説明

信号を中継しなければならないか否かを判断するための方法および装置、ならびにコンピュータプログラム

【課題】無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断する。
【解決手段】信号は物理リソースブロックで転送され、中継器は所与の時間期間中に中継器によって転送される信号の個数から独立している送信電力で信号を中継する。各物理リソースブロックで転送される信号について中継を使用することの性能指数を計算するステップと、物理リソースブロックで転送される信号について中継を使用しないことの性能指数を計算するステップと、信号が中継される物理リソースブロックの個数に依存する中継器の中継器電力訂正値を計算するステップと、計算された性能指数及び中継器電力訂正値に従って、物理リソースブロックで転送される信号が中継されるか否かを判定するステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
将来の無線通信ネットワークは、現在の無線セルラー通信ネットワークによって使用される周波数帯域よりも高い周波数帯域を使用することになる。
【0003】
特に都市環境における無線セルラー通信ネットワークのような新しい無線セルラー通信ネットワークは、デッドゾーンを有する。デッドゾーンでは、基地局と端末との間で転送される信号は大きく減衰される。
【0004】
セルの辺縁に位置する端末は、不良なリンク性能を経験する場合があり、不十分なデータレートを示す場合がある。最近10年では、端末のデータレートを向上させるための三者間(又は四者間以上)協調プロトコルを研究することが提案されてきた。例えば、カバレッジが不十分なエリアにおける中継器の配備が提案されてきた。
【0005】
中継器の配備が正しく制御されない場合、無線セルラー通信ネットワークにおける中継器の配備は、全体的なシステム性能を高めるどころかかえって全体的なシステム性能を低下させるおそれがある。
【0006】
協調技法の選択を誤ると、システム性能が低下するおそれがある。実際に、現代のマルチセルラーシステムは、セル間での干渉に悩まされている。カバレッジが不十分なエリアは、基本的にはセルの周縁に位置する(すなわち隣接セルの近くに位置する)ので、そのゾーンの中継器からの高レベルの送信によって、そのセルの辺縁での性能を大幅に改善することはできるが、隣接セルのセル辺縁での性能を低下させる犠牲を払うことになる。すべてのセルが中継技術を提供する場合、利得がまったく観測されない可能性がある。
【0007】
さらに、中継器の全送信電力が一定に保たれる場合、無線通信ネットワークの各物理リソースブロック(physical resource block)に配分される電力は、中継器が信号を中継する物理リソースブロックの個数に依存する。そのパラメータ効果が考慮されていない場合、その関連付けは、全体的なシステム性能に利益を与えないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】英国特許出願公開第2398462号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】LEBOUDEC J-Y; RADUNOVIC B, "Optimal Power Control, Scheduling, and Routing in UWB Networks", IEEE JOURNAL ON SELECTED AREAS IN COMMUNICATIONS, IEEE SERVICE CENTER, PISCATAWAY, US, vol. 22, no. 7, 2004年9月1日, pp. 1252-1270, XP011117876, ISSN: 0733-8716
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、中継器の全送信電力を一定に保ちつつ全体的なシステム性能が改善されるときにのみ信号が中継されるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断するための方法に関するものであり、上記端末及び上記中継器は、上記基地局のエリア内に位置し、上記信号は、上記無線通信ネットワークの物理リソースブロックで転送され、上記中継器は信号を中継し、上記中継器によって転送される上記信号の全体的な送信電力は、所与の時間期間中に上記中継器によって転送される信号の個数から独立している
方法において、
該方法は、信号が上記基地局又は上記端末によって転送される上記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて実行されるステップであって、
‐上記物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用することの性能指数を計算するステップと、
‐上記物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用しないことの性能指数を計算するステップと、
‐信号が転送され上記中継器によって中継される物理リソースブロックの個数に依存する上記中継器の電力調整値を計算するステップと、
‐上記計算された性能指数及び上記電力調整値に従って、上記物理リソースブロックで転送される上記信号が上記中継器によって中継されるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明はまた、無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断するためのデバイスに関するものであり、上記端末及び上記中継器は、上記基地局のエリア内に位置し、上記信号は、上記無線通信ネットワークの物理リソースブロックで転送され、上記中継器によって転送される上記信号の全体的な送信電力は、所与の時間期間中に上記中継器によって転送される信号の個数から独立している
デバイスにおいて、
無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継しなければならないか否かを判断するための該デバイスは、
‐信号が上記基地局又は上記端末によって転送される上記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、該物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用することの性能指数を計算するための手段と、
‐信号が転送される上記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、該物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用しないことの性能指数を計算するための手段と、
‐信号が上記基地局又は上記端末によって転送される上記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、信号が転送され上記中継器によって中継される物理リソースブロックの個数に依存する上記中継器の電力調整値を計算するための手段と、
‐上記計算された性能指数及び上記電力調整値に従い、信号が上記基地局又は上記端末によって転送される上記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、該物理リソースブロックで転送される上記信号が中継されるか否かを判定するための手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
したがって、中継器の全送信電力が一定に保たれるときであっても、全体的なシステム性能が改善されるときにのみ、信号は中継される。
【0014】
物理リソースブロックに基づく判定を行うことによって、リソース配分プロファイルが何であろうと、この判定は、正確になり、単純な形式で実施することができる。
【0015】
さらに、中継器が各物理リソースブロックで信号を多く中継するほど、その中継器によって転送される各信号の送信電力はより少なく減少する。或る物理リソースで転送される信号を中継しなければならないと判定されたとき、これは、その中継器によって中継される他の信号に影響を与える。本発明はその状況を考える。
【0016】
特定の特徴によると、上記方法は、上記基地局によって転送される信号に対して適用される基地局電力調整値を計算するステップをさらに含み、上記基地局電力調整値は、中継が実行される物理リソースブロックの平均個数に依存し、上記物理リソースブロックで転送される上記信号が中継されるか否かの上記判定は、さらに上記基地局電力調整値に従って実行される。
【0017】
したがって、中継器が信号を中継する物理リソースブロックで、基地局が中継器と同時に信号を送信しない場合、基地局は、その物理リソースブロックで信号を転送するために基地局が通常使用すべき電力を、他の信号用に共用することができる。
【0018】
全体的なシステム性能が改善される。
【0019】
特定の特徴によると、上記中継器電力訂正値及び上記基地局電力調整値は、信号がNT個のタイムスロットの期間中に上記中継器によって中継される物理リソースブロックの平均個数Njと、一タイムスロットの期間中に並列送信に利用可能な物理リソースブロックの個数NAと、信号が中継されるか否かの判定が行われる2つの時刻の間を埋めるタイムスロットの平均個数NTとに依存する。
【0020】
特定の特徴によると、複数の中継器が上記基地局の上記エリア内に含まれ、上記方法は、各物理リソースブロックについて実行されるステップであって、どの中継器が、該物理リソースブロックで転送される信号を中継するための最良の候補であるのかを判断するステップをさらに含む。
【0021】
したがって、物理リソースブロックで転送される信号を中継するための最良の候補を求め、さらに、計算された性能指数及び電力調整値に従って、物理リソースブロックで転送される信号が中継されるか否かを判定することにより、全体的なシステム性能が改善される。
