個装吸収性物品
【課題】ナプキンの簡便な取出しを可能にしながら表面シートを完全に被覆し衛生的な状態に保つとともに、製造ライン中で発生する個装不具合を無くす。
【解決手段】包装シート10は、左右一対の長手側縁11a、11bと、左右一対の短手側縁12a、12bとにより画成される略矩形状のシートとされ、ナプキン側当接面に離型処理が施されるとともに、一方側の長手側縁11b寄り位置に長手側縁方向に沿ったミシン目16が形成される。包装シート10の離型処理加工面側にナプキン1を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート3側に折り畳み、この状態で前記包装シート10のミシン目16はナプキン1のほぼ中央に位置する。重なり部分をライン状接着剤14によって接着するとともに、前後端の短手側縁部分12a、12bをヒートシール17によって封鎖する。そして、包装シート10とナプキン1とを共に長手方向に順に折り畳んでタグテープ15によって止着する。
【解決手段】包装シート10は、左右一対の長手側縁11a、11bと、左右一対の短手側縁12a、12bとにより画成される略矩形状のシートとされ、ナプキン側当接面に離型処理が施されるとともに、一方側の長手側縁11b寄り位置に長手側縁方向に沿ったミシン目16が形成される。包装シート10の離型処理加工面側にナプキン1を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート3側に折り畳み、この状態で前記包装シート10のミシン目16はナプキン1のほぼ中央に位置する。重なり部分をライン状接着剤14によって接着するとともに、前後端の短手側縁部分12a、12bをヒートシール17によって封鎖する。そして、包装シート10とナプキン1とを共に長手方向に順に折り畳んでタグテープ15によって止着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装シートによって個装された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、失禁パッドなどの吸収性物品Nとしては、例えば図10に示されるように、ポリエチレンシートまたはポリエチレンラミネート不織布などからなる不透液性裏面シート50と、不織布または透孔性プラスチックシートなどからなる透液性表面シート51との間に綿状パルプなどからなる吸収体52を介在させたものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品Nとしては、装着状態でのズレ止めを図るために、例えば非肌当接面側(不透液性裏面シート50の外面)に1または複数条の粘着剤層53,53を形成し、かつナプキン本体の長手方向両側縁部から外方に延在するウイング状フラップW、Wを一体的に形成するとともに、このウイング状フラップW、Wの不透液性裏面シート50側の面(外面)に粘着剤層54,54を設けるようにしたものが存在する。
【0004】
前記吸収性物品Nを下着30に固定する際には、図15に示されるように、吸収性物品Nを局所にあてがい、側方に突出する前記ウイング状フラップW、Wを下着より取り出し、両ウイング状フラップW、Wを折返し線RL、RLで折返し、下着のクロッチ部分を巻き込むようにしながら下着30の股間部外面に接着するようにする。
【0005】
一方、前記吸収性物品Nを個装するに際しては、前記粘着剤層53…、54…を紙又はフィルムからなる剥離シートによって被覆するとともに、吸収性物品Nの外面側に包装シートを配置し、ナプキンN、剥離シート及び包装シートを共に長手方向に三つ折り又は四つ折りとし、側縁部分をヒートシールするとともに、開封部をタグテープ等により止着するようにしていた。
【0006】
しかしながら、上記包装形態の場合には、包装シートの側縁部をヒートシールする必要が生じるため余計な工程が必要になるとともに、ヒートシール代が側方に突出することになるため、その分コンパクト化が図れないなどの問題があるとともに、使用時に剥離シートと包装シートの両方がゴミとなり資源の無駄が多いなどの問題があった。
【0007】
そこで近年は、前記剥離シートを無くしながらコンパクト化を図る個装構造として、ナプキン本体を直接包装シートで包装するものが各種提案されている。例えば、下記特許文献1では、図11に示されるように、ナプキンNの外形よりも大きいサイズの包装材57上に載せた後、包装材57の長辺側に位置する両側部分を長辺方向に沿って内側に折返し、次いでナプキンNの短辺側に位置する両側端部を順次、折り線(1)、(2)位置で短辺方向に沿ってナプキン共々内側に折り曲げた後、タックシール58等で固着して包装する個装構造が提案されている。
【0008】
また、下記特許文献2では、図12に示されるように、長手方中央線59と、2つの長手方縁58,58と、2つの横方向縁60,60とを有する衛生ナプキン61において、前記衛生ナプキン61は、液体透過性トップシート63と、前記トップシート63の外周の少なくとも1部に接合され、また相互に対向する内側面と外側面とを有する液体不透過性バックシート62と、前記バックシート62の前記外側面に付着された少なくとも1つの接着剤パッチと、前記トップシート63と前記バックシート62との間に配置された吸収性コア64と、を備え、前記衛生ナプキン61は相互に離間された2本の横方向折り畳み線65,65に沿って前記トップシート63に対して内側に折り畳まれて、中央部分と、内側部材と、外側部材の3部分から成る折り畳み構造を生じさせ、2枚のフラップ66,66を設けるとともに、各フラップ66は前記衛生ナプキンの中心部分の一方の長手方縁に接合された近位端を有してこの近位端から遠位端まで外側に延在し、前記各フラップ66は2つの相互に対向する面を有し、第1面は前記トップシート63と大体に同延長であり、第2面は前記バックシート62と大体に同延長であり、前記バックシート62と大体同延長の前記第2面はそれぞれ接着剤パッチ67をその上に備え、前記フラップ66は前記トップシート63上に折り畳まれるように成され、一端において前記衛生ナプキン61の横方向縁と並置され、前記バックシート62の前記接着剤に対して着脱自在に固着され、2つの長手方縁を有するリリース性ラッパ68を設け、前記リリース性ラッパ68により前記衛生ナプキン61の長手方縁の回りにC−フォールド状に包込み、長手方向に三つ折りとした個装構造が提案されている。
【0009】
さらに、下記特許文献3では、図13及び図14に示されるように、透水性の表面シート70と非透水性の防漏シート71との間に、体液吸収性の吸収層72を介装してナプキン本体73を形成し、このナプキン本体73の防漏シート71の外面にショーツ内面への止着部を形成し、この止着部の表面に接触して被覆する離型処理面を、ナプキン本体よりも幅広に形成するとともに4方の角部を切り欠いて切欠部を設けた個装フィルム74の一面に形成し、この個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体を内側に配置して折り返した後、個装フィルム74の長さ方向の両端部を加熱融着75にて止着するとともにナプキン本体73の両端部を切欠部73a、73a…から露出し、更にこの長さ方向の両端部から上記の折り返しの折り返し縁と交差する方向に個装フィルム74及びナプキン本体73を内側に折り返して止着した個装構造が提案されている。
【特許文献1】特開平9−94267号公報
【特許文献2】特許第3100630号公報
【特許文献3】特開平9−266928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献2記載の個装構造は、図示されるように、ナプキンの長手方向両側部を内側に折り畳んだ状態で、包装材(リリース性ラッパ68)がナプキン61の長手方向側縁近傍の一部しか被覆せず、トップシート63の大部分が露出した構造であるため、ナプキンの使用に際して、ナプキン長手方向の三つ折りを開放した際に、トップシート63の面がいきなり露出するため、手などが不用意に接触する機会を作ることになり、使用者に衛生感を与えることができない。
