説明

信号処理装置、および信号処理方法

【課題】
追記型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に記録する際に、元のコピー禁止情報を読み出し不可能にすることによって、コピー禁止情報を移動できる信号処理装置、および信号処理方法を提供する。
【解決手段】
追記型光ディスク200に記録された情報がコピー禁止情報であった場合、コピー禁止情報の記録再生装置300への出力にともなって、所定強度のレーザーで追記型光ディスク200に書き込みを行うことによって、管理情報、ファイルシステム、ユーザデータ、または管理情報とユーザデータの両方の情報を破壊し、コピー禁止情報を読み出し不可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、追記型の記録媒体に記録された、複製が禁止された情報(コピー禁止情報)を別の記録媒体に移動(ムーブ)する信号処理装置、および信号処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、地上波デジタル放送のコピーワンス情報(一度だけ複製が許容されている情報)をDVD(Digital Versatile Disc)レコーダで追記型光ディスクなどの記録媒体に記録した場合、記録された情報はコピー禁止情報(複製が禁止された情報)となる。そのコピー禁止情報をポータブルタイプのSD(Secure Digital)メモリカード等の記録媒体に移動(ムーブ)できれば、活用範囲を大きく拡大することが可能となる。
【0003】
記録媒体に記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に移動させる装置としては、書換え型の記録媒体であるビデオテープに記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に記録し、ビデオテープに記録された元のコピー禁止情報を消去するようにしたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
【特許文献1】特開2001−333371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばDVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)ディスクのような追記型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報を読み出し不能にする装置は存在しなかったため、追記型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に記録することは、コピー禁止情報を複製することになり、別の記録媒体に移動(ムーブ)することは不可能であった。
【0005】
本発明は、前記の問題に着目してなされたものであり、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報を別の記録媒体に記録する際に、元のコピー禁止情報を読み出し不可能にすることによって、コピー禁止情報を移動できる信号処理装置、および信号処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、請求項1の発明は、
追記型の記録媒体に記録されている情報を読み出して出力する信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体から情報を読み出す読み出し部と、
読み出した情報を他の記録媒体への記録装置に出力する送信部と、
複製を禁止されているコピー禁止情報が追記型の記録媒体から読み出されて他の記録媒体への記録装置に出力される場合に、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のうち少なくとも何れか一方の情報を、その記録領域に対する記録動作を行うことによって破壊し、前記コピー禁止情報を読み出し不能にする情報破壊部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報、および前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報の両方の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0008】
これらにより、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報を出力するとともに、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報の少なくとも何れか一方の情報が破壊されるので、出力したコピー禁止情報が別の記録媒体に記録されることによって、コピー禁止情報の移動が可能になる。
【0009】
また、請求項3の発明は、
請求項2の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報とが前記追記型の記録媒体の連続した領域に記録されている場合に、前記連続した領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4の発明は、
請求項2の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体の領域と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報が記録された領域との間に、未記録の領域、または破壊可能な情報が記録された領域が存在し、これらの3つの領域が連続している場合に、前記3つの領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0011】
これらにより、効率よくコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報が破壊される。また、前記記録動作の制御が容易に行える。
【0012】
また、請求項5の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報は、
前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体上の位置を示す情報、および
前記コピー禁止情報を他の情報と識別するための情報、
のうちの少なくとも何れか1つの情報であることを特徴とする。
【0013】
これにより、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報を出力するとともに、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報の少なくとも何れか一方の情報が破壊されるので、出力したコピー禁止情報が別の記録媒体に記録されることによって、コピー禁止情報の移動が可能になる。
【0014】
また、請求項6の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体は、追記型光ディスクであり、
