説明

倉庫作業計画作成装置

【課題】倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を短時間で作成すること。
【解決手段】先行関係生成部15bが、各製品の船積み作業の先行後続関係を示す先行関係データを生成し、目標船積み時刻計算部15cが、先行関係生成部15bによって生成された先行関係データを用いて、各製品の目標船積み作業時刻を算出し、倉庫作業時刻決定部15dが、目標船積み時刻計算部15cによって算出された各製品の目標船積み作業時刻までに製品を製品置場に搬送するように倉庫内の作業計画を作成すると共に、目標船積み作業時刻までに製品置場に搬送することができない製品がある場合、先行関係データを用いてその製品の船積み作業およびその船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻を修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を作成する倉庫作業計画作成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の棟によって構成されている倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業では、製品の出荷時期が近づくと、製品は船積みのために各棟から船舶が停泊している岸壁に設けられた製品置場へと搬送される。そして、製品置場に搬送された製品は、岸壁に設けられた船積みクレーンによって船舶のハッチ内に積み込まれる。なお、製品置場への製品の搬送方法は、製品が保管されている棟の位置と製品置場の位置とによって異なる。すなわち、製品が保管されている棟に設けられた倉庫クレーンの可動域内に製品置場がある場合、製品は倉庫クレーンを利用して直接製品置場に搬送される。一方、倉庫クレーンの可動域外に製品置場がある場合には、製品は、倉庫クレーンを利用して各棟の車両搬入出間口に出庫された後、フォークリフトや運搬車両などの運搬設備を利用して製品置場に搬送される。
【0003】
このような出荷作業では、製品置場への製品の搬送作業が特定の時間帯に集中した場合、倉庫クレーンや運搬設備の作業負荷が上がり、製品置場への製品の到着時刻が遅れる、いわゆる荷切れが発生する。製品置場において荷切れが発生した場合には、製品の船積み作業が中断されることになるために、物流リードタイムや船舶の滞船時間が長くなり、結果として、物流効率が低下して物流コストが増加する。このため、荷切れが発生しないように出荷作業の作業計画を作成する方法として様々なものが提案されている。
【0004】
しかしながら、出荷作業の作業計画を作成するために要する時間は、出荷作業に用いられる出荷設備の規模(例えば製品数、倉庫の棟数、船積みクレーン数、船舶が停泊可能なバース数、および船舶の大きさなど)が大きくなるにつれて増大する。また、出荷作業は、工場の操業変動、天候、船の運航状況変動などの要因による影響を受けやすいために、作成された作業計画が利用できなくなり、作業計画を再作成しなければならなくなることがある。
【0005】
このような背景から、特許文献1には、出荷作業の作業計画を再作成する頻度を低減するための製品物流制御装置が開示されている。この製品物流制御装置は、作成された作業計画と実際の出荷作業とのずれを監視し、ずれの大きさが基準値を超えた場合であって、製品置場において荷切れが発生することが予測される場合には、荷切れ発生作業を優先的に実行させるように割り込み処理を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−236105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の装置によれば、出荷設備が大規模である場合、荷切れ発生のために行った割り込み処理が、他の作業に影響を与え、さらに長時間の荷切れによって船積みが中断されてしまうことがある。また、外乱によって複数の船積みクレーンにおいて同時に荷切れの発生が予測される場合、割り込み処理の優先順位を適切に決定することは難しい。従って、特許文献1記載の装置によれば、出荷設備が大規模である場合、荷切れの発生を抑制することは難しい。なお、このような問題を解決するために、出荷設備全体を見渡した計画修正若しくは再計画を行うことによって、出荷設備全体での荷切れ低減および作業効率の向上を図ることが考えられる。ところが、作業計画の作成には多くの計画時間を要することから、現実の操業において計画修正若しくは再計画を何度も実行することは困難である。このため、出荷作業の作業計画を短時間で作成可能な倉庫作業計画作成装置の提供が期待されている。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を短時間で作成可能な倉庫作業計画作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の倉庫作業計画作成装置は、倉庫内に保管されている製品を岸壁に設けられた製品置場に搬送し、岸壁に設けられた船積みクレーンを利用して製品置場に搬送された製品を岸壁に停泊する船舶のハッチ内に積み込む出荷作業の作業計画を作成する倉庫作業計画作成装置であって、製品を搬送する製品置場の位置、製品の積み込みに使用する船積みクレーン、製品を積み込む船舶のハッチ位置、および各ハッチにおける製品の船積み順序に従って、各製品の船積み作業の先行後続関係を示す先行関係データを生成する先行関係生成部と、前記先行関係生成部によって生成された先行関係データを用いて、各製品の目標船積み作業時刻を算出する目標船積み時刻計算部と、前記目標船積み時刻計算部によって算出された各製品の目標船積み作業時刻までに製品を前記製品置場に搬送するように倉庫内の作業計画を作成すると共に、目標船積み作業時刻までに製品を該製品置場に搬送することができない製品がある場合、前記先行関係データを用いて該製品の船積み作業および該船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻を修正する倉庫作業時刻決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る倉庫作業計画作成装置によれば、製品の目標船積み時刻を仮決定し、仮決定した製品の目標船積み時刻に基づいて倉庫内での作業の作業計画を作成するので、倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を短時間で作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムが作業計画を作成する対象とする出荷設備の一構成例を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、仕様情報テーブル、管理情報テーブル、および在庫情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、倉庫クレーン作業実績テーブル、船積みクレーン作業実績テーブル、および運搬作業実績テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、車両運搬計画テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、船積み作業計画テーブルおよび船積みグループ内訳テーブルの一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態である倉庫作業計画作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、出荷製品情報の一例を示す図である。
【図9】図9は、在庫情報の一例を示す図である。
【図10】図10は、入庫作業情報の一例を示す図である。