【0011】
前記特許文献3記載の個装構造は、個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した段階で個装フィルム74が重なり合いトップシート70のほぼ全体を被覆しているため表面シート70が不用意に露出しないため、表面シート70に手が接触しにくくなり清潔感が確保できる。そして、個装フィルム74の四隅に切欠き部73aが設けてあるため、開口部が形成され、この開口部からナプキン本体73の先端部が露出するため、この露出部を手で摘んで、個装フィルム74と対向する方向に引っ張れば、個装フィルム74からナプキン本体73を容易に剥離して取り出すことができ、個装フィルム74を幅方向に解放する必要がなくなり、簡便な取出しを可能とする(段落[0014]〜[0015]参照)。
【0012】
しかしながら、前記特許文献3記載の個装構造であっても、個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した段階で、ナプキンの前後端部の一部が露出しており、完全な衛生的状態を確保することができない。
【0013】
また、前記特許文献3記載の個装構造の場合は、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した後、個装フィルム74の長さ方向の両端部を加熱融着75にて止着し幅方向の折返しが拡がらないように形状を保持するものであり、個装状態で側方部分が完全に封止されておらず折り畳まれているだけであるため、塵埃等がその隙間から入る可能性があり、表面シート70を完全な衛生状態で保つことができない、さらに、個装フィルム74の長さ方向の両端部は加熱融着75,75にて止着されているが、それ以外の中間部分では止められておらず、製造ライン中に包装フィルム74に開きが生じて個装不具合の原因となるなどの問題があった。
【0014】
そこで本発明の主たる課題は、吸収性物品をコンパクトに折り畳んで収容することができ、さらにナプキンの簡便な取出しを可能にしながら表面シートを完全に被覆し衛生的状態に保つとともに、製造ライン中で発生する個装不具合を無くした個装吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記第1課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記裏面シートの外面にズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品本体と、この吸収性物品本体を個装する包装シートとからなる個装吸収性物品であって、
前記包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされるとともに、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿った開封線が形成され、
前記包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳み、この状態で前記包装シートの開封線は吸収性物品のほぼ中央に位置し、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士が接着されるとともに、前後端の短手側縁部分が封鎖され、更に包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んで止着したことを特徴とする個装吸収性物品が提供される。
【0016】
上記請求項1記載の本発明においては、先ず包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされる。そして、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿ってミシン目等の開封線を形成しておく。
【0017】
個装に当たっては、包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳む。この状態で前記包装シートの開封線は、吸収性物品のほぼ中央に位置するようになっている。そして、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士を接着するとともに、前後端の短手側縁部分をヒートシール又は接着剤等によって封鎖した後、包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んでタグテープ等によって止着する。
【0018】
従って、吸収性物品は使用に際して、前記開封線が開かれるまで完全に密封された状態となるため衛生的状態に保つことができる。使用に際して吸収性物品及び包装シートの長手方向の折り畳みを解放して展開状態とし、開封線を開封し吸収性物品を簡便に取り出すことができる。さらに、前記ライン状接着剤は、製造ラインにおいて包装シートの長手側縁側両側部分同士をきっちりと接合するため、個装不具合の発生を無くすことができる。
【0019】
請求項2に係る本発明として、前記吸収性物品本体には、長手方向側縁部から側方に突出し、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップを備えるとともに、前記ウイング状フラップの不透液性裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層を備え、前記包装シートの長手側縁側両側部分を透液性表面シート側に順に折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにしたことを特徴とする請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0020】
上記請求項2記載の発明は、吸収性物品の長手方向側縁部から側方に突出するウィング状フラップを有する吸収性物品を個装対象とするものであり、この場合は、包装シートの長手側縁側両側部を折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにするのが望ましい。
【0021】
請求項3に係る本発明として、前記ライン状接着剤は、連続するライン状の接着剤または間欠するライン状の接着剤とされ、前記長手側縁側両側部分が剥離不能に接着される請求項1〜2いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。前記ライン状接着剤は、連続線状であっても、間欠線状であってもよい。また、前記ライン状接着剤は、折り畳んだ長手側縁側両側部分を剥離不能に接着するものが望ましい。
【0022】
請求項4に係る本発明として、前記開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とされる請求項1〜3いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0023】
請求項5に係る本発明として、前記開封線は、その始端部及び/又は終端部において開封線の両側に開封補助用スリットを形成してある請求項1〜4いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0024】
請求項6に係る本発明として、前記開封線は、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とされる請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0025】
上記請求項4〜6は開封線の態様を規定したものである。開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とすることができる。また、開封し易いように、前記開封線の始端部及び/又は終端部に開封線の両側に開封補助用スリットを形成することもできる。更には、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とすることもできる。この場合は、2本のミシン目で挟まれた間の前後端を摘み、この部分をミシン目に沿ってちぎり取ることによって開封することができる。
