保護板の連結方法
【課題】保護板の連結部の品質を向上させ、連結部分での保護材料層と連結シートとの一体性を持たせることができ、作業効率を向上させることができる保護板の連結方法を提供する。
【解決手段】隣接する保護板A,Aの間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、充填用空所4を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートB1で、充填用空所4の上面開口部を覆うと共に、隣接する保護板の上に上側連結シートB1の両側端部を重ね、上側連結シートB1の一側端部と一方の保護板Aとを接合し、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aとを充填用空所4の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板との間から充填用空所4内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の充填用空所4内に硬化型の保護材料を順次注入していくこととした。
【解決手段】隣接する保護板A,Aの間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、充填用空所4を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートB1で、充填用空所4の上面開口部を覆うと共に、隣接する保護板の上に上側連結シートB1の両側端部を重ね、上側連結シートB1の一側端部と一方の保護板Aとを接合し、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aとを充填用空所4の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板との間から充填用空所4内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の充填用空所4内に硬化型の保護材料を順次注入していくこととした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として本発明は、廃棄物最終処分場、ラグーン、貯水池等の高精度の遮水施設に用いられる保護板の連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設の斜面や底面に敷設される保護板は、通常、保護材料層の上下に外皮シートを配した三層構造になっており、また、隣接する保護板同士を連結する場合には、該連結部の信頼性等が要求される。
【0003】
そこで、保護板の連結方法としては、図8のように保護板aの上側外皮シートb同士及び下側外皮シートc同士をそれぞれ溶着して袋状部を形成し、該袋状部内の充填用空所dに特定の一箇所から硬化型の保護材料を充填する方法や、図9のように下側外皮シートc同士を溶着して充填用空所eを形成し、該充填用空所eに硬化型の保護材料を充填した後に該充填部分を連結シートで覆って該連結シートの両側端部を上側外皮シートbに溶着する方法が提案されていた。これらの方法によれば、上側外皮シートbと下側外皮シートcの間にポリウレタンなどの保護材料層が連結部分で途切れることがなく、連結部分が弱点になり難いという利点がある。
【0004】
しかしながら、前者の従来技術では、袋状部内の充填用空所は、保護材料層を送り込むための管路と同等とみなすことができることから、保護材料の圧送距離が長くなって保護材料の圧力損失が大きくなり、中間材料の充填設備が大型化するという問題があった。また、保護材料の充填圧力が不十分であると注入不足箇所が発生し、保護材料の充填圧力が過大であると、はらみ出し現象が生じ、連結部分での保護材料層を所定厚さに設定することが困難になり、材量費が高くなるという問題があった。
【0005】
また、後者の従来技術は、充填用空所に保護材料を充填し終わった後に、上側外皮シート同士を溶着するので、保護材料の充填から連結シートを保護板に溶着するまでにタイムラグが生じ、その間に大気中の煤塵・粉塵等の異物が保護材料に混入して連結部分の品質が低下し、また、保護材料の硬化が進んだ段階で連結シートが溶着されるので、連結部分における保護材料層と連結シートとの一体性が欠けることが懸念されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる問題を解決して保護板の連結部の品質を向上させ、また、連結部分での保護材料層と連結シートとの一体性を持たせることができ、しかも、作業効率を向上させることができる保護板の連結方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねて完成されたものである。
1.隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートの一側端部と一方の前記保護板とを接合し、前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法を提供する。
2.隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートの両側端部と前記隣接する保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法を提供する。
3.前記保護板及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記隣り合う保護板とを溶接し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入することを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