【図11】図11は、緊急出庫計画情報の一例を示す図である。
【図12】図12は、船積み計画情報の一例を示す図である。
【図13】図13は、先行関係データの一例を模式的に示した概念図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、オペレータ割付計画情報の一例を示す図である。
【図16】図16は、棟越製品出庫作業リストの一例を示す図である。
【図17】図17は、岸壁の製品容量を考慮した割付推奨時間帯の開始時刻の算出方法を説明するための図である。
【図18】図18は、割付推奨時間帯の終了時刻の算出方法を説明するための図である。
【図19】図19は、倉庫クレーンの負荷情報の一例を示す図である。
【図20】図20は、図19に示す倉庫クレーンの負荷情報に入庫作業の負荷情報を加えた図である。
【図21】図21は、オペレータの余裕人数情報の算出方法を説明するための図である。
【図22】図22は、車両出荷作業計画の割付方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムの構成および動作について説明する。
【0013】
〔倉庫の構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムが作業計画を作成する対象とする出荷設備の構成について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムが作業計画を作成する対象とする出荷設備の一構成例を示す模式図である。図1に示す出荷設備は、複数のバースA,B,Cに停泊している船舶によって出荷される製品を保管する複数の製品倉庫1a,1b,1cを備えている。各製品倉庫は、複数の棟1a1〜1a3,1b1〜1b3,1c1〜1c3によって構成されている。工場内で製造された製品は、梱包された後、運搬車両やコンベアなどによって各棟に運搬される。各棟には、各棟に搬入出される製品の荷役を行う倉庫クレーン2a1〜2a3,2b1〜2b3,2c1〜2c3が設けられている。
【0015】
棟間およびバースA〜Cへの製品の搬送は、製品3が荷役される台車4aと台車4aを牽引する牽引部4bとが分離可能な運搬車両4やフォークリフト5によって行うことができる。運搬車両4を利用して製品を搬送する場合、棟内に保管されている製品3は、製品倉庫1a〜1cの各棟を貫く搬入出間口6a,6b,6cに台車4aを置き、各棟の倉庫クレーンによって台車4aに製品3を荷役した後、牽引部4bによって台車4aを運び出すことにより、他の棟又はバースA〜Cへと搬送される。搬入出間口6a〜6cは、運搬車両4の通路としても利用される。
【0016】
運搬車両4によって各棟から搬出された製品3は、船舶7a,7b,7cが船付けされるバースA〜Cの製品置場A−1,A−2,B−1,B−2,C−1,C−2に載置される。各船舶には、製品3が積み込まれる複数のハッチ7a1,7a2,7b1,7b2,7c1,7c2が設けられている。各バースには、製品置場に載置された製品3を船舶7a,7b,7cのハッチ内に積み込むための船積みクレーン8a,8b,8cが設けられている。各船積みクレーンは船舶の複数のハッチ間を移動可能に構成されている。
【0017】
〔倉庫作業計画作成システムの構成〕
次に、図2を参照して、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムの構成について説明する。
【0018】
図2は、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成システム10は、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成され、計画対象情報保存装置11、出荷条件入力装置12、設備情報データベース(DB)13、計画条件入力装置14、計画作成装置15、および計画出力装置16を備えている。計画対象情報保存装置11は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成され、出荷設備における作業計画を作成するために必要な各種情報を記憶している。
【0019】
計画対象情報保存装置11は、製品情報データベース(DB)11a、進捗状況データベース(DB)11b、車両運搬計画情報データベース(DB)11c、および出荷計画データベース(DB)11dを備えている。製品情報DB11aは、複数の製品毎の仕様情報を示す仕様情報テーブル、複数の製品毎の梱包日時および出荷日時に関する情報を示す管理情報テーブル、および複数の製品毎の倉庫内における保管場所に関する情報を示す在庫情報テーブルを記憶している。
【0020】
図3(a)〜(c)はそれぞれ、仕様情報テーブル、管理情報テーブル、および在庫情報テーブルの一例を示す図である。図3(a)に示すように、仕様情報テーブルは、製品毎に付与された固有の識別情報(製品ID)と、製品IDに対応する製品の幅、外径、重量、品種、および納入先に関するデータとを関連付けして記憶している。
【0021】
図3(b)に示すように、管理情報テーブルは、製品ID、製品IDに対応する製品の梱包フラグ(値が1である場合は製品が梱包済みであることを示し、値が0である場合には製品が梱包済みでないことを示すフラグ)、製品IDに対応する製品の梱包日時(予定/実績)、製品IDに対応する製品の出荷フラグ(値が1である場合は製品が出荷済みであることを示し、値が0である場合は製品が出荷済みでないことを示すフラグ)、製品IDに対応する製品の出荷日時(予定/実績)、および製品IDに対応する製品の出荷作業に使われる設備(クレーン、船、トラックなど)に関するデータを関連付けして記憶している。
【0022】
図3(c)に示すように、在庫情報テーブルは、製品ID、製品IDに対応する製品が保管されている棟に付与された固有の識別情報(棟ID)、製品IDに対応する製品が保管されている棟内の行番号、および製品IDに対応する製品が保管されている棟内の列番号に関するデータを関連付けして記憶している。
【0023】
進捗状況DB11bは、倉庫クレーン2a1〜2a3,2b1〜2b3,2c1〜2c3の作業情報を示す倉庫クレーン作業実績テーブル、船積みクレーン8a,8b,8cの作業情報を示す船積みクレーン作業実績テーブル、および運搬車両4の作業情報を示す運搬作業実績テーブルを記憶している。
【0024】
図4(a)〜(c)はそれぞれ、倉庫クレーン作業実績テーブル、船積みクレーン作業実績テーブル、および運搬作業実績テーブルの一例を示す図である。図4(a)に示すように、倉庫クレーン作業実績テーブルは、倉庫クレーン2a1〜2a3,2b1〜2b3,2c1〜2c3に付与された固有の識別情報(倉庫クレーンID)、倉庫クレーンIDに対応する倉庫クレーンが配置されている棟の棟ID、倉庫クレーンIDに対応する倉庫クレーンが搬送する製品の製品ID、製品の搬送作業が完了した日時、製品の搬送元の行番号および列番号(CVは、製品の搬送元がコンベア、すなわち工場であることを示す)、製品の搬送先の行番号および列番号、および作業種(搬入作業の場合にはIN、搬出作業の場合にはOUT)に関するデータを関連付けして記憶している。
【0025】
図4(b)に示すように、船積みクレーン作業実績テーブルは、船積みクレーン8a,8b,8cに付与された固有の識別情報(船積みクレーンID)、船積みクレーンIDに対応する船積みクレーンが設置されているバースに付与された固有の識別情報(バースID)、船積みクレーンIDに対応する船積みクレーンが搬送する製品の製品ID、製品の搬送作業が完了した日時、および船積みする製品が属する船積みグループに付与された固有の識別情報(船積みGr.No.)に関するデータを関連付けして記憶している。
【0026】