【0022】
特定の特徴によると、上記物理リソースブロックで転送される上記信号が中継されるか否かの上記判定は、上記物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用することの上記性能指数と、上記物理リソースブロックで転送される上記信号を中継を使用しないことの上記性能指数との間で除算を実行することによって行われる。
【0023】
したがって、基地局のカバレッジが不十分なエリアに位置する端末のリンク状態が改善される。
【0024】
特定の特徴によると、上記物理リソースブロックで転送される上記信号が中継されるか否かの上記判定は、上記物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用することの上記性能指数が、上記物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用しないことの上記性能指数よりも大きいか否かをチェックすることによって行われる。
【0025】
したがって、性能指数がスペクトル効率に関するものである場合、容量の累積利得又は物理リソースブロック当たりの平均スペクトル効率が改善される。
【0026】
より正確には、物理リソースブロックで転送される信号について中継を使用することの性能指数が、物理リソースブロックで転送される信号について中継を使用しないことの性能指数よりも大きい場合、この比較は1を返す。すなわち、物理リソースブロックで転送される信号は中継される。そうでない場合、この比較は0を返す。すなわち、物理リソースブロックで転送される信号は中継されない。
【0027】
所与の中継器を使用する物理リソースブロックの個数は最大になる。
【0028】
特定の特徴によると、上記メトリックを計算する前に、上記方法は、
‐各リソースブロックについて、上記基地局と上記端末との間のリンク品質を表しかつ上記中継器を介した上記基地局と上記端末との間のリンク品質を表す値を求めるステップと、
‐上記リソースブロックについて上記求められた値に従い上記リソースブロックをソートするステップと、
をさらに含む。
【0029】
したがって、中継の利益が最も重要であるPRBが最初に処理される。あるPRBが中継を使用するか否かの判定の組み合わせをすべて検査するのではなく、各PRBを順次検査することができる。複雑度が低減される。
【0030】
特定の特徴によると、上記基地局と上記端末との間のリンク品質を表しかつ上記中継器を介した上記基地局と上記端末との間のリンク品質を表す上記値は、上記中継器電力訂正値及び上記基地局電力調整値に依存しない。
【0031】
したがってソートは1回だけ実行されれば良い。
【0032】
特定の特徴によると、上記方法は、各物理リソースブロックについて実行されるステップであって、複数の物理リソースブロックで転送される上記信号について中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存する全体性能指数を計算するステップを含む。
【0033】
特定の特徴によると、上記物理リソースブロックは、所与のメトリックに従って降順にソートされ、上記全体性能指数は、判定が行われる上記物理リソースブロック及び、中継が適用されると判定された上記物理リソースブロックよりも下位の順序を有する物理リソースブロックで転送される信号について中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存する。
【0034】
特定の特徴によると、上記全体性能指数は、各物理リソースブロックで転送される信号の中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存する。
【0035】
したがって、所与のPRBについて中継を使用することが全体的なシステムに利益になる場合にのみ、中継を使用すると判定され、全体的なシステム性能が増大される。
【0036】
特定の特徴によると、上記無線通信ネットワークは、無線セルラー通信ネットワークである。
【0037】
さらに別の態様によると、本発明は、プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムに関するものであり、該コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、本発明による上記方法の上記ステップを実施するための命令又はコード部を含む。
【0038】
コンピュータプログラムに関する特徴的機能及び利点は、本発明による方法及びデバイスに関連して上述したものと同じであるので、ここでは繰り返さないことにする。
【0039】
本発明の特徴は、一例の実施の形態の以下の説明を読むことによってより明らかになる。上記の説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークのアーキテクチャを表す図である。
【図2】本発明が実施される中継器のアーキテクチャを表す図である。
【図3】本発明が実施される基地局のアーキテクチャを表す図である。
【図4】本発明による中継器が信号を中継しなければならないか否かを判断するためのアルゴリズムの第1の例を開示する図である。
【図5】本発明による中継器が信号を中継しなければならないか否かを判断するためのアルゴリズムの第2の例を開示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、本発明が実施される無線通信ネットワークのアーキテクチャを表す。
【0042】
より正確には、本発明は、無線通信ネットワークが無線セルラー通信ネットワークである一例で開示される。
【0043】
図1の無線セルラー通信ネットワークでは、基地局BSは、当該基地局BSによってハンドリングされる少なくとも1つの端末TEへ信号を転送する。
【0044】
基地局BSは、アクセスノード又はノードB又は拡張ノードB(enhanced node B)という名称も有する。
【0045】
端末TEi(ただしi=1〜NUT)が、基地局BSによって管理されるセル内に位置するとき、及び端末TEiが図1に図示しないリモートデバイスとの通信を基地局BSを通じて確立することを可能にするのに必要な情報を基地局BSが有するとき、基地局BSは、端末TEiをハンドリングする。NUTは、基地局BSによってハンドリングされる端末の個数である。
【0046】
基地局BSによって管理されるセルは、基地局BSと端末TEiとが通信できるエリアである。
【0047】
基地局BSは、下りリンクチャネルを通じて端末TEiへ信号を転送し、上りリンクチャネルを通じて端末TEiにより転送された信号を受信する。
【0048】
図1には、j=1〜NRNを有する複数の中継器RLjが示されている。NRNは、基地局BSのセル内に位置する中継器の個数である。より正確には、2つの中継器RL1及びRL2が示されている。これらの中継器RL1及びRL2は、基地局BSと少なくとも1つの端末TEiとの間で転送される信号を中継することができる。
【0049】
中継器RLjが、端末TEiの下りリンク信号を中継するとき、中継器RLjは、基地局BSによって物理リソースブロック(physical resource block)(PRB)で端末TEiへ転送される信号を監視する。中継器RLjは、別のタイムスロットのPRBでその信号を端末TEiへ再送する。
【0050】
PRBは、スケジューラによって割り当てられるリソース配分の最小の要素である。
【0051】
一般に、PRBの配分は、基地局BSにおいてスケジューリング機能によりハンドリングされる。
【0052】
例えば、OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)では、隣り合った副搬送波が、スロット単位で一緒にグルーピングされて、PRBを形成する。したがってPRBは時間次元及び周波数次元の双方を有する。
【0053】
中継器RLjが、端末TEiの上りリンク信号を中継するとき、中継器RLjは、端末TEiによってPRBで基地局BSへ転送される信号を監視する。中継器RLjは、別のタイムスロットのPRBでその信号を基地局BSへ再送する。
【0054】
このPRBは、当初の信号が基地局及び/又は端末TEiによって送信されるPRBと同じものとすることもできるし、異なるものとすることもできる。
【0055】
ここで、本発明のいくつかの実施形態では、1つのタイムスロット内において、中継器RLjは、基地局BSのセルに含まれる別の中継器RLと同じPRBでは信号を送信しないことに留意しなければならない。
【0056】
基地局BSは、図1に図示しないコアネットワークデバイスに各基地局BSをリンクする通信ネットワークTNに接続される。
【0057】
コアネットワークデバイスは、無線セルラー通信ネットワークの動作をハンドリングする。
【0058】
基地局BSは、当該基地局BSによって管理されるセル内に位置する、j=1〜NRNを有する各中継器RLjに通信ネットワークTNを通じてリンクすることができる。
【0059】
中継器RL1は、有線リンクL1を通じて基地局BSにリンクすることができる。このリンクL1を通じて、中継器RL1及び基地局BSはメッセージを交換することができる。一変形では、中継器RL1及び基地局BSは、無線リンクLBSRLを通じてメッセージを交換することができる。
【0060】
中継器RL1及び/又は基地局BSは、無線リンクLBSRL上のリンク状態を測定する。
【0061】
このリンク状態とは、例えば、リンクLBSRL上のパス利得であってもよく、且つ/又は、リンクLBSRL上で中継器RL1及び/若しくは基地局BSによって測定された信号対干渉プラス雑音比(SINR)であってもよい。
【0062】
