説明

信号の周波数または周期を決定するための方法

【課題】レシプロカルカウンタの分解能を向上させる。
【解決手段】信号をタップ付き遅延線に入力し、遅延線タップの各々の出力位置に複数の遅延線タップ信号を生成する。一実施形態では、信号タイミングエッジを検出し、信号タイミングエッジまたは次のクロックタイミングエッジの位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する初期時間値を決定した後で、遅延線タップ信号を監視し、信号タイミングエッジと次のクロックタイミングエッジの間の遅延に対応するようにタイムスタンプを決定するために初期値に対して実施すべき部分補正時間値調整を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には信号の周波数または周期を決定するための方法に関し、またより具体的には信号のタイミングエッジに関するタイムスタンプを決定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反復性の(すなわち、周期性の)信号の周波数(f)は、当該信号に関して具体的なある時間間隔(t)の間に生じるサイクルの数(M)によって規定することが可能である。信号の周波数を決定するための方法(周波数計数とも呼ぶ)には幾つかの周知の方法がある。周波数計数に関する基本的な2つのタイプは、直接計数とレシプロカル(reciprocal)計数である。
【0003】
直接カウンタは、既知の時間間隔(例えば、1秒)の間の信号サイクル数(M)を計数する。時間間隔が1秒に等しい(t=1s)場合、その周波数は毎秒のサイクル数またはサイクル数ヘルツ(Hz)の形で表現される。
【0004】
他方レシプロカルカウンタは、信号サイクル数を計数して周波数(f)を決定するのではなく、単一の信号サイクル(T=t)が完了する時間間隔(t)の計測により決定可能な信号の周期(T)を決定している。信号の周期が決定されると、毎秒の信号サイクル数または信号サイクル数Hzを算出するために周期の逆数(f=1/T)を求めることによって当該信号の周波数を決定することが可能である。別法として、単一の信号サイクルが完了する時間間隔の計測ではなく、既知の信号サイクル数(M)が完了する時間間隔(tM)を計測しこの時間間隔を信号サイクル数で割り算すること(T=tM/M)によって周期を決定することも可能である。繰り返しになるが、当該信号の周波数は周期の逆数の算出(f=1/T=M/tM)によって決定することが可能である。したがって、この時間間隔の決定のためにレシプロカル計数では、信号サイクルの開始及び次の信号サイクル(あるいは、別のある既知信号サイクル(例えば、信号サイクルの各10回ごと))の開始を決定すること、並びにこれら事象の各々とタイムスタンプを関連付けすること、が必要である。
【0005】
これらの信号サイクル開始時刻に関するタイムスタンプは、タイマクロック信号に関するクロックサイクル数のカウントを単位として(例えば、タイマクロックサイクル100)、あるいはこのタイマクロックサイクルカウントと等価な時間を単位として(すなわち、100nsのタイマクロック周期を有するタイマクロック信号に関するタイマクロックサイクル100は10ms(タイマクロックサイクル100回に100ns/タイマクロックサイクルを掛け算した値)と等価である)提供することが可能である。このタイムスタンプがタイマクロックサイクル数を単位として提供される場合、その信号サイクル中で生じたタイマクロックサイクル数にタイマクロック周期を掛け算して時間間隔を決定することが可能である。タイムスタンプがタイマクロックサイクルカウントと等価な時間として提供される場合にはその時間間隔は、第1のタイムスタンプを第2のタイムスタンプから引き算することによって決定することが可能である。このようにタイマクロックサイクルカウントに依存していることから、従来のレシプロカルカウンタの確度はタイマクロックの速度に依存する。例えばタイマクロックが10MHzで動作している(すなわち、タイマクロックサイクルが100nsごとに生じる)場合、そのレシプロカルカウンタの分解能は100nsである。タイマクロック速度と得られる分解能の間のこの相関について、t=0で開始した以下の例によって説明する。
【0006】
信号サイクルの第1の信号タイミングエッジ(例えば、信号サイクルが開始される具体的なある立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジ)が、タイマクロックサイクルカウントが001に等しいt=95nsで検出されると仮定する。第1のタイマクロック周期の間のt=0ns〜100ns(すなわち、100nsにおいて第2のタイマクロックサイクルが生じるまで)ではタイマクロックサイクルカウントが001に等しいため、この第1のタイマクロック周期中のどこで第1の信号タイミングエッジが検出されるかによらず、タイマクロックサイクルカウントは001に等しくなる。ここで、タイマクロックサイクルカウントが005に等しい時刻=405nsにおいて第2の信号タイミングエッジが検出されるものと仮定する。ここでもタイマクロックサイクルカウントは第5のタイマクロック周期中のt=400ns〜500nsでは005に等しいため、信号の第2の信号タイミングエッジがこのこの第5のタイマクロック周期中のいつ検出されるかによらず、そのタイマカウンタは005に等しいことになる。したがってこの例では、レシプロカルカウンタは第1及び第2の信号タイミングエッジに対してタイマカウントまたはタイマカウントと等価な時間を用いてタイムスタンプを付与している(すなわち、001のタイマカウントは100nsの時間と等価でありかつ005のタイマカウントは500nsの時間と等価である)。
【0007】
信号のこの単一サイクルに関する時間間隔(すなわち、周期(T))を決定するために、第1のタイムスタンプ(100nsすなわちタイマクロックサイクル001)を第2のタイムスタンプ(500nsすなわちタイマクロックサイクル005)から引き算して400nsの時間間隔が提供される。単一の信号サイクルに関するこの時間間隔は2.5MHzの周波数と等価である。しかしこの例で示したように、信号サイクルに関する実際の時間間隔(95nsから405nsまで)は400nsではなく310nsだけであり、決定した時間間隔(400ns=2.50MHz)と実際の時間間隔(310ns=3.23MHz)の間に90nsの誤差が現れる。