図4(c)に示すように、運搬作業実績テーブルは、運搬車両4に付与された固有の識別情報(車両No.)、車両No.に対応する運搬車両4が運搬する製品が属するロットに付与された固有の識別情報(運搬ロットNo.)、車両No.に対応する運搬車両4が運搬する製品の製品ID、運搬作業が完了した時刻、および運搬車両4が運搬する製品の搬送元および搬送先に関するデータを関連付けして記憶している。
【0027】
車両運搬計画情報DB11cは、運搬車両4を利用した製品倉庫1a,1b,1cへの製品の入庫作業および製品倉庫1a,1b,1cからの製品の出庫作業(緊急出庫作業)に関する情報を示す車両運搬計画テーブルを記憶している。図5は、車両運搬計画テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、車両運搬計画テーブルは、製品の製品ID、運搬車両4が到着する棟の棟ID、運搬車両4の到着予定時刻(搬入出間口到着予定時刻)、運搬車両4が行う作業が入庫作業と出庫作業とのいずれの作業であるかを示す入出庫種別、および運搬車両4が搬送する製品の運搬ロットNo.に関するデータを関連付けして記憶している。
【0028】
出荷計画DB11dは、製品の出荷作業に関する情報を示す船積み作業計画テーブル、および船舶7a,7b,7cに船積みされる製品グループの構成を示す船積みグループ内訳テーブルを記憶している。図6(a),(b)はそれぞれ、船積み作業計画テーブルおよび船積みグループ内訳テーブルの一例を示す図である。図6(a)に示すように、船積み作業計画テーブルは、船積みGr.No.、船積みGr.No.に含まれる製品群が船積みされる船舶に付与された固有の識別情報(運搬船ID)、船積みGr.No.に対応する製品グループが船積みされるハッチに付与された固有の識別情報(ハッチNo.)、船積みGr.No.に対応する製品グループの船積み開始時刻、船積みGr.No.に対応する製品グループの船積み終了時刻、運搬船IDに対応する船舶が停泊するバースのバースID、および船積みGr.No.に対応する製品グループを船積みする際に使用される船積みクレーンの船積みクレーンIDに関するデータを関連付けして記憶している。図6(b)に示すように、船積みグループ内訳テーブルは、船積みGr.No.と、船積みGr.No.に対応する船積みグループに含まれる製品の製品IDに関するデータとを関連付けして記憶している。
【0029】
出荷条件入力装置12は、グラフィカルユーザインタフェイスによって構成され、オペレータが計画対象情報保存装置11内に記憶されているデータを作成、修正する際に操作されるものである。設備情報データベース(DB)13は、倉庫作業計画を作成するための各種パラメータ(例えばクレーン設備(倉庫クレーンおよび船積みクレーン)の標準荷役時間、運搬車両の標準運搬時間、作業間の先行後続関係条件など)や設備の休止情報、設備を操作するオペレータの配置情報、優先して作業することが必要な緊急指定材などに関する情報を計画条件データとして記憶している。計画条件入力装置14は、キーボード、テンキー、マウスポインタなどの情報入力装置によって構成され、オペレータの操作入力情報や設備情報DB13内に記憶されている計画条件データを計画作成装置15に出力する。
【0030】
計画作成装置15は、CPUなどの演算処理装置がROMなどの記憶装置内に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、作業作成部15a、先行関係生成部15b、目標船積み時刻計算部15c、および倉庫作業時刻決定部15d(緊急出庫作業割付部15d1、棟越製品出庫作業割付部15d2、入庫作業割付部15d3、直接浜出し作業割付部15d4)として機能する。作業作成部15a、先行関係生成部15b、目標船積み時刻計算部15c、および倉庫作業時刻決定部15dの機能については後述する。計画出力装置16は、液晶ディスプレイやプリンタなどの出力装置によって構成され、計画作成装置15に接続されている。計画出力装置16は、計画作成装置15によって作成された倉庫作業計画を出力する。
【0031】
〔倉庫作業計画作成処理〕
このような構成を有する倉庫作業計画作成システム10は、以下に示す倉庫作業計画作成処理を実行することによって、倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を作成する。以下、図7および図14に示すフローチャートを参照して、本発明の第1および第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理を実行する際の倉庫作業計画作成システム10の動作について説明する。
【0032】
〔第1の実施形態〕
始めに、図7に示すフローチャートを参照して、本発明の第1の実施形態である倉庫作業計画作成処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施形態である倉庫作業計画作成処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、オペレータが計画条件入力装置14を操作することによって倉庫作業計画の作成指示を入力したタイミングで開始となり、倉庫作業計画作成処理はステップS1の処理に進む。
【0033】
ステップS1の処理では、作業作成部15aが、図6(a)に示す船積み作業計画テーブルおよび図6(b)に示す船積みグループ内訳テーブルを参照して、計画対象期間内に出荷する製品に関する情報を出荷製品情報として作成する。図8は、出荷製品情報の一例を示す図である。図8に示すように、出荷製品情報は、出荷する製品に付与された製品ID、出荷する製品が載置される製品置場、製品を船積みする運搬船に付与された運搬船ID、製品を船積みする際に使用する船積みクレーンに付与された船積みクレーンID、製品を積み込む運搬船のハッチに付与されたハッチNo.、および運搬船に製品を積み込む順序(但し、製品1個ずつの積み込み順序を決めずに製品のグループ単位で積み込み順序を指定する場合もある)に関する情報を含む。なお、運搬船に製品を積み込む順序は、ハッチの形状や大きさ、積み込む製品の幅、外径、重量に応じて予め決められている。例えば、重量が大きい製品ほど先に(下になるように)積み込まれるように積み込み順序が決められている。また、同じ列に積み込まれる製品はできるだけ同じ幅である方がよいので、そのような位置関係になるように積み込み順序が決められている。これにより、ステップS1の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS2の処理に進む。
【0034】
ステップS2の処理では、作業作成部15aが、図3(c)に示す在庫情報テーブルを参照して、倉庫内に保管されている製品に関する情報を在庫情報として抽出する。図9は、在庫情報の一例を示す図である。図9に示すように、在庫情報は、製品に付与された製品ID、製品IDに対応する製品が保管されている棟の棟ID、製品IDに対応する製品が保管されている棟内の行番号、および製品IDに対応する製品が保管されている棟内の列番号に関する情報を含む。これにより、ステップS2の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS3の処理に進む。
【0035】
ステップS3の処理では、作業作成部15aが、図4(a)に示す倉庫クレーン作業実績テーブルおよび図5に示す車両運搬計画テーブルを参照して、倉庫クレーンや運搬車両によって工場から製品倉庫に搬送されてくる製品に関する情報を入庫作業情報として抽出する。図10は、入庫作業情報の一例を示す図である。図10に示すように、入庫作業情報は、製品に付与された製品ID、製品IDに対応する製品が含まれる運搬ロットに付与された固有の識別情報(運搬ロットID)、製品IDに対応する製品が搬送される棟の棟ID、および製品IDに対応する製品の棟への到着予定時刻(倉庫到着予定日時)に関する情報を含む。これにより、ステップS3の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS4の処理に進む。
