説明

偏光板および液晶表示装置

【課題】湿熱条件下の使用においても変形しにくい偏光板および液晶表示装置を提供する。
【解決手段】背向する2つの表面を有する偏光子と1層の保護フィルム層とを含む偏光板であって、前記偏光子は、二色系色素分子が一軸に配向した状態で吸着している樹脂フィルムからなり、前記保護フィルム層は前記偏光子の一方の面の上に配置されており、該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子を含有する無機微粒子層を更に有することを特徴とする偏光板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板および液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、消費電力が低く、低電圧で動作し、軽量で薄型であるなどの特徴を生かして、各種の表示用デバイスに用いられている。液晶表示装置は、液晶セル、偏光板、位相差フィルム、集光シート、拡散フィルム、導光板、光反射シートなど、多くの材料から構成されている。そのため、構成フィルムの枚数を減らしたり、フィルム又はシートの厚さを薄くしたりすることで、生産性や軽量化、明度の向上などを目指した改良が盛んに行われている。
【0003】
液晶表示装置は、用途によっては厳しい耐久条件に耐えうる製品が必要とされている。例えば、カーナビゲーションシステム用の液晶表示装置は、それが置かれる車内の温度や湿度が高くなることがあり、通常のテレビやパーソナルコンピュータ用のモニターに比べると、温度及び湿度条件が厳しい。そのような用途には、偏光板も高い耐久性を示すものが求められる。また、近年液晶表示装置の大画面化が進行する中で、偏光板の熱変形による画質低下が問題視されるようになり、高い熱安定性を示すものが求められている。
【0004】
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子の両面又は片面に保護フィルムが積層された構造になっている。偏光子は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに縦一軸延伸と二色性色素による染色を行った後、ホウ酸処理して架橋反応を起こさせ、次いで水洗、乾燥する方法により製造されている。二色性色素としては、ヨウ素又は二色性有機染料が用いられる。かくして得られる偏光子の両面又は片面に保護フィルムを積層して偏光板とされ、液晶表示装置に組み込まれて使用される。保護フィルムには、トリアセチルロースに代表されるセルロースアセテート系樹脂フィルムが多く使用されている。また、保護フィルムの積層には、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を用いることが多い。
【0005】
【非特許文献1】2002年版LCD関連フィルム・シート市場の動向と展望(株式会社矢野経済研究所)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、二色性色素が吸着配向している偏光子の両面又は片面に、ポリビニルアルコール系樹脂からなる接着剤を介してトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを積層した偏光板は、湿度と温度が高い湿熱条件下で使用した場合に、偏光板が収縮したり膨潤したりして変形してしまい、色相変化が生じてしまうことがある。
【0007】
本発明は、湿熱条件下の使用においても変形しにくい偏光板および液晶表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、その一つの側面において、
背向する2つの表面を有する偏光子と1層の保護フィルム層とを含む偏光板であって、前記偏光子は、二色系色素分子が一軸に配向した状態で吸着している樹脂フィルムからなり、前記保護フィルム層は前記偏光子の一方の面の上に配置されており、該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子を含有する無機微粒子層を更に有することを特徴とする偏光板である。この偏光板は、本発明において「片面保護偏光板」と記されることがある。
本発明は、他の側面において、前記偏光板と液晶セルとを有し、該液晶セルは、前記偏光子の保護フィルムを積層していない面と粘着剤を介して貼合されており、前記保護フィルムの面内位相差が20nm以下であることを特徴とする液晶表示装置である。
本発明は、他の側面において、背向する2つの表面を有する偏光子と2つの保護フィルム層とを含む偏光板であって、前記偏光子は、二色系色素分子が一軸に配向した状態で吸着している樹脂フィルムからなり、前記保護フィルム層の一方は、前記偏光子の一方の表面の上に、前記他方の保護フィルム層は、前記偏光子の他方の表面の上にそれぞれ配置され、該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子を含有する無機微粒子層を更に有することを特徴とする偏光板である。この偏光板は、本発明において「両面保護偏光板」と記されることがある。
さらに本発明は、他の側面において、前記両面保護偏光板と液晶セルとを有し、該両面保護偏光板における両保護フィルムの一方の面内位相差は20nm以下であり、他方の保護フィルムの面内位相差は20nmより大きく、前記液晶セルは、前記面内位相差が20nmより大きい保護フィルムと粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする液晶表示装置である。
