説明

保護ゲート

【課題】壁を押圧しなくても設置可能な保護ゲートを提供する。
【解決手段】ゲート扉1の一側に設けられる回転軸2を、既存の扉Aに着脱可能に固定される軸受け3に回転自在に軸支させてゲート扉1を既存の扉Aに取り付ける。ゲート扉1にはゲート扉1から既存の扉Aが設けられている屋内の床まで進退自在な落とし部材4が設けられており、落とし部材4の先端には床に着脱可能に接着する吸盤5が設けられている。既存の扉Aに設けられた磁性挟持具6とゲート扉7に設けられた磁石7とによってゲート扉1が既存の扉Aに対して着脱可能に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内における乳幼児の通行を規制する保護ゲートに関し、特に屋内に既に設けられている扉に取り付けられる保護ゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
屋内における乳幼児の安全の確保の観点から、屋内における乳幼児の通行を規制する種々の保護ゲートが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
保護ゲートは、一般に、保護ゲートの扉を回動停止可能に支持する枠を、屋内の一対の壁に突っ張るようにして固定して設けられる。このため、屋内における保護ゲートの設置箇所は、柱が通っている壁に通常は限定される。このような保護ゲートにおいては、屋内において保護ゲートを設置可能な箇所は分かりにくく、また設置可能な箇所と保護ゲートを設けたい箇所とが一致しない場合がある。
【特許文献1】国際公開05/031096号パンフレット
【特許文献2】特開2004−150053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、壁を押圧しなくても設置可能な保護ゲートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、屋内に既に設けられている扉に設けることができる保護ゲートを提供する。
【0006】
すなわち本発明の保護ゲートは、既存の扉に取り付けられる保護ゲートであって、ゲート扉と、前記ゲート扉の一側部で前記既存の扉に対してゲート扉を回動自在に支持する回動部材と、前記ゲート扉の回動を止める回動停止機構とを有する。前記保護ゲートは、既存の扉に回動可能に設けることが可能である。
【0007】
本発明の保護ゲートは、前記回動部材が、前記ゲート扉の一側に設けられる回転軸と、前記既存の扉に着脱可能に固定され、前記回転軸を回転自在に軸支する軸受けとを有し、前記軸受けが、前記既存の扉に着脱可能に挟持される基部と、前記基部に固定され前記回転軸が挿入される筒とを有していてもよい。このような保護ゲートは、軸受けを固定するための穴を既存の扉に設けることなく既存の扉に回動可能に設けることが可能である。
【0008】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構が、前記ゲート扉から前記既存の扉が設けられている屋内の壁又は床まで進退自在な可動部材と、前記可動部材を前記壁又は床に止める抑止部材とをさらに有していてもよい。このような保護ゲートは、ゲート扉の回動における所望の位置や、前記壁に最も接近した位置でゲート扉を固定することが可能となる。
【0009】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構として、前記既存の扉と前記ゲート扉とを着脱可能に接着する一体化機構をさらに有していてもよい。このような保護ゲートは、ゲート扉を既存の扉に一体的に収容することが可能となる。
【0010】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構が、前記回転軸が嵌まり込む、前記筒の上縁を切り欠いた切り欠き部であってもよい。このような保護ゲートは、ゲート扉の回動を所定の開度で簡易な構成で停止させることが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の保護ゲートは、前記ゲート扉と、前記回動部材と、前記回動停止機構とを有することから、既存の扉に回動可能に設けることができるので、壁を押圧しなくても設置することができる。
【0012】
本発明の保護ゲートは、前記回動部材が前記回転軸と前記軸受けとを有し、前記軸受けが前記既存の扉に着脱可能に挟持される基部と、前記基部に固定され前記回転軸が挿入される筒とを有していると、既存の扉を傷つけずに本発明の保護ゲートを設ける観点からより効果的である。