前記情報破壊部は、レーザー光を前記追記型光ディスクに照射することによって、前記追記型光ディスクに記録されている情報を破壊するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
これにより、追記型光ディスクに記録されているコピー禁止情報に対し、別の記録媒体への移動が可能になる。
【0016】
また、請求項7の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記読み出し部は、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出すように構成され、
前記情報破壊部は、前記ブロック内の全ての情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0017】
これにより、破壊動作の途中でレーザー光の発光強度を変更することなく破壊を行えるので、発光強度の制御が容易になる。
【0018】
また、請求項8の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項9の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体に記録された情報は、読み出しのタイミング生成に用いるシンク情報を含むものであって、
前記情報破壊部は、前記シンク情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
【0020】
これらにより、コピー禁止情報等に含まれる全ての情報を破壊することなくコピー禁止情報を読み出し不能にできる。
【0021】
また、請求項10の発明は、
請求項1の信号処理装置であって、
前記読み出し部は、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出すように構成され、
前記情報破壊部は、隣接した2つのブロックを連続して破壊する場合に、最初に破壊するブロックの末尾から次に破壊するブロックの先頭にかけて、連続して一度にそれぞれのブロック内のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする。
これにより、レーザー光の発光強度を切り替える間隔(時間)が2倍になるので、余裕を持ってレーザー制御を行うことが可能になる。また、切り替えの回数が半分になるので、制御のステップを減らすことができ、より高速に処理を行うことが可能になる。
【0022】
また、請求項11の発明は、
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録する際に用いるレーザー光の発光強度と同等の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする。
【0023】
これにより、通常の書き込みが行われる場合と同じ処理によりレーザー光の発光強度が制御され、コピー禁止情報等が破壊される。
【0024】
また、請求項12の発明は、
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度と情報を読み出し不能にするために必要最低限の発光強度との間の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする。
【0025】
これにより、情報の破壊を行う際の消費電力を低減することが可能になる。
【0026】
また、請求項13の発明は、
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度よりも大きな発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする。
【0027】
これにより、追記型光ディスクに記録されている情報をより確実に破壊することが可能になる。
【0028】
また、請求項14の発明は、
請求項11から請求項13のうちの何れか1項の信号処理装置であって、
さらに、前記追記型光ディスクの回転速度を線速度一定制御、または角速度一定制御に制御する回転制御部を備えていることを特徴とする。
【0029】
これにより、追記型光ディスクの回転速度が、線速度一定、または角速度一定に制御される。線速度一定に制御された場合には、前記発光強度の制御が容易になり、また、角速度一定の制御は、回転の制御が容易になる。
【0030】
前記の課題を解決するため、請求項15の発明は、
追記型の記録媒体に記録されている情報を読み出して出力する信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体から情報を読み出す読み出しステップと、
読み出した情報を他の記録媒体への記録装置に出力する送信ステップと、
複製を禁止されているコピー禁止情報が追記型の記録媒体から読み出されて他の記録媒体への記録装置に出力される場合に、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のうち少なくとも何れか一方の情報を、その記録領域に対する記録動作を行うことによって破壊し、前記コピー禁止情報を読み出し不能にする情報破壊ステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0031】
また、請求項16の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報、および前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報の両方の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0032】
これらにより、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報を出力するとともに、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報の少なくとも何れか一方の情報が破壊されるので、出力したコピー禁止情報が別の記録媒体に記録されることによって、コピー禁止情報の移動が可能になる。
【0033】
また、請求項17の発明は、
請求項16の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報とが前記追記型の記録媒体の連続した領域に記録されている場合に、前記連続した領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0034】
また、請求項18の発明は、
請求項16の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体の領域と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報が記録された領域との間に、未記録の領域、または破壊可能な情報が記録された領域が存在し、これらの3つの領域が連続している場合に、前記3つの領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0035】