【0036】
ステップS4の処理では、作業作成部15aが、図5に示す車両運搬計画テーブルを参照して、納期が至近に迫った製品など、緊急に出庫が必要となった製品の出庫計画に関する情報を緊急出庫計画情報として作成する。具体的には、作業作成部15aは、図5に示す車両運搬計画テーブルにおいて入出庫種別が“出庫”に設定されている作業に関する情報を緊急出庫計画情報として作成する。図11は、緊急出庫計画情報の一例を示す図である。図11に示すように、緊急出庫計画情報は、製品に付与された製品ID、製品IDに対応する製品が含まれる運搬ロットの運搬ロットID、製品IDに対応する製品が搬送される棟の棟ID、および製品IDに対応する製品の棟への到着予定時刻(倉庫到着予定日時)に関する情報を含む。これにより、ステップS4の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS5の処理に進む。
【0037】
ステップS5の処理では、作業作成部15aが、図6(a)に示す船積み作業計画テーブルおよび図6(b)に示す船積みグループ内訳テーブルを参照して、各運搬船が製品の船積みの際に使用する設備や船積み作業日時に関する情報を船積み計画情報として作成する。図12は、船積み計画情報の一例を示す図である。図12に示すように、船積み計画情報は、製品が積み込まれる運搬船の運搬船ID、製品が積み込まれるハッチのハッチNo.、製品の船積みに利用される船積みクレーンの船積みクレーンID、製品が載置される製品置場、製品の荷役開始予定時刻、製品の荷役終了予定時刻、および製品の最早荷役開始可能時刻に関する情報を含む。これにより、ステップS5の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS6の処理に進む。
【0038】
ステップS6の処理では、作業作成部15aが、出荷製品を運搬車両1台分にまとめて運搬する作業に関する情報を倉庫作業データとして作成する。具体的には、作業作成部15aは、ステップS1の処理によって作成された出荷製品情報に含まれる各製品について、製品が搬送される製品置場と製品が保管されている棟又は製品が入庫予定の棟との位置を比較する。そして、作業作成部15aは、製品が搬送される製品置場が製品が保管されている棟又は製品が入庫予定の棟のすぐ前にある場合、その製品を倉庫クレーンを用いた出荷作業(直接浜出し作業)を行う製品として分類し、そうでない場合には、その製品を運搬車両4やフォークリフト5を用いた出荷作業(棟越製品出庫作業)を行う製品として分類する。
【0039】
また、作業作成部15aは、棟越製品出庫作業を行う製品について、以下に示す台車ロットまとめ条件を満たす製品を同じ台車4aで搬送するロットとしてまとめる(台車ロットまとめ)。なお、1つの台車4aに積載可能な製品数には上限がある。このため、作業作成部15aは、その上限値を超えない範囲で台車ロットまとめを行う。そして、作業作成部15aは、同じ台車4aにまとめられた製品を運搬車両4による棟越製品出庫作業を行う製品、同じ台車4aにまとめられなかった製品をフォークリフト5による棟越製品出庫作業を行う製品として分類する。なお、作業作成部15aは、設備情報DB13内に格納されている計画条件データを参照して、倉庫クレーンおよび船積みクレーンの荷役作業、荷役前の準備作業などの作業情報も倉庫作業データとして作成する。これにより、ステップS6の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS7の処理に進む。
【0040】
〔台車ロットまとめ条件〕
(1)運搬船IDおよびハッチNo.が同じ
(2)棟IDが同じ
(3)製品置場が同じ
(4)船積み順の差が基準値以下
【0041】
ステップS7の処理では、先行関係生成部15bが、以下に示す先行関係生成条件に従って、ステップS5の処理によって作成された船積み計画情報内に規定されている各船積み作業の先行後続関係を示す先行関係データを生成する。これにより、ステップS7の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS8の処理に進む。
【0042】
〔先行関係生成条件〕
(1)2つの船積み作業が同一の船積みクレーンを使用する
(2)2つの船積み作業が同一の船舶および同一のハッチを使用する
(3)2つの船積み作業が同一の製品置場を使用する
(4)2つの船積み作業が、同一のバース、且つ、異なる船舶を使用する
【0043】
ここで、上記ステップS7の処理によって生成される先行関係データの一例について説明する。図13は、先行関係データの一例を模式的に示した概念図である。図13に示す先行関係データは、以下に示す船積み作業の先行後続関係を示している。
【0044】
(1−1)運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「1号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W1の後に、運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#2」であるハッチに「1号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−1」に載置されている製品を船積みする船積み作業W4を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(1)に従って生成される。
【0045】
(1−2)運搬船IDが「F518」である船舶のハッチNo.が「#2」であるハッチに「2号」の船積みクレーンを用いて製品置場「B−1」に載置されている製品を船積みする船積み作業W2の後に、運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「2号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W5を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(1)に従って生成される。
【0046】
(1−3)運搬船IDが「QL35」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「3号」の船積みクレーンを用いて製品置場「C−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W3の後に、運搬船IDが「J321」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「3号」の船積みクレーンを用いて製品置場「B−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W6を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(1)に従って生成される。
【0047】
(2)運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「1号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W1の後に、運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「2号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W5を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(2)に従って生成される。
【0048】
