説明

信号情報の異常判定装置。

【課題】信号機に関する信号情報のデータ異常を精度良く判断する。
【解決手段】車両に搭載される信号情報の異常判断装置10は、路側装置から信号機に関する信号情報を受信する受信機12と、受信機により受信される信号情報に異常が含まれるか否かを判断する異常判断処理部22と、を備える。受信機により受信される信号情報は、当該信号情報のバージョン情報と、信号機に関する信号機属性情報とを含んでいる。異常判断処理部22は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致しない場合に、信号情報にデータ異常が含まれることを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号機に関する信号情報の異常を判定する異常判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来文献(特許文献1)には、道路に沿って設けられた光ビーコンから光ビーコンの下を通過する車両に、車両の前方に存在する信号機に関する信号情報を送信する技術が示されている。この従来技術では、一の車両が信号情報の受信に失敗した場合に、後続車両に受信失敗を示す情報が送信される。
【特許文献1】特開2006−318053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光ビーコンから車両に送信される信号情報には、データ異常が含まれる場合がある。よって、車載装置に信号情報のデータ異常を判別する機能を設けて、データ異常を含む信号情報を利用した走行支援を行うことを防止することが好ましい。しかしながら、光ビーコンから車両に送信される信号情報は更新されている場合がある。例えば、信号情報の更新は、過去に設置されていた信号機から新規な信号機に交換された場合や、信号機の3色(赤、青、黄)の灯器の切替えタイミングが変更された場合などに発生する。このように信号情報が更新されるという事情が、信号情報のデータ異常の判断を困難にしている。
【0004】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、信号機に関する信号情報のデータ異常を精度良く判断可能な異常判断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明に係る、車両に搭載される信号情報の異常判断装置は、路側装置から信号機に関する信号情報を受信する受信機と、受信機により受信される信号情報に異常が含まれるか否かを判断する異常判断処理部と、を備え、受信機により受信される信号情報は、当該信号情報のバージョン情報と、信号機に関する信号機属性情報とを含んでおり、異常判断処理部は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致しない場合に、信号情報にデータ異常が含まれることを判断することを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、信号情報の異常判断装置は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号機属性情報が一致しない場合には、信号情報に矛盾があるため、信号情報にデータ異常が含まれることを判断する。よって、信号情報の異常判断装置は、信号情報のデータ異常を精度良く判断することができる。
【0007】
また、本発明に係る信号情報の異常判断装置において、異常判断処理部は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とが一致しない場合に、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断することが好ましい。この構成によれば、信号情報の異常判断装置は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とが一致しない場合には、信号情報のバージョンが更新されている状況であるため、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断する。よって、信号情報の異常判断装置は、バージョン更新後の正常な信号情報についてデータ異常を判断することを回避することができる。
【0008】
また、本発明に係る信号情報の異常判断装置において、異常判断装置は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致する場合に、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断することが好ましい。この構成によれば、信号情報の異常判断装置は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致する場合に、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断する。よって、信号情報の異常判断装置は、バージョン未更新の正常な信号情報についてデータ異常を判断することを回避することができる。
【0009】
また、本発明に係る信号情報の異常判断装置において、信号機属性情報は、信号機の灯器の切替え制御を示す信号サイクル情報や、信号機を構成する灯器の数を示す灯器数情報などとすればよい。
【0010】
