説明

信号処理システム

【課題】接続された機器の機能に応じた複数のスイッチを、操作パネル上にて適切な配置状態にて配置することで、システムの多機能化に対応し、かつ操作性を向上させる。
【解決手段】CPU42は、取得した各機器の機能情報を分類する情報分類部42aと、分類した機能情報を操作パネル10のタッチパネル機能における表示レイアウトと関連付ける関連付け部42bと、表示レイアウトに関連付けられた分類された機能情報をスイッチとして配置するSW配置部42cと、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内を観察するための内視鏡から出力される画像信号に所定の処理を施す信号処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡、光源装置及び画像処理装置を要部として有して構成される内視鏡装置は、従来より、医療分野等において広く用いられている。特に、医療分野における内視鏡装置は、ユーザが生体内の検査、観察等の処置を行うという用途において主に用いられている。
【0003】
医療分野における内視鏡装置を用いた観察として一般的に知られているものとしては、例えば、白色光を生体内に照射し、肉眼による観察と略同様の生体内の像を撮る通常観察の他に、特定の波長帯域を有する励起光を生体内に照射した際に生体内の生体組織が発する自家蛍光の像を撮り、該自家蛍光の像を観察することにより、生体内の正常部位および病変部位を判別することができる蛍光観察がある。
【0004】
また、医療分野における内視鏡装置を用いた観察としては、例えば、通常観察における照射光よりも狭い帯域を有する光である狭帯域光を生体内に照射して観察を行う、狭帯域光観察(NBI: NarrowBandImaging)というものも行われている。狭帯域光観察においては、粘膜表層の血管をよりコントラスト良く観察することが可能になる。
【0005】
さらに、医療分野における内視鏡装置を用いた観察としては、例えば、近赤外の帯域を有する光である近赤外光を生体内に照射して観察を行う、赤外光観察というものも行われている。赤外光観察においては、インドシアニングリーン(ICG)という、近赤外の帯域の光を吸収する特性を有する薬剤を血管内に注入することにより、通常観察では見ることのできない粘膜下深部の血行動態を観察することが可能になる。
【0006】
上記内視鏡装置における画像処理を行う信号処理装置であるプロセッサの操作は、主に、該プロセッサのフロント部分に設けられたフロントパネルを操作することによって行われる。このフロントパネルの各入力部(操作ボタン等)には各種機能が割り当てられており、これらの入力部を操作すると、操作された入力部に応じて、例えば、光源部の調光や、外部モニタにおける体腔内の観察画像の表示に関する設定(エンハンス、カラーバランス、ブライトネス等)を行うことができる。
【0007】
一般に、電子内視鏡用のプロセッサは、該プロセッサを購入した際に、既に、フロントパネルの各入力部に上述したような各種機能が、固定されて割り当てられている。従って、各入力部の配置によって術者が該入力部の操作性に不満を感じた場合であっても、該入力部の配置を変更することができないため、該操作性を改善することができなかった。
【0008】
また近年、電子内視鏡及び電子内視鏡用のプロセッサは多様化、高性能化、及び高機能化しているため、フロントパネルに配置されている入力部の数は多くなる傾向にある。一般に電子内視鏡用のプロセッサは複数の術者が様々な電子内視鏡を装着して使用するため、複数の機種の電子内視鏡の全ての機能に対応して入力部が設けられている。従って、装着された電子内視鏡の機種によってはフロントパネルの入力部に割り当てられている機能の中に不要なものがあることがある。医療行為は迅速な判断が要求されるため、不要な機能を有した入力部の存在は望ましくなかった。
【0009】
そこで、例えば、特開2005−185541号公報等においては、術者にとって操作性が優れ、また、接続された電子内視鏡の種類に応じた、必要な入力部をユーザ毎に設定可能なタッチパネル機能を備えたフロントパネルが提案されている。
【特許文献1】特開2005−185541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の電子内視鏡用のプロセッサの操作パネルは、上述したように、全機能が固定に配置されたスイッチにて実現されていたが、様々な使用環境において、従来のようなスイッチが固定配置されたタイプの操作パネルでは、ユーザ毎に、「使用する機能」、「使用しない機能」が混在することになり、操作性が非効率的になる。
【0011】
一方、上記特開2005−185541号公報のような、タッチパネル機能による操作パネルでは、「使用しない機能」のスイッチの配置を避けることは可能であるが、上述したように、通常観察のみならず、狭帯域光観察、(自家)蛍光観察、赤外光観察等、今後、ますます内視鏡装置に要求される機能が増加すれば、操作パネルに配置すべきスイッチの数も増大し、このような増大したスイッチをタッチパネル機能による操作パネルに配置すると、操作するべきスイッチのサイズが小さくなるといったように、スイッチを適正なサイズにて配置することが難しくなったり、ユーザにとって適した配置を設定するための余計な手間を強いてしまうといった問題がある。