これらにより、効率よくコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報が破壊される。また、前記記録動作の制御が容易に行える。
【0036】
また、請求項19の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報は、
前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体上の位置を示す情報、および
前記コピー禁止情報を他の情報と識別するための情報、
のうちの少なくとも何れか1つの情報であることを特徴とする。
【0037】
これにより、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報を出力するとともに、追記型の記録媒体に記録されているコピー禁止情報、およびコピー禁止情報を読み出すために必要な情報の少なくとも何れか一方の情報が破壊されるので、出力したコピー禁止情報が別の記録媒体に記録されることによって、コピー禁止情報の移動が可能になる。
【0038】
また、請求項20の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体は、追記型光ディスクであり、
前記情報破壊ステップは、レーザー光を前記追記型光ディスクに照射することによって、前記追記型光ディスクに記録されている情報を破壊することを特徴とする。
【0039】
これにより、追記型光ディスクに記録されているコピー禁止情報に対し、別の記録媒体への移動が可能になる。
【0040】
また、請求項21の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記読み出しステップは、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出し、
前記情報破壊ステップは、前記ブロック内の全ての情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0041】
これにより、破壊動作の途中でレーザー光の発光強度を変更することなく破壊を行えるので、発光強度の制御が容易になる。
【0042】
また、請求項22の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0043】
また、請求項23の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体に記録された情報は、読み出しのタイミング生成に用いるシンク情報を含むものであって、
前記情報破壊ステップは、前記シンク情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
【0044】
これらにより、コピー禁止情報等に含まれる全ての情報を破壊することなくコピー禁止情報を読み出し不能にできる。
【0045】
また、請求項24の発明は、
請求項15の信号処理方法であって、
前記読み出しステップは、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出し、
前記情報破壊ステップは、隣接した2つのブロックを連続して破壊する場合に、最初に破壊するブロックの末尾から次に破壊するブロックの先頭にかけて、連続して一度にそれぞれのブロック内のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする。
これにより、レーザー光の発光強度を切り替える間隔(時間)が2倍になるので、余裕を持ってレーザー制御を行うことが可能になる。また、切り替えの回数が半分になるので、制御のステップを減らすことができ、より高速に処理を行うことが可能になる。
【0046】
また、請求項25の発明は、
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録する際に用いるレーザー光の発光強度と同等の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする。
【0047】
これにより、通常の書き込みが行われる場合と同じ処理によりレーザー光の発光強度が制御され、コピー禁止情報等が破壊される。
【0048】
また、請求項26の発明は、
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度と情報を読み出し不能にするために必要最低限の発光強度との間の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする。
【0049】
これにより、情報の破壊を行う際の消費電力を低減することが可能になる。
【0050】
また、請求項27の発明は、
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度よりも大きな発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする。
【0051】
これにより、追記型光ディスクに記録されている情報をより確実に破壊することが可能になる。
【0052】
また、請求項28の発明は、
請求項25から請求項27のうちの何れか1項の信号処理方法であって、
さらに、前記追記型光ディスクの回転速度を線速度一定制御、または角速度一定制御に制御する回転制御ステップを有することを特徴とする。
【0053】
これにより、追記型光ディスクの回転速度が、線速度一定、または角速度一定に制御される。線速度一定に制御された場合には、前記発光強度の制御が容易になり、また、角速度一定の制御は、回転の制御が容易になる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、追記型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に記録する際に、コピー禁止情報を読み出し不可能にすることによって、コピー禁止情報の移動が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明の実施形態として、追記型の記録媒体であるDVD−Rディスクに記録された、複製が禁止されている情報(コピー禁止情報)を移動先の記録再生装置に出力するとともに、追記型の記録媒体上の所定の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出せなくする信号処理装置について図面を参照しながら説明する。
【0056】
(信号処理装置の構成)
図1は、本発明の実施形態に係る信号処理装置100の構成を示すブロック図である。同図示すように信号処理装置100は、ディスクモータ101、光ピックアップ102、スレッド103、FG(Frequency Generator)104、ディスク回転制御部105、信号処理部106、コピー禁止情報確認部107、コピー禁止情報通知部108、受信部109、ムーブ制御部110、情報位置検出部111、線速度計測部112、レーザ制御部113、および送信部114を備えて構成されている。また、追記型光ディスク200(DVD−Rディスク)は、コピー禁止情報が記録された追記型の記録媒体であり、記録再生装置300は、コピー禁止情報の移動先の記録再生装置である。
