説明

個人向け走行音提供システム

【課題】能動音デザイン(ActiveSoundDesign)技術を利用した個人向け走行音提供システムを提供する。
【解決手段】能動音デザイン技術を利用して走行音を提供するシステムであって、前記走行音を製作するサウンドデザインツールと、前記サウンドデザインツールから前記走行音をダウンロードして保存するメモリカードと、前記メモリカードの前記走行音を出力する音響システムと、を含み、前記サウンドデザインツールにより、ユーザーが望む前記走行音の製作ができる環境を提供し、前記走行音には、静粛音及びダイナミック音をさらに含み、前記走行音はオンライン上にアップロード可能であり、前記メモリカードにはオンライン上で所望の前記走行音がダウンロードできることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人向け走行音提供システムに係り、より詳しくは、能動音デザイン(Active Sound Design)技術を利用して走行音を提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の騷音を最小にする技術のうち能動騷音制御(Active Noise Control)技術は、逆の位相音源でブーミング帯域(〜250Hz)以下の騷音を制御する技術であり、騷音が発生すれば音響装置を介し騷音と逆の波長の音響を発生させて前記騷音を相殺させるものである。
騷音に関する研究は、騷音源からの騷音を如何に少なくするかの研究と、吸音材を利用して騷音を遮断する研究と、能動騷音制御(Active Noise Control; ANC)を利用して騷音を相殺させる研究とに分類することができる。
【0003】
このうち、吸音材を用いる方法は、500Hzを越える高周波騷音に対しては良好な効果を奏するが、低周波騷音に対しては大量の吸音材を必要とするためコスト上昇を招くことから、飛行機や自動車など重量低減を要する所では使用が困難である。
70年代以後、2次ソース(Source)を利用した能動騷音制御に関する研究が活発に行なわれたが、回転機、変圧器、自動車エンジンなどから発生する騷音のような低周波の騷音を減殺させる場合、従来の受動的な方法より卓越した効果を奏している。
【0004】
そして、80年代に入ってダクト内での騷音制御、工場事務室など3次元空間での能動騷音制御、能動騷音制御技法を利用したノイズバリア(noise barrier)の設計、自動車及び航空機内での能動騷音制御などに関する研究が活発に進められた。90年に入り環境問題が深刻になるに伴い排気ガス量を低減させるため燃料消費の少ない車両の要求が増加している。これに対する解決策として、車両重量を低減させ、エンジン効率を向上させる研究が進められているが、このような対応策は必然的に車両の騷音及び振動に悪い影響を与えている。
一方、自動車利用者は、一層乗り心地がよく静かな車両を求めているので、これを解決する方法として、自動車内部の騷音制御を能動的に行なう能動制御技法が脚光を浴びてきた。
【0005】
自動車の密閉された室内空間の騷音としては、エンジン騷音、路面から伝播される騷音、走行中に流入する風の音などがあるが、このうちエンジン騷音はエンジンの回転数との関係が強く自動車の室内騷音の中で相当量を占めている。
自動車の室内空間の騷音を制御するための一般的な能動騷音制御システムは、図1に示す通りであり、マイクロホン1でセンシングされた自動車室内の騷音は、フィルタ2を介しフィルタリングされたあとAD変換器3を経て制御機5に印加さる。その制御機5では入力された値を多重アルゴリズムを適用して現在の騒音値が最小になるように計算し、その計算結果に基づいて制御信号を内部のDA変換器を介しアナログ変換させたあとアンプ4に印加する。アンプ4で増幅された制御信号はスピーカー6を介して出力される。
前述の自動車能動騷音制御装置は、エンジンブーミング(booming)音を低減するための自動車騷音低減機能を有しているが、特定のRPM帯域騷音を減殺する方法以外に他の騷音を除去することが必要となってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−213755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、能動音デザイン(Active Sound Design)技術を利用した個人向け走行音提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、能動音デザイン技術を利用して走行音を提供するシステムであって、前記走行音を製作するサウンドデザインツールと、前記サウンドデザインツールから前記走行音をダウンロードして保存するメモリカードと、前記メモリカードの前記走行音を出力する音響システムと、を含むことを特徴とする。
【0009】
前記サウンドデザインツールにより、ユーザーが望む前記走行音の製作ができる環境を提供することを特徴とする。
【0010】
前記走行音には、静粛音及びダイナミック音をさらに含み、前記走行音はオンライン上にアップロード可能であり、前記メモリカードにはオンライン上で所望の前記走行音がダウンロードできることを特徴とする。
【0011】
前記オンラインを介して顧客関係管理システムが装備でき、前記メモリカードは、モゼン(サービス名)ブルートゥース機能メモリカードであることを特徴とする。
ここで、モゼン(MOZEN)とは、カーナビゲーション・ベースのテレマティクス・サービス名である。
【0012】
前記能動音デザイン技術を利用したシステムは、マイクロホン、コントロールユニット、セレクター及びスピーカーを含み、前記コントロールユニットは、前記音響システムに内蔵され、前記音響システムは前記走行音を選択するためのリモートコントロールをさらに含み、前記セレクターは、気持認識システムをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、能動音デザイン(Active Sound Design、ASD)に基づいた消費者コミュニティーを活用することにより、オンラインを利用して多様な走行音を製作して共有し、モゼンブルートゥース機能メモリカードを利用して車両で静粛音、 ダイナミック音及びユーザーの定義する走行音などのモード(Mode)を選択可能にさせ、個人向け走行音を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】一般的な車両能動騷音制御システムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る個人向け走行音提供システムを示した概念図である。
