説明

側鎖含有重合体の製造方法

【課題】カルボキシル基とエポキシ基との付加反応を利用して好適に側鎖含有重合体を製造することできる側鎖含有重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】エポキシ基とカルボキシル基とを触媒を用いて付加反応することによって重合体に側鎖を導入して側鎖含有重合体を製造する方法であって、該側鎖含有重合体の製造方法は、アミド化合物を触媒として用いる側鎖含有重合体の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側鎖含有重合体の製造方法に関する。より詳しくは、電子材料、基板材料等のエレクトロニクス樹脂の分野等に用いられる側鎖含有重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
側鎖含有重合体は、重合体の主鎖に一定の長さをもつ構造部分が付加した構造を有する重合体であり、側鎖部分に導入された官能基の種類によって、様々な物性を有する重合体が得られることになるため、様々な分野で用途に合わせた物性を有する側鎖含有重合体が使用されている。これらの側鎖含有重合体の使用される用途の1つに電子材料、基板材料等のエレクトロニクス樹脂の分野がある。電子材料、基板材料等のエレクトロニクス樹脂の分野では、電気・電子部品の組み立て過程で熱がかかっても黄変等しにくい材料が要求され、耐熱性の高い重合体が使用されている。
【0003】
近年では、パーソナルコンピューター等のフラットディスプレーとしてカラー液晶表示装置が急速に普及していることに伴って、液晶パネルを構成するカラーフィルタ等の薄膜層又は微細パターンを形成するために用いられる電離放射線硬化用樹脂組成物の構成要素となる重合体の需要が急増し、この分野にも側鎖含有重合体が使用されている。その例として、マレイミド系アルカリ可溶性共重合体と、ラジカル重合性化合物及び光重合開始剤とを含む電離放射線硬化用樹脂組成物であって、マレイミド系アルカリ可溶性共重合体は、N置換マレイミド単量体単位を必須として有し、且つ二重結合当量が300〜10万である電離放射線硬化用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、側鎖二重結合含有重合体としてマレイミド系アルカリ可溶性共重合体を用いるものであり、この重合体を材料としてカラーフィルタ及び液晶表示装置等を調製しようとするものである。
【0004】
このような側鎖含有重合体は、様々な製造方法により製造することが可能であるが、その中の1つとして、官能基を有する重合体を製造した後に、重合体の官能基と反応する官能基を有する化合物を反応させて側鎖部分を形成する方法があり、カルボキシル基とエポキシ基との反応を利用して重合体に側鎖部分を形成することが行われている。
カルボキシル基とエポキシ基との反応を利用して重合体に側鎖部分を形成する製造方法として、メタクリル酸を含む単量体成分を重合して得られた重合体に、メタクリル酸グリシジルを反応させる製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この製造方法においては、カルボキシル基とエポキシ基とを反応させる場合、アミン化合物やホスフィン化合物が触媒として使用されるが、この反応により適した製造方法を検討する工夫の余地があった。
【特許文献1】特開2003−192746号公報(第1−2、15−19項)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、カルボキシル基とエポキシ基との付加反応を利用して好適に側鎖含有重合体を製造することできる側鎖含有重合体の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、カルボキシル基とエポキシ基との付加反応を利用して側鎖含有重合体を製造する方法について種々検討したところ、カルボキシル基とエポキシ基との反応で側鎖を形成すると、カルボキシル基とエポキシ基との反応によって生じる水酸基が、重合体の主鎖が有する他のエステル基部分とエステル交換反応して架橋構造が形成される反応が徐々に進行し、分子量や粘度の変化がおこること、及び、重量平均分子量が2万を超える重合体では、この反応の影響が特に顕著に発現し、重合体の分子量が大きく増加して得られる側鎖含有重合体がゲル化したり、分子量の経時安定性に劣るものとなる等の影響が大きいことを見出した。そして、カルボキシル基とエポキシ基との付加反応において、一般に触媒として使用されるアミン化合物やホスフィン化合物に代えて、アミド化合物を触媒として用いると、カルボキシル基とエポキシ基との付加反応を促進しながら、アミン化合物やホスフィン化合物を触媒とした場合に比べて、カルボキシル基とエポキシ基との反応によって生じる水酸基と重合体の主鎖が有する他のエステル基部分とのエステル交換反応の進行を抑制することができることから、分子量の経時安定性に優れた重合体を製造することができ、重合体の物性が経時的に変化したり、ゲル化したりするといった不具合を防止できることを見出し、本発明に想到したものである。
【0007】
すなわち本発明は、エポキシ基とカルボキシル基とを触媒を用いて付加反応することによって重合体に側鎖を導入して側鎖含有重合体を製造する方法であって、前記側鎖含有重合体の製造方法は、アミド化合物を触媒として用いる側鎖含有重合体の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、触媒を用いてエポキシ基とカルボキシル基とを付加反応することによって重合体に側鎖を導入するものであるが、重合体がエポキシ基を有し、側鎖部分を形成する化合物がカルボキシル基を有するものであってもよく、重合体がカルボキシル基を有し、側鎖部分を形成する化合物がエポキシ基を有するものであってもよい。また、エポキシ基とカルボキシル基との付加反応によって少なくとも1つ側鎖が形成されることになる限り、その他の官能基の反応によって、形成される側鎖を含むものであってもよい。
また、本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、重合体に側鎖を導入する工程以外の工程を含むものであってもよい。
【0009】
本発明において側鎖を導入するとは、カルボキシル基又はエポキシ基を有する化合物と重合体の主鎖が有するエポキシ基又はカルボキシル基とを付加反応させることによって、一定の長さをもつ構造部分を重合体に追加することであり、追加される構造部分は、一定の構造単位の繰り返しを含むものであってもよく、含まないものであってもよい。
なお、主鎖とは、エポキシ基又はカルボキシル基を有する単量体を含む単量体成分を重合反応させることによって形成される重合体の最も長い鎖を意味するものであり、カルボキシル基又はエポキシ基を有する化合物を付加反応させることによって側鎖を導入するもとになる部分である。主鎖は、カルボキシル基又はエポキシ基を有する化合物と付加反応させる前にあらかじめ形成されていてもよく、カルボキシル基又はエポキシ基を有する化合物を付加反応させるときに形成されてもよい。