【0008】
この誤差は、タイマクロック周期を短縮させかつ分解能を向上させるようなより高速のタイマクロックの使用によって低減させることが可能である。例えばタイマクロックが10MHzではなく20MHzで動作していた場合(すなわち、各タイマクロックサイクルの有する周期が100nsではなく50nsである場合)、第1の信号タイミングエッジはタイマクロックサイクルカウントが100nsの時点と等価な002(第2のタイマクロックサイクル)に等しいt=95nsにおいて検出されており、一方第2の信号タイミングエッジは、タイマクロックサイクルカウントが450nsの時点と等価な009に等しい時刻=405nsのおいて検出されている。これによって、(7タイマクロックサイクルにタイマクロック周期(すなわち、50ns)を掛け算した値である)350nsの決定時間間隔が提供されることになり、これにより決定した時間間隔(350ns=2.86MHz)と実際の時間間隔(310ns=3.23MHz)の間の誤差が低減されることになる。
【0009】
タイマクロックの速度を上昇させることによりレシプロカルカウンタの分解能は向上するが、これによりシステムの電力消費及び生じる発熱も増大する。電池駆動を必要としたり追加の熱を有効に放散できないようなシステムでは、タイマクロック速度のこうした上昇は選択肢とならないことがある。さらに、タイマクロック速度が大幅に上昇するとこのより速い速度で動作する機能を補完的な電子回路に有させる必要があり、このことはシステムのコストを増大させる可能性がある。
【0010】
レシプロカルカウンタの分解能を向上させるようにタイマクロックの速度を上昇させることは欠点があることから、遅延線を使用して必ずしもタイマクロックの速度の上昇を伴うことなくシステム分解能を向上させるような別のシステムが追求されてきた。しかしこれらのシステムではその遅延線は、計測を受ける信号と比べてかなり大きな速度で動作するのが典型的であるようなタイマクロックに取り付けられている。したがって、これらの遅延線システムではタイマクロック速度の上昇により要求されることになる電力消費の上昇を若干は低減するものの、タイマクロック速度で動作するデバイス数の増加が必要であるため電力消費、発熱及びコストが依然として増大することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5270666号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
タイマクロック速度や電力消費の大幅な増大を必要とせずにレシプロカルカウンタの分解能を大幅に向上させることが有利となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
信号の周波数を決定するために例えばレシプロカルカウンタにおいて信号タイミングエッジに関するタイムスタンプを決定するための方法であって、信号をタップ付き遅延線に入力するステップと、遅延線タップの各々の出力位置に複数の遅延線タップ信号を生成するステップと、を含む方法を開示する。一実施形態では、信号タイミングエッジを検出すると共に、信号タイミングエッジまたは次のクロックタイミングエッジの位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する初期時間値を決定した後で、遅延線タップ信号が監視され、信号タイミングエッジと次のクロックタイミングエッジの間の遅延に対応するようにタイムスタンプを決定するために初期値に対して実施すべき部分補正時間値調整が決定される。別の実施形態では、信号タイミングエッジを検出した後に、遅延線タップ信号タイミングエッジ位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する複数の遅延線タイマクロックサイクルカウントの平均値を用いてタイムスタンプが決定される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による遅延線ラッチを用いた5段式レシプロカルカウンタのブロック図である。
【図2】本発明の別の実施形態による遅延線ラッチを用いた4段式レシプロカルカウンタのブロック図である。
【図3】例示的なタイミング図である。
【図4】本発明の別の実施形態による複数のタイマカウンタキャプチャレジスタを用いた4段式レシプロカルカウンタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
非同期信号200の周波数(f)または周期(TS)を決定するための方法を開示する。本発明のこれらの実施形態の各々では、信号タイミングエッジに関するより正確なタイムスタンプ(TS)を決定するためのより高い分解能を提供するためにレシプロカルカウンタを使用している。
【0016】
図1及び2は、その各遅延線タップ(すなわち、第1の遅延線タップ11、第2の遅延線タップ12、第3の遅延線タップ13、第4の遅延線タップ14及び第5の遅延線タップ15)を直列にしてタイマクロック周期(TC)未満の遅延線タップ時間遅延(例えば、各々の時間遅延が等しい場合や各々の時間遅延が異なる場合がある)だけ信号200を遅延させているような多段構成タップ付き遅延線10を有する遅延線ラッチ20を用いた本発明の実施に使用可能なレシプロカルカウンタ1、2のブロック図を表している。レシプロカルカウンタ1、2は、信号200の周波数(f)または周期(TS)を決定するための分解能をタイマクロック信号300により提供される分解能に対して、遅延線タップの数(N)及びタップ付き遅延線10の状態(S)に応じて係数(R)だけ改善することが可能である(これについて立証する)。
【0017】