【0057】
信号処理装置100のディスクモータ101は追記型光ディスク200を回転させるようになっている。
【0058】
光ピックアップ102は、レーザ制御部113の制御に応じてスレッド103上を移動することによって、追記型光ディスク200の所定の位置に対し、データの読み出し、および書き込みを行うようになっている。
【0059】
FG104は、ディスクモータ101の角速度を検出し、角速度の情報を出力するようになっている。
【0060】
ディスク回転制御部105は、FG104が出力した角速度の情報、または線速度計測部112が出力する線速度の情報を用い、ディスクモータ101の回転を角速度一定制御(CAV制御)、または線速度一定制御(CLV制御)の方式により制御するようになっている。
【0061】
信号処理部106は、光ピックアップ102が追記型光ディスク200から読み取った信号から再生クロックを生成し、出力するようになっている。
【0062】
コピー禁止情報確認部107は、後述する管理情報から、追記型光ディスク200にコピー禁止情報が記録されているかどうかを確認するようになっている。
【0063】
コピー禁止情報通知部108は、コピー禁止情報確認部107がコピー禁止情報が記録されていることを確認した場合に、コピー禁止情報が記録されていることを記録再生装置300に通知するようになっている。
【0064】
受信部109は、記録再生装置300から送られた信号を受信するようになっている。
【0065】
ムーブ制御部110は、追記型光ディスク200上で破壊する情報、破壊するサイズ、および一度に破壊する単位を決定し、これらを示す情報をレーザ制御部113に出力するようになっている。破壊する情報は、具体的には、管理情報、ユーザデータ、ファイルシステム、または管理情報とユーザデータの両方の情報の何れかに決定するようになっている。
【0066】
ここで、管理情報とは、追記型光ディスク200に記録された画像などのデータの位置や、これらのデータがコピー禁止情報かどうか等を示す情報であり、前記データを読み出すために必要となる情報である。例えば、DVD−Rディスクでは、図2のControl data zoneに記録された情報がこれにあたる。
【0067】
また、ユーザデータとは、実際に再生した時に画像や音声となるデータ、およびファイルシステムであり、図2の例ではUser data areaに記録された情報がこれにあたる。また、ファイルシステムには、例えば、画像や音声となるデータを特定するためのファイル名などの情報が含まれている。
【0068】
情報位置検出部111は、信号処理部106から入力された再生クロックから、前記コピー禁止情報等のアドレスの情報を検出し、レーザ制御部113に出力するするようになっている。
【0069】
線速度計測部112は、光ピックアップ102が読み出しを行っている位置における追記型光ディスク200の線速度を求め、求めた線速度の情報をレーザ制御部113に出力するようになっている。線速度計測部112は、具体的には、線速度を例えばウォブルクロック周期から求めるようにしたり、ディスク回転数とディスク種別とトラバース位置から算出するように構成されている。また、読み出しのアドレス、読み出しのクロック周期から算出するように構成することも可能である。
【0070】
レーザ制御部113は、線速度計測部112が出力した線速度の情報を用いて情報の破壊を行う際のレーザパワーを設定、および光ピックアップ102の位置の設定を行うようになっている。
【0071】
送信部114は、コピー禁止情報を記録再生装置300に送信するようになっている。
【0072】
(信号処理装置の動作)
図3は、前記ように構成された信号処理装置100の動作を示すフローチャートである。各ステップにおける動作は以下のようになる。
【0073】
[S101]
ディスク回転制御部105は、ディスクモータ101を回転させ、追記型光ディスク200を起動する。次にレーザ制御部113は、スレッド103上の光ピックアップ102を管理情報が記録されたアドレスに移動させ、追記型光ディスク200に記録された管理情報を読み取らせる。読み取られた管理情報は、図示しないメモリに格納される。
【0074】
[S102]
コピー禁止情報確認部107は、読み取った管理情報を用い、追記型光ディスク200にコピー禁止情報が記録されているかどうかを確認する。
【0075】
[S103]
コピー禁止情報確認部107がコピー禁止情報が記録されていることを確認した場合、コピー禁止情報通知部108は、記録再生装置300に対し、追記型光ディスク200にコピー禁止情報が記録されていることを通知する。
【0076】
[S104]
ムーブ制御部110は、記録再生装置300から送られる、コピー禁止情報のムーブ要求をポーリングする。受信部109を介してムーブ要求を受信した場合、S105を実行する。
【0077】
[S105]
ムーブ制御部110は、管理情報の破壊、ユーザデータの破壊、ファイルシステムの破壊、または管理情報とユーザデータの両方の破壊(全体破壊)の何れを行うかを決定し、決定した情報をレーザ制御部113に出力する。
【0078】
なお、管理情報やファイルシステムを破壊する場合は、小さな範囲の破壊で済むので、短時間での破壊が可能になり、また、ユーザデータ破壊する場合は、コピー禁止情報自体が確実に破壊されるという特徴がある。
【0079】
[S106]
ムーブ制御部110は、受信部109を介して記録再生装置300から送られる、追記型光ディスク200に記録されたコピー禁止情報の読み出し要求をポーリングする。
【0080】
[S107、S109、またはS110]
受信部109で前記読み出し要求を受信した場合、ムーブ制御部110において決定された破壊方式に応じて、管理情報の破壊(S108)、ファイルシステムの破壊(S111)、ユーザデータの破壊(S112)、または全体破壊(S113)を行う。
【0081】
S108、S111、S112、およびS113における、それぞれの破壊の動作を以下に説明する。
【0082】
図4は、前記S108において、管理情報が破壊される際の動作を示すフローチャートである。同図の各ステップにおける動作は以下のようになる。
【0083】
[S201]
ムーブ制御部110は、破壊する情報が格納されている先頭アドレス、および破壊するサイズを決定する。例えば、DVD−Rディスクの管理情報を破壊する際には、消費電力を抑えたり、または短時間で、記録媒体上の位置を示す情報を破壊したい場合には、図2に示すControl data zoneとR−Physical Format Information zoneの全て、またはその一部を破壊するように決定し、また、容易な制御で、記録媒体上の位置を示す情報を破壊したい場合には、前記R−Physical Format Information zoneとControl data zoneも含め、物理アドレスが30000h以下の記録可能な部分について破壊するように決定する。