中継器RL2は、有線リンクL2を通じて基地局BSにリンクすることができる。このリンクL2を通じて、中継器RL2及び基地局BSはメッセージを交換する。一変形では、中継器RL2及び基地局BSは、図1に示されていない無線リンクを通じてメッセージを交換することができる。
【0063】
中継器RL2及び/又は基地局BSは、中継器RL2と基地局BS上との間の無線リンク上のリンク状態を測定する。
【0064】
このリンク状態とは、例えば、その無線リンク上のパス利得であってもよく、且つ/又は、その無線リンク上で中継器RL2及び/若しくは基地局BSによって測定されたSINRであってもよい。
【0065】
図1には、明瞭にするために、1つの基地局BS、2つの中継器RL1及びRL2、並びに2つの端末TEしか示されていないが、実際には、無線セルラー通信ネットワークは、多数の基地局BS、中継器RL、及び端末TEを含む。
【0066】
端末TE1及びTE2は、例えば、移動電話、携帯情報端末、パーソナルコンピュータである。
【0067】
端末TE1は、無線リンクLBSTE1を通じて基地局BSにリンクされ、無線リンクLRLTE1を通じて中継器RL1にリンクされ、図1に図示しない無線リンクを通じて中継器RL2にリンクされる。
【0068】
端末TE1及び/又は基地局BSは、無線リンクLBSTE1上のリンク状態を測定する。端末TE1及び/又は中継器RL1は、無線リンクLRLTE1上のリンク状態を測定する。
【0069】
端末TE1及び/又は中継器RL2は、端末TE1と中継器RL2との間の、図1に図示しない無線リンク上のリンク状態を測定する。
【0070】
これらのリンク状態とは、無線リンク上のパス利得であってもよく、且つ/又は、リンクLBSTE1及び/若しくはLRLTE1上で中継器RL1及び/若しくはRL2並びに/若しくは端末TE1によって測定されたSINRであってもよい。
【0071】
端末TE2は、無線リンクLBSTE2を通じて基地局BSにリンクされ、端末TE2は、無線リンクLRLTE2を通じて中継器RL1にリンクされ、図1に図示しない無線リンクを通じて中継器RL2にリンクされる。
【0072】
端末TE2及び/又は基地局BSは、無線リンクLBSTE2上のリンク状態を測定する。端末TE2及び/又は中継器RL1は、無線リンクLRLTE2上のリンク状態を測定する。端末TE2及び/又は中継器RL2は、端末TE2と中継器RL2との間の、図1に図示しない無線リンク上のリンク状態を測定する。
【0073】
これらのリンク状態は、無線リンク上のパス利得であってもよく、且つ/又はリンクLBSTE2及び/若しくはLRLTE2上で中継器RL1及び/若しくはRL2並びに/若しくは端末TE2によって測定されたSINRであってもよい。
【0074】
i=1〜2である任意の端末TEiにおいて経験される干渉は、端末TEiが現在それを通じて通信している基地局及び/又は中継器以外の他の基地局及び/又は他の中継器RLjによって生み出される場合があり、したがって、隣隣セル上の中継器の使用の割合に応じて変化する。
【0075】
本発明によれば、各中継器RLjはある全電力バジェット(total power budget)PRNを有し、これは、検討中の中継器RLjによる中継から利益を得る各端末によって共有される。
【0076】
それゆえ、中継器RLjの利益を得るPRBの個数が多いほど、各PRBで転送される信号の送信電力は少なくなる。
【0077】
下りリンク信号について、各中継器RLは、識別されたPRBで基地局BSにより送信される信号のみを監視することができる。
【0078】
これらの識別されたPRBのそれぞれについて、中継器RLjは、監視された信号又は監視された信号から導出された別バージョン信号を、別のタイムスロットのPRBで再送する。この別バージョン信号は、別の手段によって中継器RLに提供することができ、例えば、基地局BSと中継器RLとの間の専用チャネルによって提供することができる。
【0079】
PRBは、基地局BSによって送信された当初の信号と同じものとすることもできるし、より良い配分に再スケジューリングすることもできる。いくつかの特定の実施の形態では、中継器RLは、同一のタイムスロットにおいて、自身と同じ基地局BSのセル内に位置する別の中継器RLと同じPRBで送信を行うことは決してしない。
【0080】
上りリンク信号について、各中継器RLjは、識別されたPRBで端末TEにより送信される信号のみを監視する。
【0081】
これらの識別されたPRBのそれぞれについて、中継器RLjは、監視された信号又は監視された信号から導出された別バージョン信号を、別のタイムスロットのPRBで再送する。PRBは、端末TEによって送信された当初の信号と同じものとすることもできるし、より良い配分に再スケジューリングすることもできる。これらの信号は、別の手段によって基地局BSへ送信することもでき、例えば、中継器RLと基地局BSとの間の専用チャネルによって送信することもできる。
【0082】
下りリンク信号について、電力制御は、基地局BS及び中継器RLjにおいて実行することができる。例えば、PRB上での均一な電力増大(uniform power boosting)は、中継器RLにおいて実行することができる。
【0083】
PRB/中継器の関連付けを行うことができる。或る中継器RLjが、或るPRBにおいて転送された信号の受信を改善するのに使用できる可能性がある場合、そのPRBはその中継器RLjに関連付けられる。
【0084】
いくつかのプロトコル(例えば直交プロトコル)を、信号の中継に使用することができる。直交プロトコルは、直交増幅転送プロトコル(orthogonal amplify-and-forward protocol)とすることもできるし、直交検出転送プロトコル(orthogonal detect-and-forward protocol)とすることもできるし、直交復号転送プロトコル(orthogonal decode and forward protocol)とすることもできる。
【0085】
直交増幅転送プロトコルでは、例えば下りリンク信号について、基地局BSは、第1のタイムスロットにおいて信号を端末TEiへ送信し、中継器RLjは同様にその信号を受信し、電力訂正(power correction)を適用し、第2のタイムスロットの期間中に、基地局BSがどの信号も送信しないPRBでその信号を端末TEiへ送信する。
【0086】
直交検出転送プロトコルでは、例えば下りリンク信号について、基地局BSは、第1のタイムスロットにおいて信号を端末TEiへ送信し、中継器RLjは、例えばデータに組み込まれた巡回冗長検査符号を使用することによってその信号を検出し、正しい検出が実行された場合にのみ、第2のタイムスロットの期間中にその信号を端末TEiへ送信する。
【0087】
直交復号転送プロトコルでは、例えば下りリンク信号について、基地局BSは、第1のタイムスロットにおいて信号を端末TEiへ送信し、中継器RLjは、その信号をデータに復号し、別の符号化方式を使用してそのデータを再符号化し、第2のタイムスロットの期間中にその再符号化されたデータを端末TEiへ送信する。
【0088】
中継用のすべての直交プロトコルは、直交処理転送(Orthogonal Process and Forward)(OPF)プロトコルという表現のもとでグルーピングされる。
【0089】
すでに述べたように、各中継器RLjは、信号を中継するのに使用されるPRB間で共有される、ある全電力バジェットPRNを有する。簡単にするために、基地局BSのセル内に位置するj番目の中継器RLjの負荷は、Nj/(NAT)に等しいものと仮定する。ここで、Njは、j番目の中継器RLjがNT個のタイムスロットの期間中に信号を中継するPRBの平均個数であり、NAは、1つのタイムスロットの期間中にその帯域幅による並列送信に利用可能なPRBの個数であり、NTは、2つのスケジューリングイベント(すなわち図4又は図5に開示するアルゴリズムが実行される2つの時刻)の間を埋めるタイムスロットの平均個数である。
【0090】
これは、平均して、各タイムスロットにおいて、Nj/NT個のPRBしかj番目の中継器RLjにおいて使用されないことを意味する。例えば、直交周波数分割多重(OFDM)を使用するシステムでは、各OFDMシンボルにおいて、Nj/(NAT)のみが、信号を転送するのに有効に使用される。
【0091】
或るタイムスロットの期間中に中継器RLjによって使用されるPRBの個数は、可能な限りNj/NTに等しいままとされる。
【0092】
端末TEiにおいて経験される干渉は、基地局及び/又は中継器によって生み出される場合があり、したがって、隣接セル上での中継器の使用の割合に応じて変化する。
【0093】
各端末TEiは、最良の基地局BSを選択するために、周囲の基地局BSによって転送された信号を監視する。
【0094】
基地局BSが選択されると、各端末TEiは、選択された基地局BSのセル内に位置する周囲の中継器RLと共に、その端末TEiに配分された各PRBのパス利得を測定する。
【0095】
したがって、端末TEiに配分された各PRBと最良のパス利得を提供する中継器RLjとの間の関連付けが行われる。
【0096】
本発明によれば、端末TEiと基地局BSとの間の通信を中継する判定は、PRBに基づいて行われる。
【0097】
したがって、所与の端末TEiは、中継器RLjにより送信されるPRBで転送された信号データの部分と、中継器RLなしでPRBで転送された信号データの別の部分又は別の中継器RLのPRBで転送された信号データの別の部分とを有する場合がある。これによって、各UTの可変のリソース配分を考慮することなく、PRBごとに中継プロトコルの選択を考慮することが可能になる。
【0098】
本発明によれば、PRBで転送される信号を中継しなければならないか否かを判定するには、一般性能指数(general figure of merit)Gを最適化しなければならない。
【0099】
Gは、総和
【0100】
【数1】

