説明

保護膜付き鏡面シート及びその製造方法

【課題】保護膜付き鏡面シート及びその製造方法において、硬度・透明性・耐摩擦性・耐薬品性・耐熱性に優れ、生産性も良く、鏡面を長期間に亘って維持できること。
【解決手段】紫外線硬化型塗料8は、イソシアネート化合物2及びヒドロキシ化合物3のうち少なくとも1つが不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有し、100重量%中に0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤6と0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂7とを含有する。これを透明な合成樹脂シート9に塗布厚さが8μm±1μmの範囲内になるように塗布して紫外線硬化させることによって塗膜付きシート10が得られ、これを平滑な表面を有する合成樹脂シートにアルミニウムを真空蒸着させて鏡面層を形成してなる鏡面シートの鏡面層側に積層して保護膜付き鏡面シート1が得られ、優れた耐摩耗特性・耐薬品性・耐紫外線性・透明性・不燃性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏡として使用することができ、自由に変形させることが可能な鏡面シートであって、鏡面が傷つけられるのを防止する保護膜が設けられた保護膜付き鏡面シート及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鏡としては、ガラス板に銀やアルミニウム等の金属を蒸着したもの、プラスチック板にメッキ加工したもの、金属板やプラスチック板に銀やアルミニウム等の金属を蒸着やスパッタリング等によって積層させたもの、プラスチックフィルムに蒸着やスパッタリング等によって金属を積層させた後に金属板やプラスチック板に接着したもの等が用いられている。
【0003】
近年、装飾等の目的でパソコン、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビ等の家電製品や化粧品の容器、バッグ等のプラスチック部分に鏡面加工を施すことが行われているが、これらはプラスチック部分の形状を成形加工した後に、銀やアルミニウム等の金属を蒸着やスパッタリング等で積層させることによって鏡面加工しており、プラスチック部分を含む部品を1個または数個ずつ真空容器の中に保持して、真空蒸着や電子ビーム蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の金属積層技術を用いて鏡面加工されるため、極めて生産性が悪いものであった。
【0004】
一方、特許文献1においては、プラスチックの鏡面加工の生産性を大幅に向上させるとともに、鏡面加工した後でも成形加工ができるようにすることを目的として、PET−G(非結晶化ポリエチレンテレフタレート)からなる厚さが0.02〜1.0mmである樹脂シートの片面に金属の膜が形成され、その金属化シートがPET−Gからなる積層樹脂シートの片面または両面に一体化され、全体の厚みが0.2mm以上である三次元成形機で成形可能な鏡面ミラーシート及びその製造方法の発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−059382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、アルミニウムを蒸着した金属化シートを積層樹脂シートと一体化(ラミネート)する際にアルミニウム面を外側にしているため傷が付き易く、またアルミニウム面を内側にして積層樹脂シートとラミネートしたとしても、最外層のPET−Gシートの厚さが0.05mmと薄いため、やはりアルミニウム面に傷が付き易くなり、鏡面を長期間に亘って維持することができないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、硬度・透明性・耐摩擦性・耐薬品性・耐熱性に優れていて、生産性も良く、鏡面を長期間に亘って維持することができる保護膜付き鏡面シート及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面に金属からなる鏡面層を形成してなる鏡面シートと、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、前記原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を透明な合成樹脂シートの上に塗布してなる塗膜付きシートとを具備し、前記鏡面シートの前記鏡面層側に前記塗膜付きシートを積層した保護膜付き鏡面シートであって、前記紫外線硬化型塗料は、前記不飽和ウレタン化合物の少なくとも一種がポリアルキレンオキシ基を有し、該ポリアルキレンオキシ基の含有量が、前記不飽和ウレタン化合物に使用される前記イソシアネート化合物及び前記ヒドロキシ化合物の合計量に対して2重量%〜16重量%の範囲内であり、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であるか、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記ヒドロキシ化合物の水酸基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であり、前記紫外線硬化型塗料100重量%中に、0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とを含有する紫外線硬化型塗料であり、前記塗膜付きシートは、前記紫外線硬化型塗料を、クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で前記透明な合成樹脂シートの上に塗布厚さが8μm±1μmの範囲内になるように塗布して紫外線硬化させて塗膜を形成させてなり、前記透明な合成樹脂シートの表面には易接着処理が施されており、前記塗膜の可視光線透過率が90%以上であるものである。
【0009】
ここで、「平滑な表面」とは、前記合成樹脂シートが透明な場合に前記合成樹脂シートを鏡の表面に貼り付けた場合でも、鏡面像が全く歪まないレベルの平滑性を有する表面をいう。
また、「金属」としては、アルミニウム、クロム、亜鉛、銅、銀、金等を用いることができるが、鏡面層を形成するためにはアルミニウムまたは銀が好ましい。
【0010】
更に、「前記不飽和ウレタン化合物に使用される前記イソシアネート化合物及び前記ヒドロキシ化合物の合計量」とは、ポリアルキレンオキシ基の有無に関わらず、紫外線硬化型塗料を製造するのに用いられる全てのイソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物の合計量をいう。
【0011】
また、「該ポリアルキレンオキシ基の含有量」を具体的に説明すると、紫外線硬化型塗料を製造するのにイソシアネート化合物AをA1グラム、イソシアネート化合物BをB1グラム、ヒドロキシ化合物CをC1グラム、ヒドロキシ化合物DをD1グラム用いたとして、イソシアネート化合物Aがポリアルキレンオキシ基を分子中にA2重量%含有し、ヒドロキシ化合物Cがポリアルキレンオキシ基を分子中にC2重量%含有し、イソシアネート化合物Bとヒドロキシ化合物Dはポリアルキレンオキシ基を含有しない場合、ポリアルキレンオキシ基の含有量:W(重量%)は、次式(1)で表される。