例えば、分解能が100nsで10MHzのタイマクロック速度を有する従来のレシプロカルカウンタの分解能を所望の分解能改善係数5(F=5)だけ改善する(すなわち、分解能が20nsで50MHzのタイマクロック速度を有する従来のレシプロカルカウンタと同等とする)ためには、図1にあるような5つの遅延線タップ(N=F)を直列にして有するタップ付き遅延線10、あるいは図2にあるような直列にした少なくとも4つの遅延線タップ(N=F−1)を提供することが可能である。各遅延に関する遅延線タップ時間遅延(tD)は、多段構成タップ付き遅延線10に沿って遅延線タップ時間遅延を提供するようにタイマクロック周期(TC)の整数約数である所望の分解能改善係数(tD=TC/F)でタイマクロック信号300の周期(TC)を割り算した値と等しくすることが可能である。所望の分解能改善係数が5の10MHzタイマクロック信号(TC=100ns)の例を用いると、それぞれの遅延線タップ時間遅延(tD)は20nsとなる。別法では、各遅延ごとの遅延線タップ時間遅延(tD)を必ずしもタイマクロック周期(TC)と等しくしたりその整数約数とする必要はないが、その代わりにこれをタイマクロック周期(TC)に関する何らかの別の既知の細分値(subdivision)とすることが可能である。段数や状態の数が異なる、また遅延線タップ時間遅延が異なるような実施形態も使用可能であると共にこれらも本発明の趣旨及び精神の域内にあることは当業者であれば理解されよう。
【0018】
再度図1を参照するとレシプロカルカウンタ1は5段式タップ付き遅延線10(N=5)を有しており、一方図2のレシプロカルカウンタ2は4段式タップ付き遅延線10(N=4)を有する。レシプロカルカウンタ1、2の各々では、直列となった遅延線タップの各々が遅延線タップ時間遅延(例えば、等しい時間遅延)だけ信号を遅延させながらタップ付き遅延線10の入力の位置で信号200を受け取っている。したがって図3の例示的なタイミング図に示したように遅延線タップの各々の出力は、直列となった先行する遅延線タップの遅延線タップ時間遅延の総和だけ信号200を時間的に遅延させた信号となる(例えば、第2の遅延線タップ信号212は2つの遅延線タップ時間遅延11、12だけ遅延を受けており、また第3の遅延線タップ信号213は3つの遅延線タップ時間遅延11、12、13だけ遅延を受けている)。遅延線タップの各々の出力は、タップ付き遅延線10の状態(S)を提供する遅延線ラッチ20に接続されている。
【0019】
信号200は、タップ付き遅延線10の入力により受け取られる以外に、図3の例示的なタイミング図に示すようなタイマクロック信号300からのタイマクロックサイクル数を連続して計数する(例えば、第1のタイマクロックサイクル(100)、第2のタイマクロックサイクル(101)、その他を計数する)タイマカウンタキャプチャレジスタ30にも接続されている。タイマカウンタキャプチャレジスタ30はまた、信号サイクルの開始を示す信号タイミングエッジ201(例えば、信号200の立ち上がりエッジ)を検出するために信号200を連続的に監視している。図示した実施形態では信号タイミングエッジ201として信号200の立ち上がりエッジを(またクロックタイミングエッジ302としてはタイマクロック信号300の立ち上がりエッジを)検出しているが、多種多様な信号タイミングエッジ(例えば、立ち下がりエッジ)の検出も本発明の趣旨及び精神の域内にあることは当業者であれば理解されよう。動作時において信号タイミングエッジ201の検出によって、タイマカウンタキャプチャレジスタ30内のタイマクロックの目下のタイマクロックサイクルカウント(CS)の取り込みが始動される。図3の例示的なタイミング図に示したように信号タイミングエッジ201は、タイマカウンタキャプチャレジスタ30内のタイマクロックサイクルカウント(CS)が100である時刻tSEにおいて検出される。しかし信号タイミングエッジ201に関するタイマクロックサイクルカウント(CS)が実際に取り込まれタイマカウンタキャプチャレジスタ30により出力可能となるのは、時刻tCE(信号タイミングエッジ201のすぐ後に来るタイマクロックサイクルの始まりを標識付けするタイマクロック信号300の次のクロックタイミングエッジ302の検出)に至ってからである。
【0020】
さらに時刻tCEにおいて次のクロックタイミングエッジ302上で、遅延線ラッチ20の取り込みがあり、またこれにより遅延線タップの出力により提供されるタップ付き遅延線10の状態(S)の出力が可能である。例えば図3の例示的なタイミング図では、時刻tCEの次のクロックタイミングエッジ302において、遅延線ラッチ20の状態は10000である(すなわち、第1の遅延11からの第1の遅延線タップ信号211がhigh(D1=1)であり、一方残りの4つの遅延線タップ信号の状態はlow(D2=D3=D4=D5=0)である)。図3に示すように、第1の遅延線タップ信号211は第1の遅延線タップ信号タイミングエッジ221(この例ではすなわち、立ち上がりエッジ)が次のクロックタイミングエッジ302の前に生じているためhigh(D1=1)である一方、残りの遅延線タップ信号はこれらの遅延線タップ信号タイミングエッジが次のクロックタイミングエッジ302の後に生じているためにlowである。遅延線ラッチ20の状態(S)を監視することによってタイマクロックサイクルカウント(CS)またはタイマクロックサイクルカウント(CS)と等価な時間(これらはいずれも、用語「対応する(correspond)」や「対応した(corresponding)」を本明細書で使用する意味においてタイマクロックサイクルカウント(CS)またはクロックサイクル「に対応する」)に対して部分補正時間値を適用し、これにより時刻tSEにおける信号タイミングエッジ201の検出と時刻tCEのタイマクロック信号300の次のクロックタイミングエッジ302におけるタイマクロックサイクルカウント(CS)の実際の取り込みとの間の遅延に対応することが可能となる(これについて立証する)。レシプロカルカウンタ1、2の分解能を改善するのはこれらの部分補正時間値である。
【0021】