【0013】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構が、前記ゲート扉から前記既存の扉が設けられている屋内の壁又は床まで進退自在な可動部材と、前記可動部材を前記壁又は床に止める抑止部材とを有していると、乳幼児の通行の規制に適した位置でゲート扉を固定する観点からより効果的である。
【0014】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構として、前記既存の扉と前記ゲート扉とを着脱可能に接着する一体化機構をさらに有していると、ゲート扉を使用しないときにゲート扉を既存の扉に一体的に収容する観点からより効果的である。
【0015】
本発明の保護ゲートは、前記回動停止機構が、前記回転軸が嵌まり込む、前記筒の上縁を切り欠いた切り欠き部であると、ゲート扉の回動を所定の開度で簡易な構成で停止させる観点からより効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態の保護ゲートが既存の扉Aに取り付けられている様子を示す図である。
【図2】図1のゲート扉1を示す図である。
【図3】図1の軸受け3を示す図である。
【図4】図3の軸受け3の平面図である。
【図5】図1の磁性挟持具6を示す図である。
【図6】図1の保護ゲートのゲート扉1を所定の開度で固定した様子を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の保護ゲートにおける軸受け21を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の保護ゲートにおけるゲート扉22を示す図である。
【符号の説明】
【0017】
1、22 ゲート扉
2 回転軸
3、21 軸受け
4 落とし部材
5 吸盤
6 磁性挟持具
7 磁石
8 収容部
9 基部
10、25 筒
11、12 ボルト
23、24 切り欠き部
26 取っ手
A 既存の扉
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の保護ゲートは、ゲート扉と、前記ゲート扉の一側部で前記既存の扉に対してゲート扉を回動自在に支持する回動部材と、前記ゲート扉の回動を止める回動停止機構とを有する。
【0019】
前記ゲート扉は、乳幼児の通行を規制できる大きさであればよい。このようなゲート扉としては、例えば高さが1m程度、幅が前記既存の扉の幅と同じかそれよりも10cm程度狭いゲート扉が挙げられる。ゲート扉は、開口部が設けられていてもよく、この開口部には、開口部の大きさに応じて格子やメッシュが設けられることが好ましい。
【0020】
前記回転軸は、ゲート扉の一側に設けられる。前記回転軸は、ゲート扉の一側から突出した後下方に延出する形状を含む板状及び棒状の部材によって構成することができる。回転軸は一つでも複数でもよい。
【0021】
前記回動部材は、ゲート扉の一側部で既存の扉に対してゲート扉を回動自在に支持することができる部材であればよい。このような回動部材には、蝶番のように市販の部材をそのまま用いることができるが、例えば、前記ゲート扉の一側に設けられる回転軸と、前記既存の扉に着脱可能に固定され、前記回転軸を回転自在に軸支する軸受けとを有する部材が好ましくは挙げられる。
【0022】
前記軸受けは、前記既存の扉に着脱可能に固定される部材であって、前記回転軸を回転自在に軸支する部材である。軸受けは、前記回転軸が挿入される筒と、この筒が固定されている台座とを有し、螺子によって既存の扉に固定されるか、台座に応じて既存の扉の所定の位置に設けられた貫通孔に挿通されたボルトと、これに螺合するナットとによって固定される部材であってもよい。
【0023】
しかしながら、前記軸受けは、既存の扉に穴を設けずに固定できる部材であることが好ましい。このような前記軸受けとしては、前記既存の扉に着脱可能に挟持される基部と、前記基部に固定され前記回転軸が挿入される筒とを有する部材が挙げられる。前記基部としては、例えば、前記既存の扉の一側に嵌められる、断面形状が矩形の三辺からなる部材と、この部材の対向する二面の一方又は両方に設けられる螺子穴と、この螺子穴に螺合するボルトとから構成される部材が挙げられる。前記軸受けは一つでも複数でもよい。
【0024】
前記回動停止機構は、前記ゲート扉の回動を止める機構である。回動停止機構は、ゲート扉の回動を所望の位置で停止できる機構であってもよいし、所定の位置で停止できる機構であってもよい。回動停止機構は、これらの機構の一つであってもよいし複数であってもよい。