【0012】
また、このような多機能な内視鏡装置を実現するためには、装置を構成する内視鏡、光源装置、プロセッサの種別も多岐にわたり、これらの機器毎の機能も多岐にわたり、適正な機器を組み合わせてシステムを構築すると、組み合わせた機器により実現できる、「実現可能な機能」と「実現できない機能」とが、システム的に混在する可能性がある。このような場合、従来のタッチパネル機能による操作パネルにおいては、システム上「実現可能な機能」とシステム上「実現できない機能」を適正に展開したスイッチを配置することができず、システム的に多機能な内視鏡装置については、スイッチ群が固定配置されたタイプの操作パネルと同様な問題が発生する虞れがある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接続される機器の機能に応じた複数のスイッチを、操作パネル上にて適切な配置状態にて配置することで、システムの多機能化に対応し、かつ操作性を向上させることのできる信号処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の信号処理システムは、被写体の像を撮像して得られる撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像処理装置と、前記映像処理装置に接続される外部機器とから構成される信号処理装置において、
前記映像処理装置の機能、あるいは前記外部機器が有する機能の、少なくとも1つの機能を動作させるためのスイッチ図形を表示する表示手段と、前記表示手段における前記スイッチ図形を表示するスイッチ領域での操作を検知する検知手段とを備えたタッチパネル機能を有する操作パネルと、
前記信号処理装置の機能及び前記外部機器が有する機能の、機能情報を格納した記憶手段と、
前記機能情報を前記記憶手段より読み出し、前記機能情報を前記映像処理装置及び前記外部機器からなるシステムのシステム構成に応じて分類する機能分類手段と、
前記機能分類手段にて分類された前記機能情報を、前記スイッチ図形に関連付ける機能関連付け手段と、
前記関連付け手段により前記機能情報に関連付けられた前記スイッチ図形を、前記スイッチ領域に配置する配置情報を設定するレイアウト手段と、
前記レイアウト手段により設定された前記配置情報に基づき、前記スイッチ図形を前記操作パネルの前記表示手段に表示させる表示制御手段と
を備えて構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、接続された機器の機能に応じた複数のスイッチを、操作パネル上にて適切な配置状態にて配置することで、システムの多機能化に対応し、かつ操作性を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
【実施例1】
【0017】
図1ないし図17は本発明の実施例1に係わり、図1は内視鏡装置の構成を示すブロック図、図2は図1のプロセッサのCPUの処理の流れを示すフローチャート、図3は図2の処理でのCPUの情報分類部の作用を説明する図、図4は図2の処理でのCPUの関連付け部の作用を説明する図、図5は図2の処理にて操作パネルのタッチパネル機能における表示例を示す図、図6は図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す図、図7は図6の操作パネルの表示例の第1の変形例を示す図、図8は図7のレベル設定ボタンの操作により展開される詳細レベル設定ウインドウを示す図、図9は図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示設定の観察モード毎の設定例を説明する図、図10は図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第1の図、図11は図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第2の図、図12は図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第3の図、図13は図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第4の図、図14は内視鏡の種類毎の図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第1の図、図15は内視鏡の種類毎の図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第2の図、図16は図1の内視鏡装置の変形例の構成を示すブロック図、図17は図16のプロセッサのCPUの処理の流れを示すフローチャートである。
【0018】
(構成)
