充電ケーブルおよび充電システム
【課題】外部から車両の充電状態を把握することを容易にする充電ケーブル、および、その充電ケーブルを備えた充電システムを提供する。
【解決手段】充電システム100は、車両10と、充電ケーブル20とを備える。充電ケーブル20は、車両10と、充電ステーション30に設けられたコネクタ33との間に接続される。コネクタ33には交流電源32が接続されている。充電ケーブル20は、充電ステーション30から車両10へ充電電力を供給するために用いられる。充電ケーブル20は、車両10が充電中であることを光で表示する。
【解決手段】充電システム100は、車両10と、充電ケーブル20とを備える。充電ケーブル20は、車両10と、充電ステーション30に設けられたコネクタ33との間に接続される。コネクタ33には交流電源32が接続されている。充電ケーブル20は、充電ステーション30から車両10へ充電電力を供給するために用いられる。充電ケーブル20は、車両10が充電中であることを光で表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電ケーブルおよび充電システムに関し、特に、車両の充電に用いられる充電ケーブルおよび、その充電ケーブルとその車両とを含む充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001−244028号公報(特許文献1)は、車両に商用電源を供給するための電源コードを開示する。この電源コードは、商用電源のコネクタに接続されることによって車両側のコネクタの近辺を照明できるよう構成されている。
【特許文献1】特開2001−244028号公報
【特許文献2】特開2006−166523号公報
【特許文献3】特開平9−161898号公報
【特許文献4】特開平10−106362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の電源コードを用いたユーザは車両の充電状態を把握することができない。したがって充電状態を把握するためにはユーザは別の方法を用いなければならない。これによりユーザの利便性が低下することが起こり得る。
【0004】
本発明の目的は、外部から車両の充電状態を把握することを容易にする充電ケーブル、および、その充電ケーブルを備えた充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は要約すれば、車両に搭載された蓄電装置と、車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルである。充電ケーブルは、電源からの充電電力を蓄電装置に供給するための電力線と、蓄電装置が充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを備える。
【0006】
好ましくは、車両は、蓄電装置に蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに備える。
【0007】
好ましくは、表示部は、発光することにより、蓄電装置が充電中であることを表示する。
【0008】
より好ましくは、表示部は、電源から電力が供給されることにより発光する。
より好ましくは、表示部は、電力線の延在方向に沿って配置された複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、複数の発光装置を制御する制御部をさらに備える。制御部は、蓄電装置の充電中に、複数の発光装置のうちの点灯対象の発光装置を切換える。
【0009】
より好ましくは、表示部は、各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、蓄電装置の充電状態を検知する検知部と、検知部の検知結果に応じて、複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える。
【0010】
より好ましくは、表示部は、各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、電力線の温度を検知する温度検知部と、蓄電装置の充電中に複数の発光装置を点灯させ、かつ、温度検知部の検知結果に応じて複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える。
【0011】
より好ましくは、表示部は、複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、蓄電装置の充電状態を検知する状態検知部と、状態検知部の検知結果を受けて充電状態が正常であるか否かを判定し、充電状態が正常である場合と、充電状態が異常である場合とで、複数の発光装置の点灯制御を切換える制御部とをさらに備える。
【0012】
好ましくは、充電ケーブルは、外表面に凹凸形状が形成され、電力線を覆う被覆をさらに備える。
【0013】
本発明の他の局面に従うと、充電システムであって、蓄電装置を含む車両と、蓄電装置と車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルとを備える。充電ケーブルは、電源からの充電電力を蓄電装置に供給するための電力線と、蓄電装置が充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを含む。
【0014】
好ましくは、車両は、蓄電装置に蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外部から車両の充電状態を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1による充電ケーブルおよび充電システムを示す図である。図1を参照して、充電システム100は、車両10と、充電ケーブル20と、交流電源32と、コネクタ33とを備える。
【0018】
車両10は、動力源として蓄電装置およびモータを搭載した電動車両であり、たとえば、電気自動車やハイブリッド車両などからなる。なお、以後の説明では、車両10は、ハイブリッド車両であるとする。
【0019】
充電ケーブル20は、車両10と、充電ステーション30に設けられたコネクタ33との間に接続される。コネクタ33には交流電源32が接続されている。充電ケーブル20は、充電ステーション30から車両10へ充電電力を供給するために用いられる。
【0020】
たとえば充電ステーション30は一般家庭であり、コネクタ33はコンセントである。なお充電ステーション30が一般家庭の場合には、商用電力系統が交流電源32に相当する。充電ケーブル20は、車両10が充電中であることを光で表示する。
【0021】
図2は、図1の車両10の主要部の構成を説明する図である。図2を参照して、車両10は、エンジン204と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構203と、車輪202とを含む。車両10は、さらに、バッテリBと、昇圧コンバータ210と、インバータ220,230と、MG−ECU240と、コンデンサC1,C2と、正極線PL1,PL2と、負極線NL1,NL2とを含む。車両10は、さらに、電圧センサ252,258と、電流センサ254,260と、温度センサ256と、コネクタ150とを含む。
【0022】
動力分割機構203は、エンジン204とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構203としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を用いることができる。
【0023】
モータジェネレータMG1は、エンジン204によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン204の始動を行ない得る電動機として動作するものとして車両10に設けられる。モータジェネレータMG2は、駆動輪である車輪202を駆動する電動機として車両10に設けられる。
【0024】
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、図示されないY結線された3相コイルをステータコイルとして含む。そして、モータジェネレータMG1の3相コイルの中性点N1に電力線ACL1が接続され、モータジェネレータMG2の3相コイルの中性点N2に電力線ACL2が接続される。
【0025】
バッテリBは、充電可能な蓄電装置であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。バッテリBは、直流電力を昇圧コンバータ210へ出力する。バッテリBは、昇圧コンバータ210から出力される電力を受けて充電される。なお、バッテリBに代えてたとえば電気二重層キャパシタが蓄電装置として用いられてもよい。
【0026】
コンデンサC1は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧変動を平滑化する。昇圧コンバータ210は、MG−ECU240からの信号PWCに基づいて、バッテリBから受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を正極線PL2へ出力する。また、昇圧コンバータ210は、信号PWCに基づいて、正極線PL2を介してインバータ220,230から受ける直流電圧をバッテリBの電圧レベルに降圧してバッテリBを充電する。昇圧コンバータ210は、たとえば、昇降圧型のチョッパ回路などによって構成される。