さらに本発明は、他の側面において、前記両面保護偏光板と液晶セルとを有し、該両面保護偏光板は更に位相差フィルムからなる層を有し、該位相差フィルムは、前記保護フィルムの一方と粘着剤を介して貼合されており、前記液晶セルは、該位相差フィルムと粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする液晶表示装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の偏光板は、いずれも湿熱条件下の使用においても変形しにくい。したがって、このような偏光板を備える本発明の液晶表示装置は、色相変化が生じにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の偏光板は、1層の保護フィルム層を有するもの(片面保護偏光板)と、2層の保護フィルム層を有するもの(両面保護偏光板)に大別されるが、これらは、偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子層を有している点において共通している。
【0011】
偏光子は、背向する2つの表面を有しており、樹脂フィルムが二色性色素を吸着配向していることにより、所定の偏光特性を発現することができる。より具体的には、二色性色素分子は、一軸に配向した状態で樹脂フィルムに吸着されている。偏光特性は、樹脂フィルムを構成する樹脂の種類や、二色性色素の種類、吸着量等を適宜選択することにより制御することができるが、樹脂フィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂からなる。二色性色素としては、通常、ヨウ素や二色性有機染料が用いられる。そこで偏光子として具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムにヨウ素を吸着配向させたヨウ素系偏光フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性有機染料を吸着配向させた染料系偏光フィルムなどを挙げることができる。
【0012】
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニル及びこれに共重合可能な他の単量体の共重合体などが用いられる。酢酸ビニルに共重合される単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどもケン化原料として使用しうる。
【0013】
ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光子は通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの水分を調整する調湿工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を経て製造される。一軸延伸は、染色の前に行うこともあるし、染色中に行うこともあるし、染色後のホウ酸処理中に行うこともある。また、これら複数の段階で一軸延伸されることもある。一軸延伸するには、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤で膨潤した状態にて延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は通常4〜8倍程度である。ポリビニルアルコール系偏光子の厚みは、通常、5〜50μm程度である。
【0014】
本発明の「片面保護偏光板」には、偏光子の一方の表面の上に無機微粒子層が存在する態様と、偏光子の両表面の上にそれぞれ無機微粒子層が存在する態様が含まれる。本発明の片面保護偏光板の具体的な構成としては、偏光子の両面の上に、無機微粒子層が積層され、さらに片方の無機微粒子層の上に保護フィルムが積層されている態様、偏光子の片面の上に無機微粒子層が積層され、その無機微粒子層の上に保護フィルムが積層されている態様、偏光子の片面の上に無機微粒子層が積層され、該偏光子のもう一方の面の上に保護フィルムが積層されている態様がある。
【0015】
本発明の「両面保護偏光板」は、偏光子と2つの保護フィルム層とを含む偏光板であって、該保護フィルム層の一方は、前記偏光子の一方の表面の上に、前記他方の保護フィルム層は、前記偏光子の他方の表面の上にそれぞれ配置されている。該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子層を更に有している。無機微粒子層は、偏光子の片面の上に積層されていてもよく、両面の上に積層されていてもよい。本発明の両面保護偏光板の具体的な構成としては、偏光子の両面の上にそれぞれ、無機微粒子層が配置され、更にその上に保護フィルムが積層されている態様、および偏光子の片面の上に無機微粒子層と保護フィルムが積層され、偏光子の他方の面の上に保護フィルムが積層されている態様がある。
【0016】
