説明

充放電試験システムと充放電試験システムの温度計測方法

【課題】熱電対ののべ配線長を低減するとともに、各制御装置でのCPUの処理負荷を低減し温度データ受信処理を迅速化した充放電試験システムを実現することを目的とする。
【解決手段】複数の試料に対して充電試験または/及び放電試験を遂行する充放電試験システムにおいて、複数の試料の温度を検出する複数の熱電対と、複数の熱電対から取得したデータに基づいて複数の試料の温度を算出し、シリアルデータに変換して出力する温度計測装置と、複数の熱電対のいずれか任意の一つに対して排他的に導通制御するスイッチ部と、複数の試料の充放電を各々制御する複数の制御装置とを備える充放電試験システムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の温度データ取得を迅速に遂行する充放電試験システムと充放電試験システムの温度計測方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
放電試験において放電された電力の再利用を可能とする多チャンネルの充放電ユニット及び充放電試験装置に関する発明が、下記特許文献1に開示されている。これによれば、従来、充電のための電力を商用電源から供給し、放電による電力は電子負荷などにより熱に変える多チャンネルの充放電ユニット及び充放電試験装置が記載されている。
【0003】
引用文献1には、リチウムイオン電池等の充放電試験において、0.1〜0.5Aの充電と6〜7.5V,1〜2Ahの容量で1〜2Aの放電とを必要とし、1000個程度以上の試料に対して同時に試験を遂行することから、この放電電力を電力量に換算すると6KWとなり、発熱によって失われるこのような電力損失を解消し、発熱を防止する充放電試験装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−326473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の多チャンネル充放電試験装置は、多数の試験対象試料と各試験対象試料に対応する各制御装置との間に、試験対象試料の温度をモニターする熱電対を個々に配線する必要があった。このため、熱電対ののべ配線長が増大する傾向にあり、配線スペースを確保する関係上小型・軽量化の障害となるだけでなく、コストの増大をも招来していた。
【0006】
また、熱電対ののべ配線長を低減することを企図して温度スキャナー方式の温度計測器を利用した場合には、熱電対の配線は試験対象試料に近接して配置された温度計測器までとなり、熱電対ののべ配線長は比較的短くて済む。一方、温度計測器からは多数の試験対象試料の全ての温度データが、各制御装置にシリアルデータとして送出されることとなる。
【0007】
特に、試験対象試料が多数個に亘る場合には、温度計測器から多数の試験対象試料全ての温度データとして各制御装置に出力されるシリアルデータの量は、膨大なものとなる。また、各制御装置は、温度計測器から送出された膨大なシリアルデータを逐一監視し、各制御装置に対応する一つまたは複数の温度データのみを、膨大なシリアルデータの中から個々に抽出する必要があった。
【0008】
このため、各制御装置におけるシリアルデータからの温度データ抽出負荷が大きくなるので、各制御装置のCPUでの消費電力及び発熱量の低減及び処理時間の軽減の観点から、改良が望まれるところであった。
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑み為された発明であって、熱電対ののべ配線長を低減するとともに、各制御装置でのCPUの処理負荷を低減し温度データ受信処理を迅速化した充放電試験システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
また、本発明の充放電試験システムは、複数の試料に対して充電試験または/及び放電試験を遂行する充放電試験システムにおいて、複数の試料の温度を検出する複数の熱電対と、複数の熱電対から取得したデータに基づいて複数の試料の温度を算出し、シリアルデータに変換して出力する温度計測装置と、複数の熱電対のいずれか任意の一つに対して排他的に導通制御するスイッチ部と、複数の試料の充放電を各々制御する複数の制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の充放電試験システムは、好ましくは温度計測装置が、任意の一つの熱電対から取得した温度データをシリアルデータに変換して複数の制御装置へ出力する場合に、任意の一つの熱電対に対応するチャンネル情報を複数の制御装置へと出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の充放電試験システムは、さらに好ましくは温度計測装置が、複数の熱電対のうちいずれを導通させるかを指示するチャンネル情報をスイッチ部へ出力する場合に、複数の制御装置へもチャンネル情報を出力することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の充放電試験システムは、さらに好ましくは複数の制御装置が、温度計測装置から入力されたチャンネル情報が、複数の制御装置の各々に予め設定されたチャンネル情報と同一である場合には、シリアルデータを取得することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の充放電試験システムは、さらに好ましくは温度計測装置と複数の制御装置との間に、シリアルデータを伝達するシリアル配線と、チャンネル情報を伝達する少なくとも一つのチャンネル配線とを備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の充放電試験システムは、さらに好ましくはチャンネル情報が、少なくとも二以上の熱電対を順次導通するスイッチング制御を含み、温度計測装置がチャンネル情報を複数の制御装置に出力する間に、温度計測装置が二以上の熱電対から順次取得した二以