【0027】
コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NL2との間の電圧変動を平滑化する。インバータ220は、MG−ECU240からの信号PWM1に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ220は、エンジン204の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0028】
インバータ230は、MG−ECU240からの信号PWM2に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ230は、車両の回生制動時、車輪202からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0029】
また、図1の交流電源32から供給される商用電力を用いてバッテリBを充電するときには、充電ケーブル20の一方端がコネクタ33を介して電源(図1の交流電源32)に接続され、充電ケーブル20の他方端がコネクタ150に接続される。コネクタ150には電力線ACL1,ACL2が接続される。インバータ220,230は、交流電源32から充電ケーブル20、コネクタ150および電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を信号PWM1,PWM2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を正極線PL2へ出力する。
【0030】
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン204の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ220へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ220から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン204の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ230から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ230へ出力する。
【0031】
電圧センサ252は、バッテリBの電圧Vbを検出する。電流センサ254は、バッテリBの充電電流Ibを検出する。温度センサ256は、バッテリBの温度Tbを検出する。これらのセンサは検出値を車両10の全体の動作を制御する車両ECU(図示せず)に出力する。
【0032】
電圧センサ258は、電力線ACL1,ACL2間の電圧Vacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。電流センサ260は、電力線ACL2に流れる電流Iacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。
【0033】
MG−ECU240は、車両ECUからの信号ACが非活性化されているとき、車両ECUからのトルク指令値TR1,TR2に基づいて、昇圧コンバータ210を駆動するための信号PWCおよびインバータ220,230をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWC,PWM1,PWM2をそれぞれ昇圧コンバータ210およびインバータ220,230へ出力する。
【0034】
また、MG−ECU240は、車両ECUからの信号ACが活性化されているとき、交流電源32から電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を直流電力に変換してバッテリBの充電が行なわれるように、インバータ220,230および昇圧コンバータ210をそれぞれ制御するための信号PWM1,PWM2,PWCを生成する。
【0035】
なお、MG−ECU240は、交流電源32からの電力によりバッテリBを充電するときに、電圧センサ258からの電圧Vacおよび電流センサ260からの電流Iacに基づいて、交流電源32から供給される電流が車両ECUからの電流指令IRと一致するようにインバータ220,230を制御する。
【0036】
図3は、図1の充電ケーブル20の構成を説明する図である。図3を参照して、充電ケーブル20は、プラグ41と、電力線42と、コネクタ43と、表示部44と、電源ライン45と、ケーブル被覆46と、温度センサ47とを含む。
【0037】
プラグ41は車両10の充電時に図1のコネクタ33に接続される。電力線42は、交流電源32からの充電電力を車両10に供給するための電力線である。コネクタ43は、車両10のコネクタ150(図2参照)に接続される。
【0038】
表示部44は、LED(発光ダイオード)441〜44nと、LED441〜44nをそれぞれ点灯させるためのスイッチSW1〜SWnとを含む。LED(発光ダイオード)441〜44nは電力線42の延在方向に沿って並べられる。スイッチSW1〜SWnの各々の一方端は、対応するLEDに接続され、他方端は電源ライン45に接続される。
【0039】
LED441〜44nは多色(たとえば緑色、黄色、赤色)の光を発する。ただしLED441〜44nは単色の光を発するものでもよい。発光装置としてLEDを用いることにより、表示部44の消費電力を少なくすることができる。また、一般的には、電球から発せられる光に比べてLEDから発せられる光の広がりは小さいので、ユーザの視認性を高めることが可能になる。
【0040】
ケーブル被覆46は、透光性を有する(透明でも半透明でもよい)絶縁部材である。ケーブル被覆46は、LED441〜44nから発せられる光を通す。
【0041】
温度センサ47は、電力線42の温度を検知して、温度値Tcをプラグ41に出力する。
【0042】
プラグ41は、電極51と、インバータ(INV)52と、DC/DCコンバータ53と、電圧センサ54と、電流センサ55と、点灯制御部56とを含む。
【0043】
電極51は、図1のコネクタ33に挿入される。これにより電力線42に交流電圧が印加される。
【0044】
インバータ52は、電力線42に接続されて、電力線42から受ける交流電圧を直流電圧に変換する。DC/DCコンバータ53は、インバータ52から出力される直流電圧をLED441〜44nの駆動電圧(たとえば3〜4V)に変換して電源ライン45に出力する。
【0045】
電圧センサ54は電力線42の電圧を検知して電圧値Vcを出力する。電流センサ55は電力線42に流れる電流を検知して電流値Icを出力する。
【0046】
点灯制御部56は、電圧センサ54から電圧値Vcを受け、電流センサ55から電流値Icを受け、温度センサ47から温度値Tcを受けて、スイッチSW1〜SWnを制御するための信号および各LEDから発せられる色を制御するための信号を含む信号CTLを出力する。点灯制御部56の電源電圧はたとえばDC/DCコンバータ53により供給される。
【0047】
図4は、図3の点灯制御部56が実行する点灯処理を説明するためのフローチャートである。図4および図3を参照して、充電ケーブル20が図1のコネクタ33に接続されると点灯制御部56に電源が供給される。これにより処理が開始される。
【0048】
ステップS1において、点灯制御部56は、車両10のバッテリBが充電中であることを示す点灯処理を実行する。ステップS1の点灯処理におけるLEDの点灯パターンについては後に詳しく説明する。
【0049】
ステップS2において、点灯制御部56は、バッテリBの充電が終了したか否かを判定する。点灯制御部56は、電流センサ55が検知した電流値Icが所定の電流値以下である場合、または、電圧センサ54が検知した電圧値Vcが所定の電圧値以上である場合にバッテリBが充電中であると判定する。なお、点灯制御部56は、電流値Icが所定の電流値以下であり、かつ、電圧値Vcが所定の電圧値以上である場合に充電が終了したと判定してもよい。
【0050】
バッテリBの充電が終了していない場合(ステップS2においてNO)、処理はステップS1に戻る。バッテリBの充電が終了した場合(ステップS2においてYES)、点灯制御部56は、バッテリBの充電が終了したことを示す点灯処理を行なう(ステップS3)。具体的には点灯制御部56は、スイッチSW1〜SWnをオンにしてLED441〜44nをすべて点灯させる。
【0051】
このようにバッテリBの充電終了時の点灯処理をバッテリBの充電中の点灯処理と異ならせることで、ユーザはバッテリBの充電が終了したか否かを容易に把握できる。また、たとえば夜間に充電が終了した場合にLED441〜44nがすべて消灯していると、ユーザが充電ケーブルに足を引っ掛ける可能性がある。充電終了時にLED441〜44nをすべて点灯させることによりユーザが充電ケーブルの存在を把握できるので、ユーザの注意を促すことができる。
【0052】