【0084】
なお、破壊する方法の決定については、装置毎に目的に応じて固定であってもよいし、また移動先の記録再生装置からの指示に応じた破壊する方法によって破壊を行うようにしてもよい。
【0085】
[S202]
ムーブ制御部110は、一度に破壊する情報の単位を決定する。一度に破壊する情報の単位は、例えば、記録された部分の情報を全て破壊するように決定してもよいし、図5に示す情報読み出しに必要な最小単位ブロックであるECC(Error−Correction Code)ブロック401内全体を破壊するように決定してもよい。また、破壊時の消費電力を抑えるため、ECCブロック401中の誤り訂正限界を超えるシンクコード402とデータ403を合わせたシンクフレーム404について、30シンクフレーム以上の範囲としてもよい。また、読み出しのタイミング生成に必要な、シンクコード402の全てとしてもよい。また、破壊時のレーザー制御時間に余裕を持たせるため、図6に示す隣接する2つのECCブロック501において、最初のECCブロックの最後の30シンクフレームと、次のECCブロックの最初の30シンクフレームの計60シンクフレームとしてもよい。
【0086】
[S203]
レーザ制御部113は、破壊する管理情報の先頭アドレス付近に、光ピックアップ102を移動させる。
【0087】
[S204]
レーザ制御部113は、情報を破壊する際のレーザーパワー(発光強度)を後述するように設定する。
【0088】
[S205]
光ピックアップ102は、S201で設定されたレーザーパワーのレーザーで、S201で決定した破壊サイズ分、破壊単位毎に管理情報を破壊する。
【0089】
[S206]
レーザ制御部113は、情報位置検出部111から入力されるアドレス情報を用いて、指定したサイズの管理情報の破壊が完了したかを確認する。指定したサイズの管理情報の破壊が完了していない場合は、S203に戻る。
【0090】
[S207]
追記型光ディスク200に記録されているユーザデータを、光ピックアップ102で読み出し、図示しないメモリに一旦保持した後、信号処理部106から送信部114を通じて、記録再生装置300に送信する。
【0091】
以上の動作により、管理情報が破壊される。
【0092】
また、図7は、前記S111において、ファイルシステムが破壊される際の動作を示すフローチャートである。同図の各ステップにおける動作は以下のようになる。
【0093】
[S301]
ムーブ制御部110は、破壊するファイルシステムが格納されている先頭アドレスおよび破壊するサイズを決定する。
【0094】
[S302]
ムーブ制御部110は、一度に破壊する単位を決定する。破壊する単位については、管理情報の破壊(S202)の場合と同様である。
【0095】
[S303]
追記型光ディスク200に記録されているユーザデータ中のファイルシステムの部分を、光ピックアップ102で読み出し、図示しないメモリに一旦保持した後、信号処理部106から送信部114を通じて、記録再生装置300に送信する。
【0096】
[S304]
レーザ制御部113は、破壊するファイルシステムの先頭アドレス付近に、光ピックアップ102を移動させる。
【0097】
[S305]
レーザ制御部113は、情報を破壊する際のレーザーパワーを後述するように設定する。
【0098】
[S306]
光ピックアップ102は、S305で設定されたレーザーパワーのレーザーで、S301で決定した破壊サイズ分、破壊単位毎にファイルシステムを破壊する。
【0099】
[S307]
レーザ制御部113は、情報位置検出部111から入力されるアドレス情報を用いて、指定したサイズのファイルシステムの破壊が完了したかを確認する。指定したサイズのファイルシステムの破壊が完了していなければ、S304に戻る。
【0100】
[S308]
追記型光ディスク200に記録されているファイルシステム以外のユーザデータを光ピックアップ102で読み出し、図示しないメモリに一旦保持した後、信号処理部106から送信部114を通じて、記録再生装置300に送信する。
【0101】
以上の動作により、ファイルシステムが破壊される。
【0102】
また、図8は、前記S112において、ユーザデータが破壊される際の動作を示すフローチャートである。同図における各ステップの動作は以下のようになる。
【0103】
[S401]
一度に破壊する単位を決定する。破壊する単位については、管理情報の破壊(S202)の場合と同様である。
【0104】
[S402]
破壊する情報が格納されている追記型光ディスク200の先頭アドレスおよび破壊するサイズを決定する。
【0105】
[S403]
追記型光ディスク200に記録されているユーザデータを光ピックアップ102で読み出し、図示しないメモリに一旦保持した後、信号処理部106から送信部114を通じて、記録再生装置300に送信する。
【0106】
[S404]
光ピックアップ102を破壊するユーザデータの先頭アドレス付近に移動させる。
【0107】
[S405]
レーザ制御部113は、情報を破壊する際のレーザーパワーを後述するように設定する。
【0108】
[S406]
光ピックアップ102は、S405で設定されたレーザーパワーのレーザーで、S402で決定した破壊サイズ分、破壊単位毎にユーザデータを破壊する。
【0109】
[S407]
全てのユーザデータの破壊が完了したかどうかを確認する。完了していない場合はS402に戻る。
【0110】
以上の動作により、ユーザデータが破壊される。
【0111】
なお、ユーザデータの読み出しと送信(S403)の動作をループ構成としたのは、追記型光ディスク200に記録された全てのユーザデータを読み出し、前記移動先記録媒体に情報を記録する記録再生装置300に転送した後、追記型光ディスク200に記録されたユーザデータの破壊を行うようにすると、同一のユーザデータが2つの装置で存在することになり、この状態で意図的に電源が遮断されると、事実上ユーザデータのコピーが可能になってしまい、これを防ぐ必要があるからである。
【0112】
また、管理情報とユーザデータの両方の情報の破壊(全体破壊)を行う場合は、それぞれの情報を順次破壊する。破壊する順序は、追記型光ディスク200の構成に応じて決定すると効率的な破壊が可能になる。例えば、追記型光ディスク200の構成が、図9のような構成であれば、管理情報部の破壊順序は、ユーザデータ部の先頭部分の破壊を行う時に、一緒に破壊し、また、管理情報部、中間エリア(未記録エリア、または例えば前記追記型光ディスク200上の位置を表す情報や、他の情報と識別するための情報ではない削除してもよい情報が記録されたエリア)、およびユーザデータ部が連続して配置された構成であれば、管理情報部からユーザデータ部まで、前記中間エリアを含め連続して破壊してやることで、物理アドレス0hから連続的な破壊動作が可能となり、光ディスクシステムのような光ピックアップを移動して目的アドレスへのアクセスをするシステムの場合、光ピックアップの移動回数を減らすことが可能であり、効率的である。
【0113】
図10は、S113において、管理情報とユーザデータが連続的に破壊される場合の動作を示すフローチャートである。同図の各ステップにおける動作は以下のようになる。