上の温度データをシリアルデータとして順次出力することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の充放電試験システムの温度計測方法は、上述のいずれかに記載の充放電試験システムの温度計測方法であって、温度計測装置が、複数の熱電対のいずれか一つを導通させて、温度データを取得する工程と、温度計測装置が、取得した温度データをシリアルデータに変換する工程と、温度計測装置が、変換されたシリアルデータを、シリアル配線を介して複数の制御装置に出力すると同時に、いずれの熱電対から取得した温度データであるかを示すチャンネル情報を、チャンネル配線を介して複数の制御装置に出力する工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の充放電試験システムの温度計測方法は、好ましくは複数の制御装置が、チャンネル配線を介して入力されるチャンネル情報が、予め複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一である場合に、シリアル配線を介して入力されるシリアルデータを取得し、チャンネル配線を介して入力されるチャンネル情報が、予め複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一ではない場合に、シリアル配線を介して入力されるシリアルデータを取得しないことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の充放電試験システムの温度計測方法は、温度計測装置が、一つのチャンネル情報に対応付けられたスイッチ部の二つ以上のスイッチを順次導通させて、導通させたスイッチに対応する二つ以上の熱電対から温度データを順次取得する工程と、温度計測装置が、取得した温度データを順次シリアルデータに変換する工程と、温度計測装置が、変換されたシリアルデータを、シリアル配線を介して複数の制御装置に順次出力すると同時に、一つのチャンネル情報を、チャンネル配線を介して複数の制御装置に出力する工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の充放電試験システムの温度計測方法は、好ましくは複数の制御装置が、チャンネル配線を介して入力される一つのチャンネル情報が、予め複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一である場合に、シリアル配線を介して順次入力されるシリアルデータを順次取得し、チャンネル配線を介して入力される一つのチャンネル情報が、予め複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一ではない場合に、シリアル配線を介して入力されるシリアルデータを取得しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
熱電対ののべ配線長を低減するとともに、各制御装置でのCPUの処理負荷を低減し温度データ受信処理を迅速化した充放電試験システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態の充放電試験システムの構成概要を説明するブロック図である。
【図2】充放電試験システムの温度計測動作とシリアルデータの送信動作とについて概要を説明するタイムチャート図である。
【図3】(a)は、充放電制御ユニット1030の制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(1))が各々備え、温度データとチャンネルデータとを受信処理する受信部の構成概要を説明するブロック図であり、(b)は、チャンネルデータとして伝送されるchデータ信号D0,D1,D2とチャンネル番号との対応の一例を説明する図である。
【図4】充放電試験システムが熱電対から温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について温度計測装置の動作に着目して説明するフローチャートである。
【図5】充放電試験システムの温度計測方法の応用例として、温度計測装置による複数の熱電対からの温度計測動作とシリアルデータの送信動作とについて概要を説明するタイムチャート図である。
【図6】従来の充放電制御システムの温度情報取得に関係する構成概要を説明するブロック図である。
【図7】従来の他の充放電制御システムの温度情報取得に関係する構成概要を説明するブロック図である。
【図8】(a)は、従来の充放電制御システムのスキャナー式温度計測装置が伝送するシリアルデータであって、熱電対のチャンネル情報を有するヘッダとこれに対応する温度データとが一つずつ交互に伝送されるように構成された例を説明する図であり、(b)は、従来の充放電制御システムのスキャナー式温度計測装置が伝送する他のシリアルデータであって、熱電対のチャンネル情報を所定の順序で全てまとめたヘッダと、ヘッダに定義された順序で全ての温度データを順次伝送するように構成された例を説明する図である。
【図9】充放電試験システムが熱電対から温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について制御装置の動作に着目して説明するフローチャートである。
【図10】充放電試験システムが一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対からの温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について温度計測装置の動作に着目して説明するフローチャートである。