【0026】
請求項7に係る本発明として、前記包装シートの吸収性物品当接面側において、少なくとも前記ズレ止め粘着剤層領域に対応する領域に離型処理が施されている請求項1〜6いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。この場合には、ズレ止め粘着剤層を覆う剥離シートを省略することができる。剥離シートを無くすことにより、折り畳んだ状態で嵩高さを低減しコンパクト化を図ることができるようになる。
【発明の効果】
【0027】
以上詳説のとおり、吸収性物品をコンパクトに折り畳んで収容することができる。さらにナプキンの簡便な取出しを可能にしながら、包装状態では表面シートを完全に被覆することができ衛生的状態に保つことができるとともに、製造ライン中で発生する個装不具合を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図、図2はその裏面図、図3はナプキン1と包装シート10との分離図である。
【0029】
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って形成されたサイド不織布5,5とから構成され、ナプキン1の長手方向側縁部には、前記裏面シート2とサイド不織布5との貼り合わせ部分により、側方に突出し装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップW、Wが形成されている。なお、前記吸収体4は形状保持および拡散性向上のためにクレープ紙で囲繞することができる。
【0030】
前記吸収体4の周囲において、その上下端縁部では、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布5とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。
【0031】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0032】
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。 前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本例のように、吸収体4を囲繞するクレープ紙を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間にクレープ紙が介在することになり、吸収性に優れる前記クレープ紙によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
【0033】
一方、本生理用ナプキン1の表面がわ両側部にはそれぞれ、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布5,5が設けられ、このサイド不織布5,5の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された不透液性裏面シート2の一部とによりウイング状フラップW、Wが形成されている。
【0034】
前記サイド不織布5としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。また、前記ウイング状フラップW、Wにおける経血等の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにすることが望ましい。
【0035】
図2に示されるように、前記透液性表面シート3と不透液性裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の非肌当接面には、下着に対する固定のために適宜の塗布パターンによって複数条の、図示例では3条の本体ズレ止め粘着剤層7,7…が形成されている。また、前記ウイング状フラップW、Wの不透液性裏面シート2側の面には、ウイングズレ止め粘着剤層8が形成されている。
【0036】
前記ズレ止め粘着剤層7,8を形成する粘着剤としては、たとえばスチレン系ポリマー、粘着付与剤、可塑剤のいずれかが主成分であるものが好適に使用される。前記スチレン系ポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち1種のみを使用しても、二種以上のポリマーブレンドであってもよい。この中でも熱安定性が良好であるという点で、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、前記粘着付与剤および可塑剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、粘着付与剤ではたとえばC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、前記可塑剤では例えば、リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のモノマー可塑剤の他、ビニル重合体やポリエステルのようなポリマー可塑剤が挙げられる。
【0037】
前記生理用ナプキン1を個装する包装シート10は、図3に示されるように、ナプキン1の長手方向と対応する左右一対の長手側縁11a,11bと、ナプキン1の短手方向と対応する左右一対の短手側縁12a,12bとにより画成される略矩形状のシートとされる。素材的には、紙又はプラスチックフィルムなどを使用することができるが、好ましくは薄くかつ柔軟性の高いプラスチックフィルムとするのがよい。寸法は、図4に示されるように、長手寸法はナプキン1の全長寸法よりも若干長くし、前部側及び後部側において後述するヒートシール代が確保されるようにし、短手寸法は折返し部分によって前記表面シート3の大部分を覆うに十分な寸法とするのが望ましい。そして、表面シート3を覆う側のシート部分、すなわち前記包装シート10の一方の長手側縁11b側寄り位置には長手側縁11a、11bのほぼ全長に亘りミシン目16が形成されている。
【0038】
前記包装シート10のナプキン1側の当接面には少なくとも前記ズレ止め粘着剤層7,7…の形成範囲に対応する領域に、図示例では全面に離型処理が施されている。前記離型処理は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、または四フッ化エチレン系樹脂などの離型処理液を塗工するかスプレー塗布することによって形成することができる。
【0039】
また、前記包装シート10の外面側であって他方側長手側縁の近傍には、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤14が設けられているとともに、短手側縁12aのほぼ中央には、タグテープ15が設けられている。前記タグテープ15は、紙又はプラスチックフィルム等からなる部材で、基端側が包装シート10に剥離不能に接着され、突出部分に剥離可能な接着剤層が設けられ、且つその先端部分に非接着性の摘み部が形成されている。
【0040】
前述した生理用ナプキン1を個装するには、図4に示されるように、前記包装シート10の離型処理加工面側にナプキン1を、包装シート10の一方側長手側縁11a側に偏倚させた状態で配置する。図示例では、ナプキン1の一方側ウィング状フラップWの外縁を一方側長手側縁11aにほぼ一致させた状態で配置している。
【0041】
図4に示される状態から、先ず図5に示されるように、ライン状接着剤14が設けられた側の包装シート10の一方側長手側縁11a側部分を折り畳み線Aでウィング状フラップWと共に表面シート3側に折り畳むようにする。ここで、折り畳み線Aの位置は、図示例ではナプキン本体の側部フラップを含まずウィング状フラップWの基端部としたが、場合によっては吸収体4の側縁の外側近傍位置とすることも可能である。また、吸収体側縁の一部を含んで折り畳むようにしてもよい。
【0042】
