説明

便座装置

【課題】便座軸芯Y2方向への便座2のガタ付きを抑制する。
【解決手段】
支持体6に両方の取付用腕部4,5を介して便座2を揺動自在に枢支する一方の枢支部X1及び他方の枢支部X2を備え、他方の枢支部X2は、装着する便座2の一方側(右側)へ向かう移動を規制位置Qまでとする便座移動規制部39が形成され、一方の枢支部X1は、膨出部7から突出する一方枢軸10と、一方の取付用腕部4に設けられ、軸装部13a及び軸装部13aへ一方枢軸10を出し入れするための一方枢軸出入用開口部13bを有する一方軸受部13と、一方枢軸出入用開口部13bを通過させて一方枢軸10を入れた軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側へ向かって押圧する押圧手段40とを備え、軸装部13aを押圧手段40で押圧することで、便座2を規制位置Q又は規制位置Qの近傍まで移動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器本体に取付ける支持体に便座を着脱ができる便座装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、便座を着脱に取り付ける便座取付構造は、便器に固定される固定部材と、固定部材に一対に設けられて対向する穴を備えた軸支持体と、便座軸を備えて軸支持体に回動自在に軸支される便座と、固定部材に装着されるカバーにて構成され、便座軸と穴との間には便座を便座軸の軸芯方向(以下、「便座軸芯方向」という。)へ摺動することにより固定部材から着脱自在とするための隙間を設け、カバーには便座を便座軸芯方向へ摺動するのを規制する摺動規制手段を備えたものがある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−265361号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の便座取付構造は、固定部材に設けられた一対の軸支持体の穴と便座軸との間に着脱自在とするための隙間が設けられているので、穴に便座軸を挿着しただけでは便座が便座軸芯方向へ摺動して脱落することがあり、便座軸芯方向へ便座が摺動するのを規制するカバーを固定部材に装着する必要がある。そのため、従来の便座取付構造は、大きなカバーを着脱するために多くの手間を要すると共に、カバーの規制を受ける所定位置に便座を配置しつつ固定部材にカバーを装着するのに注意を要し、もしカバーの装着が不完全であると便座の脱落や、便座軸芯方向への便座のガタ付きを招くことがある。
【0004】
本発明は、便座の摺動を規制するカバーを用いることなく、便座軸芯方向への便座のガタ付きを抑制できる便座装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
便座軸芯方向への便座のガタ付きを抑制できるように請求項1記載の本発明が採用した手段は、着座面を形成した本体部に左右の一方の取付用腕部と左右の他方の取付用腕部を突設した便座と、両方の取付用腕部で挟まれる膨出部を形成した支持体と、支持体に両方の取付用腕部を介して便座を揺動自在に枢支する一方の枢支部及び他方の枢支部とを備え、便座が支持体に対し着脱可能である便座装置において、他方の枢支部は、装着する便座の一方側へ向かう移動を規制位置までとする便座移動規制部が形成され、一方の枢支部は、膨出部から突出する一方枢軸と、一方の取付用腕部に設けられ、軸装部及び軸装部へ一方枢軸を出し入れするための一方枢軸出入用開口部を有する一方軸受部と、一方枢軸出入用開口部を通過させて一方枢軸を入れた軸装部を一方枢軸の突出先端側へ向かって押圧する押圧手段とを備え、軸装部を押圧手段で押圧することで、便座を規制位置又は規制位置の近傍まで移動させるようにしたことを特徴とする便座装置である。
【0006】
他方の枢支部における便座の着脱が簡単且つ確実にできるようにするために請求項2記載の本発明が採用した手段は、前記他方の枢支部は、膨出部及び他方の取付用腕部のいずれか一方から突出する他方枢軸と、これらの他方に開設した嵌挿用凹部へ他方枢軸を出入れできる他方軸受部とを備え、この他方軸受部は、便座枢支の中心となる支持体の支持体軸芯と分離状態の便座の便座軸芯との交差角を大きくした便座傾斜姿勢のまま他方枢軸を受け入れでき、他方枢軸を受け入れたまま両軸芯の交差角を小さくさせる便座傾斜姿勢を経て両軸芯を合致させる便座接合姿勢へ移行させるのに伴い、前記一方枢軸が一方枢軸出入用開口部を通過して軸装部へ入ることができるように、嵌挿用凹部の奥側に比べて開口端側を大径に形成した請求項1に記載の便座装置である。
【0007】
なお、請求項2に記載の前記他方軸受部は、嵌挿用凹部の奥側突き当たりに、前記両軸芯を大きく交差させる便座傾斜姿勢のまま他方枢軸を受け入れるときに他方枢軸の一方側外隅部を侵入させる侵入用空間部と、前記両軸芯を小さく交差させる便座傾斜姿勢を経て両軸芯を合致させる便座接合姿勢へ移行させるのに伴い傾動する他方枢軸の先端面を当接させて一方側外隅部を侵入用空間部から引き出させる引出し面とを設けることで、両軸芯を小さく交差させる便座傾斜姿勢を経て両軸芯を合致させる便座接合姿勢へ移行させるのに伴い傾動する他方枢軸の一方側外隅部を侵入用空間部から引き出させて他方枢軸の先端面を引出し面に当接させることで、引き出させた分だけ便座軸芯方向に沿う移動を減少させるので、装着状態の便座の便座軸芯方向に沿うガタ付きを小さくすることができるようになる。
【0008】
一方の枢支部に便座揺動用モータの回転出力を便座へ伝達する機構を簡単に組み込むために請求項3記載の本発明が採用した手段は、前記押圧手段は、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入ってモータ回転出力を軸装部へ伝達する伝動具と、一方枢軸に摺動自在に外嵌され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入る移動具と、伝動具と移動具の間に配置されたバネとを備え、移動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置である。
【0009】
一方の枢支部に便座揺動用モータの回転出力を便座へ伝達する機構を簡単に組み込むために請求項4記載の本発明が採用した手段は、前記押圧手段は、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に摺動自在に外嵌され、一方枢軸と一緒に回転する中空軸と、中空軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入ってモータ回転出力を軸装部へ伝達する伝動具と、一方枢軸に外嵌され、一端を膨出部側に固定すると共に他端を中空軸に当接するバネとを備え、伝動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置である。
【0010】
便座揺動用モータを備えないときに押圧手段を一方の枢支部へ簡単に組み込むために請求項5記載の本発明が採用した手段は、前記押圧手段は、固定した一方枢軸に摺動自在に外嵌された中空軸と、中空軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入る移動具と、一方枢軸に外嵌され、一端を膨出部側に固定すると共に他端を中空軸に当接するバネとを備え、移動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置である。
【0011】
一方の枢支部における便座の装着が確実にできるようにするために請求項6記載の本発明が採用した手段は、前記一方の枢支部は、軸装部から一方枢軸が出るのを防ぐ軸抜け防止手段を備えた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の便座装置である。
【0012】
軸抜け防止手段の操作を容易とするために請求項7記載の本発明が採用した手段は、前記軸抜け防止手段は、一方の取付用腕部に移動自在に設けたロック具を有し、ロック具を軸装部から一方枢軸が出ることを防止しない待機位置から防止するロック位置まで移動させるようにした請求項6記載の便座装置である。
【0013】
便座に設けた電気式加熱手段に対してコードレスで且つ安定して給電できるように請求項8記載の本発明が採用した手段は、前記支持体に設けた制御部と、前記支持体における他方軸受部より奥側に設けて制御部に接続した一次コイルと、便座に設けた電気式加熱手段と、前記他方枢軸に設けて加熱手段に接続した二次コイルとからなり、両コイル間の電磁誘導で給電を行うようにした給電装置を備えた請求項2に記載の便座装置である。
【0014】
便座に設けた電気式加熱手段に対してコードレスで且つ安定して給電できるように請求項9記載の本発明が採用した手段は、前記支持体に設けた制御部と、前記支持体における他方枢軸に設けて制御部に接続した一次コイルと、便座に設けた電気式加熱手段と、前記他方軸受部より奥側に設けて加熱手段に接続した二次コイルとからなり、両コイル間の電磁誘導で給電を行うようにした給電装置を備えた請求項2に記載の便座装置である。
【0015】