【図11】充放電試験システムが一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対からの温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について制御装置の動作に着目して説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本実施形態で説明する充放電試験システムの温度計測方法は、必要な温度データのみを対応する熱電対から取得し、取得した温度データをシリアルデータに変換した後、シリアル配線を介して制御装置へと送信する。また、この充放電試験システムの温度計測方法は、シリアルデータに変換された温度データを制御装置へと送信する場合に、送信するシリアルデータがどの熱電対の温度データであるのかを示すチャンネル情報をチャンネル配線を介して別途に制御装置へと送信する。
【0023】
ここで、複数の熱電対には、識別するためのチャンネル番号が予め温度計測装置から各々割り当てられている一方、各制御装置には、どのチャンネル番号が、各制御装置が充放電試験の対象とする試料と関係する熱電対であるのかを予め各々プリセットされている。
【0024】
また、制御装置は、予めプリセットされたチャンネル情報と、チャンネル配線を介して温度計測装置から受信したチャンネル情報とが、同一である場合にのみ、当該チャンネル情報が伝送されている間にのみ対応するシリアルデータを取り込む。
【0025】
このため、各制御装置は、従来のように多数の熱電対から取得された多数の温度データが含まれる多大なシリアルデータを常時監視する必要がなく、また、多大なシリアルデータの中から試験対象となる特定試料の温度データのみを検知して抽出する処理をしなくてもよい。
【0026】
従来は、全ての熱電対を順次スキャンして取得した全試料の全温度データを、順次シリアルデータに変換し、データ配列情報や熱電対の識別情報等を適宜ヘッダに付与した上で、一括したシリアルデータとして制御装置へと送信していた。このため、各試料に対応して設けられた各制御装置は、シリアルデータのヘッダ情報を解読するとともに順次送信される全シリアルデータのボディ情報を常時監視し、その中から試験対象となる特定の試料に関する温度データのみを検出して取り出す必要があった。
【0027】
従って、従来、特に多数の試料を同時に充放電試験する場合等においては、各制御装置のCPUにおいて、多大なシリアルデータを解読・監視するために要する処理負荷が増大しがちであり、その処理時間も増大する傾向にあった。
【0028】
本実施形態の充放電試験システムの温度計測方法によれば、各制御装置は、チャンネル配線を介して受信するチャンネル情報が、プリセットされたその制御装置が試験対象とする試料に関係するチャンネル情報と一致する場合にのみ、そのチャンネル情報が伝送されている間のシリアルデータのみを取得すればよい。このため、他の制御装置が必要とし自らは必要としない多大なシリアルデータをも取り込むことはなく、また、シリアルデータを常時監視する処理は不要となり、制御装置のCPUの処理負荷を軽減できるので、迅速な温度データの取得が可能となる。
【0029】
図1は、本実施形態の充放電試験システム1000の構成概要を説明するブロック図である。図1に示すように、充放電試験システム1000は、試料1(1010(1))〜試料7(1010(7))の7つの試料の温度を測定するように設置された7つのチャンネルch_1〜ch_7からなる熱電対を備える。
【0030】
また、充放電試験システム1000は、各チャンネルch_1〜ch_7の熱電対を、各々個別に導通/遮断切り替えが可能なスイッチ部1050を備える。また、充放電試験システム1000は、熱電対から取得した温度データに基づいて試料の温度を換算・算出した上で、伝送に適したシリアルデータへと変換する温度計測装置1040を備える。
【0031】
また、充放電試験システム1000は、試料1(1010(1))から試料7(1010(7))までの7つの試料に各々対応する充放電試験プログラムを各々個別に遂行するように、対応付けされた充放電制御ユニット1030を備える。充放電制御ユニット1030は、試料1(1010(1))に対応する制御装置1(1030(1))から試料7(1010(7))に対応する制御装置7(1030(7))の7つの制御装置から構成される。
【0032】
また、充放電試験システム1000は、充放電制御ユニット1030または/および温度計測装置1040とオペレータとの間のインターフェースとなる充放電試験管理パソコン1060を備える。温度計測装置1040は、スイッチ部1050が備えるSW1からSW7のうち、いずれを導通させるかを指示するチャンネル情報を、チャンネルデータとしてスイッチ部1050と充放電制御ユニット1030とに送信する。また、温度計測装置1040は、チャンネル情報を送信する間に、当該チャンネル情報に対応する熱電対から取得した温度データを、充放電制御ユニット1030に送信する。
【0033】
図2は、温度計測装置1040の温度計測動作とシリアルデータ(温度データ)の送信動作とについて概要を説明するタイムチャート図である。図2から理解できるように、温度計測装置1040がチャンネル情報1chを送信する間に、当該チャンネル情報を受信したスイッチ部1050が1chに対応するSW1を導通させて、チャンネルch_1の熱電対を介して試料1(1010(1))の温度データを計測する。
【0034】
続いて、温度計測装置1040がチャンネルデータとしてチャンネル情報1chを送信する間に、温度計測装置1040は、計測した試料1(1010(1))の温度をシリアルデータに変換し、温度データとして充放電制御ユニット1030へと送信する。
【0035】
また、温度計測装置1040がチャンネル情報2chを送信する間に、当該チャンネル情報を受信したスイッチ部1050が2chに対応するSW2を導通させて、チャンネルch_2の熱電対を介して試料2(1010(2))の温度データを計測する。
【0036】
続いて、温度計測装置1040がチャンネルデータとしてチャンネル情報2chを送信する間に、温度計測装置1040は、取得した試料2(1010(2))の温度をシリアルデータに変換し、温度データとして充放電制御ユニット1030へと送信する。
【0037】