【0012】
【数1】

【0013】
更に、「前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値」を具体的に説明すると、不飽和結合を有するイソシアネート化合物Aの使用量がA3モル(mol)で不飽和結合数がA4個、不飽和結合を有するイソシアネート化合物Bの使用量がB3モル(mol)で不飽和結合数がB4個、不飽和結合を有するヒドロキシ化合物Cの使用量がC3モル(mol)で不飽和結合数がC4個、不飽和結合を有するヒドロキシ化合物Dの使用量がD3モル(mol)で不飽和結合数がD4個とすると、不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値:Xは、次式(2)で表される。
【0014】
【数2】

【0015】
また、「前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の数」を具体的に説明すると、イソシアネート化合物Aのイソシアネート基の数がA5、イソシアネート化合物Bのイソシアネート基の数がB5とすると、イソシアネート化合物のイソシアネート基の数:Yは、次式(3)で表される。
【0016】
【数3】

【0017】
更に、「前記ヒドロキシ化合物の水酸基の数」を具体的に説明すると、ヒドロキシ化合物Cの水酸基の数がC5、ヒドロキシ化合物Dの水酸基の数がD5とすると、ヒドロキシ化合物の水酸基の数:Zは、次式(4)で表される。
【0018】
【数4】

【0019】
また、帯電防止剤としては、三洋化成工業(株)製の「ペレスタット」、花王ケミカル(株)製の「エレクトロストリッパー MEシリーズ」、コルコート(株)製の「コルコート」、イチコウエンジニアリング(株)製の「A−MAX」、ポリエステル樹脂用帯電防止剤としてのポリグリセリン脂肪酸エステルとケイ酸カルシウムとの混合物等を用いることができる。
更に、不飽和ポリエステル樹脂としては、ディー・エイチ・マテリアル(株)の「サンドーマ(登録商標)」、「アクアライト(登録商標)」、「アクリメート(登録商標)」、京セラケミカル(株)の「プリミックス」、日本ユピカ(株)の「ユピカ」等を用いることができる。
【0020】
また、「透明な合成樹脂シート」としては、PE(ポリエチレン)シート、PP(ポリプロピレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)シート、PVC(ポリ塩化ビニル)シート、ポリウレタンシート、等を用いることができる。
更に、「易接着処理」とは、透明な合成樹脂シートが他のシートやフィルムまたは塗料や接着剤との密着性が向上するようにする処理をいい、例えば、透明な合成樹脂シートの表面にポリウレタン層をコーティングする等の方法がある。
また、「クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム」とは、少なくともクラス1000の性能を有するクリーンルームという意味であり、具体的にはクラス1000のクリーンルーム、クラス500のクリーンルーム、クラス100のクリーンルーム、クラス10のクリーンルーム等が該当する。
【0021】
請求項2の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、請求項1の構成において、前記鏡面シートの前記鏡面層は、前記平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面にアルミニウムを真空蒸着させてなるものである。
【0022】
請求項3の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、請求項1または請求項2の構成において、前記塗膜の表面平滑度は、光学的レベルの平滑性であるものである。ここで、「光学的レベルの平滑性」とは、透明な保護膜付き鏡面シートを鏡の表面に貼り付けた場合でも、鏡面像が全く歪まないレベルの平滑性をいう。
【0023】
請求項4の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、請求項1乃至請求項3の何れか1つの構成において、前記透明な合成樹脂シートは、厚さが25μm〜200μmの範囲内、より好ましくは50μm〜100μmの範囲内のPET(ポリエチレンテレフタレート)シートであるものである。
【0024】
請求項5の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、請求項1乃至請求項4の何れか1つの構成において、前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、可視光線透過率が90%以上であるものである。
【0025】
請求項6の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、請求項1乃至請求項5の何れか1つの構成において、前記透明な合成樹脂シート及び前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であるものである。
【0026】
請求項7の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法は、平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面に金属からなる鏡面層を形成して鏡面シートとする鏡面シート製造工程と、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、前記原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有し、前記不飽和ウレタン化合物の少なくとも一種がポリアルキレンオキシ基を有し、該ポリアルキレンオキシ基の含有量が、前記不飽和ウレタン化合物に使用される前記イソシアネート化合物及び前記ヒドロキシ化合物の合計量に対して2重量%〜16重量%の範囲内であり、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であるか、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記ヒドロキシ化合物の水酸基の数を乗じた値が6〜9の範囲内である紫外線硬化型塗料の前駆体を製造する塗料前駆体製造工程と、前記前駆体に、前記紫外線硬化型塗料100重量%に対して、0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とを混合して紫外線硬化型塗料とする紫外線硬化型塗料製造工程と、前記紫外線硬化型塗料を表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シートの上に8μm±1μmの範囲内の塗布厚さで塗布して塗料塗布シートとする塗布工程と、前記塗料塗布シートを加熱乾燥する加熱乾燥工程と、前記塗料塗布シートに紫外線を照射して前記紫外線硬化型塗料を硬化させ、塗膜付きシートとする紫外線硬化工程と、前記鏡面シートの前記鏡面層側に前記塗膜付きシートの前記表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シート側を密着させて積層する積層工程とを具備し、前記塗布工程、前記加熱乾燥工程、前記紫外線硬化工程及び前記積層工程はクラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で実施されるものである。