なお、前記他方の枢支部における便座の装着が簡単にできるようにするために前記他方の枢支部は、膨出部の他方側から突出する他方枢軸と、他方の取付用腕部に設けられ、他方枢軸用軸装部及びこの軸装部へ他方枢軸を便座着脱時に出し入れするための他方枢軸出入用開口部を有する他方軸受部とを備えることもある。また、前記他方の枢支部における便座の装着が確実にできるようにするために前記他方の枢支部は、軸装部から一方枢軸が出るのを防ぐ軸抜け防止手段を備えることもある。更に、前記他方の枢支部における上記軸抜け防止手段の操作を容易とするために上記軸抜け防止手段は、他方の取付用腕部に移動自在に設けたロック具を有し、ロック具を軸装部から他方枢軸が出ることを防止しない待機位置から防止するロック位置まで移動させるようにすることもある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の本発明に係る便座装置は、一方枢軸が一方枢軸出入用開口部を通過して軸装部へ入り又は出ることで便座の着脱ができ、便座を装着するときに、一方枢軸を入れた軸装部を一方枢軸の突出先端側へ向かって押圧手段で押圧することで、便座を規制位置又は規制位置の近傍まで移動させて、便座軸芯方向に沿った便座のガタ付きを抑制できる。
【0017】
請求項2記載の本発明に係る便座装置は、分離した便座を装着するときには、支持体軸芯と便座軸芯を大きく交差させた便座傾斜姿勢のまま他方枢軸を他方軸受部の嵌挿用凹部の奥側へ挿入した後に、両軸芯を小さく交差させる便座傾斜姿勢を経て両軸芯を合致させるように移行させることで、一方枢軸が一方枢軸出入用開口部を通過して軸装部へ入って便座装着ができ、便座を分離するときには、上記操作と逆の操作を行うことで、両軸芯を大きく交差させた便座傾斜姿勢のまま他方枢軸を他方軸受部の嵌挿用凹部の奥側から抜き出して便座分離ができるため、便座の着脱が簡単且つ確実にできる。
【0018】
請求項3記載の本発明に係る便座装置は、押圧手段が、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に固着された伝動具と、一方枢軸に摺動自在に外嵌された移動具と、伝動具と移動具の間に配置されたバネとからなるため、一方の枢支部に便座揺動用モータの回転出力を便座へ伝達する機構を簡単に組み込むことができる。
【0019】
請求項4記載の本発明に係る便座装置は、押圧手段が、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に摺動自在に外嵌された中空軸と、中空軸に固着された伝動具と、一方枢軸に外嵌されたバネとからなるため、一方の枢支部に便座揺動用モータの回転出力を便座へ伝達する機構を簡単に組み込むことができる。
【0020】
請求項5記載の本発明に係る便座装置は、押圧手段が、固定した一方枢軸に摺動自在に外嵌された中空軸と、中空軸に固着された移動具と、一方枢軸に外嵌されたバネとからなるため、便座揺動用モータを備えないときに、押圧手段を一方の枢支部へ簡単に組み込むことができる。
【0021】
請求項6記載の本発明に係る便座装置は、便座の装着時に一方の枢支部の軸装部から一方枢軸が出るのを軸抜け防止手段で防ぐことで、一方の枢支部における便座の装着が確実にできる。
【0022】
請求項7記載の本発明に係る便座装置は、一方の取付用腕部に待機位置からロック位置までロック具を移動自在に設けてあるため、軸抜け防止手段の操作を容易とすることができる。
【0023】
請求項8記載の本発明に係る便座装置は、支持体から便座へ両コイル間の電磁誘導による無配線方式で給電を行うことができるので、支持体と便座の間に給電用コードを備える必要がなく、電気式加熱手段を設けた便座の分離をコードレスで簡単にできると共に、便座の便座軸芯方向のガタ付きを抑制することで、一次コイルと二次コイルの間の距離を一定に維持して安定した給電を確保できる。本発明に係る便座装置は、便座の他方の取付用腕部から突出する他方枢軸が支持体の膨出部側に備えた他方軸受部に比べて小さなスペースですむことから、他方の取付用腕部側をコンパクトにすることができ、便座の扱いがし易くなる。
【0024】
請求項9記載の本発明に係る便座装置は、支持体から便座へ両コイル間の電磁誘導による無配線方式で給電を行うことができるので、支持体と便座の間に給電用コードを備える必要がなく、電気式加熱手段を設けた便座の分離をコードレスで簡単にできると共に、便座の便座軸芯方向のガタ付きを抑制することで、一次コイルと二次コイルの間の距離を一定に維持して安定した給電を確保できる。本発明に係る便座装置は、便座の他方の取付用腕部に他方枢軸を出入れできる嵌挿用凹部を開設した他方軸受部を備えるので、便座を着脱するときに誤って便座を落としたとしても、他方の取付用腕部で保護される他方軸受部を破損させることもなく、便座を円滑に着脱させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
図1乃至図18は本発明に係る便座装置(以下、「本発明便座装置」と言う。)の第1の実施の形態を示すものであって、図1は支持体6に便座2を装着した状態の本発明便座装置1の概略構成を示す平面図、図2は同装着状態の本発明便座装置1の左側面図、図3は図2の一点鎖線イで囲まれた箇所を拡大して示す断面図である。図4は一方の枢支部X1の一方軸受部13及び軸抜け防止手段26を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は正面図、図(C)は底面図、図(D)は図(A)のd−d線で断面した断面図、図(E)はロック状態の半截した正面図である。図5は一方の枢支部X1の一方枢軸10及び押圧手段40を断面して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は要部を断面した正面図である。図6は一方の枢支部X1の一方軸受部13及び軸抜け防止手段26の別態様を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は半截した正面図である。図7の図(A)及び図(B)は押圧手段の異なる別態様を断面して示す正面図である。図8は一方の枢支部を示すものであって、図(A)は一方枢軸10と一方軸受部13の分離状態を示す左側面図、図(B)は同分離状態を示す正面図、図(C)は一方軸受部13に一方枢軸10を入れている途中の状態を示す左側面図、図(D)は同状態を示す正面図である。図9は一方の枢支部X1を示すものであって、図(A)は一方軸受部13に一方枢軸10を入れて軸抜け防止手段26が非ロック状態の左側面図、図(B)は同状態を示す正面図、図(C)は一方軸受部13に一方枢軸10を入れて軸抜け防止手段26をロック状態とした左側面図、図(D)は同状態を示す正面図である。
【0026】
図10は他方の枢支部X2を示すものであって他方軸受部15と他方枢軸14の接合状態の正面図である。図11は他方の枢支部X2の他方枢軸14を示すものであって、図(A)は部分断面した正面図、図(B)は左側面図、図(C)は別態様の要部を示す正面図である。図12は他方の枢支部X2の他方軸受部15を示すものであって、図(A)は便座接合作業の開始状態の他方枢軸14を二点鎖線で示す正面図、図(B)は右側面図である。図13は他方の枢支部X2の他方軸受部15を示すものであって、図(A)は便座接合作業の完了状態の他方枢軸14を二点鎖線で示す正面図、図(B)は同状態の右側面図である。図14は便座を水平な姿勢(伏倒状態)にして便座接合作業ができるようにした態様の他方の枢支部X2の他方軸受部15を示すものであって、図(A)は便座接合作業の開始状態の他方枢軸14を二点鎖線で示す平面図、図(B)は右側面図である。図15は異物侵入防止具38を備えた態様の他方の枢支部X2を示すものであって他方軸受部15と他方枢軸14の接合状態の正面図である。図16は異物侵入防止具38を備えた態様の他方の枢支部X2の他方枢軸14を示すものであって、図(A)は部分断面した正面図、図(B)は左側面図である。
【0027】
図17及び図18は支持体6に便座2を装着する手順を示す部分断面した正面図であって、図17(A)は支持体6と便座2を完全に分離した状態を示し、図17(B)は便座傾斜姿勢E1のまま他方軸受部15の嵌挿用凹部16へ他方枢軸14を挿入する装着開始状態を示し、図18(A)は一方の枢支部X1の一方枢軸10へ一方軸受部13を接近させた状態を示し、図18(B)は便座2の装着状態を示す。なお、図中に「伏倒状態」と記述されている便座2は、水平な状態に倒れて着座使用可能な状態になっており、図中に「起立状態」と記述されている便座2は、揺動中心側(便座後方側)を下にして揺動先端側(便座前方側)を起こした状態となっている(以下同様)。
【0028】
本発明便座装置1は、図1に示す如く、便器(図示省略)の後方上面に設置される支持体6と、支持体6に揺動自在に支持される便座2と、支持体6に便座2を揺動自在に枢支する左右の一方(本例では「左」を言う。以下同様)の枢支部X1及び左右の他方(本例では「右」を言う。以下同様)の枢支部X2を備え、支持体6に対して便座2が両方の枢支部X1,X2を介して着脱可能になっている。なお、本発明便座装置1は、図1に示す態様のものと左右対称に形成して、一方を「右」とすると共に他方を「左」とすることもある。
【0029】
前記便座2は、図1及び図2に示す如く、着座面(着座した使用者の臀部の接触が予定される部分)3aを形成した本体部3と、本体部3の揺動中心側となる後方の両側に突設した一方の取付用腕部4及び他方の取付用腕部5とからなる。便座2は、本体部3の内部に、電気式加熱手段H、温度センサT及び便座側制御部C2が設けられ、便座側制御部C2で加熱手段H及び温度センサTの通電を制御するようにしてある。
【0030】