【0025】
ゲート扉の回動を所望の位置で停止できる回動停止機構としては、例えば、前記ゲート扉から前記既存の扉が設けられている屋内の壁又は床まで進退自在な可動部材と、前記可動部材を前記壁又は床に止める抑止部材とを有する機構が挙げられる。前記可動部材には、前記ゲート扉に設けられる閂や落としが挙げられる。可動部材は一つでも複数でもよい。
【0026】
前記抑止部材には、壁又は床に接着する部材、壁又は床との摩擦抵抗が大きい部材、及び壁又は床に設けられた部材によって抑止の機能が働く部材等が挙げられる。壁又は床に接着する部材としては、例えば吸盤が挙げられる。壁又は床との摩擦抵抗が大きい部材としては、例えば壁又は床との設置面がゴムや面ファスナーで構成されている部材が挙げられる。壁又は床に設けられた部材によって抑止の機能が働く部材としては、例えば壁又は床に固定された磁性体に吸いよせられる、ゲート扉に設けられた磁性体や、壁又は床に固定されている窪みに侵入離脱するようにゲート扉に設けられるフランス落としが挙げられる。
【0027】
ゲート扉の回動を所定の位置で停止できる回動停止機構としては、例えば、前記既存の扉と前記ゲート扉とを着脱可能に接着する一体化機構や、前記回転軸が嵌まり込む、前記筒の上縁を切り欠いた切り欠き部が挙げられる。
【0028】
前記一体化機構においては、磁力のような、非接触でもゲート扉を固定する作用が働く機構が好ましく、例えば既存の扉に固定された磁性体と、この磁性体に吸いよせられるようにゲート扉に設けられた磁性体とから形成される機構が挙げられる。
【0029】
前記切り欠き部は、回動しているゲート扉が切り欠き部の位置に達したときに、前記回転軸が切り欠き部に嵌り込み、回動を停止させる機構である。切り欠き部は、このような作用を有すれば、その形状、位置、及び数は特に限定されない。切り欠き部は、ゲート扉と既存の扉とが並列する位置と、ゲート扉が乳幼児の通行を規制する位置とに設けられることが好ましい。
【0030】
以下、図面を用いて本発明をより詳しく説明する。
本発明の一実施形態の保護ゲートを図1に示す。この保護ゲートは、既存の扉Aに取り付けられており、ゲート扉1と、ゲート扉1の一側に設けられる二つの回転軸2と、既存の扉Aに着脱可能に固定され、回転軸2を回転自在に軸支する二つの軸受け3と、ゲート扉1から既存の扉Aが設けられている屋内の床まで進退自在な可動部材としての落とし部材4と、落とし部材4の先端に設けられ、前記床に着脱可能に接着する抑止部材としての吸盤5と、既存の扉Aの他側に設けられる磁性挟持具6と、ゲート扉1に設けられ磁性挟持具6に吸い付く磁石7とを有する。
【0031】
回転軸2及び軸受け3は、既存の扉Aに対してゲート扉1をその一側部で回転自在に支持する回動部材を構成している。落とし部材4及び吸盤5は、ゲート扉1の回動を止める回動停止機構を構成している。また磁性挟持具6及び磁石7は、既存の扉Aとゲート扉1とを着脱可能に接着する一体化機構を構成している。なお、既存の扉Aは、扉の幅と同等の幅の廊下に面しており、屋内の床は、滑らかな表面を有する、表面が化粧板で構成されている木の床である。
【0032】
ゲート扉1は、既存の扉Aの幅よりも若干狭い幅に形成され、また1m程度の高さに形成されている。ゲート扉1には、落とし部材4を収容するL字型の窪みである収容部8が形成されている(図2に参照)。収容部8は、落とし部材4が下方に進出退行するように案内するために、ゲート扉1の下部においてゲート扉1の一表面側が塞がれて筒状の通路を形成している。
【0033】
軸受け3は、図3及び4に示されるように、既存の扉Aに着脱可能に挟持される基部9と、基部9に固定され回転軸2が挿入される筒10とを有する。基部9は、ステンレス等の剛性の材料で形成されており、既存の扉Aの一側に嵌められる、断面形状が矩形の三辺からなる形状に形成されている。基部9は、既存の扉Aとその枠との間の許容される間隔よりも薄い、2mm程度の厚さを有している。また基部9における対向する二面の距離は、既存の扉Aよりも5mm程度厚い長さとなっている。基部9の対向する二面のそれぞれには貫通孔が設けられており、この貫通孔の内周面には螺子が切られており、この螺子に螺合するボルト11、12がそれぞれの貫通孔に挿通されている。
【0034】