再度図1を参照するとレシプロカルカウンタ1は、5段式タップ付き遅延線10(N=5)を有し、遅延線ラッチ20に関する少なくとも6つの可能な状態(S=N+1)を提供している。ここでも個々の遅延線タップ時間遅延がtD=20ns(分解能改善係数F=5を提供するようにタイマクロック周期(TC)の5分の1すなわちタイマクロックサイクルの0.20)である10MHzタイマクロック信号300を有する(すなわち、タイマクロック周期(TC)が100nsの)システムの例を用いると、遅延線ラッチ20の状態(S)と、時刻tSEにおける信号タイミングエッジ201の検出と時刻tCEのタイマクロック信号300の次のクロックタイミングエッジ302におけるタイマクロックサイクルカウント(CS)の実際の取り込みの間の遅延レンジと、の相関を下記の表1によって示している。
【0022】
【表1】

再度図3の例示的なタイミング図を参照すると、時刻tCEにおける遅延線ラッチ20の状態は10000である(すなわち、第1の遅延11からの第1の遅延線タップ信号211がhigh(D1=1)である一方、残りの4つの遅延線タップ信号の状態はlow(D2=D3=D4=D5=0)である)。表1のようにこの状態(S2)は、時刻tCEのタイマクロック信号300の次のクロックタイミングエッジ302におけるタイマクロックサイクルカウント(CS=100)の取り込み前に時刻tSEにおける信号タイミングエッジ201が1〜2のタップ遅延(tD)(すなわちこの例では、タイマクロックサイクルの0.20〜0.40または20〜40ns)を発生させたことを示している。タイマクロックサイクル100のこの初期時間値すなわち10ms(すなわち、CS=100のタイマクロックサイクルカウントでは、その等価時間はタイマクロック周期(TC=100ns)の100倍)のみに基づく信号タイミングエッジタイムスタンプではなく、この初期時間値を遅延レンジに基づいて部分補正時間値だけ調整すべきである。例えば有するタイマクロック周期(TC)が100nsの例において遅延レンジがタイマクロックサイクルの0.20〜0.40すなわち20〜40nsであれば、追加される部分補正時間値はタイマクロックサイクルの0.60〜0.80すなわち60〜80ns(すなわち、1.00タイマクロックサイクルから(タイマクロックサイクルの)遅延レンジを引いた値、またはタイマクロック周期(TC)から時間遅延レンジを引いた値)のレンジ内なる可能性がある。したがって、タイマカウンタキャプチャレジスタ30の出力(例えば、タイマクロックサイクル100または10ms)に対応する初期時間値と、遅延線ラッチ20の出力(すなわち、状態(S))(例えば、タイマクロックサイクルの0.80すなわち80ns)に基づいて提供される部分補正時間値とを合成し(例えば、加え合わせ)、信号タイミングエッジ201の実際の時間(例えば、100.80タイマクロックサイクルすなわち10.080ms)に関するより正確な信号タイミングエッジタイムスタンプ(TS)を提供することが可能である。
【0023】
別の実施形態では、時刻tCEのタイマクロック信号300の次のクロックタイミングエッジ302におけるタイマクロックサイクルカウント(CS)の実際の取り込みによって、次のタイマクロックサイクルカウント(CS)(すなわち、101)を取り込んだ後、遅延レンジを引き算することが可能である。部分補正時間値が異なる実施形態やこれらの部分補正時間値を適用する方法が異なる実施形態も本発明の趣旨及び精神の域内にあることは当業者であれば理解されよう。
【0024】
一実施形態ではこの部分補正時間値は、ある状態(S)を表1と同様の部分補正時間値と相関させるように設計された現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)によって生成することが可能である。タイムスタンプ(TS)を生成するためのタイマクロックサイクルカウント(CS)に対応する初期時間値の部分補正時間値との合成に関してはこれを例えば、単一の2進タイムスタンプ値を提供するための優先論理を用いたソフトウェアまたはハードウェアにより実施すること、特にタイマクロック周期(TC)を2進倍数(例えば、4、8、16、その他)で割り算するタップ付き遅延線10を用いたレシプロカルカウンタによって実施することが可能である。これらの部分補正時間値の生成や合成に使用するソフトウェア法やハードウェアが異なる実施形態も本発明の趣旨及び精神の域内にあることは当業者であれば理解されよう。
【0025】
信号タイミングエッジ201に関するタイムスタンプ(TS1)を決定し終えた後、本処理は後続の信号タイミングエッジに関するタイムスタンプ(TSX)の決定を反復することが可能である。タイムスタンプを付与する後続の信号タイミングエッジは例えば、次の(すなわち、第2の)信号タイミングエッジとすること、別のある既知の信号数またはタイマクロックサイクル数経過後に検出される信号タイミングエッジとすること、あるいは既知の時間量後に検出される信号タイミングエッジとすること、が可能である。さらに信号タイミングエッジのすべてに対して、信号200の周波数(f)による影響をより受けにくい計測比率を維持するように周期的なある比率で選択したタイムスタンプ値を用いてタイムスタンプを付与することが可能である。例えば次の(すなわち、第2の)信号タイミングエッジに関するタイムスタンプ(TS2)が決定される場合、2つのタイムスタンプ同士の差(TS2−TS1)によって単一の信号サイクル(M=1)にわたって計測したときの信号200の周期(TS)が提供され、これにより次いでこの周期の逆数をとること(f=1/TS)によって周波数(f)が提供される。別法として、平均周期または平均周波数を提供するために(単一の信号サイクルだけではなく)多くの信号サイクル数にわたる計測を希望する場合、本発明の一実施形態では、信号カウンタキャプチャレジスタを用いて信号サイクルカウント(MX)に対して当該信号サイクルに関するタイムスタンプ(TSX)を(例えば、信号タイミングエッジによってトリガして)提供しこれを関連付けすることが可能である。この実施形態では、信号200の周波数(f)はタイムスタンプの間の信号サイクル数(MX−M1)をタイムスタンプ同士の時間間隔(TX−T1)で割り算することによって決定することが可能である一方、信号200の周期(TS)はこの逆数(すなわち、タイムスタンプ同士の時間間隔(TX−T1)をタイムスタンプ間の信号サイクル数(MX−M1)で割り算した値)となる。