4.前記保護材料は合成樹脂材料であることを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
5.前記保護板は、上下の外皮シートの間に保護材料層が介在したサンドイッチ構造であり、前記保護板の前記下側外皮シート同士を前記下側連結シートで連結し、隣接する前記保護板の前記上側外皮シートの上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートを前記隣り合う保護板の前記上側外皮シートに接合することを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
6.前記上側外皮シート及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、前記上側連結シートの一側端部を隣接する前記保護板の一方の前記上側外皮シートに、前記上側連結シートの他側端部を隣接する前記保護板の他方の前記上側外皮シートに、それぞれ溶着接合することを特徴とする項5に記載の保護板の連結方法を提供する。
7.前記保護材料の充填作業中は、前記注入口を前記保護材料中に位置させることを特徴とする項1から6のいずれかに記載の保護板の連結方法を提供する。
8.前記下側外皮シートの側端部を前記保護材料層の端面よりも外側に耳状に延出し、前記下側外皮シート及び前記下側連結シートを熱溶着性を有する材料で形成し、隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部同士を、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動する熱溶着機によって順次溶着接合していくことを特徴とする項5又は6に記載の保護板の連結方法を提供する。
9.隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの前記耳状側部同士を直に接合することを特徴とする項8に記載の保護板の連結方法を提供する。
10.隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部を跨いだ状態で該耳状側部の上側若しくは下側に前記下側連結シートを重ね、前記下側連結シートを隣接する各前記耳状部に接合することを特徴とする項8に記載の保護板の連結方法を提供する。
11.前記保護材料層は合成樹脂層であることを特徴とする項5から10のいずれかに記載の保護板の連結方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、隣接する保護板と下側連結シートで囲まれる前記充填用空所を、その長さ方向に沿って上側連結シートを順次接続することで順次閉鎖する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくので、以下の効果が得られる。
【0009】
充填用空所に充填された保護材料が大気に晒されることがなく、大気中の煤塵や粉塵等の異物が保護材料に混入するのを防止できる。また、注入機の注出口を移動させながら充填用空所に保護材料を充填していくことにより、保護材料の圧送距離が長くなって保護材料の圧力損失が大きくなるのを防止でき、保護材料の充填設備も小型化することができる。また、前記上側連結シートと前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合し、既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくので、保護材料層と上側連結シートとの一体性を高めることができる。このとき、上側連結シートは、透明又は半透明の材料で形成されているため、保護材料の充填状況を視認しながら注入でき、最適量の注入が可能となる。更に、充填箇所及びその近くの上側連結シートと保護板との隙間から保護材料の充填圧力を逃がすことができるので、連結部分のはらみ出し現象を防止できて材量費を低減でき、また、充填用空所内の空気も前記隙間から外部に逃がすことができて保護材料層への気泡の混入を防止できる。その結果、連結部分の品質の向上により遮水性能等を向上させることができ、しかも、施工能率を向上させることができる。
【0010】
また、前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記保護板とを接合し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入すれば、連結シートの迅速な接合によって保護材料を連結シートとの一体性を更に高め、連結部分の品質を更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る保護板の連結方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図2のように保護板Aは、保護材料層1の上下両面に外皮シート2,3をそれぞれ水密的に接着したサンドイッチ構造になっており、下側外皮シート3の左右両側部は保護材料層1の端面よりも外側に突出した耳状側部31となっている。
【0013】
保護材料層1は、上下一対の外皮シート2,3間に保護材料を液状原料の形態で注入充填して形成される。該保護材料は、遮水性に優れ(例えば透水係数が10−12cm/s以下に設定された材料)、充分な機械的強度を有するものであり、液状原料としては、熱可塑性樹脂等のように遮水用材料そのものが液化しているものや、2液常温硬化型ポリウレタンのような材料を使用することができる。また、予め形成された保護材料層1の上下両面に遮水性を有する接着剤層を用いて外皮シート2,3を接着しても良い。
