説明

充電ケーブル及びケーブル

【課題】ユーザによる持ち運び及び保管等を容易に行うことができる充電ケーブル及びケーブルを提供する。
【解決手段】充電ケーブル1のケーブル本体2の中途に、略C字型に湾曲した棒状のケーブル巻き付け部5を設けて、充電ケーブル1の未使用時にはケーブル本体2をケーブル巻き付け部5に巻き付けて、ユーザが持ち運び及び保管等を行う。またケーブル巻き付け部5に設けた固定部53にプラグ3を固定した場合に、ケーブル巻き付け部5の両端間の隙間がプラグ3によって閉塞される構成とする。更には、ケーブル巻き付け部5をケーブル本体2に沿って移動可能に設ける構成としてもよく、又は、ケーブル巻き付け部5に制御回路などを内蔵する構成としてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車又はプラグインハイブリッド自動車等の車輌と、自宅コンセントなどの電力供給元とを接続し、電力供給元から車輌への充電を行うための充電ケーブル、及び、車輌の充電などに利用することが可能なケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モータ及び蓄電装置等を搭載して、蓄電装置に蓄積した電力にてモータを駆動することで走行する電気自動車及びハイブリッド自動車が普及し始めている。ガソリンなどの燃料を動力源とするエンジンを搭載しない電気自動車では、モータによる走行を行うために、外部の給電装置から蓄電装置への電力蓄積(充電)を行う必要がある。またエンジンを搭載したハイブリッド自動車であっても、外部の給電装置から蓄電装置への充電を可能とした車輌、いわゆるプラグインハイブリッド自動車がある。このような車輌においては、電力供給用の充電ケーブルなどが接続される充電口(充電ソケット)が車体に設けられており、充電ステーション又は自宅駐車場等にてユーザが車輌の充電口へ充電ケーブルを接続することによって、外部電源から車輌の蓄電装置への充電が行われる。
【0003】
ユーザが自宅駐車場などにて車輌の充電を行う場合、自宅駐車場周辺に設けられた商用電源のコンセントに充電ケーブルの一端を接続し、他端を車輌の充電口に接続する。これにより商用電源から充電ケーブルを介した車輌への電力供給が行われ、車輌の蓄電装置に電力が蓄積される。
【0004】
特許文献1においては、各家庭に供給されている商用電源を充電電源として、電気自動車のバッテリを充電することができ、小型で設置スペースを取らない電気自動車用充電装置が提案されている。この電気自動車用充電装置は、単相200Vの商用電源の引き込み線に時間帯別メータ、分電盤及び電源ケーブルを介して接続される操作ボックスと、この操作ボックスを介して電源ケーブルに接続される充電ケーブルと、この充電ケーブルの先端に接続され、電気自動車のコネクタに連結可能な充電コネクタと、充電ケーブルを収容する充電ケーブル収納装置とを備えている。充電ケーブル収納装置は、充電ケーブルを引き出し自在に巻き付けて収容するリールによって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−33121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の電気自動車用充電装置では、充電ケーブルは充電ケーブル収納装置に収納され、充電ケーブル収納装置は自宅のガレージなどに設置されるため、充電ケーブルが自宅ガレージなどに備え付けられる構成である。これに対して、充電ケーブルを商用電源から着脱可能な構成、即ち充電ケーブルの一端に商用電源のコンセントに接続するプラグを設け、他端に車輌の充電口に接続する接続部を設けた構成とすることができ、これによりユーザは充電ケーブルを車輌のトランクに収容するなどして持ち運ぶことが可能となる。持ち運び可能な充電ケーブルによって、ユーザは、自宅以外の場所であっても、商用電源のコンセントが設けられた場所であれば、充電ケーブルをコンセント及び車輌に接続して充電を行うことができる。
【0007】