【0026】
再度表1を(より具体的には状態S6を)参照すると、第5の遅延線タップ15を設けることにより有効となったこの最終の状態は、レシプロカルカウンタ1の計測によるタイムスタンプ遅延が1タイマクロック周期(TC=100ns)より大きい場合にだけ発生しており、遅延線タップの公差や誤差のためにタップ付き遅延線10が提供する総遅延が1タイマクロック周期未満でなければ発生しないことに留意すべきである。したがって多くの用途について、図2に示すようにこの最終の遅延線タップ15(及び、状態S6)を省略することが可能である。換言すると、従来のレシプロカルカウンタの分解能を所望の分解能改善係数5(F=5)だけ改善するためには、(図1にあるような5つの遅延線タップではなく)図2にあるような有する遅延線タップは4つ(N=F−1)だけであるが依然として少なくとも5つの可能な状態(S)を提供しているタップ付き遅延線10もまた、各遅延に関する遅延線タップ時間遅延(tD)が(図1にあるような)タイマクロック周期(TC)を5で割った値に等しくして提供することが可能である。
【0027】
本発明を伴って使用される実施形態のタップ付き遅延線10がタイマクロック周期(TC)を所望の分解能改善係数で割り算した値(tD=TC/F)に等しい同一の遅延線タップ時間遅延(tD)を備えた遅延線タップを含むものと仮定すると、表1に示した遅延線ラッチ20に関する可能な異なる状態(S1〜S5)は統計的に有意な数のタイムスタンプにわたって等しい確率(すなわち、20%(または0.20))で発生するはずである。しかし、個々の遅延線タップに関する実際の時間遅延が理想の遅延線タップ時間遅延から変動すると、様々な状態に関する実際の発生は変化する可能性がある。状態の1つまたは幾つかの実際の発生のカウントをこれらの状態の発生に関する理想確率と比較することによれば、個々の遅延線タップにより導入される実際の遅延線タップ時間遅延に関する情報を提供することが可能であり、これを用いて部分補正時間値を修正することが可能である(これについて立証する)。これらの実際の遅延線タップ時間遅延に関する知見を調節可能なタップ付き遅延線と一緒に用いることによってさらに、あらゆる遅延線タップ時間遅延誤差を補正し理想確率を回復することが可能である。
【0028】
最終の状態(S5)が実際に生じる相対百分率を理想の等しい確率20%と比較して決定するために最終の状態(S5)の発生数を統計的に有意な数のタイムスタンプにわたる総信号サイクル数(M)と一緒に計数するような図2に開示した実施形態に関連する一例を考察することにする。図3の例示的なタイミング図及び表1から理解できるように、状態S5の発生は、遅延線ラッチ20の取り込み及びタップ付き遅延線10の状態(S)が出力可能な時刻tCEのクロックタイミングエッジ302前に、第1の遅延線タップ11から第4の遅延線タップ14までにより生じた累積の遅延線タップ時間遅延が第4の遅延線タップ信号214をhigh状態に至らせるかどうかによって決定される。累積の遅延線タップ時間遅延が短くなると、第4の遅延線タップ信号214が時刻tCEのクロックタイミングエッジ302前にhigh状態に至る(すなわち、第4の遅延線タップ信号タイミングエッジが次のクロックタイミングエッジ302前に生じる)確率がより高くなり、したがって状態S5の発生数が増加する。例えば、最終の状態(S5)の発生比率が28%である(すなわち、20%理想と比べて増大する)と分かった場合、第1の遅延線タップ11から第4の遅延線タップ14によって生じる累積の遅延線タップ時間遅延は理想より短く(すなわち、80nsより短く)、概ね10%(すなわち、最終段における40%の総誤差を4つの遅延線タップで割り算した値)の平均値を有する理想より時間遅延が短い(すなわち、20nsではなく18ns)各遅延線タップ111、112、113、114では累積の遅延線タップ時間遅延が72nsとなる。遅延線タップ内のこの近似誤差10%を知ることによって、表2に示すような部分補正時間値を適用するための理想レンジの修正が可能となる。
【0029】
【表2】

例えば実際の遅延線タップ時間遅延のこれらの推定値が与えられた場合に、状態S3に関する細分(factional)補正は、(40〜60nsの理想レンジではなく)既知の遅延レンジである36〜54nsに基づいて選択すべきである。
【0030】
状態(S1〜S5)のすべてに関する発生の相対百分率を理想の等しい確率20%と比較して決定するためにこれらの状態のすべての発生数を統計的に有意な数のタイムスタンプにわたって計数するような図2に開示した実施形態に関連する別の例を考察することにする。図3の例示的なタイミング図及び表1から理解できるように、これらの状態の各々の発生は、遅延線ラッチ20の取り込み及びタップ付き遅延線10の状態(S)が出力可能な時刻tCEのクロックタイミングエッジ302前に、先行する遅延線タップにより生じた累積の遅延線タップ時間遅延が遅延線タップ信号をhigh状態に至らせるかどうかによって決定される。累積の遅延線タップ時間遅延が短くなると、具体的なあるタップ信号がhigh状態に至る確率がより高くなり、したがって当該状態の発生数が増加する。第1の2つの状態(S1、S2)に関する実際の発生が(理想の20%ではなく)18%の時間生じており、第3及び第4の状態(S3、S4)が20%の時間(理想)生じており、かつ第5の状態が(理想の20%ではなく)24%の時間生じているような図2に開示した実施形態に関連する下記の表3の例を考察することにする。
【0031】
【表3】