【0014】
外皮シート2,3は、遮水性、熱溶着性及び可撓性を有する軟質の塩化ビニル、ポリエチレン等で形成されている。
【0015】
次に、以上のように構成される保護板A同士の連結方法について述べる。かかる連結方法では、上側及び下側の連結シートB1,B2及び硬化型の保護材料Cが用いられる。連結シートB1,B2は、外皮シート2,3と同様に、遮水性、可撓性及び熱溶着性を有する軟質の塩化ビニル等で形成され、また、上側連結シートB1は、充填状況の視認が可能なように透明又は半透明の材料で形成されている。保護材料Cは、液状原料の形態で連結部分に注入され、液状原料としては熱可塑性樹脂等のように遮水用材料そのものが液化しているものや、2液常温硬化型ポリウレタンのような材料が使用され、その配合により充填材の硬化時間を設定でき、硬化前はその良好な充填性により空隙のない保護材料層が形成される。なお、硬化後に可撓性及び所定の機械的強度を有するものであれば、これに限定されない。また、保護材料Cとして、水膨潤性材料を用いる場合は、例えば水膨潤性材料と水を予め混合し、これと液状原料等と混合し、得られた混合物を注入すれば良い。
(1)保護板Aの配置
保護板A同士は連結されて施設に敷設されるものであり、連結の際には、図2のように保護板Aを列設し、隣接する保護板Aの間に隙間を設け、隣接する保護板Aの下側外皮シートの耳状側部31を接触させる。
(2)下側外皮シート3同士の連結
次に、図3のように隣接する保護板Aの下側外皮シート3の耳状側部31を跨いだ状態で該耳状側部31の上に下側連結シートB2を重ね、耳状側部31と下側連結シートB1,B2の両側部とを溶着接合して下側外皮シート3同士の連結すると共に充填用空所4を形成する。溶着接合は、熱溶着機100を耳状側部31の長さ方向の一端部から他端部に向けて走らせることにより行われる。
【0016】
なお、図7のように、耳状側部31,31同士を重ね合わせて直に溶着接合すれば、耳状側部31,31は下側連結シートB2を兼ねることになって更に施工能率を向上させることができる。
(3)保護材料Cの充填
次に、図4のように上側連結シートB1で充填用空所4の上面開口部を覆うと共に、隣接する保護板Aの上側外皮シート2上に上側連結シートB1の両側端部を重ね、熱溶着機100を充填用空所4の長さ方向に沿って移動させることにより、上側連結シートB1の一側端部を一方の保護板Aの上側外皮シート2に溶着接合して溶着部5を形成する。
【0017】
次に、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2とを溶着接合し、充填用空所4内に保護材料Cを注入する。この場合、充填スピードと溶着スピードとの違いや、保護材料Cの注入圧による上側連結シートB1の浮き上がりを防止するなどの観点から、溶着接合を先行させた後に、接合が完了した箇所の充填用空所4内に保護材料Cを充填する。
【0018】
そのために、図1のように注入機101の注入ホース101aの先端の注出口101bを熱溶着機100よりも後方に位置させ、保護材料Cの注入機101と該注入機101に伴走する熱溶着機100を、注入ホース101aと共に充填用空所4の長さ方向の一端部から他端部に向けて該充填用空所4に沿って移動させる。また、注入機101の注入ホース101aを、未接合箇所の上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2との間から充填用空所4内に挿入する(図1、図5参照)。
【0019】
そして、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2とを充填用空所4の長さ方向に沿って順次溶着接合し、溶着接合が完了した箇所の充填用空所4内には注入ホース101aの注出口101bから硬化型の保護材料Cを順次注入していく。注入時には、上側連結シートB1を通して、保護材料Cの充填状況を視認しながら、注入できる。
【0020】
なお、保護板Aの連結部分の両端部には、例えば図1のように保護材料Cの硬化前に保護材と同品質の物であらかじめ形成された詰め物Dを詰め込む等して端部処理を行う。
【0021】
保護板Aの保護材料層1や連結部に用いられる保護材料は、前記のものには限定されず、例えば樹脂類、ゴム類、ベントナイト、粘性土、混合土、高分子ゲル、セメント、無機ゲル等の公知の材料を使用することができる。すなわち、公知の有機材料、無機材料及びこれらの混合物のいずれも使用することができる。
【0022】
このような材料としては、上記の透水係数及び変形率を充足するものであれば特に限定されない。有機材料として、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシ等の樹脂類、天然ゴム、イソプレン、ブチルゴム、ネオプレン(登録商標)等のゴム類等を挙げることができる。また、無機材料として、例えばセメント・コンクリート、石膏、粘土類、珪酸及びその塩類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。特に、本発明では、樹脂類を使用することが好ましく、その中でもポリウレタンが好ましい。
【0023】
このように、保護板Aの溶着作業と保護材料の充填作業を平行して行うことにより、連絡部において煤塵、粉塵、気泡などの異物が混入する可能性を低減できる。
【0024】
また、本方法によって連結された連結部は保護板Aと一体化され、その強度は一保護板A自体の強度の80%以上になることが確認された。
【0025】
なお、保護板Aは、地下壁や路面下等の防振材としても用いられるが、このような用途であっても連結部分は弱点にはならない。
【0026】