また、側鎖とは、主鎖から枝分かれしている鎖の部分を意味するものである。側鎖を形成する化合物は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
以下、重合体に側鎖部分を導入するための付加反応を行う前の重合体を原料重合体、又は、単に重合体と表記し、側鎖部分を導入した後の重合体を側鎖含有重合体と表記する。
【0010】
上記エポキシ基とカルボキシル基との付加反応において、重合体と反応させる化合物の量は、重合体が有するエポキシ基又はカルボキシル基の官能基100モル%に対して化合物が有するエポキシ基又はカルボキシル基の官能基が20モル%以上、100モル%以下となる量であることが好ましい。より好ましくは、25モル%以上、95モル%以下である。
【0011】
上記付加反応においては、反応溶液中の重合体及び重合体と反応させる化合物の合計の濃度が10質量%以上、70質量%以下であることが好ましい。このような濃度範囲にあると、付加反応を効率的にすすめることができる。よりこのましくは、20質量%以上、60質量%以下である。
【0012】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法に触媒として用いるアミド化合物としては、特に制限されず、アミドスルフロン、アセトアミド、N−アセチルグリシンアミド、アクリルアミド、ベンズアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−ベンジルベンズアミド、N−ベンジルホルムアミド、2−ブロモベンズアミド、3−ブロモベンゼンスルホンアミド、n−酪酸アミド、クロロアセトアミド、2−クロロベンズアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、2−クロロブチルアミド、2−クロロ−5−フルオロベンズアミド、クロルチアミド、シアノアセトアミド、2−シアノベンズアミド、シアノチオアセトアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジイソプロピルベンズアミド、3,5−ジメトキシベンズアミド、2,5−ジメトキシベンゼンスルホンアミド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、3,4−ジメチルベンズアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジメチルシアノアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルヘキサンアミド、N,N−ジメチルチオアセトアミド、N,N−ジメチルチオホルムアミド、3,5−ジニトロベンズアミド、ジフェニルホスフィンアミド、2−エトキシベンズアミド、ホルムアミド、ぎ酸アミド、フマルアミド、N−(n−ヘキサデシル)ホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、4−ヒドロキシベンズアミド、N−(ヒドロキシメチル)アセトアミド、N−(ヒドロキシメチル)ベンズアミド、N−ヒドロキシメチル−2−クロロアセトアミド、N−イソプロピル−2−クロロアセトアミド、メタンスルホンアミド、3−メトキシベンズアミド、4−メトキシベンズアミド、2−カルボメトキシベンゼンスルホンアミド、4−メトキシ−3−ニトロベンズアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルベンズアミド、N−メチルジアセトアミド、N−メチルドデカンアミド、メチレンジホルムアミド、6−メチルニコチンアミド、3−メチル−4−ニトロベンズアミド、ニコチンアミド、2−ニトロベンズアミド、2−ニトロベンゼンスルホンアミド、ペンタフルオロプロピオンアミド、フェノキシアセトアミド、2−フェニルブチルアミド、プロピオン酸アミド、ピリジン−2−アセトアミド、サリチルアミド、n−テトラデカンアミド、チオアセトアミド、o−トルエンスルホンアミド、トリフルオロメタンスルホンアミド、2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド、トリメチルアセトアミド、N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アセトアミドアセトフェノン、3−アセトアミド安息香酸、4−アセトアミドベンゾニトリル、2−アセトアミドフルオレン、6−アセトアミドヘキサン酸、3−(アセトアミドメチル)ピリジン、4−アセトアミド−3−ニトロ安息香酸、2−アセトアミドフェノール、2−アセトアミドチアゾール、4−アセトアミドチオフェノール、5−アセチルサリチルアミド、3,4−ビス(アセトアミド)安息香酸、4−ブロモベンズアミド、2−フルオロアセトアミド、2−メトキシベンズアミド、3−メチルベンズアミドオキシム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、4−メチル(チオベンズアミド)、N−スルファニルアセトアミド、4−カルボキシベンゼンスルホンアミド、チオアセトアミド、チオエーテルアミト等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0013】
本発明におけるアミド化合物としては、上記のものの中でも、ジアルキルアミド、ジアルキルアセトアミドからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。また、ジアルキルアミド、ジアルキルアセトアミドの中でも、より好ましくは、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドである。すなわち、本発明の側鎖含有重合体の製造方法に用いるアミド化合物は、ジメチルホルムアミド及び/又はジメチルアセトアミドであることがより好ましい。
アミド化合物としてこれらのものを用いると、低分子量化合物であるため、触媒としての添加量が少量でも充分な効果を発揮することができる。
【0014】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、重合体100質量%に対してアミド化合物を0.2質量%以上、7.0質量%以下添加しておこなうことが好ましい。アミド化合物の添加量をこのような範囲とすることにより、エポキシ基とカルボキシル基との付加反応を効率的にすすめることができることになる。より好ましくは、0.25質量%以上、6.0質量%以下添加することである。更に好ましくは、0.3量%以上、5.0質量%以下添加することである。