ステップS3の処理は、ユーザが充電ケーブル20をコネクタ33から外すまで繰り返し実行される。
【0053】
次にステップS1の点灯処理の具体例として、第1から第3の点灯パターンに従う点灯処理を説明する。第1および第2の点灯パターンに従う処理は、点灯制御部56がバッテリBの充電中に、複数のLEDのうちの点灯対象のLEDを切換える処理である。第3の点灯パターンに従う処理は、バッテリBの充電状態に応じて、複数のLEDが発する色を変化させる処理である。なお、便宜上、以下では表示部44は4つのLED(LED441〜444)を含むものとする。
【0054】
図5は、第1の点灯パターンを説明する図である。図5を参照して、第1の点灯パターンでは、LED441〜444を順番に点灯させる。LED441は交流電源32側に位置し、LED444は車両10側に位置する。
【0055】
第1の点灯パターンでは、図4のステップS1はステップS11〜S14を含む。点灯制御部56は、ステップS11,S12,S13,S14においてLED441,442,443,444をそれぞれ点灯させる。ステップS14の処理が終了すると、点灯処理はステップS11の処理に戻る。
【0056】
このようにLED441〜444を点灯させることにより、交流電源32から車両10のバッテリBに向けて電流が流れていること、すなわちバッテリBが充電中であることをユーザに分かりやすく示すことができる。
【0057】
なお、LED441,442,443,444の点滅の速度を車両10の充電状態に応じて変化させてもよい。この場合、点灯制御部56はたとえば電流値Icが小さくなるにしたがってスイッチSW1〜SWnのオン/オフの周期を長くする(電圧値Vcが大きくなるにしたがってスイッチSW1〜SWnのオン/オフの周期を長くしてもよい)。
【0058】
このような制御を行なった場合、充電開始時にはLEDの点灯時間は短くなり、充電が進むにつれてLEDの点灯時間は長くなる。ユーザは、LEDの点灯時間からバッテリBの充電状態を大まかに把握することができる。たとえばLEDの点灯時間が長い場合にはユーザはバッテリBがほぼ満充電状態であると把握できる。
【0059】
図6は、第2の点灯パターンを説明する図である。図6を参照して、第2の点灯パターンは、車両のバッテリの充電状態を表示する第1の例である。
【0060】
第2の点灯パターンでは、図4のステップS1は制御ステップ(以下、単に「ステップ」と称する)S21〜S24を含む。点灯制御部56は、ステップS21においてLED441を点灯させ、ステップS22においてLED441,442を点灯させ、ステップS23においてLED441〜443を点灯させ、ステップS24においてLED441〜444を点灯させる。要するに第2のパターンではバッテリの充電状態に応じて点灯するLEDの個数を増やす。
【0061】
第2の点灯パターンでLEDを点灯させることにより充電ケーブルは車両の充電状態を示すメータとして機能する。ユーザは、充電ケーブルのうちの光っている範囲を確認することでバッテリBの充電状態を大まかに把握することができる。
【0062】
図7は、第3の点灯パターンを説明する図である。図7を参照して、第3の点灯パターンは、車両のバッテリの充電状態を表示する第2の例である。
【0063】
第3の点灯パターンでは、図4のステップS1はステップS31〜S33を含む。点灯制御部56は、ステップS31においてLED441〜444の各々を赤色に点灯させるる。同様に、点灯制御部56は、ステップS32においてLED441〜444の各々を黄色に点灯させ、ステップS33においてLED441〜444の各々を緑色に点灯させる。
【0064】
第3の点灯パターンではバッテリの充電状態に応じてLEDから発せられる光の色を変化させる。これにより第2の点灯パターンで充電ケーブルを光らせた場合と同様に、充電ケーブルは車両のバッテリの充電状態を示すメータとして機能する。ユーザは、充電ケーブルの色を確認することで車両の充電状態を大まかに把握することができる。
【0065】
なお、第1の点灯パターンと同様に第2および第3の点灯パターンでは、点灯制御部56は、電流値Ic(または電圧値Vc)に基づいて車両のバッテリの充電状態を把握する。
【0066】
<変形例>
図8は、車両10の充電方法の変形例を説明する図である。図8を参照して、コネクタ150は正極線PL1および負極線NL1に接続される。充電ケーブル20は電源(交流電源32)からの交流電圧を直流電圧に変換する。図8に示す方法ではモータジェネレータMG1,MG2およびインバータ220,230を介さずにバッテリBが充電される。
【0067】
図9は、図8に示す車両10の充電方法を実現するために用いられる充電ケーブルの構成を説明する図である。図9を参照して、電力線42はインバータ52に接続される。インバータ52は図1の交流電源32からの交流電圧を直流電圧に変換して電力線42に出力する。この点で図9に示す充電ケーブル20は図3に示す充電ケーブルと異なる。ただし図9に示す充電ケーブル20の他の部分の構成は図3に示す充電ケーブルの対応する部分の構成と同様である。
【0068】
以上のように実施の形態1によれば、充電システム100は、バッテリBを含む車両10と、車両10の外部に設けられた交流電源32と、バッテリBとの間に電気的に接続される充電ケーブル20とを備える。充電ケーブル20は、交流電源32からの充電電力をバッテリBに供給するための電力線42と、バッテリBが充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部44とを含む。好ましくは、車両10はバッテリBに蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させるモータジェネレータMG2をさらに備える。これにより実施の形態1によれば、ユーザが外部からバッテリBが充電されていることを把握しやすくなる。
【0069】
好ましくは、表示部44は発光することにより、バッテリBが充電中であることを表示する。これにより、ユーザは、夜間でもバッテリBが充電されていることを把握しやすくなる。夜間においてユーザの足元が暗い場合には、ユーザが充電ケーブルに足を引っ掛ける可能性がある。しかしながら本実施の形態によれば、ユーザが夜間に車両10の充電を行なうときにユーザが充電ケーブル20を確認することができる。つまり実施の形態1に係る充電システム100および充電ケーブル20によればユーザの作業時における安全性を高めることが可能になる。
【0070】
[実施の形態2]
実施の形態2の充電ケーブルは、実施の形態1の充電ケーブルよりもケーブル被覆の表面積が大きい。これにより実施の形態2の充電ケーブルは実施の形態1の充電ケーブルよりも放熱性を高めることが可能になる。なお、実施の形態2の充電ケーブルの他の部分の構成は実施の形態1の充電ケーブルと同様である。よって、以下ではケーブル被覆の形状について詳細に説明し、他の部分については以後の説明を繰返さない。
【0071】
図10は、実施の形態2の充電ケーブル20Aに含まれるケーブル被覆の第1の例を示す図である。なお図10は、ケーブル被覆の側面から見た断面図である。
【0072】
図10を参照して、ケーブル被覆46Aは充電ケーブル20Aの長さ方向(中心軸Xに沿った方向)に周期的な形状を有する。図10に示す例ではケーブル被覆46Aは正弦波形状を有するが、ケーブル被覆46Aの断面形状は三角波形状や矩形波形状でもよい。
【0073】
図11は、実施の形態2の充電ケーブル20Bに含まれるケーブル被覆の第2の例を示す図である。図11を参照して、ケーブル被覆46Bの側面には複数の突起部49が設けられる。突起部49は、放熱フィンの役割を果たす。
【0074】
以上のように実施の形態2によれば、充電ケーブルは、外表面に凹凸形状が形成され、かつ、電力線を覆うケーブル被覆を備える。実施の形態2によればケーブル被覆の表面積が大きいために、充電ケーブルの放熱性を高めることができる。
【0075】
たとえば、ユーザが車両10のバッテリを急速充電したい場合に、図2に示すMG−ECU240が電力線42に流れる電流を通常の充電時の電流よりも大きくなるように制御したとする。この場合には電力線の発熱量も大きくなる。実施の形態2によれば電力線の発熱量が増えた場合に充電ケーブルの温度上昇が大きくなるのを抑制することができる。これにより、たとえば充電ケーブルに触れたユーザへの影響を小さくすることができる。
【0076】
[実施の形態3]
実施の形態3の充電ケーブルの全体構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるので以後の説明は繰返さない。実施の形態3では車両のバッテリの充電中に点灯制御部が充電ケーブルの温度を示す点灯処理を行なう。
【0077】
図12は、実施の形態3による点灯処理を説明するフローチャートである。図12および図4を参照して、実施の形態3の点灯処理では、ステップS1の処理に代えてステップS1A,S1Bの処理が実行される点で実施の形態1の点灯処理と異なる。なお、図12のフローチャートにおける他のステップの処理は図4のフローチャートにおいて対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰返さない。
【0078】