上記の実施形態においては、上側連結シートの一側端部を一方の保護板と先に接合しておいてから、上側連結シートの他方端部を他方の保護板と順次接合させつつ未接合箇所から注入機の注入口を充填用空所内に挿入して既接合箇所の充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していく工法について説明したが、上側連結シートの両端部を隣り合う保護板に同時に接合させつつ、未接合箇所から注入機の注入口を充填用空所内に挿入して既接合箇所の充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の保護板の断面図である。
【図3】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図4】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図5】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図6】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図7】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図8】従来例の連結方法を示す断面図である。
【図9】他の従来例の連結方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
A 保護板
1 保護材料層
2,3 外皮シート
4 充填用空所
5 溶着接合部
31 耳状側部
B1,B2 連結シート
C 保護材料
D 詰め物
100 熱溶着機
101 注入機
101a 注入ホース
101b 注出口
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として本発明は、廃棄物最終処分場、ラグーン、貯水池等の高精度の遮水施設に用いられる保護板の連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設の斜面や底面に敷設される保護板は、通常、保護材料層の上下に外皮シートを配した三層構造になっており、また、隣接する保護板同士を連結する場合には、該連結部の信頼性等が要求される。
【0003】
そこで、保護板の連結方法としては、図8のように保護板aの上側外皮シートb同士及び下側外皮シートc同士をそれぞれ溶着して袋状部を形成し、該袋状部内の充填用空所dに特定の一箇所から硬化型の保護材料を充填する方法や、図9のように下側外皮シートc同士を溶着して充填用空所eを形成し、該充填用空所eに硬化型の保護材料を充填した後に該充填部分を連結シートで覆って該連結シートの両側端部を上側外皮シートbに溶着する方法が提案されていた。これらの方法によれば、上側外皮シートbと下側外皮シートcの間にポリウレタンなどの保護材料層が連結部分で途切れることがなく、連結部分が弱点になり難いという利点がある。
【0004】
しかしながら、前者の従来技術では、袋状部内の充填用空所は、保護材料層を送り込むための管路と同等とみなすことができることから、保護材料の圧送距離が長くなって保護材料の圧力損失が大きくなり、中間材料の充填設備が大型化するという問題があった。また、保護材料の充填圧力が不十分であると注入不足箇所が発生し、保護材料の充填圧力が過大であると、はらみ出し現象が生じ、連結部分での保護材料層を所定厚さに設定することが困難になり、材量費が高くなるという問題があった。
【0005】
また、後者の従来技術は、充填用空所に保護材料を充填し終わった後に、上側外皮シート同士を溶着するので、保護材料の充填から連結シートを保護板に溶着するまでにタイムラグが生じ、その間に大気中の煤塵・粉塵等の異物が保護材料に混入して連結部分の品質が低下し、また、保護材料の硬化が進んだ段階で連結シートが溶着されるので、連結部分における保護材料層と連結シートとの一体性が欠けることが懸念されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる問題を解決して保護板の連結部の品質を向上させ、また、連結部分での保護材料層と連結シートとの一体性を持たせることができ、しかも、作業効率を向上させることができる保護板の連結方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねて完成されたものである。
1.隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートの一側端部と一方の前記保護板とを接合し、前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法を提供する。
2.隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートの両側端部と前記隣接する保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法を提供する。
3.前記保護板及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記隣り合う保護板とを溶接し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入することを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
4.前記保護材料は合成樹脂材料であることを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
