説明

傾斜上面部を有する二次包装用容器

【課題】ボトル容器などの一次包装用容器を陳列する場合にほこりなどをかぶって印象が悪くなる問題や目立ち難いなどの問題を解決する二次包装用容器を提供すること。
【解決手段】以下の構成を有する二次包装用容器である。(A)全体を1枚のシートから構成し、接着部が折りひだ部のみであること、(B)側面部は、左右とも内側に傾斜し、左右側面部の高さの合計が底部の左右方向の幅を超えない高さであり、側面に開口部分を形成していること、(C)背面部から前面部へ片流れの傾斜上面部及び水平上面部を有すること、(D)前記傾斜上面部は、前記水平上面部に連設した傾斜上面補強部を裏側から重ね、一部又は全部が2層となっていること、(E)背面上部に連設した係止用突部を背面部の上部に設けた切り込みに差し込んで、背面上部を背面下部に係止していること。傾斜上面部の角度が10〜60度であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用容器に関し、詳しくは、傾斜上面部及び側面に開口部を有する二次包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を直接収容する一次包装用容器をさらに包装する二次包装用容器は多種の形状のものが知られている。
例えば、収容する逆円錐台形状の一次容器の縁部を保持するための切り込み部を設け、側面は開口とし、吊り下げもできる二次包装用容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、筒状物を保護するために包装する直方体の二次包装用容器が知られている(例えば特許文献2参照)。
健康食品などは、円柱型のボトル容器に収容され販売されている。
ボトル容器をそのまま陳列した場合には、ほこりなどをかぶって印象が悪くなる問題や容器上部の蓋の部分にある記載が見にくく目立ち難いなどの問題があった。
【0003】
【特許文献1】実開平1−126963号公報
【特許文献2】実開昭56−56714号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ボトル容器など一次包装用容器を陳列する場合にほこりなどをかぶって印象が悪くなる問題や目立ち難いなどの問題を解決する二次包装用容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、傾斜した上面部、開口した側面部分及び傾斜した側面部を有する二次包装用容器は、ほこりが付き難く、販売する場合に客に強くアピールでき、しっかり一次包装用容器を保持できることを見出し本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、 以下の構成を有する二次包装用容器である。
(A)全体を1枚のシートから構成し、接着部が折りひだ部のみであること、
(B)側面部は、左右とも内側に傾斜し、左右側面部の高さの合計が底部の左右方向の幅を超えない高さであり、側面に開口部分を形成していること、
(C)背面部から前面部へ片流れの傾斜上面部及び水平上面部を有すること、
(D)前記傾斜上面部は、前記水平上面部に連設した傾斜上面補強部を裏側から重ね、一部又は全部が2層となっていること、
(E)背面上部に連設した係止用突部を背面部の上部に設けた切り込みに差し込んで、背面上部を背面下部に係止していること。
また、傾斜上面部の水平上面部に対する角度が10〜60度であることを特徴とする前記二次包装用容器である。
さらに、水平上面部に収容物保持用の孔を有することを特徴とする前記二次包装用容器である。
一次包装用容器の上部がくびれている場合は、くびれ部分を孔により保持することでさらにしっかり一次包装用容器を保持できる。
【発明の効果】
【0006】
傾斜上面部により見やすい表示ができ、ほこりが付き難い。
1枚のシートから構成し、接着部が少ないので、コストがかからず、組立が容易である。
側面の開口部から一次包装用容器を見ることができる。
側面部が内側に傾斜しているので、一次包装用容器をしっかり保持できる。
傾斜上面補強部により傾斜上面部を補強しているので、傾斜上面部が変形し難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
まず、図2に基づいて本発明の二次包装用容器の構成を説明する。
図2は、本発明の二次包装用容器の展開図である。
図2に示すように本発明の二次包装用容器は、1枚のシートから、以下のように構成されている。
【0008】
傾斜上面補強部8を折線26を介して水平上面部7に連設している。
傾斜上面補強部8の長さEは、傾斜上面部の長さB以下であり、傾斜上面部補強部8の長さEがBと一致する場合は、図3(A)に示すように傾斜上面補強部8に片部80を折線81を介して連設することもできる。
この場合は、図3(B)に示すように辺部80を折線81により折り背面上部2に重ねるようにする。
【0009】
水平上面部7に背面下部6を折線25を介して連設している。
折線25の中間部分には、切り込み40を設けている。
切り込み線40の位置は、折線25又は図4に示すように折線25より下方に寄った位置でもよい。
この場合は、背面が垂直になるように背面上部の長さAを適宜調整する。
【0010】
背面下部6に底面部5を折線24を介して連設している。
底面部5に前面部4を折線23を介して連設している。
前面部4に傾斜上面部3を折線22を介して連設している。
傾斜上面部3に背面下部6を折線21を介して連設している。