(3)運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「1号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W1の後に、運搬船IDが「F425」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「2号」の船積みクレーンを用いて製品置場「A−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W5を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(3)に従って生成される。
【0049】
(4)運搬船IDが「F518」である船舶のハッチNo.が「#2」であるハッチに「2号」の船積みクレーンを用いて製品置場「B−1」に載置されている製品を船積みする船積み作業W2の後に、運搬船IDが「J321」である船舶のハッチNo.が「#1」であるハッチに「3号」の船積みクレーンを用いて製品置場「B−2」に載置されている製品を船積みする船積み作業W6を行う。この先行関係データは先行関係生成条件(4)に従って生成される。
【0050】
ステップS8の処理では、目標船積み時刻計算部15cが、ステップS7の処理によって生成された先行関係データに従って、各船積み作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。具体的には、目標船積み時刻計算部15cは、ステップS1の処理によって作成された出荷製品情報を参照して、先行順に各船積み作業に含まれる製品を特定し、特定した製品の目標船積み作業時刻を計画対象期間に割り付けていく。なお、船積み作業の作業計画を割り付ける際には、目標船積み時刻計算部15cは、製品置場の容量制約(製品置場に配置可能な台車4aの数の最大値)を考慮して運搬車両4の待ち時間が短くなるように船積み作業の作業計画を割り付けていく。また、船積み作業に先行して行われる出庫作業の作業負荷が高い時間帯については、前後する船積み作業の間に空き時間を設定するようにしてもよい。これにより、ステップS8の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS9の処理に進む。
【0051】
ステップS9の処理では、緊急出庫作業割付部15d1が、ステップS4の処理によって作成された緊急出庫計画情報を参照して、緊急出庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。緊急出庫作業の作業計画を割り付ける際には、緊急出庫作業割付部15d1は、搬入出間口の容量制約(配置可能な台車4aの数の最大値)および倉庫クレーンを操作するオペレータの人数を制約条件として緊急出庫作業の作業計画を割り付ける。これにより、ステップS9の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS10の処理に進む。
【0052】
ステップS10の処理では、棟越製品出庫作業割付部15d2が、ステップS6の処理によって棟越製品出庫作業を行う製品として分類された製品の出庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。具体的には、棟越製品出庫作業割付部15d2は、空き台車を搬入出間口まで運搬する作業(運搬車の作業),倉庫で出庫製品を空き台車に積み込む作業(倉庫クレーンの作業),製品が積み込まれた台車を製品置場まで運搬する作業(運搬車の作業),および製品置場で製品を船に積み込む作業(船積みクレーンの作業)の作業計画を計画対象期間に割り付ける。この際、棟越製品出庫作業割付部15d2は、製品の出庫作業を対応する製品の船積み作業に先行して行うことができない場合、その製品の船積み作業の目標船積み作業時刻とその製品の船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻とを後方に(時刻が遅くなるように)シフトする。
【0053】
棟越製品出庫作業割付部15d2は、船積み作業の待ち時間と各設備の負荷が上限値を超える時間の最小化(平準化)とを評価値とし、車両出荷作業の負荷が上限値以下となること、その他の設備や製品に関する制約(例えば使用可能な設備数など)、および対応する製品の船積み作業より倉庫作業が先行することとを制約条件として、棟越製品出庫作業の作業計画を計画対象期間内に割り付ける。なお、ここで解かれる計画問題は、使用できる設備に上限がある制約の下で計画を立てる問題であるので、資源制約付きプロジェクトスケジューリング問題として取り扱うことができる。この種の問題は、例えばタブーサーチなどのメタヒューリスティクスを使った解法を用いて実用時間で解くことが可能である。ここで、計画問題の解法は、本願発明の出願時点で公知であるので詳細な説明は省略する。計画問題の解法の詳細については、例えば参考文献(Koji Nonobe and ToshihideIbaraki, Formulation and tabu search algorithm for the resource constrained project scheduling problem, in Essays and Surveys in Metaheuristics, edited by CelsoC. Rebeiro and Pierre Hansen, KluwerAcademic Publishers, Boston, pp.557-588, 2002)を参照するとよい。また、ここで解かれる計画問題は、混合整数問題に帰着させて解くことも可能である。これにより、ステップS10の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS11の処理に進む。
【0054】
ステップS11の処理では、入庫作業割付部15d3が、ステップS3の処理によって作成された入庫作業情報を参照して、入庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。作業計画を割り付ける際には、入庫作業割付部15d3は、搬入出間口の容量制約(配置可能な台車4aの数の最大値)および倉庫クレーンを操作するオペレータの人数を制約条件として作業計画を割り付ける。この際、入庫作業情報に規定されている倉庫到着希望日時に入庫作業を開始できない場合には、入庫作業割付部15d3は、入庫作業の作業計画を後方にシフトする。これにより、ステップS11の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS12の処理に進む。
【0055】
ステップS12の処理では、直接浜出し作業割付部15d4が、ステップS6の処理によって直接浜出し作業を行う製品として分類された製品の出庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。具体的には、直接浜出し作業割付部15d4は、(1)製品置場に載置可能な製品の個数を考慮して倉庫クレーンの空き時間に作業割当を行い、(2)直接浜出し作業の完了時刻が製品の船積み開始時刻から所定時刻前の時刻より遅い場合、直接浜出し作業の作業計画を前方に(時刻が早くなるように)シフトすると共に入庫作業の作業計画を必要なだけ後方にシフトし、(3)直接浜出し作業の完了時刻が製品の船積み開始時刻から所定時刻前の時刻より早い場合には、その製品の船積み作業の目標船積み作業時刻とその製品の船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻とを後方にシフトする。これにより、ステップS12の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS13の処理に進む。
【0056】
