説明

優れた耐スクラッチ性及び衝撃強度を有するポリカーボネート樹脂組成物

【課題】耐衝撃性及び成形性に優れ、優れた透明性、外観、流動性、耐スクラッチ性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリカーボネート樹脂50ないし99質量部及び(B)超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂1ないし50質量部を含み、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体は、柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体を含む、ポリカーボネート樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた耐スクラッチ性及び衝撃強度に加えて、優れた透明性、外観、流動性、成形性を有するポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂は、ガラスや金属に比べて比重が小さく、成形性及び耐衝撃性のような優れた物性を有する。プラスチック樹脂は、低原価、製品の大型化、軽量化などによってガラスや金属を代替して自動車及び電気/電子製品のような様々な製品に広く用いられている。これに伴って、外装材として用いられる熱可塑性樹脂の機能及び外観が重要になり、また耐スクラッチ性に対する要求も高くなってきている。
【0003】
ポリカーボネート(PC)樹脂は、優れた機械的強度及び難燃性だけでなく、優れた耐衝撃性、熱安定性、自己消火性及び寸法安定性を有しうる。そのため、ポリカーボネート樹脂は、特に自動車及び電気/電子製品のような様々な製品の製造に用いられる。かつ、レンズのような耐衝撃性及び透明性を全て必要とする製品において、ガラスはポリカーボネート樹脂で代替することができる。しかしながら、ポリカーボネート樹脂は耐スクラッチ性が低い。
【0004】
アクリル系樹脂、特にポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂は、優れた透明性、耐候性、機械的強度、表面光沢、接着力、及び耐スクラッチ性を有する。しかしながら、アクリル系樹脂は耐衝撃性及び難燃性が劣る場合がある。
【0005】
樹脂の表面の耐スクラッチ性を向上させるために、熱または紫外線を用いて最終成形された樹脂の表面上に有機−無機ハイブリッド材料を硬化させる方法がある。しかしながら、このような方法では、コストが上昇し、環境汚染問題がもたらされ、さらなるコーティング工程のために工程時間が長くなる場合がある。したがって、耐スクラッチ性を示す無塗装樹脂に対する要求が高まってきている。かつ、優れた耐スクラッチ性を有する樹脂の開発が外装材産業において非常に重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国特許出願公開第10−2010−0076459号明細書
【特許文献2】大韓民国特許出願公開第10−2010−0076097号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の問題点を克服するための、耐スクラッチ性を有する樹脂を製造するための方法は、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂、好ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)とを混合することでPC/PMMA樹脂を製造する方法である。しかしながら、PC/PMMA混合物はポリカーボネート(PC)とポリメチルメタクリレート(PMMA)との間の屈折率差及び低い相溶性により、透明性及び着色性に劣る。かつ、PC/PMMA混合物の衝撃強度はアクリル系樹脂の脆弱な衝撃強度によって急激に低下し、これにより、PC/PMMA混合物は高い衝撃強度を要求する製品に適用できない場合がある。
【0008】
したがって本発明の目的は、耐衝撃性及び成形性に優れ、優れた透明性、外観、流動性、耐スクラッチ性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、優れた衝撃強度、流動性、耐スクラッチ性、外観及び透明性を有し、各種電気/電子部品、自動車部品、レンズ、ガラス窓などのような製品に適用できるポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の目的は、前記ポリカーボネート樹脂組成物から製造された成形品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂50〜99質量部及び(B)超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂1〜50質量部を含み、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体は柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体を含む、ポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は(C)直鎖状(linear)アクリル系樹脂0〜50質量部をさらに含む。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体、あるいは(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体との混合物、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体、及び(b4)分岐構造形成単量体を含む単量体混合物を重合することにより製造された重合体、またはこれら重合体の混合物でありうる。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び下記化学式1で表される化合物よりなる群から選択される一つ以上でありうる:
【0015】
【化1】

