説明

傘型残像ディスプレイ装置

【課題】利用者が傘を回転する回転速度に応じて残像表示部に表示される内容を様々に変更される傘型残像ディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】傘型残像ディスプレイ装置は、傘の柄部分に設けられ当該傘の回転速度を検出するジャイロセンサ103と、傘の骨部分に設けられ複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部104と、残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御する表示制御部105と、ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて表示する内容を選択する表示内容選択処理部と、表示内容選択部により選択された表示内容を表示制御部の制御により残像表示部において表示するためのデータ変換を行うデータ処理部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘型残像ディスプレイ装置に関し、詳細には、傘の骨部分に複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部が設けられ、利用者が傘を回転する回転速度に応じて残像表示部に表示される内容を様々に変更して、たとえば雨の日の沈み込んでしまいそうになる利用者の気持ちをさわやかにすると共に、興趣性を向上させることのできる傘型残像ディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル環境またはユビキタス環境を支える技術的要素、特に、GPS、RFIDやセンサーネットワークをはじめとした情報入力システム(例えば、非特許文献11,非特許文献1)の実用化が急速に進められている。一方、こうしたインフラから得られた情報をユーザにフィードバックする情報提示手法については、実用化段階にある技術はまだ少なく、さまざまな提案(例えば、非特許文献8、非特許文献10)が行われている段階である。特に、屋外などのモバイル環境を想定した情報提示手法については、まだ、十分に議論されていない。
【0003】
こうしたモバイル/ユビキタス環境の情報提示手法においては、一度に伝達する情報量と日常生活のタスクとの並列性(情報取得の手軽さ)が、一般に反比例することが知られている(非特許文献12)。
【0004】
石井ら(非特許文献3)は、実世界のインタラクションがユーザの意識の中心にあるか否かという視点から、それらをForeground(明示的)とBackground(暗黙的)に分類している。たとえば、一般的なディスプレイはForegroundなメディアである。多くの情報を一度に伝達できる反面、ユーザは画面を注視する必要があるため、日常生活のタスクを妨げる可能性は大きくなる。
【0005】
一方、空間の光など周辺感覚で捉えることのできる情報は、Backgroundなメディアである。一度に伝達できる情報量は少ないが、日常生活のタスクとの並列性が高いため、ユーザは気軽に情報を受け取ることができる。このように、両者はそれぞれ一長一短の特徴を持つため、状況に応じた使い分けが重要となる。なお、ここでは、Background情報を「アンビエント情報」、Foreground情報を「詳細情報」と定義する。さらに、これらの情報の詳細さの度合いを情報の「粒度」として定義する。
【0006】
特に、モバイル環境においては、ユーザの意識を占有することは危険が伴うため、日常的にはアンビエント情報を利用し、必要に応じて詳細情報を利用するような情報提示手法が有効である。たとえば、携帯電話では振動モーターで着信を知り、そこから電話を取り出して、ディスプレイを用いて詳細な内容を確認することが一般的である。
【0007】
また、この種の携帯機器における簡易なディスプレイとして、目の残像効果を利用した表示装置を組み込んだ携帯機器が知られている。例えば、特許文献1では、無線移動通信デバイスの側部に残像ディスプレイを組み込んだものが提案されており、また、特許文献2では、携帯用扇風機に残像ディスプレイを組み込んだものが提案されている。
【0008】
このように、残像ディスプレイ装置は屋外用電光掲示板から玩具まで、幅広い製品で活用されている。次に残像ディスプレイ装置を(1)手動式、(2)半自動式、(3)電動式、(4)その他の4つに分類して、その特徴を検討する。
【0009】
(1)手動式の残像ディスプレイは、ポケモーション(非特許文献9)やLightalk(非特許文献5)をはじめとした比較的安価な玩具に活用されている。ポケモーションは、棒状のデバイスを左右に一定間隔で振ることで、内蔵メモリに格納されたさまざまなキャラクターのグラフィックやアニメーションを楽しむことができるものである。Lightalkは、自分で書いた絵や文字をスキャンし、ポケモーションと同様に表示して楽しむことができる。
【0010】
(2)半自動式の残像ディスプレイは、HokeySpokes(非特許文献2)があげられる。HokeySpokesは、自転車のホイールに残像ディスプレイを装着することで、さまざまな美しい模様を表現することができる。装着箇所を工夫することで、ユーザが意図的に振る必要がない点が特徴である。
【0011】
