説明

充填ノズル

本発明は、継続するパターンが形成されるように、少なくとも2つの異なる種類の物質で、チューブなどの容器を満たす方法、およびその方法で使用する充填ノズル(1)に関する。充填ノズル(1)は、第1輸送管(2)および第2輸送管(3)が提供され、前記第1輸送管(2)は第1輸送管への連結部(11)を有し、前記第2輸送管(3)は第2輸送管への連結部(12)を有し、前記第1輸送管(2)は、充填ノズル(1)の遠位端部(13)でオリフィス(8)を有し、前記第2輸送管(3)は、充填ノズル(1)の遠位端部(13)でオリフィス(10)を有する。第1輸送管(2)は、オリフィス(8)において第1輸送管(2)で流れを調整するための第1弁(7)が供給され、第2輸送管(3)は、オリフィス(10)において第2輸送管(3)で流れを調整するための第2弁(9)が供給される。また、本発明は、容器に注入するための上記説明した充填ノズル(1)を有する機器に関し、および容器中で継続するパターンを得るための充填ノズル(1)の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、チューブなどの1つの容器中への粘性物質の導入に関連して使用する方法およびその方法で使用する充填ノズルに関する。本発明は、特に、継続するパターンが容器中に導入された異なる2種類の物質によって形成されるように、1つの同じ容器に少なくとも異なる2種類の物質を導入することができるための2つ以上の輸送管(duct)を有する複数のノズルを使用する方法に関する。また、本発明は、本明細書で記載されるような充填ノズルを有する方法を実行するためのチューブを充填する機器およびそのような充填ノズルの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
1つのチューブまたは容器に複数の物質を同時に導入するために、複数の輸送管を持つ充填ノズルを使用することは、当技術分野において既に知られている。この種類の充填ノズルを使用することが特に一般的である1つの分野は、練り歯磨きの分野であり、練り歯磨きはチューブに導入される。そのようなノズルは、米国特許第6,418,986号公報に記載されており、該公報において、第1物質を導入するための内側の環状輸送管は、第2物質を導入するための第2環状輸送管によって囲まれている。それらの輸送管は同心状に配置されている。ノズルは、マニフォールドパイプに結びつけられ、順番に、例えば、白と赤の練り歯磨きのような必要な複数の物質のための容器に結びつける。該公報は、オリフィスにおいてノズルが輸送管から流れを止めるための弁(valve)が提供されることも記載されている。
【0003】
この方法で比較的高粘性のペーストおよびクリームを含むような練り歯磨きチューブおよびそのような生成物を満たす目的は、異なる複数の物質から形成される継続するパターンを形成するためである。生成物がチューブに導入されると、その結果、チューブ中に2つの大きな混合されない物質がある。米国特許第6,418,986号の実施例では、チューブは2つの別々の白と赤の物質を含み、従って、その物質は、練り歯磨きがチューブから絞りだされるとき、赤−白の帯状のペーストを与えるであろう。
【0004】
例えば、異なる複数の色の練り歯磨きでチューブをうまく充填し、所望のパターンを生成するためにチューブの充填を制御することを可能とするためには、流れを信頼性良く制御することが必要である。異なる複数の色の練り歯磨きを導入するとき、従来の機器において異なる複数の流れは、複数のピストンポンプで流れの速度と圧力とを調整することによって制御されてきた。複数のポンプからの流れは、充填ノズルの上部の入口輸送管に結びつけられていた。次に、異なる色に着色された複数の物質は、ノズルの別々の輸送管から流れた。次に、ノズルの出口端部の近くで、別々の輸送管は、1つのより大きな共通の輸送管に合流する。この種類の充填に関する1つの問題は、充填された複数の物質が流れないまた垂れないようにノズルから分離することである。充填量がその都度等しいように、制御された方法でこのことがなされることも重要である。
【0005】