【0027】
請求項8の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法は、請求項7の構成において、前記鏡面シート製造工程は、前記平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面にアルミニウムを真空蒸着させる工程であるものである。
【0028】
請求項9の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法は、請求項7または請求項8の構成において、前記表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シート及び前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であるものである。
【発明の効果】
【0029】
請求項1の発明に係る保護膜付き鏡面シートは、平滑な表面を有する合成樹脂シートの表面に金属からなる鏡面層を形成してなる鏡面シートと、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を透明な合成樹脂シートの上に塗布してなる塗膜付きシートとを具備し、鏡面シートの鏡面層側に塗膜付きシートを積層した保護膜付き鏡面シートであって、紫外線硬化型塗料は、不飽和ウレタン化合物の少なくとも一種がポリアルキレンオキシ基を有し、ポリアルキレンオキシ基の含有量が、不飽和ウレタン化合物に使用されるイソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物の合計量に対して2重量%〜16重量%の範囲内であり、不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、イソシアネート化合物のイソシアネート基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であるか、不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、ヒドロキシ化合物の水酸基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であり、紫外線硬化型塗料100重量%中に、0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とを含有する紫外線硬化型塗料であり、塗膜付きシートは、紫外線硬化型塗料を、クラス1000以上に優れたクリーンルーム内で透明な合成樹脂シートの上に塗布厚さが8μm±1μmの範囲内になるように塗布して紫外線硬化させて塗膜を形成させてなり、透明な合成樹脂シートの表面には易接着処理が施されており、塗膜の可視光線透過率が90%以上である。
【0030】
本発明に係る保護膜付き鏡面シートは、鏡面シートの鏡面層側に塗膜付きシートを積層したものである。
鏡面シートは、平滑な表面を有する合成樹脂シートの表面に金属からなる鏡面層を形成してなる。鏡面層の形成方法として、真空蒸着法やスパッタリング法を用いる場合には、真空容器中に平滑な表面を有する合成樹脂シートが巻き付けられたロールと、そのロールから所定長さだけ離れた位置に設けられ、該合成樹脂シートを引き出して巻き取る巻取りロールとを設けて連続的に鏡面層を形成することによって、極めて生産性良く製造することができる。
【0031】
また、塗膜付きシートは、透明な合成樹脂シートの上に、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を塗布してなるものであることから、耐薬品性・耐汚染性・耐熱性に優れたものとなる。
ここで、ポリアルキレンオキシ基の含有量:W(重量%)が2重量%〜16重量%の範囲内であることによって、紫外線硬化型塗料を塗布して紫外線硬化させてなる塗膜が、反りや割れを生ずることなく、しかも耐汚染性や光沢保持性能に優れた塗膜となる。Wが2重量%未満であると、塗膜が反りや割れを生ずる恐れがあり、Wが16重量%を超えると塗膜の耐汚染性や光沢保持性能が低下する。
【0032】
また、不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値:Xに、イソシアネート化合物のイソシアネート基の数:Yを乗じたもの即ちX・Y、或いはXにヒドロキシ化合物の水酸基の数:Zを乗じたもの即ちX・Zのいずれか一方の値が6〜9の範囲内であることが必要とされる。X・Y及びX・Zのいずれもが6未満である場合には、塗膜の耐汚染性や光沢保持性能が不十分になり、更に塗膜に着色汚れや傷が付き易くなる。また、X・Y及びX・Zのいずれもが9を超える場合には、塗膜に反りが生じたり、塗膜の密着性が低下したりし易くなる。
【0033】
更に、帯電防止剤を0.5重量%〜3重量%の範囲内で含有していることから、塗膜に帯電防止機能を持たせることができ、塗膜の表面に塵埃が付着して鏡面の視界を妨げることを防止することができる。また、不飽和ポリエステル樹脂を0.5重量%〜3重量%の範囲内で含有していることから、高硬度の不飽和ポリエステル樹脂で保護されることによって、塗膜の硬度が著しく向上する。
【0034】
そして、本発明者は、かかる紫外線硬化型塗料の塗布厚さと塗膜性能の関係について、鋭意実験研究を重ねた結果、透明な合成樹脂シートの上に塗布厚さが8μm±1μmの範囲内になるように塗布して紫外線硬化させて塗膜を形成することによって、塗膜の硬度・透明性・耐摩擦性が著しく向上することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。即ち、塗布厚さが8μmの場合に、最も優れた硬度・透明性・耐摩擦性が得られるものであり、塗布厚さは8μm±1μmの範囲内とする必要があり、更に8μm±0.5μmの範囲内とすることが、より好ましい。
塗布厚さをこのように精密に制御できる塗布方法としては、バーコータを用いる方法、ドクターブレード法等がある。バーコータのメーカーとしては、例えば(株)小林製作所、(株)東洋精機製作所、(株)井元製作所等があり、ドクターブレードのメーカーとしては、(株)エコーブレード、(株)ドクター製作所、富士商興(株)等がある。
【0035】
更に、クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で塗布・乾燥・紫外線硬化の工程を実施することから、塗膜内に塵埃が入らないため表面平滑性・透明性・防汚性が低下することなく、表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シートの上に塗布されることから、塗膜の密着性にも極めて優れたものとなる。また、塗膜の視認率(可視光線透過率)が90%以上であることから、透明な合成樹脂シートの視認率(可視光線透過率)が90%以上であっても、塗膜付きシートとしての視認率が低下することなく、透明性に優れた塗膜付きシートとなる。