図1に示すように、本実施例の信号処理装置であるプロセッサ4は、内視鏡2、光源装置3、モニタ5、外部機器(例えばプリンタ)6、キーボード7等の機器と組み合わせて構成されることで、多機能の内視鏡装置1のシステムを構築する。
【0019】
プロセッサ4は、内視鏡2の先端に設けられた固体撮像素子(図示せず)からの撮像信号を信号処理し、内視鏡画像をモニタ5、あるいは外部機器6に出力する映像信号処理部41と、キーボード7からの入力指示信号等に基づいて、映像信号処理部41を制御する表示制御手段としてのCPU42を備えている。また、プロセッサ4は、装置前面にタッチパネル機能を有する操作パネル10を備え、CPU42が操作パネル10のタッチパネル機能を制御するようになっている。さらに、プロセッサ4は、プロセッサ4に接続される機器(内視鏡2、光源装置3、モニタ5、外部機器6)の機能情報を格納している記憶手段としてのメモリ43を有している。
【0020】
なお、内視鏡2、外部機器6のそれぞれの機器に、機器の機能情報を格納した記憶部である、メモリ21、61を設けてもよい。また、プロセッサ4は、光源装置3とは光源の種類を識別すための通信を行うようにしてもよい。
【0021】
CPU42は、接続される機器(内視鏡2、光源装置3、モニタ5、外部機器6)の識別情報をキーボード7より入力することで、識別情報に基づいてメモリ43より各機器の機能情報を読み出す(取得する)ようになっている。
【0022】
CPU42は、取得した各機器の機能情報を分類する機能分類手段としての情報分類部42aと、分類した機能情報を操作パネル10のタッチパネル機能における表示レイアウトと関連付ける機能関連付け手段としての関連付け部42bと、表示レイアウトに関連付けられた分類された機能情報をスイッチとして配置するレイアウト手段としてのSW配置部42cと、を備えて構成される。なお、CPU42の、これら各部の詳細は、後述する。
【0023】
(作用)
次に、このように構成された本実施例の作用について説明する。本実施例の信号処理装置であるプロセッサ4は、内視鏡2、光源装置3、モニタ5、外部機器(例えばプリンタ)6、キーボード7等の機器を接続し、多機能の内視鏡装置1を構築すると、まず、プロセッサ4は、キーボード7から接続された内視鏡2、光源装置3、モニタ5の識別情報の入力を待つ。
【0024】
接続された内視鏡2、光源装置3、モニタ5の識別情報が、キーボード7からプロセッサ4に入力されると、プロセッサ4のCPU42は、まずステップS1にて内視鏡2、光源装置4、モニタ5の識別情報に基づき、内視鏡2、光源装置3、モニタ5の機能情報をメモリ43より取得する。次に、CPU42は、ステップS2にて外部機器6が接続されているかどうかを判断する。そして、外部機器6が接続されている場合は、CPU42は、ステップS3にてキーボード7からの外部機器6の識別情報に基づき、外部機器6の機能情報をメモリ43より取得し、ステップS4に進み、外部機器6が接続されていない場合には、処理をステップS2からステップS4に移行する。
【0025】
ステップS4では、CPU42は、情報分類部42aによって、内視鏡装置1を構築している各機器によるシステム構成に基づいて、取得した各機器(機器名)毎の機能情報を、図3に示すようなテーブルに従って、例えば、用途、対応観察光(観察モード)、光学拡大の有無、調光方式、光量調整の有無、ランプ交換(警告)の有無、画像処理内容、プリント機能の有無等に、分類する。
【0026】
この分類によって、操作パネル10のタッチパネル機能における表示レイアウトと関連付ける機能情報が、決定される。
【0027】
決定された機能情報として、図3においては、用途=(消化器系)上部観察、対応観察光(観察モード)=通常光観察&狭帯域(NBI)光観察(図3の例では光源装置3が蛍光観察及び赤外光観察に対応していないため)、光学拡大=無(図3の例ではCCU(カメラコントロールユニット=プロセッサ4)が光学拡大に対応していないため)、調光方式=A方式(光源装置3がA方式のみに対応しているため)、光量調整=有、ランプ交換(警告)=有、画像処理内容=電子拡大&WB&フリーズ&構造強調&色調整(内視鏡2のスコープSWがレリーズに対応していないため)、プリント機能=有、となっている。
【0028】
このように、各機器が対応している機能に応じて、システム的に実現可能な機能情報を、決定された機能情報としている。
【0029】
このようにしてステップS4において、タッチパネル機能における表示レイアウトと関連付ける機能情報が決定されると、CPU42は、関連付け部42bによって、ステップS5にて決定された機能情報(以下、設定機能情報と記す)を、図4に示すように、複数のスイッチ群のレイアウト情報と関連付ける。図4において、関連付け部42bは、レイアウト情報としてのレイアウト位置情報と設定機能情報を関連付ける。レイアウト位置情報を示す「領域n-m」は、第nのスイッチ群の配置領域における、優先順位が第m番目の配置位置を示している。本実施例では、スイッチ群としては、第1〜第3の3つのスイッチ群の例を示している。
【0030】
本実施例では、例えば、