ステップS13の処理では、計画出力装置16が、計画対象期間に割り付けられた作業計画に関する情報を倉庫作業計画情報として出力する。倉庫作業計画情報としては、計画結果のガントチャート、作業実績のガントチャート、作業先行関係情報(作業が遅れている原因の調査用)、荷待発生箇所情報、入庫遅れ発生箇所情報、車両浜出し作業発生情報(バースプランやハッチプランなどによって必要となる車両浜出し作業が変わる)などを例示することができる。倉庫作業計画情報を出力することにより、オペレータは、事前に作業状況を予測し、対応を準備することができる。これにより、ステップS13の処理は完了し、一連の倉庫作業計画作成処理は終了する。
【0057】
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態である倉庫作業計画作成処理では、先行関係生成部15bが、製品を搬送する製品置場の位置、製品の積み込みに使用する船積みクレーン、製品を積み込む船舶のハッチ位置、および各ハッチにおける製品の船積み順序に従って、各製品の船積み作業の先行後続関係を示す先行関係データを生成し、目標船積み時刻計算部15cが、先行関係生成部15bによって生成された先行関係データを用いて、各製品の目標船積み作業時刻を算出し、倉庫作業時刻決定部15dが、目標船積み時刻計算部15cによって算出された各製品の目標船積み作業時刻までに製品を製品置場に搬送するように倉庫内の作業計画を作成すると共に、目標船積み作業時刻までに製品置場に搬送することができない製品がある場合、先行関係データを用いてその製品の船積み作業およびその船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻を修正する。このように、本発明の第1の実施形態である倉庫作業計画作成処理では、製品の目標船積み作業時刻を仮決定し、仮決定した製品の目標船積み作業時刻に基づいて倉庫内の作業計画を作成するので、倉庫内に保管されている製品を船舶に船積みする出荷作業の作業計画を短時間で作成することができる。
【0058】
〔第2の実施形態〕
倉庫クレーンはオペレータによって操作される。このとき、オペレータの人数が倉庫クレーンの数より少ない場合、1人のオペレータが複数の倉庫クレーンを操作し、オペレータが乗っていない倉庫クレーンでは製品の荷役ができなくなる。このため、計画対象期間内の各時間帯における倉庫クレーンに対するオペレータの割付計画は倉庫作業計画を作成する際の制約条件となる。なお、船積みクレーンなどの倉庫クレーン以外の荷役設備や運搬車両などの運搬設備に対するオペレータの割付計画も同様に倉庫作業計画を作成する際の制約条件となる。そこで、本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理は、計画対象期間内の各時間帯における倉庫クレーンに対するオペレータの割付計画を考慮して倉庫作業計画を作成する。以下、図14に示すフローチャートを参照して、本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理の流れについて説明する。
【0059】
図14は、本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理の流れを示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、オペレータが計画条件入力装置14を操作することによってオペレータ割付計画情報および倉庫作業計画の作成指示を入力したタイミングで開始となり、倉庫作業計画作成処理はステップS21の処理に進む。なお、図14に示すステップS21〜S29の処理内容は、図7に示すステップS1〜S9の処理内容と同じであるので、以下ではその説明を省略し、ステップS30の処理から説明を始める。また、上述のオペレータ割付計画情報とは、各倉庫クレーンに割り付けられるオペレータの人数を時間帯毎に示す情報を意味する。
【0060】
図15は、オペレータ割付計画情報の一例を示す図である。図15に示すオペレータ割付計画情報では、製品が搬入出される棟が3つのグループに分類され、各グループの棟に設けられた倉庫クレーンに割り付けるオペレータの人数が計画対象期間の時間帯毎に設定されている。なお、本実施形態では、図1に示すように各棟には倉庫クレーンが1基ずつ設けられているので、オペレータの割り付け人数の最大値はグループを構成する棟数と等しくなっている。すなわち、グループ1(棟1a1,棟1a2,棟1a3),グループ2(棟1b1,棟1b2,棟1b3),およびグループ3(棟1c1,棟1c2,棟1c3)の各グループに割り付け可能なオペレータの人数は0〜3人である。但し、グループ数やオペレータの割り付け人数の範囲は設備や操業方法に応じて変化する。また、オペレータの人数が指定されていない時間帯(例えば5/7 16:00〜17:00)は休憩時間であり、オペレータが一人も配置されていない。
【0061】
ステップS30の処理では、棟越製品出庫作業割付部15d2が、使用可能な運搬設備および荷役設備の数、運搬設備および荷役設備を操作するオペレータの人数、各棟の間口に配置可能な運搬設備の数、目標船積み作業時刻、荷役作業の負荷、および既に割付済みの作業計画のうちの少なくとも1つの情報を用いて、棟越製品出庫作業の優先順と割付可能時間帯とを計算し、優先順に棟越製品出庫作業の作業計画を前詰めで計画対象期間に割り付ける。なお、ここで解かれる計画問題は、オペレータを資源として扱い、作業負荷を評価関数とすることによって、資源制約付きプロジェクトスケジューリング問題として取り扱うことができるが、以下では、評価値を定義せずに計画問題を解く方法について説明する。
【0062】
評価値を定義せずに計画問題を解く場合、始めに、棟越製品出庫作業割付部15d2は、同じ運搬ロットに含まれる製品の船積み予定日時のうちの最早時刻を運搬ロット毎に比較することによって、図16に示すような運搬ロットを優先順(最早時刻順)に並べた棟越製品出庫作業リストを作成する。次に、棟越製品出庫作業割付部15d2は、作成した棟越製品出庫作業リストの先頭から順に棟越製品出庫作業を選択し、選択した棟越製品出庫作業の作業計画を割り付ける時間帯を割付推奨時間帯として算出する。例えば、棟越製品出庫作業割付部15d2は、以下に示す時刻(1)〜(3)のうちの最も遅い時刻を割付推奨時間帯の開始時刻として算出する。
【0063】
(1)選択した棟越製品出庫作業に含まれる製品と同じ棟に保管され、且つ、同一の船積みグループに属する製品を含む、出庫作業計画が割付済の棟越製品出庫作業の出庫完了時刻
(2)目標船積み時刻から所定時間(目標船積み時刻より出庫時刻が先行できる限界時間)を減算した時刻
(3)船積み作業時刻が先行し、且つ、目標船積み時刻前の製品の個数が岸壁の製品容量以下となる最早時刻
【0064】
なお、時刻(1)は、製品の出庫完了時刻が、同一の棟内にあって、同一の船舶およびハッチに積込まれる製品のうち、出庫作業計画が割付済み、すなわち優先順が高い製品より先行しないための制約である。また、時刻(2)は、目標船積み時刻より出庫時刻が先行しすぎた場合に操業変更の際に余分な作業(岸壁の製品を倉庫に戻す運搬作業など)が発生しやすくなることを防ぐための制約である。また、時刻(3)は、岸壁において台車からフォークリフトなどにより荷下ろしを行うような操業を行う場合に考慮すべき時刻である。この場合には岸壁の容量が制約となる。例えば図17に示すように、船積み作業時刻が先行する製品が全て岸壁に出ていた場合、目標船積み時刻前の製品の個数が岸壁の製品容量を超えていると、対象製品を岸壁に出すことができない。このため、棟越製品出庫作業割付部15d2は、岸壁に置かれている製品数が岸壁の製品容量以下である最早の時刻T=t1を算出し、時刻T=t1から岸壁への移動時間を差し引いた時刻を時刻(3)として算出する。また、棟越製品出庫作業割付部15d2は、図18に示すように、目標船積み作業時刻を運搬車両の岸壁到着時刻として、運搬車両の岸壁到着時間から運搬車の搬出時間を差し引いた時間を割付推奨時間帯の終了時刻(最遅出庫時刻)として算出する。