【0036】
かかる塗膜付きシートを、鏡面シートの鏡面層側に積層することによって、保護膜付き鏡面シートが製造されているため、光反射率を損なうことなく鏡面層が塗膜付きシートで保護されて、長期間に亘って鏡面を維持することができる。
このようにして、硬度・透明性・耐摩擦性・耐薬品性・耐熱性に優れていて、生産性も良く、鏡面を長期間に亘って維持することができる保護膜付き鏡面シートとなる。
【0037】
請求項2の発明に係る保護膜付き鏡面シートにおいては、鏡面シートの鏡面層が、平滑な表面を有する合成樹脂シートの表面にアルミニウムを真空蒸着させてなることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、より低コストで、かつ、確実に、生産性良く優れた鏡面を得ることができる。
【0038】
請求項3の発明に係る保護膜付き鏡面シートにおいては、塗膜の表面平滑度が光学的レベルの平滑性である。
従来の透明合成樹脂シートの上に透明な塗膜を形成したものは、塗膜の表面平滑度が悪く、鏡の表面に貼り付けた場合には、鏡面像が歪んでしまう。
しかし、本発明に係る保護膜付き鏡面シートは、塗膜の表面平滑度が光学的レベルの平滑性であり、鏡面シートの表面に貼り付けた場合にも、鏡面像が全く歪まないことから、請求項1または請求項2に係る発明の効果に加えて、保護膜付き鏡面シートの表面平滑度が極めて優れたものとなり、より確実に鏡面の見栄えを損なうことなく、しかも耐傷付き性及び耐汚染性に優れた保護膜付き鏡面シートとなる。
【0039】
請求項4の発明に係る保護膜付き鏡面シートにおいては、透明な合成樹脂シートの厚さが25μm〜200μmの範囲内のPET(ポリエチレンテレフタレート)シートであることから、請求項1乃至請求項3に係る発明の効果に加えて、シートの製造コストを低減することができるとともに、適度な強度と適度な柔軟性を兼ね備えた保護膜付き鏡面シートとなるため、美装・装飾・広告用シートとして、壁面や天井等への貼り付け等の施工作業が容易になり、取り扱い性にも優れたものとなる。
【0040】
請求項5の発明に係る保護膜付き鏡面シートにおいては、鏡面シートの基板に相当する平滑な表面を有する合成樹脂シートの可視光線透過率が90%以上であることから、請求項1乃至請求項4に係る発明の効果に加えて、鏡面シートの基板側、即ち裏側も鏡として機能することになり、両面が鏡となる保護膜付き鏡面シートとすることができる。
【0041】
請求項6の発明に係る保護膜付き鏡面シートにおいては、透明な合成樹脂シート及び平滑な表面を有する合成樹脂シートが、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であることから、請求項1乃至請求項5に係る発明の効果に加えて、鏡面シートを製造する際も、塗膜付きシートを製造する際も、鏡面シートと塗膜付きシートを積層する際も、全てロールに巻いて実施することができ、極めて生産性に優れた保護膜付き鏡面シートとなる。
【0042】
請求項7の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法は、鏡面シート製造工程において、平滑な表面を有する合成樹脂シートの表面に金属からなる鏡面層が形成されて、鏡面シートが製造される。
一方、塗料前駆体製造工程において、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料の前駆体が製造され、紫外線硬化型塗料製造工程において、この前駆体に0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とが混合されて、紫外線硬化型塗料が製造される。
【0043】
ここで、ポリアルキレンオキシ基の含有量:W(重量%)が2重量%〜16重量%の範囲内であることによって、紫外線硬化型塗料を塗布して紫外線硬化させてなる塗膜が、反りや割れを生ずることなく、しかも耐汚染性や光沢保持性能に優れた塗膜となる。Wが2重量%未満であると、塗膜が反りや割れを生ずる恐れがあり、Wが16重量%を超えると塗膜の耐汚染性や光沢保持性能が低下する。
【0044】
また、不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値:Xに、イソシアネート化合物のイソシアネート基の数:Yを乗じたもの即ちX・Y、或いはXにヒドロキシ化合物の水酸基の数:Zを乗じたもの即ちX・Zのいずれか一方の値が6〜9の範囲内であることから、耐汚染性や光沢保持性能に優れ、反りが生ずることなく密着性にも優れた塗膜が形成される。
X・Y及びX・Zのいずれもが6未満である場合には、塗膜の耐汚染性や光沢保持性能が不十分になり、更に塗膜に着色汚れや傷が付き易くなる。また、X・Y及びX・Zのいずれもが9を超える場合には、塗膜に反りが生じたり、塗膜の密着性が低下したりし易くなる。
【0045】
更に、帯電防止剤を0.5重量%〜3重量%の範囲内で含有していることから、塗膜に帯電防止機能を持たせることができ、塗膜の表面に塵埃が付着して鏡面の視界を妨げることを防止することができる。また、不飽和ポリエステル樹脂を0.5重量%〜3重量%の範囲内で含有していることから、高硬度の不飽和ポリエステル樹脂で保護されることによって、塗膜の硬度が著しく向上する。
【0046】
そして、塗布工程において、かかる紫外線硬化型塗料が透明な合成樹脂シートの上に、8μm±1μmの範囲内の塗布厚さで塗布されて塗料塗布シートとなり、加熱乾燥工程において塗料塗布シートが加熱乾燥され、紫外線硬化工程において塗料塗布シートに紫外線が照射されて紫外線硬化型塗料が硬化して、塗膜付きシートが製造されることから、塗膜の硬度・透明性・耐摩擦性が著しく向上する。
【0047】
更に、クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で塗布工程、加熱乾燥工程及び紫外線硬化工程が実施されることから、塗膜内に塵埃が入らないため表面平滑性・透明性・防汚性が低下することなく、表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シートの上に塗布されることから、塗膜の密着性にも極めて優れたものとなる。また、塗膜の視認率(可視光線透過率)が90%以上であることから、透明な合成樹脂シートの視認率(可視光線透過率)が90%以上であっても、塗膜付きシートとしての視認率が低下することなく、透明性に優れた塗膜付きシートとなる。
【0048】
最後に、積層工程において、クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で、鏡面シートの鏡面層側に塗膜付きシートの透明な合成樹脂シート側が密着させられて積層され、保護膜付き鏡面シートが得られることから、光反射率を損なうことなく鏡面層が塗膜付きシートで保護されて、長期間に亘って鏡面を維持することができる。
このようにして、硬度・透明性・耐摩擦性・耐薬品性・耐熱性に優れていて、生産性も良く、鏡面を長期間に亘って維持することができる保護膜付き鏡面シートの製造方法となる。
【0049】