【0016】
化学式1中、mは3〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【0017】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体5ないし99.8質量%、(b2)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体0ないし94.5質量%、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体0.1ないし40質量%、及び(b4)分岐構造形成単量体0.001ないし10質量%を含む単量体混合物を重合することにより製造された重合体、またはこれらの重合体の混合物である。
【0018】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は重量平均分子量が100,000ないし5,000,000である。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は
屈折率が1.495ないし1.570でありうる。
【0020】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は乳化重合または懸濁重合の方法で製造される。
【0021】
本発明の一実施形態において、前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は単独で用いられるか、または芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)との混合物で用いられてもよく、いずれの場合も、好ましくは屈折率が1.495ないし1.570である。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される一つ以上でありうる。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は重量平均分子量が5,000ないし300,000でありうる。
【0024】
本発明の一実施形態において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は複素粘度(η)が240℃、周波数0.01rad/sの条件で10,000Pasないし1,000,000Pasの範囲であり、240℃でη(0.01rad/s)/η(100rad/s)の比が2.0ないし10.0の範囲でありうる。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記ポリカーボネート樹脂組成物から製造された成形品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】BSPテストにより測定された実施例1の樹脂組成物のスクラッチプロファイルを示す図である。
【図1B】BSPテストにより測定された比較例6の樹脂組成物のスクラッチプロファイルを示す図である。
【図2A】実施例1の樹脂組成物の相挙動を表すTEM写真である。
【図2B】比較例1の樹脂組成物の相挙動を表すTEM写真である。
【図3】ARESにより測定された実施例1及び比較例1の樹脂組成物の粘度挙動を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂50ないし99質量部及び(B)超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂1ないし50質量部を含み、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体は、柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体を含む。
【0028】
本発明の一実施形態において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は(C)直鎖状アクリル系樹脂0ないし50質量部をさらに含む。
【0029】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体、あるいは(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体との混合物、(b3)柔軟構造を有する(メタ)ア
クリル系単量体、及び(b4)分岐構造形成単量体を含む単量体混合物を重合することにより製造された重合体、またはこれら重合体の混合物でありうる。
【0030】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び下記化学式1で表される化合物よりなる群から選択される一つ以上の化合物でありうる:
【0031】
【化2】