従来において複数の物質は、ポンプ弁が閉じる前にポンプのピストンがポンプ・ストロークの終了すると同時に後方に急速に移動することでノズルから分離するように、作られている。その結果、ノズル中の生成物は、ノズル中の後方に吸引される。この手順は、粘着性でない、高粘度を有する物質に対して主として用いられている。この方法が異なる色に着色された複数の物質を導入するのに使用されるとき、ノズルの端部で一緒に流れる、異なる色に着色された複数の物質が導入された同じ輸送管に吸い込まれないという問題を生じる。これは、異なる色に着色された複数の物質が混合され、次の充填作業のときに現れる最初の流れが混合されることを意味する。充填後ノズルから物質を分離させる最も一般的な方法は、ノズルの出口端部で弁を使用することである。弁は、通常、ノズル内部のスピンドル上に位置するバルブコーン(valve cone)を有する。弁は、ノズルの軸方向をあちこち移動するスピンドルによって、開閉される。ノズルの複数の輸送管がノズルの断面部の複数のセクター(sector)を構成するのは、従来、最も一般的である。スピンドルとそのバルブコーンは、断面部分の中央に配置される。着色された複数の物質が別々の輸送管から現れて、ノズルの下方部へ一緒に流れるとき、着色された物質はスピンドルとバルブコーンの周りでセクターを形成し続ける。したがって、バルブコーンが閉じられたときには、物質は混合されない。別の輸送管の内部に配置されている1つの輸送管を有するノズルでは、例えば、ノズルの中央で、異なる色の物質を含む別のパイプで囲まれた1つの着色された物質を有するパイプでは、ノズルの下方部で問題が生じる。着色された複数の物質が別々の輸送管から現れるとき、複数の物質は全ての面でスピンドルとバルブコーンとを囲こみ、一方の物質がノズルの中央に最も近くに、他方の物質が外側に囲む。バルブコーンがノズル開口に対して閉じられると、コーンの閉じている表面の各部分は、内側の色と外側の色の両方を切り離し、その結果、複数の物質が混合する。したがって、次の充填では、ノズルから現れる最初の流れは混合される。さらに、異なる複数の物質がノズルから現れるとき、乱流がバルブコーンの周囲で起こり、異なる複数の物質が均一に出てこないで混合する傾向を有する。したがって、ノズルから現れる流れの断面の色の分配が変化する。
【特許文献1】米国特許6,418,986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、これまで知られているノズルでは、異なる複数の輸送管(duct)からの複数の物質が混合されるという緊急の危険がある。これは、第一に、流れの制御が望ましいほど正確でないこと、および、このような場合に、異なる複数の色の練り歯磨きなどの異なる複数の物質が所望のパターンで容器に導入されないことを意味する。
【0007】
したがって、所望の継続するパターンが得られるように複数の物質でチューブを充填するために、多数の異なる物質を同時にチューブのような1つの容器に導入することを制御する改良方法と改良装置に対する緊急の必要性がある。異なる複数の物質がノズル端部で混合されずに複数の物質の流れを制御しかつノズルから複数の物質を分配するときに変わらないパターンを生成することができる必要性が特にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
しかしながら、本発明は、本明細書の導入部で言及された種類の充填ノズルを使用して高粘着性物質を容器に導入する方法を提供するため、そのような従来から知られている方法に関連した問題をかなり取り除くことができる。したがって、本発明は、少なくとも2種類の物質で容器を充填するための方法と充填ノズルに関する。これは、異なる複数の色の練り歯磨きをチューブに導入するときによくあることである。複数の物質が1つの容器に導入されるときに、複数の物質が1つのパターンを保持するための1つの要件は、複数の物質が一緒に流れる必要はないということである。これは、物質の少なくとも1つの粘性が少なくとも10,000cps(センチポアズ)または10PAs(パスカル秒)であり、好ましくは、少なくとも30,00cpsまたは30PAsであり、最も好ましくは少なくとも40,000cpsまたは40PAsであるときに適切に実現され、その結果、高粘着性物質が容器に導入されるとき、高粘着性物質は形状を保持する。したがって、用語高粘着性物質は、本明細書では、摂氏20℃で通常の大気圧下で、10,000cpsまたは10PAsを上回る粘性を有する物質について言及することを意図する。
【0009】
同じような高粘性を有する第2物質または更なる物質は必要でない、なぜならそれらの物質はより高粘着性物質によって支持されて適所に保たれることができるからである。しかしながら、異なる物質が、例えば、チューブを絞ることによって容器から等しく除去できるように、通常、異なる物質の粘性がほぼ等しいことは好ましいことである。チューブの中身を形成する異なる物質の間の粘性における相違が大き過ぎるなら、かなり低粘性を有する物質が最初に絞られるまたは最初になくなるとい深刻なリスクがある。