請求項8の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法においては、鏡面シート製造工程が、平滑な表面を有する合成樹脂シートの表面にアルミニウムを真空蒸着させる工程であることから、請求項7に係る発明の効果に加えて、より低コストで、かつ、確実に、生産性良く優れた鏡面を得ることができる保護膜付き鏡面シートの製造方法となる。
【0050】
請求項9の発明に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法においては、表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シート及び平滑な表面を有する合成樹脂シートが、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であることから、請求項7または請求項8に係る発明の効果に加えて、鏡面シート製造工程も、塗布工程も、加熱乾燥工程も、紫外線硬化工程も、積層工程も、全てロールに巻いて実施することができ、極めて生産性に優れた保護膜付き鏡面シートの製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は本発明の実施例に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法のうちの塗膜付きシートの製造方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は本発明の実施例に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は本発明の実施例に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法のうちの鏡面シート製造工程を示す模式図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施例に係る保護膜付き鏡面シートを示す斜視図、(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明を実施するためには、保護膜付き鏡面シートの塗膜を形成するための塗料として、イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を使用する必要がある。ここで、不飽和結合は、ヒドロキシ化合物に存在することが好ましい。以下に、イソシアネート化合物と、分子内にアクリロイル基またはメタクリロイル基に由来する不飽和結合を有するヒドロキシ化合物とのウレタン化反応によって得られる不飽和ウレタン化合物の製造方法について説明する。
【0053】
ここで、イソシアネート化合物としては、モノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物等を用いることができるが、特にポリイソシアネート化合物が好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物等があるが、特に脂肪族ポリイソシアネート化合物が好ましい。中でも、イソシアネート基の数が3以上であるものが好ましい。
【0054】
脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、炭素数が6〜10である飽和炭化水素を主体とするものが好ましい。脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,4,8−トリイソシアネートクタン、1,4,8−トリイソシアネートンデカン、1,8−ジイソシアネート4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート5−イソシアネートメチルオクタン等がある。
【0055】
一方、分子内にアクリロイル基またはメタクリロイル基(以下、これらを合わせて「(メタ)アクリロイル基」という。)を有するヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシシクロアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との付加物、これらの(メタ)アクリレート化合物とε−カプロラクトンとの開環反応物、グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加物、フェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との付加物、等があり、特にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0056】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリシドールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等があり、特にペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0057】
また、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレンオキサイドモノ(メタ)アクリレート、エチレン−プロピレングリコールブロック重合体の(メタ)アクリル酸との付加物等があり、特にポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0058】
このような脂肪族ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基を有するヒドロキシ化合物とを、定法にしたがってウレタン化反応させることによって、不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を得ることができる。かかる紫外線硬化型塗料は、水を溶剤とした水性エマルジョン系塗料として使用することができる。
ここで、「エマルジョン(emulsion,エマルションともいう。)」とは、乳濁液ともいい、液体中に液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として乳状をなすもの(分散系)、が本来の意味であるが(長倉三郎他・編「岩波理化学辞典(第5版)」152頁,1998年2月20日株式会社岩波書店発行)、本明細書においては、より広い意味で一般的に用いられている「液体中に固体または液体の粒子が分散しているもの」として、「エマルジョン」という用語を用いるものとする。
そして、紫外線硬化型塗料には、更に帯電防止剤と不飽和ポリエステル樹脂とが混合される。
【0059】
塗布した紫外線硬化型塗料を硬化させるための光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、太陽等を用いることができるが、特に紫外線強度に3ピークを有するメタルハライドランプが好ましい。
紫外線硬化型塗料を塗布する透明な合成樹脂シートとしては、PE(ポリエチレン)シート、PP(ポリプロピレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)シート、塩化ビニルシート、ポリウレタンシート等があるが、特にPETシートが好ましい。また、透明な合成樹脂シートの視認率(可視光線透過率)は90%以上であることが好ましい。