(3)電動式の残像ディスプレイとしては、Twister(非特許文献4)があげられる。Twisterは、二つのLEDアレイと遮光板を組み合わせた情報提示ユニットを高速で回転させることにより、裸眼で高視野角の立体映像を観察できるディスプレイである。主にテレイグジスタンスやバーチャルリアリティに利用されている。その他の少し変わった残像ディスプレイとしては、ソニーエクスプロアーサイエンスに展示されているLightStick(非特許文献6)がある。LightStickは、高速で点滅するLEDアレイを固定しておき、ユーザが一定のタイミングで動いたり、頭を振ったりすることで、像を見ることができる。
【0012】
アンビエント情報と詳細情報を連携させる手法としては、Push&Pull(非特許文献14)が挙げられる。Push&Pullでは、コンピュータディスプレイを前後にスライドさせることで、コンピュータの利用モードを受動的から能動的に切り替えるインタフェース技法を提案している。また、水口ら(非特許文献7)は、受動的なインタラクションから能動的なインタラクションへの移行についてさまざまな視点から考察を加えている。
【0013】
更に別の例として、モバイル環境において、アンビエント情報と詳細情報の中間的な情報を提示するアプローチとしては、ActiveBelt(非特許文献13)がある。ActiveBeltは、ベルトの周りに8つの振動モーターを装着することにより、方位情報を伴う触覚情報提示手法を実現している。触覚情報を用いることでユーザの負担を抑えつつ、明示的な方位情報を提示できるため、ある程度の情報量を与えることができるものとなっている。
【特許文献1】特表2005−517970号公報
【特許文献2】特開2003−314487号公報
【非特許文献1】Crossbow Technology Home Page,2004. http://www.xbow.com/.
【非特許文献2】HokeySpokes, 2003. http://www.hokeyspokes.com/.
【非特許文献3】H. Ishii and B. Ullmer. TangibleBits: Towards Seamless Interfaces between People, Bits and Atoms. InProceedings of the ACM Conference on Human Factors in Computing Systems(CHI97), pp. 234-241. ACM Press,1997.
【非特許文献4】Y. Kunita, N.Ogawa, A. Sakuma, M. Inami, T. Maeda, and S. Tachi. Immersive AutostereoscopicDisplay for Mutual Telexistence: TWISTER I (Telexistence Wide-angle ImmersiveSTEReoscope model I). In Proseedings of IEEE VR 2001, pp. 31-36, 2001.
【非特許文献5】Lightalk,2004. http://www.nittohkogaku.co.jp/lightalk/contents.html.
【非特許文献6】LightStick(Sony ExploraScience), 2003. http://www.sonyexplorascience.jp/whatis.html.
【非特許文献7】水口充、竹内友則、倉本到、渋谷雄、辻野嘉宏、受動型インタラクションスタイル:密なインタラクションへの移行を促すユーザインタフェース、ヒューマンインタフェース学会論文誌、5(4):121-130, 2003.
【非特許文献8】G. Pingali, C.Pinhanez, A. Levas, R. Kjeldsen, M. Podlaseck, H. Chen, and N. Sukaviriya.Steerable Interfaces for Pervasive Computing Spaces. In First IEEEInternational Conference on Pervasive Computing and Communications (PerCom’03), pp. 315-322, March 2003.
【非特許文献9】ポケモーション、2003.http://www.nintendo.co.jp/n09/p_motion/.
【非特許文献10】S. Rapp, G.Michelitsch, M. Osen, J. Williams, M. Barbisch, R. Bohan, Z. Valsan, and M.Emele. Spotlight Navigation: Interaction with a Handheld Projection Device. InPervasive 2004 Video Program, 2004. 携帯風LEDプロジェクタでインタラクションを行う.
【非特許文献11】RFIDテクノロジ編集部(編)、無線ICタグのすべて、日経BP社、2004.
【非特許文献12】椎尾一郎、安村通晃、福本雅明、伊賀聡一郎、増井俊之、モバイル&ユビキタスインタフェース、ヒューマンインタフェース学会論文誌、5(3):313−322、2003.
【非特許文献13】塚田浩二、安村通晃、Active Belt:触覚情報を用いたベルト型ナビゲーション機構、情報処理学会論文誌、44(11):2649−2658,2003.