【0065】
次に、棟越製品出庫作業割付部15d2は、選択された棟越製品出庫作業を行う倉庫クレーンの負荷に関する情報と倉庫クレーンを操作するオペレータの余裕人数に関する情報と基づいて、棟越製品出庫作業の作業計画を割り付け可能な時間帯を割付推奨時間帯の範囲内で算出する。図19は、倉庫クレーンの負荷に関する情報の一例を示す図である。図19に示す例では、緊急出庫作業及び棟越製品出庫作業が割り付けられている時間帯における倉庫クレーン負荷の値は1に設定され、緊急出庫作業及び棟越製品出庫作業が割り付けられていない時間帯における倉庫クレーン負荷の値は0に設定されている。従って、棟越製品出庫作業は倉庫クレーン負荷の値が0に設定されている時間帯に割り付けることができる。
【0066】
しかしながら、倉庫クレーンは緊急出庫作業及び棟越製品出庫作業以外の作業も行う。そこで、棟越製品出庫作業の作業計画の割付可能時間帯は、緊急出庫作業及び棟越製品出庫作業以外の作業に伴う倉庫クレーンの負荷も考慮して決定する必要がある。図20は、図19に示す倉庫クレーンの負荷に関する情報に入庫作業の負荷に関する情報を加えた図である。図20に示すように、入庫作業も考慮した場合には、出庫作業のみを考慮した場合には割付可能時間帯であった時間帯(例えば5/8 4:00-5:00)が割付可能時間帯ではなくなっている。このため、棟越製品出庫作業割付部15d2は、図20に示す倉庫クレーンの負荷に関する情報に基づいて、選択した棟越製品出庫作業の作業計画を割付可能な時間帯を算出する。
【0067】
一方、棟越製品出庫作業割付部15d2は、倉庫クレーンを操作するオペレータの余裕人数に関する情報を用いて、選択した棟越製品出庫作業の作業計画を割付可能な時間帯を算出する。具体的には、棟越製品出庫作業割付部15d2は、図15に示すオペレータの割付計画情報から図21(a)に示すような計画対象期間におけるオペレータの割付人数をグループ毎に算出する。なお、図21(a)は、図15に示すグループ1について算出された計画対象期間におけるオペレータの割付人数を示している。また、棟越製品出庫作業割付部15d2は、既に割付済みの緊急出庫作業及び車両出荷作業の作業計画に基づいて、図21(b)に示すような計画対象期間における倉庫クレーンの負荷に関する情報を算出する。なお、図21(b)は、図15に示すグループ1に属する倉庫クレーンの計画対象期間における負荷を示している。次に、棟越製品出庫作業割付部15d2は、図21(a)に示すオペレータの割付人数から図21(b)に示す倉庫クレーンの負荷に関する情報を減算することによって、図21(c)に示すような計画対象期間内におけるオペレータの余裕人数に関する情報をグループ毎に算出する。これにより、棟越製品出庫作業割付部15d2は、オペレータの余裕人数が所定値以上の時間帯を棟越製品出庫作業の作業計画を割付可能な時間帯として算出する。
【0068】
そして最後に、棟越製品出庫作業割付部15d2は、倉庫クレーンの負荷に関する情報から算出された割付可能時間帯と倉庫クレーンを操作するオペレータの余裕人数に関する情報から算出された割付可能時間帯とが重複する時間帯を棟越製品出庫作業計画の割付可能時間帯として算出する。
【0069】
次に、棟越製品出庫作業割付部15d2は、棟の間口制約(間口に配置可能な台車上限間数を超えない)と運搬車両の使用台数制約とを満足する範囲で割付可能時間帯に棟越製品出庫作業の作業計画を前詰めで割り付けると共に、岸壁の余裕状況に基づいてバースへの台車移動作業計画およびバースでの製品船積み作業計画を割り付ける。なお、運搬車両の使用台数制約については、棟越製品出庫作業割付部15d2は、割付済みの出庫作業計画に関する情報から使用車両台数を計算し、使用車両台数が規定台数を超えない程度に出庫作業計画を前詰めで割り付ける。具体的には、棟越製品出庫作業割付部15d2は、図22に示すように、割付済み作業A〜Cから使用車両台数の時間変化を算出する。そして、図22に示す例では、割付済み作業A〜Cによって時刻T=t1〜t2の間に使用車両台数が規定台数に到達していることから、棟越製品出庫作業割付部15d2は、時刻T=t2に運搬ロットID=SK0012の運搬ロットの出庫作業計画を割り当てる。また、車両運搬作業には最低必要時間長が設定されており、この設定値より長い時間の作業とすることが制約条件となっている。以後、棟越製品出庫作業割付部15d2は、棟越製品出庫作業リストに記載されている全ての棟越製品出庫作業について作業計画を割り付けるまで、同様の処理を繰り返し実行する。これにより、ステップS30の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS31の処理に進む。
【0070】
ステップS31の処理では、入庫作業割付部15d3が、オペレータおよび入庫作業の割付処理を行う。具体的には、入庫作業割付部15d3は、計画対象期間を複数の時間帯に分割し、オペレータの割付処理を行っていない先頭の時間帯を選択する。次に、入庫作業割付部15d3は、同一グループ内の各倉庫クレーンについて、選択した時間帯におけるオペレータ余裕値Sfを算出し、オペレータ余裕値Sfが小さい倉庫クレーンから順にオペレータを割り付ける。なお、棟越製品出庫作業の作業計画が既に割り付けられている時間帯については、入庫作業割付部15d3は、オペレータが必ずその倉庫クレーンに割り付けられるものとしてオペレータの割付処理を行う。以後、入庫作業割付部15d3は、全ての時間帯にオペレータを割り付けるまで同様の処理を繰り返し実行する。そして最後に、入庫作業割付部15d3は、オペレータ割付状況、間口配置台車数、および設備稼働可能状況(非稼動時間帯には割り付けないようにする)を制約条件として入庫作業の割付処理を行う。
【0071】
ここで、オペレータ余裕値Sfとは、作業負荷値Lfとオペレータ処理能力値Cfとの差分値Sf(=Cf−Lf)であり、その値が小さいほど、倉庫クレーンの作業負荷が大きいことを意味する。作業負荷値Lfは、選択した時間帯における個別の棟のみに関係する作業の作業量と選択した時間帯の1つ前の時間帯(先行時間帯)における残り作業量(詳しくは後述)とによって決まる値である。オペレータ処理能力値Cfは、選択された時間帯、グループを構成する棟数、および割付済の車両出荷作業のための出庫作業量によって決まる値である。作業負荷値Lfとオペレータ処理能力値Cfとは前述した値の線形関数や非線形関数から算出することができる。また、先行時間帯における残り作業量は下記計算式により算出することができる。また、作業量は、作業に要する時間又は荷役される製品数に基づいて計算することができる。これにより、ステップS31の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS32の処理に進む。
【0072】
〔先行時間帯における残り作業量〕
(1)先行時間帯において該当棟にオペレータが割り付けられている場合
(1−1)該当棟のオペレータ余裕値Sfが正:残り作業量=0(余裕があるので作業が全て処理できるという意味)
(1−2)該当棟のオペレータ余裕値Sfが負:残り作業量=−(オペレータ余裕値Sf)(オペレータが処理できなかった仕事量の計算)
(2)先行時間帯において該当棟にオペレータが割り付けられていない場合
残り作業量=先行時間帯における該当棟の作業負荷値Lf(オペレータが割り当てられていないので作業量をそのまま持ち越し)
【0073】
ステップS32の処理では、直接浜出し作業割付部15d4が、ステップS26の処理によって直接浜出し作業を行う製品として分類された製品の出庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける。なお、ステップS32の処理内容は、オペレータが割付けられている時間帯のみに出庫作業の作業計画を割り付けるという点がステップS12の処理内容と異なるだけであるので、詳細な説明は省略する。これにより、ステップS32の処理は完了し、倉庫作業計画作成処理はステップS33の処理に進む。