【0015】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法において、エポキシ基とカルボキシル基との付加反応をおこなう際の反応温度は、50℃以上、160℃以下であることが好ましい。反応温度がこのような温度であると、付加反応を効率的にすすめることができる。より好ましくは、70℃以上、140℃以下である。
また、付加反応時の圧力としては、0.5atm以上、2atm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.8atm以上、1.5atmである。
また、反応時間としては、5時間以上、30時間以下であることが好ましい。より好ましくは、8時間以上、20時間以下である。
【0016】
上記付加反応に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、グリコール等のアルコール類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等の極性を有する有機溶剤等を用いることができる。これらの中でもより好ましくは、エステル類である。更に好ましくは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。これらの溶媒は、1種又は2種以上使用することができる。
【0017】
上記付加反応工程は、重合禁止剤の存在下で行われることが好ましい。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤の1種又は2種以上を用いることができる。重合禁止剤の使用量は、全単量体成分100重量%に対して0.001〜1.0重量%であることが好ましい。より好ましくは0.005〜0.5重量%であり、更に好ましく0.01〜0.3重量%である。なお、使用量は、重合禁止剤の種類に応じて変更することができる。
【0018】
上記重合禁止剤は、フェノール系重合禁止剤であることが好ましい。
上記フェノール系重合禁止剤としては、例えば、スミライザーGM、スミライザーGS、スミライザーBHT、スミライザーS、スミライザーGA−80、スミライザーWX−R(いずれも商品名、住友化学工業社製);アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−330(いずれも商品名、旭電化工業社製);アンテージDBH、アンテージDAH、アンテージW−400、アンテージW−500(いずれも商品名、川口化学工業社製)が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でもより好ましくは、アンテージW−400である。
【0019】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、重合体の側鎖に二重結合を導入して側鎖含有重合体を製造するものであることが好ましい。本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、各種側鎖含有重合体の製造に用いることができ、重合体と反応させる化合物として、二重結合を有する化合物を用いることにより、側鎖に二重結合を有する重合体を製造することができる。側鎖に二重結合を有する重合体は、液晶パネルを構成するカラーフィルタ等の薄膜層又は微細パターンを形成する材料として好適に用いることができる。
【0020】
上記製造方法が重合体の側鎖に二重結合を導入するものであるとは、触媒を用いてエポキシ基とカルボキシル基とを付加反応することによって、二重結合を有する側鎖を重合体に導入するものであることである。すなわち、上記実施形態とは、エポキシ基とカルボキシル基とが付加反応することによって重合体に付加される構造部分が二重結合を有するものである実施形態である。
二重結合を有する側鎖を重合体に導入する方法は、カルボキシル基を有する単量体を用いて重合を行ってカルボキシル基を有する重合体を調製した後、エポキシ基及び二重結合を有する化合物を反応させる方法、又は、エポキシ基を有する単量体を用いて重合を行ってエポキシ基を有する重合体を調製した後、カルボキシル基及び二重結合を有する化合物を反応させる方法のいずれかであるが、カルボキシル基を有する単量体を用いて重合を行ってカルボキシル基を有する重合体を調製した後、エポキシ基及び二重結合を有する化合物を反応させる方法であることが好ましい。
【0021】
上記側鎖含有重合体が、側鎖に二重結合を有するものである場合、二重結合当量が300以上、10万以下であることが好ましい。二重結合当量が300未満であると、分子量が経時的に増加して保存安定性が低下するおそれがあり、また、二重結合が多すぎるために、硬化が起こりすぎることになり、基板材料として用いた場合に、基板との密着性が低下するおそれがある。また、二重結合当量が10万より大きいと、二重結合量が少ないため、カラーフィルタ等の薄膜層の材料として用いると、少ない露光量で現像した場合には、硬化が充分に起こらないことから、現像性が充分でなくなり、また、塗膜の表面の荒れが起こることになる。更に、カラーフィルタを製造するときには、製造効率が低下したり、パターン形状の精度が低下したりすることとなる。二重結合当量は、より好ましくは、300以上、1万以下である。更に好ましくは、300以上、3000以下であり、特に好ましくは、400以上、2000以下であり、最も好ましくは、450以上、1000以下である。なお、二重結合当量とは、側鎖含有重合体における二重結合1個あたりの重量平均分子量である。
【0022】
上記側鎖含有重合体の製造方法によって製造される側鎖含有重合体は、重量平均分子量が2万以上であることが好ましい。
側鎖含有重合体の重量平均分子量が2万以上である場合、エポキシ基とカルボキシル基との付加反応によって生じる水酸基と重合体が有するエステル基とがエステル交換反応をすると、重合体の分子量が大きく増加することになる。このため、経時での分子量増大を抑制し、保存安定性を高めるためには、エステル交換反応を抑制することが重要である。本発明の製造方法によると、アミン化合物やホスフィン化合物を触媒として用いる方法に比較して、エステル交換反応を効果的に抑制することができるため、重量平均分子量が2万以上の側鎖含有重合体の製造に好適に用いることができる。
重量平均分子量は、より好ましくは、25000以上であり、更に好ましくは、25000〜50000である。重量平均分子量が50000を超えると、例えば、側鎖含有重合体を用いて後述する感光性樹脂組成物を調製した場合、粘度が高くなりすぎ、またアルカリに対する溶解性が低下するおそれがある。
【0023】
上記製造方法において、側鎖含有重合体は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定した重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が4.0以下であることが好ましい。4.0を超えると、熱安定性やアルカリ水溶解性が低下するおそれがある。より好ましくは、3.0以下であり、更に好ましくは、2.5以下である。