図12および図3を参照して、点灯制御部56は、温度センサ47から充電ケーブルの温度として、温度値Tcを取得する(ステップS1A)。次に点灯制御部56は、温度表示を含めた点灯処理を実行する(ステップS1B)。
【0079】
具体的には、ステップS1Bの点灯処理は、図5および図6に示す点灯パターンにおいて温度値Tcに応じてLEDの点灯色を変化させる。この場合、電力線42の温度が高くなるに従ってLEDの点灯色はたとえば緑色から黄色、赤色と順次変化する。
【0080】
なお、図7に示す点灯パターンを用いてステップS1Bの点灯処理を実行してもよい。この場合には、点灯制御部56は、たとえば温度値Tcが所定の温度値よりも高くなった場合にLEDを点滅させる。
【0081】
実施の形態3によれば、たとえばケーブルが熱いときに、ユーザの注意を促すことができる。
【0082】
[実施の形態4]
実施の形態4の充電ケーブルの全体構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるので以後の説明は繰返さない。実施の形態4では車両のバッテリの充電中に異常が生じた場合に、点灯制御部が充電ケーブルの異常を示す点灯処理を行なう。
【0083】
図13は、実施の形態4による点灯処理を説明するフローチャートである。図13および図4を参照して、実施の形態4の点灯処理は実施の形態1の点灯処理に、ステップS1Cの処理およびステップS4の処理が追加される。この点で実施の形態4の点灯処理は実施の形態1の点灯処理と異なる。なお、図13のフローチャートにおける他のステップの処理は図4のフローチャートにおいて対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰返さない。
【0084】
図13および図3を参照して、ステップS1Cにおいて、点灯制御部56は、温度値Tc、電圧値Vc、および電流値Icを受けて、異常が発生したかどうかを判定する。ここで温度センサ47、電圧センサ54、および電流センサ55は、バッテリBの充電状態を検知する「状態検知部」に含まれる。
【0085】
温度値Tcが所定の温度値を超えた場合、電圧値Vcが所定の範囲を超えた場合(バッテリBが過充電状態あるいは過放電状態になった場合)、および電流値Icが所定の電流値を超えた場合(バッテリBに過電流が流れた場合)のいずれかの場合に、点灯制御部56は異常が発生したと判定する。この場合(ステップS1CにおいてYES)、点灯制御部は異常が発生したことを示す点灯処理を実行する(ステップS4)。
【0086】
ステップS4において、点灯制御部56は、たとえばLED441〜44nのすべてを一定の周期で点滅させる。ただし、点灯制御部56は、一定の間隔で点灯色を赤色、黄色、緑色と変化させることを繰返してもよい。このように異常時の点灯処理は特に限定されるものではない。ステップS4の点灯処理は、ユーザが充電ケーブル20をコネクタ33から外すまで繰り返し実行される。
【0087】
実施の形態4によれば、点灯制御部56は、状態検知部の検知結果を受けてバッテリBの充電状態が正常であるか否かを判定する。点灯制御部56は、バッテリBの充電状態が正常である場合と、バッテリBの充電状態が異常である場合とで、複数のLEDの点灯制御を切換える。これにより、ユーザにバッテリBの充電時に異常が生じたことを知らせることができる。
【0088】
なお、以上の各実施の形態においては、充電ケーブルはモータに電力を供給するためのバッテリの充電に用いられるものとしたが、たとえば、補機バッテリを充電するために用いられるものでもよい。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態1による充電ケーブルおよび充電システムを示す図である。
【図2】図1の車両10の主要部の構成を説明する図である。
【図3】図1の充電ケーブル20の構成を説明する図である。
【図4】図3の点灯制御部56が実行する点灯処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1の点灯パターンを説明する図である。
【図6】第2の点灯パターンを説明する図である。
【図7】第3の点灯パターンを説明する図である。
【図8】車両10の充電方法の変形例を説明する図である。
【図9】図8に示す車両10の充電方法を実現するために用いられる充電ケーブルの構成を説明する図である。
【図10】実施の形態2の充電ケーブルに含まれるケーブル被覆の第1の例を示す図である。
【図11】実施の形態2の充電ケーブルに含まれるケーブル被覆の第2の例を示す図である。
【図12】実施の形態3による点灯処理を説明するフローチャートである。
【図13】実施の形態4による点灯処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 車両、20,20A,20B 充電ケーブル、30 コネクタ、30 充電ステーション、32 交流電源、33,43,150 コネクタ、41 プラグ、42,ACL1,ACL2 電力線、44 表示部、441〜44n LED、45 電源ライン、46,46A,46B ケーブル被覆、47,256 温度センサ、49 突起部、51 電極、52 インバータ、53 DC/DCコンバータ、54,252,258 電圧センサ、55,254,260 電流センサ、56 点灯制御部、100 充電システム、202 車輪、203 動力分割機構、204 エンジン、210 昇圧コンバータ、220,230 インバータ、240 MG−ECU、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点、NL1,NL2 負極線、PL1,PL2 正極線、SW1〜SWn スイッチ、X 中心軸。
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電ケーブルおよび充電システムに関し、特に、車両の充電に用いられる充電ケーブルおよび、その充電ケーブルとその車両とを含む充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2001−244028号公報(特許文献1)は、車両に商用電源を供給するための電源コードを開示する。この電源コードは、商用電源のコネクタに接続されることによって車両側のコネクタの近辺を照明できるよう構成されている。
【特許文献1】特開2001−244028号公報
【特許文献2】特開2006−166523号公報
【特許文献3】特開平9−161898号公報
【特許文献4】特開平10−106362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の電源コードを用いたユーザは車両の充電状態を把握することができない。したがって充電状態を把握するためにはユーザは別の方法を用いなければならない。これによりユーザの利便性が低下することが起こり得る。
【0004】
本発明の目的は、外部から車両の充電状態を把握することを容易にする充電ケーブル、および、その充電ケーブルを備えた充電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は要約すれば、車両に搭載された蓄電装置と、車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルである。充電ケーブルは、電源からの充電電力を蓄電装置に供給するための電力線と、蓄電装置が充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを備える。
【0006】
好ましくは、車両は、蓄電装置に蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに備える。
【0007】
好ましくは、表示部は、発光することにより、蓄電装置が充電中であることを表示する。
【0008】
より好ましくは、表示部は、電源から電力が供給されることにより発光する。
より好ましくは、表示部は、電力線の延在方向に沿って配置された複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、複数の発光装置を制御する制御部をさらに備える。制御部は、蓄電装置の充電中に、複数の発光装置のうちの点灯対象の発光装置を切換える。
【0009】
より好ましくは、表示部は、各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、蓄電装置の充電状態を検知する検知部と、検知部の検知結果に応じて、複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える。
【0010】
より好ましくは、表示部は、各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、電力線の温度を検知する温度検知部と、蓄電装置の充電中に複数の発光装置を点灯させ、かつ、温度検知部の検知結果に応じて複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える。
【0011】
より好ましくは、表示部は、複数の発光装置を含む。充電ケーブルは、蓄電装置の充電状態を検知する状態検知部と、状態検知部の検知結果を受けて充電状態が正常であるか否かを判定し、充電状態が正常である場合と、充電状態が異常である場合とで、複数の発光装置の点灯制御を切換える制御部とをさらに備える。