【0060】
更に、光学的平滑表面を有する合成樹脂シートとしては、PE(ポリエチレン)シート、PP(ポリプロピレン)シート、PET(ポリエチレンテレフタレート)シート、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)シート、塩化ビニルシート、ポリウレタンシート等があるが、特にPETシートが好ましい。
また、金属としては、アルミニウム、クロム、亜鉛、銅、銀、金等を用いることができるが、鏡面層を形成するためにはアルミニウムまたは銀が好ましい。
【実施例】
【0061】
以下、本発明の実施例に係る保護膜付き鏡面シートについて、図1乃至図4を参照して説明する。
【0062】
最初に、本実施例に係る保護膜付き鏡面シートの製造方法について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示されるように、まず不飽和ウレタン化合物の原材料であるイソシアネート化合物2とヒドロキシ化合物3及び必要に応じて溶媒4を混合・反応させ、前駆体5である不飽和ウレタン化合物溶液を製造する塗料前駆体製造工程を実施した(ステップS1)。
ここで、イソシアネート化合物2としては、トリス(6−イソシアネートヘキシル)イソシアヌレートである、旭化成(株)製の商品名「デラネートTPA−100」を用いた。また、ヒドロキシ化合物3としては、テトラメチロールメタントリアクリレートとテトラメチロールメタンテトラアクリレートとの混合物である、新中村化学工業(株)製の商品名「NKエステルA−TMM−3L」、及びポリオール化合物である新中村化学工業(株)製の商品名「ブレンマーAE350」を用いた。
【0063】
なお、重合禁止剤及び反応促進剤として、少量のハイドロキノン及びジブチル錫ラウレートを添加した。反応は、80℃において8時間行わせ、反応物の赤外吸収(IR)スペクトルを測定し、イソシアネートの吸収ピーク(2170cm-1)がなくなった時点で反応を終了した。
こうして得られた不飽和ウレタン化合物を、ホモミキサーを用いて乳化しながら、乳化剤を添加した溶媒4としての蒸留水に、40重量%になるように徐々に加えてエマルジョンとして、水性エマルジョン系塗料を得た。なお、この際に、紫外線硬化剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製の商品名「ダロキュア1173」を2重量%添加した。
【0064】
次に、この水性エマルジョン系塗料に、帯電防止剤6としてポリエステル樹脂用帯電防止剤を添加して混合し、更に不飽和ポリエステル樹脂7を添加して混合することによって紫外線硬化型塗料製造工程が実施され(ステップS2)、紫外線硬化型塗料8が製造される。
ここで、帯電防止剤6及び不飽和ポリエステル樹脂7は、紫外線硬化型塗料8の100重量%に対して、それぞれ1.5重量%になるように添加した。また、帯電防止剤5としてのポリエステル樹脂用帯電防止剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステルとケイ酸カルシウムとの混合物を用いた。更に、不飽和ポリエステル樹脂7としては、京セラケミカル(株)の商品名「プリミックス」を用いた。
【0065】
このようにして製造された紫外線硬化型塗料8を、クラス100のクリーンルーム内において、透明な合成樹脂シート9としての幅1m×長さ20m×厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートの表面に、(株)小林製作所製のバーコータを用いて、塗膜厚さが8μmとなるように塗布して塗布工程を実施し(ステップS3)、塗料塗布シート9Aを得た。
ここで、PETシートとしては、東洋紡績(株)製の商品名「コスモシャイン(登録商標)A4300」を使用した。この「コスモシャイン(登録商標)A4300」のJIS K−7105による全光線透過率は、92.3%であり、両面に易接着処理が施されている。
この塗料塗布シート9Aを70℃で10分間加熱乾燥して溶媒を除去する加熱乾燥工程を実施し(ステップS4)、紫外線強度に3ピークを有するメタルハライドランプを用いて、紫外線(UV)を照射して硬化させる紫外線硬化工程を実施することによって(ステップS5)、本実施例に係る塗膜付きシート10が得られた。
【0066】
一方、図2に示されるように、平滑な表面を有する合成樹脂シート11としての幅1m×長さ20m×厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートの表面に、金属12としてのアルミニウムを積層させて鏡面層を形成する鏡面シート製造工程を実施し(ステップS7)、鏡面シート13を得た。
ここで、PETシート11としては、東洋紡績(株)製の商品名「コスモシャイン(登録商標)A4300」を使用した。この「コスモシャイン(登録商標)A4300」の両面は、平滑な表面となっている。
【0067】
この鏡面シート製造工程(ステップS7)について、図3の模式図を参照して説明する。
図3に示されるように、鏡面シート製造工程は、クラス100のクリーンルーム内に設置された真空蒸着装置20を用いて、PETシート11にアルミニウム12を真空蒸着する工程である。
真空蒸着装置20は、真空容器21と、PETシート11が巻き付けられ、真空容器21内に回転可能に設けられたローラ22と、ローラ22に対向して回転可能に設けられ、アルミニウム12が蒸着された鏡面シート13を巻き取るローラ23と、アルミニウム12が蒸着される領域を制限するシャッタ24と、アルミニウム12を載置して加熱するヒータ25と、真空容器21内を真空状態にするための油拡散ポンプ26及びロータリーポンプ27とを備えている。
【0068】
この鏡面シート製造工程における手順は、まず幅1m×長さ20mのPETシート11をローラ22にセットし、PETシート11の先端を引き出してローラ23にセットして、真空容器21を閉じて油拡散ポンプ26及びロータリーポンプ27を稼働させ、真空容器21内を1.0×10-4Torr〜1.0×10-5Torr程度にまで減圧する。そして、ヒータ25でアルミニウム12を加熱するとともにローラ23でPETシート11を巻き取って、PETシート11の下面にアルミニウム12を蒸着させる。
本実施例においては、PETシート11を長さ方向に1m/hrの速度で巻き取って、PETシート11の下面に0.5μmの厚さのアルミニウム12からなる鏡面層を形成した。
【0069】
図2に戻って、クラス100のクリーンルーム内において、このようにして得られた鏡面シート13の鏡面層側に、塗膜付きシート10の透明な合成樹脂シート9側を密着させて接着剤14で接着して積層する積層工程が実施される(ステップS8)。
このようにして、本実施例に係る保護膜付き鏡面シート1が得られた。得られた保護膜付き鏡面シート1の構成について、図4を参照して説明する。
【0070】
図4(a),(b)に示されるように、保護膜付き鏡面シート1は、最下層に平滑な表面を有する合成樹脂シート11としての厚さが50μmのPETシートがあり、その上に鏡面層12Aが設けられ、その上に接着剤14を介して透明な合成樹脂シート9としての厚さが100μmのPETシートが密着し、更にその表面に塗膜8Aが形成されている。