【0024】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法において、エポキシ基を有する化合物は、炭素数2以上、20以下の化合物であることが好ましい。より好ましくは、炭素数2〜17の化合物であり、更に好ましくは、炭素数2〜15の化合物である。
これらの中でも、二重結合を有する化合物が好ましい。二重結合を有する化合物を用いると、側鎖部分に二重結合を有する重合体を製造することができる。二重結合を有する化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、3,4−エポキシ−1−ブテン、グリシジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等が好ましい。より好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレートである。更に好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートである。
【0025】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法において、カルボキシル基を有する化合物は、炭素数2〜20の化合物であることが好ましい。より好ましくは、炭素数2〜17の化合物であり、更に好ましくは、炭素数2〜15の化合物である。
また、カルボキシル基を有する化合物は、二重結合を有する化合物が好ましい。二重結合を有する化合物を用いると、側鎖部分に二重結合を有する重合体を製造することができる。カルボキシル基と二重結合とを有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、及び、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類が挙げられる。これらの中でも、不飽和モノカルボン酸が好ましい。より好ましくは、(メタ)アクリル酸である。
【0026】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法に用いられる原料重合体を構成する単量体成分に含まれるエポキシ基を有する単量体、及び、カルボキシル基を有する単量体としては、上記エポキシ基を有する化合物、及び、カルボキシル基を有する化合物のうち、二重結合を有するものと同様のものが好ましい。重合体を構成する単量体成分は、エポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体を1種含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよく、エポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体の両方を含んでいてもよい。また、単量体成分は、エポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体以外の単量体を含んでいてもよい。
【0027】
上記単量体成分が含む、エポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体以外の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン等の芳香族ビニル系単量体;ジメチル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート、ジエチル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート等を用いることができる。
【0028】
上記単量体成分は、単量体成分全体100モル%に対して、エポキシ基を有する単量体及び/又はカルボキシル基を有する単量体を5モル%以上、60モル%以下含むものであることが好ましい。より好ましくは10モル%以上、30モル%以下である。
【0029】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法に用いられる原料重合体は、マレイミド系アルカリ可溶性共重合体であることが好ましい。マレイミド系アルカリ可溶性共重合体とは、N置換マレイミド単量体単位を必須として有するものである。このようなマレイミド系アルカリ可溶性共重合体の好ましい形態としては、N置換マレイミド単量体単位、(メタ)アクリル酸単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位及び/又は芳香族ビニル単量体を必須として有する形態が挙げられる。
【0030】
上記マレイミド系アルカリ可溶性共重合体を構成する単量体単位の質量割合としては、例えば、N置換マレイミド単量体単位が5〜50質量%、(メタ)アクリル酸単量体単位が8〜30質量%、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位及び/又は芳香族ビニル単量体が30〜87質量%であることが好ましい。より好ましくは、シクロヘキシルマレイミド及び/又はベンジルマレイミド単量体単位10〜45質量%、(メタ)アクリル酸単量体単位10〜25質量%、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位及び/又は芳香族ビニル単量体30〜80質量%であり、最も好ましくは、シクロヘキシルマレイミド及び/又はベンジルマレイミド単量体単位15〜40質量%、(メタ)アクリル酸単量体単位15〜25質量%、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位及び/又は芳香族ビニル単量体35〜70質量%である。とりわけ、シクロヘキシルマレイミド及び/又はベンジルマレイミド単量体単位をX質量%、(メタ)アクリル酸単量体単位をY質量%とするとき、0.4×X≦Y≦0.5×X+10の不等式を満たす範囲であることが、アルカリ可溶性と溶媒溶解性のバランスが優れるため最も好ましい。なお、上記質量範囲は、マレイミド系アルカリ可溶性共重合体100質量%を基準とする。また、共重合体の組成は、例えば、重合終了時に未反応単量体をガスクロマトグラフィーにより定量する方法等により決定することができる。
【0031】
上記マレイミド系アルカリ可溶性共重合体は、上記必須の単量体単位以外の単量体単位を有していても有していなくてもよいが、上記必須の単量体単位の合計質量割合としては、例えば、50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、70質量%以上であり、更に好ましくは、90質量%以上である。必須の単量体単位以外の単量体単位は、上述したエポキシ基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体以外の単量体由来の単量体単位が好ましい。