また、温度計測装置1040がチャンネル配線を介してチャンネル情報3chを送信する間に、当該チャンネル情報を受信したスイッチ部1050が3chに対応するSW3を導通させて、チャンネルch_3の熱電対を介して試料3(1010(3))の温度を計測する。
【0038】
続いて、温度計測装置1040がチャンネル情報3chを送信する間に、温度計測装置1040は、取得した試料3(1010(3))の温度をシリアルデータに変換し、温度データとして充放電制御ユニット1030へと送信する。
【0039】
上述したように、温度計測装置1040は、どの熱電対を導通させるかを指示するチャンネル情報をチャンネルデータとして充放電制御ユニット1030に送信する間に、当該チャンネルに対応する温度を取得してシリアルの温度データとして、充放電制御ユニット1030に送信する。
【0040】
このため、充放電制御ユニット1030が備える各制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(7))は、自身が制御対象とする特定の試料に関連する温度データか否かを判断するために、チャンネル情報のみを常時監視し、関連するチャンネル情報である場合にはそのチャンネル情報が送信される間にのみ温度データを取得すればよい。このため、充放電試験システム1000においては、温度データの取得や解読・監視に関するCPUの負荷が軽減される。
【0041】
また、制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(7))の各々には、温度データの取得前、典型的には充放電試験プログラムの開始前において、試験遂行対象となる試料がチャンネル番号等として各々割り当てられ対応付けられる。
【0042】
図3(a)は、充放電制御ユニット1030の制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(1))が各々備え、温度データとチャンネルデータとを受信処理する、受信部の構成概要を説明するブロック図である。また、図3(b)は、チャンネルデータとして伝送されるchデータ信号D0,D1,D2とチャンネル番号との対応の一例を説明する図である。図3(b)においては、3ビット7チャンネルの例を示している。
【0043】
図3に示すように、制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(1))は、各々が備える温度計測ch用SW360に、予め制御対象となる試料に関係する熱電対のチャンネル情報を個別にプリセットされる。
【0044】
また、図3から理解できるように、各制御装置は、三本のチャンネル配線を介して入力される三つのchデータ信号D0,D1,D2について、温度計測ch用SW360に予めプリセットされたチャンネル情報と同一であるか否かを、EX素子0(310)とEX素子1(320)とEX素子2(330)とを用いて判断し、同一である場合には、OR素子340とOR素子350とにより、シリアル配線を介して入力されたシリアルな温度データを制御装置内のCPUへと取り込む。
【0045】
換言すれば、各制御装置は、入力されたチャンネル情報が、制御対象試料に関係する温度計測ch用SW360に予めプリセットされたチャンネル情報と一致しない場合には、温度データをOR素子350でブロックすることにより取得しない。このため、各制御装置のCPUには、自身の制御対象試料に関係する温度データのみが取り込まれることとなるので、温度データの解読・常時監視の負荷が軽減されて迅速な温度取得処理が可能となる。
【0046】
次に、図3を用いてさらに詳細に具体例を説明する。図3(a)において、EX素子0(310)は、チャンネル配線を介して入力されたチャンネル情報のうちchデータ信号D0と、温度計測ch用SW360にプリセットされた値とを比較し、同一であればLowを出力し異なる場合はHighを出力する。
【0047】
また、EX素子1(320)は、チャンネル配線を介して入力されたチャンネル情報のうちchデータ信号D1と、温度計測ch用SW360にプリセットされた値とを比較し、同一であればLowを出力し異なる場合はHighを出力する。また、EX素子2(330)は、チャンネル配線を介して入力されたチャンネル情報のうちchデータ信号D2と、温度計測ch用SW360にプリセットされた値とを比較し、同一であればLowを出力し異なる場合はHighを出力する。
【0048】
また、OR素子340は、EX0(310)〜EX2(330)からの各入力がすべてLowであれば、Lowを出力する。また、OR素子340は、EX0(310)〜EX2(330)からの各入力がすべてLowである場合を除き、Highを出力する。
【0049】
また、OR素子350は、配線Bを介して入力される値がLowであれば、配線Aを介して入力される温度データを有効として、スルーさせる。また、OR素子素子350は、配線Bを介して入力される値がHighであれば、配線Aを介して入力される温度データを無効として、遮断する。
【0050】
また、温度計測ch用SW360には、図3(b)に説明するchデータ信号D0,D1,D2に対応するスイッチ構成としてプリセットすることができる。すなわち、充放電試験システム1000において、図1に示すように制御装置1(1030(1))が試料1(1010(1))に対して充放電試験プログラムを遂行する場合には、制御装置1(1030(1))はch_1の熱電対から温度情報を取得する必要があるので、制御装置1(1030(1))の温度計測ch用SWに当該チャンネル情報(0,0,1)がプリセットされる。
【0051】
また、温度計測装置1040から送信されるチャンネル情報(D2,D1,D0)が(0,0,1)である場合に、スイッチ部1050がSW1を導通させるとともにch_1の熱電対から温度データを取得する。
【0052】