【0032】
化学式1中、mは3〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【0033】
本明細書中、特に言及しないかぎり、「炭化水素基」の用語は、置換または非置換のC1〜C30のアルキル基、置換または非置換のC5〜C30のシクロアルキル基、または置換または非置換のC6〜C30のアリール基を意味する。また、特に言及しないかぎり、「置換」とは、水素がハロゲン(F、Cl、Br、もしくはI)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C2〜C20のアルキニル基、C1〜C20のアルコキシ基、C6〜C30のアリール基、C6〜C30のアリールオキシ基、C3〜C30のシクロアルキル基、C3〜C30のシクロアルケニル基、およびC3〜C30のシクロアルキニル基およびこれらの組み合わせから選択される置換基で置換されることを意味する。同一または互いに異なる複数の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体5ないし99.8質量%、(b2)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体0ないし94.5質量%、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体0.1ないし40質量%、及び(b4)分岐構造形成単量体0.001ないし10質量%を含む単量体混合物を重合することにより製造された重合体、またはこれら重合体の混合物である。
【0035】
(A)ポリカーボネート樹脂
本発明の一実施形態において、ポリカーボネート樹脂は、公知の方法により触媒と分子量調節剤との存在下で、二価フェノール化合物とホスゲンとを反応させることにより製造することができる。本発明の他の実施形態において、ポリカーボネート樹脂は、例えば、二価フェノール化合物とジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル転移反応によって製造される。
【0036】
前記二価フェノール化合物としては、好ましくは、ビスフェノール化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)を用いることができる。前記ビスフェノールAは部分的または全体的に他の二価フェノール化合物によって置換されていてもよい。他の種類の二価フェノール化合物の例としては、ハロゲン化ビスフェノール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビ
ス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに制限されない。前記ポリカーボネート樹脂の製造に用いられる二価フェノール化合物の種類は特に制限されない。
【0037】
前記ポリカーボネート樹脂は、1種類の二価フェノール化合物を用いて製造された単独重合体、2種類以上の二価フェノール化合物を用いて製造された共重合体、またはこれらの混合物でありうる。
【0038】
また、前記ポリカーボネート樹脂は、直鎖状ポリカーボネート樹脂、分岐型ポリカーボネート樹脂、ポリエステル−カーボネート共重合体樹脂、またはこれらの混合物でありうる。
【0039】
前記直鎖状ポリカーボネート樹脂は、例えば、ビスフェノールAを用いて製造されうる。前記分岐型ポリカーボネート樹脂は、例えば、トリメリット酸無水物またはトリメリット酸のような多官能性芳香族化合物をカーボネート前駆体と反応させることにより製造されうる。前記ポリエステル−カーボネート共重合体樹脂は、例えば、二官能性カルボン酸を二価フェノール化合物及びカーボネート前駆体と反応させることにより製造されうる。
【0040】
本発明において、前記ポリカーボネート樹脂は、異なる分子量を有するポリカーボネート樹脂の混合物を含んでもよく、単独またはこれらの混合物で用いられうる。
【0041】
好ましくは、前記ポリカーボネート樹脂(A)は、重量平均分子量が15,000ないし35,000である。また、好ましくは、前記ポリカーボネート樹脂(A)は、屈折率が1.56ないし1.60である。
【0042】
本発明において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は、成分(A)と(B)との総量に対して、50ないし99質量部の量でポリカーボネート樹脂を含む。前記ポリカーボネート樹脂が50質量部未満で用いられる場合、ポリカーボネート樹脂の優れた機械的特性を提供しにくい。優れた耐スクラッチ性及び機械的物性を有するポリカーボネート樹脂組成物を提供するためには、60ないし90質量部の量でポリカーボネート樹脂を用いるのが好ましい。
【0043】
(B)超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂
本発明において、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、好ましくは、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体、あるいは(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体との混合物、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体、及び(b4)分岐構造形成単量体を含む単量体混合物を重合することにより製造された重合体、またはこれら重合体の混合物である。
【0044】
本発明の一実施形態において、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体5ないし99.8質量%、(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体0ないし94.5質量%、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体0.1ないし40質量%、及び(b4)分岐構造形成単量体0.001ないし10質量%の共重合体、またはこれら共重合体の混合物でありうる。
【0045】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、例えば、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体であるフェニルメタクリレート、(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体であるメチルメタクリレート、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体であるブチルメタクリレート及び(b4)分岐構造形成単量体であるジビニルテトラメチルジシロキサンを共重合することにより製造されうる。
【0046】
本発明において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を、成分(A)及び(B)の総量に対して1ないし50質量部、好ましくは5ないし50質量部、より好ましくは10ないし50質量部の量で含む。前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)が1質量部未満の量で用いられた場合、衝撃強度が十分に向上されない。前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)が50質量部超の量で用いられた場合、ポリカーボネート樹脂自体の衝撃強度が低下し、そのため優れた衝撃強度物性が達成されない。
【0047】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、重量平均分子量が、好ましくは100,000ないし5,000,000であり、より好ましくは150,000ないし5,000,000である。上記範囲であれば樹脂組成物の機械的特性および耐スクラッチ性が向上しうる。
【0048】
本発明の一実施形態において、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、屈折率が1.495ないし1.570でありうる。
【0049】
本発明において、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、塊状重合、乳化重合及び懸濁重合のような通常の方法により製造することができ、本発明が属する分野の通常の知識を有する者により容易に実施されうる。
【0050】
本発明の一実施形態において、前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は単独で、または前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)との混合物で用いられることができ、いずれの場合も屈折率は1.495ないし1.570である。
【0051】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は下記化学式2もしくは化学式3で表される化合物、またはそれらの混合物で表さうれる:
【0052】
【化3】

【0053】
化学式2中、mは0〜10の整数であり、Xはシクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、メトキシフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フェニルフェニル基、2−エチルアミノフェニル基またはベンジルフェニル基である。好ましくは、mは0〜5の整数である。
【0054】
【化4】

【0055】
化学式3中、mは0〜10の整数であり、Yは酸素(O)または硫黄(S)であり、Arはシクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、メトキシフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フェニルフェニル基、2−エチルアミノフェニル基、またはベンジルフェニル基である。好ましくは、mは0〜5の整数である。
【0056】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)の例としては、特に制限されないが、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−エチルフェノキシメタクリレート、2−エチルチオフェニルメタクリレート、2−エチルアミノフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、3−フェニルプロピルメタクリレート、4−フェニルブチルメタクリレート、2−2−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−3−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−4−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−(4−プロピルフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート、2−(4−メトキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート、2−(2−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ブロモフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−フェニルフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ベンジルフェニル)エチルメタクリレートなど、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0057】
本発明の一実施形態において、前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体の総量100質量%に対して、好ましくは5ないし99.8質量%、より好ましくは10ないし70質量%の量で用いられうる。
【0058】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)の例としては、特に制限されないが、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、モノグリセロールアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸など、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
本発明の一実施形態において、前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)は超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体の総量100質量%に対して、例えば、0ないし94.5質量%、好ましくは20〜80質量%の量で用いられうる。
【0060】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び下記化学式1で表される化合物よりなる群から選択される一つ以上でありうる:
【0061】
【化5】