保護フィルムは、偏光子を外的作用から保護するためのフィルムであり、通常、熱可塑性樹脂からなる1層以上の層で形成されている。本発明に適用可能な保護フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、従来の保護フィルムを構成する公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチル−ペンテン−1樹脂、ノルボルネンやテトラシクロドデセンなどのノルボルネン系モノマーを重合して得られる環状オレフィン系樹脂である。偏光子との接着の容易さや光学的均一性などを考慮すると、セルロースアセテート系樹脂、とりわけトリアセチルセルロースからなるフィルムが好適である。保護フィルムとして、セルロースアセテート系樹脂からなる単層のフィルムを用いる場合は、偏光子との貼合に先立ってその表面をアルカリ水溶液でケン化処理しておくことが望ましい。保護フィルムの厚みは、通常10〜200μmの範囲内であり、好ましくは10〜120μmの範囲内、さらに好ましくは10〜85μmの範囲内である。また、本発明の偏光板と液晶セルとが貼合された液晶表示装置においては、液晶セルに貼合された面と異なる側の保護フィルム表面には、防汚層、反射防止層、防眩層、ハードコート層などの機能層が存在してもよい。熱可塑性樹脂からなる保護フィルムは、例えば、Tダイ押出成形法、インフレーション成形法、溶媒流延法等の公知の方法で製造することができる。
【0017】
本発明における無機微粒子層とは、無機微粒子が積み重なって形成されている層である。無機微粒子層は、低融点ガラスや有機珪素化合物等の無機バインダーや紫外線硬化性樹脂等の樹脂バインダーを含有してもよい。
【0018】
無機微粒子層の厚さは、偏光板の変形抑制効果および無機微粒子層の強度の観点から、0.05〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.2〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
【0019】
偏光子上に無機微粒子層を積層する方法としては、無機微粒子を溶媒に分散させた塗工液を偏光子上に塗工した後、溶媒を除去する方法が挙げられる。偏光子と保護フィルムとの間に無機微粒子層が配置された構造を形成する方法としては、無機微粒子を溶媒に分散させた塗工液を保護フィルム上に塗工して溶媒を除去した後、偏光子を積層する方法、および無機微粒子を溶媒に分散させた塗工液を偏光子上に塗工して溶媒を除去した後、保護フィルムを積層する方法が挙げられる。無機微粒子層を形成する無機微粒子は、アスペクト比が2未満であり、塗工液中で均一に分散しやすいものが好ましい。アスペクト比が過度に大きい無機微粒子や、塗工液中で分散しにくい無機微粒子を用いた場合には、均一な無機微粒子層を形成することが困難となることがある。本発明で用いられる無機微粒子としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム等が挙げられる。塗工液中での分散性が良好であること、粒子が真球状であり粒径が均一であること、複屈折率が小さいことから、シリカを用いることが好ましい。なおシリカとは、二酸化ケイ素のことである。
塗工液に用いる溶媒は、揮発性の有機溶媒であってもよいが、乾燥設備の防爆型構造が不要となりコスト低減が可能であるため、水を使用することが好ましい。塗工液中の無機微粒子の量は、形成する無機微粒子層の膜厚に応じて適宜選択することができるが、1〜20重量%の範囲内が好ましい。
無機微粒子層が含有する無機微粒子は1種類に限定されるものではなく、無機微粒子層は複数種の無機微粒子を含有することができる。
【0020】
塗工液中での無機微粒子の分散性や、無機微粒子層の強度の観点から、平均粒径が1〜300nmの範囲内である無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子層の透明性の観点から、平均粒径が1〜100nmの範囲内である無機微粒子を用いることが特に好ましい。また無機微粒子層の強度の観点から、無機微粒子層は二山(バイモーダル)の粒度分布を示す粒子からなることが好ましく、平均粒径が1〜30nmの無機微粒子と、平均粒径が40〜100nmの無機微粒子とを混合して用いることが好ましい。無機微粒子の平均粒径とは、光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等を用いて画像で観察された粒径や、レーザー回折散乱法、動的光散乱法、BET法の平均粒径、シアーズ法などにより求められる平均粒径である。
【0021】
スターラーによる攪拌、超音波分散、超高圧分散(超高圧ホモジナイザー)等の手法により、塗工液中の無機微粒子の分散性を向上させてもよい。また、塗工液のpH調整を行い粒子の分散性を向上させてもよい。イオン性分散剤や非イオン性分散剤や界面活性剤を添加することにより、塗工液中の粒子の分散性を向上させてもよい。また、アルコール等の有機溶剤を添加してもよい
【0022】
無機微粒子を含む塗工液を保護フィルム上に塗工する方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター等を用いて塗工する方法が挙げられる。塗工液を塗工する前に、樹脂フィルム表面に予めコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線処理、アンカーコート処理、洗浄処理等の前処理を施しておいてもよい。
【0023】