5.前記保護板は、上下の外皮シートの間に保護材料層が介在したサンドイッチ構造であり、前記保護板の前記下側外皮シート同士を前記下側連結シートで連結し、隣接する前記保護板の前記上側外皮シートの上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートを前記隣り合う保護板の前記上側外皮シートに接合することを特徴とする項1又は2に記載の保護板の連結方法を提供する。
6.前記上側外皮シート及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、前記上側連結シートの一側端部を隣接する前記保護板の一方の前記上側外皮シートに、前記上側連結シートの他側端部を隣接する前記保護板の他方の前記上側外皮シートに、それぞれ溶着接合することを特徴とする項5に記載の保護板の連結方法を提供する。
7.前記保護材料の充填作業中は、前記注入口を前記保護材料中に位置させることを特徴とする項1から6のいずれかに記載の保護板の連結方法を提供する。
8.前記下側外皮シートの側端部を前記保護材料層の端面よりも外側に耳状に延出し、前記下側外皮シート及び前記下側連結シートを熱溶着性を有する材料で形成し、隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部同士を、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動する熱溶着機によって順次溶着接合していくことを特徴とする項5又は6に記載の保護板の連結方法を提供する。
9.隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの前記耳状側部同士を直に接合することを特徴とする項8に記載の保護板の連結方法を提供する。
10.隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部を跨いだ状態で該耳状側部の上側若しくは下側に前記下側連結シートを重ね、前記下側連結シートを隣接する各前記耳状部に接合することを特徴とする項8に記載の保護板の連結方法を提供する。
11.前記保護材料層は合成樹脂層であることを特徴とする項5から10のいずれかに記載の保護板の連結方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、隣接する保護板と下側連結シートで囲まれる前記充填用空所を、その長さ方向に沿って上側連結シートを順次接続することで順次閉鎖する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくので、以下の効果が得られる。
【0009】
充填用空所に充填された保護材料が大気に晒されることがなく、大気中の煤塵や粉塵等の異物が保護材料に混入するのを防止できる。また、注入機の注出口を移動させながら充填用空所に保護材料を充填していくことにより、保護材料の圧送距離が長くなって保護材料の圧力損失が大きくなるのを防止でき、保護材料の充填設備も小型化することができる。また、前記上側連結シートと前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合し、既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくので、保護材料層と上側連結シートとの一体性を高めることができる。このとき、上側連結シートは、透明又は半透明の材料で形成されているため、保護材料の充填状況を視認しながら注入でき、最適量の注入が可能となる。更に、充填箇所及びその近くの上側連結シートと保護板との隙間から保護材料の充填圧力を逃がすことができるので、連結部分のはらみ出し現象を防止できて材量費を低減でき、また、充填用空所内の空気も前記隙間から外部に逃がすことができて保護材料層への気泡の混入を防止できる。その結果、連結部分の品質の向上により遮水性能等を向上させることができ、しかも、施工能率を向上させることができる。
【0010】
また、前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記保護板とを接合し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入すれば、連結シートの迅速な接合によって保護材料を連結シートとの一体性を更に高め、連結部分の品質を更に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る保護板の連結方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0012】
図2のように保護板Aは、保護材料層1の上下両面に外皮シート2,3をそれぞれ水密的に接着したサンドイッチ構造になっており、下側外皮シート3の左右両側部は保護材料層1の端面よりも外側に突出した耳状側部31となっている。
【0013】
保護材料層1は、上下一対の外皮シート2,3間に保護材料を液状原料の形態で注入充填して形成される。該保護材料は、遮水性に優れ(例えば透水係数が10−12cm/s以下に設定された材料)、充分な機械的強度を有するものであり、液状原料としては、熱可塑性樹脂等のように遮水用材料そのものが液化しているものや、2液常温硬化型ポリウレタンのような材料を使用することができる。また、予め形成された保護材料層1の上下両面に遮水性を有する接着剤層を用いて外皮シート2,3を接着しても良い。
【0014】
外皮シート2,3は、遮水性、熱溶着性及び可撓性を有する軟質の塩化ビニル、ポリエチレン等で形成されている。
【0015】