しかしながら、コンセントと車輌とを接続する充電ケーブルには数メートル程度の長さが必要であり、長い充電ケーブルはユーザの持ち運びに不便であるという問題がある。また充電ケーブルにまとまりがないため保管が容易でないという問題があり、車輌のトランクなどに保管しておいた充電ケーブルがばらけて絡まり、車輌の充電を行う際には充電開始までに必要以上の時間を要する虞がある。また、保管中に充電ケーブルに設けられた接続部(特に、車輌に接続される側の接続部)に塵埃などが溜まり、接続不良又は発火等が生じる虞がある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、ユーザによる持ち運び及び保管等を容易に行うことができる充電ケーブル及びケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る充電ケーブルは、ケーブル本体の一端に設けられ、車輌の接続部に接続される車輌側接続部と、前記ケーブル本体の他端に設けられ、電力供給元の接続部に接続される給電側接続部とを備え、電力供給元から車輌への電力供給を行う充電ケーブルにおいて、前記ケーブル本体の中途に設けられ、湾曲又は屈曲した棒状をなし、前記ケーブル本体を巻き付け可能に構成されたケーブル巻き付け部を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る充電ケーブルは、前記ケーブル巻き付け部の一端に設けられ、前記車輌側接続部が固定される固定部を更に備え、前記車輌側接続部は、前記固定部に固定された場合に、前記ケーブル巻き付け部の両端間を掛け渡すようにしてあることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る充電ケーブルは、前記ケーブル巻き付け部が、略C字型をなすことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る充電ケーブルは、前記ケーブル巻き付け部の一端に設けられ、前記車輌側接続部が固定される固定部を更に備え、前記ケーブル巻き付け部は、略C字型をなし、前記固定部に前記車輌側接続部が固定された場合に、前記車輌側接続部が前記ケーブル巻き付け部の両端間の隙間を閉塞し、前記ケーブル巻き付け部及び前記車輌側接続部が略円環形をなすようにしてあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る充電ケーブルは、前記ケーブル巻き付け部には、前記ケーブル本体が挿通する貫通孔が形成されており、前記ケーブル巻き付け部は、前記ケーブル本体に沿って移動可能に設けてあることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る充電ケーブルは、前記ケーブル本体が、電力線及び信号線を含んで構成されており、前記ケーブル巻き付け部には、前記信号線に対する信号入力又は信号出力を行う回路が内蔵してあることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るケーブルは、ケーブル本体の両端にそれぞれ設けられた接続部と、前記ケーブル本体の中途に設けられ、湾曲又は屈曲した棒状をなし、前記ケーブル本体を巻き付け可能に構成されたケーブル巻き付け部とを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、ケーブル本体の両端部にそれぞれ接続部(車輌側接続部及び給電側接続部)を設け、ケーブル本体の中途にケーブル巻き付け部を設ける。ケーブル巻き付け部は、例えば略C字型又は略U字型等のような湾曲又は屈曲した棒状とし、ケーブル巻き付け部にケーブル本体を巻きつけることができる構成とする。これによりユーザは、ケーブル本体をケーブル巻き付け部に巻き付けた状態で充電ケーブルを持ち運ぶことができ、ケーブル巻き付け部を持ち運びの取手として利用することができるため、充電ケーブルの持ち運びを容易化できる。またケーブル本体をケーブル巻き付け部に巻き付けた状態で保管することができるため、ケーブル本体がばらけて絡まるなどの虞がなく、充電ケーブルの保管を容易化できる。
【0017】
また、本発明においては、ケーブル巻き付け部に、車輌側接続部を固定する固定部を設ける。固定部は、例えば車輌側接続部を挿入して嵌合させることにより固定を行う構成とすることができる。これにより、充電ケーブルが保管された状態において、車輌側接続部に塵埃などが溜まることを防止できる。
また車輌側接続部を固定部に固定した場合に、ケーブル巻き付け部の両端間を車輌側接続部が掛け渡す構成とする。これにより、ケーブル巻き付け部に巻き付けられたケーブル本体が、ケーブル巻き付け部からはずれることを、固定部に固定した車輌側接続部にて防止できる。
【0018】
また、本発明においては、ケーブル巻き付け部を略C字型とする。これにより、ケーブル本体の巻き付けが行いやすく、ユーザが持ち運び時に取手として利用しやすいケーブル巻き付け部を実現できる。
【0019】