【0062】
化学式1中、mは3〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【0063】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体の総量100質量%に対して、例えば、0.1ないし40質量%、好ましくは0.5ないし30質量%、より好ましくは1ないし20質量%の量で用いられる。前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)が0.1質量%以上の量で用いられると、柔軟構造が十分に形成され、衝撃強度が十分に改善されうる。前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)が40質量%以下の量で用いられると、アクリル系樹脂の物性が向上しうる。
【0064】
一般に耐衝撃性のよいポリカーボネート樹脂の耐スクラッチ性を向上させるためにアクリル系樹脂を適用する場合、アクリル系樹脂自体が非常に壊れやすいため、ポリカーボネート樹脂自体の耐衝撃性が非常に低下する場合がある。しかしながら、上記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)を適用する場合は、前記柔軟構造により分子量自体が非常に大きくなり、かつ柔らかい構造を提供することができるので、樹脂組成物の衝撃強度が非常に大きく向上する。
【0065】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は下記化学式4で表される化合物でありうる:
【0066】
【化6】

【0067】
化学式4中、mは3〜9の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【0068】
本発明の他の実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は下記化学式5で表される化合物でありうる:
【0069】
【化7】

【0070】
化学式5中、mは10〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【0071】
本発明の他の実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とを共に含んでもよい。
【0072】
本発明の一実施形態において、前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートおよびラウリル(メタ)アクリレートよりなる群から選択された一つ以上であり、好ましくはブチル(メタ)アクリレートである。
【0073】
本発明において、分岐構造形成単量体(b4)は、ラジカル重合が可能な2つ以上の重合性不飽和基を有することができ、単独またはそれらの混合物で用いられうる。前記分岐構造形成単量体の官能基の数は好ましくは2ないし8であり、したがって、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は分岐構造形成単量体(b4)の助けにより製造されうる。
【0074】
前記分岐構造形成単量体(b4)の例としては、特に制限されないが、シランまたはシロキサン化合物、架橋性芳香族単量体、ビニル基含有単量体、アリル化合物、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物など、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0075】
具体的には、前記分岐構造形成単量体(b4)の例としては、特に制限されないが、ジビニルテトラメチルジシロキサン、及びテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンのような不飽和炭化水素基含有ケイ素含有単量体などのシランまたはシロキサン化合物;ジビニルベンゼンなどの架橋性芳香族単量体;1,4−ジビニルオキシブタン及びジビニルスルホンなどのビニル基含有単量体;ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、及びトリアリルトリメリテートなどのアリル化合物;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物;などが挙げられる。これらは単独で、または互いに混合して用いられうる。
【0076】
本発明の一実施形態において、前記分岐構造形成単量体(b4)は、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体の総量100質量%に対して、例えば、
0.001ないし10質量%、好ましくは0.01ないし7質量%、より好ましくは0.1ないし5質量%の量で用いられうる。前記分岐構造形成単量体(b4)が0.001質量%以上の量で用いられると、分岐構造が充分に形成される。前記分岐構造形成単量体(b4)が10質量%以下の量で用いられると、粘度増加が少なく加工が容易である。
【0077】
(C)直鎖状アクリル系樹脂
本発明において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は、直鎖状アクリル系樹脂(C)をさらに含みうる。前記直鎖状アクリル系樹脂は1種以上の(メタ)アクリル系単量体の重合体、それらの共重合体、または重合体及び共重合体の混合物でありうる。
【0078】
本発明において、前記直鎖状構造を有する直鎖状アクリル系樹脂(C)は、好ましくは、重量平均分子量が5,000ないし300,000であり、より好ましくは10,000ないし200,000である。また、好ましくは、屈折率が1.490ないし1.570である。上記範囲であれば樹脂組成物の機械的特性および耐スクラッチ性が向上しうる。
【0079】
前記(メタ)アクリル系単量体の例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレートなどが挙げられるが、これらに制限されるものではない。前記(メタ)アクリル系単量体は単独または互いに混合して用いられうる。
【0080】
前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は1種類の(メタ)アクリル系単量体を用いて製造された単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル系単量体を用いて製造された共重合体、またはこれらの混合物でありうる。
【0081】
前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は塊状重合、乳化重合または懸濁重合のような通常の方法により製造することができ、本発明が属する分野の通常の知識を有する者により容易に実施されうる。
【0082】