【0114】
[S501]
一度に破壊する単位を決定する。破壊する単位については、管理情報の破壊(S202)の場合と同様である。
【0115】
[S502]
破壊する情報が格納されている追記型光ディスク200の先頭アドレスおよび破壊するサイズを決定する。
【0116】
最初の破壊動作での先頭アドレスは、破壊する管理情報の先頭アドレス付近とする。追記型光ディスクの場合、管理情報は、ユーザデータの内周側にあるため、最初の破壊動作において、管理情報のみ、またはユーザデータを含めた管理情報が破壊するためである。これにより、連続的な破壊動作が可能になる。
【0117】
[S503]
追記型光ディスク200に記録されているユーザデータを光ピックアップ102で読み出し、図示しないメモリに一旦保持した後、信号処理部106から送信部114を通じて、記録再生装置300に送信する。
【0118】
[S504]
光ピックアップ102をS502で決定した先頭アドレス付近に移動させる。
【0119】
[S505]
レーザ制御部113は、情報を破壊する際のレーザーパワーを後述するように設定する。
【0120】
[S506]
光ピックアップ102は、S505で設定されたレーザーパワーのレーザーで、S502で決定した破壊サイズ分、破壊単位毎にユーザデータ、または管理情報を破壊する。
【0121】
[S507]
指定したサイズの管理情報、および全てのユーザデータの破壊が完了したかどうかを確認する。破壊が完了していなければ、S502に戻る。
【0122】
以上の動作により、管理情報とユーザデータの両方の情報が破壊される。
【0123】
また、前記S204、S305、S405、およびS505における、レーザ制御部113によるレーザーパワーの設定は、図11のフローチャートに示すように行われる。同図における各ステップの動作は以下のようになる。
【0124】
[S601]
回転速度制御の方式が前記CLV制御の場合はS603に分岐し、前記CAV制御の場合はS602に分岐する。
【0125】
[S602]
線速度計測部112は、破壊を行う情報が記録されている位置での線速度を計測する。
【0126】
[S603]
所定のレーザーパワー(後述)が設定されているかどうか判定する。設定されていない場合はS604に分岐する。設定されている場合は、設定動作を終了する。
【0127】
[S604]
CLV制御で制御されている線速度、またはS602にて求めた線速度に応じ、情報の破壊に最適なレーザーパワーを設定する。
【0128】
図12は、回転制御が前記CAV制御の場合に、追記型光ディスク200に記録された情報を破壊する際の記録レーザーパワー設定の種々のパターンを示す図である。同図の横軸は線速度、縦軸はレーザーパワーである。
【0129】
追記型光ディスク200の回転制御が前記CAV制御の場合は、最内周から最外周に向けて線速度が逐次変化するため、破壊する位置の線速度に応じ、レーザーパワーが設定される。
【0130】
パターン701は、線速度に応じ、追記型光ディスクに記録する際に用いられるレーザー光のレーザーパワーと同等のレーザーパワーを設定するパターンである。このパターンでは通常の記録時と同じ処理のため、レーザーパワーの制御が容易である。
【0131】
パターン702は、読み出し不能にするために必要な最低限のレーザーパワーを線速度に比例して設定するパターンである。このパターンでは、消費電力を抑えることが可能になる。
【0132】
パターン703は、最内周から最外周の線速度(横軸)を複数段階の範囲に分割し、個々の範囲内はレーザーパワーをパターン702の読み出し不能にするために必要な最低限のレーザーパワー以上の一定値に設定するパターンである。このパターンでは、レーザー制御を簡易化することが可能になる。
【0133】
パターン704は、最内周から最外周までの全周で、パターン702の読み出し不能にするために必要な最低限のレーザーパワー以上、かつ一定値に設定するパターンである。このパターンでは、レーザー制御をさらに簡易化することが可能になる。
【0134】
追記型光ディスク200の回転制御がCLV制御の場合は、追記型光ディスク200の線速度を一定の線速度に制御するので、レーザーパワーは、その線速度に応じた一定値(例えば、その線速度に対応する、情報を読み出し不能にするために必要な最低限のレーザーパワー)に制御する。このように、CLV制御ではレーザーパワーの制御を容易に行うことができる。
【0135】
なお、CAV制御、CLV制御に関わらず、追記型光ディスク200の線速度に対して、パターン701におけるレーザーパワーとパターン702におけるレーザーパワーの間のレーザーパワーで記録することにより、消費電力を抑えながら追記型光ディスク200に記録された情報を読み出し不能にすることができる。
【0136】
また、追記型光ディスクにおいて、パターン701におけるレーザーパワー(記録する際に用いられるレーザー光と同等のレーザーパワー)以上のレーザーパワーで記録することにより、追記型光ディスクの記録膜を破壊し、ディスクをより確実に破壊することができる。
【0137】
以上のように、本実施例によれば、追記型光ディスク200に記録されたコピー禁止情報を移動先の記録再生装置に送信すると伴に、追記型光ディスク200に記録された所定の情報を破壊してコピー禁止情報を再生不能することによって、追記型光ディスク200に記録されたコピー禁止情報を移動(ムーブ)することができる。
【0138】
また、コピー禁止情報を読み出すために必要な情報を破壊した後にコピー禁止情報を出力したり、コピー禁止情報を一部ずつ出力するとともに、出力したものを順次追記型の記録媒体から破壊するので、コピー禁止情報が複製されてしまうことを防止することが可能、すなわち安全な移動が可能になる。
【0139】
なお、本実施形態に係る装置では、コピー禁止情報の移動自体は、DVD−Rディスクのような追記型光ディスクに記録されたコピー禁止情報だけでなく、書き換え型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報についても可能である。
【0140】
また、破壊方法の決定(前記S105を参照)は、コピー禁止情報の有無を確認するS102の実行後から、コピー禁止情報の読み出し要求を受け、破壊処理に移行するまでの間に行われていれば、図3に示した順序には限られない。
【0141】
また、前記の実施形態では、コピー禁止情報の移動を行う度に、破壊する情報、破壊するサイズ、および破壊する単位を決定する例を説明したが、予め定めておいたサイズ等の情報や、ユーザの指定に基づいて、レーザ制御部113を制御するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0142】
本発明にかかる信号処理装置、および信号処理方法は、追記型の記録媒体に記録されたコピー禁止情報を別の記録媒体に記録する際に、コピー禁止情報を読み出し不可能にすることによって、コピー禁止情報の移動が可能になるという効果を有し、追記型の記録媒体に記録された、複製が禁止された情報(コピー禁止情報)を別の記録媒体に移動(ムーブ)する信号処理装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の実施形態に係る信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】DVD−Rディスクにおけるアドレスマッピングを示す図である。