筒10は、基部9の表面から突出して所定の距離で筒10を支持する支持部によって基部9に固定されている。ボルト11、12は共に六角穴付きボルトであり、ボルト11、12の先端の径は10mm程度となっている。またボルト11の長さはボルト12よりも短く、例えばボルト11の長さは5mm程度であり、ボルト12の長さは10mm程度である。軸受け3は、ボルト11、12を既存の扉Aに向けて進出させてボルト11、12によって挟持することによって着脱可能に既存の扉Aに固定されている。
【0035】
磁性挟持具6は、例えば鉄のような磁性体によって、断面形状が矩形の三辺からなる形状となるように形成されており、対向する二つの面が互いに接近する方向にわずかに付勢されるように形成されている。磁性挟持具6は、磁性挟持具6の対向する二つの面の距離が、既存の扉Aの厚さかそれよりも僅か(1〜2mm程度)に長い距離となるように形成されている。また磁性挟持具6の対向する二つの面は、ゲート扉1側から見たときに、磁石7と一部(半分以上)又は全部重なるように、これらを繋げる面から十分に突出している。
【0036】
磁石7は、ゲート扉1の他側部における上端部において、ゲート扉1の表裏の両方にそれぞれ埋め込まれている。
【0037】
図1の保護ゲートは、磁石7の磁力によって既存の扉Aと一体となって収容される。磁石7の磁力に抗してゲート扉1を回動させると、ゲート扉1は自在に回動する。例えば90度等の所望の開度までゲート扉1が回動したら、落とし部材4を回動させて下方に移動させ、吸盤5を床に吸い付かせる。これによってゲート扉1が所望の開度で固定される(図6参照)。こうして既存の扉Aの前の廊下はゲート扉1によって閉ざされ、乳幼児の通行が規制される。
【0038】
吸盤5を床から剥がすと、ゲート扉1は再び自在に回動する。落とし部材4を上方へ引き上げ、回動させて収容部8に収容してゲート扉1を既存の扉Aまで回動させると、磁石7の磁力によってゲート扉1が既存の扉Aと一体となる。
【0039】
床が絨毯の場合は、吸盤5に代えて、落とし部材4の下方への進出時に面ファスナーが床に当接するように設けられる部材を設けることによって、ゲート扉1の回動を停止させることができる。
【0040】
また、収容部8を、ゲート扉1をL字型に切り欠き、少なくともゲート扉1の下端部においてゲート扉1の表裏のいずれからも塞ぐ構成とすると、ゲート扉1の表裏のいずれからも落とし部材4の下方への進出と上方への収容とを行うことが可能となる。
【0041】
なお、本実施の形態では既存の扉Aの蝶番側に軸受け3を固定し、既存の扉Aの回動方向と同じ方向にゲート扉1が回動する形態を示したが、既存の扉Aのドアノブ側に軸受け3を固定して同様に用いることも可能である。
【0042】
本実施形態の保護ゲートは、ゲート扉1と回転軸2と軸受け3と落とし部材4と吸盤5と収容部8とを有することから、既存の扉Aに着脱可能に取り付けることができる。既存の扉Aは、通常は屋内を区分するように設けられていることから、屋内の適所(例えば風呂場、洗面所等の水回り設備の手前や階段に通じる通路のドア等)において保護ゲートによって乳幼児の通行を規制することができる。
【0043】
前記保護ゲートは、軸受け3が基部9と筒10とボルト11、12とから構成されていることから、既存の扉Aをボルト11及び12によって挟持することによって、既存の扉Aを傷つけずに着脱可能に保護ゲートを取り付けることができる。
【0044】
前記保護ゲートは、ボルト11及び12を有することから、軸受け3を十分な強度で既存の扉Aに固定することができる。またボルト12をボルト11に比べて長くすることにより、軸受け3の固定において、ゲート扉1が設けられる筒10側とは反対側のボルト12によって軸受け3の固定を十分に調節することが可能となり、既存の扉Aの厚さの多少の変化に適応して軸受け3を既存の扉Aに着脱可能に固定することができる。
【0045】
前記保護ゲートは、磁性挟持具6と磁石7とを有することから、ゲート扉1を既存の扉Aに一体的かつ着脱可能に固定することができる。したがって、保護ゲート未使用時におけるゲート扉1の回動を防止することができ、また保護ゲートの装着に関わらず既存の扉Aを使用することができる。
【0046】
前記保護ゲートは、磁性挟持具6を有することから、既存の扉Aに容易に、また既存の扉Aを傷つけずに磁性材料を設置することができる。
【0047】
本発明の保護ゲートは、軸受け3に代えて図7に示される軸受け21とし、ゲート扉1に代えて図8に示されるゲート扉22としてもよい。軸受け21は、筒10に代えて筒25が用いられている以外は、軸受け3と同様に構成されている。筒25は、ゲート扉22が既存の扉Aと平行となるときのゲート扉22の回動位置において回転軸2が嵌り込む切り欠き部23と、ゲート扉22が90°回動したときのゲート扉22の回動位置において回転軸2が嵌り込む切り欠き部24とが形成されている。
