説明

健康管理補助メジャー

【課題】従来の巻尺では、腹囲が何センチ(または何ミリ)であるかは把握することができるが、その腹囲がいったいどの程度の肥満度レベルに相当するのかが一目で分からない。
【解決手段】そこで本発明では、帯体2の一側または両側に、計測基点3からの距離に対応させて、所望の腹囲の範囲に対応する腹囲対応表示4を設け、腹囲対応表示4は、腹囲レベルに対応する目盛5と、腹囲レベルに対応して目盛区間6を区切って形成した適数の腹囲レベル表示区画7と、腹囲レベル表示区画7内に表示した腹囲レベル表示マーク8とから構成される健康管理補助メジャーを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹囲(へそ周りサイズ)を計測するメジャーであって、肥満度レベルが直感的な表示により分かり、従って健康管理に大いに役立つ健康管理補助メジャーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
肥満、とりわけ内臓脂肪型肥満を防止することは、健康維持のための重要な要件であり、例えばいわゆるメタボ検診の義務化により、最近の健康診断では、この肥満度を腹囲によって判定し、男性では85cm以上、女性は90cm以上の人に対して、肥満状態であると警告し、肥満を抑えるよう注意を促している。
【0003】
このように腹囲を把握する方法としては、従来より、巻尺をへそ周りに当てて行っている。例えば腹囲や胸囲を容易、確実に、しかも正確に計測できるようにした身体計測用メジャーが特許文献1に記載されている。
【特許文献1】実用新案登録第3127490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の巻尺による腹囲そして肥満度の計測では、腹囲が何センチ(または何ミリ、何インチ)であるかは把握することができるが、その腹囲がいったいどの程度の肥満度レベルに相当するのかが一目で分からず、したがって例えば、別途、腹囲と肥満度とを対応させた換算表等を用意して、計測した腹囲をその換算表に当てはめて、肥満度レベルを把握する等を行う必要があり、面倒で、手間がかかるという問題点がある。本発明はこのような問題点を解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために,本発明では、帯体の一側または両側に、計測基点からの距離に対応させて、所望の腹囲の範囲に対応する腹囲対応表示を設け、腹囲対応表示は、腹囲レベルに対応する目盛と、腹囲レベルに対応して目盛区間を区切って形成した適数の腹囲レベル表示区画と、腹囲レベル表示区画内に表示した腹囲レベル表示マークとから構成される健康管理補助メジャーを提案する。
【0006】
また本発明では、上記の構成において、帯体は巻尺の要素とすることを提案する。
【0007】
また本発明では、上記の構成において、計測基点は帯体の一端とすることを提案する。
【0008】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示区画は、腹囲レベルに対応して、色を変化させることを提案する。
【0009】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示区画は、腹囲レベルに対応して、色の濃淡を変化させることを提案する。
【0010】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して表情を変化させた顔型グラフの顔マークから構成されることを提案する。
【0011】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応し
て体型を変化させた体型グラフの体型マークから構成されることを提案する。
【0012】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して、色を変化させることを提案する。
【0013】
また本発明では、上記の構成において、腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して、色の濃淡を変化させることを提案する。
【0014】
また本発明では、上記の構成において、帯体の表裏の一方側に男性用の腹囲対応表示を設けると共に、他方側に女性用の腹囲対応表示を設けた健康管理補助メジャーを提案する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の健康管理補助メジャーは、従来の巻尺と同様に、被測定者(自分もしくは他者)のへそ周りに当てて、計測基点に位置する腹囲対応表示を視認することにより、被測定者の腹囲レベルを知ることができる。
【0016】
腹囲対応表示は、腹囲レベルに対応する目盛と、腹囲レベルに対応して目盛区間を区切って形成した適数の腹囲レベル表示区画と、腹囲レベル表示区画内に表示した腹囲レベル表示マークとから構成しているので、目盛により腹囲を数値的に知ることができると共に、腹囲レベル表示区画内に表示された腹囲レベル表示マークにより、その腹囲レベル、又は肥満度レベルがどの段階にあるかを一目で知ることができる。
【0017】