【図3】コピー禁止情報のムーブ開始から終了までの信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】管理情報が破壊される際の動作を示すフローチャートである。
【図5】再生単位であるECCブロックの構成を示す図である。
【図6】連続したECCブロックを示す図である。
【図7】ファイルシステムが破壊される際の動作を示すフローチャートである。
【図8】ユーザデータが破壊される際の動作を示すフローチャートである。
【図9】追記型光ディスクのアドレスマッピングの一例を示す図である。
【図10】管理情報とユーザデータの両方の情報が破壊(全体破壊)される際の動作を示すフローチャートである。
【図11】レーザーパワーの設定が行われる際の動作を示すフローチャートである。
【図12】追記型光ディスクに記録された情報を破壊する場合の記録レーザーパワー設定の種々のパターンを示す図である。
【符号の説明】
【0144】
100 信号処理装置
101 ディスクモータ
102 光ピックアップ
103 スレッド
104 FG
105 ディスク回転制御部
106 信号処理部
107 コピー禁止情報確認部
108 コピー禁止情報通知部
109 受信部
110 ムーブ制御部
111 情報位置検出部
112 線速度計測部
113 レーザー制御部
114 送信部
200 追記型光ディスク
300 記録再生装置
401 ECCブロック
402 シンクコード
403 データ
404 シンクフレーム
501 ECCブロック
701 パターン
702 パターン
703 パターン
704 パターン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
追記型の記録媒体に記録されている情報を読み出して出力する信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体から情報を読み出す読み出し部と、
読み出した情報を他の記録媒体への記録装置に出力する送信部と、
複製を禁止されているコピー禁止情報が追記型の記録媒体から読み出されて他の記録媒体への記録装置に出力される場合に、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のうち少なくとも何れか一方の情報を、その記録領域に対する記録動作を行うことによって破壊し、前記コピー禁止情報を読み出し不能にする情報破壊部と、
を備えたことを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
請求項1の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報、および前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報の両方の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項3】
請求項2の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報とが前記追記型の記録媒体の連続した領域に記録されている場合に、前記連続した領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項4】
請求項2の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体の領域と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報が記録された領域との間に、未記録の領域、または破壊可能な情報が記録された領域が存在し、これらの3つの領域が連続している場合に、前記3つの領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項5】
請求項1の信号処理装置であって、
前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報は、
前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体上の位置を示す情報、および
前記コピー禁止情報を他の情報と識別するための情報、
のうちの少なくとも何れか1つの情報であることを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
請求項1の信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体は、追記型光ディスクであり、
前記情報破壊部は、レーザー光を前記追記型光ディスクに照射することによって、前記追記型光ディスクに記録されている情報を破壊するように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項7】
請求項1の信号処理装置であって、
前記読み出し部は、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出すように構成され、
前記情報破壊部は、前記ブロック内の全ての情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項8】
請求項1の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項9】
請求項1の信号処理装置であって、
前記追記型の記録媒体に記録された情報は、読み出しのタイミング生成に用いるシンク情報を含むものであって、
前記情報破壊部は、前記シンク情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項10】
請求項1の信号処理装置であって、
前記読み出し部は、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出すように構成され、
前記情報破壊部は、隣接した2つのブロックを連続して破壊する場合に、最初に破壊するブロックの末尾から次に破壊するブロックの先頭にかけて、連続して一度にそれぞれのブロック内のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にするように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項11】
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録する際に用いるレーザー光の発光強度と同等の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項12】