次に、以上のように構成される保護板A同士の連結方法について述べる。かかる連結方法では、上側及び下側の連結シートB1,B2及び硬化型の保護材料Cが用いられる。連結シートB1,B2は、外皮シート2,3と同様に、遮水性、可撓性及び熱溶着性を有する軟質の塩化ビニル等で形成され、また、上側連結シートB1は、充填状況の視認が可能なように透明又は半透明の材料で形成されている。保護材料Cは、液状原料の形態で連結部分に注入され、液状原料としては熱可塑性樹脂等のように遮水用材料そのものが液化しているものや、2液常温硬化型ポリウレタンのような材料が使用され、その配合により充填材の硬化時間を設定でき、硬化前はその良好な充填性により空隙のない保護材料層が形成される。なお、硬化後に可撓性及び所定の機械的強度を有するものであれば、これに限定されない。また、保護材料Cとして、水膨潤性材料を用いる場合は、例えば水膨潤性材料と水を予め混合し、これと液状原料等と混合し、得られた混合物を注入すれば良い。
(1)保護板Aの配置
保護板A同士は連結されて施設に敷設されるものであり、連結の際には、図2のように保護板Aを列設し、隣接する保護板Aの間に隙間を設け、隣接する保護板Aの下側外皮シートの耳状側部31を接触させる。
(2)下側外皮シート3同士の連結
次に、図3のように隣接する保護板Aの下側外皮シート3の耳状側部31を跨いだ状態で該耳状側部31の上に下側連結シートB2を重ね、耳状側部31と下側連結シートB1,B2の両側部とを溶着接合して下側外皮シート3同士の連結すると共に充填用空所4を形成する。溶着接合は、熱溶着機100を耳状側部31の長さ方向の一端部から他端部に向けて走らせることにより行われる。
【0016】
なお、図7のように、耳状側部31,31同士を重ね合わせて直に溶着接合すれば、耳状側部31,31は下側連結シートB2を兼ねることになって更に施工能率を向上させることができる。
(3)保護材料Cの充填
次に、図4のように上側連結シートB1で充填用空所4の上面開口部を覆うと共に、隣接する保護板Aの上側外皮シート2上に上側連結シートB1の両側端部を重ね、熱溶着機100を充填用空所4の長さ方向に沿って移動させることにより、上側連結シートB1の一側端部を一方の保護板Aの上側外皮シート2に溶着接合して溶着部5を形成する。
【0017】
次に、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2とを溶着接合し、充填用空所4内に保護材料Cを注入する。この場合、充填スピードと溶着スピードとの違いや、保護材料Cの注入圧による上側連結シートB1の浮き上がりを防止するなどの観点から、溶着接合を先行させた後に、接合が完了した箇所の充填用空所4内に保護材料Cを充填する。
【0018】
そのために、図1のように注入機101の注入ホース101aの先端の注出口101bを熱溶着機100よりも後方に位置させ、保護材料Cの注入機101と該注入機101に伴走する熱溶着機100を、注入ホース101aと共に充填用空所4の長さ方向の一端部から他端部に向けて該充填用空所4に沿って移動させる。また、注入機101の注入ホース101aを、未接合箇所の上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2との間から充填用空所4内に挿入する(図1、図5参照)。
【0019】
そして、上側連結シートB1の他側端部と他方の保護板Aの上側外皮シート2とを充填用空所4の長さ方向に沿って順次溶着接合し、溶着接合が完了した箇所の充填用空所4内には注入ホース101aの注出口101bから硬化型の保護材料Cを順次注入していく。注入時には、上側連結シートB1を通して、保護材料Cの充填状況を視認しながら、注入できる。
【0020】
なお、保護板Aの連結部分の両端部には、例えば図1のように保護材料Cの硬化前に保護材と同品質の物であらかじめ形成された詰め物Dを詰め込む等して端部処理を行う。
【0021】
保護板Aの保護材料層1や連結部に用いられる保護材料は、前記のものには限定されず、例えば樹脂類、ゴム類、ベントナイト、粘性土、混合土、高分子ゲル、セメント、無機ゲル等の公知の材料を使用することができる。すなわち、公知の有機材料、無機材料及びこれらの混合物のいずれも使用することができる。
【0022】
このような材料としては、上記の透水係数及び変形率を充足するものであれば特に限定されない。有機材料として、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、エポキシ等の樹脂類、天然ゴム、イソプレン、ブチルゴム、ネオプレン(登録商標)等のゴム類等を挙げることができる。また、無機材料として、例えばセメント・コンクリート、石膏、粘土類、珪酸及びその塩類等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。特に、本発明では、樹脂類を使用することが好ましく、その中でもポリウレタンが好ましい。
【0023】
このように、保護板Aの溶着作業と保護材料の充填作業を平行して行うことにより、連絡部において煤塵、粉塵、気泡などの異物が混入する可能性を低減できる。
【0024】
また、本方法によって連結された連結部は保護板Aと一体化され、その強度は一保護板A自体の強度の80%以上になることが確認された。
【0025】
なお、保護板Aは、地下壁や路面下等の防振材としても用いられるが、このような用途であっても連結部分は弱点にはならない。
【0026】
上記の実施形態においては、上側連結シートの一側端部を一方の保護板と先に接合しておいてから、上側連結シートの他方端部を他方の保護板と順次接合させつつ未接合箇所から注入機の注入口を充填用空所内に挿入して既接合箇所の充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していく工法について説明したが、上側連結シートの両端部を隣り合う保護板に同時に接合させつつ、未接合箇所から注入機の注入口を充填用空所内に挿入して既接合箇所の充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す斜視図である。