前記加熱手段Hは、図1〜図3に示す如く、本体部3の着座面3aを形成する表面材3bの裏面側に設けた鉄・銅・アルミニウム等の金属や、これらを主体とする合金又は金属化合物などの導電性材料をシート状の形態とした発熱体17と、発熱体17の下方側で底板3c上に設けた誘導コイル18と、発熱体17と誘導コイル18の間に充填した断熱層19との組み合わせからなり、誘導コイル18で発熱体17に渦電流を生じさせて発熱体17を発熱させて着座面3aを迅速に昇温するようにしてある。加熱手段Hは、誘導加熱による迅速加熱方式に限定するものではなく、面状等の電気ヒータで構成することもある。便座側制御部C2は、温度センサTが出力する温度信号を高周波信号に変換して、図1に示す一方の枢支部X1に設けた信号伝達部20の一次信号コイル21及び二次信号コイル22を介して、後述する支持体側制御部C1へ伝送する機能を有している。
【0031】
前記支持体6は、図1に示す如く、例えば箱状の形態を有し、前記便座2の両方の取付用腕部4,5で挟まれる膨出部7を前面部に形成してある。前記支持体6は、その内部に、電源Wに接続されて電力の供給を受けると共に前記信号伝達部20の二次信号コイル22を介して温度信号を受ける支持体側制御部C1が設けられている。支持体側制御部C1は、他方の枢支部X2に設けられる給電装置23と、もう一方の枢支部X1に設けられる駆動モータMとに電力を供給する。給電装置23は、他方の枢支部X2に設けて制御部C1に接続した一次コイル24(図7参照)と、他方の枢支部X2に設けて加熱手段Hに接続した二次コイル25(図7参照)とからなり、両コイル間の電磁誘導で給電を行うようにしてある。駆動モータMは、便座2を強制的に揺動させたり、便蓋(図示略)を自動開閉したりするものである。
【0032】
本発明便座装置1は、図1に示す如く、便座2の温度センサTが出力する温度信号を信て伝達部20の一次信号コイル21及び二次信号コイル22による無配線方式で支持体6の制御部C1へ伝送できると共に、支持体6の制御部C1から便座2の加熱手段Hへ給電装置23の一次コイル24及び二次コイル25による無配線方式で給電できるので、支持体6と便座2の間に電気コードを備える必要がなく、電気式加熱手段Hを設けた便座2の分離をコードレスで簡単にできるようになっている。
【0033】
前記一方(左)の枢支部X1は、図1、図8及び図9に示す如く、前記モータMの出力軸であって支持体6の膨出部7の一方側面7cから更に一方の方向(左方向)へ向かって突出する一方枢軸10と、一方の取付用腕部4に設けられ、軸装部13a及び軸装部13aへ一方枢軸10を出し入れするための一方枢軸出入用開口部13bを有する一方軸受部13と、一方枢軸出入用開口部13bを通過させて一方枢軸10を入れた軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧する押圧手段40と、軸装部13aへ挿着した一方枢軸10が抜け出すのを防止するための軸抜け防止手段26とを備えている。なお、一方の枢支部X1は、前記信号伝達部20の一次信号コイル21(図1参照)を一方軸受部13に備えると共に、二次信号コイル22を一方枢軸10側となる膨出部7の一方側面近傍に備えている。
【0034】
前記一方枢軸10は、図5及び図8(B)に示す如く、膨出部7に取付け固定された前記モータMの出力軸であって、同芯二軸の便座駆動用軸11と便蓋駆動用軸12からなり、便蓋駆動用軸12が便座駆動用軸11を貫通して突出している。
【0035】
前記押圧手段40は、図5及び図8(B)に示す如く、便座・便蓋揺動用モータMの回転出力軸で形成した一方枢軸10の便座駆動用軸11にセットネジ45等で固着され、起立状態の便座2が便座接合姿勢F(図9(A)〜(D)、図18(B)参照)のときに一方軸受部13の軸装部13aへ入ってモータ回転出力を軸装部13aへ伝達する伝動具42と、一方枢軸10の便座駆動用軸11に摺動自在に外嵌され、便座2が便座接合姿勢Fのときに軸装部13aへ入る移動具43と、便座駆動用軸11を外嵌するようにして伝動具42と移動具43の間に配置された圧縮コイルバネからなるバネ44とを備え、便座2が便座接合姿勢Fのときに、伝動具42、移動具43及びバネ44が一体となって、一方軸受部13の軸装部13aの内側空間へ入って、バネ力で移動具43を介して軸装部13aを一方枢軸10の先端側(左側)へ向かって押圧するようにしてある。移動具43は、便座駆動用軸11と一体に回転するように、便座駆動用軸11に固着された伝動具42にバネ44を介して連結されるか、または、便座駆動用軸11の横断面の外形を多角形(例えば、四角形)にして便座駆動用軸11の回りを回転しないように外嵌される。
【0036】
前記押圧手段40は、図5に示す如く、モータMが便座を起立状態とする回転位置で停止している状態のとき、移動具43の一方側(左側)の外面43aが、上方から下方へ向かう程に一方側(左側)へ移行する傾斜面に形成されている。また、押圧手段40と対となる一方軸受部13の軸装部13aは、図4に示す如く、一方枢軸出入用開口部13bを除く部分が四周の周壁13c,13d,13e,13fで囲まれて形成され、一方側(左側)の周壁13cの内面13c−1が、便座2の起立状態で上方から下方へ向かう程に一方側(左側)へ移行する傾斜面に形成されている。押圧手段40及び一方軸受部13は、このように移動具43の外面43a及び軸装部13aの内面13c−1の各々を傾斜面とすることで、図18に示すように便座2が便座傾斜姿勢E2から便座接合姿勢Fへ移行するときに、伝動具42、移動具43及びバネ44からなる押圧手段40が軸装部13aの内側空間へ入り易くなっている。
【0037】
前記押圧手段40は、図5に示すようにバネ44を圧縮コイルバネで形成する以外に、図7(A)に示すように板バネで形成することもある。また、押圧手段40は、便座駆動用軸11に移動具43を摺動自在に外嵌させるために、図5に示すように移動具43に挿通孔43bを設ける以外に、図7(B)に示すように逆U字状の挿通溝43cを設けることもある。
【0038】
前記押圧手段40は、図5に示す如く、便座揺動用モータMの回転出力軸で形成した一方枢軸10に固着された伝動具42と、一方枢軸10に摺動自在に外嵌された移動具43と、伝動具42と移動具43の間に配置されたバネ44とからなるため、一方の枢支部X1に便座揺動用モータMの回転出力を便座2へ伝達する機構を簡単に組み込むことができる。
【0039】
前記便座駆動用軸11は、図9(C)(D)に示す如く、押圧手段40の駆動力伝達用の伝動具42が、一方軸受部13の軸装部13aに入って周壁13e,13f(図4参照)に係合することで、駆動モータMの便座駆動用出力を伝動具42、一方軸受部13及び一方の取付用腕部4を介して便座本体3へ伝達して、便座2を電動式で強制的に仰伏揺動させるようになっている。前記便蓋駆動用軸12は、図示は省略したが、便蓋の軸受部が着脱自在に外嵌装着され、駆動モータMの便蓋駆動用出力を軸受部を介して便蓋へ伝達して、便蓋を電動式で強制的に仰伏揺動させるようになっている。
【0040】
前記軸抜け防止手段26は、図4に示す如く、一方の取付用腕部4に移動自在に設けたロック具28を、一方の枢支部X1の軸装部13aから一方枢軸10が出ることを防止しない待機位置K(図9(A)参照)から防止するロック位置L(図9(B)参照)まで移動させるものであり、本例では、一方の取付用腕部4にロック具28を揺動自在に枢支27してある。ロック具28は、左右の揺動片30,30を枢支27側の連結軸31及び揺動先端側の操作棒32で連結して一体とし、各揺動片30に嵌合用凹部33を切込み形成し、待機位置Kからロック位置Lへ前進させたとき、図9(C)(D)に示すように、一方軸受部13の軸装部13aへ挿着している一方枢軸10を嵌合用凹部33,33で外嵌して、一方軸受部13と一方枢軸10との分離を防止するようにしてある。上記操作棒32は、ロック具28を揺動させるときに、指先で摘んで操作できるようになっている。ロック具28は、左右の各嵌合用凹部33に係止用突起33a,33aを設けて、嵌合用凹部33,33が外嵌した一方枢軸10(図9(C)(D)参照)を係止用突起33a,33aで無理バメ状態にして抜け難くしてある。
【0041】
なお、前記軸抜け防止手段26は、図6(A)(B)に示す如く、一方の取付用腕部4とロック具28の間に、ロック具28を矢符P方向へ付勢するロック用付勢具35を設け、ロック具28について待機位置Kで手を離すとロック用付勢具35に貯えられている反発力でロック位置Lへ自動的に移動させて、ロック具28のロック状態を確実なものとするように構成することもある。ロック用付勢具35は、例えば連結軸31に外嵌したつる巻バネを用い、連結軸31の中間に固着した鍔部36と取付用腕部4との間に配置して、鍔部36及び取付用腕部4につる巻バネの端部を連結してある。ロック具28は、ロック用付勢具35を設けるとき、各嵌合用凹部33の係止用突起33a,33a(図4(A)参照)を省略することができる。
【0042】
前記一方側(左側)の取付用腕部4及び軸抜け防止手段26は、図18(A)、図8(A)〜(D)及び図9(A)(B)に示すように、ロック具28を待機位置Kに位置させたまま分離状態の便座2を支持体6に装着できるようにするために、他方(右)の枢支部X2の後述する他方枢軸14に他方軸受部15に挿入して便座2を装着方向へ揺動させたとき、支持体6の膨出部7の隅部7a等にロック具28を衝突させないように便座本体部3に設けられている。
【0043】