そして、温度計測装置1040が取得温度をシリアルな温度データへと速やかに変換し、温度計測装置1040がチャンネル情報(0,0,1)をチャンネル配線を介して出力する間に、シリアル配線を介して当該温度データを出力する。制御装置1(1030(1))においては、チャンネル配線を介してチャンネル情報(0,0,1)が入力される間にのみ、EX0(310)〜EX2(330)、OR素子340、OR素子350の総合機能により、温度データがCPUへと取り込まれる。
【0053】
図4は、充放電試験システム1000が、熱電対から温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について、温度計測装置1040の動作に着目して説明するフローチャートである。そこで、以下図4に示す各ステップに基づいて、温度計測装置1040の温度取得動作について順次説明する。
【0054】
(ステップS410)
温度計測装置1040は、充放電試験管理パソコン1060から、特定の試料に関する温度データ取得の指示があるか否かを判断する。温度計測装置1040が、充放電試験管理パソコン1060から特定の試料に関する温度データ取得の指示があると判断すれば、ステップS420へと進む。また、温度計測装置1040が、充放電試験管理パソコン1060から特定の試料に関する温度データ取得の指示があると判断しなかった場合には、ステップS410で待機する。
【0055】
(ステップS420)
温度計測装置1040は、温度取得の対象となる試料に対応する熱電対のチャンネル情報を、三本のチャンネル配線を介してスイッチ部1050と充放電制御ユニット1030とに出力する。なお、このステップS420におけるチャンネル情報の出力は、ステップS480に至るまでの間、継続されるものとする。
【0056】
(ステップS430)
スイッチ部1050は、温度計測装置1040から入力されたチャンネル情報に対応するスイッチを導通させて、対応するch_No.の熱電対を導通させる。
【0057】
(ステップS440)
温度計測装置1040は、スイッチ部1050が導通させたスイッチを介して、対応するch_No.の熱電対から温度情報を取得する。
【0058】
(ステップS450)
温度計測装置1040は、取得した温度情報を伝送に適したシリアルな温度データへと変換する。ここで、対応する試料と温度計測装置1040との間は熱電対で接続されている。一方、温度計測装置1040と充放電制御ユニット1030との間は、より伝送に適したシリアル配線で接続されているものとする。
【0059】
(ステップS460)
温度計測装置1040は、変換した温度データをシリアル配線を介して充放電制御ユニット1030へと出力する。
【0060】
(ステップS470)
温度計測装置1040は、温度データの出力が完了したか否かを判断する。温度データの出力が完了した場合にはステップS480へと進み、温度データの出力が完了していない場合にはステップS470で待機する。
【0061】
(ステップS480)
温度計測装置1040は、ステップS420から継続していた温度取得の対象となる試料に対応する熱電対のチャンネル情報の、スイッチ部1050と充放電制御ユニット1030とへの出力を終了する。
【0062】
一方、図9は、充放電試験システム1000が熱電対から温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作について制御装置の動作に着目して説明するフローチャートである。そこで、以下図9に示す各ステップに基づいて、制御装置の温度取得動作について順次説明する。
【0063】
(ステップS910)
制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(7))は、各々、温度計測装置1004からチャンネル配線を介して伝送されるチャンネル情報が、予め各々プリセットされているチャンネル情報と同一であるか否かを判断する。この場合に、各制御装置は、例えば図3(a)に示すような回路構成を各々備えることにより、CPUの負荷を増大させることなく、温度計測装置1004から伝送されるチャンネル情報が同一であるか否かを判断できる。
【0064】
制御装置がチャンネル情報が同一であると判断すればステップS920へと進み、制御装置がチャンネル情報が同一であると判断しなければステップS910で待機する。
【0065】
(ステップS920)
制御装置は、当該チャンネル情報と同じタイミングでシリアル配線から入力される温度データを取り込む。この動作処理により、制御装置は、自らの充放電制御対象に関係するとしてプリセットされたチャンネル情報に対応する温度情報のみを、確実かつ迅速に取り込むことが可能となる。
【0066】
図1〜図4を用いた上述の説明においては、理解を容易にするため各熱電対のch_No.と各制御装置とが1対1に対応している場合について説明した。しかし、充放電試験システム1000は、複数の熱電対に対して一つの制御装置を対応させて充放電試験プログラムを遂行してもよい。
【0067】
図5は、充放電試験システムの温度計測方法の応用例として、温度計測装置1040による複数の熱電対からの温度計測動作と温度データの送信動作とについて概要を説明するタイムチャート図である。
【0068】
例えば、試料1(1010(1))の異なる箇所に対して複数の熱電対を設置し、試料1(1010(1))を制御装置1(1030(1))が制御する場合には、制御装置1(1030(1))が、図5に示すように、試料1(1010(1))に設置された複数の熱電対の温度情報を取得する必要がある。
【0069】
図5から理解できるように、温度計測装置1040は、制御装置1(1030(1))に対応するチャンネル情報(1ch)に対応させて、例えば三つの熱電対(熱電対ch_1,熱電対ch_2,熱電対ch_3)から順次温度データを取得できる。この場合には、スイッチ部1050は、チャンネル情報(1ch)を受信すると、三つのスイッチSW1,SW2,SW3を順次導通させるようにスイッチ制御する。
【0070】