また、本発明に係る信号情報の異常判断装置において、異常判断装置が信号情報のデータ異常を判断した場合に、車両の運転支援処理を禁止する運転支援処理部をさらに備えることが好ましい。この構成によれば、信号情報の異常判断装置は、信号情報のデータ異常を判断した場合に、当該信号情報を利用した車両の運転支援処理を禁止する。よって、データ異常を含む信号情報を利用して、車両の運転支援処理が実行されることを回避することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信号機に関する信号情報の異常を精度良く判断可能な異常判断装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素または同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る車載装置(信号情報の異常判断装置)10の概略的な構成を示すブロック図である。また、図2は、車載装置10を搭載した車両が、信号機5が設けられた道路を走行する際の様子を示す模式図である。以下、図1および図2を参照して、車載装置10について説明する。
【0014】
車載装置10は、道路に沿って設置された信号機5に関する信号情報の異常を判断するものである。車載装置10は、運転支援ECU20と、路車間通信機12と、車々間通信機16と、を備えている。
【0015】
路車間通信機12は、自車両1の周辺に存在するインフラストラクチャと通信を行うための処理部であり、路車間通信用アンテナ14を介してインフラストラクチャと通信する。路車間通信機12が通信可能なインフラストラクチャとしては、例えば、信号機5に関する信号情報S1を通過車両に送信するために路側に設けられた路側装置6や、カーブ路の先に存在する対向車両の情報を通過車両に送信するために路側に設けられた路側装置などである。
【0016】
図2には、車両が路側装置6と路車間通信する状況が示されている。道路には車両通過位置の上方に光ビーコン7が設けられており、路側装置6から光ビーコン7を介して車両に情報が送信される。ここで、路車間通信機12が受信する情報は、車両の進行方向前方に存在する信号機5に関する信号情報であり、信号情報のバージョン情報や信号機属性情報などを含む情報である。ここで、信号情報のバージョン情報とは、信号機5の構成や制御などが変更される度にバージョンアップされる情報であり、例えば、信号機が交換された際や信号機の切替え制御の設定が変更される際にバージョンアップされる情報である。また、信号機属性情報とは、信号機の構成又は制御に関する情報であり、例えば、信号機5において発光する灯器の切換え順序および切換えタイミングを示す信号サイクル情報や、信号機5に設けられた灯器数を示す灯器数情報などである。
【0017】
車々間通信機16は、自車両1の周辺に存在する他車両3と通信を行うための処理部であり、車々間通信用アンテナ18を介して他車両3と通信する。車々間通信機16は、自車両1の位置や速度などの情報を他車両3に送信すると共に、他車両3の位置や速度などの情報を他車両3から受信する。また、車々間通信機16は、他車両3との間でその他の有用な情報を送受信する。
【0018】
運転支援ECU20(Electronic Control Unit)は、路車間通信機12および車々間通信機16により受信されたデータを解析し、当該受信データに基づいてドライバの運転を支援するための運転支援制御を決定し実行するための処理部である。すなわち、運転支援ECU20は、受信データ解析部22および運転支援処理部24としての機能を備える。
【0019】
受信データ解析部22は、路車間通信機12および車々間通信機16により受信されたデータを解析する。例えば、受信データ解析部22は、他車両3の位置や速度などの情報を受信した場合には、自車両1に対する他車両3の相対位置や相対速度などを演算する。また、受信データ解析部22は、路側装置6から信号情報を受信した場合に、信号情報にデータ異常が含まれるか否かを判断するための異常判断処理部でもある。受信データ解析部22は、信号情報に含まれるバージョン情報、信号機属性情報(信号サイクル情報および灯器数情報)に基づいて信号情報にデータ異常が含まれるか否かを判断する。
【0020】
運転支援処理部24は、受信データに基づいてドライバの運転を支援するための運転支援制御を決定し実行する。例えば、運転支援処理部24は、自車両1に対する他車両3の相対位置が近く、かつ、自車両1に対する他車両3の相対速度が大きい場合には、ドライバに対して情報提供や警報などを行う。また、運転支援処理部24は、信号情報に基づき信号機5の発光色に応じた情報提供や警報などをドライバに対して行う。また、運転支援処理部24は、路側装置6からの信号情報にデータ異常が含まれる場合には、信号情報のデータ異常の通知情報S2を光ビーコン7を介して路側装置6に送信すると共に、信号情報のデータ異常の通知情報S3を後続車両3に送信する。
【0021】
図3には、運転支援ECU20による処理のフローチャートが示されている。図3の運転支援ECU20による処理は、自車両1が光ビーコン7の下を通過する際に行われる処理である。また、図3の運転支援ECU20による処理は、自車両1が過去に同じ位置を通過したことがあり、運転支援ECU20が、光ビーコン7から発信された過去の信号情報を保有することを前提としている。
【0022】
ステップ301において、運転支援ECU20は、光ビーコン7から発信される、自車両1の進行方向前方に存在する信号機5に関する信号情報を受信する。ここで、光ビーコン7から発信される信号情報には、信号情報のバージョン情報、信号サイクル情報、灯器数情報などが含まれている。
【0023】
次に、ステップ302,303,304において、運転支援ECU20は、過去に光ビーコン7から受信した信号情報と、ステップ301で受信した信号情報とを比較する。ここで、運転支援ECU20は、信号情報の各項目(信号情報のバージョン情報、信号サイクル情報、信号の灯器数)について比較を行う。
【0024】
ステップ302において、運転支援ECU20は、過去の信号情報のバージョン情報と現在の信号情報のバージョン情報とが一致しているか否かを判定する。ここで、運転支援ECU20は、二つの信号情報のバージョン情報が一致していることを判定した場合には、ステップ303の処理に進む。一方、運転支援ECU20は、二つの信号情報のバージョン情報が一致していないことを判定した場合には、ステップ305の処理に進む。