前記他方(右)の枢支部X2は、図10乃至図13に示す如く、他方の取付用腕部5から一方の方向(左方向)へ向かって突出する短円柱状の他方枢軸14と、支持体6の膨出部7の他方側に開設した横向きの嵌挿用凹部16へ開口端16bから他方枢軸14を出し入れできる他方軸受部15とからなる。他方軸受部15は、便座2の装着手順を説明する図17に示す如く、支持体6の一方枢軸10及び他方軸受部15が形成する支持体軸芯Y1(便座2を揺動自在に枢支するときの支持体側の枢支中心となるもの)と分離状態の便座2の一方軸受部13及び他方枢軸14が形成する便座軸芯Y2(便座2を揺動自在に枢支するときの便座側の枢支中心となるもの)との交差角θを大きくした便座傾斜姿勢E1のまま他方枢軸14を受け入れでき、更に、同手順を説明する図18に示す如く、他方枢軸14を受け入れたまま両軸芯Y1,Y2の交差角θを小さくさせる便座傾斜姿勢E2(図18(A)参照)を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢F(図18(B)参照)へ移行させるのに伴い、前記一方(左)の枢支部X1の一方枢軸10が、図8(C)(D)に示す如く一方軸受部13の開口部13bを通過して軸装部13aへ挿着できるように、図12に示すように嵌挿用凹部16の奥側16aに比べて開口端16b側を大径となるように傾斜部16cを形成してある。嵌挿用凹部16は、この開口端16b側を大径にする傾斜部16cが設けられる領域を、便座傾斜姿勢E1の他方枢軸14を受け入れるときの便座軸芯Y2が通過する他方枢軸受入れ側とすることで、他方枢軸受入れ側以外の大径でない領域を設けて異物が嵌挿用凹部内へ侵入するのを抑制するようにしてある。嵌挿用凹部16は、この大径となる他方枢軸受入れ側を嵌挿用凹部16の下半側に位置させてあり、大径の他方枢軸受入れ側を便座使用者から見え難くして見栄えよくなるようにしてある。
【0044】
前記他方軸受部15は、図12に示す如く、嵌挿用凹部16の奥側突き当たりに、前記両軸芯Y1,Y2を大きく交差させる便座傾斜姿勢E1(図17(B)参照)のまま他方枢軸14を受け入れるときに他方枢軸14の一方側外隅部14aを侵入させる侵入用空間部16dと、前記両軸芯Y1,Y2を小さく交差させる便座傾斜姿勢E2(図18(A)参照)を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢F(図18(B)及び図13参照)へ移行させるのに伴い傾動する他方枢軸14の先端面14bを当接させて一方側外隅部14aを侵入用空間部16dから引き出させる当接面16eとを設けてある。侵入用空間部16d及び当接面16eは、図18(A)に示す如く、便座2が両軸芯Y1,Y2を小さく交差させる便座傾斜姿勢E2で傾動するとき、一方(左)の枢支部X1の一方軸受部13が支持体6の膨出部7の一方側の外隅部7aの外側を通過し始めた後に、当接面16e(図12参照)に対する他方枢軸14の先端面14bの当接を開始させ、一方側の外隅部7aの外側を通過するまでは便座2を他方(右)へ移動させないようにしてある。本例の他方軸受部15は、図12に示す如く、便座2を起立させた状態で着脱操作を行うようにするために(図17及び図18参照)、侵入用空間部16dを下方に設けると共に、当接面16eを上方に設けてある。他方軸受部15は、嵌挿用凹部16の奥側突当りに、侵入用空間部16dから当接面16eへ向かって連続的に傾斜する奥側突き当たり面16gを形成することにより、他方枢軸14の先端面14bを傾斜させつつ侵入用空間部16dから当接面16eへ円滑に引き出させるようにしてある。また、奥側突き当たり面16gは、侵入用空間部16dへ侵入したコイン等の異物が嵌挿用凹部16に密着して外れ難くなるのを防止する役割もある。
【0045】
更に、前記他方軸受部15は、図13に示す如く、嵌挿用凹部16の傾斜部16cと侵入用空間部16dとの間に、軸受面16fを支持体軸芯Y1と平行に形成してある。軸受面16fは、正面側からみて半円状に形成され(図(B)参照)、他方枢軸14の下半外周面を軸支して便座2の荷重を受けるようにしてある(図15参照)。このように構成された他方軸受部15は、便座接合姿勢F(図18(B)参照)のときに、他方枢軸14が一方枢軸側(左側)へ向かって移動するのを当接面16eで阻止しつつ軸受面16fで回転自在に枢支できる。前記他方枢軸14は、便座2が前記押圧手段40の押圧力で一方側(左側)へ押されるのに伴い、先端面14bを他方軸受部15の当接面16eに圧接しつつ回転するとき、円滑な回転が得られるように、図11(C)に示す如く、先端面14bを滑りが良好な滑り部材14cで形成するとよい。
【0046】
前記他方(右)の枢支部X2は、図10に示す如く、他方軸受部15を形成する嵌挿用凹部16の奥側の当接面16eと他方枢軸14の先端面14bとで便座移動規制部39が形成され、当接面16eに先端面14bを当接させる位置(便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)まで、装着する便座2を一方側(左側)へ向かって移動できるようにしてある。
【0047】
本発明便座装置1は、図12及び図13に示す如く、他方軸受部15に侵入用空間部16d及び当接面16eを設けることにより、前記両軸芯Y1,Y2を小さく交差させる便座傾斜姿勢E2(図18(A)参照)を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢F(図18(B)参照)へ移行させるのに伴い傾動する他方枢軸14の一方側外隅部14aを侵入用空間部16dから引き出させて他方枢軸14の先端面14bを当接面16eに乗り上がるように当接させることで、引き出させた寸法分だけ便座軸芯方向Y2に沿う移動を減少させて、装着状態の便座2の便座軸芯方向Y2に沿うガタ付きを小さくすることができる。なお、便座2の便座軸芯方向Y2に沿うガタ付きを押圧手段40で抑制することができるため、他方軸受部15は、図示は省略したが、侵入用空間部16d及び当接面16eを設けることなく、嵌挿用凹部16の奥側突き当たり面の全体を平坦に仕上げた当接面に仕上げて、この当接面に他方枢軸14の先端面14bを当接させて当接面積を大きくすることも可能である。
【0048】
本発明便座装置1は、図1乃至図13に示す態様では便座2を起立させた状態で便座接合作業を行うようにしたものであるが、図14に示す如く、便座2を水平な姿勢にして便座接合作業ができるように、他方の枢支部X2の他方軸受部15を形成することも可能である。
【0049】
本発明便座装置1は、嵌挿用凹部16への異物の侵入防止を完全なものとするために、図15及び図16に示す如く、他方軸受部15と他方の取付用腕部5との間に異物侵入防止具38を設け、嵌挿用凹部16と他方枢軸14の隙間を異物侵入防止具38で覆うこともある。異物侵入防止具38は、硬質の合成樹脂やゴム素材からなる当接表面が滑り易い閉塞板38aと、軟質の合成樹脂やゴム素材又はバネ材からなる圧縮変形可能な弾性を有する環状の押圧部38bとを備え、図16に示すように他方枢軸14に押圧部38bを外嵌装着させると共に、他方枢軸14に閉塞板38aを遊嵌合させてある。異物侵入防止具38は、図17(B)に示すように支持体軸芯Y1と便座軸芯Y2を大きく交差させた便座傾斜姿勢E1のまま他方枢軸14を他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側へ挿入するとき、この挿入を阻害しないように環状の押圧部38bの一部が圧縮変形し、また、図15に示すように支持体軸芯Y1と便座軸芯Y2を一致させるように便座2の装着状態を終了して便座2を揺動できる状態となったとき、嵌挿用凹部16の開口端16bの開口周縁に閉塞板38aの当接表面を押圧部38bの弾性押圧力で圧着させて、開口端16bを覆うようになる。異物侵入防止具38は、閉塞板38aの当接表面が滑り易くなっているため、便座2の揺動に伴い、嵌挿用凹部16の開口端16bの開口周縁に対して円滑に摺動して開口端16bを常に覆うことができる。
【0050】
前記他方(右)の枢支部X2は、図10に示す如く、他方軸受部15の嵌挿用凹部16より奥側に給電装置23の一次コイル24を埋設すると共に、他方枢軸14に給電装置23の二次コイル25を埋設してある。一次コイル24は、ボビン24aの内部にコイル24bを内蔵させたものであり、また、二次コイル25は、ボビン25aの内部にコイル25bを内蔵させたものである。本発明便座装置1は、便座2の便座軸芯方向Y2に沿うガタ付きを押圧手段40で抑制することができるため、給電装置23の一次コイル24と二次コイル25の間の距離を一定に維持して安定した給電を確保できる。
【0051】
本発明便座装置1は、図示は省略したが、他方の枢支部X2側に備えた給電装置23の外回りに、一次コイル側シール具及び二次コイル側シール具からなる磁気シール具を設け、一次コイル24と二次コイル25の間の電磁誘導による低周波の磁界が給電装置23の外側へ漏れ出るのを抑制するように構成することもある。なお、給電装置23は、磁気シール具が設けられることで、磁界の漏れ出しを抑制すると共に、一次コイル24と二次コイル25の間の伝送効率を上昇させることができるようになる。
【0052】
本発明便座装置1は、便器(図示略)に固定されている支持体6に分離状態の便器2を手作業で装着するとき、図17(B)に示すように支持体軸芯Y1と便座軸芯Y2を大きく交差させた便座傾斜姿勢E1のまま他方側(右側)の他方枢軸14を他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側へ挿入した後に、図18(A)(B)に示すように両軸芯Y1,Y2を小さく交差させる便座傾斜姿勢E2を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢Fへ移行させることで、一方側(左側)の一方枢軸10及び押圧手段40が、移動する一方軸受部13の開口部13bを通過して軸装部13aへ入って便座装着ができる。
【0053】