本発明の一実施形態において、前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は成分(A)及び(B)の総量に対して、0ないし50質量部の量で用いられうる。
【0083】
(D)衝撃補強剤
本発明において、ポリカーボネート樹脂組成物は、衝撃補強剤(D)をさらに含みうる。
【0084】
前記衝撃補強剤(D)の例としてはグラフト共重合体、オレフィン共重合体、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0085】
グラフト共重合体は、ジエンゴム、アクリル系ゴム及びゴム重合体を形成するシリコンゴムよりなる群から選択される1種以上のゴム単量体を重合させることにより、またはスチレン、α−メチルスチレン、アルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルメタクリレート、無水マレイン酸、及びアルキルまたはフェニル核置換マレイミドよりなる群から選択される1種以上のグラフト共重合可能な単量体をゴム質重合体にグラフト重合させることにより製造されうる。
【0086】
本発明の一実施形態において、前記ゴム重合体は衝撃補強剤の総量に対して、好ましく
は20〜80質量部の量で用いられる。
【0087】
本発明において、前記ジエンゴムとしては、例えば、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。前記アクリル系ゴムとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。前記シリコンゴムとしては、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどのようなシクロシロキサンが挙げられる。また、エチレン/プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン単量体(EPDM)ゴムなどのようなオレフィンゴムを前記ゴム重合体として用いてもよい。
【0088】
本発明の一実施形態において、前記衝撃補強剤(D)は、前記(A)、(B)及び(C)からなる基礎樹脂100質量部に対して、好ましくは0ないし30質量部の量で用いられる。
【0089】
本発明においては、超高分子量分岐型アクリル共重合体(B)が用いられるため、その分岐型構造及び超高分子量によってポリカーボネート樹脂組成物の衝撃強度が向上しうる。さらに、超高分子量分岐型アクリル共重合体(B)の屈折率の増加及び分岐型構造による粘度の低下によって、ポリカーボネート樹脂(A)と超高分子量分岐型アクリル共重合体(B)との屈折率差が減少するため、ポリカーボネート樹脂(A)と超高分子量分岐型アクリル共重合体(B)との間の相溶性が向上されうる。これによって、ポリカーボネート樹脂組成物の着色性及び透明性が改善されうる。また、超高分子量及び粘度の低下によってポリカーボネート樹脂組成物の衝撃強度及び流動性が向上されうる。
【0090】
本発明の一実施形態において、好ましくは、前記ポリカーボネート樹脂組成物は複素粘度(η)が240℃、周波数0.01rad/sの条件で10,000ないし1,000,000Pasであり、240℃でη(0.01rad/s)/η(100rad/s)の比が2.0ないし10.0の範囲である。上記範囲であれば、樹脂組成物の相溶性及び流動性が向上しうる。
【0091】
本発明の一実施形態において、前記ポリカーボネート樹脂組成物は、抗菌剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、相溶化剤、染料、無機物添加剤、界面活性剤、核剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、衝撃補強剤、混和剤、着色剤、安定剤、滑剤、静電気防止剤、顔料、防炎剤などのような一つ以上の添加剤をさらに含みうる。このような添加剤の選択及び添加は本発明が属する分野で通常の知識を有する者により容易に実施されうる。
【0092】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は公知の方法により製造されうる。例えば、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、前述した構成成分と他の添加剤等を混合して、押出機内で組成物を溶融押出することによりペレットの形態に製造されうる。該製造されたペレットは射出成形及び圧縮成形品で用いられうる。
【0093】
本発明の他の実施形態において、前述したポリカーボネート樹脂組成物を成形することにより得られた成形品が提供される。前記成形品は、耐スクラッチ性、衝撃強度、着色性及び透明性が要求される製品に用いられうる。
【0094】
前記成形品は、特に制限されず、例えば各種電気/電子製品の外装材または部品、自動
車部品、レンズ、ガラス窓などのような広範囲な製品に用いられうる。
【0095】
本発明の一実施形態において、前記成形品は、例えば、テレビジョン、オーディオプレイヤー、洗濯機、カセットプレイヤー、MP3プレイヤー、電話機、ゲーム機、ビテオプレイヤー、コンピューター、複写機などのような電気/電子製品のハウジング、及びダッシュボード、インストルメントパネル、ドアパネル、クォーターパネル、ホイールカバーなどのような自動車の内外装材に用いられる。
【0096】
前記成形方法は、押出成形、射出成形、キャスティングなどが適用されうるが、これらに制限されない。また、前記成形方法は本発明が属する分野の通常の知識を有する者により容易に実施されうる。
【実施例】
【0097】
本発明を下記の実施例を用いてより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明の説明のためのものであり、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
【0098】
下記の実施例及び比較例で用いられた各成分の仕様は次のようである。
【0099】
(A)ポリカーボネート樹脂
帝人化成株式会社製(商品名:PANLITE L−1250WP)の25,000g/molの重量平均分子量を有し、屈折率が1.58であるビスフェノール−A型直鎖状ポリカーボネートを用いた。
【0100】
<超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂>
(B−1)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート36.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート10質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0101】