【0048】
ゲート扉22は、落とし部材4、吸盤5、収容部8、及び磁石7が形成されておらず、ゲート扉22の上端縁の中央部に取っ手26が設けられている以外は、ゲート扉1と同様に構成されている。取っ手26は、ゲート扉22の上端部の中央部の貫通孔によって形成されている。なお、既存の扉Aにおいて、磁性挟持具6は取り外されている。
【0049】
ゲート扉22が既存の扉Aと並列の位置にあるときは、回転軸2が切り欠き部23に嵌り込み、ゲート扉22の回動が停止され、ゲート扉22は既存の扉Aと並列の位置に固定される。取っ手26を持ってゲート扉22を僅かに引き上げながら回動させると、ゲート扉22は回動する。ゲート扉22が90°回動すると、回転軸2が切り欠き部24に嵌り込み、ゲート扉22の回動が停止され、ゲート扉22は既存の扉Aに対して垂直の位置に固定され、既存の扉Aの前の廊下における乳幼児の通行が規制される。
【0050】
筒25に形成される切り欠き部は二つに限定されず、さらに設けてもよい。また、回転軸2の先端に、筒25の内径よりも大きな直径の円板やナット等の止め具を、例えば回転軸2の先端部に形成された螺子に螺合させて装着すると、ゲート扉22の回動時におけるゲート扉22の軸受け21からの脱落を防止する観点からより効果的である。
【0051】
この保護ゲートは、ゲート扉22の所定の回動位置において、落とし部材4や閂等の、屋内の床や壁と関わりあってゲート扉の回動を停止させる部材を設けずに、ゲート扉22の回動を停止させることができる。したがって、落とし部材等の部材を有さない簡易な構成で屋内での乳幼児の通行を規制することができる。また、屋内の床や壁に作用せずにゲート扉22の回動が停止されることから、床や壁の材質に関わらずに屋内における乳幼児の通行を規制する観点からより効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の保護ゲートは、既存の扉に着脱可能に取り付け可能である。既存の扉は、一般に屋内の構造に応じて適切に設けられていることから、屋内での生活に応じた乳幼児の通行の適切な規制を容易に行うことができる。特に一歳前後のいわゆる「後追い」の時期において、屋内での生活と乳幼児の保護のための通行規制とを両立させる観点から好適である。
【0053】
また、既存の扉を傷つけずに着脱可能に取り付けられることから、従来の保護ゲートに比べて設置に係る壁の損傷を抑えることができる。保護ゲートを必要とする時期は数年間であることから、このような設置による損傷が少ない保護ゲートは、特に賃貸や新築の家屋での使用に適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の扉に取り付けられる保護ゲートであって、
ゲート扉と、
前記ゲート扉の一側部で前記既存の扉に対してゲート扉を回動自在に支持する回動部材と、
前記ゲート扉の回動を止める回動停止機構と、
を有する保護ゲート。
【請求項2】
前記回動部材は、前記ゲート扉の一側に設けられる回転軸と、前記既存の扉に着脱可能に固定され、前記回転軸を回転自在に軸支する軸受けとを有し、
前記軸受けは、前記既存の扉に着脱可能に挟持される基部と、前記基部に固定され前記回転軸が挿入される筒とを有することを特徴とする請求項1記載の保護ゲート。
【請求項3】
前記回動停止機構は、前記ゲート扉から前記既存の扉が設けられている屋内の壁又は床まで進退自在な可動部材と、前記可動部材を前記壁又は床に止める抑止部材とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護ゲート。
【請求項4】
前記回動停止機構として、前記既存の扉と前記ゲート扉とを着脱可能に接着する一体化機構をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の保護ゲート。
【請求項5】
前記回動停止機構は、前記回転軸が嵌まり込む、前記筒の上縁を切り欠いた切り欠き部であることを特徴とする請求項2に記載の保護ゲート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−91878(P2009−91878A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286706(P2007−286706)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(507364665)
【Fターム(参考)】