【非特許文献14】渡邊恵太、安村通晃、Push&Pull:「眺める」と「使う」をなめらかに移行するインタフェースの提案、インタラクション2004論文集、pp.209−210、2004.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
こうしたアンビエント情報と詳細情報は、それぞれ独立したメディアとして提供されることが多く、これまで、両者をなめらかに連携させる手法についてはさほど考慮されてこなかった。したがって、本発明においては、モバイル環境においてなめらかに情報の粒度をコントロールする手法として、残像ディスプレイに着目し、傘に残像ディスフレ装置を組み込んだ傘型残像ディスプレイ装置を提供することを目的としている。
【0015】
具体的には、本発明の目的は、傘の骨部分に複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部を設け、利用者が傘を回転する回転速度に応じて残像表示部に表示される内容を様々に変更して、利用者の気持ちをさわやかにすると共に、興趣性を向上させることのできる傘型残像ディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記のような目的を達成するため、本発明による傘型残像ディスプレイ装置は、傘の柄部分に設けられ当該傘の回転速度を検出するジャイロセンサと、傘の骨部分に設けられ複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部と、前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御する表示制御部と、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて表示する内容を選択する表示内容選択処理部と、前記表示内容選択部により選択された表示内容を前記表示制御部の制御により残像表示部において表示するためのデータ変換を行うデータ処理部とを備える。
【0017】
また、本発明による傘型残像ディスプレイ装置においては、残像表示部は、複数の骨部分に沿って放射状に設けられ、表示制御部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果によるグラフィカル表示により情報表示を行うように構成される。
【0018】
また、表示制御部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果による文字表示により情報表示を行うように構成されてもよい。これらの場合に、表示内容選択処理部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度が第1の所定値未満ではアンビエントな情報の選択し、第1の所定値以上でかつ第2の所定値未満では所定の情報を選択し、更に第2の所定値以上になると、前記所定の情報に関係する詳細情報を選択するように構成される。
【発明の効果】
【0019】
上記のような構成の本発明による傘型残像ディスプレイ装置によれば、傘の骨部分に複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部が設けられ、表示制御部、表示内容選択処理部、データ処理部の処理によって、利用者が傘を回転する回転速度に応じて残像表示部に表示される内容が様々に変更されるので、たとえば雨の日の沈み込んでしまいそうになる利用者の気持ちをさわやかにすると共に、興趣性を向上させることのできる傘型残像ディスプレイ装置が提供される。さらに、GPSや各種センサ、コンテンツDBと連携することで、ナビゲーションや天気情報などモバイル環境向けのさまざまな応用が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施する場合の形態について図面を参照して説明するが、まず、LED(発光ダイオード)アレイによる残像ディスプレイ装置の特徴について説明する。
【0021】
残像ディスプレイ装置は、LED(発光ダイオード)列などを高速で点滅させながら移動させることで、人間の視覚の残像効果により空間上に像を認識させる情報提示装置である。たとえば複数のLEDを搭載した棒状の残像ディスプレイにおいて、LEDの点滅パターンを「上→下→上」と高速に変化させている状態で、デバイスを左右に移動させると、「V」という文字が空間上に浮かんで見える。この残像ディスプレイ装置の特徴は、(1)安価でローコスト、(2)遠距離から視認しやすい、(3)見た目や動作がユニークで面白い、といった点があげられる。
【0022】
本発明による傘型残像ディスプレイ装置では、こうした既存の製品でほとんど活用されてこなかった残像ディスプレイ装置の特性として、
(1)静止状態と移動状態で異なる粒度の情報提示を行えること、
(2)静止状態から移動状態への移行が容易であること、
という2点に着目して、この特性を好ましく利用できるような機構を有する傘型残像ディスプレイ装置として構成する。
【0023】
すなわち、静止状態では情報取得の負担が少ないアンビエント情報を、移動状態では情報量の豊富な詳細情報を提示するように、残像ディスプレイ装置を異なる粒度を持つ情報提示機構として利用できる構成を備えるものとしている。さらに、デバイスを動かすというシンプルな操作で、すなわち、傘を手動によりくるりと回す操作により、また、更にくるくる回す操作により、アンビエント情報から詳細情報までなめらかに連携できる特性を活用できるものとしている。