【0012】
好ましくは、充電ケーブルは、外表面に凹凸形状が形成され、電力線を覆う被覆をさらに備える。
【0013】
本発明の他の局面に従うと、充電システムであって、蓄電装置を含む車両と、蓄電装置と車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルとを備える。充電ケーブルは、電源からの充電電力を蓄電装置に供給するための電力線と、蓄電装置が充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを含む。
【0014】
好ましくは、車両は、蓄電装置に蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外部から車両の充電状態を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1による充電ケーブルおよび充電システムを示す図である。図1を参照して、充電システム100は、車両10と、充電ケーブル20と、交流電源32と、コネクタ33とを備える。
【0018】
車両10は、動力源として蓄電装置およびモータを搭載した電動車両であり、たとえば、電気自動車やハイブリッド車両などからなる。なお、以後の説明では、車両10は、ハイブリッド車両であるとする。
【0019】
充電ケーブル20は、車両10と、充電ステーション30に設けられたコネクタ33との間に接続される。コネクタ33には交流電源32が接続されている。充電ケーブル20は、充電ステーション30から車両10へ充電電力を供給するために用いられる。
【0020】
たとえば充電ステーション30は一般家庭であり、コネクタ33はコンセントである。なお充電ステーション30が一般家庭の場合には、商用電力系統が交流電源32に相当する。充電ケーブル20は、車両10が充電中であることを光で表示する。
【0021】
図2は、図1の車両10の主要部の構成を説明する図である。図2を参照して、車両10は、エンジン204と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構203と、車輪202とを含む。車両10は、さらに、バッテリBと、昇圧コンバータ210と、インバータ220,230と、MG−ECU240と、コンデンサC1,C2と、正極線PL1,PL2と、負極線NL1,NL2とを含む。車両10は、さらに、電圧センサ252,258と、電流センサ254,260と、温度センサ256と、コネクタ150とを含む。
【0022】
動力分割機構203は、エンジン204とモータジェネレータMG1,MG2とに結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、動力分割機構203としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を用いることができる。
【0023】
モータジェネレータMG1は、エンジン204によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン204の始動を行ない得る電動機として動作するものとして車両10に設けられる。モータジェネレータMG2は、駆動輪である車輪202を駆動する電動機として車両10に設けられる。
【0024】
モータジェネレータMG1,MG2の各々は、図示されないY結線された3相コイルをステータコイルとして含む。そして、モータジェネレータMG1の3相コイルの中性点N1に電力線ACL1が接続され、モータジェネレータMG2の3相コイルの中性点N2に電力線ACL2が接続される。
【0025】
バッテリBは、充電可能な蓄電装置であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。バッテリBは、直流電力を昇圧コンバータ210へ出力する。バッテリBは、昇圧コンバータ210から出力される電力を受けて充電される。なお、バッテリBに代えてたとえば電気二重層キャパシタが蓄電装置として用いられてもよい。
【0026】
コンデンサC1は、正極線PL1と負極線NL1との間の電圧変動を平滑化する。昇圧コンバータ210は、MG−ECU240からの信号PWCに基づいて、バッテリBから受ける直流電圧を昇圧し、その昇圧した昇圧電圧を正極線PL2へ出力する。また、昇圧コンバータ210は、信号PWCに基づいて、正極線PL2を介してインバータ220,230から受ける直流電圧をバッテリBの電圧レベルに降圧してバッテリBを充電する。昇圧コンバータ210は、たとえば、昇降圧型のチョッパ回路などによって構成される。
【0027】
コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NL2との間の電圧変動を平滑化する。インバータ220は、MG−ECU240からの信号PWM1に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG1へ出力する。また、インバータ220は、エンジン204の出力を受けてモータジェネレータMG1が発電した3相交流電圧を信号PWM1に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0028】
インバータ230は、MG−ECU240からの信号PWM2に基づいて、正極線PL2から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧をモータジェネレータMG2へ出力する。これにより、モータジェネレータMG2は、指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ230は、車両の回生制動時、車輪202からの回転力を受けてモータジェネレータMG2が発電した3相交流電圧を信号PWM2に基づいて直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を正極線PL2へ出力する。
【0029】
また、図1の交流電源32から供給される商用電力を用いてバッテリBを充電するときには、充電ケーブル20の一方端がコネクタ33を介して電源(図1の交流電源32)に接続され、充電ケーブル20の他方端がコネクタ150に接続される。コネクタ150には電力線ACL1,ACL2が接続される。インバータ220,230は、交流電源32から充電ケーブル20、コネクタ150および電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を信号PWM1,PWM2に基づいて直流電力に変換し、その変換した直流電力を正極線PL2へ出力する。
【0030】
モータジェネレータMG1,MG2は、3相交流電動機であり、たとえば3相交流同期電動機から成る。モータジェネレータMG1は、エンジン204の出力を用いて3相交流電圧を発生し、その発生した3相交流電圧をインバータ220へ出力する。また、モータジェネレータMG1は、インバータ220から受ける3相交流電圧によって駆動力を発生し、エンジン204の始動を行なう。モータジェネレータMG2は、インバータ230から受ける3相交流電圧によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータMG2は、車両の回生制動時、3相交流電圧を発生してインバータ230へ出力する。
【0031】
電圧センサ252は、バッテリBの電圧Vbを検出する。電流センサ254は、バッテリBの充電電流Ibを検出する。温度センサ256は、バッテリBの温度Tbを検出する。これらのセンサは検出値を車両10の全体の動作を制御する車両ECU(図示せず)に出力する。
【0032】
電圧センサ258は、電力線ACL1,ACL2間の電圧Vacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。電流センサ260は、電力線ACL2に流れる電流Iacを検出し、その検出値をMG−ECU240へ出力する。
【0033】
MG−ECU240は、車両ECUからの信号ACが非活性化されているとき、車両ECUからのトルク指令値TR1,TR2に基づいて、昇圧コンバータ210を駆動するための信号PWCおよびインバータ220,230をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWC,PWM1,PWM2をそれぞれ昇圧コンバータ210およびインバータ220,230へ出力する。
【0034】
また、MG−ECU240は、車両ECUからの信号ACが活性化されているとき、交流電源32から電力線ACL1,ACL2を介して中性点N1,N2に与えられる商用電力を直流電力に変換してバッテリBの充電が行なわれるように、インバータ220,230および昇圧コンバータ210をそれぞれ制御するための信号PWM1,PWM2,PWCを生成する。
【0035】
なお、MG−ECU240は、交流電源32からの電力によりバッテリBを充電するときに、電圧センサ258からの電圧Vacおよび電流センサ260からの電流Iacに基づいて、交流電源32から供給される電流が車両ECUからの電流指令IRと一致するようにインバータ220,230を制御する。
【0036】