傾動する便座2の軸装部13aの内側空間へ一方枢軸10を入れようとするとき、図8(C)(D)及び図9(A)(B)に示すように、押圧手段40は、一方枢軸10側に設けらている移動具43の傾斜した外面43aに軸装部13aの内面13c−1が当接し、バネ44に反発力を貯えさせつつ移動具43が移動する。次に、便座2が便座接合姿勢F(図18(B)参照)となったときに、便座2を持って装着操作している操作者が便座2から手を離すと、押圧手段40は、バネ44の反発力で移動具43を移動させて軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧して、他方(右)の枢支部X2の他方枢軸14を、一方側(左側)へ向かって移動するのが規制される位置(図10及び図18(B)に示すように、他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の奥側の当接面16eに当接して便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)又はこの規制される位置(便座2の規制位置Q)の近傍(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の当接面16eに接近する状態の位置)まで移動させ、便座軸芯Y2方向に沿った便座2のガタ付きを抑制することができる。
【0054】
最後に、軸装部13aに一方枢軸10及び押圧手段40を挿入した後は、軸抜け防止手段26のロック具28を待機位置Kからロック位置Lへ移動させて、一方軸受部13から一方側(左側)の一方枢軸10が抜け出るのを防止して便座2の装着を終了する。
【0055】
逆に、固定されている支持体6から便座2を分離するときには、上記操作と逆の操作を行うことで、図17(A)(B)に示すように両軸芯Y1,Y2を大きく交差させた便座傾斜姿勢E1のまま他方枢軸14を他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側から抜き出して便座分離ができるため、便座2の着脱が簡単且つ確実にできる。
【0056】
本実施の形態に係る本発明便座装置1は、便座2の他方の取付用腕部5から突出する他方枢軸14が支持体6の膨出部7側に備えた他方軸受部16に比べて小さなスペースですむことから、他方の取付用腕部5側をコンパクトにすることができ、便座2の着脱時の扱いがし易くなる。
【0057】
(第2の実施の形態) 図19及び図20は本発明便座装置1に備える第2の実施の形態に係る押圧手段50及び一方軸受部13を示すものであり、図19の図(A)は一方軸受部13を部分断面した正面図、図(B)は押圧手段50を部分断面した正面図である。図20の図(A)は一方軸受部13に一方枢軸10及び押圧手段50を入れている途中の状態を示す部分断面した正面図、図20の図(B)は一方軸受部13に一方枢軸10及び押圧手段50を入れて軸抜け防止手段26をロック状態とした部分断面した正面図である。
【0058】
本実施の形態に係る本発明便座装置1が図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態と相違する点は、押圧手段50の構造と一方軸受部13の軸装部13aの形状である。本実施の形態に係る本発明便座装置1におけるこの相違点以外の構成は、図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態に係る本発明便座装置1と実質的に同一であり、同一符号は同一構成要素等を示している。
【0059】
前記押圧手段50は、便座揺動用モータMの回転出力軸で形成した一方枢軸10の便座駆動用軸11に摺動自在に外嵌され、一方枢軸10の便座駆動用軸11と一緒に回転する中空軸51と、中空軸51にセットネジ45等で固着され、便座2の便座接合姿勢F(図20(B)参照)のときに軸装部13aへ入ってモータ回転出力を軸装部13aへ伝達する伝動具52と、一方枢軸10に外嵌され、一端54aを中空軸51に当接すると共に他端54bを膨出部7側に固定するバネ54とを備え、伝動具52を介してバネ力で軸装部13aを押圧するように構成されている。中空軸51を便座駆動用軸11と一緒に回転させる構造としては、図示する如く、中空軸51に開設した長孔51aに、便座駆動用軸11に植設したピン55を係止させるか、図示は使用略したが、便座駆動用軸11の横断面の外形を多角形(例えば、四角形)にして便座駆動用軸11の回りを回転しないように外嵌させる。
【0060】
前記伝動具52は、図20に示す如く、両側(左右)の外側面52a,52bを傾斜面とした板厚みが一定の台形に形成されており、モータMが便座を起立状態とする回転位置で停止している状態のとき、一方側(左側)の外面52aが上方から下方へ向かう程に一方側(左側)へ移行する傾斜面に形成されていると共に、他方側(右側)の外面52bが上方から下方へ向かう程に他方側(右側)へ移行する傾斜面に形成され、図示は省略したが、前後の外側面が、板厚みが一定となるように平行に形成されて、一方軸受部13の軸装部13aを形成する周壁13e,13f(図4参照)の間に挿入されて周壁13e,13fで挟まれるようになっている。前記一方軸受部13の軸装部13aは、台形の伝動具52を挿入できるように、内側空間が台形に形成されている。
【0061】
図20(A)に示す如く、傾動する便座2の軸装部13aの内側空間へ一方枢軸10を入れようとするとき、押圧手段50は、一方枢軸10側に設けらている伝動具52の傾斜した外面52aに軸装部13aの内面13c−1が当接し、バネ54に反発力を貯えさせつつ伝動具52及び中空軸51が移動する。次に、同図(B)に示す如く、便座2が便座接合姿勢Fとなったときに、便座2を持って装着操作している操作者が便座2から手を離すと、押圧手段50は、バネ54の反発力で伝動具52を移動させて軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧して、図18(B)に示す他方(右)の枢支部X2の他方枢軸14を、一方側(左側)へ向かって移動するのが規制される位置(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の奥側の当接面16eに当接して便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)又はこの規制される位置(便座2の規制位置Q)の近傍(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の当接面16eに接近する状態の位置)まで移動させ、便座軸芯Y2方向に沿った便座2のガタ付きを抑制することができる。
【0062】
本実施の形態に係る押圧手段50は、便座揺動用モータMの回転出力軸で形成した一方枢軸10に摺動自在に外嵌された中空軸51と、中空軸51に固着された伝動具52と、一方枢軸10に外嵌されたバネ54とからなるため、一方の枢支部X1に便座揺動用モータMの回転出力を便座2へ伝達する機構を簡単に組み込むことができる。
【0063】
(第3の実施の形態) 図21及び図22は本発明便座装置1に備える第3の実施の形態に係る押圧手段60及び一方軸受部13を示すものであり、図21の図(A)は一方軸受部13を部分断面した正面図、図(B)は押圧手段60を部分断面した正面図である。図22の図(A)は一方軸受部13に一方枢軸10及び押圧手段60を入れている途中の状態を示す部分断面した正面図、図22の図(B)は一方軸受部13に一方枢軸10及び押圧手段60を入れて軸抜け防止手段26をロック状態とした部分断面した正面図である。
【0064】
本実施の形態に係る本発明便座装置1が図1乃至図18に示す第1の実施の形態と相違する点は、便座・便蓋揺動用モータMを備えることなく一方枢軸10を支持体6の膨出部7に固定したこと、押圧手段60の構造、及び一方軸受部13の軸装部13aの形状である。本実施の形態に係る本発明便座装置1におけるこの相違点以外の構成は、図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態に係る本発明便座装置1と実質的に同一であり、同一符号は同一構成要素等を示している。
【0065】
前記押圧手段60は、図21に示す如く、一方枢軸10の固定した便蓋用軸63に摺動自在に外嵌され中空軸61(便座用軸となる)と、中空軸61にセットネジ45等で固着され、便座接合姿勢F(図22(B)参照)のときに軸装部13aへ入る移動具62と、一方枢軸10の便蓋用軸63に外嵌され、一端64aを中空軸61に当接すると共に他端64bを膨出部7側に当接するバネ64とを備え、移動具62を介してバネ力で軸装部13aを押圧するように構成されている。
【0066】
前記移動具62は、両側(左右)の外側面62a,62bを傾斜面とした算盤玉状に形成されている。前記一方軸受部13の軸装部13aは、移動具62を挿入できるように内側空間が形成されている。
【0067】
図22(A)に示す如く、傾動する便座2の軸装部13aの内側空間へ一方枢軸10を入れようとするとき、押圧手段60は、一方枢軸10側に設けらている移動具62の傾斜した外面62aに軸装部13aの内面13c−1が当接し、バネ64に反発力を貯えさせつつ移動具62及び中空軸61が移動する。次に、同図(B)に示す如く、便座2が便座接合姿勢Fとなったときに、便座2を持って装着操作している操作者が便座2から手を離すと、押圧手段60は、バネ64の反発力で移動具62を移動させて軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧して、図18(B)に示す他方(右)の枢支部X2の他方枢軸14を、一方側(左側)へ向かって移動するのが規制される位置(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の奥側の当接面16eに当接して便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)又はこの規制される位置(便座2の規制位置Q)の近傍(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の当接面16eに接近する状態の位置)まで移動させ、便座軸芯Y2方向に沿った便座2のガタ付きを抑制することができる。