本発明の偏光板において、偏光子と無機微粒子層、偏光子と保護フィルム層、および無機微粒子層と保護フィルム層はそれぞれ、直接接していてもよく、また、接着剤で貼合されていてもよいが、通常は、接着剤による貼合が好ましい。前記接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、アクリルアミド系樹脂などを成分とする接着剤を用いることができる。接着剤層を薄くするためには、水系の接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたものを用いるのが好ましい。水系の接着剤となりうる接着剤成分としては、例えば、水溶性の架橋性エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂などを挙げることができる。
【0024】
水溶性の架橋性エポキシ樹脂としては、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドエポキシ樹脂を挙げることができる。かかるポリアミドエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている”スミレーズレジン650”や”スミレーズレジン675”などがある。
【0025】
接着剤成分として水溶性のエポキシ樹脂を用いる場合は、さらに塗工性と接着性を向上させるために、ポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を混合するのが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールのような、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。中でも、酢酸ビニルと不飽和カルボン酸又はその塩との共重合体のケン化物、すなわち、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。なお、ここでいう「カルボキシル基」とは、−COOH及びその塩を含む概念である。
【0026】
市販されている好適なカルボキシル基変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、それぞれ(株)クラレから販売されている”クラレポバール KL-506”、”クラレポバール KL-318”及び”クラレポバール KL-118”、それぞれ日本合成化学工業(株)から販売されている”ゴーセナール T-330”及び”ゴーセナール T-350”、 電気化学工業(株)から販売されている”DR-0415”、それぞれ日本酢ビ・ポバール(株)から販売されている”AF-17”、”AT-17”及び”AP-17”などが挙げられる。
【0027】
水溶性のエポキシ樹脂を含む接着剤とする場合、そのエポキシ樹脂及び必要に応じて加えられるポリビニルアルコール系樹脂などの他の水溶性樹脂を水に溶解して、接着剤溶液を構成する。この場合、水溶性のエポキシ樹脂は、水100重量部あたり 0.2〜2重量部程度の範囲内の濃度とするのが好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂を配合する場合、その量は、水100重量部あたり1〜10重量部程度が好ましく、さらには1〜5重量部程度とするのが好ましい。
【0028】
一方、ウレタン系樹脂を含む水系の接着剤を用いる場合、適当なウレタン樹脂の例とし
て、アイオノマー型のウレタン樹脂、特にポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂を挙げることができる。ここで、アイオノマー型とは、骨格を構成するウレタン樹脂中に、少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。また、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の市販品として、例えば、大日本インキ化学工業(株)から販売されている”ハイドラン AP-20”、”ハイドラン APX-101H” などがあり、いずれもエマルジョンの形で入手できる。
【0029】
アイオノマー型のウレタン樹脂を接着剤成分とする場合、通常はさらにイソシアネート系などの架橋剤を配合するのが好ましい。イソシアネート系架橋剤は、分子内にイソシアナト基(−NCO)を少なくとも2個有する化合物であり、その例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートのようなポリイソシアネート単量体のほか、それらの複数分子がトリメチロールプロパンのような多価アルコールに付加したアダクト体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアナト基の部分でイソシアヌレート環を形成した3官能のイソシアヌレート体、ジイソシアネート3分子がそれぞれの片末端イソシアナト基の部分で水和・脱炭酸して形成されるビュレット体のようなポリイソシアネート変性体などがある。好適に使用しうる市販のイソシアネート系架橋剤として、例えば、大日本インキ化学工業(株)から販売されている”ハイドランアシスター C-1”などが挙げられる。
【0030】
アイオノマー型のウレタン樹脂を含む水系接着剤を用いる場合は、粘度と接着性の観点から、そのウレタン樹脂の濃度が10〜70重量%程度、さらには20重量%以上、また50重量%以下となるように、水中に分散させたものが好ましい。イソシアネート系架橋剤を配合する場合は、ウレタン樹脂100重量部に対してイソシアネート系架橋剤が5〜100重量部程度となるように、その配合量を適宜選択すればよい。
【0031】