図3は、図1の充電ケーブル20の構成を説明する図である。図3を参照して、充電ケーブル20は、プラグ41と、電力線42と、コネクタ43と、表示部44と、電源ライン45と、ケーブル被覆46と、温度センサ47とを含む。
【0037】
プラグ41は車両10の充電時に図1のコネクタ33に接続される。電力線42は、交流電源32からの充電電力を車両10に供給するための電力線である。コネクタ43は、車両10のコネクタ150(図2参照)に接続される。
【0038】
表示部44は、LED(発光ダイオード)441〜44nと、LED441〜44nをそれぞれ点灯させるためのスイッチSW1〜SWnとを含む。LED(発光ダイオード)441〜44nは電力線42の延在方向に沿って並べられる。スイッチSW1〜SWnの各々の一方端は、対応するLEDに接続され、他方端は電源ライン45に接続される。
【0039】
LED441〜44nは多色(たとえば緑色、黄色、赤色)の光を発する。ただしLED441〜44nは単色の光を発するものでもよい。発光装置としてLEDを用いることにより、表示部44の消費電力を少なくすることができる。また、一般的には、電球から発せられる光に比べてLEDから発せられる光の広がりは小さいので、ユーザの視認性を高めることが可能になる。
【0040】
ケーブル被覆46は、透光性を有する(透明でも半透明でもよい)絶縁部材である。ケーブル被覆46は、LED441〜44nから発せられる光を通す。
【0041】
温度センサ47は、電力線42の温度を検知して、温度値Tcをプラグ41に出力する。
【0042】
プラグ41は、電極51と、インバータ(INV)52と、DC/DCコンバータ53と、電圧センサ54と、電流センサ55と、点灯制御部56とを含む。
【0043】
電極51は、図1のコネクタ33に挿入される。これにより電力線42に交流電圧が印加される。
【0044】
インバータ52は、電力線42に接続されて、電力線42から受ける交流電圧を直流電圧に変換する。DC/DCコンバータ53は、インバータ52から出力される直流電圧をLED441〜44nの駆動電圧(たとえば3〜4V)に変換して電源ライン45に出力する。
【0045】
電圧センサ54は電力線42の電圧を検知して電圧値Vcを出力する。電流センサ55は電力線42に流れる電流を検知して電流値Icを出力する。
【0046】
点灯制御部56は、電圧センサ54から電圧値Vcを受け、電流センサ55から電流値Icを受け、温度センサ47から温度値Tcを受けて、スイッチSW1〜SWnを制御するための信号および各LEDから発せられる色を制御するための信号を含む信号CTLを出力する。点灯制御部56の電源電圧はたとえばDC/DCコンバータ53により供給される。
【0047】
図4は、図3の点灯制御部56が実行する点灯処理を説明するためのフローチャートである。図4および図3を参照して、充電ケーブル20が図1のコネクタ33に接続されると点灯制御部56に電源が供給される。これにより処理が開始される。
【0048】
ステップS1において、点灯制御部56は、車両10のバッテリBが充電中であることを示す点灯処理を実行する。ステップS1の点灯処理におけるLEDの点灯パターンについては後に詳しく説明する。
【0049】
ステップS2において、点灯制御部56は、バッテリBの充電が終了したか否かを判定する。点灯制御部56は、電流センサ55が検知した電流値Icが所定の電流値以下である場合、または、電圧センサ54が検知した電圧値Vcが所定の電圧値以上である場合にバッテリBが充電中であると判定する。なお、点灯制御部56は、電流値Icが所定の電流値以下であり、かつ、電圧値Vcが所定の電圧値以上である場合に充電が終了したと判定してもよい。
【0050】
バッテリBの充電が終了していない場合(ステップS2においてNO)、処理はステップS1に戻る。バッテリBの充電が終了した場合(ステップS2においてYES)、点灯制御部56は、バッテリBの充電が終了したことを示す点灯処理を行なう(ステップS3)。具体的には点灯制御部56は、スイッチSW1〜SWnをオンにしてLED441〜44nをすべて点灯させる。
【0051】
このようにバッテリBの充電終了時の点灯処理をバッテリBの充電中の点灯処理と異ならせることで、ユーザはバッテリBの充電が終了したか否かを容易に把握できる。また、たとえば夜間に充電が終了した場合にLED441〜44nがすべて消灯していると、ユーザが充電ケーブルに足を引っ掛ける可能性がある。充電終了時にLED441〜44nをすべて点灯させることによりユーザが充電ケーブルの存在を把握できるので、ユーザの注意を促すことができる。
【0052】
ステップS3の処理は、ユーザが充電ケーブル20をコネクタ33から外すまで繰り返し実行される。
【0053】
次にステップS1の点灯処理の具体例として、第1から第3の点灯パターンに従う点灯処理を説明する。第1および第2の点灯パターンに従う処理は、点灯制御部56がバッテリBの充電中に、複数のLEDのうちの点灯対象のLEDを切換える処理である。第3の点灯パターンに従う処理は、バッテリBの充電状態に応じて、複数のLEDが発する色を変化させる処理である。なお、便宜上、以下では表示部44は4つのLED(LED441〜444)を含むものとする。
【0054】
図5は、第1の点灯パターンを説明する図である。図5を参照して、第1の点灯パターンでは、LED441〜444を順番に点灯させる。LED441は交流電源32側に位置し、LED444は車両10側に位置する。
【0055】
第1の点灯パターンでは、図4のステップS1はステップS11〜S14を含む。点灯制御部56は、ステップS11,S12,S13,S14においてLED441,442,443,444をそれぞれ点灯させる。ステップS14の処理が終了すると、点灯処理はステップS11の処理に戻る。
【0056】
このようにLED441〜444を点灯させることにより、交流電源32から車両10のバッテリBに向けて電流が流れていること、すなわちバッテリBが充電中であることをユーザに分かりやすく示すことができる。
【0057】
なお、LED441,442,443,444の点滅の速度を車両10の充電状態に応じて変化させてもよい。この場合、点灯制御部56はたとえば電流値Icが小さくなるにしたがってスイッチSW1〜SWnのオン/オフの周期を長くする(電圧値Vcが大きくなるにしたがってスイッチSW1〜SWnのオン/オフの周期を長くしてもよい)。
【0058】
このような制御を行なった場合、充電開始時にはLEDの点灯時間は短くなり、充電が進むにつれてLEDの点灯時間は長くなる。ユーザは、LEDの点灯時間からバッテリBの充電状態を大まかに把握することができる。たとえばLEDの点灯時間が長い場合にはユーザはバッテリBがほぼ満充電状態であると把握できる。
【0059】
図6は、第2の点灯パターンを説明する図である。図6を参照して、第2の点灯パターンは、車両のバッテリの充電状態を表示する第1の例である。
【0060】
第2の点灯パターンでは、図4のステップS1は制御ステップ(以下、単に「ステップ」と称する)S21〜S24を含む。点灯制御部56は、ステップS21においてLED441を点灯させ、ステップS22においてLED441,442を点灯させ、ステップS23においてLED441〜443を点灯させ、ステップS24においてLED441〜444を点灯させる。要するに第2のパターンではバッテリの充電状態に応じて点灯するLEDの個数を増やす。
【0061】
第2の点灯パターンでLEDを点灯させることにより充電ケーブルは車両の充電状態を示すメータとして機能する。ユーザは、充電ケーブルのうちの光っている範囲を確認することでバッテリBの充電状態を大まかに把握することができる。
【0062】
図7は、第3の点灯パターンを説明する図である。図7を参照して、第3の点灯パターンは、車両のバッテリの充電状態を表示する第2の例である。
【0063】
第3の点灯パターンでは、図4のステップS1はステップS31〜S33を含む。点灯制御部56は、ステップS31においてLED441〜444の各々を赤色に点灯させるる。同様に、点灯制御部56は、ステップS32においてLED441〜444の各々を黄色に点灯させ、ステップS33においてLED441〜444の各々を緑色に点灯させる。
【0064】
第3の点灯パターンではバッテリの充電状態に応じてLEDから発せられる光の色を変化させる。これにより第2の点灯パターンで充電ケーブルを光らせた場合と同様に、充電ケーブルは車両のバッテリの充電状態を示すメータとして機能する。ユーザは、充電ケーブルの色を確認することで車両の充電状態を大まかに把握することができる。
【0065】
なお、第1の点灯パターンと同様に第2および第3の点灯パターンでは、点灯制御部56は、電流値Ic(または電圧値Vc)に基づいて車両のバッテリの充電状態を把握する。
【0066】
<変形例>
図8は、車両10の充電方法の変形例を説明する図である。図8を参照して、コネクタ150は正極線PL1および負極線NL1に接続される。充電ケーブル20は電源(交流電源32)からの交流電圧を直流電圧に変換する。図8に示す方法ではモータジェネレータMG1,MG2およびインバータ220,230を介さずにバッテリBが充電される。
【0067】