(B−2)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート41.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート5質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0102】
(B−3)フェニルメタクリレート30質量%、メチルメタクリレート56.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート10質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.510、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0103】
(B−4)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート37質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート10質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン0.5質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量150,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0104】
(B−5)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート36.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ステアリルメタクリレート10質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0105】
(B−6)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート36.5質量%
、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート5質量%、ステアリルメタクリレート5質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0106】
<柔軟構造のない超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂>
(B−7)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート46.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0107】
<低屈折率超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂>
(B−8)メチルメタクリレート86.5質量%、メチルアクリレート2.5質量%、ブチルメタクリレート10質量%及びジビニルテトラメチルジシロキサン1質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.487、重量平均分子量200,000g/molの分岐型アクリル系共重合体樹脂を製造した。
【0108】
(C)直鎖状アクリル系樹脂
(C−1)フェニルメタクリレート50質量%、メチルメタクリレート47.5質量%及びメチルアクリレート2.5質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.530、重量平均分子量80,000g/molの直鎖状アクリル系共重合体を製造した。
【0109】
(C−2)メチルメタクリレート97.5質量%及びメチルアクリレート2.5質量%を用いて通常の懸濁重合法により屈折率1.490、重量平均分子量80,000g/molの直鎖状アクリル系共重合体を製造した。
【0110】
(D)衝撃補強剤
MRC社製(商品名:Metablen C223−A Grade)の、ブタジエンゴムをメチルメタクリレート及びスチレンとグラフト共重合することにより製造されたメチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン(MBS)共重合体を用いた。
【0111】
実施例1〜7及び比較例1〜6
下記表1に表された構成成分(各成分の組成を質量部で表す)を通常のミキサーに加え、その混合物をペレットを製造するために二軸押出機(L/D=29、Φ=45mm)を通じて溶融混練及び押出された。製造されたペレットを80℃で6時間乾燥した後、6Oz射出機を用いて乾燥された試片を射出することによりL90mm×W50mm×t2.5mmの大きさの試片を製造した。各物性の測定に用いられた方法は下記の通りである。測定結果を表1に示した。
【0112】
(1)相溶性:表面のフローマークの有無を肉眼で評価し、フローマークは下記のように分類される。
○:有、×:無
相分離挙動はTEM写真を通じて確認された。図2Aは実施例1により製造された樹脂組成物のTEM写真を表し、図2Bは比較例1により製造された樹脂組成物のTEM写真を表す。
【0113】
(2)透明性:日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH2000により全光線透過率(TT)を測定した。全光線透過率は拡散光線透過率(DT)と平行光線透過率(PT)との合計光量で計算される。全光線透過率(TT)が高いほど、透明性はより優れる。
【0114】
また、透明性は肉眼で測定され、下記のように分類される。
◎:透明、○:半透明、×:不透明
(3)衝撃強度:厚さ1/8”試片のノッチアイゾッド衝撃強度はASTM D256により測定された。
【0115】
(4)メルトフローインデックス:メルトフローインデックス(g/10分)はASTM D1238により250℃、5kgの条件で測定された。
【0116】
(5)耐スクラッチ性:BSP(ボール−タイプ スクラッチ プロファイル、Ball−type Scratch Profile)テストは、1,000gの荷重と75mm/分の速度で、0.7mm直径の金属球形チップを用いて樹脂サンプルの上に10〜20mm長さのスクラッチを付け、直径2μmの金属スタイラスチップを有する表面プロファイル分析器(XP−1)を用いて付けられたスクラッチのプロファイルを測定することにより行った。耐スクラッチ性は測定されたプロファイルのスクラッチ幅(μm)から評価される。測定されたスクラッチ幅が小さいほど、耐スクラッチ性が高い。
【0117】
実施例1及び比較例6の樹脂組成物について測定されたスクラッチプロファイル写真を、それぞれ図1A及び図1Bに示した。
【0118】
(6)粘度:粘度は、240℃で米国Rheometric Scientific社製のARES(Advanced Rheometric Expansion System)により測定した。
【0119】
図3は、実施例1及び比較例1により製造された樹脂組成物の粘度挙動グラフを表す。
【0120】
【表1】