また、本発明においては、ケーブル巻き付け部を略C字型とし、ケーブル巻き付け部の一端に車輌側接続部を固定する固定部を設け、車輌側接続部を固定部に固定した場合に、ケーブル巻き付け部の両端間の隙間を車輌側接続部が閉塞し、ケーブル巻き付け部及び車輌側接続部が略円環形をなす構成とする。ケーブル巻き付け部にケーブル本体を巻き付けて固定部に車輌側接続部を固定することによって、略円環形に閉じられたケーブル巻き付け部及び車輌側接続部内にケーブル本体が巻き付けられた状態となるため、ケーブル本体がケーブル巻き付け部からはずれることを防止できる。
【0020】
また、本発明においては、ケーブル巻き付け部にはケーブル本体が挿通する貫通孔を形成し、この貫通孔にケーブル本体を挿通する構成とすることによって、ケーブル巻き付け部をケーブル本体に対して移動可能に設ける。これにより、充電ケーブルを車輌の充電口及び商用電源のコンセントに接続して充電を行う際に、ケーブル巻き付け部を充電の妨げとならない位置へ移動させることができる。
【0021】
電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の充電規格には、充電ケーブルから車輌に対して制御信号を入出力する必要があるものがあり、この規格では充電ケーブルに制御信号を入出力する回路を設けるために、充電ケーブルの中途には回路基板などを内蔵するケースが一体的に設けられる。
そこで本発明においては、充電ケーブルのケーブル巻き付け部に、信号の入力又は出力を行う回路を内蔵する。これにより、充電ケーブルのケーブル本体を巻き付けるケーブル巻き付け部と、信号の入出力回路が搭載された回路基板などを内蔵するケースとを兼ねることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明による場合は、ケーブル本体の中途にケーブル巻き付け部を設ける構成とすることにより、ユーザはケーブル本体をケーブル巻き付け部に巻き付けた状態で充電ケーブルの持ち運び及び保管を行うことができるため、持ち運び中又は保管中にケーブル本体がばらけるなどの虞がなく、充電ケーブルの持ち運び及び保管をユーザが容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る充電ケーブルの構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る充電ケーブルの構成を示す模式図である。
【図3】ケーブル巻き付け部の移動を説明するための模式図である。
【図4】実施の形態2に係る充電ケーブルの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1及び図2は、本発明に係る充電ケーブルの構成を示す模式図である。図において1は、自宅駐車場などに設けられた商用電源のコンセントと車輌に設けられた充電口(充電ソケット)とに接続され、コンセントから車輌への電力供給を行って車輌のバッテリを充電するための充電ケーブルである。
【0025】
充電ケーブル1は、ケーブル本体2と、プラグ部3及び4と、ケーブル巻き付け部5とを備えて構成されている。ケーブル本体2は、数メートル程度の長さであり、電力供給線及び接地線等の複数本の導電線を束ねて1本のケーブルとしたものである。ケーブル本体2には、一端に車輌の充電口に接続されるプラグ部(車輌側接続部)3が設けられ、他端に商用電源のコンセントに接続されるプラグ部(給電側接続部)4が設けられている。
【0026】
プラグ部3は、ケーブル本体2の一端に設けられた把持部31と、更に把持部31の一端に設けられた円筒部32とを有して構成されている。把持部31は、車輌の充電口に充電ケーブル1を接続する際にユーザが把持するためのものであり、合成樹脂などの素材で成型されている。把持部31は、円柱を約30°〜45°程度湾曲させた形状をなしており、一端面に円筒部32が突設され、他端面からケーブル本体2が延出している。
【0027】
把持部31の一端面に突設された円筒部32は、金属又は合成樹脂等により成形されており、車輌の充電口に挿入して嵌合される部分である。円筒部32内には、ケーブル本体2と電気的に接続された金属製の接続端子(図示は省略する)が複数設けられており、円筒部32が車輌の充電口に挿入された場合、円筒部32内の接続端子と車輌の充電口内の接続端子とが接続され、充電ケーブル1と車輌(の内部装置)とが電気的に接続される。
【0028】