【図2】同実施形態の保護板の断面図である。
【図3】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図4】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図5】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図6】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図7】本発明の連結方法の実施形態の工程を示す断面図である。
【図8】従来例の連結方法を示す断面図である。
【図9】他の従来例の連結方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
A 保護板
1 保護材料層
2,3 外皮シート
4 充填用空所
5 溶着接合部
31 耳状側部
B1,B2 連結シート
C 保護材料
D 詰め物
100 熱溶着機
101 注入機
101a 注入ホース
101b 注出口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、
隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、
透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、
前記上側連結シートの一側端部と一方の前記保護板とを接合し、
前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法。
【請求項2】
隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、
隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、
透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、
前記上側連結シートの両側端部と前記隣接する保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法。
【請求項3】
前記保護板及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、
前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記隣り合う保護板とを溶接し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項4】
前記保護材料は合成樹脂材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項5】
前記保護板は、上下の外皮シートの間に保護材料層が介在したサンドイッチ構造であり、
前記保護板の前記下側外皮シート同士を前記下側連結シートで連結し、
隣接する前記保護板の前記上側外皮シートの上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートを前記隣り合う保護板の前記上側外皮シートに接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項6】
前記上側外皮シート及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、
前記上側連結シートの一側端部を隣接する前記保護板の一方の前記上側外皮シートに、前記上側連結シートの他側端部を隣接する前記保護板の他方の前記上側外皮シートに、それぞれ溶着接合することを特徴とする請求項5に記載の保護板の連結方法。
【請求項7】
前記保護材料の充填作業中は、前記注入口を前記保護材料中に位置させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の保護板の連結方法。
【請求項8】
前記下側外皮シートの側端部を前記保護材料層の端面よりも外側に耳状に延出し、
前記下側外皮シート及び前記下側連結シートを熱溶着性を有する材料で形成し、
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部同士を、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動する熱溶着機によって順次溶着接合していくことを特徴とする請求項5又は6に記載の保護板の連結方法。
【請求項9】
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの前記耳状側部同士を直に接合することを特徴とする請求項8に記載の保護板の連結方法。
【請求項10】
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部を跨いだ状態で該耳状側部の上側若しくは下側に前記下側連結シートを重ね、前記下側連結シートを隣接する各前記耳状部に接合することを特徴とする請求項8に記載の保護板の連結方法。
【請求項11】
前記保護材料層は合成樹脂層であることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の保護板の連結方法。
【請求項1】
隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、
隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、
透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、
前記上側連結シートの一側端部と一方の前記保護板とを接合し、