【0121】
前記表1で表したように、ポリカーボネート樹脂と、アクリル系共重合体樹脂との混合物が用いられた場合(実施例1−7及び比較例1−5)は、ポリカーボネート樹脂のみが用いられた場合(比較例6)に比べて、樹脂組成物の耐スクラッチ性が向上する。
【0122】
図1A、Bから分かるように、実施例1(図1A)は比較例6(図1B)に比べて、優れた耐スクラッチ性を示す。
【0123】
本発明に係るポリカーボネート樹脂(A)と柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体を含む超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B−1〜B−6)との混合物が用いられた場合、樹脂組成物の相溶性、透明性、衝撃強度、流動性及び耐スクラッチ性の全てが改善される。
【0124】
超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B−1)だけでなく直鎖状アクリル系共重合体も用いた実施例2では、樹脂組成物の物性において優れた結果を示した。
【0125】
柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体の含量が多い実施例1は、実施例3に比べて、より優れた衝撃強度を表す。また、実施例1は、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂の屈折率が比較的低い実施例4に比べて、透明性に優れる。
【0126】
従って、樹脂組成物の透明性及び衝撃強度は柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体及び超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂の屈折率により調節されることが分かる。
【0127】
より高い重量平均分子量を有する分岐型アクリル系共重合体樹脂を用いた実施例1は実施例5に比べて、より優れた衝撃強度を示す。
【0128】
ポリカーボネート樹脂(A)と高屈折率アクリル系単量体からなる直鎖状アクリル系共重合体(C−1)との混合物が用いられる(比較例1)場合、樹脂組成物の相溶性及び透明性は改善される。しかしながら、その衝撃強度は、アクリル系単量体の壊れやすい構造のために低下する。
【0129】
ポリカーボネート樹脂(A)と柔軟構造のない超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B−7)との混合物が用いられる(比較例2)場合、樹脂組成物の相溶性及び流動性は改善される。しかしながら、その衝撃強度は、低下する。
【0130】
ポリカーボネート樹脂(A)、低屈折率超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B−8)及び直鎖状アクリル系共重合体(C−1)の混合物(比較例3)及びポリカーボネート樹脂(A)と低屈折率超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B−8)との混合物(比較例4)が用いられる場合、樹脂組成物の衝撃強度は少し改善される。しかしながら、その相溶性は、依然として低い。
【0131】
ポリカーボネート樹脂(A)とポリメチルメタクリレート(C−2)との混合物が用いられる(比較例5)場合、樹脂組成物の耐スクラッチ性は改善される。しかしながら、その相溶性及び透明性は低下する。
【0132】
ポリカーボネートとアクリル系樹脂との間の改善された相溶性はTEM写真を通じて確認される。図2A、Bに示すように、実施例1及び比較例1の両TEM写真は、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂との間の優れた相溶性を表す。特に、図2A及び図2B内の両ドメインは小さいサイズ及び球形の形態を有する。従って、柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体が用いられる(実施例1)場合にも、相溶性は低下されないのが分かる。
【0133】
また、改善された相溶性は粘度差による相分離の最小化を通じて説明されることができる。図3に表したように、周波数が0.01から100rad/sまで増加する時、ARESにより測定された複素粘度は減少する。また、この減少傾向は比較例1に比べて、実施例1の場合により急激である。従って、超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂が用いられる場合、樹脂組成物の相溶性及び流動性が粘度の低下によって改善されたことが分かる。
【0134】
本発明の単純な変形ないし変更は、この分野の通常の知識を有する者により容易に実施でき、このような変形や変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリカーボネート樹脂50ないし99質量部及び(B)超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂1ないし50質量部を含み、前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)を構成する単量体は、柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体を含む、ポリカーボネート樹脂組成物。
【請求項2】
(C)直鎖状アクリル系樹脂0ないし50質量部をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、
(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体、あるいは(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体と(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体との混合物;
(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体;及び
(b4)分岐構造形成単量体;
を含む単量体混合物を重合させることにより製造された重合体、またはこれらの重合体の混合物であり、
前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及び下記化学式1で表される化合物よりなる群から選択される一つ以上である、請求項1または2に記載の組成物:
【化1】

