説明

充電システム、充電制御装置及び充電装置

【課題】バッテリの充電動作による再停電を抑制する。
【解決手段】宅内の電源ソケットに充電プラグを介して接続されて車両走行用の高圧バッテリを充電する充電装置の当該充電動作を制御する充電制御装置は、電源線通信により充電装置に充電禁止を命令する禁止命令信号及び充電禁止の解除を命令する解除命令信号を送信して、充電装置による高圧バッテリの充電を制御する。具体的には、停電が発生すると禁止命令信号を送信して充電動作を禁止する。そして、停電が解消されると、宅内の電流使用量と、充電に用いられる電流量と、ブレーカ落ちしない電流量の上限値と、に基づき、宅内の電流使用量が充電再開により再停電しない所定条件を満足するまで待機し、所定条件が満足された時点で(S330でNo)、解除命令信号を送信して充電動作の禁止状態を解除し、充電装置に高圧バッテリの充電を再開させる(S360)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宅内から供給される電力によってバッテリを充電する充電システム、充電装置、及び、充電装置によるバッテリの充電を制御する充電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリから供給される電力によりモータを駆動して走行する電気自動車やハイブリッドカーが知られている。プラグイン電気自動車やプラグインハイブリッドカーに関しては、宅内の電源ソケット(所謂コンセント)にプラグを差し込むことで、電源ソケットから供給される電力により上記バッテリを充電可能である。このような車載バッテリを充電するシステムとしては、バッテリの充電開始時にバッテリが満充電となるまでの所要時間を目標充電時間として算出し、この時間分の充電動作を行う一方、停電が発生した際には、停電発生時までに充電した時間を記憶し、停電前に設定した目標充電時間から、停電発生時までに充電した時間を減算した時間を、停電解消後の目標充電時間に設定するものが知られている(例えば特許文献1参照)。また従来技術としては、充電状態に応じて充電時に用いる電流量を切り替える技術が知られている(同特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−290533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般家庭の宅内には、電線から供給される電力を宅内の電源ソケットに伝達する経路において、アンペアブレーカ(制限器)が設けられている。このアンペアブレーカは、宅内での電流使用量が、契約により定められた上限値を超えると、宅内への電力供給を停止するものである。宅内で発生する停電の原因として最も多いのは、このようなアンペアブレーカによる電力供給の停止動作である。
【0005】
このような契約量を超える電力使用を原因とする停電が発生した際、ユーザは、アンペアブレーカのスイッチを操作して停電を解消する前に、例えば、停電が発生するまでに使用していた電気製品の一部使用を一旦止める。なぜなら、停電発生前と同じ状態で、アンペアブレーカのスイッチを操作して停電を解消しても、再度、電流使用量が上限値に達してアンペアブレーカによる電力供給の停止動作が行われ、停電が発生してしまう可能性が高いためである。
【0006】
さて、車載バッテリの充電中にアンペアブレーカによる電力供給の停止動作が行われて停電が発生した場合を考える。この場合、ユーザは、車載バッテリの充電を優先するために、その他の電気製品の使用を止める対応、又は、車載バッテリの充電を止める対応を採ることができる。但し、車載バッテリの充電については、車両を走行させるための副次的な目的であり最優先するべき事柄でないことが多いため、現実的にユーザが選択する可能性の高い対応は、後者の対応である。
【0007】
しかしながら、従来知られるシステムでは、停電解消後にも車載バッテリの充電を継続しようと動作するため、ユーザは、再停電の問題を回避するためには、アンペアブレーカのスイッチを操作して停電を解消する前に、電源ソケットに接続された充電用のプラグを抜かなければならず、不便であった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、従来よりもユーザを煩わせることなく、バッテリの充電動作による再停電を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた第一の発明は、充電システムであって、宅内の電流使用量が上限値を超える場合には宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて供給される電力によりバッテリを充電する充電手段と、制限器からの電力供給が停止すると、電力供給の再開後における充電手段によるバッテリの充電動作を制限する充電制限手段と、電力供給の再開後、所定条件が満足されると上記制限を解除する制限解除手段と、を備えることを特徴とする(請求項1)。充電制限手段は、電力供給の再開後に、制限器の動作によって再度電力供給が停止しないように、バッテリの充電動作を制限する構成にすることができ、例えば、バッテリの充電動作を禁止することにより、バッテリの充電動作を制限する構成にすることができる(請求項2)。
【0010】
この充電システムによれば、電力供給が停止して停電が発生するとバッテリの充電動作を制限するので、停電が解消して電力供給が再開された後に再停電が生じるのを抑制できる。特に、充電システムが、制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続される充電装置内に上記充電手段を備える構成にされている場合、ユーザは、従来のように、停電発生時に、充電装置のプラグを電源ソケットから抜かなくても再停電を回避することができる。従って、この発明によれば、従来よりもユーザを煩わせずにバッテリの充電動作による再停電を抑制することができ、利便性の高い充電システムをユーザに提供することができる。