【0024】
一般に、モバイル環境に適した情報提示デバイスの形態としては、
(1)ユーザの装着/携帯の負担を軽減する、
(2)プライバシーに配慮するといった要素が重要となっている。
さらに、残像ディスプレイ装置を有効に活用するために、
(3)負荷なく手軽に残像ディスプレイを駆動できるといった点も重要である。
こうした点を考慮した結果、本発明においては傘を利用した残像ディスプレイ装置としている。
【0025】
傘は多くの人にとって馴染み深い日用品であり、特に雨や日差しの強い日には幅広く利用されていること、また、ユーザをドームのように覆う形状から、傘の内側に残像ディスプレイを設置することで、外の人に情報を知られないように、プライバシーに配慮して情報提示を行うことができる。さらに、傘に装着した残像ディスプレイは、傘をくるりと「回す」ことで駆動できることが特徴である。棒状の残像ディスプレイの場合、大きく左右に腕を振る必要があるため疲労が激しいが、傘を回す操作を行う際には大きな動作を必要としないため、連続的/一定速度で動かすことも比較的容易である。また、傘をくるくる回す動作は一般的に馴染み深いものであり、ユーザは特に新しい操作を覚える必要がない。こうした背景に基づき、本発明では、モバイル環境においてなめらかに情報の粒度をコントロールできる傘型残像ディスプレイ装置を提供する。
【0026】
ここでは、本発明による傘型残像ディスプレイ装置を、このような特徴をうまく表現している名称として『PhantomParasol』として呼ぶことにする。次に、PhantomParasolのコンセプト、デバイス構成と、動作イメージについて説明する。
【0027】
PhantomParasolのコンセプトは、大きく分けて以下の三点である。
1.なめらかな粒度を持つ情報提示
2.一般的な日用品(傘)を拡張
3.モバイル/ユビキタス環境に適した多彩な応用
【0028】
第一点は、残像ディスプレイの特性をうまく活用することで、アンビエント情報と詳細情報を容易に切り替えられるということである。上述したように、モバイル環境においては、日常的にはアンビエント情報を提示し、ユーザが必要に応じて手軽に詳細情報を得られるような情報提示方法を用いる。PhantomParasolでは、傘をさした状態では上から淡い光が降るようなアンビエント情報を表示し、くるりくるりとまわした状態ではグラフィカルな詳細情報を提示する。
【0029】
第二点は、傘という身近な日用品を拡張することで、多くの人にとって持ち運びや利用に違和感のないデバイス形態を実現する。傘をさしたり、くるりと回したりする動作は、多くの人にとって親しみやすいと考えられる。さらに、傘の形状を有効利用し、傘内部に残像ディスプレイを組み込むことで、モバイル環境におけるプライバシーにも配慮した情報提示を行うことができる。
【0030】
第三点は、GPS/RFIDなどのセンサや無線通信機構と連携することで、屋外利用を中心としたモバイル/ユビキタス環境に適した新しい情報提示機構として多様な応用が期待できる点である。
【0031】
次に、PhantomParasolのデバイス構成について説明する。PhantomParasolは、傘の中心軸(柄)に搭載されたジャイロセンサ、傘の内側に搭載された複数の残像ディスプレイ(LEDアレイ)、およびこれらを制御する複数のマイクロコンピュータを中心に構成される。
【0032】
図1は、本発明による傘型残像ディスプレイ装置の全体の構成を説明する図であり、図2は、本発明による傘型残像ディスプレイ装置の信号制御処理システムおよび情報処理システムの装置構成を説明するブロック図である。図1および図2において、100は残像ディスプレイ装置、101は傘部、102は傘を手動で回転させる傘の柄、103は傘の柄の部分に設けられ傘の回転速度を検出するジャイロセンサ、104は傘の骨部分に設けられた複数の発光ダイオードの列から構成される表示モジュール、105は表示モジュールをそれぞれに制御する制御モジュールである。また、106は外部通信モジュール、107は傘型残像ディスプレイ装置において表示する情報を提供するための外部コンピュータである。
【0033】
制御モジュール105は、複数のマイクロコンピュータから構成されており、表示モジュール104における複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御する表示制御の信号処理、ジャイロセンサ103により検出された回転速度に応じて表示する内容を選択する表示内容選択処理、選択された表示内容を表示するためのデータ変換を行うデータ処理のそれぞれの処理を行う。
【0034】
ここでの傘型残像ディスプレイ装置100において、複数の表示モジュール104は、複数の骨部分に沿って放射状に設けられる。制御モジュール105の表示制御の信号処理により、ジャイロセンサ103により検出された回転速度に応じて表示モジュール104の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果によるグラフィカル表示により情報表示を行う。また、この制御モジュール105の表示制御の信号処理では、ジャイロセンサ103により検出された回転速度に応じて表示モジュール104の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果による文字表示により情報表示を行う。
【0035】