例えば、腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して表情を変化させた顔型グラフの顔マークから構成したり、又は腹囲レベルに対応して体型を変化させた体型グラフの体型マークから構成すれば、表情や体型により直感的に肥満度を把握することができる。
【0018】
これらの腹囲レベル表示マーク又はこの腹囲レベル表示マークを表している腹囲レベル表示区画自体は、腹囲レベルに対応して、色を変化させたり、又は色と共に濃淡を変化させれば、肥満度レベルがどの段階にあるかが更に直感的に一目で分かり、その直感的に感じられた安全や危険等の意識が、被測定者の健康維持に対する啓蒙となり、健康管理に大いに役立つこととなる。
【0019】
帯体の表裏の一方側に男性用の腹囲対応表示を設けると共に、他方側に女性用の腹囲対応表示を設ければ、性別に係わらずに使用できる健康管理補助メジャーを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図5を参照して説明する。なお、図1と図2はともに平面図であり、図3〜図5は要部の拡大図である。
図に示すように、本発明の健康管理補助メジャーは1は、帯体2の一側または両側に、計測基点3からの距離に対応させて、所望の腹囲の範囲に対応する腹囲対応表示4を設け、腹囲対応表示4は、腹囲レベルに対応する目盛5と、腹囲レベルに対応して目盛区間6を区切って形成した適数の腹囲レベル表示区画7と、腹囲レベル表示区画7内に表示した腹囲レベル表示マーク8とから構成されるものである。尚、符号9は計測基点3からの距離に対応する数値を示している。また符号10は帯体2をばねの付勢力により巻取って収納可能とし、測定時には帯体2を引き出して計測を行うことができるようにした収納容器である。後述するように、この収納容器10は、本発明の健康管理補助メジャーを巻尺として構成した場合に必要なものであって、本発明の健康管理補助メジャーに必須な構成要素ではない。即ち、本発明の健康管理補助メジャーは、巻尺として構成しないで、帯体のみでも構成することができるものである。
【0021】
図1は、帯体2を巻尺の要素とした実施の形態である。帯体2は通常の巻尺と同様、不使用時には、ばねを備えた巻取り機構(図示省略)により、収納容器10内に巻取られて収納されており、これを使用する場合、帯体2の先端(計測基点3)を手で持って引出し、図1の状態にして、この帯体2を被測定者(図示省略)のへそ周りに当てて、計測基点3に位置する腹囲対応表示4を視認することにより、被測定者の腹囲レベルを知ることができる。
【0022】
図1の実施の形態では、目盛区間6は帯体2の先端(計測基点3)から帯体2の全長にわたって設けていて、例えばこの区間を1cm刻みの目盛り5、5’を付けているので、普通の巻尺として、腹囲以外の計測にも使用できる。
【0023】
さらに、この実施の形態の健康管理補助メジャーが対象とする腹囲レベルの範囲である、75cmから115cmの区間においては、目盛区間6を腹囲レベルに対応させて、75cmから5cmごとに区切って8個の腹囲レベル表示区画7を設けるとともに、各腹囲レベル表示区画7の境界には、75、80、85・・・と115までの腹囲値を表示している。
【0024】
なお、図1の腹囲対応表示4はメジャー1の帯体2の表側に設けたものであるが、裏側にも同様の腹囲対応表示4を設けても良い。また、腹囲レベル表示区画7の数は適宜であり、例えば図1の場合には、腹囲レベル表示区画7は、75cmから115cmを5cmごとに区切って、8個としているが、図2の場合には、70cmから120cmを5cmごとに区切って、10個としている。
【0025】
即ち、図2の実施の形態は、図1と同様、帯体2を巻尺の要素としたものであるが、この実施の形態の健康管理補助メジャーが対象とする腹囲レベルの範囲は、70cmから120cmであり、この範囲にのみ対応させて、腹囲対応表示4を設けている。この実施の形態では、普通の巻尺としては使用できないが、腹囲の計測を非常に分かりやすく行うことができる。
【0026】
次に、腹囲対応表示4の詳細な実施の形態を説明すると、図3に示す実施の形態では、腹囲レベルに応じた腹囲対応表示4に、腹囲レベルに対応して表情を変化させた顔型グラフの顔マークから成る腹囲レベル表示マーク8を構成し、人の表情の笑顔や泣き顔で表現しているので、たいへんわかりやすくしかも直感的に肥満度を把握することができる。なお、腹囲レベル表示マーク8は、図に示すように、腹囲レベルに対応して表情を変化させた顔型グラフの顔マークから構成する他、腹囲レベルに対応して体型を変化させた体型グラフの体型マークから構成することもでき、いずれの場合においても、これらの表情や体型により直感的に肥満度を把握することができる。
【0027】
これらの腹囲レベル表示マーク8、又はこの腹囲レベル表示マーク8を表している腹囲レベル表示区画7自体は、腹囲レベルに対応して、色を変化させたり、又は色と共に濃淡を変化させれば、肥満度レベルがどの段階にあるかが更に直感的に一目で分かり、その直感的に感じられた安全や危険等の意識が、被測定者の健康維持に対する啓蒙となり、健康管理に大いに役立つこととなる。
【0028】
例えば図4は腹囲レベル表示マーク8を表している腹囲レベル表示区画7自体を、腹囲レベルに対応して、色を変化させたり、又は色と共に濃淡を変化させた状態を模式的に示す図であり、また図5は腹囲レベル表示マーク8を、腹囲レベルに対応して、色を変化させたり、又は色と共に濃淡を変化させた状態を模式的に示す図である。