また、温度計測装置1040は、順次取得した複数の温度データを、順次シリアルな温度データへと変換して、充放電制御ユニット1030へと出力する。また、制御装置1(1030(1))は、自身が制御対象とするデータであることを示すチャンネル情報(1ch)が入力されている間は、複数の温度データを順次取り込む。このようにして、一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対を対応させてスイッチを導通させ、複数の温度情報を順次取得しシリアルな温度データとして送出してもよい。
【0071】
すなわち、温度情報を取得する観点から、複数の熱電対と複数の制御装置との間をインターフェースする温度計測装置1040は、熱電対のチャンネルと制御装置のチャンネルとを1対1の対応関係に限定されることなく、1対多の対応関係や多対1の対応関係として対応付けしてもよい。例えば、各制御装置は、各々複数の温度計測ch用SWを備え、複数のチャンネルの温度情報を自身の制御対象試料に関係する温度情報として取得してもよい。
【0072】
各制御装置は、同一の試料の複数の熱電対からの温度情報を取得する構成としてもよい。例えば、試料の上面と側面と底面とに各々熱電対を設置し、この3つの温度情報を当該試料の充放電試験プログラムを遂行する一つの制御装置が取得する構成としてもよい。
【0073】
図10は、充放電試験システム1000が、一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対からの温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作(図5を参照)について、温度計測装置1040の動作に着目して説明するフローチャートである。
【0074】
図11は、充放電試験システム1000が、一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対からの温度を取得して制御装置に伝送する一連の動作(図5を参照)について、制御装置の動作に着目して説明するフローチャートである。そこで、以下図10及び図11に示す各ステップに基づいて、温度計測装置1040の温度取得動作について順次説明する。
【0075】
(ステップS1010)
スイッチ部1050に対して一つのチャンネル情報に対応して複数の熱電対を、順次導通させるようにプリセットする。また、温度計測装置1040には、当該一つのチャンネル情報に対して複数の熱電対からの温度情報を順次取得してシリアルな温度データへ変換し、複数の温度データを当該一つのチャンネルデータに対応させて順次伝送するようにプリセットする。このようなプリセットは、オペレータが、各機器に対してマニュアルで遂行してもよいし、充放電試験管理パソコン1060を介して各機器に対して指示または設定する構成としてもよい。
【0076】
(ステップS1020)
温度計測装置1040は、充放電試験管理パソコン1060から、一または複数の試料に関する温度データ取得の指示があるか否かを判断する。温度計測装置1040が、充放電試験管理パソコン1060から一または複数の試料に関する温度データ取得の指示があると判断すれば、ステップS1030へと進む。また、温度計測装置1040が、充放電試験管理パソコン1060から特定の試料に関する温度データ取得の指示があると判断しなかった場合には、ステップS1020で待機する。
【0077】
(ステップS1030)
温度計測装置1040は、温度取得の対象となる試料に対応する複数の熱電対に対応する一つのチャンネル情報を、三本のチャンネル配線を介してスイッチ部1050と充放電制御ユニット1030とに出力する。なお、このステップS1030におけるチャンネル情報の出力は、ステップS1090に至るまでの間、継続されるものとする。
【0078】
(ステップS1040)
スイッチ部1050は、温度計測装置1040から入力された一つのチャンネル情報に対応する複数のスイッチを導通させて、対応する複数の熱電対を導通させる。
(ステップS1050)
【0079】
温度計測装置1040は、スイッチ部1050が導通させたスイッチを介して、これに対応する各熱電対から温度データを順次取得する。
【0080】
(ステップS1060)
温度計測装置1040は、取得した複数の温度情報を伝送に適した複数の温度データへと変換する。ここで、対応する試料と温度計測装置1040との間は熱電対で接続されている一方、温度計測装置1040と充放電制御ユニット1030との間は、より伝送に適したシリアル配線で接続されているものとする。
【0081】
(ステップS1070)
温度計測装置1040は、変換した温度データをシリアル配線を介して充放電制御ユニット1030へと出力する。この間、ステップS1030で説明したように、温度計測装置1040は、温度取得の対象となる試料に対応する複数の熱電対に対応する一つのチャンネル情報を、三本のチャンネル配線を介して充放電制御ユニット1030に継続して出力しているものとする。
【0082】
(ステップS1080)
温度計測装置1040は、当該一チャンネルに対応する複数の温度データの出力が完了したか否かを判断する。当該一チャンネルに対応する複数の温度データの出力が完了した場合にはステップS1090へと進み、当該一チャンネルに対応する複数の温度データの出力が完了していない場合にはステップS1080で待機する。
【0083】
(ステップS1090)
温度計測装置1040は、ステップS1030から継続していた温度取得の対象となる試料に対応する熱電対のチャンネル情報の、スイッチ部1050と充放電制御ユニット1030とへの出力を終了する。
次に、制御装置の温度取得動作について図11に基づいて順次説明する。
【0084】
(ステップS1110)
制御装置1(1030(1))〜制御装置7(1030(7))は、各々、温度計測装置1004からチャンネル配線を介して伝送されるチャンネル情報が、予め各々プリセットされているチャンネル情報と同一であるか否かを判断する。この場合に、各制御装置は、例えば図3(a)に示すような回路構成を各々備えることにより、CPUの負荷を増大させることなく、温度計測装置1004から伝送されるチャンネル情報が同一であるか否かを判断できる。