図9は、図8に示す車両10の充電方法を実現するために用いられる充電ケーブルの構成を説明する図である。図9を参照して、電力線42はインバータ52に接続される。インバータ52は図1の交流電源32からの交流電圧を直流電圧に変換して電力線42に出力する。この点で図9に示す充電ケーブル20は図3に示す充電ケーブルと異なる。ただし図9に示す充電ケーブル20の他の部分の構成は図3に示す充電ケーブルの対応する部分の構成と同様である。
【0068】
以上のように実施の形態1によれば、充電システム100は、バッテリBを含む車両10と、車両10の外部に設けられた交流電源32と、バッテリBとの間に電気的に接続される充電ケーブル20とを備える。充電ケーブル20は、交流電源32からの充電電力をバッテリBに供給するための電力線42と、バッテリBが充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部44とを含む。好ましくは、車両10はバッテリBに蓄えられた充電電力が供給されて、駆動力を発生させるモータジェネレータMG2をさらに備える。これにより実施の形態1によれば、ユーザが外部からバッテリBが充電されていることを把握しやすくなる。
【0069】
好ましくは、表示部44は発光することにより、バッテリBが充電中であることを表示する。これにより、ユーザは、夜間でもバッテリBが充電されていることを把握しやすくなる。夜間においてユーザの足元が暗い場合には、ユーザが充電ケーブルに足を引っ掛ける可能性がある。しかしながら本実施の形態によれば、ユーザが夜間に車両10の充電を行なうときにユーザが充電ケーブル20を確認することができる。つまり実施の形態1に係る充電システム100および充電ケーブル20によればユーザの作業時における安全性を高めることが可能になる。
【0070】
[実施の形態2]
実施の形態2の充電ケーブルは、実施の形態1の充電ケーブルよりもケーブル被覆の表面積が大きい。これにより実施の形態2の充電ケーブルは実施の形態1の充電ケーブルよりも放熱性を高めることが可能になる。なお、実施の形態2の充電ケーブルの他の部分の構成は実施の形態1の充電ケーブルと同様である。よって、以下ではケーブル被覆の形状について詳細に説明し、他の部分については以後の説明を繰返さない。
【0071】
図10は、実施の形態2の充電ケーブル20Aに含まれるケーブル被覆の第1の例を示す図である。なお図10は、ケーブル被覆の側面から見た断面図である。
【0072】
図10を参照して、ケーブル被覆46Aは充電ケーブル20Aの長さ方向(中心軸Xに沿った方向)に周期的な形状を有する。図10に示す例ではケーブル被覆46Aは正弦波形状を有するが、ケーブル被覆46Aの断面形状は三角波形状や矩形波形状でもよい。
【0073】
図11は、実施の形態2の充電ケーブル20Bに含まれるケーブル被覆の第2の例を示す図である。図11を参照して、ケーブル被覆46Bの側面には複数の突起部49が設けられる。突起部49は、放熱フィンの役割を果たす。
【0074】
以上のように実施の形態2によれば、充電ケーブルは、外表面に凹凸形状が形成され、かつ、電力線を覆うケーブル被覆を備える。実施の形態2によればケーブル被覆の表面積が大きいために、充電ケーブルの放熱性を高めることができる。
【0075】
たとえば、ユーザが車両10のバッテリを急速充電したい場合に、図2に示すMG−ECU240が電力線42に流れる電流を通常の充電時の電流よりも大きくなるように制御したとする。この場合には電力線の発熱量も大きくなる。実施の形態2によれば電力線の発熱量が増えた場合に充電ケーブルの温度上昇が大きくなるのを抑制することができる。これにより、たとえば充電ケーブルに触れたユーザへの影響を小さくすることができる。
【0076】
[実施の形態3]
実施の形態3の充電ケーブルの全体構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるので以後の説明は繰返さない。実施の形態3では車両のバッテリの充電中に点灯制御部が充電ケーブルの温度を示す点灯処理を行なう。
【0077】
図12は、実施の形態3による点灯処理を説明するフローチャートである。図12および図4を参照して、実施の形態3の点灯処理では、ステップS1の処理に代えてステップS1A,S1Bの処理が実行される点で実施の形態1の点灯処理と異なる。なお、図12のフローチャートにおける他のステップの処理は図4のフローチャートにおいて対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰返さない。
【0078】
図12および図3を参照して、点灯制御部56は、温度センサ47から充電ケーブルの温度として、温度値Tcを取得する(ステップS1A)。次に点灯制御部56は、温度表示を含めた点灯処理を実行する(ステップS1B)。
【0079】
具体的には、ステップS1Bの点灯処理は、図5および図6に示す点灯パターンにおいて温度値Tcに応じてLEDの点灯色を変化させる。この場合、電力線42の温度が高くなるに従ってLEDの点灯色はたとえば緑色から黄色、赤色と順次変化する。
【0080】
なお、図7に示す点灯パターンを用いてステップS1Bの点灯処理を実行してもよい。この場合には、点灯制御部56は、たとえば温度値Tcが所定の温度値よりも高くなった場合にLEDを点滅させる。
【0081】
実施の形態3によれば、たとえばケーブルが熱いときに、ユーザの注意を促すことができる。
【0082】
[実施の形態4]
実施の形態4の充電ケーブルの全体構成は実施の形態1または実施の形態2と同様であるので以後の説明は繰返さない。実施の形態4では車両のバッテリの充電中に異常が生じた場合に、点灯制御部が充電ケーブルの異常を示す点灯処理を行なう。
【0083】
図13は、実施の形態4による点灯処理を説明するフローチャートである。図13および図4を参照して、実施の形態4の点灯処理は実施の形態1の点灯処理に、ステップS1Cの処理およびステップS4の処理が追加される。この点で実施の形態4の点灯処理は実施の形態1の点灯処理と異なる。なお、図13のフローチャートにおける他のステップの処理は図4のフローチャートにおいて対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰返さない。
【0084】
図13および図3を参照して、ステップS1Cにおいて、点灯制御部56は、温度値Tc、電圧値Vc、および電流値Icを受けて、異常が発生したかどうかを判定する。ここで温度センサ47、電圧センサ54、および電流センサ55は、バッテリBの充電状態を検知する「状態検知部」に含まれる。
【0085】
温度値Tcが所定の温度値を超えた場合、電圧値Vcが所定の範囲を超えた場合(バッテリBが過充電状態あるいは過放電状態になった場合)、および電流値Icが所定の電流値を超えた場合(バッテリBに過電流が流れた場合)のいずれかの場合に、点灯制御部56は異常が発生したと判定する。この場合(ステップS1CにおいてYES)、点灯制御部は異常が発生したことを示す点灯処理を実行する(ステップS4)。
【0086】
ステップS4において、点灯制御部56は、たとえばLED441〜44nのすべてを一定の周期で点滅させる。ただし、点灯制御部56は、一定の間隔で点灯色を赤色、黄色、緑色と変化させることを繰返してもよい。このように異常時の点灯処理は特に限定されるものではない。ステップS4の点灯処理は、ユーザが充電ケーブル20をコネクタ33から外すまで繰り返し実行される。
【0087】
実施の形態4によれば、点灯制御部56は、状態検知部の検知結果を受けてバッテリBの充電状態が正常であるか否かを判定する。点灯制御部56は、バッテリBの充電状態が正常である場合と、バッテリBの充電状態が異常である場合とで、複数のLEDの点灯制御を切換える。これにより、ユーザにバッテリBの充電時に異常が生じたことを知らせることができる。
【0088】
なお、以上の各実施の形態においては、充電ケーブルはモータに電力を供給するためのバッテリの充電に用いられるものとしたが、たとえば、補機バッテリを充電するために用いられるものでもよい。
【0089】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態1による充電ケーブルおよび充電システムを示す図である。
【図2】図1の車両10の主要部の構成を説明する図である。
【図3】図1の充電ケーブル20の構成を説明する図である。
【図4】図3の点灯制御部56が実行する点灯処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】第1の点灯パターンを説明する図である。
【図6】第2の点灯パターンを説明する図である。
【図7】第3の点灯パターンを説明する図である。
【図8】車両10の充電方法の変形例を説明する図である。
【図9】図8に示す車両10の充電方法を実現するために用いられる充電ケーブルの構成を説明する図である。
【図10】実施の形態2の充電ケーブルに含まれるケーブル被覆の第1の例を示す図である。
【図11】実施の形態2の充電ケーブルに含まれるケーブル被覆の第2の例を示す図である。
【図12】実施の形態3による点灯処理を説明するフローチャートである。
【図13】実施の形態4による点灯処理を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