【0029】
尚、以上に図示した腹囲対応表示4は男性用を対象とするもの、即ち、メタボ腹囲85cmを基準とした表示であるが、女性を対象とするものとして、メタボ腹囲90cmを基準とした腹囲対応表示4により女性用の健康管理補助メジャーを構成することができる。
【0030】
また帯体2の表裏の一方側に男性用の腹囲対応表示4を設けると共に、他方側に女性用の腹囲対応表示4を設ければ、性別に係わらずに使用できる健康管理補助メジャーを提供することができる。この場合、男性用と女性用の区別を容易に行えるようにするために、大きな表示を付したり、または色分けをする等の手法を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明の健康管理補助メジャーは、被測定者のへそ周りに当てるだけで、腹囲そして肥満度レベルが一目でわかり、しかも顔型グラフ等の腹囲レベル表示マークにより直感的に把握できるので、健康増進に大いに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る健康管理補助メジャーの実施の形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る健康管理補助メジャーの他の実施の形態を示す平面図である。
【図3】図1の要部の模式的拡大平面図である。
【図4】他の実施の形態の要部の模式的拡大平面図である。
【図5】更に他の実施の形態の要部の模式的拡大平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 健康管理補助メジャー
2 健康管理補助メジャー1の帯体
3 計測基点
4 腹囲対応表示
5 腹囲計測用目盛
5’ 目盛
6 目盛区間
7 腹囲レベル表示区画
8 腹囲レベル表示マーク
9 数値
10 収納容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯体の一側または両側に、計測基点からの距離に対応させて、所望の腹囲の範囲に対応する腹囲対応表示を設け、腹囲対応表示は、腹囲レベルに対応する目盛と、腹囲レベルに対応して目盛区間を区切って形成した適数の腹囲レベル表示区画と、腹囲レベル表示区画内に表示した腹囲レベル表示マークとから構成されることを特徴とする健康管理補助メジャー。
【請求項2】
帯体は巻尺の要素であることを特徴とする請求項1に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項3】
計測基点は帯体の一端で構成したことを特徴とする請求項1に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項4】
腹囲レベル表示区画は、腹囲レベルに対応して、色を変化させたことを特徴とする請求項1に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項5】
腹囲レベル表示区画は、腹囲レベルに対応して、色の濃淡を変化させたことを特徴とする請求項1又は4に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項6】
腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して表情を変化させた顔型グラフの顔マークから構成されることを特徴とする請求項1、4又は5に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項7】
腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して体型を変化させた体型グラフの体型マークから構成されることを特徴とする請求項1、4又は5に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項8】
腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して、色を変化させたことを特徴とする請求項1、4〜7までのいずれか1項に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項9】
腹囲レベル表示マークは、腹囲レベルに対応して、色の濃淡を変化させたことを特徴とする請求項1、4〜7までのいずれか1項に記載の健康管理補助メジャー。
【請求項10】
帯体の表裏の一方側に男性用の腹囲対応表示を設けると共に、他方側に女性用の腹囲対応表示を設けたことを特徴とする請求項1〜9までのいずれか1項に記載の健康管理補助メジャー。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−4975(P2010−4975A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165310(P2008−165310)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(508136467)株式会社クローバー (5)
【Fターム(参考)】