【0085】
制御装置がチャンネル情報が同一であると判断すればステップS1120へと進み、制御装置がチャンネル情報が同一であると判断しなければステップS1110で待機する。
【0086】
(ステップ1120)
制御装置は、当該チャンネル情報と同じタイミングでシリアル配線から入力される複数の温度データを取り込む。この動作処理により、制御装置は、自らの充放電制御対象試料に関係するとしてプリセットされた一つのチャンネル情報に対応する複数の温度情報のみを、確実かつ迅速に取り込むことが可能となる。また、この後、充放電試験システム1000は、次の試験条件への速やかな移行や試験の停止処理等を遂行することが可能となる。
【0087】
ここで、図6〜図8を用いて、本発明との比較のために従来の充放電制御システムの温度取得動作方法について簡略に説明する。図6は、従来の充放電制御システム6000の温度情報取得に関係する構成概要を説明するブロック図である。
【0088】
図6に示すように、従来、任意のn個の試料1(6010(1))〜試料n(6010(n))に対して、充放電制御ユニット6030が備えるn個の制御装置1(6030(1))〜制御装置n(6030(n))が1対1に対応し、両者は、nセットの熱電対6020(1)〜6020(n)で接続される。この場合に、制御装置1(6030(1))〜制御装置n(6030(n))は、各々熱電対6020(1)〜6020(n)の温度データを温度に換算する温度計測部を備えることとなる。
【0089】
また、通常、試料1(6010(1))〜試料n(6010(n))が配置される位置と、充放電制御ユニット6030が配置される位置とは一定程度離間しており、場合によっては異なる居室に配置される。このため、試料数及び温度計測点の増大に伴い、熱電対6020(1)〜6020(n)ののべ配線長及びのべ配線数は増大しがちであり、軽量化やコスト低減の障害となっていた。
【0090】
また、図7は、従来の他の充放電制御システム7000の温度情報取得に関係する構成概要を説明するブロック図である。図7から理解できるように、充放電制御システム7000は、任意のn個の試料1(7010(1))〜試料n(7010(n))と、充放電制御ユニット7030と、の間に、スキャナー式温度計測装置7040を備える。
【0091】
スキャナー式温度計測装置7040は、試料1(7010(1))〜試料n(7010(n))に比較的近接して設けられ、全ての試料1(7010(1))〜試料n(7010(n))から熱電対ch1〜chnを介して順次温度データを取得し、シリアルな温度データに変換して出力する。
【0092】
このため、充放電制御システム7000は、熱電対ののべ配線長を比較的短くすることができる点において、充放電制御システム6000より軽量化・コスト低減の観点から有利である。
【0093】
一方、スキャナー式温度計測装置7040は、すべての試料の温度情報をスキャンして順次取得するので、試料の数が多い(例えば数百の測定点から温度を取得する)場合には温度情報の取得に比較的多くの時間を要してしまう。さらに、スキャナー式温度計測装置7040は、取得した温度情報を順次シリアルな温度データとして、全ての制御装置1(7030(1))〜制御装置n(7030(n))に対して並列かつ同時に、順次出力する。
【0094】
このため、制御装置1(7030(1))〜制御装置n(7030(n))の各々においては、送信されてくる温度データを随時全て読み込んで、少なくともそのヘッダ情報を解読して、自身が制御対象とする試料の温度情報であるか否か及び/または当該温度情報が何番目に伝送されてくるのかを判断し、自身が制御対象とする試料に関係する温度情報のみを、膨大な温度データの中から抽出して取得する必要がある。
【0095】
また、上述した制御装置1(7030(1))〜制御装置n(7030(n))の取り込み処理は、各制御装置各々のCPUにおいて個別的に、同時並行に遂行される。従って、試料の数と対応する制御装置の数とが多くなればなるほど、各制御装置のCPUで消費される電力の総計が飛躍的に増大し、各CPUの処理負担も増大するのでさらに多大な処理時間を要することとなる。
【0096】
図8(a)は、充放電制御システム7000のスキャナー式温度計測装置7040が伝送するシリアルな温度データであって、熱電対のチャンネル情報を有するヘッダと、これに対応する温度データと、が一つずつ交互に伝送されるように構成された例を説明する図である。
【0097】
また、図8(b)は、充放電制御システム7000のスキャナー式温度計測装置7040が伝送する他のシリアルな温度データであって、熱電対のチャンネル情報を所定の順序で全てまとめたヘッダと、ヘッダに定義された順序で全ての温度データを順次伝送するように構成された例を説明する図である。
【0098】
図8に示すいずれの温度データにおいても、各制御装置が必要な温度情報を取得するためには、各々シリアルな温度データ全体を全て監視しなければならず、その処理負荷はかなり大きくなる。具体的には、図8(a)のシリアルデータにおいては、対応するチャンネル情報(ch_No)であるか否かを各制御装置が各々全てヘッダをチェックし、図8(b)のシリアルデータにおいてはヘッダに定義された必要な温度情報の配列位置(順序)を読み取り、その後の温度データの配列番号(配列位置)を逐一カウントする等の多大な処理が必要となる。
【0099】
また、充放電試験システム1000は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や動作及び駆動方法等を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の充放電試験システムは、一度に多くの制御対象を高速で充放電制御する電池・キャパシタ等の多チャンネル充放電試験装置や量産用充放電試験装置等の温度計測に広く適用できる。
【符号の説明】
【0101】