次に、同図5に示されるように、包装シート10の他方側長手側縁11b側部分を折り畳み線Bでウィング状フラップWと共に表面シート3側に折り畳むようにする。この状態では、図6に示されるように、前記包装シート10に形成されたミシン目16はナプキン1のほぼ中央に位置するようにするのが望ましい。また、後順で折り畳んだ前記他方側長手側縁11b側部分は、先に折り畳んだ一方側長手側縁11a側部分の外面に設けられたライン状接着剤14によって剥離不能に接着されるとともに、包装シート10の前後端部をヒートシール17,17によって封鎖する。この状態で、ナプキン1は包装シート10によって完全に密封された状態で包装される。なお、前記ライン状接着剤14は、製品状態では一方側の長手側縁11a側に固着されているが、製造ラインでは他方側長手側縁11bの離型処理側の面に設け、他方側長手側縁11bを一方側長手側縁11aに重ね合わせることにより、一方側長手側縁11a側に転写されるようにするのが望ましい。前記ライン状接着剤14は連続線状であってもよいし、間欠線状であってもよい。
【0043】
ナプキン1及び包装シート10の幅方向の折り畳みが完了したならば、図6に示されるように、包装シート10の短手側縁12a、12bに沿う方向であって、ナプキン1の後部側寄りの位置(長手方向の略1/3分割位置)に設定された折り畳み線Cの位置でナプキン1の後部側及び包装シート10の短手側縁12b側部分を共に表面シート3側に折り畳んだ後(図7参照)、図7に示されるように、包装シート10の短手側縁12a、12bに沿う方向であって、ナプキン1の前部側寄りの位置(長手方向の略1/3分割位置)に設定された折り畳み線Dの位置でナプキン1の後部側及び包装シート10の短手側縁12a側部分を折り畳み、その短手側縁12aに設けてあるタグテープ15を包装シート10の外面に剥離可能に接着し折り畳み形状を保持する。
【0044】
かかる個装吸収性物品の場合は、使用に際して前記タグテープ15を外し、ナプキン1の長手方向の折り畳みを解放して図6に示される展開状態としたならば、ミシン目16を開封してナプキン1を取り出すようにする。
【0045】
前記ミシン目16は、前述したように、包装シート10の長手側縁11a、11bのほぼ全長に亘って形成する他、図9(A)に示されるように、部分的範囲に亘って形成したミシン目16’とすることもできる。また、図9(B)に示されるように、ミシン目16を開封し易いように、前記ミシン目16の始端部及び/又は終端部において、ミシン目16の両側に開封補助用スリット18,18を形成することもできる。開封に当たっては前記開封補助用スリット18から指を挿入しミシン目16を開封する。さらに、図9(C)に示されるように、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目16,16とすることもできる。この場合は、ミシン目16,16の始端部及び/又は終端部に摘み代となるタブ16aを形成するのが望ましい。前記タブ16aを摘んでミシン目16,16方向に引いて、2本のミシン目16,16によって挟まれた細幅部分をちぎり取ることによって開封する。
【0046】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、包装シート10の長手側縁両側部11a、11bを順に折り畳んだ後、長手方向に三つ折りとしたが、ナプキンサイズによって四つ折りにしてもよいし、二つ折りとしてもよい。
(2)上記形態例では、ナプキン1は、両側部にウィング状フラップW、Wを有する構造を態様としたが、ウイング状フラップを有しないナプキンであっても同様に適用することが可能である。
(3)上記形態例では、包装シート10の短手側縁をヒートシール17によって封鎖したが、接着剤によって剥離不能に接着することにより封鎖してもよい。
(4)上記形態例では、ゴミの発生量を抑制するため、包装シート10に離型処理を施し剥離シートを省略したが、包装シート10に離型処理を施さず、剥離シートによってズレ止め粘着剤層7,8を覆うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。
【図2】その裏面図である。
【図3】ナプキン1と包装シート10との分離図である。
【図4】個装手順(その1)を示す平面図である。
【図5】個装手順(その2)を示す平面図である。
【図6】個装手順(その3)を示す平面図である。
【図7】個装手順(その4)を示す平面図である。
【図8】個装手順(その5)を示す平面図である。
【図9】(A)〜(C)はミシン目形成態様の変形例を示す図である。
【図10】従来の生理用ナプキンNの展開図である。
【図11】従来の個装方法を示す手順図である。
【図12】従来の個装方法を示す平面図である。
【図13】従来の個装方法を示す斜視図(その1)である。
【図14】従来の個装方法を示す斜視図(その2)である。
【図15】ナプキンの装着要領を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…サイド不織布、7…本体ズレ止め粘着剤層、8…ウイングズレ止め粘着剤層、10…包装シート、11a・11b…長手側縁、12a・12b…短手側縁、13a〜13d…切欠き部、14…ライン状接着剤、15…タグテープ、16…ミシン目、17…ヒートシール、A〜D…折り畳み線、W…ウイング状フラップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装シートによって個装された吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、おりものシート、失禁パッドなどの吸収性物品Nとしては、例えば図10に示されるように、ポリエチレンシートまたはポリエチレンラミネート不織布などからなる不透液性裏面シート50と、不織布または透孔性プラスチックシートなどからなる透液性表面シート51との間に綿状パルプなどからなる吸収体52を介在させたものが知られている。
【0003】
この種の吸収性物品Nとしては、装着状態でのズレ止めを図るために、例えば非肌当接面側(不透液性裏面シート50の外面)に1または複数条の粘着剤層53,53を形成し、かつナプキン本体の長手方向両側縁部から外方に延在するウイング状フラップW、Wを一体的に形成するとともに、このウイング状フラップW、Wの不透液性裏面シート50側の面(外面)に粘着剤層54,54を設けるようにしたものが存在する。
【0004】
前記吸収性物品Nを下着30に固定する際には、図15に示されるように、吸収性物品Nを局所にあてがい、側方に突出する前記ウイング状フラップW、Wを下着より取り出し、両ウイング状フラップW、Wを折返し線RL、RLで折返し、下着のクロッチ部分を巻き込むようにしながら下着30の股間部外面に接着するようにする。
【0005】
一方、前記吸収性物品Nを個装するに際しては、前記粘着剤層53…、54…を紙又はフィルムからなる剥離シートによって被覆するとともに、吸収性物品Nの外面側に包装シートを配置し、ナプキンN、剥離シート及び包装シートを共に長手方向に三つ折り又は四つ折りとし、側縁部分をヒートシールするとともに、開封部をタグテープ等により止着するようにしていた。
【0006】
しかしながら、上記包装形態の場合には、包装シートの側縁部をヒートシールする必要が生じるため余計な工程が必要になるとともに、ヒートシール代が側方に突出することになるため、その分コンパクト化が図れないなどの問題があるとともに、使用時に剥離シートと包装シートの両方がゴミとなり資源の無駄が多いなどの問題があった。
【0007】
そこで近年は、前記剥離シートを無くしながらコンパクト化を図る個装構造として、ナプキン本体を直接包装シートで包装するものが各種提案されている。例えば、下記特許文献1では、図11に示されるように、ナプキンNの外形よりも大きいサイズの包装材57上に載せた後、包装材57の長辺側に位置する両側部分を長辺方向に沿って内側に折返し、次いでナプキンNの短辺側に位置する両側端部を順次、折り線(1)、(2)位置で短辺方向に沿ってナプキン共々内側に折り曲げた後、タックシール58等で固着して包装する個装構造が提案されている。