【0068】
本実施の形態に係る本発明便座装置1は、押圧手段60が、固定した一方枢軸10の便蓋用軸63に摺動自在に外嵌された中空軸61と、中空軸61に固着された移動具62と、一方枢軸10の便蓋用軸63に外嵌されたバネ64とからなるため、便座揺動用モータを備えないときに、押圧手段60を一方の枢支部X1へ簡単に組み込むことができる。
【0069】
(第4の実施の形態)
図23乃至図25は本発明便座装置の第4の実施の形態を示すものであり、図23は他方の枢支部X2を示すものであって他方軸受部15と他方枢軸14の接合状態の正面図である。図24及び図25は支持体6に便座2を装着する手順を示す部分断面した正面図であって、図24(A)は支持体6と便座2を完全に分離した状態を示し、図24(B)は便座傾斜姿勢のまま他方の枢支部X2の他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側へ他方枢軸14を挿入させる装着開始状態を示し、図25(A)は一方の枢支部X1の一方枢軸10へ一方軸受部13を接近させた状態を示し、図25(B)は便座2の装着完了の状態を示す。
【0070】
本実施の形態に係る本発明便座装置71が図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態に係る本発明便座装置1と相違する点は、他方(右)の枢支部X2について、他方枢軸14を支持体6の膨出部7の他方側(右側)に設けると共に、他方軸受部15を便座2の他方の取付用腕部5に設けたことである。本実施の形態に係る本発明便座装置71におけるこの相違点以外の構成は、図1乃至図18に示す本発明便座装置1と実質的に同一であり、同一符号は同一構成要素等を示している。
【0071】
他方(右)の枢支部X2は、図23に示す如く、支持体6の膨出部7から他方の方向(右方向)へ向かって突出する短円柱状の他方枢軸14と、他方の取付用腕部5の一方側(左側)に開設した横向きの嵌挿用凹部16へ開口端16bから他方枢軸14を出し入れできる他方軸受部15とからなる。他方軸受部15は、便座2の装着手順を説明する図24に示す如く、支持体6の一方枢軸10及び他方枢軸14が形成する支持体軸芯Y1と分離状態の便座2の一方軸受部13及び他方軸受部15が形成する便座軸芯Y2との交差角θを大きくした便座傾斜姿勢E1のまま他方枢軸14を受け入れでき、更に、同手順を説明する図25に示す如く、他方枢軸14を受け入れたまま両軸芯Y1,Y2の交差角θを小さくさせる便座傾斜姿勢E2(図(A)参照)を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢F(図(B)参照)へ移行させるのに伴い、前記一方(左)の枢支部X1の一方枢軸10が、図8(A)(B)及び図9(A)に示す如く一方軸受部13の開口部13bを通過して軸装部13aへ挿着できるように、嵌挿用凹部16の奥側16aに比べて開口端16b側を大径となるように傾斜部16cを形成してある。
【0072】
便座2を支持する支持体6から便座2へ給電する給電装置23は、図23に示す如く、他方枢軸14に埋設した一次コイル24と、他方軸受部15の嵌挿用凹部16より奥側に埋設した二次コイル25とからなる。
【0073】
本発明便座装置71は、分離した便座2を支持体6に装着するとき、図24(B)に示すように支持体軸芯Y1と便座軸芯Y2を大きく交差させた便座傾斜姿勢E1のまま他方側(右側)の他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側へ他方枢軸14を挿入した後に、図25(A)(B)に示すように両軸芯Y1,Y2を小さく交差させる便座傾斜姿勢E2を経て両軸芯Y1,Y2を合致させる便座接合姿勢Fへ移行させることで、一方側(左側)の一方枢軸10及び押圧手段40が、移動する一方軸受部13の開口部13b(図8参照)を通過して軸装部13aへ入り、便座装着ができる。
【0074】
傾動する便座2の軸装部13aの内側空間へ一方枢軸10を入れようとするとき、押圧手段40は、一方枢軸10側に設けらている移動具43の傾斜した外面43aに軸装部13aの内面13c−1が当接し、バネ44に反発力を貯えさせつつ移動具43が移動する。次に、便座2が便座接合姿勢Fとなったときに、便座2を持って装着操作している操作者が便座2から手を離すと、押圧手段40は、バネ44の反発力で移動具43を移動させて軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧して、他方(右)の枢支部X2の他方軸受部15を、一方側(左側)へ向かって移動するのが規制される位置(図25(B)に示す他方軸受部15の奥側の当接面16eが他方枢軸14の先端面14bに当接して便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)又はこの規制される位置(便座2の規制位置Q)の近傍(他方枢軸14の先端面14bが他方軸受部15の当接面16eに接近する状態の位置)まで移動させ、便座軸芯Y2方向に沿った便座2のガタ付きを抑制することができる。
【0075】
最後に、軸装部13aに一方枢軸10及び押圧手段40を挿入した後は、軸抜け防止手段26のロック具28を待機位置Kからロック位置Lへ移動させて、一方軸受部13から一方側(左側)の一方枢軸10が抜け出るのを防止して便座2の装着を終了する。
【0076】
逆に、固定されている支持体6から便座2を分離するときには、上記操作と逆の操作を行うことで、図24(A)(B)に示すように両軸芯Y1,Y2を大きく交差させた便座傾斜姿勢E1のまま他方枢軸14を他方軸受部15の嵌挿用凹部16の奥側から抜き出して便座分離ができるため、便座2の着脱が簡単且つ確実にできる。
【0077】
本実施の形態に係る本発明便座装置71は、便座2の他方の取付用腕部5に、他方枢軸14を出入れできる嵌挿用凹部16を開設した他方軸受部15を内蔵するように備えるので、便座2を着脱するときに誤って便座2を落としたとしても、他方の取付用腕部5で保護される他方軸受部15及び二次コイル25を破損させることもなく、便座2を円滑に着脱させることができる。
【0078】
(第5の実施の形態)
図26乃至図29は本発明便座装置の第5の実施の形態を示すものであって、図26は支持体6に便座2を装着する手順を示す正面図であって、図(A)は支持体6と便座2を分離した状態を示し、図(B)は支持体6に便座2を装着した状態を示す。図27は他方(右)の枢支部X2を示すものであって、図(A)は他方枢軸84と他方軸受部83の分離状態を示す正面図、図(B)は同分離状態を示す一部破断した右側面図、図(C)は他方軸受部83に他方枢軸84を入れて他方の軸抜け防止手段86が非ロック状態の正面図、図(D)は同状態を示す右側面図である。図28は他方の枢支部X2を示すものであって、図(A)は他方軸受部83に他方枢軸84を入れて他方の軸抜け防止手段86をロック状態とした正面図、図(B)は同状態を示す右側面図である。図29は便座2を装着した状態の本発明便座装置81の要部を示す左側面図である。
【0079】
本実施の形態に係る本発明便座装置81は、図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態に係る本発明便座装置1と他方(右)の枢支部X2の構成が相違し、この相違する以外の構成については本発明便座装置1と実質的に同一であり、同一符号は同一構成要素等を示している。
【0080】
他方の枢支部X2は、図27に示す如く、支持体6の膨出部7の他方側面7dから更に他方の方向(右方向)へ向かって突出した他方枢軸84と、便座2の他方の取付用腕部5に設けられ、他方軸用軸装部83a及びこの軸装部83aへ他方枢軸84を出し入れするための他方枢軸出入用開口部83bを有する他方軸受部83とを備え、軸装部83aへ挿着した他方枢軸84が抜け出すのを防止するための他方の軸抜け防止手段86とを備えている。他方枢軸84は、膨出部7に固着され、便座2及び便蓋(図示略)を揺動自在に支持するようになっている。他方枢軸84は、位置決め用板85が固着され、位置決め用板85に他方軸受部83を形成する他方の取付用腕部5を当接させ(図28(A)参照)て、便座2が一方の方向(右方向)へ移動するのを阻止するようにしてある。なお、本発明便座装置81は、位置決め用板85を省略して、膨出部7の他方側面7dに他方の取付用腕部5を直接当接させるように構成することもある。
【0081】
前記他方(右)の枢支部X2は、図28(A)に示す如く、他方軸受部83を形成する他方の取付用腕部5の左側の腕片5aと位置決め用板85(位置決め用板85が無いときには膨出部7の他方側面7d)とで便座移動規制部82が形成され、位置決め用板85(又は他方側面7d)に腕片5aを当接させる位置(便座2の一方側へ向かう移動が規制される規制位置Q)まで、装着する便座2を一方側(左側)へ向かって移動できるようにしてある。
【0082】