したがって、図4(b)に示されるように、本実施例に係る保護膜付き鏡面シート1においては、最下層の合成樹脂シート11も透明であるため、上下両面が鏡として機能することになる。
【0071】
このようにして製造された本実施例に係る保護膜付き鏡面シート1について、その性能を、耐摩耗特性・耐薬品性・耐紫外線性・透明性・不燃性の5項目に亘って評価した。
【0072】
まず、耐摩耗特性について、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定することによって、評価を行った。試験方法としては、JIS−K−7125に準じて実施し、保護膜付き鏡面シート1の保護層である塗膜付きシート10及び基材であるPETシートを供試体として、相手材としては皮革及びマットを用いた。その結果を、表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
表1に示されるように、本実施例に係る保護膜付き鏡面シート1の保護層である塗膜付きシート10は、皮革に対しては、静摩擦係数及び動摩擦係数のいずれについてもPETシートより小さくなっており、またマットに対しては、静摩擦係数及び動摩擦係数のいずれについてもPETシートより大きくなっている。したがって、皮革に対しては摩擦係数が小さく耐摩耗性に優れていることが明らかになった。
【0075】
次に、耐薬品性について試験を行った。試験方法としては、塗膜付きシート10及び基材であるPETシートを供試体として、各供試体の表面に試験液を約0.1ml滴下し、時計皿で蓋をして室温で24時間放置した後、流水中で供試体の表面を軽くこすりながら試験液を洗い落として、乾燥した後、外観変化を観察した。そして、外観変化の全くないものを「A」、表面が完全に溶解したものを「E」として、A,B,C,D,Eの5段階で耐薬品性を評価した。
【0076】
試験液としては、塩酸(特級、35.0%〜37.0%)、フッ化水素酸(特級、46.0%)、硫酸(特級、95.0%)、飽和水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム(特級、97.0%)を使用)、2−ブタノン(特級、99.0%)の5種類の各薬品を使用した。その結果を、表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
表2に示されるように、本実施例に係る塗膜付きシート10は、5種類の薬品全てについて全く外観の変化が見られず、優れた耐薬品性を示すことが明らかになった。これに対して、紫外線硬化型塗料8による塗膜を有しないPETシートにおいては、塩酸・フッ化水素酸・2−ブタノンについては全く外観の変化が見られなかったが、硫酸及び飽和水酸化ナトリウム水溶液に対しては、耐性を有していなかった。
【0079】
次に、耐紫外線性について試験を行った。試験方法としては、JIS−K−6772に準じて実施した。その結果、紫外線照射によっても本実施例に係る塗膜付きシート10の色調は全く変化せず、優れた耐紫外線性を有することが明らかになった。
【0080】
また、塗膜付きシート10の可視光線の分光透過率についても、試験を行った。試験方法としては、試験機器として日本分光(株)製の紫外可視分光光度計V−570を用いて、標準白板:硫酸バリウム、サンプリングピッチ:0.5nm、スリット幅:20nm、スキャン速度:中速、という条件で実施した。その結果、可視光線(400nm〜800nm)の分光透過率は90.6%であり、基材のPETシート(92.3%)と殆ど変わらなかった。
【0081】
次に、不燃性について試験を行った。試験方法としては、不燃材料に対する発熱性試験を実施し、20分間の総発熱量と最高発熱速度を測定した。供試体としては、上述した塗膜付きシート10の製造方法と同様にして、基材として厚さ50μmのPETシートを用いて塗膜付きシート10Aを製造し、基材として厚さ75μmのPETシートを用いて塗膜付きシート10Bを製造して、これらの塗膜付きシート10A,10Bをそれぞれ石膏ボードに貼り付けた供試体について試験を行った。その結果を、表3に示す。
【0082】
【表3】

【0083】
表3に示されるように、本実施例に係る塗膜付きシート10Aを用いた供試体は、20分間の総発熱量が5.9MJ/m2 で不燃材料の基準である8.0MJ/m2 未満という条件を満たしており、また最高発熱速度が186.2kW/m2 で、「最高発熱速度が200kW/m2 を超えた時間が10秒間未満」という不燃材料の基準を満たしている。
同様に、塗膜付きシート10Bを用いた供試体は、20分間の総発熱量が6.0MJ/m2 で不燃材料の基準を満たしており、また最高発熱速度が200kW/m2 を超えた時間が4秒間であって、やはり不燃材料の基準を満たしている。
【0084】
また、表3に示されるように、防火上有害な貫通孔等も生じなかった。したがって、本実施例に係る塗膜付きシート10A,10Bは、建材として床面や壁面に貼り付けても、不燃材料として機能するため、極めて好ましいことが明らかになった。
【0085】
このようにして、本実施例に係る保護膜付き鏡面シート1は、硬度・透明性・耐摩擦性・耐薬品性・耐熱性に優れていて、生産性も良く、鏡面を長期間に亘って維持することができる。
【0086】
本実施例においては、透明な合成樹脂シートとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)シート9を用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、他の透明な合成樹脂シート、例えばPE(ポリエチレン)シート、PP(ポリプロピレン)シート、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)シート、PVC(ポリ塩化ビニル)シート、ポリウレタンシート、等を用いることもできる。
【0087】
また、本実施例においては、平滑な表面を有する合成樹脂シートとしてPET(ポリエチレンテレフタレート)シート11を用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、他の合成樹脂シート、例えばPE(ポリエチレン)シート、PP(ポリプロピレン)シート、アクリル樹脂(メタクリル樹脂を含む)シート、PVC(ポリ塩化ビニル)シート、ポリウレタンシート、等を用いることもできる。
【0088】
更に、本実施例においては、保護膜付き鏡面シート1の鏡面層をアルミニウムの真空蒸着によって形成した場合について説明したが、鏡面層を形成する方法は真空蒸着に限られるものではなく、メッキ、スパッタリング、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング等の他の方法を用いることもできる。
また、鏡面層を形成する金属もアルミニウムに限られるものではない。
【0089】
保護膜付き鏡面シートのその他の部分の構成、形状、数量、材質、太さ、厚さ、大きさ、製造方法、製造条件等についても、保護膜付き鏡面シートの製造方法のその他の工程についても、本実施例に限定されるものではない。なお、本発明の実施例で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に好適な適正値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