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度と情報を読み出し不能にするために必要最低限の発光強度との間の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項13】
請求項6の信号処理装置であって、
前記情報破壊部は、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度よりも大きな発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うように構成されていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項14】
請求項11から請求項13のうちの何れか1項の信号処理装置であって、
さらに、前記追記型光ディスクの回転速度を線速度一定制御、または角速度一定制御に制御する回転制御部を備えていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項15】
追記型の記録媒体に記録されている情報を読み出して出力する信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体から情報を読み出す読み出しステップと、
読み出した情報を他の記録媒体への記録装置に出力する送信ステップと、
複製を禁止されているコピー禁止情報が追記型の記録媒体から読み出されて他の記録媒体への記録装置に出力される場合に、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のうち少なくとも何れか一方の情報を、その記録領域に対する記録動作を行うことによって破壊し、前記コピー禁止情報を読み出し不能にする情報破壊ステップと、
を備えたことを特徴とする信号処理方法。
【請求項16】
請求項15の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報、および前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報の両方の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項17】
請求項16の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報とが前記追記型の記録媒体の連続した領域に記録されている場合に、前記連続した領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項18】
請求項16の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体の領域と前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報が記録された領域との間に、未記録の領域、または破壊可能な情報が記録された領域が存在し、これらの3つの領域が連続している場合に、前記3つの領域に対し、連続して記録動作を行うことによって前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項19】
請求項15の信号処理方法であって、
前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報は、
前記コピー禁止情報が記録されている前記追記型の記録媒体上の位置を示す情報、および
前記コピー禁止情報を他の情報と識別するための情報、
のうちの少なくとも何れか1つの情報であることを特徴とする信号処理方法。
【請求項20】
請求項15の信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体は、追記型光ディスクであり、
前記情報破壊ステップは、レーザー光を前記追記型光ディスクに照射することによって、前記追記型光ディスクに記録されている情報を破壊することを特徴とする信号処理方法。
【請求項21】
請求項15の信号処理方法であって、
前記読み出しステップは、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出し、
前記情報破壊ステップは、前記ブロック内の全ての情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項22】
請求項15の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記コピー禁止情報、または前記読み出し部が前記コピー禁止情報を読み出すために必要な情報のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項23】
請求項15の信号処理方法であって、
前記追記型の記録媒体に記録された情報は、読み出しのタイミング生成に用いるシンク情報を含むものであって、
前記情報破壊ステップは、前記シンク情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項24】
請求項15の信号処理方法であって、
前記読み出しステップは、前記追記型の記録媒体から情報を所定量のデータから成るブロック単位で読み出し、
前記情報破壊ステップは、隣接した2つのブロックを連続して破壊する場合に、最初に破壊するブロックの末尾から次に破壊するブロックの先頭にかけて、連続して一度にそれぞれのブロック内のエラー訂正限界範囲以上の情報を破壊することによって、前記コピー禁止情報を読み出し不能にすることを特徴とする信号処理方法。
【請求項25】
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録する際に用いるレーザー光の発光強度と同等の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする信号処理方法。
【請求項26】
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度と情報を読み出し不能にするために必要最低限の発光強度との間の発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする信号処理方法。
【請求項27】
請求項20の信号処理方法であって、
前記情報破壊ステップは、前記追記型光ディスクに情報を記録際に用いるレーザー光の発光強度よりも大きな発光強度のレーザー光を照射することによって、情報の破壊を行うことを特徴とする信号処理方法。
【請求項28】
請求項25から請求項27のうちの何れか1項の信号処理方法であって、
さらに、前記追記型光ディスクの回転速度を線速度一定制御、または角速度一定制御に制御する回転制御ステップを有することを特徴とする信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−155816(P2006−155816A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347407(P2004−347407)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】