第1のスイッチ群は、本実施例の内視鏡装置1のシステム上必須の機能を実現するためのスイッチからなるスイッチ群(領域1-1=ランプ交換スイッチ、領域1-2=光量調整スイッチ、領域1-3=調光A方式スイッチ、領域1-4=WBスイッチ)となり、
第2のスイッチ群は、本実施例の内視鏡装置1のシステム上、設定可能な機能を実現するためのスイッチからなるスイッチ群(領域2-1=通常光スイッチ、領域2-2=狭帯域NBI(狭帯域)光スイッチ、領域2-3=電子拡大スイッチ、領域2-4=構造強調スイッチ、領域2-5=色調整スイッチ)となり、
第3のスイッチ群は、本実施例の内視鏡装置1のシステム上、ユーザの任意の要求に基づく機能を実現するためのスイッチからなるスイッチ群(領域3-1=プリンタスイッチ)となっている。
【0031】
そして、CPU42は、SW配置部42cにより、ステップS6〜ステップS8にて、機能情報に関連付けられた各スイッチ群の各スイッチを、図5に示すように、スイッチ群毎の領域である、第1のスイッチ群表示領域101,第2のスイッチ群表示領域102,第3のスイッチ群表示領域103に、操作パネル10のタッチパネル上において、配置し表示する。
【0032】
以上のように、実施例1では、外部機器(内視鏡、光源装置を含む)から機種識別情報を取得し、プロセッサ4内で、図3のようなテーブルを用いてSW配置を決定する。
【0033】
(効果)
このように本実施例では、システム上必須の機能を実現するためのスイッチと、システム上、設定可能な機能を実現するためのスイッチ及びシステム上、ユーザの任意の要求に基づく機能を実現するためのスイッチとを、それぞれ異なる表示領域に、分類したスイッチ群として配置し表示するので、
(1) 第1のスイッチ群表示領域101に配置した必須の機能のスイッチを固定した機能スイッチとして扱うことが可能となり、
(2) また第2のスイッチ群表示領域102に配置した設定可能な機能のスイッチを、システムに応じて設定可能な機能スイッチとして扱うことが可能となり、
(3) さらに第3のスイッチ群表示領域103に配置したユーザの任意の要求に基づく機能のスイッチを任意設定の機能スイッチとして扱うことが可能となる
ために、システム上必須な機能は第1のスイッチ群により操作でき、またシステム上設定可能な機能は第2のスイッチ群により操作でき、さらにユーザの任意設定機能の、各機能を実現するためのスイッチは第2のスイッチ群により操作できるので、内視鏡装置が多機能のシステムを実現できるように構築しても、必要なスイッチを適切な位置に配置でき、操作性を向上させることができる。
【0034】
また、第2のスイッチ群表示領域102に配置した設定可能な機能のスイッチは、システムを構築している機器の機能に基づいて、内視鏡装置1がシステム的に使用可能な機能のみから構成されるので、設定可能な機能のスイッチは構築されるシステムに応じたフレキシブルな配置が可能となる。
【0035】
本実施例においては、用途を機能情報として取得しているので、用途に応じて、第2のスイッチ群表示領域102に配置する第2のスイッチ群の、各スイッチの配列の優先順位を設定することができる。
【0036】
なお、図5において、例えば第2のスイッチ群表示領域102の構造強調スイッチ110を、タッチパネル機能によりユーザが押下して選択すると、操作パネル10のタッチパネル画面が図6に示すような表示画面に遷移する。
【0037】
図6の画面は、構造強調の強調レベルの詳細を設定する画面であって、例えばIHb(
ヘモグロビンインデックス)の強調レベルを設定する画面となっている。この画面では、IHbの強調レベルを大まかに設定する第1のレベル設定領域111と、IHbの強調レベルを詳細に設定する第2のレベル設定領域112と、からなる。
【0038】
第1のレベル設定領域111は、従来よりあるレベル設定を行う領域であって、例えばIHb強調ボタン113を押下するごとに、3段階のレベルを示すインジケータ114の表示が変遷するように構成される。この第1のレベル設定領域111では、IHb強調ボタン113の押下毎に、例えばIHb強調レベルが、第1レベル→第5レベル→第9レベル→第1レベル→・・というように、とびとびのレベルをトグル的に遷移させるようになっている。
【0039】
第2のレベル設定領域112は、本実施例の特徴的なレベル設定領域であって、増減スイッチ115を操作することにより、例えばIHb強調レベルを、第1レベル←→第2レベル←→第3レベル←→第4レベル←→、・・、←→第10レベルというように、設定可能な最小幅で強調レベルを増減させて設定することができる。
【0040】
このように、本実施例では、第1のレベル設定領域111により従来のように大まかなレベル設定が可能であり、かつ第2のレベル設定領域112により必要に応じて最小幅にてレベルを増減させることで詳細なレベルを設定することができる。従来は、第1のレベル設定領域111にて大まかな設定を行うだけで、詳細な設定を行うためには、例えばメニュー画面を操作パネル10に表示させ、このメニュー画面からレベルを詳細に設定するための、詳細設定画面等を展開表示させなければならなかった。
【0041】