【0010】
充填ノズル(filling nozzle)は、充填ノズルの長手方向に延びている少なくとも2つの輸送管(duct)が提供されている。ノズル中の輸送管は、更に、複数の輸送管を供給するためのいくつかの種類の結びつきまたは接続を含んでおり、輸送管は順番に各要求された物質の異なるストックに接続されている。ノズルの長手軸に沿って広がる複数の輸送管は、ノズルの遠位出口端部の基本的に同じポイントで外に開いている。本発明は、更に、第1輸送管は、第1輸送管の流れを調整するための第1弁(valve)を第1輸送管のオリフィスに提供し、第2輸送管は、第2輸送管の流れを調整するための第2弁を第2輸送管のオリフィスに提供することで特徴付けられる。この設計は、異なる輸送管のそれぞれから正確にそれぞれの流れを制御するのを可能とする。オリフィスで実際の弁機能を設置すると、希望しない物質の垂れまたは容器中への混入の危険を減少する。
【0011】
その結果、異なる弁は好ましくは別々に制御可能であり、つまり、充填ノズルのオリフィスでは、各輸送管の異なる弁は、互いに独立に開閉することができる。しかしながら、異なる弁の開閉に対して同期するのが好ましい場合があり得る。そのような場合、異なる弁に対して異なる制御デバイスを機械的に一緒に連動させて、共通の制御コマンドで異なる弁を制御することは、実現可能であり得る。
【0012】
本発明の1つの実施例によると、弁はいわゆるスピンドルによって制御される。しかしながら、スピンドルは本発明の実際のアイデアに不可欠なものではなくでなく、いかなる種類の弁または制御デバイスも使用され、スピンドルの使用は、本発明の範囲内の多くの可能な詳細な技術的な実施例の1つであるにすぎない。
【0013】
本発明の更なる実施例によると、第1輸送管および第2輸送管は、各供給用輸送管への連結部からノズルの遠位端部でのオリフィスまでの充填ノズルの全範囲に渡って互いに分離されている。したがって、容器に導入される、異なる物質の複数の流れは、複数の輸送管がノズルの遠位端部の近くで広がる場所までの全てで分離されている。多くの場合、異なる複数の輸送管をもつノズルを提供する実際の考えは、流れがノズル・オリフィスを出るまで分離されていて、この点で、充填された物質で所望パターンが賦与されることである。
【0014】
しかしながら、ある場合には、それぞれの輸送管のオリフィスのノズル上流において異なる複数の輸送管の間に接触があってもよい。このような場合において、例えば、1つの物質の混和が可能であり、好ましいことである場合には、それはあり得る。したがって、また、異なる複数の物質がノズルのその長さ中で互いに連結するように、異なる複数の物質がノズルを流れるとき異なる複数の物質が互いに接触するように、異なる種類の複数の物質のために意図された輸送管が設計されている、そのような種類のノズルに対して本明細書に記載された弁配置構成を使用するのも可能である。例えば、異なる複数の輸送管は、複数の輸送管の間の分割壁の開口を通して互いに連結し得る。
【0015】
本発明の1つの実施例では、第1輸送管および第2輸送管は、ノズルの長手方向に対して軸の周囲に同心状に配置されている。この場合において、ノズルは、円筒パイプの形態の第1輸送管が提供され、円筒パイプは分割壁によって取り囲まれ、環状輸送管の形態の第2輸送管から分離されている。輸送管の形態は、本明細書では、円形または輪状であるとして特定されている。これらの形態は、所望のパターン、例えば、異なる複数の色の練り歯磨きをチューブに導入する場合のために部分的に有利であり、ノズルと複数の弁の総合的な設計に関して部分的に有利である。しかしながら、輸送管の壁が、例えば、長方形または六角形の他の幾何学的形状を有することは可能であり、また、容器に導入された物質で所望のパターンを得るために、異なる複数の幾何学的形状をもつ複数の輸送管のオリフィスを提供することは可能である。
【0016】
ほとんどの実施例に対し、第1輸送管と第2輸送管をノズルに同心状に配置することは有利である。しかしながら、これは本発明に不可欠でない、例えば、特別な充填パターンを得るために非同心状の配置を使用することが望まれている場合には、それは可能である。
【0017】
オリフィスに配置された弁は、多くの異なる種類が可能であり、異なる機能を持つことができる。1つの実施例によると、弁が開いている第1位置と、弁が閉じている第2の位置の間のみ調節可能であるように主に設計され得る。この場合、各輸送管から容器に導入される異なる複数の物質の量は、例えば、ノズルに結びつけられた複数の入口パイプのいずれかの流れを制御することによって、基本的に制御される。