さらに、制御モジュール105の信号処理およびデータ処理では、ジャイロセンサにより検出された回転速度が第1の所定値未満ではアンビエントな情報の選択し、第1の所定値以上でかつ第2の所定値未満では所定の情報を選択し、更に第2の所定値以上になると、前記所定の情報に関係する詳細情報を選択して、表示モジュール103に、これらの情報を表示するように信号制御処理および情報処理を行う。
【0036】
このような構成による傘型残像ディスプレイ装置100においては、ユーザが傘を開いて傘を手動で回転するような操作を行うと、ジャイロセンサ103は傘の回転速度をリアルタイムに取得し、表示モジュール104の発光ダイオード(LED)の点滅周期や情報の粒度を切り替えるトリガーとして利用される。
【0037】
表示モジュール104において、傘のそれぞれの骨部分に設けられたLEDアレイは、任意の周期/パターンで点滅を繰り返す制御が行われており、静止時にはアンビエントな情報を、回転時には残像効果によるグラフィカルな情報を提示する。ここでのLEDアレイは、傘の骨部分のそれぞれに設けられているが、ここでは、複数列のLEDアレイを搭載することで、情報の粒度を幅広く変更できるように配慮されたものであるが、少なくとも3つのLEDアレイを用いるものであってよい。傘の中心から等間隔に3方向に伸びる3本のLEDアレイを用いることにより、傘の回転速度によるがグラフィック表示が可能になる。制御モジュール105のそれぞれのマイクロコンピュータは、これらのデバイスの制御や、ホストPCとの通信(コンテンツの変更/保存など)に利用される。
【0038】
つぎに、本発明による傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)100の全体の動作について概略を説明する。図5は、傘型残像ディスプレイ装置におけるアンビエント情報から詳細情報までのコンテンツを表示する表示制御の動作例を示す図である。図5に示すように、ユーザが傘を「開く」と、傘の接合部につけられたスイッチが導通し、表示モジュール104のLEDの色/数/周期などを中心としたアンビエントな情報提示を開始する(図5の左側)。ユーザが傘をまわし始めると、ジャイロセンサ103が回転動作を感知し、残像効果を用いたグラフィカルな情報提示が開始される(図5の中央)。さらに、傘を早くまわすことで、解像度/内容などがより詳細な情報が提示される(図5の右側)。このように、ユーザは傘をくるりと回すというシンプルな動作で、その回転速度に応じて情報の粒度を手軽に切り替えることができる情報提示装置が提供される。
【0039】
本発明による傘型残像ディスプレイ装置の構成の具体例について詳細に説明すると、傘型残像ディスプレイ装置は、和洋傘の内側にLEDモジュール(LEDアレイ)、ジャイロセンサ、マイコンなどを取り付ける形で実装するため、傘の半径は522mmであり、24本の木製の骨を持っているものを利用する。この傘の等間隔の8本の骨を選択し、合計8列のLEDモジュールを取り付ける。一つのLEDモジュールは、52個の高輝度LEDと4つのデマルチプレクサ(74HC154)から構成される。LEDの色としては、赤、青、緑、黄色の四色を用いており、同じ色が対角線に来るように配置する。
【0040】
これらのLEDモジュールは、傘の静止時には52段階のレベルメーターとして動作させることが可能であり、回転時には仮想的に52×52ピクセルの解像度を持つビットマップディスプレイとして利用することが可能である。ここでは静止時/回転時に表示するデータを便宜的に「コンテンツ」と表現する。
【0041】
ジャイロセンサ(ムラタエレクトロニクス製ENC−03J)は、傘の中心軸の先端付近に装着している。このジャイロセンサ(ENC−03J)は1軸のジャイロセンサであり、傘の回転軸の角速度を検出し、0〜5Vのアナログ電圧として出力する。
【0042】
制御モジュール105は、各表示モジュール(LEDアレイ)104の隣の骨上に合計8個装着している。マイクロコンピュータは、MicroChip社製PIC18F252を利用している。各マイクロコンピュータは対応する表示モジュール(LEDアレイ)をデマルチプレクサを介して制御する。また、マイクロコンピュータの間は順次シリアル接続されており、各種コマンドの送受信を行う。たとえば、コンテンツの書換コマンドを受信した場合、新しいコンテンツをマイコン内部メモリへ保存する。一度保存したコンテンツは電源切断後も保持され、傘の回転状態に応じて読み出し、表示モジュール(LEDアレイ)に表示できる。
【0043】
これらに加えて、制御モジュール104のマイクロコンピュータのうち1台(以下ホストマイコン)は、(1)ジャイロセンサの制御、(2)ホストPCとRS232経由で通信の役割を兼ねるようにしている。ジャイロセンサ103のアナログ出力は、10bit精度のA/Dコンバーターで数値化される。ホストマイコンは、この数値から傘の回転速度を推定し、LEDの点滅周期や表示するコンテンツを変更する。これらの変更は、即座に全てのマイコンに送信される。
【0044】
ホストPCでは、傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)と連携するための専用アプリケーションが動作しており、デバイスの動作調整やコンテンツの書き換えを行う。表示モジュール104において表示するための各コンテンツは、適当なサイズのbmp/jpg/pngなどの画像ファイルを読み込むことで作成される。画像は52×52ピクセルに自動的に縮小され、任意の明度で二値変換された後、RS232経由で制御モジュール105のマイクロコンピュータに送信される。シリアル通信部分はBluetoothに置き換え、コンテンツの書き換えをより容易に行えるように配慮される。