【0008】
また、下記特許文献2では、図12に示されるように、長手方中央線59と、2つの長手方縁58,58と、2つの横方向縁60,60とを有する衛生ナプキン61において、前記衛生ナプキン61は、液体透過性トップシート63と、前記トップシート63の外周の少なくとも1部に接合され、また相互に対向する内側面と外側面とを有する液体不透過性バックシート62と、前記バックシート62の前記外側面に付着された少なくとも1つの接着剤パッチと、前記トップシート63と前記バックシート62との間に配置された吸収性コア64と、を備え、前記衛生ナプキン61は相互に離間された2本の横方向折り畳み線65,65に沿って前記トップシート63に対して内側に折り畳まれて、中央部分と、内側部材と、外側部材の3部分から成る折り畳み構造を生じさせ、2枚のフラップ66,66を設けるとともに、各フラップ66は前記衛生ナプキンの中心部分の一方の長手方縁に接合された近位端を有してこの近位端から遠位端まで外側に延在し、前記各フラップ66は2つの相互に対向する面を有し、第1面は前記トップシート63と大体に同延長であり、第2面は前記バックシート62と大体に同延長であり、前記バックシート62と大体同延長の前記第2面はそれぞれ接着剤パッチ67をその上に備え、前記フラップ66は前記トップシート63上に折り畳まれるように成され、一端において前記衛生ナプキン61の横方向縁と並置され、前記バックシート62の前記接着剤に対して着脱自在に固着され、2つの長手方縁を有するリリース性ラッパ68を設け、前記リリース性ラッパ68により前記衛生ナプキン61の長手方縁の回りにC−フォールド状に包込み、長手方向に三つ折りとした個装構造が提案されている。
【0009】
さらに、下記特許文献3では、図13及び図14に示されるように、透水性の表面シート70と非透水性の防漏シート71との間に、体液吸収性の吸収層72を介装してナプキン本体73を形成し、このナプキン本体73の防漏シート71の外面にショーツ内面への止着部を形成し、この止着部の表面に接触して被覆する離型処理面を、ナプキン本体よりも幅広に形成するとともに4方の角部を切り欠いて切欠部を設けた個装フィルム74の一面に形成し、この個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体を内側に配置して折り返した後、個装フィルム74の長さ方向の両端部を加熱融着75にて止着するとともにナプキン本体73の両端部を切欠部73a、73a…から露出し、更にこの長さ方向の両端部から上記の折り返しの折り返し縁と交差する方向に個装フィルム74及びナプキン本体73を内側に折り返して止着した個装構造が提案されている。
【特許文献1】特開平9−94267号公報
【特許文献2】特許第3100630号公報
【特許文献3】特開平9−266928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献2記載の個装構造は、図示されるように、ナプキンの長手方向両側部を内側に折り畳んだ状態で、包装材(リリース性ラッパ68)がナプキン61の長手方向側縁近傍の一部しか被覆せず、トップシート63の大部分が露出した構造であるため、ナプキンの使用に際して、ナプキン長手方向の三つ折りを開放した際に、トップシート63の面がいきなり露出するため、手などが不用意に接触する機会を作ることになり、使用者に衛生感を与えることができない。
【0011】
前記特許文献3記載の個装構造は、個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した段階で個装フィルム74が重なり合いトップシート70のほぼ全体を被覆しているため表面シート70が不用意に露出しないため、表面シート70に手が接触しにくくなり清潔感が確保できる。そして、個装フィルム74の四隅に切欠き部73aが設けてあるため、開口部が形成され、この開口部からナプキン本体73の先端部が露出するため、この露出部を手で摘んで、個装フィルム74と対向する方向に引っ張れば、個装フィルム74からナプキン本体73を容易に剥離して取り出すことができ、個装フィルム74を幅方向に解放する必要がなくなり、簡便な取出しを可能とする(段落[0014]〜[0015]参照)。
【0012】
しかしながら、前記特許文献3記載の個装構造であっても、個装フィルム74及びナプキン本体73を、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した段階で、ナプキンの前後端部の一部が露出しており、完全な衛生的状態を確保することができない。
【0013】
また、前記特許文献3記載の個装構造の場合は、幅方向の両側からナプキン本体73を内側に配置して折り返した後、個装フィルム74の長さ方向の両端部を加熱融着75にて止着し幅方向の折返しが拡がらないように形状を保持するものであり、個装状態で側方部分が完全に封止されておらず折り畳まれているだけであるため、塵埃等がその隙間から入る可能性があり、表面シート70を完全な衛生状態で保つことができない、さらに、個装フィルム74の長さ方向の両端部は加熱融着75,75にて止着されているが、それ以外の中間部分では止められておらず、製造ライン中に包装フィルム74に開きが生じて個装不具合の原因となるなどの問題があった。
【0014】
そこで本発明の主たる課題は、吸収性物品をコンパクトに折り畳んで収容することができ、さらにナプキンの簡便な取出しを可能にしながら表面シートを完全に被覆し衛生的状態に保つとともに、製造ライン中で発生する個装不具合を無くした個装吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記第1課題を解決するために請求項1に係る本発明として、透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記裏面シートの外面にズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品本体と、この吸収性物品本体を個装する包装シートとからなる個装吸収性物品であって、
前記包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされるとともに、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿った開封線が形成され、
前記包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳み、この状態で前記包装シートの開封線は吸収性物品のほぼ中央に位置し、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士が接着されるとともに、前後端の短手側縁部分が封鎖され、更に包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んで止着したことを特徴とする個装吸収性物品が提供される。
【0016】
上記請求項1記載の本発明においては、先ず包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされる。そして、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿ってミシン目等の開封線を形成しておく。
【0017】
個装に当たっては、包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳む。この状態で前記包装シートの開封線は、吸収性物品のほぼ中央に位置するようになっている。そして、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士を接着するとともに、前後端の短手側縁部分をヒートシール又は接着剤等によって封鎖した後、包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んでタグテープ等によって止着する。
【0018】