第1の状態(S1)に関する実際の発生が理想からの10%低下を示す18%であった場合、第1の遅延線タップ11に関する実際の遅延線タップ時間遅延は理想の20nsではなく実際には18nsまで短縮されると推定することができる。同様に、第2の遅延線タップ12に関する実際の遅延線タップ時間遅延は理想の20nsではなく実際には18nsまで短縮されると推定することができる。これらの遅延線タップ時間遅延の各々は理想未満であるため、S1及びS2に関連するこれらの遅延段において信号タイミングエッジ201が生じる確率はより低い。他方、第1の4つの遅延線タップ111、112、113及び114によって導入される総遅延線タップ時間遅延は(理想の80nsではなく)76nsであるため、第4の遅延線タップ信号214が時刻tCEのクロックタイミングエッジ302前にhigh状態に至る確率はより高く、したがって状態S5の発生数が増加する。遅延線タップ内のこれらの近似誤差を知ることによって、理想の遅延線タップ時間遅延と見なされるタイマクロックサイクルカウント(CS)の初期値に対して部分補正時間値を適用するための理想レンジの修正が可能となる。例えば、これらの実際の遅延線タップ時間遅延の推定値が与えられると、(理想レンジの40〜60nsではなく)36〜56nsの既知の遅延レンジに基づいて状態S3に対する細分補正が選択されることになる。
【0032】
図4を参照するとさらに別の実施形態では、図1及び2で使用したような遅延線ラッチ20を用いずに、遅延線タップ信号211、212、213、214、215に対する複数の単独の遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ41、42、43、44、45を用いて、遅延線タップ信号211、212、213、214、215のそれぞれの遅延線タップ信号タイミングエッジ221、222、223、224、225において遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1、C2、C3、C4、C5)を取り込んでいる。単独式と連結式の両方のカウンタキャプチャレジスタを備えた実施形態も本発明の趣旨及び精神の域内にあることは当業者であれば理解されよう。図3の例示的なタイミング図に示したように、遅延線タップ信号211、212、213、214、225の遅延線タップ信号タイミングエッジ221、222、223、224、225が異なるタイマクロックサイクル(例えば、100及び101)にある場合に、取り込まれる遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1、C2、C3、C4、C5)は異なることになる。5つの遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1〜C5)は、最終の遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ45がそのタイマカウント(C5)を取り込み遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ41、42、43、44、45のすべてにより目下または直前のタイマクロックサイクル上の遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1〜C5)を取り込み終えたことが確認された後で検査される。例えばタイマクロックサイクルカウントが100(CS=100)のときに生じる信号タイミングエッジ201を有する信号200に関して、次の表4によってタップ付き遅延線10の起こり得る状態(S)と関連する遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1〜C5)とを5つの遅延線タイマクロックサイクルカウントの平均値に基づいたタイムスタンプ(TS)と一緒に表している。
【0033】
【表4】

表4に示したようにタイムスタンプ(TS)は遅延線タイマクロックサイクルカウントの平均値に基づいて補正されているため、部分補正時間値を適用する必要がない。したがって、図3の例示的なタイミング図がS2状態になる場合には、信号タイミングエッジ201に関するタイムスタンプは100.80のタイマクロックサイクルとなる。別の実施形態では、タイマクロックサイクルを単位としてタイムスタンプを提供するのではなく、タイムスタンプ及び遅延線タイマクロックサイクルカウント(C1〜C5)をタイマクロックサイクルと等価な時間を単位として提供している(例えば、504タイマクロックサイクルのタイマカウント総和は平均値10.080msにおいて50.4msの時間総和と等価である)。
【0034】
本発明の開示した実施形態では、簡易の無符号演算(unsigned arithmetic)を用いてロールオーバーやオーバーフローによらずにタイムスタンプ(TS)と信号サイクルカウント(M)の間の差を決定可能であるため、タイマカウンタキャプチャレジスタ30や信号カウンタキャプチャレジスタをいずれもリセットあるいはリセット停止する必要がない。しかしそのカウンタは、タイムスタンプ(TS)同士や信号サイクルカウント(M)同士の完全なラップアラウンドを回避するように十分に大きくしなければならない。
【0035】
例証したように、本発明の方法は、タイマクロック速度を増大させることなくシステムの電力消費、複雑性及びコストの上昇を回避しながら、従来のレシプロカルカウンタのタイマクロック信号300により提供可能な分解能と比べてより大きな分解能で信号200の周波数(f)または周期(TS)を決定するための信号タイミングエッジに関するタイムスタンプ(TS)を提供する。
【0036】
この記載では、本発明(最適の形態を含む)を開示するため、並びに当業者による本発明の製作及び使用を可能にするために例を使用している。本発明の特許性のある範囲は本特許請求の範囲によって規定していると共に、当業者により行われる別の例を含むことができる。こうした別の例は、本特許請求の範囲の文字表記と異ならない構造要素を有する場合や、本特許請求の範囲の文字表記と実質的に差がない等価的な構造要素を有する場合があるが、本特許請求の範囲の域内にあるように意図したものである。
【符号の説明】
【0037】
1 レシプロカルカウンタ
2 レシプロカルカウンタ
10 多段構成タップ付き遅延線
11 第1の遅延線タップ
12 第2の遅延線タップ
13 第3の遅延線タップ
14 第4の遅延線タップ
15 第5の遅延線タップ
20 遅延線ラッチ
30 タイマカウンタキャプチャレジスタ
41 遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ
42 遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ
43 遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ
44 遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ
45 遅延線タップタイマカウンタキャプチャレジスタ
200 信号
201 信号タイミングエッジ
211 遅延線タップ信号
212 遅延線タップ信号
213 遅延線タップ信号
214 遅延線タップ信号
215 遅延線タップ信号
221 遅延線タップ信号タイミングエッジ
222 遅延線タップ信号タイミングエッジ
223 遅延線タップ信号タイミングエッジ
224 遅延線タップ信号タイミングエッジ
225 遅延線タップ信号タイミングエッジ
300 タイマクロック信号
302 クロックタイミングエッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号の信号タイミングエッジに関するタイムスタンプを決定するための方法であって、
(a)あるタイマクロック周期を有するタイマクロック信号を提供するステップと、
(b)前記信号を直列となった複数の遅延線タップを備えたタップ付き遅延線内に入力するステップであって、前記複数の遅延線タップの各々は前記タイマクロック周期未満の遅延線タップ時間遅延だけ前記信号を遅延させている入力ステップと、
(c)前記複数の遅延線タップの出力の位置に複数の遅延線タップ信号を生成するステップであって、前記遅延線タップ信号の各々は直列となった先行する遅延線タップの前記遅延線タップ時間遅延の総和だけ前記信号を遅延させた信号である生成ステップと、
(d)前記信号タイミングエッジを検出するステップと、
(e)前記信号タイミングエッジ後の次のクロックタイミングエッジを検出するステップと、
(f)前記信号タイミングエッジの位置または前記次のクロックタイミングエッジの位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する初期時間値を決定するステップと、
(g)前記次のクロックタイミングエッジ前に生じる遅延線タップ信号タイミングエッジの数を決定することによって前記次のクロックタイミングエッジの位置の前記タップ付き遅延線の状態を決定するステップと、
(h)前記信号タイミングエッジと前記次のクロックエッジの間の遅延に対応するために前記タップ付き遅延線の前記状態に基づいて部分補正時間値を決定するステップであって、前記部分補正時間値は前記次のクロックタイミングエッジの前に生じる遅延線タップ信号タイミングエッジを有するように前記複数の遅延線信号の最終の信号が遭遇する前記遅延線タップ時間遅延の前記総和に基づいて前記タイマクロック周期の1つの分数値になっている決定ステップと、
(i)前記初期時間値を前記部分補正時間値だけ調整することによって前記信号タイミングエッジに関する前記タイムスタンプを決定するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
統計的に有意な数の前記タイムスタンプにわたる前記タップ付き遅延線の前記状態の実際の発生数を決定するステップと、
前記統計的に有意な数の前記タイムスタンプにわたる前記信号の状態またはサイクルの総数と対比して前記状態の実際の発生百分率を決定するステップと、
前記遅延線タップの理想遅延線タップ時間遅延に基づいて前記状態の理想の発生百分率を決定するステップと、
前記遅延線タップの少なくとも1つの実際の遅延線タップ時間遅延を決定するために前記状態の実際の発生百分率を前記状態の理想の発生百分率と比較するステップと、をさらに含むと共に、
前記部分補正時間値はさらに、前記遅延線タップの少なくとも1つの前記実際の遅延線タップ時間遅延に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タップ付き遅延線の前記状態は、前記複数の遅延線タップ信号のすべての信号を監視することによって決定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タップ付き遅延線の前記状態は、前記複数の遅延線タップ信号の全数未満の信号を監視することによって決定されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の遅延線タップの各々は前記信号を等しい遅延線タップ時間遅延だけ遅延させている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記等しい遅延線タップ時間遅延は、前記タイマクロック周期を前記遅延線タップの数で割り算した値に等しい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記等しい遅延線タップ時間遅延は、前記タイマクロック周期を前記遅延線タップ数未満の数で割り算した値に等しい、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記初期時間値は、前記信号タイミングエッジにおける前記タイマクロックサイクルカウントに前記タイマクロック周期を掛け算した値である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記初期時間値を前記部分補正時間値だけ調整する前記ステップは前記部分補正時間値と前記初期時間値を合成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記初期時間値を前記部分補正時間値だけ調整する前記ステップは前記部分補正時間値を前記初期時間値から引き算するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
信号の周波数または周期の決定に使用するために前記信号の信号タイミングエッジに関するタイムスタンプを決定するための方法であって、
(a)1タイマクロックサイクルにわたってあるタイマクロック周期を有するタイマクロック信号を提供するステップと、