【0018】
別の実施例によると、充填ノズルのオリフィスの複数の弁は、異なる程度まで開かれるように複数の弁が設定されることができるように設計される。この場合、複数の弁は、複数の弁の開口の程度のみがステージで調整され得るように多くの予め定められた位置を持つことができるか、または複数の弁が、所望の類似の位置に設定されるように複数の弁が連続的に調整可能であり得る。この実施例において、流れの制御は、オリフィス弁の調整によってもっぱらまたは主に調整され得る。
【0019】
上記説明された実施例において、本発明は、もっぱら異なる物質に対する2つの別々の輸送管を有する複数のノズルを記載している。第3の輸送管と追加のさらなる輸送管の両方に必要がある場合、接続することは、当然可能である。
【0020】
複数の輸送管が円形の断面形状を有することは本発明に不可欠なことではないが、例えば、正方形、三角形、多角形、または、他の形状などのいかなる他の適切な形状も使用することが可能である。
【0021】
また、本発明は上記説明した実施例に基づく充填ノズルを含む、複数のチューブおよびディスペンサのような容器を満たすための機器に関する。本発明によ充填機器は、練り歯磨きチューブおよび多色の練り歯磨き用のポンプ作動ディスペンサを充填するために有利に使用され得る。締め付ける瓶などの他の種類のディスペンサーもまた使用され得る。代替の充填される物質は、クリームやローションなどの異なる種類の粘性の化粧品、または、ジャムまたはマーマレード、ソース、ペースト、キャビア、ソフト・チーズなどの粘性の食糧であり得る。
【0022】
また、本発明は、本明細書に記載されたような異なる種類の複数の粘性物質を同じ容器に導入するためのノズルの使用に関する。複数の粘性物質の少なくとも1つは高粘性物質であり、継続するパターンが容器に導入された異なる複数の物質によって形成される。
【0023】
したがって、多数の配置構成と、異なる複数の物質のために複数の輸送管のオリフィスに配置された別々の弁を提供する、少なくとも2つの輸送管を有する充填ノズルを提供する本発明に基づくアイデアの範囲内に含まれる方法がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、添付の図面に示される図を参照してより詳細に記載され得る。
【0025】
図1は本発明の第1の実施例に基づく充填ノズル(filling nozzle)1を示している。充填ノズル1は、その長手方向に充填ノズル1の中心軸に沿った断面が示されている。充填ノズル1は、第1の内側輸送管(inner duct)2と第2の外側輸送管(outer duct)3を含む。これらの輸送管2、3は輪状であり、実施例では同心状に充填ノズル1の中心軸の周りに配置されて示されている。充填ノズル1は、さらに、第1の内側輸送管2に配置されている内側スピンドル(inner spindle)4を含み、内側スピンドルは内側輸送管2の内壁を構成する。充填ノズル1はさらに第1の内側輸送管2と第2の外側輸送管3の間に配置される外側スピンドル(outer spindle)5を含み、外側スピンドル5は内側輸送管2の外壁と外側輸送管3の内壁とを構成する。充填ノズル1は、外側輸送管の外にケーシング6を提供し、ケーシング6は、第2の外側輸送管3の外壁を構成する。内側スピンドル4の先端または遠位端部は、第1の内側弁(inner valve)7として機能するように設計され、かつ、内側輸送管2の流れを規制し得るように内側輸送管のオリフィス8に幾何学的に適合するように設計されている。内側弁7は、外側スピンドル5に対して内側スピンドル4の変位(displacement)を通して開位置から閉位置に切換えることができ、外側スピンドル5は、充填ノズル1の中心軸に沿って内側輸送管のオリフィス8を含んでいる。同様に、外側スピンドル5の先端は、外側輸送管2の流れを規制できるように、外側輸送管のオリフィス10に適合するように設計された第2の外側弁9として機能するように設計されている。内側弁7に対する同様の方法で、第2の外側弁9は、ケーシング6に対する外側スピンドル5の変位によって閉じるまたは開くことができ、ケーシング6は、充填ノズル1の中心軸に沿って外側輸送管のオリフィス10を含んでいる。充填ノズル1の第1の内側の輸送管2は、さらに第1の接続11を提供し、第1の接続11は、容器中に導入される第1物質を輸送するための第1の供給の輸送管と結合することができる。同様に、外側輸送管3は、第2の接続12を提供し、第2の接続12は、第2の物質を輸送するための第2の供給用輸送管と結合することができる。図示されているように、内側の輸送管2と外側の輸送管3は、接続11、12から充填ノズル1の遠位端部13のオリフィス8、10までそれらの全体の共通の長さに渡って分離されている。