【0045】
図3および図4は、それぞれ傘型残像ディスプレイ装置におけるコンテンツの読込処理およびコンテンツの表示処理を示すフローチャートである。これらの処理について概要を説明する。図3を参照すると、コンテンツの読込処理では、外部コンピュータ107において、コンテンツデータベースから、コンテンツを取得し、コンテンツにヘッダ(アドレス、インデクス)を付加し、制御モジュール105のマイクロコンピュータに当該コンテンツを送信する。制御モジュール105のマイクロコンピュータでは、外部通信モジュール106を介して受信した外部コンピュータ107からのコンテンツを受信し、受信したコンテンツのヘッダを解析する。
【0046】
この解析により、アドレスおよびインデクスを取得し、ヘッダアドレスが制御モジュール105のマイクロコンピュータのアドレスと同一か否かを判定し、アドレスが同一でない場合には、次の制御モジュール105のマイクロコンピュータに受信したコンテンツを送信する。また、ヘッダアドレスが制御モジュール105のマイクロコンピュータのアドレスと同一か否かを判定して、アドレスが同一である場合には、受信コンテンツが自己の制御モジュール105のマイクロコンピュータに送信されものであるので、メモリのインデクス位置に受信したコンテンツを書込み、コンテンツの読込処理を終了する。このような処理がそれぞれの制御モジュール105のマイクロコンピュータにおいて行われる。
【0047】
次に、図4を参照してコンテンツの表示処理について説明する。コンテンツの表示処理は、基本的にはジャイロセンサ103において検出される回転速度に対応して、その表示する内容を選択し、変更してコンテンツの表示を行う。この表示処理においては、ジャイロセンサ103のマイクロコンピュータの制御処理により、傘の回転速度を検出し、制御モジュール105のマイクロコンピュータに傘の回転速度を送信する。制御モジュール105のマイクロコンピュータにおいては、ジャイロセンサ103のマイクロコンピュータから送信された回転速度を受信すると、これをトリガーとして、まず、回転速度のレベルを判定する。この判定では、たとえば、回転速度が第1の所定値未満の第1のレベル、第1の所定値以上でかつ第2の所定値未満の第2のレベル、第2の所定値以上の第3のレベルを判定する。この判定した第1から第3のレベルに応じて、アンビエントな情報、所定の情報、所定の情報に関係する詳細情報を選択する。
【0048】
この制御モジュール105のマイクロコンピュータでは、回転速度のレベル判定を行った場合に、マルチタスク処理により、複数の制御モジュール105のマイクロコンピュータの次の制御モジュール105のマイクロコンピュータにそれぞれにジャイロセンサ103のマイクロコンピュータから送信された回転速度の情報を送信するための処理を行う。マイクロコンピュータのアドレスがn未満の場合には、次の制御モジュール105のマイクロコンピュータに回転速度を送信する処理を行う。
【0049】
また、前述のようにして回転速度のレベル判定を行った場合に、残像ディスプレイの表示制御のために、その判定したレベルからLEDアレイの点滅間隔を判定すると共に、表示するコンテンツの選択処理のために、判定したレベルからコンテンツのインデクスを判定し、この判定したインデクスによりメモリのインデクス位置からコンテンツを詠み込む処理を行う。これにより、表示モジュール104において表示するコンテンツとLEDアレイの点滅間隔が判定できたので、続いて表示制御のための処理を行う。
【0050】
この表示制御では、コンテンツの1列分をLEDアレイに表示し、点滅時間分の時間待機を行い、表示した1列分がコンテンツ最終列かを否かを判定する。表示した1列分がコンテンツ最終列でない場合は、次の列を表示するため、同様に、コンテンツの1列分をLEDアレイに表示し、点滅時間分の時間待機を行い、表示した1列分がコンテンツ最終列かを否かを判定する。また、表示した1列分がコンテンツ最終列である場合には、表示処理を終了する。このようにして、ジャイロセンサ103のマイクロコンピュータから検出された回転速度に応じて、表示タイミングの制御と共に、表示する情報の内容を選択して表示する表示制御を行う。
【0051】
図6は、コンテンツとして天気の情報を表示する表示制御の動作例を示す図である。図6に示すように、傘型残像ディスプレイ装置の傘を回転しない静止時は二つのLEDモジュールを用いてレベルメーター的な表現を行い、傘型残像ディスプレイ装置の傘の回転時には全てのLEDモジュールを利用して天気情報(晴マーク)を表現している。
【0052】
図7は、コンテンツとして地図の情報を表示する表示制御の動作例を示す図である。図7に示すように、GPS/各種センサ/無線通信機構などとの連携を想定した傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)として適用できる。
【0053】
傘型残像ディスプレイ装置をGPSや方位センサと連携させ、ナビゲーションツールとして適用できる。ユーザは傘をさした状態では目的地の方位(LEDの点灯方向)や距離(LEDの点灯数)をぼんやりと「感じながら」歩き、次に、交差点にさしかかった場合などに傘を回転させることで、残像ディスプレイ装置上に大まかな地図を表示して目的地を確認することができる。この時に、更に傘をすばやく回転させることで、より詳細な地図を表示することができる。このように、傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)を用いることで、最小限のアンビエント情報を常時感じつつ、必要に応じてなめらかに詳細情報を確認することができる。