またケーブル本体2の他端に設けられたプラグ部4は、円柱状又は直方体状の把持部41と、この把持部41の端面に設けられた複数の接続端子42とを有して構成されている。把持部41は、自宅駐車場などに設けられた商用電源のコンセントに充電ケーブル1を接続する際にユーザが把持するためのものであり、合成樹脂などの素材で成型されている。接続端子42は、金属製の棒状をなし、ケーブル本体2と電気的に接続されている。接続端子42は、商用電源のコンセントに設けられた穴部に挿入されて電気的接続を行うものであり、把持部41の端面には、2本又は3本の接続端子42が設けられる。
【0029】
ケーブル巻き付け部5は、ケーブル2の中途部(プラグ部3及び4の間)に設けられ、未使用時にケーブル本体2を巻き付けて使用すると共に、充電ケーブル1をユーザが持ち運ぶ際の取手として使用するためのものである。ケーブル巻き付け部5は、略C字型に湾曲した棒状の本体部51と、本体部51の一端に設けられた固定部53とを有して構成され、本体部51の中央には貫通孔52が形成されている。
【0030】
ケーブル巻き付け部5の本体部51は、細長の丸棒を略C字型に湾曲させた形状、換言すれば円環の一部分が切り欠かれた形状をなしている。ケーブル巻き付け部5の本体部51は、合成樹脂などの素材で成形されており、ケーブル本体2を巻き付けるのに十分な大きさ、且つ、ユーザが持ち運びの際に把持しやすい太さとされることが好ましい。
【0031】
充電ケーブル1のケーブル本体2及びケーブル巻き付け部5は、本体部51に形成された貫通孔52にケーブル本体2を挿通することによって、一体不可分とされている。なおケーブル本体2は、本体部51の貫通孔52を挿通するのみであり、本体部51に対して固定されておらず、ケーブル巻き付け部5はケーブル本体2に沿って、プラグ部3及び4の間で移動させることができる。
【0032】
図3は、ケーブル巻き付け部5の移動を説明するための模式図である。ケーブル巻き付け部5は、図3の破線で示すように商用電源のコンセントに接続されるプラグ4に近い位置へ移動させることができ、図3の実線で示すように車輌の充電口に接続されるプラグ3に近い位置へ移動させることができる。ユーザは、ケーブル巻き付け部5にケーブル本体2が巻き付けられていない状態で、ケーブル巻き付け部5をケーブル本体2に沿って好みの位置へ移動させることができる。
【0033】
またケーブル巻き付け部51の固定部53は、本体部51の一端に設けられ、本体部51の太さより大きい直径の円柱形をなしている。固定部53の略円形の端面には凹部(図1及び図2にて破線で示す)54が形成されている。固定部53の凹部54は、プラグ部3に突設された円筒部32が挿入可能な形状及び大きさに形成されており、挿入された円筒部32に嵌合することによってプラグ部3をケーブル巻き付け部51に固定する。
【0034】
プラグ部3の円筒部32がケーブル巻き付け部51の固定部53に設けられた凹部54に挿入して嵌合され、プラグ部3がケーブル巻き付け部51に対して固定された場合、プラグ部3の把持部31がケーブル巻き付け部51の両端間を掛け渡し、ケーブル巻き付け部51の両端間の隙間を閉塞する。即ち、ケーブル巻き付け部51は円環の一部が切り欠かれた形状であり、図1に示すように円環の内外がこの切り欠きにより連通しているが、図2に示すようにプラグ部3を固定部53に固定することによって円環の切り欠かれた部分がプラグ部3の把持部31によって閉塞され、ケーブル巻き付け部51及びプラグ部3にて略円環形が構成され、円環の内外が連通しない状態となる。
【0035】
ただし、ケーブル巻き付け部51の固定部53が設けられていない側の端部と、プラグ部3との間には、ケーブル本体2の太さより小さい隙間が生じていてもよい。またプラグ部3の把持部31は、中途部分で湾曲した形状をなしているが、プラグ部3が固定部53に固定された場合には、円筒部32から把持部31の湾曲箇所までの直線状の部分にてケーブル巻き付け部51の両端間の隙間を閉塞する。これにより、固定部53に対するプラグ部3の固定位置が、円筒部32の周方向に関して定められておらず、いずれの位置においても固定部53の凹部54にプラグ部3の円筒部32を挿入することができる構成であっても、プラグ部3の固定位置に関わらずケーブル巻き付け部51の両端間の隙間を把持部31が閉塞することができる。
【0036】