【0026】
図2A−2Dは充填ノズル1の遠位端部13の拡大を示している。図2Aは、内側弁7と外側弁9の両方が開位置にあることを示している。これは、内側スピンドル4と外側スピンドル5の両方が、容器を満たすときに、物質の流れの方向と反対方向にその長手方向でノズル1の中心軸に沿って変位することによって達成される。この方法において、内側のオリフィス8と外側のオリフィス10の両方が開いたままにされるので、その結果、物質の両方が流れて容器を同時に満たすことができる。
【0027】
図2Bでは、図2Aの位置と比べて位置が変化しており、内側のスピンドル4が容器を満たすときの物質の流れの方向と平行の方向にその長手方向でノズル1の中心軸に沿って変位している。その結果、内側の輸送管のオリフィス8が閉じられるので、充填する間、1つの物質のみが外側の輸送管3を通して容器中に導入される。
【0028】
図2Cでは、図2Bの位置と比べて位置が変化しており、外側のスピンドル5が容器を満たすとき物質の流れの方向と平行の方向にその長手方向でノズル1の中心軸に沿って変位している。これは両方の輸送管2、3の2つの弁位置において2つの変化を生み出す。外側スピンドル5は、内側の輸送管2の外壁を構成しかつ内側の輸送管のオリフィス8を含むので、外側スピンドル5のその位置におけるシフトは、内側スピンドル4の先端からなる内側弁7が、内側の輸送管2が開かれるように内側の開口に対して変位することを意味する。一方、外側の輸送管のオリフィス10は、外側弁9を含む外側スピンドル5の変位によって閉じられ、開かれた内側の輸送管2からの1つの物質だけが容器を満たすことができる。
【0029】
図2Dでは、図2Cの位置と比べて位置が変化しており、内側スピンドル4が容器を満たすときの物質の流れの方向と平行の方向でその長手方向でノズル1の中心軸に沿って変位している。その結果、内側の輸送管のオリフィス8は外側と同様に閉じられ、それにより容器の充填は行われない。
【0030】
図1と2に記載されている本発明による充填ノズルの実施例は、たった1つの実施例であり、本発明の代替の実施例を制限するものとしてみなされるものではない。示された実施例において、例えば、外側スピンドルは外側輸送管と外壁のための弁と内側輸送管のオリフィスの両方を構成するものが理解される。設計用語において、輸送管の間の分割壁が固定されるように、かつ、弁配置が固定された壁に沿ってスライドする可動スピンドルを通して、または、別の種類の弁を使用することによってて達成されるように、これらの機能を分離することは可能である。その上、ここで示された実施例は、開いているまたは閉じられている弁の位置だけに主に示している。「課題を解決するための手段」で既に指摘したように、本発明の考えの範囲から逸脱せずに、流れの大きさを変更するように弁の位置を制御することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施例に基づく充填ノズルの長手方向の断面図である。
【図2A】、
【図2B】、
【図2C】、
【図2D】図1に示した充填ノズルの遠隔端部の拡大図であり、オリフィスに配置された複数の弁の種々の位置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ1つの容器に導入された異なる種類の粘性物質によって継続するパターンを形成するように、前記同じ1つの容器に前記異なる種類の粘性物質を導入する方法であって、
少なくとも2つの異なる種類の物質で1つの容器を満たすための充填ノズル(1)に第1輸送管(2)および第2輸送管(3)を提供する工程を有し、
前記第1輸送管(2)は、第1供給用輸送管への連結部(11)を有し、
前記第2輸送管(3)は、第2供給用輸送管への連結部(12)を有し、
前記第1輸送管(2)は、前記充填ノズル(1)の遠位端部(13)でオリフィス(8)を有し、
前記第2輸送管(3)は、前記充填ノズル(1)の遠位端部(13)でオリフィス(10)を有し、
前記第1輸送管(2)は、前記第1輸送管(2)のオリフィス(8)において前記第1輸送管(2)の流れを調整するための第1弁(7)が提供され、