前記他方の軸抜け防止手段86は、非ロック状態(図26(A)び図27参照)のときには、他方枢軸84が他方枢軸出入用開口部83bを通じて他方軸用軸装部83aへ挿着又は離脱でき、ロック状態(図26(B)及び図28参照)のときには、他方軸受部83の軸装部83aから他方枢軸84が出ることを防止するようになっている。他方の軸抜け防止手段86は、他方の取付用腕部5の左右の腕片5a,5aの間に配置され、枢軸87を介して揺動自在に枢支した他方のロック具88を備え、他方のロック具88の揺動範囲を、他方軸受部83の他方軸用軸装部83aから他方枢軸84が出ることを防止しない待機位置K(図27(C)(D))から防止するロック位置L(図28)までとしてある。ロック具88は、嵌合用凹部89を切込み形成し、待機位置Kからロック位置Lへ前進させたとき、図28に示すように、他方軸受部83の軸装部83aへ挿着している他方枢軸84を嵌合用凹部89で外嵌して、他方軸受部83と他方枢軸84との分離を防止するようにしてある。ロック具88は、嵌合用凹部89に係止用突起89a,89a(図27(B)参照)を設けて、嵌合用凹部89が外嵌した他方枢軸84を係止用突起89a,89aで無理バメ状態にして抜け難くしてある。
【0083】
本発明便座装置81は、分離した便座2を支持体6に装着するとき、図26(A)に示すように支持体軸芯Y1と便座軸芯Y2を平行又は略平行にした状態のまま便座2を支持体6へ向かって移動させ、一方(左)の枢支部X1の移動する一方軸受部13の一方枢軸出入用開口部13b(図8及び図9参照)に固定状態の一方枢軸10を通過させて一方の軸装部13aへ入れると共に、他方(右)の枢支部X2の移動する他方軸受部83の他方枢軸出入用開口部83b(図27参照)に他方枢軸84を通過させて他方の軸装部83aへ入れて便座装着ができる。このように便座2の一方(左)の枢支部X1の軸装部13aの内側空間へ一方枢軸10を入れようとするとき、押圧手段40は、一方枢軸10側に設けらている移動具43の傾斜した外面43aに軸装部13aの内面13c−1が当接し、バネ44に反発力を貯えさせつつ移動具43が移動する。次に、便座2を持って装着操作している操作者が便座2から手を離すと、押圧手段40は、バネ44の反発力で移動具43を移動させて軸装部13aを一方枢軸10の突出先端側(左側)へ向かって押圧して、他方(右)の枢支部X2の他方軸受部83を、一方側(左側)へ向かって移動するのが規制される位置(図28(A)に示すように、位置決め用板85に他方の取付用腕部5が当接して便座2の一方側(右側)へ向かう移動が規制される規制位置Q)又はこの規制される位置(便座2の規制位置Q)の近傍(位置決め用板85に他方の取付用腕部5が接近する状態の位置)まで移動させ、便座軸芯Y2方向に沿った便座2のガタ付きを抑制することができる。
【0084】
最後に、一方(左)の枢支部X1の軸装部13aに一方枢軸10及び押圧手段40を挿入すると共に、他方(右)の枢支部X2の軸装部83aに他方枢軸84を挿入した後には、左右両方の軸抜け防止手段26,86のロック具28,88を待機位置Kからロック位置Lへ移動させて、一方軸受部13から一方枢軸10が抜け出るのを防止すると共に他方軸受部83から他方枢軸84が抜け出るのを防止して便座2の装着を終了する。
【0085】
逆に、固定されている支持体6から便座2を分離するときには、上記操作と逆の操作を行うことで、一方軸受部13から一方枢軸10を抜き出すと共に、他方軸受部83から他方枢軸84を抜き出して便座分離ができるため、便座2の着脱が簡単且つ確実にできる。
【0086】
なお、本発明便座装置81は、図26に示す態様のものと左右対称に形成して、一方を「右」とすると共に他方を「左」とすることもある。
【0087】
(第6の実施の形態)
図30乃至図32は一方の枢支部X1における一方軸受部13の軸装部13aから一方枢軸10が出るのを防ぐ軸抜け防止手段の別態様を備えた本発明便座装置91を示すものであって、図30は便座2の装着状態における一方の枢支部X1を示す部分断面した正面図である。図31は一方軸受部13を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は図(A)のb−b線で断面した正面図である。図32は一方枢軸10及び押圧手段40の要部を断面した正面図である。
【0088】
本実施の形態に係る本発明便座装置91は、態様の異なる三つの軸抜け防止手段92,93,94を備えているが、三つの軸抜け防止手段92,93,94内からいずれかつ一つ又は二つを選択して備えることも可能である。本実施の形態に係る本発明便座装置91は、図1乃至図18に示す前記第1の実施の形態に係る本発明便座装置1と軸抜け防止手段の構成が相違し、この相違する以外の構成については本発明便座装置1と実質的に同一であり、同一符号は同一構成要素等を示している。なお、図23乃至図25に示す第4の実施の形態に係る本発明便座装置71に備えた軸抜け防止手段26、及び図26乃至図29に示す第5の実施の形態に係る本発明便座装置81に備えた軸抜け防止手段26は、軸抜け防止手段92,93,94に置換することも可能である。
【0089】
軸抜け防止手段92は、図30及び図31に示す如く、一方軸受部13を形成する左右の周壁13c,13dの両方又は一方に、一方枢軸出入用開口部13bへ向かって突設させた係止突起13gからなり、一方枢軸出入用開口部13bを通過させて軸装部13aに一方枢軸10を出し入れするときに、一方枢軸10が係止突起13gを弾性変形で後退させつつ強引に通過でき、軸装部13aに挿着した一方枢軸10が軸装部13aから抜き出るのを係止突起13gで防止するようにしてある。軸抜け防止手段92は、係止突起13gの弾性変形が最適な状態で行われるよに、開口スリット等からなる変形逃がし部13hを必要に応じて設けてある。係止突起13gは、一方枢軸出入用開口部13bを介して対峙するように二個一組として設ける態様や、一個一組(図示略)として設ける態様がある。
【0090】
軸抜け防止手段93は、図30に示す如く、一方軸受部13に固着した磁石93aと、一方枢軸10に備えた押圧手段40の伝動具42に固着した磁石93bとからなり、軸装部13aに一方枢軸10を挿着したときに、両磁石93a,93bが磁力で引き合って、一方枢軸10が軸装部13aから抜き出るのを防止するようにしてある。便座2の分離のために軸装部13aから一方枢軸10を抜き出すときには、両磁石93a,93bの磁力に抗して、便座2と一体となっている一方軸受部13を移動させて行う。
【0091】
軸抜け防止手段94は、図30〜図32に示す如く、一方軸受部13に凹設され、軸装部13aの内側空間に面する係止凹部94aと、一方枢軸10に備えた押圧手段40の移動具43に突設させた係止凸部94bとからなり、軸装部13aに一方枢軸10を挿着したときに、係止凹部94aに係止凸部94bが自動的に係止して、一方枢軸10が軸装部13aから抜き出るのを防止するようにしてある。係止した状態は、押圧手段40のバネ44の押圧力で維持され、便座2の分離のために軸装部13aから一方枢軸10を抜き出すときには、バネ44の押圧力に抗して、便座2と一体となっている一方軸受部13を移動させて行う。
【0092】
(その他の実施の形態) 前記ロック具28は、図9(C)(D)に示すように、一方軸受部13の軸装部13aへ挿着している一方枢軸10を嵌合用凹部33,33で外嵌して、一方軸受部13と一方枢軸10との分離を防止すると共に着座使用時の便座2が前後方向へガタ付かないようにしてあるが、これに限定るものではなく、図示は省略したが、一方軸受部13の開口部13bを覆う覆蓋片を形成して、開口部13bから一方枢軸10が抜けでるのを防止する構造を採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明便座装置の第1の実施の形態を示すものであり、支持体に便座を装着した状態の概略構成を示す平面図である。
【図2】同装着状態の本発明便座装置の左側面図である。
【図3】図2の一点鎖線イで囲まれた箇所を拡大して示す断面図である。
【図4】一方の枢支部の一方軸受部及び軸抜け防止手段を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は正面図、図(C)は底面図、図(D)は図(A)のd−d線で断面した断面図、図(E)はロック状態の半截した正面図である。
【図5】一方の枢支部の一方枢軸及び押圧手段を断面して示すものであって、図(A)は平面図、図(B)は要部を断面した正面図である。
【図6】一方の枢支部の一方軸受部及び軸抜け防止手段の別態様を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は半截した正面図である。
【図7】図(A)及び図(B)は押圧手段の異なる別態様を断面して示す正面図である。
【図8】一方の枢支部を示すものであって、図(A)は一方枢軸と一方軸受部の分離状態を示す左側面図、図(B)は同分離状態を示す正面図、図(C)は一方軸受部に一方枢軸を入れている途中の状態を示す左側面図、図(D)は同状態を示す正面図である。
【図9】一方の枢支部を示すものであって、図(A)は一方軸受部に一方枢軸を入れて軸抜け防止手段が非ロック状態の左側面図、図(B)は同状態を示す正面図、図(C)は一方軸受部に一方枢軸を入れて軸抜け防止手段をロック状態とした左側面図、図(D)は同状態を示す正面図である。
【図10】他方の枢支部を示すものであって他方軸受部と他方枢軸の接合状態の正面図である。
【図11】他方の枢支部の他方枢軸を示すものであって、図(A)は部分断面した正面図、図(B)は左側面図、図(C)は別態様の要部をす正面図である。