【符号の説明】
【0090】
1 保護膜付き鏡面シート
2 イソシアネート化合物
3 ヒドロキシ化合物
5 前駆体
6 帯電防止剤
6 紫外線硬化型塗料
7 不飽和ポリエステル樹脂
8 紫外線硬化型塗料
8A 塗膜
9 透明な合成樹脂シート
9A 塗料塗布シート
10 塗膜付きシート
11 平滑な表面を有する合成樹脂シート
12 金属
12A 鏡面層
13 鏡面シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面に金属からなる鏡面層を形成してなる鏡面シートと、
イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、前記原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有する紫外線硬化型塗料を透明な合成樹脂シートの上に塗布してなる塗膜付きシートとを具備し、
前記鏡面シートの前記鏡面層側に前記塗膜付きシートを積層した保護膜付き鏡面シートであって、
前記紫外線硬化型塗料は、前記不飽和ウレタン化合物の少なくとも一種がポリアルキレンオキシ基を有し、該ポリアルキレンオキシ基の含有量が、前記不飽和ウレタン化合物に使用される前記イソシアネート化合物及び前記ヒドロキシ化合物の合計量に対して2重量%〜16重量%の範囲内であり、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であるか、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記ヒドロキシ化合物の水酸基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であり、前記紫外線硬化型塗料100重量%中に、0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とを含有する紫外線硬化型塗料であり、
前記塗膜付きシートは、前記紫外線硬化型塗料を、クラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で前記透明な合成樹脂シートの上に塗布厚さが8μm±1μmの範囲内になるように塗布して紫外線硬化させて塗膜を形成させてなり、前記透明な合成樹脂シートの表面には易接着処理が施されており、前記塗膜の可視光線透過率が90%以上であることを特徴とする保護膜付き鏡面シート。
【請求項2】
前記鏡面シートの前記鏡面層は、前記平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面にアルミニウムを真空蒸着させてなることを特徴とする請求項1に記載の保護膜付き鏡面シート。
【請求項3】
前記塗膜の表面平滑度は、光学的レベルの平滑性であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保護膜付き鏡面シート。
【請求項4】
前記透明な合成樹脂シートは、厚さが25μm〜200μmの範囲内のPET(ポリエチレンテレフタレート)シートであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の保護膜付き鏡面シート。
【請求項5】
前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、可視光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の保護膜付き鏡面シート。
【請求項6】
前記透明な合成樹脂シート及び前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の保護膜付き鏡面シート。
【請求項7】
平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面に金属からなる鏡面層を形成して鏡面シートとする鏡面シート製造工程と、
イソシアネート化合物及びヒドロキシ化合物を原料化合物とする不飽和ウレタン化合物を含有し、前記原料化合物のうち少なくとも1つの化合物が不飽和結合を有する不飽和ウレタン化合物を含有し、前記不飽和ウレタン化合物の少なくとも一種がポリアルキレンオキシ基を有し、該ポリアルキレンオキシ基の含有量が、前記不飽和ウレタン化合物に使用される前記イソシアネート化合物及び前記ヒドロキシ化合物の合計量に対して2重量%〜16重量%の範囲内であり、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記イソシアネート化合物のイソシアネート基の数を乗じた値が6〜9の範囲内であるか、前記不飽和結合を有する原料のモル数の総和の値で、前記不飽和結合を有する原料のモル数に不飽和結合数を乗じたものの和の値を割った値に、前記ヒドロキシ化合物の水酸基の数を乗じた値が6〜9の範囲内である紫外線硬化型塗料の前駆体を製造する塗料前駆体製造工程と、
前記前駆体に、前記紫外線硬化型塗料100重量%に対して、0.5重量%〜3重量%の範囲内の帯電防止剤と、0.5重量%〜3重量%の範囲内の不飽和ポリエステル樹脂とを混合して紫外線硬化型塗料とする紫外線硬化型塗料製造工程と、
前記紫外線硬化型塗料を表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シートの上に8μm±1μmの範囲内の塗布厚さで塗布して塗料塗布シートとする塗布工程と、
前記塗料塗布シートを加熱乾燥する加熱乾燥工程と、
前記塗料塗布シートに紫外線を照射して前記紫外線硬化型塗料を硬化させ、塗膜付きシートとする紫外線硬化工程と、
前記鏡面シートの前記鏡面層側に前記塗膜付きシートの前記表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シート側を密着させて積層する積層工程とを具備し、
前記塗布工程、前記加熱乾燥工程、前記紫外線硬化工程及び前記積層工程はクラス1000以上の性能を有するクリーンルーム内で実施されることを特徴とする保護膜付き鏡面シートの製造方法。
【請求項8】
前記鏡面シート製造工程は、前記平滑な表面を有する合成樹脂シートの前記表面にアルミニウムを真空蒸着させる工程であることを特徴とする請求項7に記載の保護膜付き鏡面シートの製造方法。
【請求項9】
前記表面に易接着処理が施された透明な合成樹脂シート及び前記平滑な表面を有する合成樹脂シートは、幅が0.5m〜5mの範囲内であり、長さが5m〜100mの範囲内であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の保護膜付き鏡面シートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−212888(P2011−212888A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81343(P2010−81343)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(399074824)株式会社タカハラコーポレーション (2)
【Fターム(参考)】