上記マレイミド系アルカリ可溶性共重合体における単量体単位の配列形態は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
【0032】
上記N置換マレイミド単量体として、例えば、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミド、ナフチルマレイミド、o−クロロフェニルマレイミド等の芳香族置換マレイミド;シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のアルキル置換マレイミド等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、ベンジルマレイミドを用いることが好ましい。より好ましくは、シクロヘキシルマレイミド及びベンジルマレイミドであり、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。また、シクロヘキシルマレイミドとしては、シクロヘキシルマレイミド中に副成物として含まれるシクロヘキシルアミノ無水コハク酸の含有量を1質量%以下に低減したものを用いることが好ましい。
【0033】
上記(メタ)アクリル酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。更に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。また、芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン等が挙げられる。
【0034】
上記原料重合体を製造する方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調節剤を用いて単量体成分を重合する方法等が好適である。この場合、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、乳化重合、又は、これらを適宜組み合わせる形態等により重合を行うことができる。これらの中でも、溶液重合により重合を行うことが好ましい。より好ましくは、回分式溶液重合により重合を行うことである。
【0035】
上記原料重合体を製造する際、ラジカル重合開始剤、重合条件等としては、重合方法や、共重合する単量体の種類、使用比率等に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、溶液重合により重合を行う場合に使用する溶剤としては、溶液重合に支障がなく、原料である単量体成分と、生成する重合体の両方を溶解し得る液体であれば特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモルメチルエーテル、グリコール等のアルコール類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のエーテル類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ジメチルスルホキシド等の極性を有する有機溶剤等を用いることができる。また、非水系の分散重合により重合を行う場合に使用する溶剤としては、原料である単量体成分が溶解可能であり、且つ、生成する重合体が不溶である液体であれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等の液状の炭化水素や、その他の非極性の有機溶剤等を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶液重合や非水系の分散重合に用いられる溶剤の量としては、例えば、全単量体成分100質量%に対して20〜400質量%とすることが好ましい。20質量%未満であると、重合終了時に増粘のため攪拌を充分に行うことができなくなるおそれがあり、400質量%を超えると、生成する側鎖含有重合体の分子量が小さくなりすぎるおそれがある。より好ましくは、50〜200質量%である。
【0036】
上記ラジカル重合開始剤としては、公知のラジカル重合開始剤、例えば、過酸化物、アゾ開始剤等の1種又は2種以上を用いることができる。重合開始剤の使用量としては、例えば、全単量体成分100質量%に対して、0.001〜5.0質量%の割合で用いることが好ましく、更に好ましくは0.5〜3.0%である。また、分子量調節剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマーや、メルカプタン系の連鎖移動剤等の1種又は2種以上を用いることができる。中でも、炭素数8以上の長鎖アルキルメルカプタンが、臭気や着色の少なさの点で好ましい。
【0037】
上記重合における重合温度としては、例えば、50〜200℃とすることが好ましい。50℃未満であると、分解温度の低い開始剤を用いる必要があり、開始剤を冷却保存する設備等が必要となる等、工業製造に不利となるおそれがある。200℃を超えると、開始剤の分解温度に達する前に単量体成分が熱重合し始めるおそれがある。好ましくは、80〜150℃である。なお、重合温度は、ラジカル重合開始剤の種類等に応じて設定することが好ましい。
【0038】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法によって側鎖含有重合体を製造する場合、重合体と側鎖部分を形成する化合物との反応の終了後に反応液から揮発分を除去して側鎖含有重合体を分離して使用してもよく、また、固形分を分離せず、溶液状態で使用してもよい。側鎖含有重合体を分離する方法としては特に限定されず、例えば、反応液を真空下で加熱する方法、反応液を貧溶媒中に投入して沈殿させ濾別する方法等を適用することができるが、真空下の加熱により溶剤及び残存単量体を揮発除去させる方法がコスト等の点から好ましい。重合反応に用いる装置としては、揮発除去された溶剤及び残存単量体を回収する設備を備えていることが好ましい。この場合、例えば、脱揮槽で真空加熱、2軸押出機で脱溶媒等を行うことが好適である。また、脱揮槽で反応液を予備濃縮した後、2軸押出機で脱溶媒を完結させることもできる。
【0039】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法によって製造される側鎖含有重合体は、ラジカル重合性化合物、光ラジカル開始剤(光重合開始剤)、着色剤、分散剤及びその他添加剤等とともに、液晶パネルを構成するカラーフィルタ等の薄膜層又は微細パターンを形成する材料として好適に用いることができる。このような、本発明の側鎖含有重合体の製造方法により得られる側鎖含有重合体と、ラジカル重合性化合物と、光重合開始剤とを必須成分として含む感光性樹脂組成物もまた、本発明の1つである。また、このような感光性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物もまた、本発明の1つである。