【0101】
に分解することができる。ここで、Akは、k番目のPRBで転送された信号についてのリンクLBSTEの品質に関するものであり、Bkは、k番目のPRBで転送された信号についてのリンクの組み合わせLBSRL及びLRLTEの品質に関するものである。例えば、Akは、リンクLBSTE上で経験される減衰であり、Bkは、リンクLRLTE上で経験される減衰である。
【0102】
関数fN()は、中継を伴わない送信の性能指数であり、関数fP()は、プロトコル(P)による中継を使用した送信の性能指数である。
【0103】
P()がfN()よりも大きい場合にのみ、所与のPRBに中継が使用されると決定される。
【0104】
j番目の中継器RLjにおいて適用される中継器電力訂正値λiは、中継器RLjが信号を中継するすべてのPRBについて一定である。
【0105】
例えば、λj=NAT/Njである。通例、λjは、NAに制限される。以下では、一般性を失うことなく、Njは、λjをNA未満に保つように十分大きいものと考えることにする。
【0106】
中継器RLjの全電力バジェットPRNはPRB間で共有されるので、j番目の中継器における中継器電力訂正値λjは、Nj(中継器RLjが信号を中継するPRBの個数)の減少関数である。
【0107】
変数αは、基地局BSにおいて適用することができる基地局電力調整値である。変数αは、中継が実行されるPRBの平均個数に依存し得る。
【0108】
基地局電力調整値αは、中継器がアクティブとなるPRBの総数の増加関数である。
【0109】
したがって、単一のPRBについて、そのPRBが、中継することから利益を得ることができるか否かを知ることは容易であるが、このPRBが中継を使用するか否かの判定が全体的なシステムに与える影響を評価する問題は自明ではなく、本発明によって解決される。
【0110】
最適化される一般性能指数Gは、異なるメトリックに従って定義することができる。PRBの一部が中継を使用すると考えられることを考慮し、この選択に対応する一般メトリックGを計算することにする。
【0111】
メトリックの第1の例は、中継器RLが信号を中継するPRBの個数である。
【0112】
選択されたPRBが中継の使用による利益を示す状況下では、この個数を最大にすることによって中継器RLの使用が最大化され、セル辺縁のスループットを改善する。その場合、
【0113】
k番目のPRBが中継を使用する場合、g(αAk,λjk)=1
そうでない場合、g(αAk,λjk)=0
【0114】
となる。
【0115】
メトリックの第2の例は、PRBの一部のデータレートを改善するPRB当たりの平均スペクトル効率又は容量の累積利得である。
【0116】
その場合、g()は、
【0117】
k番目のPRBが中継を使用する場合、g(αAk,λjk)=fp(αAk,λjk
そうでない場合、g(αAk,λjk)=fN(αAk
【0118】
として選ぶことができる。
【0119】
メトリックの第3の例は、カバレッジが不十分な端末TEの利益となるような経験則によるメトリックである。
【0120】
その場合、g()は、
【0121】
k番目のPRBが中継を使用する場合、g(αAk,λjk)=fp(αAk,λjk)/fN(αAk
そうでない場合、g(αAk,λjk)=1
【0122】
として選ぶことができる。
【0123】
すべてのPRBについての、中継を使用するか否かの判定の組み合わせをすべて検査することは実用的ではない。以下では、一般性能指数の最適化につながる実用的な実施態様を設計する方法を説明することにする。一般的見地から、関数g(x,y)は単調である。すなわち、
【0124】
【数2】