前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートの他側端部と他方の前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法。
【請求項2】
隣接する保護板の間に隙間を設けた状態で両者を配置し、
隣接する保護板を下側連結シートで連結することにより、隣接する前記保護板と前記下側連結シートとで囲まれる充填用空所を形成し、
透明又は半透明の材料で形成された上側連結シートで、前記充填用空所の上面開口部を覆うと共に、隣接する前記保護板の上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、
前記上側連結シートの両側端部と前記隣接する保護板とを前記充填用空所の長さ方向に沿って順次接合する一方、未接合箇所の前記上側連結シートと前記保護板との間から前記充填用空所内に注入機の注出口を挿入して既接合箇所の前記充填用空所内に硬化型の保護材料を順次注入していくことを特徴とする保護板の連結方法。
【請求項3】
前記保護板及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、
前記保護材料の注入機と該注入機に伴走する熱溶着機とを、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動させながら、前記上側連結シートと前記隣り合う保護板とを溶接し、前記充填用空所内に前記保護材料を注入することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項4】
前記保護材料は合成樹脂材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項5】
前記保護板は、上下の外皮シートの間に保護材料層が介在したサンドイッチ構造であり、
前記保護板の前記下側外皮シート同士を前記下側連結シートで連結し、
隣接する前記保護板の前記上側外皮シートの上に前記上側連結シートの両側端部を重ね、前記上側連結シートを前記隣り合う保護板の前記上側外皮シートに接合することを特徴とする請求項1又は2に記載の保護板の連結方法。
【請求項6】
前記上側外皮シート及び前記上側連結シートは熱溶着性を有し、
前記上側連結シートの一側端部を隣接する前記保護板の一方の前記上側外皮シートに、前記上側連結シートの他側端部を隣接する前記保護板の他方の前記上側外皮シートに、それぞれ溶着接合することを特徴とする請求項5に記載の保護板の連結方法。
【請求項7】
前記保護材料の充填作業中は、前記注入口を前記保護材料中に位置させることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の保護板の連結方法。
【請求項8】
前記下側外皮シートの側端部を前記保護材料層の端面よりも外側に耳状に延出し、
前記下側外皮シート及び前記下側連結シートを熱溶着性を有する材料で形成し、
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部同士を、前記充填用空所の長さ方向に沿って移動する熱溶着機によって順次溶着接合していくことを特徴とする請求項5又は6に記載の保護板の連結方法。
【請求項9】
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの前記耳状側部同士を直に接合することを特徴とする請求項8に記載の保護板の連結方法。
【請求項10】
隣接する前記保護板の前記下側外皮シートの耳状側部を跨いだ状態で該耳状側部の上側若しくは下側に前記下側連結シートを重ね、前記下側連結シートを隣接する各前記耳状部に接合することを特徴とする請求項8に記載の保護板の連結方法。
【請求項11】
前記保護材料層は合成樹脂層であることを特徴とする請求項5から10のいずれかに記載の保護板の連結方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−301496(P2007−301496A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133678(P2006−133678)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【出願人】(390036515)株式会社鴻池組 (41)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【出願人】(591159675)錦城護謨株式会社 (27)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【出願人】(000173773)財団法人地域地盤環境研究所 (7)
【出願人】(599105159)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000205627)大阪府 (238)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【出願人】(390036515)株式会社鴻池組 (41)
【出願人】(000236610)株式会社不動テトラ (136)
【出願人】(000204192)太陽工業株式会社 (174)
【出願人】(591159675)錦城護謨株式会社 (27)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【出願人】(000173773)財団法人地域地盤環境研究所 (7)
【出願人】(599105159)
【Fターム(参考)】
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