背面上部の長さA及び傾斜上面部の長さBを適宜調整することにより、傾斜上面部の水平上面部に対する角度を調整することができる。
前記背面下部6には、係止用突部1を連設している。
係止用突部1の幅は、前記切り込み40の幅と同じである。
【0011】
前記底面部5には、左右方向に側面部9、10を折線27、28を介して連設している。
また、折りひだ部41、42、43、44は、折線27、28を介して前面部4、背面下部6に連設している。
側面部9,10と折りひだ部41、42、43、44は、折線35、36、37、38を介して連設している。
折りひだ部41、42、43、44には、折線31、32、33、34を設け、この折線と折線35、36、37、38の角度により側面部が内側に傾斜する角度を調整することができる。
傾斜角度は、一次包装用容器を収容したとき、側面部が変形して保持できる角度を適宜選択する。
本発明の二次包装用容器は、紙など多少変形できる素材で製造することができ、側面部が変形することで、一次包装用容器をしっかりと保持できる。
側面部9,10の長さC,Dは、その合計が底面部5の幅Wを超えないようにすることにより組み立てる場合、側面部が重ならないので作業が容易となる。
また、この長さC,Dは側面部に開口部分を設けることができる長さとする。
本発明の二次包装用容器は、側面部が傾斜しているので一次包装用容器をしっかり保持することができ、側面部の高さは側面部が垂直に起立している場合に比べ短くできるので、開口部分を大きくでき、一次包装用容器を容易に目視することができる。
【0012】
次に本発明の二次包装用容器の組立方法について説明する。
図1は、本発明の二次包装用容器の組立方法の説明図である。
本発明の二次包装用容器は、接着箇所が4箇所であり、容易に組み立てることができる。
まず、図1(A)に示すように、側面部9、10及び折りひだ部41、42、43、44を折線27、28により底面部5側に折り重ね、接着部51、52、53、54により折りひだ部41、42、43、44を前面部4、又は背面下部6に接着する。
次に図1(B)に示すように折線23、24により、前面部4、背面下部6を底面部5から起立し、同時に、側面部9,10を折りひだ部41、42、43、44に設けた折線31、32、33,34、及び折線35、36、37、38により底面部5から起立する。
次に、図1(C)に示すように底面部5に一次包装用容器71を載置し、折線25により水平上面部7を一次包装用容器にかぶせ、傾斜上面補強部8を折線26により傾斜上面部3に重ね、折線21により背面上部2を折って背面上部2に連設した係止用突部1を背面下部6に設けた切り込み40に挿入して完成する。
【0013】
一次包装用容器の上部がくびれている場合は、図5に示すように孔60を設け、一次包装用容器のくびれ部分を孔60により保持することによりさらにしっかりと一次包装用容器を保持できる。
【実施例】
【0014】
図2に示す形状の厚さ0.6mmの紙製のシートを使用し、一辺46mmの正方形の底面部を持ち、上面水平部までの高さが86mm、全体の高さが142mm、傾斜上面部の傾斜角度が33度、側面部の長さが19mm、前記側面部の傾斜角度が77度の二次包装用容器により、直径46mm、高さ86mmの円筒形サプリメント一次包装用容器を図1(C)に示すように収容した。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の二次包装用容器の組立方法の説明図である。
【図2】本発明の二次包装用容器の展開図である。
【図3】傾斜上面補強部が傾斜上面部より長い場合の説明図である。
【図4】切り込み線の位置を説明する図である。
【図5】水平上面部に孔を設けた場合の説明図である。
【符号の説明】
【0016】
1 係止用突部
2 背面上部
3 傾斜上面部
4 前面部
5 底面部
6 背面下部
7 水平上面部
8 傾斜上面補強部
9、10 側面部
40 切り込み
41,42、43、44 折りひだ部
51,52,53,54 接着部
60 孔
71 一次包装用容器
80 辺部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を有する二次包装用容器。
(A)全体を1枚のシートから構成し、接着部が折りひだ部のみであること、
(B)側面部は、左右とも内側に傾斜し、左右側面部の高さの合計が底部の左右方向の幅を超えない高さであり、側面に開口部分を形成していること、
(C)背面部から前面部へ片流れの傾斜上面部及び水平上面部を有すること、
(D)前記傾斜上面部は、前記水平上面部に連設した傾斜上面補強部を裏側から重ね、一部又は全部が2層となっていること、
(E)背面上部に連設した係止用突部を背面部の上部に設けた切り込みに差し込んで、背面上部を背面下部に係止していること。
【請求項2】
傾斜上面部の水平上面部に対する角度が10〜60度であることを特徴とする請求項1に記載の二次包装用容器。
【請求項3】
水平上面部に収容物保持用の孔を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二次包装用容器。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−189378(P2008−189378A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28873(P2007−28873)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000231637)日本製粉株式会社 (144)
【Fターム(参考)】