【0011】
尚、制限解除手段は、電力供給の再開後、ユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、上記制限を解除する構成にすることができる(請求項3)。この構成によれば、ユーザは、他の電気製品を使用し終わった後、ユーザインタフェースを通じて上記操作を行う程度で、再停電を避けて、バッテリの充電動作を再開させることができる。尚、ユーザインタフェースは、宅内に設けられてもよいし、充電手段を備える充電装置内に設けられてもよい。
【0012】
また、充電手段を上記充電装置に設ける場合、宅内には、送信インタフェースを設け、充電装置内には、送信インタフェースを通じて送信される信号を受信可能な受信インタフェースを設けることができる。更に、上記充電制限手段は、上記制限器からの電力供給が停止すると、送信インタフェースを通じて、充電を制限するように命令する制限命令信号を送信する宅内の制限命令手段と、受信インタフェースを通じて制限命令信号を受信すると、充電装置内の充電手段によるバッテリの充電動作を制限する当該充電装置内の制限命令受付手段と、によって構成することができる。
【0013】
また、上記制限解除手段は、電力供給の再開後、宅内に設けられたユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、送信インタフェースを通じて上記制限を解除するように命令する解除命令信号を送信する宅内の解除命令手段と、受信インタフェースを通じて解除命令信号を受信すると、上記制限を解除する充電装置内の解除命令受付手段と、によって構成することができる(請求項4)。この充電システムによれば、宅内の手段と充電装置内の手段との連携により、適切にバッテリの充電動作を制御することができる。
【0014】
また、制限解除手段は、電力供給の再開後、所定時間(所定の待機時間)が経過すると、上記制限を解除する構成にされてもよい(請求項5)。この充電システムによれば、ユーザは、充電再開のために、ユーザインタフェースを操作しなくて済み、便利である。更に、この充電システムには、上記制限を解除するまでの待機時間の設定値を、ユーザインタフェースを通じたユーザの設定操作に従って変更する待機時間変更手段を設けると良い。
【0015】
また、送信インタフェース及び受信インタフェースを上述のように設けることを前提とすれば、この充電システムにおける制限解除手段は、電力供給の再開後に所定時間が経過すると、送信インタフェースを通じて解除命令信号を送信する宅内の解除命令手段と、受信インタフェースを通じて解除命令信号を受信すると、上記制限を解除する解除命令受付手段と、によって構成することができる(請求項6)。
【0016】
この他、制限解除手段は、宅内の電流使用量を検知可能な検知器から、宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、宅内の電流使用量が所定条件を満足すると、上記制限を解除する構成にすることができる(請求項7)。上記所定条件は、充電動作の制限を解除したときに再停電が生じないように定めることができる。具体的に、上記所定条件は、充電動作の制限を解除すると制限器の動作により電力供給が再度停止される宅内の電流使用量を基準に定めることができる(請求項8)。
【0017】
この発明によれば、宅内の電流使用量に基づいて、制限を解除するか否かを切り替えるので、所定時間後に制限を解除する手法よりも、制限解除後の再停電の発生確率を低く抑えることができる。また、送信インタフェース及び受信インタフェースを上述のように設けることを前提とすれば、この充電システムにおける制限解除手段は、電力供給の再開後に、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を逐次取得し、この検知結果が示す宅内の電流使用量が所定条件を満足すると、送信インタフェースを通じて解除命令信号を送信する宅内の解除命令手段と、受信インタフェースを通じて解除命令信号を受信すると上記制限を解除する解除命令受付手段と、によって構成することができる(請求項9)。
【0018】
また、上記目的を達成するためになされた第二の発明は、上記制限器から宅内配線された電源線を通じて供給される電力を、予め設定された使用可能電流量を逸脱しない範囲内で使用して、バッテリを充電する充電手段と、上記検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、使用可能電流量の設定値を変更する設定変更手段と、を備えることを特徴とする充電システムである(請求項10)。この充電システムによれば、宅内の電流使用量に基づいて、充電に使用可能な電流量を設定し、この設定した電流量を逸脱しない範囲内で、バッテリの充電を行うので、停電の発生を抑制することができて、更には、停電解消後の再停電を抑制することができる。また自動で使用可能電流量の設定値を変更するので、再停電を回避するためにユーザを煩わせずに済む。
【0019】
尚、この充電システムにおいて、設定変更手段は、電力供給の再開後に、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、使用可能電流量の設定値を変更する構成にすることができる。更に言えば、この充電システムは、制限器からの電力供給が停止すると、現在設定されている使用可能電流量での充電手段によるバッテリの充電動作を禁止する充電禁止手段を備える構成にすることができる。この場合、設定変更手段は、上記充電禁止手段による充電動作の禁止がなされた後の電力供給の再開後に、検知器から取得した検知結果が示す宅内の電流使用量に基づき、使用可能電流量の設定値を変更して、充電手段に変更後の使用可能電流量を逸脱しない範囲内でのバッテリの充電動作を開始させることができる(請求項11)。この充電システムによれば、電力供給の再開後に使用可能電流量の設定値が変更されるまでは、バッテリの充電動作が再開されないので、再停電の発生を一層抑制することができる。