【図3】本発明に係る能動騷音デザイン(Active Sound Design、ASD)システムの構成を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明に係る個人向け走行音提供システムを示した概念図であって、サウンドデザインツール100、メモリカード110及びオーディオシステム120を含んでいる。
図2に示すように、サウンドデザインツール100は個人向け走行音を製作できる装置であって、多様な音または走行音をデータ(data)化して製作できる装置である。
サウンドデザインツール100で製作された多様な走行音は、自動車サウンド販売網(Vehicle Sound Store)にアップロード(Upload)される。このようなサウンド販売網はオンラインによる顧客関係管理(Customer Relation Management)システムを利用する。
走行音はメモリカード110に保存されたあと、オーディオシステム120に保存される。ここで、オーディオシステム120に保存された走行音は静粛音及びダイナミック音に分類可能であり、サウンドデザインツール100を利用して走行音を直接製作可能である。このとき、モゼン(Mozen)ブルートゥース(Bluetooth)を利用して走行音を保存できる。また、ダウンロード可能なメモリカード110の代わりに利用可能である。
【0016】
図3は、本発明に係る能動音デザイン(Active Sound Design、ASD)システムの構成を示した図である。これはマイクロホン(Microphone)10、エンジンRPM及びAPS信号20、コントロールユニット(Control Unit)30、セレクター(Selector)40及びスピーカー(Speaker)50からなる。
図3に示すように、騷音を感知するためのセンサであるマイクロホン10、マイクロホン10を介し感知された騷音とエンジンRPM及びAPS信号20などをセンシングし、全RPM区間に対し予め設定した目標加速音または走行音を具現するコントロールユニット30、加速音または走行音を選択することができるセレクター40、及びコントロールユニット30を介し加速音または走行音が出力されるスピーカー50がある。
【0017】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0018】
10 マイクロホン
20 エンジンRPM及びAPS信号
30 コントロールユニット
40 セレクター
50 スピーカー
100 サウンドデザインツール
110 メモリカード
120 オーディオシステム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動音デザイン技術を利用して走行音を提供するシステムであって、
前記走行音を製作するサウンドデザインツールと、
前記サウンドデザインツールから前記走行音をダウンロードして保存するメモリカードと、
前記メモリカードの前記走行音を出力する音響システムと、
を含むことを特徴とする個人向け走行音提供システム。
【請求項2】
前記サウンドデザインツールにより、ユーザーが望む前記走行音の製作ができる環境を提供することを特徴とする請求項1に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項3】
前記走行音には、静粛音及びダイナミック音をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項4】
前記走行音はオンライン上にアップロード可能であり、前記メモリカードにはオンライン上で所望の前記走行音がダウンロードできることを特徴とする請求項2に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項5】
前記オンラインを介して顧客関係管理システムが装備できることを特徴とする請求項4に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項6】
前記メモリカードは、モゼンブルートゥース機能メモリカードであることを特徴とする請求項1に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項7】
前記能動音デザイン技術を利用したシステムは、マイクロホン、コントロールユニット、セレクター及びスピーカーを含むことを特徴とする請求項1に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項8】
前記コントロールユニットは、前記音響システムに内蔵されることを特徴とする請求項7に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項9】
前記音響システムは前記走行音を選択するためのリモートコントロールをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の個人向け走行音提供システム。
【請求項10】
前記セレクターは、気持認識システムをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の個人向け走行音提供システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−6049(P2011−6049A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274885(P2009−274885)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】