ユーザは、車輌の充電完了後など充電ケーブル1を使用しない場合、まずケーブル巻き付け部51をプラグ部4の近くへ移動させて、ケーブル巻き付け部51にケーブル本体2を巻き付ける作業を行い、その後にプラグ部3をケーブル巻き付け部51の固定部53に固定する。固定部53に固定されたプラグ部3によってケーブル巻き付け部51の両端間の隙間が閉塞されるため、ケーブル巻き付け部51に巻き付けられたケーブル本体2が、ケーブル巻き付け部51からほどけて外れることがない。またユーザはケーブル巻き付け部51の一部分(好ましくは、ケーブル本体2が巻き付けられていない部分。図1及び図2に示したケーブル2の巻き付け例では、ケーブル巻き付け部5の上側部分。)を取手として把持し、充電ケーブル1を持ち運ぶことができる。
【0037】
車輌の充電を行う場合、ユーザは、固定部53からプラグ3を外し、ケーブル巻き付け部5に巻き付けられたケーブル2をほどいて外す。その後に、ユーザは、プラグ部4を商用電源のコンセントに接続すると共に、プラグ部3を車輌の充電口に接続することによって、充電を開始する。なおこのときに、ケーブル巻き付け部5は、商用電源のコンセントから車輌までの適宜の場所(充電又は通行等の妨げとならない場所など)へ、ケーブル本体2に沿って移動させておくことができる。
【0038】
以上の構成の充電ケーブル1は、ケーブル本体2の中途に、C字型又はU字型等のように湾曲又は屈曲した棒状のケーブル巻き付け部5を設けた構成とすることにより、ユーザはケーブル本体2をケーブル巻き付け部5に巻き付けた状態で充電ケーブル1を持ち運ぶことができ、ケーブル巻き付け部5を取手として把持して持ち運ぶことができるため、充電ケーブル1の持ち運びを容易化することができる。
【0039】
また、ケーブル巻き付け部5に設けた固定部53にプラグ3を固定した場合に、ケーブル巻き付け部5の両端間をプラグ3が掛け渡し、ケーブル巻き付け部5の両端間の隙間をプラグ3が閉塞して、ケーブル巻き付け部5及びプラグ3が略円環形をなす構成とすることにより、ケーブル巻き付け部5に巻き付けられたケーブル本体2がほどけて外れることを防止できるため、充電ケーブル1の持ち運び又は保管を容易化することができる。
【0040】
また、ケーブル巻き付け部5の貫通孔52にケーブル本体2を挿通し、ケーブル巻き付け部5をケーブル本体2に沿って移動可能な構成とすることにより、充電ケーブル1を車輌の充電口及び商用電源のコンセントに接続して充電を行う際に、ケーブル巻き付け部5が充電の妨げとならない位置などへ、ユーザが適宜にケーブル巻き付け部5を移動させることができるため、充電ケーブル1の利便性を向上することができる。
【0041】
なお、本実施の形態に係る充電ケーブル1は、商用電源のコンセント及び車輌の充電口に接続し、商用電源から車輌への電力供給を行う際に用いるものとしたが、これに限るものではなく、商用電源のコンセント以外の電力供給元に接続して電力供給を行う構成としてもよく、車輌以外の機器に接続してこの機器の充電を行う構成としてもよい。またケーブル巻き付け部5は、丸棒を略C字型に湾曲させた形状(円環の一部を切り欠いた形状)としたが、これに限るものではなく、丸棒を略U字型に屈曲させた形状(矩形の環の一部を切り欠いた形状)など、その他の形状としてもよい。またケーブル巻き付け部5は、丸棒状としたが、これに限るものではなく、角棒状などその他の構成であってもよい。
【0042】
また、ケーブル巻き付け部5をケーブル本体2に沿って移動可能な構成としたが、これに限るものではなく、ケーブル巻き付け部5がケーブル本体2に固定されて移動不可能な構成であってもよい。またケーブル巻き付け部5を移動可能とした場合に、ユーザがケーブル巻き付け部5を移動させた後で位置を固定するためのストッパなどを設けてもよい。また、固定部53の凹部54にプラグ部3の円筒部32を挿入して嵌合することにより、プラグ部3をケーブル巻き付け部5に対して固定する構成としたが、これに限るものではなく、その他の方法でプラグ部3をケーブル巻き付け部5に固定する構成としてもよい。更には、プラグ部4を固定するための別の固定部をケーブル巻き付け部5に設けてもよい。
【0043】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係る充電ケーブル1の構成を示すブロック図である。電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の充電規格には、充電ケーブルから車輌に対して制御信号を出力する必要があるものがある。この充電規格に対応する充電ケーブル1には、制御信号の生成及び出力を行う回路を搭載する必要がある。実施の形態2に係る充電ケーブル1は、この充電規格に対応するものであり、ケーブル巻き付け部5に制御回路55が内蔵されている。
【0044】