感光性樹脂組成物においては、カラーフィルタの基板上に塗布し、露光することによって、上記重合体の優れた物性及びアルカリ現像性や、ラジカル重合性化合物によって形成される3次元ネットワーク構造により、被塗布体表面(基板表面)に対する密着性、被膜強度、耐熱性、耐温純水性、耐薬品性等の諸物性に優れた硬化被膜を形成することができ、露光時に所定のパターン状に露光して現像する場合には正確なパターンを形成することができることになる。
【0040】
上記感光性樹脂組成物中に占める側鎖含有重合体の含有量としては、感光性樹脂組成物100質量%に対して、5〜80質量%とすることが好ましい。5質量%未満であると、粘度が低くなり過ぎ、塗布乾燥後の塗膜安定性が充分とはならないおそれがあり、80質量%を超えると、粘度が高くなりすぎるため流動性が低下し、塗布性が悪くなる等の不都合を生じるおそれがある。より好ましくは、10〜50質量%である。
【0041】
上記感光性樹脂組成物において、ラジカル重合性化合物は、光重合反応による硬化を可能とするものであり、例えば、オリゴマー(低重合体)の形態であるラジカル重合性オリゴマーや、モノマー(単量体)の形態であるラジカル重合性モノマーが好適に用いられる。ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、側鎖に二重結合を持つアクリル系重合体等が挙げられる。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、α―メチルスチレン、α―クロロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳香族ビニル系モノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、(2−オキソー1,3−ジオキソラン−4−イル)−メチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;トリアリルシアヌレート等が挙げられる。これらの中でも、得られる感光性樹脂組成物の感光性性能や現像性、ポストベーク後の塗膜物性等の観点から、多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。なお、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
上記ラジカル重合性化合物の使用量としては、上記カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する重合体100重量部に対して、上限は1000重量部、下限は10重量部であることが好ましい。10重量部未満であると、露光時における硬化力が充分なものとはならないおそれがあり、1000重量部を超えると、他の成分の作用効果を充分に発揮させることができないおそれがある。より好ましい上限は600重量部、下限は20重量部であり、更に好ましい上限は400重量部、下限は30重量部である。
【0043】
上記光ラジカル開始剤は、活性光線により励起されてラジカルを発生し、上記ラジカル重合性化合物の重合を開始させるものであり、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類;キサントン類等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0044】
上記光ラジカル開始剤の使用量としては、上記ラジカル重合性化合物100重量部に対して、上限は50重量部、下限は0.1重量部であることが好ましい。0.1重量部未満であると、光照射時間を増やす必要性が生じたり、光照射を行っても充分に重合が起こらなかったりし、適切な現像性が得られないおそれがある。50重量部を超えると、塗膜が着色したり、強度が充分とはならないおそれがあり、また、経済的に不利になるおそれもある。より好ましい上限は40重量部、下限は0.5重量部であり、更に好ましい上限は30重量部、下限は1重量部である。
【0045】
なお、上記光ラジカル開始剤とともに、熱重合開始剤を併用することができる。
上記熱重合開始剤としては特に限定されず、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等の1種又は2種以上を用いることができる。熱重合開始剤の使用量としては、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
【0046】
上記着色剤としては、染料や顔料が挙げられるが、顔料を用いることが好適である。
上記顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.:The Society of Dyers and Colourists社発行)において、ピグメント(pigment)に分類されている有機化合物のうち、C.I.Pigment Yellow 24、31、53、83、138、C.I.Pigment Orange 43、C.I.Pigment Red 105、176、177、254、C.I.Pigment Violet 14、29、C.I.Pigment Blue 15、15:6、22、28、C.I.Pigment Green 15、25、36、C.I.Pigment Brown 28、C.I.Pigment Black 1、7等の有機顔料;鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物又は複合酸化物等の無機顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記着色剤の使用量としては、上記カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を有する重合体と上記ラジカル重合性化合物との合計100重量部に対して、上限は400重量部、下限は1重量部であることが好ましい。より好ましい上限は300重量部、下限は5重量部であり、更に好ましい上限は200重量部、下限は10重量部である。
【0047】
上記分散剤としては、例えば、界面活性剤、顔料の中間体、染料の中間体、高分子分散剤等の1種又は2種以上を用いることができる。界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類;ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアリールエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;BM−1000(ビーエム・ヘビー社製)等のフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマー系等のカチオン系界面活性剤;アニオン性高分子高分子不飽和ポリカルボン酸等のアニオン系界面活性剤等が挙げられる。顔料の中間体、染料の中間体としては、例えば、母体となる有機色素に置換基を導入した有機色素の誘導体が好ましい。母体となる有機色素としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、金属錯塩系等が挙げられ、置換基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホン基、カルボンアミド基、スルホンアミド基等が挙げられる。