従って、吸収性物品は使用に際して、前記開封線が開かれるまで完全に密封された状態となるため衛生的状態に保つことができる。使用に際して吸収性物品及び包装シートの長手方向の折り畳みを解放して展開状態とし、開封線を開封し吸収性物品を簡便に取り出すことができる。さらに、前記ライン状接着剤は、製造ラインにおいて包装シートの長手側縁側両側部分同士をきっちりと接合するため、個装不具合の発生を無くすことができる。
【0019】
請求項2に係る本発明として、前記吸収性物品本体には、長手方向側縁部から側方に突出し、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップを備えるとともに、前記ウイング状フラップの不透液性裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層を備え、前記包装シートの長手側縁側両側部分を透液性表面シート側に順に折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにしたことを特徴とする請求項1記載の個装吸収性物品が提供される。
【0020】
上記請求項2記載の発明は、吸収性物品の長手方向側縁部から側方に突出するウィング状フラップを有する吸収性物品を個装対象とするものであり、この場合は、包装シートの長手側縁側両側部を折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにするのが望ましい。
【0021】
請求項3に係る本発明として、前記ライン状接着剤は、連続するライン状の接着剤または間欠するライン状の接着剤とされ、前記長手側縁側両側部分が剥離不能に接着される請求項1〜2いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。前記ライン状接着剤は、連続線状であっても、間欠線状であってもよい。また、前記ライン状接着剤は、折り畳んだ長手側縁側両側部分を剥離不能に接着するものが望ましい。
【0022】
請求項4に係る本発明として、前記開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とされる請求項1〜3いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0023】
請求項5に係る本発明として、前記開封線は、その始端部及び/又は終端部において開封線の両側に開封補助用スリットを形成してある請求項1〜4いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0024】
請求項6に係る本発明として、前記開封線は、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とされる請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。
【0025】
上記請求項4〜6は開封線の態様を規定したものである。開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とすることができる。また、開封し易いように、前記開封線の始端部及び/又は終端部に開封線の両側に開封補助用スリットを形成することもできる。更には、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とすることもできる。この場合は、2本のミシン目で挟まれた間の前後端を摘み、この部分をミシン目に沿ってちぎり取ることによって開封することができる。
【0026】
請求項7に係る本発明として、前記包装シートの吸収性物品当接面側において、少なくとも前記ズレ止め粘着剤層領域に対応する領域に離型処理が施されている請求項1〜6いずれかに記載の個装吸収性物品が提供される。この場合には、ズレ止め粘着剤層を覆う剥離シートを省略することができる。剥離シートを無くすことにより、折り畳んだ状態で嵩高さを低減しコンパクト化を図ることができるようになる。
【発明の効果】
【0027】
以上詳説のとおり、吸収性物品をコンパクトに折り畳んで収容することができる。さらにナプキンの簡便な取出しを可能にしながら、包装状態では表面シートを完全に被覆することができ衛生的状態に保つことができるとともに、製造ライン中で発生する個装不具合を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図、図2はその裏面図、図3はナプキン1と包装シート10との分離図である。
【0029】
前記生理用ナプキン1は、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って形成されたサイド不織布5,5とから構成され、ナプキン1の長手方向側縁部には、前記裏面シート2とサイド不織布5との貼り合わせ部分により、側方に突出し装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップW、Wが形成されている。なお、前記吸収体4は形状保持および拡散性向上のためにクレープ紙で囲繞することができる。
【0030】
前記吸収体4の周囲において、その上下端縁部では、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布5とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合されている。
【0031】
以下、さらに前記生理用ナプキン1の構造について詳述すると、
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0032】
次いで、前記透液性表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。 前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との間に介在される吸収体4は、たとえばフラッフ状パルプと吸水性ポリマーとにより構成されている。前記吸水性ポリマーは吸収体を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。本例のように、吸収体4を囲繞するクレープ紙を設ける場合には、結果的に透液性表面シート3と吸収体4との間にクレープ紙が介在することになり、吸収性に優れる前記クレープ紙によって体液を速やかに拡散させるとともに、これら経血等の逆戻りを防止するようになる。
【0033】
一方、本生理用ナプキン1の表面がわ両側部にはそれぞれ、長手方向に沿ってかつナプキン1のほぼ全長に亘ってサイド不織布5,5が設けられ、このサイド不織布5,5の一部が側方に延在されるとともに、同じく側方に延在された不透液性裏面シート2の一部とによりウイング状フラップW、Wが形成されている。
【0034】
前記サイド不織布5としては、重要視する機能の点から撥水処理不織布または親水処理不織布を使用することができる。たとえば、経血やおりもの等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの機能を重視するならば、シリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いることが望ましい。また、前記ウイング状フラップW、Wにおける経血等の吸収性を重視するならば、合成繊維の製造過程で親水基を持つ化合物、例えばポリエチレングリコールの酸化生成物などを共存させて重合させる方法や、塩化第2スズのような金属塩で処理し、表面を部分溶解し多孔性とし金属の水酸化物を沈着させる方法等により合成繊維を膨潤または多孔性とし、毛細管現象を応用して親水性を与えた親水処理不織布を用いるようにすることが望ましい。
【0035】
図2に示されるように、前記透液性表面シート3と不透液性裏面シート2との間に吸収体4が介在された本体部分の非肌当接面には、下着に対する固定のために適宜の塗布パターンによって複数条の、図示例では3条の本体ズレ止め粘着剤層7,7…が形成されている。また、前記ウイング状フラップW、Wの不透液性裏面シート2側の面には、ウイングズレ止め粘着剤層8が形成されている。