実施の形態2に係る充電ケーブル1は、ケーブル巻き付け部5がケーブル本体2に対して固定され移動不可能な構成である。ケーブル本体2は、電力供給のための2本の電源線21、22及び1本の接地線23と、制御回路55から車輌への制御信号を伝達するための信号線24とを含んで構成されている。電源線21、22及び接地線23はプラグ部3及び4の間に設けられ、制御回路55にも接続されている。信号線24は、制御回路55及びプラグ部3の間に設けられる。
【0045】
制御回路55は、電源線21、22の電圧を監視しており、充電ケーブル1が商用電源のコンセントなどに接続されて電力供給が開始された場合に、供給される電力の電圧値及び周波数等を検出し、これらの情報を制御信号として車輌へ出力することにより通知する。また制御回路55は、充電の開始及び停止等の指示を制御信号により車輌へ与える。
【0046】
以上の構成の実施の形態2に係る充電ケーブル1は、車輌への制御信号の生成及び出力を行う制御回路55をケーブル巻き付け部5に内蔵する構成とすることにより、制御回路55を収容するためのケース又はハウジング等を充電ケーブル1に別途設ける必要がなく、充電ケーブル1の小型化又は低コスト化等に貢献できる。
【符号の説明】
【0047】
1 充電ケーブル(ケーブル)
2 ケーブル本体
3 プラグ部(車輌側接続部、接続部)
4 プラグ部(給電側接続部、接続部)
5 ケーブル巻き付け部
21、22 電源線(電力線)
23 接地線
24 信号線
31 把持部
32 円筒部
41 把持部
42 接続端子
51 本体部
52 貫通孔
53 固定部
54 凹部
55 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル本体の一端に設けられ、車輌の接続部に接続される車輌側接続部と、前記ケーブル本体の他端に設けられ、電力供給元の接続部に接続される給電側接続部とを備え、電力供給元から車輌への電力供給を行う充電ケーブルにおいて、
前記ケーブル本体の中途に設けられ、湾曲又は屈曲した棒状をなし、前記ケーブル本体を巻き付け可能に構成されたケーブル巻き付け部を備えること
を特徴とする充電ケーブル。
【請求項2】
前記ケーブル巻き付け部の一端に設けられ、前記車輌側接続部が固定される固定部を更に備え、
前記車輌側接続部は、前記固定部に固定された場合に、前記ケーブル巻き付け部の両端間を掛け渡すようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項3】
前記ケーブル巻き付け部は、略C字型をなすこと
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の充電ケーブル。
【請求項4】
前記ケーブル巻き付け部の一端に設けられ、前記車輌側接続部が固定される固定部を更に備え、
前記ケーブル巻き付け部は、略C字型をなし、
前記固定部に前記車輌側接続部が固定された場合に、前記車輌側接続部が前記ケーブル巻き付け部の両端間の隙間を閉塞し、前記ケーブル巻き付け部及び前記車輌側接続部が略円環形をなすようにしてあること
を特徴とする請求項1に記載の充電ケーブル。
【請求項5】
前記ケーブル巻き付け部には、前記ケーブル本体が挿通する貫通孔が形成されており、
前記ケーブル巻き付け部は、前記ケーブル本体に沿って移動可能に設けてあること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の充電ケーブル。
【請求項6】
前記ケーブル本体は、電力線及び信号線を含んで構成されており、
前記ケーブル巻き付け部には、前記信号線に対する信号入力又は信号出力を行う回路が内蔵してあること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の充電ケーブル。
【請求項7】
ケーブル本体の両端にそれぞれ設けられた接続部と、
前記ケーブル本体の中途に設けられ、湾曲又は屈曲した棒状をなし、前記ケーブル本体を巻き付け可能に構成されたケーブル巻き付け部と
を備えること
を特徴とするケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−79629(P2012−79629A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225920(P2010−225920)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】