このような分散剤は、上記着色剤と併用して用いることが好ましく、その使用量しては、着色剤100重量部に対し、上限は50重量部、下限は0.1重量部であることが好ましい。より好ましい上限は30重量部、下限は0.5重量部であり、更に好ましい上限は20重量部、下限は1重量部であり、最も好ましい上限は10重量部、下限は1重量部である。
【0048】
上記その他の添加剤としては、必要に応じて、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等を用いることができる。また、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシヌレート等のエポキシ樹脂、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物等のエポキシ硬化剤又はジオキサゾリン化合物等を配合してもよい。これらの添加量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
【0049】
上記感光性樹脂組成物としてはまた、必要に応じて希釈剤により希釈されていてもよい。希釈剤としては、上記ラジカル重合性化合物又は適当な溶媒を用いることができる。溶媒としては、上述した重合方法における重合溶媒と同様であり、その使用量としては、感光性樹脂組成物を使用する際の最適粘度に応じて適宜設定すればよいが、例えば、上記感光性樹脂組成物100重量部に対して、上限は1000重量部、下限は10重量部とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0050】
本発明の側鎖含有重合体の製造方法は、上述の構成よりなり、側鎖含有重合体の分子量や粘度の変化を抑制し、分子量や粘度の経時安定性に優れた側鎖含有重合体を製造することができることから、低分子量の側鎖含有重合体だけでなく、高い分子量の側鎖含有重合体の製造にも好適に用いることができる製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0052】
以下の実施例において、各種物性等は以下のように測定した。
<グリシジルメタクリレート濃度測定>
GC−17A(島津製作所製)を使用し、測定した。
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、THFを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)により重量平均分子量を測定した。
【0053】
<酸価>
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン70g/水30g混合溶媒に溶解し、チモールブルーを指示薬として0.1N KOH水溶液で滴定し、固形分の濃度から固形分1g当たりの酸価を求めた。
<粘度>
300mlトールビーカーに樹脂溶液を入れ、25±0.2℃の恒温水槽中にて保持し、25±0.5℃に調温し、B型デジタル粘度計(東機産業社製、DVM−B型)でローターNo.3、6rpmにて粘度を測定した。
【0054】
実施例1
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601(商品名、和光純薬社製)2.00部、PGMEA3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、グリシジルメタクリレート(GMA)16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400(商品名、川口化学社製)0.17部、付加触媒としてジメチルホルムアミド(DMF)0.76部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、15時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた重合体溶液1は、固形分濃度(重合体濃度)31%、GPC法による重合平均分子量は28000、酸価は78mgKOH/g(固形分)、粘度1000mPa・sであった。
【0055】
実施例2
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 2.00部、PGMEA 3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてDMF 5.05部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、10時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた重合体溶液2は、固形分濃度(重合体濃度)30.7%、GPC法による重合平均分子量は28500、酸価は79mgKOH/g(固形分)、粘度900mPa・sであった。
【0056】
実施例3
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 2.00部、PGMEA 3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてジメチルアセトアミド(DMAC)0.90部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、15時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた重合体溶液3は、固形分濃度(重合体濃度)31.2%、GPC法による重合平均分子量は29000、酸価は81mgKOH/g(固形分)、粘度1100mPa・sであった。
【0057】
実施例4
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 3.24部、PGMEA 3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてDMF 0.76部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、15時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた重合体溶液4は、固形分濃度(重合体濃度)31%、GPC法による重合平均分子量は22000、酸価は77mgKOH/g(固形分)、粘度500mPa・sであった。
【0058】
実施例5