ところが、図6に示すように、図5に示したスイッチ群のスイッチの操作により展開される、タッチパネル上の画面においても、第1のレベル設定領域111の各部を第1のスイッチ群、第2のレベル設定領域112の各部を第2のスイッチ群として、異なる機能を分類して配置、表示できるため、メニュー画面等を用いる必要がなく、操作パネル10における操作性を、より向上させることができる。
【0042】
なお、図5に示したスイッチ群のスイッチの操作により展開される、操作パネル10のタッチパネル上の画面においては、図7に示すように、レベル設定ボタン120を設けるようにしてもよい。ここで、図7では、IHb強調レベルの他に、赤外強調レベルの設定が可能な画面となっており、レベル設定ボタン120を操作することにより、図8に示すような詳細レベル設定ウインドウ121を、操作パネル10のタッチパネル上に表示させるようにしてもよい。この詳細レベル設定ウインドウ121は、各レベルを最小幅にて増減させることのできる増減ボタン122と、各レベルの設定状態を表示するインジケータ123と、を備えている。
【0043】
また、本実施例においては、図5に示したスイッチ群のスイッチの操作により展開される、操作パネル10のタッチパネル上の画面に関して、図9に示すように、観察モードに応じて、例えば第1のスイッチ群の名称及びレベル割当数、第2のスイッチ群の名称及びレベル割当数を設定するようにしてもよい。この図9の設定を実行することで、図5に示したスイッチ群のスイッチの操作により展開される、操作パネル10のタッチパネル上の画面を、図10ないし図13にて、各観察モード(観察光)毎に示す。
【0044】
また、本実施例においては、図5に示したスイッチ群のスイッチの操作により展開される、操作パネル10のタッチパネル上の画面に関して、内視鏡の種類に応じた画面とすることができる。その一例として、特殊光観察機能としてNBI観察機能のみを有している内視鏡2がプロセッサに接続されてシステムを構成する場合の展開画面(構造強調設定画面)を図14に示し、特殊光観察機能として赤外光観察機能のみを有している内視鏡2がプロセッサに接続されてシステムを構成する場合の展開画面(構造強調設定画面)を図15に示す。図14においてはNBI観察機能に応じたスイッチの表示をタッチパネル上に行い、さらに「NBI内視鏡」と表示し、図15においては赤外光観察機能に応じたスイッチの表示をタッチパネル上に行い、さらに「赤外用内視鏡」と表示する。これにより、通常光観察モードから特殊光観察モードへのモードの切り替えをせずとも、ユーザが容易にシステムの有する機能を把握することができる。
【0045】
なお、本実施例では、内視鏡装置1を構成する各機器の機能情報は、メモリ43に格納するとした(図1参照)が、これに限らず、図16に示すように、メモリ43の代わりに、内視鏡2、光源装置3、モニタ5、外部機器6のそれぞれの機器に、機器の機能情報を格納した記憶部である、メモリ21、31、51、61を設けてもよい。
【0046】
この場合、プロセッサ4のCPU42は、図17に示すように、ステップS1(図2参照)の代わりのステップS1Aにて内視鏡2、光源装置3、モニタ5の接続後に、内視鏡2、光源装置3、モニタ5の機能情報をメモリ21、31、51より取得する。また、CPU42は、ステップS3(図2参照)の代わりのステップS3Aにて外部機器6の接続後に、外部機器6の機能情報をメモリ61より取得する。その他の処理は図2と同じであるので説明は省略する。
【0047】
つまり、図16では、外部機器(内視鏡、光源装置を含む)から、直接、機能情報を取得し、SW配置を決定する。
【0048】
なお、本実施例では、観察モードの違いによるシステム構成の例を用いて説明したが、これに限らず、内視鏡2の挿入形状を検出し表示する、公知の内視鏡形状検出装置を外部機器としても、内視鏡形状検出装置の機能を例えば第2のスイッチ群に割り付けることで、内視鏡形状検出装置における機能を内視鏡装置1のシステム機能として、操作パネル10上に効率的に配置することが可能である。
【0049】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1に係る内視鏡装置の構成を示すブロック図
【図2】図1のプロセッサのCPUの処理の流れを示すフローチャート
【図3】図2の処理でのCPUの情報分類部の作用を説明する図
【図4】図2の処理でのCPUの関連付け部の作用を説明する図
【図5】図2の処理にて操作パネルのタッチパネル機能における表示例を示す図
【図6】図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す図
【図7】図6の操作パネルの表示例の第1の変形例を示す図
【図8】図7のレベル設定ボタンの操作により展開される詳細レベル設定ウインドウを示す図
【図9】図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示設定の観察モード毎の設定例を説明する図
【図10】図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第1の図