【0036】
前記ズレ止め粘着剤層7,8を形成する粘着剤としては、たとえばスチレン系ポリマー、粘着付与剤、可塑剤のいずれかが主成分であるものが好適に使用される。前記スチレン系ポリマーとしては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等が挙げられるが、これらのうち1種のみを使用しても、二種以上のポリマーブレンドであってもよい。この中でも熱安定性が良好であるという点で、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。また、前記粘着付与剤および可塑剤としては、常温で固体のものを好ましく用いることができ、粘着付与剤ではたとえばC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられ、前記可塑剤では例えば、リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のモノマー可塑剤の他、ビニル重合体やポリエステルのようなポリマー可塑剤が挙げられる。
【0037】
前記生理用ナプキン1を個装する包装シート10は、図3に示されるように、ナプキン1の長手方向と対応する左右一対の長手側縁11a,11bと、ナプキン1の短手方向と対応する左右一対の短手側縁12a,12bとにより画成される略矩形状のシートとされる。素材的には、紙又はプラスチックフィルムなどを使用することができるが、好ましくは薄くかつ柔軟性の高いプラスチックフィルムとするのがよい。寸法は、図4に示されるように、長手寸法はナプキン1の全長寸法よりも若干長くし、前部側及び後部側において後述するヒートシール代が確保されるようにし、短手寸法は折返し部分によって前記表面シート3の大部分を覆うに十分な寸法とするのが望ましい。そして、表面シート3を覆う側のシート部分、すなわち前記包装シート10の一方の長手側縁11b側寄り位置には長手側縁11a、11bのほぼ全長に亘りミシン目16が形成されている。
【0038】
前記包装シート10のナプキン1側の当接面には少なくとも前記ズレ止め粘着剤層7,7…の形成範囲に対応する領域に、図示例では全面に離型処理が施されている。前記離型処理は、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、または四フッ化エチレン系樹脂などの離型処理液を塗工するかスプレー塗布することによって形成することができる。
【0039】
また、前記包装シート10の外面側であって他方側長手側縁の近傍には、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤14が設けられているとともに、短手側縁12aのほぼ中央には、タグテープ15が設けられている。前記タグテープ15は、紙又はプラスチックフィルム等からなる部材で、基端側が包装シート10に剥離不能に接着され、突出部分に剥離可能な接着剤層が設けられ、且つその先端部分に非接着性の摘み部が形成されている。
【0040】
前述した生理用ナプキン1を個装するには、図4に示されるように、前記包装シート10の離型処理加工面側にナプキン1を、包装シート10の一方側長手側縁11a側に偏倚させた状態で配置する。図示例では、ナプキン1の一方側ウィング状フラップWの外縁を一方側長手側縁11aにほぼ一致させた状態で配置している。
【0041】
図4に示される状態から、先ず図5に示されるように、ライン状接着剤14が設けられた側の包装シート10の一方側長手側縁11a側部分を折り畳み線Aでウィング状フラップWと共に表面シート3側に折り畳むようにする。ここで、折り畳み線Aの位置は、図示例ではナプキン本体の側部フラップを含まずウィング状フラップWの基端部としたが、場合によっては吸収体4の側縁の外側近傍位置とすることも可能である。また、吸収体側縁の一部を含んで折り畳むようにしてもよい。
【0042】
次に、同図5に示されるように、包装シート10の他方側長手側縁11b側部分を折り畳み線Bでウィング状フラップWと共に表面シート3側に折り畳むようにする。この状態では、図6に示されるように、前記包装シート10に形成されたミシン目16はナプキン1のほぼ中央に位置するようにするのが望ましい。また、後順で折り畳んだ前記他方側長手側縁11b側部分は、先に折り畳んだ一方側長手側縁11a側部分の外面に設けられたライン状接着剤14によって剥離不能に接着されるとともに、包装シート10の前後端部をヒートシール17,17によって封鎖する。この状態で、ナプキン1は包装シート10によって完全に密封された状態で包装される。なお、前記ライン状接着剤14は、製品状態では一方側の長手側縁11a側に固着されているが、製造ラインでは他方側長手側縁11bの離型処理側の面に設け、他方側長手側縁11bを一方側長手側縁11aに重ね合わせることにより、一方側長手側縁11a側に転写されるようにするのが望ましい。前記ライン状接着剤14は連続線状であってもよいし、間欠線状であってもよい。
【0043】
ナプキン1及び包装シート10の幅方向の折り畳みが完了したならば、図6に示されるように、包装シート10の短手側縁12a、12bに沿う方向であって、ナプキン1の後部側寄りの位置(長手方向の略1/3分割位置)に設定された折り畳み線Cの位置でナプキン1の後部側及び包装シート10の短手側縁12b側部分を共に表面シート3側に折り畳んだ後(図7参照)、図7に示されるように、包装シート10の短手側縁12a、12bに沿う方向であって、ナプキン1の前部側寄りの位置(長手方向の略1/3分割位置)に設定された折り畳み線Dの位置でナプキン1の後部側及び包装シート10の短手側縁12a側部分を折り畳み、その短手側縁12aに設けてあるタグテープ15を包装シート10の外面に剥離可能に接着し折り畳み形状を保持する。
【0044】
かかる個装吸収性物品の場合は、使用に際して前記タグテープ15を外し、ナプキン1の長手方向の折り畳みを解放して図6に示される展開状態としたならば、ミシン目16を開封してナプキン1を取り出すようにする。
【0045】
前記ミシン目16は、前述したように、包装シート10の長手側縁11a、11bのほぼ全長に亘って形成する他、図9(A)に示されるように、部分的範囲に亘って形成したミシン目16’とすることもできる。また、図9(B)に示されるように、ミシン目16を開封し易いように、前記ミシン目16の始端部及び/又は終端部において、ミシン目16の両側に開封補助用スリット18,18を形成することもできる。開封に当たっては前記開封補助用スリット18から指を挿入しミシン目16を開封する。さらに、図9(C)に示されるように、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目16,16とすることもできる。この場合は、ミシン目16,16の始端部及び/又は終端部に摘み代となるタブ16aを形成するのが望ましい。前記タブ16aを摘んでミシン目16,16方向に引いて、2本のミシン目16,16によって挟まれた細幅部分をちぎり取ることによって開封する。
【0046】
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、包装シート10の長手側縁両側部11a、11bを順に折り畳んだ後、長手方向に三つ折りとしたが、ナプキンサイズによって四つ折りにしてもよいし、二つ折りとしてもよい。
(2)上記形態例では、ナプキン1は、両側部にウィング状フラップW、Wを有する構造を態様としたが、ウイング状フラップを有しないナプキンであっても同様に適用することが可能である。
(3)上記形態例では、包装シート10の短手側縁をヒートシール17によって封鎖したが、接着剤によって剥離不能に接着することにより封鎖してもよい。
(4)上記形態例では、ゴミの発生量を抑制するため、包装シート10に離型処理を施し剥離シートを省略したが、包装シート10に離型処理を施さず、剥離シートによってズレ止め粘着剤層7,8を覆うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る生理用ナプキン1の一部破断展開図である。