偏光子と保護フィルムとを貼合して偏光板を製造する方法は特に限定されるものでなく、例えば、偏光子と保護フィルムとを、該偏光子および/または該保護フィルムの貼合面に接着剤を均一に塗布した後に重ねてロール等により貼合し、乾燥する方法などが採用できる。積層後は、例えば60〜100℃程度の温度で乾燥処理が施される。さらにその後、室温よりやや高い温度、例えば、30〜50℃程度の温度で1〜10日間程度養生するのが、接着力を一層高めるうえで好ましい。
【0032】
偏光板の製造にあたり、保護フィルムの偏光子に貼り合わされる側の表面に、コロナ放電処理を施しておくのが好ましい。コロナ放電処理とは、電極間に高電圧をかけて放電し、電極間に配置された樹脂フィルムの表面を活性化する処理である。コロナ放電処理の条件は、電極の種類、電極間隔、電圧、湿度、使用する樹脂フィルムの種類などによっても異なるが、例えば、電極間隔を1〜5mm、移動速度を3〜20m/分程度に設定するのが好ましい。コロナ放電処理後は、その処理面に、上記したような接着剤を介して偏光子が貼り合わされる。
【0033】
本発明の片面保護偏光板において、保護フィルムの面内位相差が20nm以下、好ましくは10nm以下である場合には、偏光子の保護フィルムが配置されていない面に液晶セルを粘着剤を介して貼合することにより、液晶表示装置を得ることができる。液晶セルとは、所定の大きさの間隙をおいて配置された2枚のガラス板の間に液晶物質が充填されている素子であるが、本発明では、液晶セルの詳細は臨界的ではない。液晶セルを形成するガラスが保護フィルムとして機能することができるため、偏光子の両面への保護フィルムの積層は必ずしも必要ではない。そのため、本発明の片面保護偏光板を液晶セルと組み合せることにより、液晶表示装置の厚みを薄くすることができる。面内位相差が20nm以下の保護フィルムとしてはトリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート系樹脂が好適に用いられる。
【0034】
偏光板と液晶セルとを貼合するために用いられる粘着剤は、アクリル酸エステル系、メタクリル酸エステル系、ブチルゴム系、シリコーン系などのベースポリマーを用いたものが挙げられる。(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステルをベースとするポリマーや、これらの(メタ)アクリル酸エステルを2種類以上用いた共重合体をベースとするポリマーが好適に用いられる。粘着剤は通常、ベースポリマー中に極性モノマーが共重合されており、かかる極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートのような、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、エポキシ基などを有するモノマーを挙げることができる。粘着剤の硬化を促進するため、粘着剤中に架橋剤を添加しても良い。架橋剤としては、2価又は多価金属イオンとカルボン酸金属塩を生成するもの、ポリイソシアネート化合物とアミド結合を形成するものなどが挙げられ、これらの化合物が架橋剤として1種又は2種以上、ベースポリマーに混合して用いられる。一般的な粘着剤層の厚みは2〜50μm程度である。粘着剤を偏光板の保護フィルムに適用する場合、コロナ処理などの表面処理を該保護フィルムの表面に予め施してもよい。
【0035】
本発明の「両面保護偏光板」は、両保護フィルムの面内位相差がいずれも20nm以下、好ましくは10nm以下である場合には、更に位相差フィルムからなる層を有し、前記保護フィルムの一方と位相差フィルムとが粘着剤を介して貼合されている偏光板であってよい。このような構成の偏光板は、光学補償機能を有することから、以下、「光学補償偏光板」と記すことがある。位相差フィルムとしては、面内位相差が20nmより大きい位相差フィルムを用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリエチレンスルファイド系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ノルボルネンやテトラシクロドデセンなどのノルボルネン系モノマーを重合して得られる環状オレフィン系重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等から構成される延伸フィルムが使用できる
【0036】
前記光学補償偏光板は、液晶セルと粘着剤を介して貼合され、液晶表示装置とされ得る。該粘着剤としては、前述の粘着剤を使用することができる。
【0037】
また本発明の「両面保護偏光板」では、一方の保護フィルムの面内位相差が20nm以下であり、他方の保護フィルムの面内位相差が20nmより大きくてもよい。この場合、面内位相差が20nmより大きい保護フィルムは、位相差フィルムとしての機能を有する。したがって、このような構成の偏光板も「光学補償偏光板」である。このように一方の保護フィルムの面内位相差が20nm以下であり、他方の保護フィルムの面内位相差が20nmより大きい場合には、該偏光板と液晶セルとが粘着剤を介して貼合された液晶表示装置とされ得る。該粘着剤としては、前述の粘着剤を使用することができる。このような光学補償偏光板を液晶セルと組み合せて液晶表示装置とする場合には、位相差フィルムを積層する必要がないため、液晶表示装置の厚みを薄くすることができる。なお、このように一方の保護フィルムが位相差フィルムの機能を有する場合には、かかる位相差フィルムの機能を有する保護フィルムと液晶セルとを粘着剤を介して貼合する必要がある。