【0125】
である。
【0126】
このことは、中継器RLjの中継器電力訂正値λjを変更し、同じ中継器RLjに関連付けられたインデックスk1及びk2(ここでR(k1)=R(k2)である)の2つのPRBを選ぶことによって、
【0127】
【数3】

【0128】
が得られることを意味する。
【0129】
換言すれば、PRBが、g(Ak,Bk)の値の昇順または降順にソートされる場合、中継器RLjにおいて適用される中継器電力訂正値及び基地局BSにおいて適用される基地局電力調整値が何であろうと、リストの順序は不変である。
【0130】
本発明は、この特性を、α及びλjが単調であるという特性と組み合わせることで利益を得る。
【0131】
値の昇順または降順にPRBをソートすることにより、中継するか否かの潜在的な判定をすべて検査するという事態は回避され、その結果、複雑度は低くなる。中継することによってより多くの利益を得るPRBについて、中継を使用しなければならないか否かを判定することにより、システムの全体的な利得が最大になる。
【0132】
以下では、PRBは、ソートされた後、順に取り扱われる。したがって、或るPRBについて中継するか否かに関する判定を処理するとき、それ以前のPRBの中継ステータスはすでに定まっており、それ以降のPRBはまだ非中継ステータスにある。次に、検討中のPRBは、中継を使用するものと仮定され、一般性能指数Gに対するこの判定の影響が評価される。この影響が肯定的なものである場合には検討中のPRBに中継が使用され、そうでない場合には中継は使用されず、このPRB中継ステータスが記憶される。
【0133】
本発明の特定の実現モードによれば、スループットが、中継が利益になるか否かを選択することを可能にする判定基準となる。中継器RLが端末TEについて所与のPRBの下りリンク信号を中継しているときのそれら端末TEについて、等価SINRは、中継器RLを通じた基地局BSと端末TEとの間のリンク上で経験される干渉プラス雑音成分を信号に加えた組み合わせである。
【0134】
直交増幅転送プロトコル、又は信号を変更することなくその信号の単純な再送を含む任意のプロトコルについて、k番目のPRB上のスループットは、
【0135】
C(αAk+λjk)/2
【0136】
と表される。ここで、Ak=SINRBSTEkは、基地局BSから端末TEiへの送信に使用されるk番目のPRB上で観測されたSINRである。Bk=SINRBSRLTEkは、中継器RLjを介した基地局BSから端末TEiへの送信に使用されるk番目のPRB上で観測されたSINRであって、中継器RLjにおける基準送信電力を考慮したものである。
【0137】
変数λjは、中継器RLjにおける中継器電力訂正値である。
【0138】
C(αAk+λi=R(k)k)/2>C(αAk)になるとすぐに、k番目のPRBで転送される信号に中継器RLjを使用することは価値があり、このとき、k番目のPRBが中継を使用することがシステム全体にとって利益になるか否かは、本発明による一般性能指数Gの計算によって判定される。
【0139】
例えば、C()がAWGNチャネルのシャノン容量として選ばれる場合、C(αAk)=log2(1+αAk)となる。
【0140】
したがって、このようなプロトコルについて、このアルゴリズムと共に適用される関数のセットであって、必要とされるg(αAk+λj=R(k)k)の特性を満たす関数のセット
【0141】
【数4】

【0142】
を選ぶことができる。基地局電力調整が基地局BSに適用されないとき、α=1である。
【0143】
直交処理転送プロトコルがj番目の中継器RLjにおいて使用される場合、基地局BSにおける送信が、中継プロトコルの1つおきのタイムスロットで行われると仮定すると、
【0144】
【数5】

【0145】
個のPRBで送信するのに必要とされるエネルギーの利得が、基地局BSにおいて経験される。
【0146】
したがって、基地局BSにおいて適用することができる基地局電力調整値αは、
【0147】
【数6】