【図2】その裏面図である。
【図3】ナプキン1と包装シート10との分離図である。
【図4】個装手順(その1)を示す平面図である。
【図5】個装手順(その2)を示す平面図である。
【図6】個装手順(その3)を示す平面図である。
【図7】個装手順(その4)を示す平面図である。
【図8】個装手順(その5)を示す平面図である。
【図9】(A)〜(C)はミシン目形成態様の変形例を示す図である。
【図10】従来の生理用ナプキンNの展開図である。
【図11】従来の個装方法を示す手順図である。
【図12】従来の個装方法を示す平面図である。
【図13】従来の個装方法を示す斜視図(その1)である。
【図14】従来の個装方法を示す斜視図(その2)である。
【図15】ナプキンの装着要領を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1…生理用ナプキン、2…不透液性裏面シート、3…透液性表面シート、4…吸収体、5…サイド不織布、7…本体ズレ止め粘着剤層、8…ウイングズレ止め粘着剤層、10…包装シート、11a・11b…長手側縁、12a・12b…短手側縁、13a〜13d…切欠き部、14…ライン状接着剤、15…タグテープ、16…ミシン目、17…ヒートシール、A〜D…折り畳み線、W…ウイング状フラップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記裏面シートの外面にズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品本体と、この吸収性物品本体を個装する包装シートとからなる個装吸収性物品であって、
前記包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされるとともに、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿った開封線が形成され、
前記包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳み、この状態で前記包装シートの開封線は吸収性物品のほぼ中央に位置し、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士が接着されるとともに、前後端の短手側縁部分が封鎖され、更に包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んで止着したことを特徴とする個装吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品本体には、長手方向側縁部から側方に突出し、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップを備えるとともに、前記ウイング状フラップの不透液性裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層を備え、前記包装シートの長手側縁側両側部分を透液性表面シート側に順に折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにしたことを特徴とする請求項1記載の個装吸収性物品。
【請求項3】
前記ライン状接着剤は、連続するライン状の接着剤または間欠するライン状の接着剤とされ、前記包装シートの長手側縁側両側部分が剥離不能に接着される請求項1〜2いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項4】
前記開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とされる請求項1〜3いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項5】
前記開封線は、その始端部及び/又は終端部において開封線の両側に開封補助用スリットを形成してある請求項1〜4いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項6】
前記開封線は、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とされる請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項7】
前記包装シートの吸収性物品当接面側において、少なくとも前記ズレ止め粘着剤層領域に対応する領域に離型処理が施されている請求項1〜6いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項1】
透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在され、前記裏面シートの外面にズレ止め粘着剤層が形成された吸収性物品本体と、この吸収性物品本体を個装する包装シートとからなる個装吸収性物品であって、
前記包装シートは、吸収性物品の長手方向と対応する左右一対の長手側縁と、吸収性物品の短手方向と対応する左右一対の短手側縁とにより画成される略矩形状のシートとされるとともに、一方側の長手側縁寄り位置に長手側縁方向に沿った開封線が形成され、
前記包装シート上に吸収性物品本体を配置し、包装シートの長手側縁側両側部分を順に透液性表面シート側に折り畳み、この状態で前記包装シートの開封線は吸収性物品のほぼ中央に位置し、前記長手側縁側両側部分の重なり代部分において、長手方向に沿って設けられたライン状接着剤によって長手側縁側両側部分同士が接着されるとともに、前後端の短手側縁部分が封鎖され、更に包装シートと吸収性物品とを共に長手方向に順に折り畳んで止着したことを特徴とする個装吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性物品本体には、長手方向側縁部から側方に突出し、装着時に下着のクロッチ部分を巻き込むようにして固定されるウイング状フラップを備えるとともに、前記ウイング状フラップの不透液性裏面シート側の面にウイングズレ止め粘着剤層を備え、前記包装シートの長手側縁側両側部分を透液性表面シート側に順に折り畳む際に、前記ウイング状フラップを透液性表面シート側に折り畳むようにしたことを特徴とする請求項1記載の個装吸収性物品。
【請求項3】
前記ライン状接着剤は、連続するライン状の接着剤または間欠するライン状の接着剤とされ、前記包装シートの長手側縁側両側部分が剥離不能に接着される請求項1〜2いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項4】
前記開封線は、包装シートの長手側縁のほぼ全長に亘って形成されたミシン目、又は部分的範囲に亘って形成されたミシン目とされる請求項1〜3いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項5】
前記開封線は、その始端部及び/又は終端部において開封線の両側に開封補助用スリットを形成してある請求項1〜4いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項6】
前記開封線は、短手方向に離間をおいて形成された2本のミシン目とされる請求項1〜5いずれかに記載の個装吸収性物品。
【請求項7】
前記包装シートの吸収性物品当接面側において、少なくとも前記ズレ止め粘着剤層領域に対応する領域に離型処理が施されている請求項1〜6いずれかに記載の個装吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−340982(P2006−340982A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171041(P2005−171041)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】
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