
【0033】
また、人体検知手段10Aにより人体がトイレ室で不在になったことを検知すると、人体洗浄ノズル5の噴出孔23が標的表示手段6の下方まで作動し、ノズルクリーニング用のクリーニングノズル25の噴出孔からクリーニング水を噴出して人体洗浄ノズル周辺、および標的表示手段6周辺を洗浄することができるので、放尿や排便時に付着した汚水や汚物を洗浄することが可能となる。さらにノズル5に備えられたワイパー24が標的表示手段の周壁の一部に接するように設けられており、人体洗浄ノズル5が後退駆動する際に、後方へ標的表示手段6に付着した水滴を拭い去ることが可能となる。これにより、標的表示して、使用者が小用し、その後、クリーニングが行われ汚れが除去できて、その次にすぐに使用者がトイレ室に入室して、標的手段6を使用する際にも、標的表示と同時に人体洗浄ノズル5の後退駆動が行われ、これは水滴除去動作にもなるので、連続使用によるクリーニング水の未乾燥などによる水滴付着による光源の照射光の屈折の影響をうけない。よって、常に明確な標的表示を行うことができて、細かい部分となるノズル周辺に位置する標的表示手6段の汚れの清掃作業の手間が省ける。
【0034】
また、洗浄ノズル5の作動は、便座便蓋回動手段による便蓋の開動作と連動させることで便器内を照らすまでの時間を最短にすることが可能となる。また便座の閉動作があれば、便座に着座して使用されるものと判断されるので、標的の表示を停止する。よって、便座便蓋回動手段による便座の閉動作に連動して人体洗浄ノズルの位置を初期の収納位置に戻す。このような動作により、人体洗浄ノズルと連動させても動作タイミングにずれがな
く、迅速に表示、表示停止が行える。さらに便座便蓋回動手段の動作音と同時に人体洗浄ノズルの駆動音が発生してもタイミングが同じなので使用者に不快にならない。
【0035】
なお、人体洗浄ノズル5について、本願の実施の形態においてはノズル形状が1本のものについて標的表示手段6が人体洗浄ノズル5の近傍の上下に位置するとして説明したが、おしり用、ビデ用の2本のノズルを有する人体洗浄ノズルを備えた場合については、2本のノズルの略中央の上下に位置させるように構成してもよい。その場合、2本ノズルの上方で、かつ2本ノズルの間で光源からの光が人体洗浄ノズルの駆動を行わずに便器内水面に照射できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかるトイレ装置は、コンパクトな構成で男子小用標的が得られ、小便の周囲への飛散が低減され尿の酸化・腐敗等による悪臭の発生を低減させることができるので、温水洗浄便座に利用可能である。また、水面への着水位置を表示する標的照射構成として、この分野に限らず利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1における便座装置の側面図
【図2】同実施の形態1における便座装置の正面図
【図3】(a)同実施の形態1における便座装置の標的表示手段と人体洗浄ノズルの収納状態を示す側面図の一部拡大図(b)同標的表示手段の動作時の説明図
【図4】同実施の形態1におけるノズルクリーニング時の説明図
【図5】(a)同実施の形態2における便座装置の標的表示手段と人体洗浄ノズルの収納状態を示す側面図の一部拡大図(b)同標的表示手段の動作時の説明図
【符号の説明】
【0038】
1 便座装置本体
2 便座
3 便蓋
4 便器
5 人体洗浄ノズル
6 標的表示手段
21 シャッター(遮蔽手段)
24 ワイパー
25 ノズルクリーニング流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体局部を洗浄する人体洗浄ノズルと、便座と、前記便座を載置した便器内に小用標的を指示する標的表示手段と、前記人体洗浄ノズルは前記便器内に向かって前進または後退するように駆動し、前記人体洗浄ノズルと前記標的表示手段は便座装置本体の略中央部に設けて前記便器内部に臨む先端に同一部材で遮蔽手段を備えた便座装置。
【請求項2】
標的表示手段を表示する際に、人体洗浄ノズルを進退駆動させるようにした請求項1記載の便座装置。
【請求項3】
標的表示手段は人体洗浄ノズルの上方に設けた請求項1または2に記載の便座装置。
【請求項4】
人体洗浄ノズル用クリーニングノズルを備え、前記クリーニングノズルからのクリーニング水により標的表示手段のクリーニングを行うようにした請求項1から3のいずれか1項記載の便座装置。
【請求項5】
標的表示手段は周囲に壁面を有し便座装置本体内部において人体洗浄ノズルの近傍に設け、人体洗浄ノズルの進退駆動方向と標的表示手段の周囲壁面とを平行に設け、前記標的表示手段の周囲の壁面の人体洗浄ノズル側のすくなくとも一つの面に当接するようにワイパー手段を設けた請求項1から4のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項6】
便蓋を有し、便座と便蓋を開閉する便座便蓋回動手段を備え、前記便座便蓋回動手段の開閉動作と標的表示手段の表示の際の人体洗浄ノズルの駆動を連動させることを特徴とした請求項5に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−266879(P2008−266879A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106785(P2007−106785)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】