【図12】他方の枢支部の他方軸受部を示すものであって、図(A)は便座接合作業の開始状態の他方枢軸を二点鎖線で示す正面図、図(B)は右側面図である。
【図13】他方の枢支部の他方軸受部を示すものであって、図(A)は便座接合作業の完了状態の他方枢軸を二点鎖線で示す正面図、図(B)は同状態の右側面図である。
【図14】便座を水平な姿勢にして便座接合作業ができるようにした態様の他方の枢支部の他方軸受部を示すものであって、図(A)は便座接合作業の開始状態の他方枢軸を二点鎖線で示す平面図、図(B)は右側面図である。
【図15】異物侵入防止具を備えた態様の他方の枢支部を示すものであって他方軸受部と他方枢軸の接合状態の正面図である。
【図16】異物侵入防止具を備えた態様の他方の枢支部の他方枢軸を示すものであって、図(A)は部分断面した正面図、図(B)は左側面図である。
【図17】支持体に便座を装着する手順を示す部分断面した正面図であって、図(A)は支持体と便座を完全に分離した状態を示し、図(B)は便座傾斜姿勢のまま他方軸受部の嵌挿用凹部へ他方枢軸を挿入する装着開始状態を示す。
【図18】同手順を示す部分断面した正面図であって、図(A)は一方の枢支部の一方枢軸へ一方軸受部を接近させた状態を示し、図(B)は便座の装着状態を示す。
【図19】本発明便座装置に備える第2の実施の形態に係る押圧手段及び一方軸受部を示すものであり、図(A)は一方軸受部を部分断面した正面図、図(B)は押圧手段を部分断面した正面図である。
【図20】第2の実施の形態に係る押圧手段及び一方軸受部を示すものであり、図(A)は一方軸受部に一方枢軸及び押圧手段を入れている途中の状態を示す部分断面した正面図、図(B)は一方軸受部に一方枢軸及び押圧手段を入れて軸抜け防止手段をロック状態とした部分断面した正面図である。
【図21】本発明便座装置に備える第3の実施の形態に係る押圧手段及び一方軸受部を示すものであり、図(A)は一方軸受部を部分断面した正面図、図(B)は押圧手段を部分断面した正面図である。
【図22】第3の実施の形態に係る押圧手段及び一方軸受部を示すものであり、図(A)は一方軸受部に一方枢軸及び押圧手段を入れている途中の状態を示す部分断面した正面図、図(B)は一方軸受部に一方枢軸及び押圧手段を入れて軸抜け防止手段をロック状態とした部分断面した正面図である。
【図23】本発明便座装置の第4の実施の形態を示すものであり、他方の枢支部の他方軸受部と他方枢軸の接合状態の正面図である。
【図24】第4の実施の形態において支持体に便座を装着する手順を示す部分断面した正面図であって、図(A)は支持体と便座を完全に分離した状態を示し、図(B)は便座傾斜姿勢のまま他方の枢支部の他方軸受部の嵌挿用凹部の奥側へ他方枢軸を挿入させる装着開始状態を示すものである。
【図25】第4の実施の形態において支持体に便座を装着する手順を示す部分断面した正面図であって、図(A)は一方の枢支部の一方枢軸へ一方軸受部を接近させた状態を示し、図(B)は便座の装着完了の状態を示す。
【図26】本発明便座装置の第5の実施の形態を示すものであって、支持体に便座を装着する手順を示す正面図であり、図(A)は支持体と便座を分離した状態を示し、図(B)は支持体に便座を装着した状態を示す。
【図27】第5の実施の形態における他方の枢支部を示すものであって、図(A)は他方枢軸と他方軸受部の分離状態を示す正面図、図(B)は同分離状態を示す右側面図、図(C)は他方軸受部に他方枢軸を入れて他方の軸抜け防止手段が非ロック状態の正面図、図(D)は同状態を示す右側面図である。
【図28】第5の実施の形態における他方の枢支部を示すものであって、図(A)は他方軸受部に他方枢軸を入れて他方の軸抜け防止手段をロック状態とした正面図、図(B)は同状態を示す右側面図である。
【図29】第5の実施の形態において便座を装着した状態の本発明便座装置の要部を示す左側面図である。
【図30】本発明便座装置の第6の実施の形態を示すものであって、便座の装着状態における一方の枢支部を示す部分断面した正面図である。
【図31】第6の実施の形態における一方軸受部を示すものであって、図(A)は左側面図、図(B)は図(A)のb−b線で断面した正面図である。
【図32】第6の実施の形態における一方枢軸及び押圧手段の要部を断面した正面図である。
【0094】
1…本発明便座装置、2…便座、4…一方の取付用腕部、5…他方の取付用腕部、6…支持体、7…膨出部、10…一方枢軸、13…一方軸受部、13a…軸装部、13b…一方枢軸出入用開口部、14(84)…他方枢軸、15(83)…他方軸受部、16…嵌挿用凹部、16c…傾斜部、16d…侵入用空間部、16e…当接面、23…給電装置、24…一次コイル、25…二次コイル、26(86,92,93,94)…軸抜け防止手段、27…枢支、28…ロック具、30…揺動片、31…連結軸、32…操作棒、39(82)…便座移動規制部、40…押圧手段、42…伝動具、43…移動具、44…バネ、50…押圧手段、51…中空軸、52…伝動具、54…バネ、60…押圧手段、61…中空軸、62…移動具、64…バネ、E…便座傾動姿勢、E1…両軸芯Y1,Y2の交差角度を大きくした便座傾斜姿勢、E2…両軸芯Y1,Y2の交差角度を小さくした便座傾斜姿勢、X1…一方の枢支部、X2…他方の枢支部、Y1…支持体軸芯、Y2…便座軸芯、θ…交差角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座面を形成した本体部に左右の一方の取付用腕部と左右の他方の取付用腕部を突設した便座と、両方の取付用腕部で挟まれる膨出部を形成した支持体と、支持体に両方の取付用腕部を介して便座を揺動自在に枢支する一方の枢支部及び他方の枢支部とを備え、便座が支持体に対し着脱可能である便座装置において、
他方の枢支部は、装着する便座の一方側へ向かう移動を規制位置までとする便座移動規制部が形成され、
一方の枢支部は、膨出部から突出する一方枢軸と、一方の取付用腕部に設けられ、軸装部及び軸装部へ一方枢軸を出し入れするための一方枢軸出入用開口部を有する一方軸受部と、一方枢軸出入用開口部を通過させて一方枢軸を入れた軸装部を一方枢軸の突出先端側へ向かって押圧する押圧手段とを備え、軸装部を押圧手段で押圧することで、便座を規制位置又は規制位置の近傍まで移動させるようにした
ことを特徴とする便座装置。
【請求項2】
前記他方の枢支部は、膨出部及び他方の取付用腕部のいずれか一方から突出する他方枢軸と、これらの他方に開設した嵌挿用凹部へ他方枢軸を出入れできる他方軸受部とを備え、この他方軸受部は、便座枢支の中心となる支持体の支持体軸芯と分離状態の便座の便座軸芯との交差角を大きくした便座傾斜姿勢のまま他方枢軸を受け入れでき、他方枢軸を受け入れたまま両軸芯の交差角を小さくさせる便座傾斜姿勢を経て両軸芯を合致させる便座接合姿勢へ移行させるのに伴い、前記一方枢軸が一方枢軸出入用開口部を通過して軸装部へ入ることができるように、嵌挿用凹部の奥側に比べて開口端側を大径に形成した請求項1に記載の便座装置。
【請求項3】
前記押圧手段は、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入ってモータ回転出力を軸装部へ伝達する伝動具と、一方枢軸に摺動自在に外嵌され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入る移動具と、伝動具と移動具の間に配置されたバネとを備え、移動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置。
【請求項4】
前記押圧手段は、便座揺動用モータの回転出力軸で形成した一方枢軸に摺動自在に外嵌され、一方枢軸と一緒に回転する中空軸と、中空軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入ってモータ回転出力を軸装部へ伝達する伝動具と、一方枢軸に外嵌され、一端を膨出部側に固定すると共に他端を中空軸に当接するバネとを備え、伝動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、固定した一方枢軸に摺動自在に外嵌された中空軸と、中空軸に固着され、便座接合姿勢のときに軸装部へ入る移動具と、一方枢軸に外嵌され、一端を膨出部側に固定すると共に他端を中空軸に当接するバネとを備え、移動具を介してバネ力で軸装部を押圧する請求項1又は2記載の便座装置。
【請求項6】
前記一方の枢支部は、軸装部から一方枢軸が出るのを防ぐ軸抜け防止手段を備えた請求項1乃至5のいずれか1項に記載の便座装置。
【請求項7】
前記軸抜け防止手段は、一方の取付用腕部に移動自在に設けたロック具を有し、ロック具を軸装部から一方枢軸が出ることを防止しない待機位置から防止するロック位置まで移動させるようにした請求項6記載の便座装置。
【請求項8】
前記支持体に設けた制御部と、前記支持体における他方軸受部より奥側に設けて制御部に接続した一次コイルと、便座に設けた電気式加熱手段と、前記他方枢軸に設けて加熱手段に接続した二次コイルとからなり、両コイル間の電磁誘導で給電を行うようにした給電装置を備えた請求項2に記載の便座装置。
【請求項9】
前記支持体に設けた制御部と、前記支持体における他方枢軸に設けて制御部に接続した一次コイルと、便座に設けた電気式加熱手段と、前記他方軸受部より奥側に設けて加熱手段に接続した二次コイルとからなり、両コイル間の電磁誘導で給電を行うようにした給電装置を備えた請求項2に記載の便座装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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