【0054】
また、この傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)を自律型のセンサと組み合わせたり、無線通信機構やWebサービスと連携して利用することで、周囲の環境情報(天気、風速、花粉など)を随時提示することができる。
【0055】
表示するコンテンツとして、たとえば、天気情報を表示する場合、ユーザは傘を指した状態では、気温/降水確率などをLEDアレイの色(赤:気温、青:降水確率など)およびLEDアレイの点灯数(多いほど高い)で、ぼんやりと感じることができる。次に、より詳細な情報を知りたい場合、傘をゆっくりと回転させることで、正確な温度/気温や天気を知ることができ、さらに、傘をすばやく回転させれば、今後の天気情報の変遷を知ることができる(図6)。このように、周囲の環境情報などを時間軸/あるいは空間軸で拡張して提示することが可能である。
【0056】
モバイル環境の情報提示とは趣が異なるが、傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)は、残像ディスプレイの美しさや表現力と,長時間の扱いやすさを併せ持つため、クラブやステージでのパフォーマンスに大きな効果を発揮すると考えられる。
さらに、傘を回転させる動作は海老一染之助・染太郎師匠の傘回しや、宝塚女子歌劇団のラインダンスなどの演出などに代表されるように、華のある表現として幅広く用いられており、好感度の高いパフォーマンスを実現できるのではないかと考えられる。
【0057】
PhantomParasolについては、正式な評価は行っていないが、発明者の研究グループなどにおける試用を通して、いくつかの知見や課題を得ることができている。「傘を回転させる動作」、「解像度」、「利用場面」という3つの要素について検討すると、傘を回転させる動作は、比較的慣れ親しんだものであるためか、傘を回転させて残像ディスプレイによる映像を表示することは、PhantomParasolに初めて触れる人も容易に行うことができる。
【0058】
本来、傘を回転させる動作は、肩や片手を支点としてもう片方の手首を動かすという、小さな動作であるため、将来的にデバイスの軽量化を図ることで、疲労の問題はある程度解決できる。
【0059】
前述した傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)の試作機の解像度は、基本は52×52ピクセルであり、8つのLEDモジュールを同時に利用した場合は最高で52×416(52×8)ピクセルとなっている。この解像度は、一般的な携帯端末のディスプレイと比較すると低めだが、天気情報や簡単なメッセージを表示するには十分である。
【0060】
また、詳細な地図情報を表示する場合などを考慮すると、特に縦方向の解像度(一列あたりのLED数)はもう少し高める必要があるが、LEDアレイやマルチプレクサはかなり安価なデバイスであるため、縦方向には、前述の試作機の倍程度のLEDアレイを配置することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
一般的に、従来の傘は主に雨の日に利用すると考えられてきたが、本発明に係る傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)の利用場面を考えていく上では、従来の傘の利用場面に対して二つの解釈の方向性が考えられる。まず、一つ目は、PhantomParasolのような新しい機能を傘に付加することで、雨の日以外の幅広い状況で利用されるようになるのではないか、という方向性がある。実際、晴れた日でも女性を中心に日傘は頻繁に利用されており、PhantomParasolの登場によって傘の利用形態が大きく変わる可能性もありうる。もう一つは、逆に雨の日を中心に利用する情報提示デバイスとしてフォーカスする方向性である。モバイル/ユビキタス環境においては、単一のユーザ・インタフェースが全ての状況で利用できる必要はなく、状況に応じて適切なインタフェースを選択することが重要となる(非特許文献12)。よって、雨の日に最適な情報提示インタフェースとしてPhantomParasolを確立させるという方向性も、十分価値がある。
【0062】
本発明による傘型残像ディスプレイ装置は、前述した既存の残像ディスプレイ装置と比較した場合、その特徴として、
(1)静止状態のLEDアレイを用いてアンビエントな情報提示を行うことができる。
(2)残像ディスプレイの回転速度をユーザが任意に調整し、表示するコンテンツの粒度を切り替えることができる。
(3)残像ディスプレイをモバイル環境の情報提示手法として積極的に活用することができる、といった利点が挙げられる。
【0063】
アンビエント情報と詳細情報を連携させる手法としては、前述したPush&Pull(非特許文献14)が挙げられるが、Push&Pullでは、コンピュータディスプレイを前後にスライドさせることで、コンピュータの利用モードを受動的から能動的に切り替えるインタフェース技法である。これに対して、本発明による傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)は、屋外を中心としたモバイル環境において、アンビエント情報と詳細情報をなめらかに移行する情報提示手法である。