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 6.97部、PGMEA 10.00部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてDMF 0.76部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、15時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた重合体溶液5は、固形分濃度(重合体濃度)30.5%、GPC法による重合平均分子量は15300、酸価は77mgKOH/g(固形分)、粘度300mPa・sであった。
【0059】
比較例1
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 3.24部、PGMEA 3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてトリエチルアミン(TEA)0.35部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、7時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた比較重合体溶液1は、固形分濃度(重合体濃度)31%、GPC法による重合平均分子量は22000、酸価は77mgKOH/g(固形分)、粘度550mPa・sであった。
【0060】
比較例2
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 6.97部、PGMEA 10.00部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてTEA 0.35部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、7時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラム法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた比較重合体溶液2は、固形分濃度(重合体濃度)30.3%、GPC法による重合平均分子量は15000、酸価は76mgKOH/g(固形分)、粘度320mPa・sであった。
【0061】
比較例3
撹拌機付きセパラブルフラスコに、溶媒としてPGMEA 221.33部を仕込み、窒素気流下に90℃に昇温した。
他方、滴下系1として、N−ベンジルマレイミド10.00部、ベンジルメタクリレート30.00部、メチルメタクリレート37.80部、メタクリル酸22.20部、PGMEA 8.40部、滴下系2として、重合開始剤V601 2.00部、PGMEA 3.60部を用意し、3時間連続で滴下を行った。滴下終了後、更に30分間90℃に保持した後、115℃に昇温して更に90分間熟成を行った。
反応系を一旦室温まで冷却した後、GMA 16.50部、重合禁止剤としてアンテージW400 0.17部、付加触媒としてTEA 0.35部を加え、7%酸素濃度の酸素・窒素混合ガスをバブリングしながら、115℃に昇温し、7時間GMA付加反応を行った。
ガスクロマトグラフ法にて測定した反応終了後のGMA濃度は、0.1質量%であった。得られた比較重合体溶液3は、固形分濃度(重合体濃度)31.1%、GPC法による重合平均分子量は28000、酸価は78mgKOH/g(固形分)、粘度1000mPa・sであった。
【0062】
保存安定性比較
実施例1〜5、及び、比較例1〜3で得られた重合体溶液について、85℃の温度下で保存し、保存開始直後、1週間後、2週間後、及び、1ヶ月後に重合体溶液の重量平均分子量、GPC強度(合成直後のGPCのピーク面積を100とした時の相対面積)、及び、粘度を測定した。25℃の温度下で6ヶ月間保存したものについても同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
表1の結果から、カルボキシル基とエポキシ基との付加反応の触媒として、アミド化合物を用いた場合には、アミン化合物を用いた場合に比べて、得られる側鎖含有重合体が保存安定性に優れたものとなることが確認された。
また、側鎖含有重合体の重量平均分子量が2万以上である場合には、2万未満である場合に比べて、重量平均分子量や粘度の変化が顕著におこること、及び、側鎖含有重合体の重量平均分子量が2万以上である場合に、本発明の側鎖含有重合体の製造方法の効果が特に顕著に発揮されることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ基とカルボキシル基とを触媒を用いて付加反応することによって重合体に側鎖を導入して側鎖含有重合体を製造する方法であって、
該側鎖含有重合体の製造方法は、アミド化合物を触媒として用いる
ことを特徴とする側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項2】
前記アミド化合物は、ジアルキルアミド及び/又はジアルキルアセトアミドである
ことを特徴とする請求項1記載の側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項3】
前記アミド化合物は、ジメチルホルムアミド及び/又はジメチルアセトアミドである
ことを特徴とする請求項2記載の側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項4】
前記側鎖含有重合体の製造方法は、重合体100質量%に対してアミド化合物を0.2〜7.0質量%添加しておこなう
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項5】
前記側鎖含有重合体の製造方法は、重合体の側鎖に二重結合を導入して側鎖含有重合体を製造することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項6】
前記側鎖含有重合体は、重量平均分子量が2万以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の側鎖含有重合体の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の側鎖含有重合体の製造方法により得られる側鎖含有重合体と、ラジカル重合性化合物と、光重合開始剤とを必須成分として含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の感光性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。

【公開番号】特開2009−57488(P2009−57488A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226847(P2007−226847)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】