【0148】
の増加関数であり、これは、タイムスロット当たりの、中継に使用されるPRBの総数
【0149】
【数7】

【0150】
を表す。
【0151】
実際には、直交プロトコルが使用されるとき、スペクトル効率の損失は、基地局BS及び中継器RLが同時に同じリソースで同じ端末TEへ送信を行うことができないことに起因する。
【0152】
したがって、基地局BSは、所与の端末TEiへの送信のために中継器RLjが使用するPRBに対応するPRBでは、その端末TEiへ信号を送信することができない。ここで、基地局BSは、別の端末TEへの送信のために中継器RLが使用するPRBに対応するPRBでは端末TEiへ信号を転送できることに留意しなければならない。
【0153】
その別の端末TEは、当該別の端末TEにおいて、上記所与の端末TEiへ転送される信号又は上記所与の端末TEiによって転送される信号により生成される干渉が低くなるように選ばれるだけでなく、上記所与の端末TEiにおいて、当該別の端末TEへ転送される信号又は当該別の端末TEによって転送される信号により生成される干渉も低くなるように選ばれる。
【0154】
図2は、本発明が実施される中継器のアーキテクチャを表す図である。
【0155】
中継器RLjは、例えば、バス201によって互いに接続されたコンポーネントと、図4又は図5に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有する。
【0156】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、ネットワークインターフェース206、及び無線インターフェース205にリンクする。
【0157】
メモリ203は、変数を収容するように意図されたレジスタと、図4又は図5に開示するようなプログラムの命令とを含む。
【0158】
プロセッサ200は、無線インターフェース205の動作を制御する。
【0159】
読み出し専用メモリ202は、図4又は図5に開示するようなプログラムの命令を含む。これらの命令は、中継器RLjに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203へ転送される。
【0160】
ネットワークインターフェース206は、例えば、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタル網)インターフェース等である。このようなインターフェースを通じて、中継器RLjは、メッセージを基地局BSへ転送することができる。
【0161】
無線インターフェース205は、中継器RLjが、基地局BS及び少なくとも1つの端末TEiへ信号若しくはメッセージを転送すること、且つ/又は、基地局BS及び少なくとも1つの端末TEiから信号若しくはメッセージを受信することを可能にする。
【0162】
無線インターフェース205は、少なくとも1つの基地局BSによって転送された信号を受信する下りリンク受信モジュール210を備えることができ、少なくとも1つの端末TEiへ信号を転送する下りリンク送信モジュール211を備えることができ、少なくとも1つの端末TEiによって転送された信号を受信する上りリンク受信モジュール212を備えることができ、少なくとも1つの基地局BSへ信号を転送する上りリンク送信モジュール213を備えることができる。
【0163】
図3は、本発明が実施される基地局のアーキテクチャを表す図である。
【0164】
基地局BSは、例えば、バス301によって互いに接続されたコンポーネントと、図4又は図5に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づくアーキテクチャを有する。
【0165】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、無線インターフェース305、及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0166】
メモリ303は、変数を収容するように意図されたレジスタと、図4又は図5に開示するようなアルゴリズムに関連付けられたプログラムの命令とを含む。
【0167】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306と無線インターフェース305の動作を制御する。
【0168】
読み出し専用メモリ302は、図4又は図5に開示するようなアルゴリズムに関連付けられたプログラムの命令を含む。これらの命令は、基地局BSに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ303へ転送される。
【0169】
基地局BSは、ネットワークインターフェース306を通じて通信ネットワークTNに接続される。例えば、ネットワークインターフェース306は、DSL(デジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスデジタル網)インターフェース等である。このようなインターフェースを通じて、基地局BSは、少なくとも1つの中継器RLjへ、又は、無線セルラー通信ネットワークを管理するコアネットワークデバイスCNへ、メッセージを転送することができる。
【0170】
無線インターフェース305は、中継器RLjによって中継される又は中継されない信号を、少なくとも1つの端末TEiへ転送する、少なくとも1つの下りリンク送信モジュールと、少なくとも1つの端末TEiによって転送され、中継器RLjによって中継され又は中継されなかった信号を受信する、上りリンク受信モジュールとを備える。
【0171】
図4は、本発明による中継器が信号を中継しなければならないか否かを判断するためのアルゴリズムの第1の例を開示する。
【0172】
本アルゴリズムは、基地局BSによって、若しくは各中継器RLによって、又は、無線セルラー通信ネットワークにおける少なくとも1つのコアネットワークデバイスによって、実行される。
【0173】
本アルゴリズムは、定期的に且つ/又は特定のイベント時に実行され、例えば、端末TEが基地局BSのセルに入ったときに実行される。
【0174】
本アルゴリズムは、基地局BSのプロセッサ300によって実行されるときに開示される。
【0175】
本アルゴリズムでは、ある中継器RLj(例えば中継器RL1)が端末TEの信号を中継するときの、当該端末TEを宛先とするすべての信号に、同一の中継器電力訂正値が適用される。
【0176】
ステップS401において、プロセッサ300は、各PRBkをある中継器RLjに関連付ける。
【0177】
例えば、プロセッサ300は、基地局BSのセル内に位置する端末TEi(ただしi=1〜NUT)へ信号を転送するのに使用される各PRBについて、且つ各中継器RLj(ただしj=1〜NRN)について、最良のパス利得を提供する中継器RLjを得る。
【0178】
プロセッサ300は、信号を転送するのに使用されるk番目のPRBのそれぞれについて、リンクLBSTEの品質Ak及びリンクの組み合わせLBSRL及びLRLTEの品質Bkを得る。
【0179】
例えば、Akは、リンクLBSTE上で経験される減衰であり、Bkは、リンクLRLTE上で経験される減衰である。
【0180】
パス利得は、端末TEiと中継器RLjとの間の距離に幾分関連する。
【0181】
別の例では、各PRBkを中継器RLとペアにするために干渉プラス雑音成分が使用される。
【0182】
プロセッサ300は、基地局のセル内に位置する端末TEiへの信号の送信に使用される各PRBについて、最良のパス利得を提供する中継器RLjの識別子jに等しいインデックスR(k)を定義する。
【0183】
プロセッサ300は、信号を転送するのに使用されるk番目のPRBのそれぞれについて、リンクLBSTEの品質Ak並びにリンクの組み合わせLBSRL及びLRLTEの品質Bkを得る。
【0184】
インデックスR(k)は、k番目のPRBと中継器RLjとの関連付けを表す。
【0185】
次のステップS402において、プロセッサ300は、各PRB(ただしk=1〜NPRB)について関数g(Ak,Bk)を計算する。
【0186】
次のステップS403において、プロセッサ300は、PRB(ただしk=1〜NPRB)と、それらPRBの各インデックスR(k)(ただしk=1〜NPRB)を、それらのメトリック値g(Ak,Bk)に従って降順にソートする。
【0187】
このステップはオプションであり、後に解説するように、アルゴリズムフォローアップの複雑度を低減するためのいくつかのメトリックg()を可能にする。
【0188】
PRBは、信号を端末TEへ転送するために基地局BSによって使用されるPRBの総数に等しい。
【0189】
ここで、一変形では、ステップS402及びS403は実行されないことに留意しなければならない。その変形によれば、プロセッサ300は、ステップS401からステップS404に移動する。
【0190】
次のステップS404において、プロセッサ300は、各中継器RLjについて、変数Nj及びGmaxをヌル値に設定する。
【0191】
次のステップS405において、プロセッサ300は、変数kを1に設定する。この変数kは、本アルゴリズムによって処理されるk番目のPRBを表す。
【0192】
次のステップS406において、プロセッサ300は、変数kがNPRB以下であるか否かをチェックする。
【0193】
変数kがNPRB以下である場合、プロセッサ300はステップS420に移動する。それ以外の場合、プロセッサ300はステップS407に移動する。
【0194】
オプションとして、同じ中継器RLに関連付けられたPRBがこのアルゴリズムをステップS410に行くようにすでに導いているか否かをチェックする検査が行われる。
【0195】
実際に、g(Ak,Bk)値に従ったPRBのソートを使用し、且つ関数g()が単調であるという特性を使用すると、所与のk番目のPRBよりも後にソートされ且つ同じ中継器RLに関連付けられたすべてのPRBは、k番目のPRBよりも少ない利得を全体性能指数(global figure of merit)に提供する。したがって、中継がこれらのPRBに利益になるか否かを検査する必要はない。
【0196】
ステップS407において、プロセッサ300は、変数NR(k)を1つインクリメントする。NR(k)は、k番目のPRBに関連付けられた中継器RLjによって中継されるPRBの個数に等しい。
【0197】
次のステップS408において、プロセッサ300は、α及びλiの更新された値(Nj値から導出されたもの)を考慮し、且つk番目のPRBが中継を使用していると仮定して、全体性能指数Gを求める。確かに、すでに解説したように、α及びλiは、中継器RLによって中継されるPRBの個数に依存し、特に、NR(k)の近時に変更された値に従って再計算しなければならない。
【0198】
一般性能指数Gは、最適化されなければならず、総和
【0199】
【数8】