化学式1中、mは3〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【請求項4】
前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、(b1)芳香族または脂環族メタクリレート単量体5ないし99.8質量%、(b2)前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル単量体0ないし94.5質量%、(b3)柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体0.1ないし40質量%、及び(b4)分岐構造形成単量体0.001ないし10質量%を含む単量体混合物を重合させることにより製造された重合体、またはこれら重合体の混合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、重量平均分子量が100,000ないし5,000,000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記超高分子量分岐型アクリル系共重合体樹脂(B)は、屈折率が1.495ないし1.570である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は、単独で、または前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)との混合物で用いられ、いずれの場合も屈折率が1.495ないし1.570である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は、下記化学式2もしくは化学式3で表される化合物、またはそれらの混合物である、請求項3〜7のいずれか1項に記載の組成物:
【化2】

化学式2中、mは0〜10の整数であり、Xはシクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、メトキシフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フェニルフェニル基、2−エチルアミノフェニル基またはベンジルフェニル基である;
【化3】

化学式3中、mは0〜10の整数であり、Yは酸素(O)または硫黄(S)であり、Arはシクロヘキシル基、フェニル基、メチルフェニル基、メチルエチルフェニル基、メトキシフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フェニルフェニル基、2−エチルアミノフェニル基またはベンジルフェニル基である。
【請求項9】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体(b1)は、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、2−エチルフェノキシメタクリレート、2−エチルチオフェニルメタクリレート、2−エチルアミノフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、3−フェニルプロピルメタクリレート、4−フェニルブチルメタクリレート、2−2−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−3−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−4−メチルフェニルエチルメタクリレート、2−(4−プロピルフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)エチルメタクリレート、2−(4−メトキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−シクロヘキシルフェニル)エチルメタクリレート、2−(2−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−クロロフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ブロモフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−フェニルフェニル)エチルメタクリレート及び2−(4−ベンジルフェニル)エチルメタクリレートよりなる群から選択された一つ以上である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記芳香族または脂環族メタクリレート単量体と共重合可能な単官能性アクリル系単量体(b2)は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、モノグリセロールアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸よりなる群から選択される一つ以上である、請求項3〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、下記化学式4で表される化合物である、請求項3〜10のいずれか1項に記載の組成物:
【化4】

化学式4中、mは3〜9の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【請求項12】
前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、下記化学式5で表される化合物である、請求項3〜10のいずれか1項に記載の組成物:
【化5】

化学式5中、mは10〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【請求項13】
前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、下記化学式4で表される化合物と、下記化学式5で表される化合物とを共に含む、請求項3〜10のいずれか1項に記載の組成物:
【化6】

化学式4中、mは3〜9の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である;
【化7】

化学式5中、mは10〜18の整数であり、Xは炭化水素基であり、Yは水素またはメチル基である。
【請求項14】
前記柔軟構造を有する(メタ)アクリル系単量体(b3)は、ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート及びラウリル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される一つ以上である、請求項3〜10のいずれか1項に
記載の組成物。
【請求項15】
前記分岐構造形成単量体(b4)は、シランまたはシロキサン化合物;架橋性芳香族単量体;ビニル基含有単量体;(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物よりなる群から選択される一つ以上である、請求項3〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記分岐構造形成単量体(b4)は、不飽和炭化水素基を含むケイ素含有単量体;ジビニルベンゼン;1,4−ジビニルオキシブタンまたはジビニルスルホン;ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、トリアリル(イソ)シアヌレート、及びトリアリルトリメリテート;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される一つ以上である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は重量平均分子量が5,000ないし300,000である、請求項2〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記直鎖状アクリル系樹脂(C)は、1種の(メタ)アクリル系単量体を用いて製造された単独重合体、2種以上の(メタ)アクリル系単量体を用いて製造された共重合体、またはこれらの混合物であり、前記(メタ)アクリル系単量体は直鎖状構造を有する、請求項2〜17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記(メタ)アクリル系単量体は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレートよりなる群から選択される一つ以上である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は、複素粘度(η)が240℃、周波数0.01rad/sの条件で10,000ないし1,000,000Pasであり、240℃でη(0.01rad/s)/η(100rad/s)の比が2.0ないし10.0の範囲である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリカーボネート樹脂組成物は、抗菌剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、相溶化剤、染料、無機物添加剤、界面活性剤、核剤、カップリング剤、充填剤、可塑剤、衝撃補強剤、混和剤、着色剤、安定剤、滑剤、静電気防止剤、顔料及び防炎剤よりなる群から選択される一つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物から製造された成形品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−137158(P2011−137158A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292549(P2010−292549)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】