【0038】
位相差フィルムの機能を有する保護フィルムとしては、特開平8−43812号公報に記載されているような、延伸配向によって得られる複屈折が光学的に均一なフィルムが用いられる。該フィルムを構成する樹脂としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノルボルネンやテトラシクロドデセンなどのノルボルネン系モノマーを重合して得られる環状オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
【0039】
液晶表示装置では、液晶セルの両側に偏光板が貼合されている。液晶セルに貼合される偏光板は、少なくとも一方が、位相差機能を備える部材であればよい。具体的には、以下の構成が挙げられる。なお、下記(1)〜(7)の構成において、「偏光板」とは、両保護フィルムの面内位相差がいずれも20nm以下である両面保護偏光板を意味し、「片偏光板」とは、偏光子の片面に面内位相差が20nm以下の保護フィルムを積層した片面保護偏光板を意味し、「光学補償偏光板」とは、一方の保護フィルムの面内位相差が20nm以下、他方の保護フィルムの面内位相差が20nmより大きい両面保護偏光板、または、前記「偏光板」の一方の保護フィルムの上に位相差フィルムを積層した偏光板を意味する。また、各層間の接着剤層および粘着剤層は明記していない。
(1)偏光板/液晶セル/光学補償偏光板
(2)片偏光板/液晶セル/光学補償偏光板
(3)光学補償偏光板/液晶セル/光学補償偏光板
本発明の偏光板の例を図1〜図18に示し、本発明の液晶表示装置の例を図19および図20に示す。図中、参照数字1は保護フィルムを表わし、2は偏光子を表わし、3は無機微粒子層を表わし、4は接着剤層を表わし、5は位相差フィルムまたは面内位相差が20nmより大きい保護フィルムを表わし、6は粘着剤層を表わし、7は片面保護偏光板を表わし、8は両面保護偏光板を表わし、9は液晶セルを表わし、10は光学補償偏光板を表わす。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。フィルムの面内位相差は、王子計測機器(株)製自動複屈折計KOBRA−21DHを用いて測定した。
【0041】
[実施例1]
(a)無機微粒子層を有する保護フィルムの作製
日産化学社製コロイダルシリカ(スノーテックスST−XS(シアーズ法で測定した平均粒径4〜6nm、固形分濃度20重量%))を650g、日産化学社製コロイダルシリカ(スノーテックスST−ZL(レーザー回折散乱法で測定した平均粒径:78nm、固形分濃度:40wt%))を1300g秤量し、4550gの水と混合、攪拌し、無機微粒子分散液を調製した。該無機微粒子分散液を、熱可塑性樹脂層である富士フィルム社製トリアセチルセルロースフィルム(厚さ:80μm、面内位相差:1nm)上にマイクログラビアロール(株式会社康井精機社製、120メッシュ)を用いて塗布し、60℃で乾燥した。該積層体上にさらに塗布および乾燥の操作をそれぞれ9回行い、熱可塑性樹脂層上に無機微粒子層が積層された保護フィルムを得た。走査型電子顕微鏡で確認した無機微粒子層の厚みは2.9μmであった。なお、シリカから形成される無機微粒子層の複屈折率はゼロと見なせるので、該保護フィルムの面内位相差は1nmである。
(b)偏光板の作製
片面にトリアセチルセルロースフィルム(面内位相差:1nm)が貼合された偏光子のポリビニルアルコール層側に、純水で洗浄した前記保護フィルムを、無機微粒子層が偏光子側に位置するようにして、クラレ社製ポバール117Hの5wt%水溶液からなる接着剤を介して貼りあわせ、40℃で2時間乾燥し、片面に無機微粒子層を有する保護フィルムが積層された偏光板を得た。
(c)湿熱安定性の評価
上記偏光板を5cm×5cmの大きさに切り出し、60℃、湿度90%の湿熱雰囲気下にあるオーブンに30分保管後、オーブンから取り出し、直後に偏光板の反りを測定した。その結果、処理前の反りは5mm、処理後の反りは7mm、反りの変化は+2mmであった。
【0042】
[比較例1]
(a)偏光板の作製
片面にトリアセチルセルロースフィルムが貼合された偏光子のポリビニルアルコール層側に、純水で洗浄したトリアセチルセルロースフィルム(厚さ:80μm)をクラレ社製ポバール117Hの5wt%水溶液からなる接着剤を介して貼りあわせ、40℃で2時間乾燥し、偏光板を得た。
(b)湿熱安定性の評価
上記偏光板を5cm×5cmの大きさに切り出し、60℃、湿度90%の湿熱雰囲気下にあるオーブンに30分保管後、オーブンから取り出し、直後に偏光板の反りを測定した。その結果、処理前の反りは8mm、処理後の反りは15mm、反りの変化は+7mmであった。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の偏光板は、湿熱条件下の使用においても変形しにくく、したがって、このような偏光板を備える本発明の液晶表示装置は、色相変化が生じにくい。そのため、これらの偏光板および液晶表示装置は、湿熱条件下で使用される情報機器においても好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の片面保護偏光板の断面図である。