【0064】
また、モバイル環境において、アンビエント情報と詳細情報の中間的な情報を提示するアプローチとしては、ActiveBelt(非特許文献13)があるが、ActiveBeltは、ベルトの周りに8つの振動モーターを装着することで、方位情報を伴う触覚情報提示手法である。触覚情報を用いることでユーザの負担を抑えつつ、明示的な方位情報を提示できるため、ある程度の情報量を与えることができる。これに対して、本発明による傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)は、傘をまわすというシンプルな行為で、アンビエント情報と詳細情報をなめらかに移行できる点において特徴があるものとなっている。
【0065】
本発明による傘型残像ディスプレイ装置(PhantomParasol)は、モバイル環境においてなめらかに情報の粒度をコントロールできる傘型の情報提示装置であり、この情報提示装置では、傘をさすことでアンビエントな情報提示を行い、くるりとまわすことで、LEDの残像効果を用いて空間上に像を描き、段階的に詳細な情報を提示することができる。さらに、GPSや無線通信構と組み合わせることにより、近い将来、本発明による傘型残像ディスプレイ装置は、雨や日差しを「遮断」する道具から、さまざまな情報を「伝達」する道具へと傘を進化させる可能性を秘めている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明による傘型残像ディスプレイ装置の全体の構成を説明する図である。
【図2】本発明による傘型残像ディスプレイ装置の信号制御処理システムおよび情報処理システムの装置構成を説明するブロック図である。
【図3】傘型残像ディスプレイ装置におけるコンテンツの読込処理を示すフローチャートである。
【図4】傘型残像ディスプレイ装置におけるコンテンツの表示処理を示すフローチャートである。
【図5】傘型残像ディスプレイ装置におけるアンビエント情報から詳細情報までのコンテンツを表示する表示制御の動作例を示す図である。
【図6】コンテンツとして天気の情報を表示する表示制御の動作例を示す図である。
【図7】コンテンツとして地図の情報を表示する表示制御の動作例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
100 残像ディスプレイ装置
101 傘部
102 傘の柄
103 ジャイロセンサ
104 表示モジュール
105 制御モジュール
106 外部通信モジュール
107 外部コンピュータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘の柄部分に設けられ当該傘の回転速度を検出するジャイロセンサと、
傘の骨部分に設けられ複数の発光ダイオードの列から構成される残像表示部と、
前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御する表示制御部と、
前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて表示する内容を選択する表示内容選択処理部と、
前記表示内容選択部により選択された表示内容を前記表示制御部の制御により残像表示部において表示するためのデータ変換を行うデータ処理部と、
を備えることを特徴とする傘型残像ディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の傘型残像ディスプレイ装置において、
残像表示部は、複数の骨部分に沿って放射状に設けられる
ことを特徴とする傘型残像ディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項1に記載の傘型残像ディスプレイ装置において、
表示制御部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果によるグラフィカル表示により情報表示を行う
ことを特徴とする傘型残像ディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の傘型残像ディスプレイ装置において、
表示制御部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度に応じて前記残像表示部の複数の発光ダイオードのそれぞれの発光タイミングを制御し、表示される内容を残像効果による文字表示により情報表示を行う
ことを特徴とする傘型残像ディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の傘型残像ディスプレイ装置において、
表示内容選択処理部は、前記ジャイロセンサにより検出された回転速度が第1の所定値未満ではアンビエントな情報の選択し、第1の所定値以上でかつ第2の所定値未満では所定の情報を選択し、更に第2の所定値以上になると、前記所定の情報に関係する詳細情報を選択する
ことを特徴とする傘型残像ディスプレイ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−156125(P2007−156125A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−351549(P2005−351549)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】