前記第2輸送管(3)は、前記第2輸送管(3)のオリフィス(10)において前記第2輸送管(3)の流れを調整するための第2弁(9)が提供されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1弁(7)および前記第2弁(9)は、別々に調整することができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1弁(7)および前記第2弁(9)は、スピンドル弁であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1輸送管(2)および第2輸送管(3)は、前記連結部(11)から前記ノズルの遠位端部(13)のオリフィス(8)までと、前記連結部(12)から前記ノズルの遠位端部(13)のオリフィス(10)までとの前記充填ノズルの全範囲に渡って互いに分離されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1輸送管(2)および前記第2輸送管(3)は、前記第2輸送管(3)が前記充填ノズル(1)の長手方向に対する垂直の断面で前記第1輸送管(2)を取り囲むように、同心状に前記充填ノズル(1)の長手方向の軸の周囲に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1弁(7)および前記第2弁(9)は、前記第1輸送管(2)および第2輸送管(3)の開口状態と閉口状態とに対応する2つの位置の間で基本的に切り換えることができることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1弁(7)と前記第2弁(9)とは、定められた複数のステージまたは類似物のいずれかにおいて、完全に閉じた位置と完全に開いた位置の間で異なる位置に設定することができることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記充填ノズル(1)は、少なくとも1つの更なる輸送管を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの異なる種類の物質によって継続するパターンが形成されるように、前記異なる種類の物質でチューブのような容器を満たすための充填ノズルであって、
前記充填ノズルに第1輸送管(2)および第2輸送管(3)が提供されており、
前記第1輸送管(2)は、第1供給用輸送管への連結部(11)を有し、
前記第2輸送管(3)は、第2供給用輸送管への連結部(12)を有し、
前記第1輸送管(2)は、前記充填ノズル(1)の遠位端部(13)にオリフィス(8)を有し、
前記第2輸送管(3)は、前記充填ノズル(1)の遠位端部(13)にオリフィス(10)を有し、
前記第1輸送管(2)は、前記第1輸送管(2)のオリフィス(8)において前記第1輸送管(2)の流れを調整するための第1弁(7)が提供され、
前記第2輸送管(3)は、前記第2輸送管(3)のオリフィス(10)において前記第2輸送管(3)の流れを調整するための第2弁(9)が提供されることを特徴とする充填ノズル。
【請求項10】
複数のチューブおよび複数のディスペンサのような容器を満たすための機器であって、
前記機器は請求項9に記載の充填ノズル(1)を有することを特徴とする機器。
【請求項11】
同じ1つの容器に異なる種類の粘性の物質を導入するために請求項9に記載の充填ノズルの使用方法であって、
前記異なる種類の粘性の物質の少なくとも1つは高粘性の物質であり、前記同じ1つの容器に導入される前記異なる種類の粘性の物質によって継続するパターンが形成されることを特徴とする充填ノズルの使用方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【公表番号】特表2008−531404(P2008−531404A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556115(P2007−556115)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000247
【国際公開番号】WO2006/091159
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(507248398)ノーデン マシーナリー エービー (1)
【氏名又は名称原語表記】NORDEN MACHINERY AB
【住所又は居所原語表記】Box 845 S−392 28 Kalmar Sweden
【Fターム(参考)】