【図11】図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第2の図
【図12】図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第3の図
【図13】図9の表示設定にて設定された際の観察モード毎の設定例に基づく、構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第4の図
【図14】内視鏡の種類毎の図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第1の図
【図15】内視鏡の種類毎の図5の構造強調スイッチの操作により展開される操作パネルの表示例を示す第2の図
【図16】図1の内視鏡装置の変形例の構成を示すブロック図
【図17】図16のプロセッサのCPUの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0051】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
3…光源装置
4…プロセッサ
5…モニタ
6…外部機器
7…キーボード
41…映像信号処理部
42…CPU
42a…情報分類部
42b…関連付け部
42c…SW配置部
43…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の像を撮像して得られる撮像信号に基づいて映像信号を生成する映像処理装置と、前記映像処理装置に接続される外部機器とから構成される信号処理システムにおいて、
前記映像処理装置の機能、あるいは前記外部機器が有する機能の、少なくとも1つの機能を動作させるためのスイッチ図形を表示する表示手段と、前記表示手段における前記スイッチ図形を表示するスイッチ領域での操作を検知する検知手段とを備えたタッチパネル機能を有する操作パネルと、
前記信号処理装置の機能及び前記外部機器が有する機能の、機能情報を格納した記憶手段と、
前記機能情報を前記記憶手段より読み出し、前記機能情報を前記映像処理装置及び前記外部機器からなるシステムのシステム構成に応じて分類する機能分類手段と、
前記機能分類手段にて分類された前記機能情報を、前記スイッチ図形に関連付ける機能関連付け手段と、
前記関連付け手段により前記機能情報に関連付けられた前記スイッチ図形を、前記スイッチ領域に配置する配置情報を設定するレイアウト手段と、
前記レイアウト手段により設定された前記配置情報に基づき、前記スイッチ図形を前記操作パネルの前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする信号処理システム。
【請求項2】
前記機能分類手段は、前記システム構成に応じて、前記機能情報を複数の機能群に分類し、
前記レイアウト手段は、前記機能情報に関連付けられた前記スイッチ図形を、前記スイッチ領域上にて前記機能群毎に配置する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理システム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、
前記機能群毎に配置された前記スイッチ領域上の、前記機能情報に関連付けられた前記スイッチ図形の操作を、前記検知手段が検知した際に、前記操作パネルに前記スイッチ図形の操作に応じた操作画面を展開し、
前記レイアウト手段は、
前記操作画面における表示レイアウトを設定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の信号処理システム。
【請求項4】
前記レイアウト手段は、前記検知手段が検知した前記スイッチ図形に関連付けられた前記機能情報の設定状態を変更する状態変更表示領域を前記表示レイアウトとして設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の信号処理システム。
【請求項5】
前記レイアウト手段は、
前記システム構成に応じた、複数の前記状態変更表示領域を設定し、
前記表示制御手段は、
前記複数の状態変更表示領域のうちの、前記システム構成に対応した1つの状態変更表示領域を有する操作画面を展開する
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理システム。
【請求項6】
前記レイアウト手段は、
複数の変更レベルで変更可能な、複数の前記状態変更表示領域を設定し、
前記表示制御手段は、
前記複数の状態変更表示領域を有する操作画面を展開する
ことを特徴とする請求項4に記載の信号処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−201593(P2009−201593A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44907(P2008−44907)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】