【0200】
に分解される。この総和は、すべてのPRBに対して行われる。
【0201】
次のステップS408において、プロセッサ300は、GmaxがGよりも厳密に小さいか否かをチェックする。
【0202】
GmaxがGよりも厳密に小さい場合、プロセッサ300は、ステップS440に移動し、Gmaxを値Gに設定し、k番目のPRBでの信号転送を中継器RLjが中継しなければならないことを記憶する。
【0203】
その後、プロセッサ300はステップS411に移動する。
【0204】
GmaxがGよりも厳密に小さくない場合、プロセッサ300は、ステップS409からステップS410に移動する。
【0205】
ステップS410において、プロセッサ300は、変数NR(k)を1つディクリメントする。すなわち、k番目のPRBで送信される信号に中継を適用しない。
【0206】
次のステップS411において、プロセッサ300は、変数kを1つインクリメントする。すなわち、次のPRBを検討し、すでに説明したステップS406に戻る。
【0207】
ステップS420において、プロセッサ300は、各中継器RLjについて、中継器電力訂正値
【0208】
【数9】

【0209】
を計算する。
【0210】
次のステップS430において、プロセッサ300は、各中継器RLjへ、対応する中継器電力訂正値λjを転送する。
【0211】
図5は、本発明による中継器が信号を中継しなければならないか否かを判断するためのアルゴリズムの第2の例を開示する。
【0212】
本アルゴリズムは、基地局BS若しくは各中継器RL又は無線セルラー通信ネットワークの少なくとも1つのコアネットワークデバイスによって実行される。
【0213】
本アルゴリズムは、定期的に且つ/又は特定のイベント時に実行され、例えば、端末TEが基地局BSのセルに入ったときに実行される。
【0214】
本アルゴリズムは、基地局BSのプロセッサ300によって実行されるときに開示される。
【0215】
本アルゴリズムは、図4に開示したアルゴリズムを単純化したものである。この単純化は、メトリックが中継器RLが信号を中継するPRBの個数であるときに、図4のアルゴリズムで説明したオプションのソート及び検査を使用してなされる。実際には、j番目の中継器が使用されるPRBの総数は最大にされなければならない。
【0216】
ここで、
【0217】
【数10】

【0218】
は、j番目の中継器RLjにより中継されることが利益を有するPRBの最大個数を表すことに留意しなければならない。
【0219】
PRB(ただしk=1〜NPRB)と、それらPRBのそれぞれのインデックスR(k)(ただしk=1〜NPRB)とを、それらのメトリックg(Ak,Bk)値に従って降順にソートすることによって、1番目にソートされたPRBが、中継の最良の候補である。
【0220】
g()は単調であり、λR(k)はkと共に減少するので、R(k)番目の中継器RLに関連付けられたPRBのリストは、g()の減少する値によってソートされた状態を維持する。
【0221】
したがって、このアルゴリズムは、PRBがR(k)番目の中継器において使用されない(NR(k)=0)と仮定して開始し、
【0222】
【数11】

【0223】
である限り、R(k)番目の中継器に関連付けられたPRBを順次追加することができる。ここで、
【0224】
【数12】

【0225】
は、fPの逆関数である。
【0226】
この条件が或るPRBについて充足されなくなると、R(j)番目の中継器RLに関連付けられたすべての後続のPRBは、この条件を充足しないのに対して、すべての先行するPRBは依然としてこの条件を充足する。
【0227】
したがって、このアルゴリズムは、図4のオプションの特徴で説明したように、単純なソートと、停止条件を有する1ステップチェックとに単純化することができる。
【0228】
ここで、基地局電力調整αが、基地局BSにおいて実行される場合でもリストの順序は不変であり、1ステップチェックアルゴリズムは依然として最適であることに留意しなければならない。
【0229】
基地局電力調整αは、
【0230】
【数13】

【0231】
として定義することができる。
【0232】
ステップS501において、プロセッサ300は、各PRBを中継器RLjに関連付ける。
【0233】
例えば、プロセッサ300は、基地局BSのセル内に位置する端末TEi(ただしi=1〜NUT)へ信号を転送するのに使用される各PRBについて、且つ各中継器RLj(ただしj=1〜NRN)について、最良のパス利得を提供する中継器RLjを得る。
【0234】
プロセッサ300は、信号を転送するのに使用される各k番目のPRBについて、リンクLBSTEの品質Ak並びにリンクの組み合わせLBSRL及びLRLTEの品質Bkを得る。
【0235】
例えば、Akは、リンクLBSTE上で経験される減衰であり、Bkは、リンクLBSRL及びLRLTE上で経験される減衰である。
【0236】
パス利得は、端末TEiと中継器RLjとの間の距離に幾分関連する。
【0237】
別の例では、干渉プラス雑音成分が、各PRBkを中継器RLとペアにするのに使用される。
【0238】
プロセッサ300は、基地局BSのセル内に位置する端末TEiへの信号の送信に使用される各PRBについて、中継器RLjの識別子jに等しいインデックスR(k)を定義する。これはk番目のPRBと中継器RLjとの関連付けを表す。
【0239】
次のステップS502において、プロセッサ300は、以下の公式
【0240】
【数14】

【0241】
に従って各PRBについて求められたメトリック値に従い、降順によりインデックスR(k)をソートする。
【0242】
次のステップS503において、プロセッサ300は、各中継器RLjについて、変数Nj及びMをヌル値に設定する。変数Njは、k番目のPRBに関連付けられた中継器RLjが、PRBで転送される信号を中継しなければならないと本アルゴリズムが判定するPRBの総数を表す。
【0243】
次のステップS504において、プロセッサ300は、変数kを1に設定する。この変数kは、本アルゴリズムによって処理されるk番目のPRBを表す。
【0244】
次のステップS505において、プロセッサ300は、変数kがNPRB以下であるか否かをチェックする。
【0245】
変数kがNPRB以下である場合、プロセッサ300はステップS515に移動する。それ以外の場合、プロセッサ300はステップS506に移動する。
【0246】
ステップS506において、プロセッサ300は、以下の公式
【0247】
【数15】

【0248】
に従って、変数u(k,M+1)を計算する。ここで、基地局電力調整値αは、以下の公式
【0249】
【数16】

【0250】
に従って計算される。
【0251】
次のステップS507において、プロセッサ300は、NR(k)+1≦u(k,M+1)であるか否かをチェックする。
【0252】
R(k)+1≦u(k,M+1)である場合、プロセッサ300はステップS509に移動する。それ以外の場合、プロセッサ300はステップS508に移動する。
【0253】
ステップS508において、プロセッサ300は、変数kを1つインクリメントし、ステップS505に戻る。
【0254】
ステップS509において、プロセッサ300は、NR(k)を1つインクリメントし、k番目のPRBで転送される信号が、j=R(k)を有する中継器RLjによって中継されることを通知する指示子を記憶する。
【0255】
特定の特徴によれば、次のステップ510において、プロセッサ300は、過負荷係数β(k)を計算する。
【0256】
過負荷係数β(k)は、別の端末TEへk番目のPRBで転送される信号の電力を増加させるために基地局BSによって使用される電力係数である。
【0257】
基地局BSと、k番目のPRBが中継器RLjによって中継される端末TEとの間で経験されるSINRを、β(k)に乗算したものが、好ましくは1よりもはるかに小さい所定のしきい値未満となるように、過負荷係数β(k)を選ばなければならない。
【0258】
この別の端末TEは、端末TEに配分されるPRBが最も高いランクを有する端末TEを、g(Ak,Bk)の降順によってソートすることにより、選択することができる。
【0259】
ここで、別の端末TEを、さらに、中継できる端末のリストから除去できることに留意しなければならない。
【0260】
その後、プロセッサ300はステップS508に戻る。
【0261】
ステップS515において、プロセッサ300は、各中継器RLjについて、中継器電力訂正値
【0262】
【数17】