1000・・充放電試験システム、1010・・試料、1030・・充放電制御ユニット、1040・・温度計測装置、1050・・スイッチ部、1060・・充放電試験管理パソコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の試料に対して充電試験または/及び放電試験を遂行する充放電試験システムにおいて、
前記複数の試料の温度を検出する複数の熱電対と、
前記複数の熱電対から取得したデータに基づいて前記複数の試料の温度を算出し、シリアルデータに変換して出力する温度計測装置と、
前記複数の熱電対のいずれか任意の一つに対して排他的に導通制御するスイッチ部と、
前記複数の試料の充放電を各々制御する複数の制御装置と、を備える
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項2】
請求項1に記載の充放電試験システムにおいて、
前記温度計測装置は、前記任意の一つの熱電対から取得した温度データをシリアルデータに変換して前記複数の制御装置へ出力する場合に、前記任意の一つの熱電対に対応する前記チャンネル情報を前記複数の制御装置へと出力する
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充放電試験システムにおいて、
前記温度計測装置は、前記複数の熱電対のうちいずれを導通させるかを指示するチャンネル情報を前記スイッチ部へ出力する場合に、前記複数の制御装置へも前記チャンネル情報を出力する
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の充放電試験システムにおいて、
前記複数の制御装置は、前記温度計測装置から入力された前記チャンネル情報が、前記複数の制御装置の各々に予め設定されたチャンネル情報と同一である場合には、前記シリアルデータを取得する
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の充放電試験システムにおいて、
前記温度計測装置と前記複数の制御装置との間に、前記シリアルデータを伝達するシリアル配線と、前記チャンネル情報を伝達する少なくとも一つのチャンネル配線とを備える
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項6】
請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の充放電試験システムにおいて、
前記チャンネル情報は、少なくとも二以上の熱電対を順次導通するスイッチング制御指示を含み、
前記温度計測装置が前記チャンネル情報を前記複数の制御装置に出力する間に、
前記温度計測装置が前記二以上の熱電対から順次取得した二以上の温度データをシリアルデータとして順次出力する
ことを特徴とする充放電試験システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の充放電試験システムの温度計測方法であって、
前記温度計測装置が、前記複数の熱電対のいずれか一つを導通させて、温度データを取得する工程と、
前記温度計測装置が、取得した前記温度データをシリアルデータに変換する工程と、
前記温度計測装置が、変換された前記シリアルデータを、シリアル配線を介して前記複数の制御装置に出力すると同時に、いずれの熱電対から取得した温度データであるかを示すチャンネル情報を、チャンネル配線を介して前記複数の制御装置に出力する工程と、を有する
ことを特徴とする充放電試験システムの温度計測方法。
【請求項8】
請求項7に記載の充放電試験システムの温度計測方法であって、
前記複数の制御装置は、前記チャンネル配線を介して入力される前記チャンネル情報が、予め前記複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一である場合に、
前記シリアル配線を介して入力される前記シリアルデータを取得し、
前記チャンネル配線を介して入力される前記チャンネル情報が、予め前記複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一ではない場合に、
前記シリアル配線を介して入力される前記シリアルデータを取得しない
ことを特徴とする充放電試験システムの温度計測方法。
【請求項9】
請求項6に記載の充放電試験システムの温度計測方法であって、
前記温度計測装置が、一つのチャンネル情報に対応付けられた前記スイッチ部の二つ以上のスイッチを順次導通させて、導通させたスイッチに対応する二つ以上の熱電対から温度データを順次取得する工程と、
前記温度計測装置が、取得した前記温度データを順次シリアルデータに変換する工程と、
前記温度計測装置が、変換された前記シリアルデータを、シリアル配線を介して複数の制御装置に順次出力すると同時に、前記一つのチャンネル情報を、チャンネル配線を介して前記複数の制御装置に出力する工程と、を有する
ことを特徴とする充放電試験システムの温度計測方法。
【請求項10】
請求項9に記載の充放電試験システムの温度計測方法であって、
前記複数の制御装置は、前記チャンネル配線を介して入力される前記一つのチャンネル情報が、予め前記複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一である場合に、
前記シリアル配線を介して順次入力される前記シリアルデータを順次取得し、
前記チャンネル配線を介して入力される前記一つのチャンネル情報が、予め前記複数の制御装置に各々設定されたチャンネル情報と同一ではない場合に、
前記シリアル配線を介して入力される前記シリアルデータを取得しない
ことを特徴とする充放電試験システムの温度計測方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−105606(P2013−105606A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248132(P2011−248132)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】