【0074】
ステップS33の処理では、計画出力装置16が、計画対象期間に割り付けられた作業計画に関する情報を倉庫作業計画情報として出力する。なお、ステップS33の処理内容は、ステップS13の処理内容と同じであるので、詳細な説明は省略する。これにより、ステップS33の処理は完了し、一連の倉庫作業計画作成処理は終了する。
【0075】
以上の説明から明らかなように、本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理では、棟越製品出庫作業割付部15d2が、使用可能な設備数、倉庫クレーンを操作するオペレータの人数、各棟の間口に配置可能な運搬設備の数、目標船積み作業時刻、荷役作業の負荷、および既に割付済みの作業計画に関する情報を用いて、棟越製品出庫作業の優先順と割付可能時間帯とを計算し、棟越製品出庫作業の作業計画を割付可能時間帯に優先順に前詰めで割り付けるので、計画対象期間内の各時間帯における倉庫クレーンに対するオペレータの割付計画を考慮して倉庫作業計画を作成することができる。
【0076】
〔実施例〕
本発明の第2の実施形態である倉庫作業計画作成処理を用いて、棟数:12棟、船積みクレーン数:7基、計画対象期間:24時間として倉庫作業計画を作成したところ、船積みクレーンの作業中断時間(倉庫からの出庫を待つ時間)が実績と比較して半分以下に減少し、大幅に作業効率化を実現できることが確認された。また、計算時間は5分以下にとどまっているので、実操業の外乱などにより計画と実績とにズレが発生した際にも速やかに計画修正できることが確認された。
【0077】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態では、倉庫作業時刻決定部15dは、緊急出庫作業、棟越製品出庫作業、入庫作業、および直接浜出し作業の4つの倉庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付けたが、計画対象期間に割り付けるべき作業計画は倉庫や出荷設備に応じて変化する。具体的には、直接浜出し作業が行われない倉庫については、緊急出庫作業、棟越製品出庫作業、および入庫作業の3つの倉庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ければよい。従って、倉庫作業時刻決定部15dは、倉庫や出荷設備に応じて、緊急出庫作業、棟越製品出庫作業、入庫作業、および直接浜出し作業のうちの少なくとも一つの倉庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付けるとよい。このように、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1a,1b,1c 製品倉庫
1a1〜1a3,1b1〜1b3,1c1〜1c3 棟
2a1〜2a3,2b1〜2b3,2c1〜2c3 倉庫クレーン
3 製品
4 運搬車両
4a 台車
4b 牽引部
5 フォークリフト
6a,6b,6c 搬入出間口
7a,7b,7c 船舶
7a1,7a2,7b1,7b2,7c1,7c2 ハッチ
8a,8b,8c 船積みクレーン
10 倉庫作業計画作成システム
11 計画対象情報保存装置
11a 製品情報データベース(DB)
11b 進捗状況データベース(DB)
11c 車両運搬計画情報データベース(DB)
11d 出荷計画データベース(DB)
12 出荷条件入力装置
13 設備情報データベース(DB)
14 計画条件入力装置
15 計画作成装置
15a 作業作成部
15b 先行関係生成部
15c 目標船積み時刻計算部
15d 倉庫作業時刻決定部
15d1 緊急出庫作業割付部
15d2 棟越製品出庫作業割付部
15d3 入庫作業割付部
15d4 直接浜出し作業割付部
16 計画出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫内に保管されている製品を岸壁に設けられた製品置場に搬送し、岸壁に設けられた船積みクレーンを利用して製品置場に搬送された製品を岸壁に停泊する船舶のハッチ内に積み込む出荷作業の作業計画を作成する倉庫作業計画作成装置であって、
製品を搬送する製品置場の位置、製品の積み込みに使用する船積みクレーン、製品を積み込む船舶のハッチ位置、および各ハッチにおける製品の船積み順序に従って、各製品の船積み作業の先行後続関係を示す先行関係データを生成する先行関係生成部と、
前記先行関係生成部によって生成された先行関係データを用いて、各製品の目標船積み作業時刻を算出する目標船積み時刻計算部と、
前記目標船積み時刻計算部によって算出された各製品の目標船積み作業時刻までに製品を前記製品置場に搬送するように倉庫内の作業計画を作成すると共に、目標船積み作業時刻までに製品を該製品置場に搬送することができない製品がある場合、前記先行関係データを用いて該製品の船積み作業および該船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻を修正する倉庫作業時刻決定部と、
を備えることを特徴とする倉庫作業計画作成装置。
【請求項2】
前記倉庫作業時刻決定部は、
処理優先度が高い製品の出庫作業の作業計画を計画対象期間に割り付ける緊急出庫作業計画割付部と、
倉庫から製品置場に製品を搬送する際に搬送設備を利用する必要がある製品の出庫作業の作業計画を前記計画対象期間に割り付ける棟越製品出庫作業割付部と、
倉庫から製品置場に製品を搬送する際に前記搬送設備を利用する必要がない製品の出庫作業の作業計画を前記計画対象期間に割り付ける直接浜出し作業割付部と、
倉庫に搬入される製品の荷役作業の作業計画を前記計画対象期間に割り付ける入庫作業割付部と、のうちの少なくとも一つの割付部を備え、
該割付部は、作業計画を割り付ける際、前記先行関係データを用いて該製品の船積み作業および該船積み作業に後続する船積み作業の目標船積み作業時刻を修正することにより、各作業の開始時刻を決定すること
を特徴とする請求項1に記載の倉庫作業計画作成装置。
【請求項3】
前記棟越製品出庫作業割付部は、使用可能な運搬設備および荷役設備の数、運搬設備および荷役設備を操作するオペレータの人数、各棟の間口に配置可能な運搬設備の数、目標船積み作業時刻、荷役作業の負荷、および既に割付済みの作業計画のうちの少なくとも1つの情報を用いて、前記出庫作業の優先順と割付可能時間帯とを計算し、前記出庫作業の作業計画を割付可能時間帯に優先順に前詰めで割り付けることを特徴とする請求項2に記載の倉庫作業計画作成装置。
【請求項4】
前記入庫作業割付部は、計画対象期間を複数の時間帯に分割し、既に割付済みの荷役作業計画および荷役作業の負荷情報に基づいて荷役設備を操作するオペレータを割り付けるか否かを時間帯毎に決定し、荷役設備を操作するオペレータが割り当てられ、且つ、荷役作業が割り付けられていない時間帯に荷役作業の作業計画を割り付けることを特徴とする請求項2又は3に記載の倉庫作業計画作成装置。
【請求項5】
製品を搬送する製品置場の位置、製品の積み込みに使用する船積みクレーン、製品を積み込む船舶のハッチ位置、および各ハッチにおける製品の船積み順序に関する情報を前記先行関係生成部に入力するための出荷条件入力装置を備えることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか1項に記載の倉庫作業計画作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−86984(P2012−86984A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186076(P2011−186076)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】