【0263】
を計算する。
【0264】
次のステップS516において、プロセッサ300は、各中継器RLjへ、対応する中継器電力訂正値λjを転送する。
【0265】
その後、プロセッサ300は本アルゴリズムを中断する。
【0266】
本発明を、下りリンク信号が中継されるか否かの例にして説明してきた。
【0267】
本発明は、上りリンク信号にも適用可能であり、図4及び図5のアルゴリズムは、上りリンク信号を中継するか否かに適用することができる。
【0268】
上りリンクでは、基地局電力調整値αは、1に等しいものとして定義されるべきである。
【0269】
OPFプロトコルの場合、中継される上りリンク信号を転送する端末TEは、次のタイムスロットの期間中送信を行わず、これによって追加の電力バジェット(電力消費節減と見ることができるが、リンク品質の改善には使用できない)が与えられる。未使用のタイムスロットは、リンク品質の改善に使用することができる。すなわち、電力ブースト
【0270】
【数18】

【0271】
は、端末TEにおいて適用することができる。ここでPtは、中継が行われない場合の端末TEの実際の送信電力であり、Ptmaxは、端末TEの最大送信電力である。
【0272】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断するための方法であって、
前記端末及び前記中継器は、前記基地局のエリア内に位置し、
前記信号は、前記無線通信ネットワークの物理リソースブロックで転送され、
前記中継器は信号を中継し、
前記中継器によって転送される前記信号の全体的な送信電力は、所与の時間期間中に前記中継器によって転送される信号の個数から独立している
方法において、
前記方法は、信号が前記基地局又は前記端末によって転送される前記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて実行されるステップとして、
‐前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用することの性能指数を計算するステップと、
‐前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用しないことの性能指数を計算するステップと、
‐信号が転送され前記中継器によって中継される物理リソースブロックの個数に依存する前記中継器の中継器電力訂正値を計算するステップと、
‐前記計算された性能指数及び前記中継器電力訂正値に従って、前記物理リソースブロックで転送される前記信号が前記中継器によって中継されるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、前記基地局によって転送される信号に対して適用される基地局電力調整値を計算するステップをさらに含み、
前記基地局電力調整値は、中継が実行される物理リソースブロックの平均個数に依存することを特徴とし、かつ、
前記物理リソースブロックで転送される前記信号が中継されるか否かの前記判定は、さらに前記基地局電力調整値に従って実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中継器電力訂正値及び前記基地局電力調整値は、
信号がNT個のタイムスロットの期間中に前記中継器によって中継される物理リソースブロックの平均個数Njと、
一タイムスロットの期間中に並列送信に利用可能な物理リソースブロックの個数NAと、
信号が中継されるか否かの判定が行われる2つの時刻の間を埋めるタイムスロットの平均個数NT
に依存することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数の中継器が前記基地局の前記エリアに含まれることを特徴とし、
前記方法は、各物理リソースブロックについて実行されるステップとして、どの中継器が、前記物理リソースブロックで転送される信号を中継するための最良の候補であるのかを判断するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記物理リソースブロックで転送される前記信号が中継されるか否かの前記判定は、
前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用することの前記性能指数と、
前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用しないことの前記性能指数と
の間で除算を実行することによって行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記物理リソースブロックで転送される前記信号が中継されるか否かの前記判定は、
前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用することの前記性能指数が、
前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用しないことの前記性能指数よりも大きいか否か
をチェックすることによって行われることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記メトリックを計算する前に、
‐各リソースブロックについて、前記基地局と前記端末との間のリンク品質を表しかつ前記中継器を介した前記基地局と前記端末との間のリンク品質を表す値を求めるステップと、
‐前記リソースブロックについて前記求められた値に従い前記リソースブロックをソートするステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局と前記端末との間のリンク品質を表しかつ前記中継器を介した前記基地局と前記端末との間のリンク品質を表す前記値は、前記中継器電力訂正値及び前記基地局電力調整値に依存しないことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、各物理リソースブロックについて実行されるステップとして、複数の物理リソースブロックで転送される前記信号の中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存する全体性能指数を計算するステップを含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記物理リソースブロックは、所与のメトリックに従って降順にソートされることを特徴とし、かつ、
前記全体性能指数は、判定が行われる前記物理リソースブロックよりも下位の順序を有する物理リソースブロックで転送される信号の中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記全体性能指数は、物理リソースブロックのそれぞれで転送される信号の中継を使用することの性能指数又は使用しないことの性能指数に依存することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記無線通信ネットワークは、無線セルラー通信ネットワークであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継器が中継しなければならないか否かを判断するためのデバイスであって、
前記端末及び前記中継器は、前記基地局のエリアに位置し、
前記信号は、前記無線通信ネットワークの物理リソースブロックで転送され、
前記中継器は信号を中継し、
前記中継器によって転送される前記信号の全体的な送信電力は、所与の時間期間中に前記中継器によって転送される信号の個数から独立している
デバイスにおいて、
無線通信ネットワークの基地局と端末との間で転送される信号を中継しなければならないか否かを判断するための前記デバイスは、
‐信号が前記基地局又は前記端末によって転送される前記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、前記物理リソースブロックで転送される前記信号について中継を使用することの性能指数を計算するための手段と、
‐信号が前記基地局又は前記端末によって転送される前記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、前記物理リソースブロックで転送される前記信号について、中継を使用しないことの性能指数を計算するための手段と、
‐信号が前記基地局又は前記端末によって転送される前記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、信号が転送され前記中継器によって中継される物理リソースブロックの個数に依存する前記中継器の電力調整値を計算するための手段と、
‐前記計算された性能指数及び前記電力調整値に従い、信号が前記基地局又は前記端末によって転送される前記物理リソースブロックのうち少なくとも一部の各物理リソースブロックについて、前記物理リソースブロックで転送される前記信号が中継されるか否かを判定するための手段と、
を備えることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
プログラマブルデバイス内に直接ロード可能とすることができるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがプログラマブルデバイス上で実行されるとき、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法の前記ステップを実施するための命令又はコード部を含む、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−279032(P2010−279032A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−117287(P2010−117287)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】