【0025】
なお、ステップ302で、運転支援ECU20が二つの信号情報のバージョン情報の一致を判定することは、過去に自車両1が光ビーコン7の下を通過した以後に信号機5に何の変更も加えられていないことを意味している。一方、運転支援ECU20が二つの信号情報のバージョン情報の不一致を判定することは、過去に自車両1が光ビーコン7の下を通過した以後に、信号機5が交換されたり、信号機5の切替え制御の設定が変更されたりして、信号情報がバージョンアップされていることを意味している。
【0026】
ステップ303において、運転支援ECU20は、過去の信号情報の信号サイクル情報と現在の信号情報の信号サイクル情報とが一致しているか否かを判定する。ここで、運転支援ECU20は、二つの信号サイクル情報が一致していることを判定した場合には、ステップ304の処理に進む。一方、運転支援ECU20は、二つの信号サイクル情報が一致していないことを判定した場合には、ステップ308の処理に進む。
【0027】
なお、ステップ303で、運転支援ECU20が二つの信号サイクル情報の一致を判定することは、過去に自車両1が光ビーコン7の下を通過した以後に信号機5の切替え制御の設定が変更されていないことを意味している。一方、運転支援ECU20が二つの信号サイクル情報の不一致を判定することは、信号サイクル情報にデータ異常が発生していること(例えば、過去の信号情報に含まれる信号サイクル情報で赤、青、黄の順序で切り替わるように設定されているところ、現在の信号情報に含まれる信号サイクル情報で赤、赤、黄の順序で切り替わるように設定されている場合)を意味している。
【0028】
ステップ304において、運転支援ECU20は、過去の信号情報の灯器数情報と現在の信号情報の灯器数情報とが一致しているか否かを判定する。ここで、運転支援ECU20は、二つの灯器数情報が一致していることを判定した場合には、ステップ306の処理に進む。一方、運転支援ECU20は、二つの灯器数情報が一致していないことを判定した場合には、ステップ308の処理に進む。
【0029】
運転支援ECU20が二つの灯器数情報の一致を判定することは、過去に自車両1が光ビーコン7の下を通過した以後に信号機5の灯器が変更されていないことを意味している。一方、運転支援ECU20が二つの灯器数情報の不一致を判定することは、灯器数情報にデータ異常が発生していることを意味している。
【0030】
ステップ302からステップ305に進んだ場合には、運転支援ECU20は、過去の信号情報のバージョン情報と現在の信号情報のバージョン情報とが不一致であるため、信号機5が交換されたこと又は信号機5が切替え制御の設定が変更されたことを判断する。この場合、運転支援ECU20は、ステップ306に進んで路側装置6が正常に稼動していることを判断し、さらにステップ307に進んで運転支援制御を実施する。
【0031】
ステップ304からステップ306に進んだ場合には、運転支援ECU20は、過去の信号情報の各項目(バージョン情報、信号サイクル情報、灯器数情報)と現在の信号情報の各項目とが一致しており、信号機5に関して何の変更も加えられていないため、ステップ306に進んで路側装置6が正常に稼動していることを判断し、さらにステップ307に進んで運転支援制御を実施する。
【0032】
ステップ303からステップ308に進んだ場合には、運転支援ECU20は、過去のバージョン情報と現在のバージョン情報とが一致しているのに過去の信号サイクル情報と現在の信号サイクル情報とが不一致であり二つの信号情報が矛盾しているため、信号情報にデータ異常が含まれていることを判断する。
【0033】
同様に、ステップ304からステップ308に進んだ場合には、運転支援ECU20は、過去のバージョン情報と現在のバージョン情報とが一致しているのに過去の灯器数情報と現在の灯器数情報とが不一致であり二つの信号情報が矛盾しているため、信号情報にデータ異常が含まれていることを判断する。
【0034】
運転支援ECU20は、光ビーコン7から送られてくる信号情報にデータ異常が含まれていることを判断した場合には、ステップ309の処理に進んで、正常な信号情報を受信できないために運転支援制御を実施できない旨をドライバに通知すると共に、データ異常を含む信号情報を利用した運転支援制御を禁止する。
【0035】
次に、運転支援ECU20は、ステップ310の処理に進んで、信号情報にデータ異常が検出されたことを示す異常検知情報を、光ビーコン7を介して路側装置6に送信する。この異常検知情報は、自車両1の車両ID(識別情報)、異常フラグ、異常検知時刻の情報を含んでいる。
【0036】
さらに、運転支援ECU20は、ステップ311の処理に進んで、信号情報にデータ異常が検出されたことを示す異常検知情報を後続車両3に送信する。この異常検知情報は、自車両1の車両ID、路側装置6の装置ID、異常フラグ、異常検知時刻の情報を含んでいる。その後、運転支援ECU20は、処理を終了する。
【0037】
図4には、路側装置6によるデータ異常対処処理のフローチャートが示されている。
【0038】
ステップ401において、路側装置6は、データ異常フラグカウント値Deに初期値としてゼロをセットする。このステップ401の処理は、例えば、路側装置6の起動時に行われる。その後、ステップ402において、路側装置6は、車両が光ビーコン7の下を通過する度に、当該車両に車両進行方向前方に存在する信号機5に関する信号情報を送信する。
【0039】
ステップ403において、路側装置6は、通過車両から異常検知情報を受信したか否かを判定する。ここで、路側装置6は、通過車両から異常検知情報を受信した場合には、ステップ405の処理に進む。一方、路側装置6は、通過車両から異常検知情報を受信しなかった場合には、ステップ404の処理に進んで路側装置6が正常に稼動していることを判断し、その後、ステップ402の処理に進んで別の車両が光ビーコン7の下を通過するまで待機する。