【図2】本発明の片面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図3】本発明の片面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図4】本発明の片面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図5】本発明の片面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図6】本発明の片面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図7】本発明の両面保護偏光板の断面図である。
【図8】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図9】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図10】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図11】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図12】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図13】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図14】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図15】本発明の両面保護偏光板の他の態様の断面図である。
【図16】本発明の光学補償機能を有する偏光板の断面図である。
【図17】本発明の光学補償機能を有する偏光板の他の態様の断面図である。
【図18】本発明の光学補償機能を有する偏光板の他の態様の断面図である。
【図19】本発明の液晶表示装置の断面図である。
【図20】本発明の液晶表示装置の他の態様の断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1:保護フィルム
2:偏光子
3:無機微粒子層
4:接着層
5:位相差フィルムまたは面内位相差が20nmより大きい保護フィルム
6:粘着剤層
7:片面保護偏光板
8:両面保護偏光板
9:液晶セル
10:光学補償機能を有する偏光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背向する2つの表面を有する偏光子と1層の保護フィルム層とを含む偏光板であって、前記偏光子は、二色系色素分子が一軸に配向した状態で吸着している樹脂フィルムからなり、前記保護フィルム層は前記偏光子の一方の面の上に配置されており、該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子を含有する無機微粒子層を更に有することを特徴とする偏光板。
【請求項2】
前記無機微粒子の平均粒径は1〜300nmの範囲内にあり、前記無機微粒子層の膜厚が0.05〜10μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記無機微粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
【請求項4】
前記保護フィルムの面内位相差が20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
【請求項5】
請求項4に記載の偏光板と液晶セルとを有し、該液晶セルは、前記偏光子の保護フィルムを積層していない面と粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
背向する2つの表面を有する偏光子と2つの保護フィルム層とを含む偏光板であって、前記偏光子は、二色系色素分子が一軸に配向した状態で吸着している樹脂フィルムからなり、前記保護フィルム層の一方は、前記偏光子の一方の表面の上に、前記他方の保護フィルム層は、前記偏光子の他方の表面の上にそれぞれ配置され、該偏光板は、前記偏光子の少なくとも一方の表面の上に無機微粒子を含有する無機微粒子層を更に有することを特徴とする偏光板。
【請求項7】
両保護フィルムの面内位相差がいずれも20nm以下であることを特徴とする請求項86に記載の偏光板。
【請求項8】
片方の保護フィルムの面内位相差が20nm以下であり、他方の保護フィルムが面内位相差が20nmより大きいことを特徴とする請求項6に記載の偏光板。
【請求項9】
更に位相差フィルムからなる層を有し、該位相差フィルムは、前記保護フィルムの一方と粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする請求項7に記載の偏光板。
【請求項10】
請求項8に記載の偏光板と液晶セルとを有し、該液晶セルは、前記面内位相差が20nmより大きい保護フィルムと粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項9に記載の偏光板と液晶セルとを有し、該液晶セルは、前記位相差フィルムと粘着剤を介して貼合されていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−176313(P2008−176313A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−328409(P2007−328409)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】