10 車両、20,20A,20B 充電ケーブル、30 コネクタ、30 充電ステーション、32 交流電源、33,43,150 コネクタ、41 プラグ、42,ACL1,ACL2 電力線、44 表示部、441〜44n LED、45 電源ライン、46,46A,46B ケーブル被覆、47,256 温度センサ、49 突起部、51 電極、52 インバータ、53 DC/DCコンバータ、54,252,258 電圧センサ、55,254,260 電流センサ、56 点灯制御部、100 充電システム、202 車輪、203 動力分割機構、204 エンジン、210 昇圧コンバータ、220,230 インバータ、240 MG−ECU、B バッテリ、C1,C2 コンデンサ、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点、NL1,NL2 負極線、PL1,PL2 正極線、SW1〜SWn スイッチ、X 中心軸。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された蓄電装置と、前記車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルであって、
前記電源からの充電電力を前記蓄電装置に供給するための電力線と、
前記蓄電装置が前記充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを備える、充電ケーブル。
【請求項2】
前記車両は、
前記蓄電装置に蓄えられた前記充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに備える、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項3】
前記表示部は、発光することにより、前記蓄電装置が充電中であることを表示する、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項4】
前記表示部は、前記電源から電力が供給されることにより発光する、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項5】
前記表示部は、
前記電力線の延在方向に沿って配置された複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記複数の発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記蓄電装置の充電中に、前記複数の発光装置のうちの点灯対象の発光装置を切換える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項6】
前記表示部は、
各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記蓄電装置の充電状態を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて、前記複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項7】
前記表示部は、
各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記電力線の温度を検知する温度検知部と、
前記蓄電装置の充電中に前記複数の発光装置を点灯させ、かつ、前記温度検知部の検知結果に応じて前記複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項8】
前記表示部は、
複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記蓄電装置の充電状態を検知する状態検知部と、
前記状態検知部の検知結果を受けて前記充電状態が正常であるか否かを判定し、前記充電状態が正常である場合と、前記充電状態が異常である場合とで、前記複数の発光装置の点灯制御を切換える制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項9】
前記充電ケーブルは、
外表面に凹凸形状が形成され、前記電力線を覆う被覆をさらに備える、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項10】
蓄電装置を含む車両と、
前記蓄電装置と前記車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルとを備え、
前記充電ケーブルは、
前記電源からの充電電力を前記蓄電装置に供給するための電力線と、
前記蓄電装置が前記充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを含む、充電システム。
【請求項11】
前記車両は、
前記蓄電装置に蓄えられた前記充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに含む、請求項10に記載の充電システム。
【請求項1】
車両に搭載された蓄電装置と、前記車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルであって、
前記電源からの充電電力を前記蓄電装置に供給するための電力線と、
前記蓄電装置が前記充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを備える、充電ケーブル。
【請求項2】
前記車両は、
前記蓄電装置に蓄えられた前記充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに備える、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項3】
前記表示部は、発光することにより、前記蓄電装置が充電中であることを表示する、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項4】
前記表示部は、前記電源から電力が供給されることにより発光する、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項5】
前記表示部は、
前記電力線の延在方向に沿って配置された複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記複数の発光装置を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記蓄電装置の充電中に、前記複数の発光装置のうちの点灯対象の発光装置を切換える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項6】
前記表示部は、
各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記蓄電装置の充電状態を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に応じて、前記複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項7】
前記表示部は、
各々が複数の色の光を発する複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記電力線の温度を検知する温度検知部と、
前記蓄電装置の充電中に前記複数の発光装置を点灯させ、かつ、前記温度検知部の検知結果に応じて前記複数の発光装置が発する色を変化させる制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項8】
前記表示部は、
複数の発光装置を含み、
前記充電ケーブルは、
前記蓄電装置の充電状態を検知する状態検知部と、
前記状態検知部の検知結果を受けて前記充電状態が正常であるか否かを判定し、前記充電状態が正常である場合と、前記充電状態が異常である場合とで、前記複数の発光装置の点灯制御を切換える制御部とをさらに備える、請求項3に記載の充電ケーブル。
【請求項9】
前記充電ケーブルは、
外表面に凹凸形状が形成され、前記電力線を覆う被覆をさらに備える、請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項10】
蓄電装置を含む車両と、
前記蓄電装置と前記車両の外部に設けられた電源との間に電気的に接続される充電ケーブルとを備え、
前記充電ケーブルは、
前記電源からの充電電力を前記蓄電装置に供給するための電力線と、
前記蓄電装置が前記充電電力の供給により充電中であることを表示する表示部とを含む、充電システム。
【請求項11】
前記車両は、
前記蓄電装置に蓄えられた前記充電電力が供給されて、駆動力を発生させる電動機をさらに含む、請求項10に記載の充電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−252986(P2008−252986A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88189(P2007−88189)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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