【0040】
ステップ405において、路側装置6は、通過車両からの異常検知情報を記録する。すなわち、路側装置6は、異常検知情報に含まれる車両ID、異常検知フラグ、異常検知時刻をメモリに記録する。また、ステップ406において、路側装置6は、データ異常フラグカウント値Deをインクリメント(De = De+1)する。
【0041】
ステップ407において、路側装置6は、異なる通過車両から異常検知情報を一定時間の間に連続して受信したか否かを判定する。すなわち、路側装置6は、異常検知情報を送信した通過車両の車両IDが全て異なり、データ異常フラグカウント値Deが規定回数(本実施形態では5)以上であり、かつ、メモリに記録された異常検知時刻が一定時間範囲内であるか否かを判定する。ここで、路側装置6は、当該条件を満たす場合には、路側装置6の異常を認識し、ステップ408の処理に進む。一方、路側装置6は、当該条件を満たさない場合には、ステップ402に進んで別の車両が光ビーコン7の下を通過するまで待機する。
【0042】
ステップ408において、路側装置6は、自己の稼動を一度停止し、自己を再起動させる。このように、路側装置6が再起動することにより、路側装置6の信号情報送信機能が復旧する場合があるため、路側装置6からデータ異常を含んだ信号情報が送信される確率を少なくすることができる。さらには、データ異常を含んだ信号情報を受信した車両が、誤った運転支援処理を実行する確率を少なくすることができる。
【0043】
ステップ409において、路側装置6は、ステップ408における路側装置6の再起動処理が二回以上繰り返し実行された否かを判定する。ここで、路側装置6は、再起動が繰り返し実行された場合には、信号情報のデータ異常は回復不能であると判断して、ステップ410の処理に進む。一方、路側装置6は、再起動が繰り返し実行されていない場合には、信号情報のデータ異常は回復済みであると判断して、ステップ402に進んで別の車両が光ビーコン7の下を通過するまで待機する。
【0044】
ステップ410において、路側装置6は、信号情報のデータ異常は回復不能であるため、路側装置6の稼動を停止し、データ異常を含んだ信号情報の送信を中止する。そして、ステップ411において、路側装置6は、別の場所に設けられている管理センターに異常を送信する。管理センターに通報することにより、路側装置6を迅速に復旧させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態に係る車載装置の構成図である。
【図2】路車間通信および車々間通信の概要を示す模式図である。
【図3】車載装置による処理を示すフローチャートである。
【図4】路側装置による処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
1…車両、10…車載装置(異常判断装置)、12…路車間通信機、14…路車間通信用アンテナ、16…車々間通信機、18…車々間通信用アンテナ、20…運転支援ECU、22…受信データ解析部(異常判断処理部)、24…運転支援処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される信号情報の異常判断装置であって、
路側装置から信号機に関する信号情報を受信する受信機と、
前記受信機により受信される信号情報に異常が含まれるか否かを判断する異常判断処理部と、
を備え、
前記受信機により受信される信号情報は、当該信号情報のバージョン情報と、信号機に関する信号機属性情報とを含んでおり、
前記異常判断処理部は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致しない場合に、信号情報にデータ異常が含まれることを判断することを特徴とする信号情報の異常判断装置。
【請求項2】
前記異常判断処理部は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とが一致しない場合に、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断することを特徴とする請求項1に記載の信号情報の異常判断装置。
【請求項3】
前記異常判断装置は、過去に受信した信号情報に含まれるバージョン情報とその後に受信した信号情報に含まれるバージョン情報が一致し、かつ、過去に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とその後に受信した信号情報に含まれる信号機属性情報とが一致する場合に、信号情報にデータ異常が含まれないことを判断することを特徴とする請求項1に記載の信号情報の異常判断装置。
【請求項4】
前記信号機属性情報は、前記信号機の灯器の切替え制御を示す信号サイクル情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号情報の異常判断装置。
【請求項5】
前記信号機属性情報は、前記信号機を構成する灯器の数を示す灯器数情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号情報の異常判断装置。
【請求項6】
前記異常判断装置が信号情報のデータ異常を判断した場合に、車両の運転支援処理を禁止する運転支援処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の信号情報の異常判断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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