(b)前記信号を直列となった複数の遅延線タップを備えたタップ付き遅延線内に入力するステップであって、前記複数の遅延線タップの各々は前記タイマクロック周期未満の遅延線タップ時間遅延だけ前記信号を遅延させている入力ステップと、
(c)前記複数の遅延線タップの出力の位置に複数の遅延線タップ信号を生成するステップであって、前記遅延線タップ信号の各々は直列となった先行する遅延線タップの前記遅延線タップ時間遅延の総和だけ前記信号を遅延させた信号である生成ステップと、
(d)前記信号タイミングエッジを検出するステップと、
(e)遅延線タップ信号タイミングエッジ位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する複数の遅延線タイマクロックサイクルカウントを決定するステップと、
(f)前記複数の遅延線タイマクロックサイクルカウントの平均値を決定することによって前記信号タイミングエッジに関する前記タイムスタンプを決定するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記複数の遅延線タップの各々は前記信号を等しい遅延線タップ時間遅延だけ遅延させている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記等しい遅延線タップ時間遅延は、前記タイマクロック周期を前記遅延線タップの数で割り算した値に等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記等しい遅延線タップ時間遅延は、前記タイマクロック周期を前記遅延線タップ数未満の数で割り算した値に等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の前記遅延線タイマクロックサイクルカウントは、前記遅延線タップ信号タイミングエッジにおける前記タイマクロックサイクルカウントに前記タイマクロック周期を掛け算した値である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
信号の周波数を決定するための方法であって、
(a)あるタイマクロック周期を有するタイマクロック信号を提供するステップと、
(b)前記信号を直列となった複数の遅延線タップを備えたタップ付き遅延線内に入力するステップであって、前記複数の遅延線タップの各々は前記タイマクロック周期未満の遅延線タップ時間遅延だけ前記信号を遅延させている入力ステップと、
(c)前記複数の遅延線タップの出力の位置に複数の遅延線タップ信号を生成するステップであって、前記遅延線タップ信号の各々は直列となった先行する遅延線タップの前記遅延線タップ時間遅延の総和だけ前記信号を遅延させた信号である生成ステップと、
(d)第1の信号タイミングエッジを検出するステップと、
(e)前記第1の信号タイミングエッジ後の次のクロックタイミングエッジを検出するステップと、
(f)前記第1の信号タイミングエッジの位置または前記次のクロックタイミングエッジの位置のタイマクロックサイクルカウントに対応する第1の初期時間値を決定するステップと、
(g)前記次のクロックタイミングエッジ前に生じる遅延線タップ信号タイミングエッジの数を決定することによって前記次のクロックタイミングエッジ位置の前記タップ付き遅延線の状態を決定するステップと、
(h)前記第1の信号タイミングエッジと前記次のクロックエッジの間の遅延に対応するために前記タップ付き遅延線の前記状態に基づいて第1の部分補正時間値を決定するステップであって、前記第1の部分補正時間値は前記次のクロックタイミングエッジの前に生じる遅延線タップ信号タイミングエッジを有するように前記複数の遅延線信号の最終の信号が遭遇する前記遅延線タップ時間遅延の前記総和に基づいて前記タイマクロック周期の1つの分数値になっている決定ステップと、
(i)前記初期時間値を前記部分補正時間値だけ調整することによって前記第1の信号タイミングエッジに関する第1のタイムスタンプを決定するステップと、
(j)第2の信号タイミングエッジに関する第2のタイムスタンプを決定するためにステップ(d)〜(i)を反復するステップと、
(k)前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプの間の時間間隔を決定するステップと、
(l)前記時間間隔中の信号サイクル数に関する信号サイクルカウントを決定するステップと、
(m)前記信号サイクルカウントを前記時間間隔で割り算することによって前記信号の周波数を決定するステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記複数の遅延線タップの各々は前記信号を等しい遅延線タップ時間遅延だけ遅延させている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の初期時間値は、前記第1の信号タイミングエッジにおける前記タイマクロックサイクルカウントに前記タイマクロック周期を掛け算した値である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の初期時間値を前記第1の部分補正時間値だけ調整する前記ステップは前記第1の部分補正時間値と前記第1の初期時間値を合成するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の初期時間値を前記第1の部分補正時間値だけ調整する前記ステップは前記第1の部分補正時間値を前記第1の初期時間値から引き算するステップを含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−511280(P2012−511280A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539543(P2011−539543)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/062925
【国際公開番号】WO2010/077426
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】