【0020】
尚、宅内に上記送信インタフェースが設けられ、充電装置内に上記受信インタフェースが設けられていることを前提とすれば、充電禁止手段は、制限器からの電力供給が停止すると、送信インタフェースを通じて、充電を禁止するように命令する禁止命令信号を送信する宅内の禁止命令手段と、受信インタフェースを通じて禁止命令信号を受信すると、現在設定されている使用可能電流量での充電手段によるバッテリの充電動作を禁止する充電装置内の禁止命令受付手段と、を備えた構成にすることができる。
【0021】
また、設定変更手段は、電力供給の再開後に、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、新たに設定すべき使用可能電流量を決定し、決定した使用可能電流量を通知する通知信号を、送信インタフェースを通じて送信する宅内の通知手段と、受信インタフェースを通じて通知信号を受信すると、使用可能電流量の設定値を、通知信号が示す使用可能電流量に変更して、充電手段に変更後の使用可能電流量を逸脱しない範囲内でのバッテリの充電動作を開始させる充電装置内の変更手段と、を備えた構成にすることができる(請求項12)。
【0022】
この他、設定変更手段は、電力供給の再開後に検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、宅内の電流使用量を通知する通知信号を、送信インタフェースを通じて送信する宅内の通知手段と、受信インタフェースを通じて通知信号を受信すると、この通知信号が示す宅内の電流使用量に基づき、使用可能電流量の設定値を変更する充電装置内の変更手段と、を備えた構成にされてもよい(請求項13)。
【0023】
また、第三の発明は、上記制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続され、当該電源ソケットを通じて制限器から供給される電力を使用してバッテリを充電し、制限命令信号を受信すると、この制限命令信号に従ってバッテリの充電動作を制限し、解除命令信号を受信すると、上記制限を解除する構成にされた充電装置によるバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、送信インタフェースと、制限器からの電力供給が停止すると、送信インタフェースを通じて制限命令信号を充電装置に送信する制限命令手段と、電力供給の再開後、所定条件が満足されると、送信インタフェースを通じて解除命令信号を充電装置に送信する解除命令手段と、を備えることを特徴とする(請求項14)。この充電制御装置と上述の充電装置とを組み合わせれば、第一の発明に対応する充電システムを構成することができる。
【0024】
尚、制限命令手段は、上記制限命令信号として、充電を禁止するように命令する信号を充電装置に送信する構成にすることができる(請求項15)。また、解除命令手段は、自装置が備えるユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、送信インタフェースを通じて解除命令信号を充電装置に送信する構成にすることができる(請求項16)。更に言えば、この充電制御装置における解除命令手段は、上述した充電システムにおけるその他の解除命令手段と同様の構成にすることができる(請求項17〜請求項19)。
【0025】
また、第四の発明は、上記制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続され、当該電源ソケットを通じて制限器から供給される電力を使用してバッテリを充電し、使用可能電流量を通知する通知信号を受信すると、この通知信号が示す使用可能電流量を逸脱しない範囲内で電源ソケットを通じて供給される電力を使用してバッテリを充電する構成にされた充電装置によるバッテリの充電を制御する充電制御装置であって、送信インタフェースと、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、充電装置に通知する使用可能電流量を決定し、決定した使用可能電流量を示す通知信号を、送信インタフェースを通じて充電装置に送信する通知手段と、を備えることを特徴とする(請求項20)。この充電制御装置と上記充電装置とを組み合わせれば、第二の発明に対応する充電システムを構成することができる。
【0026】
尚、充電装置が、バッテリの充電を禁止するように命令する禁止命令信号を受信するとバッテリの充電動作を禁止し、その後、使用可能電流量を通知する通知信号を受信すると、通知信号が示す使用可能電流量を逸脱しない範囲内で電源ソケットを通じて供給される電力を使用してバッテリを充電する構成にされている場合、充電制御装置は、制限器からの電力供給が停止すると、送信インタフェースを通じて、禁止命令信号を充電装置に送信する禁止命令手段を備え、通知手段が、電力供給の再開後に、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、充電装置に通知する使用可能電流量を決定し、決定した使用可能電流量を記した通知信号を、送信インタフェースを通じて充電装置に送信する構成にすることができる。
【0027】
この他、充電装置が、宅内の電流使用量を通知する通知信号を受信すると、通知信号が示す宅内の電流使用量に基づきバッテリの充電時に使用可能な電流量を決定して、決定した電流量を逸脱しない範囲内で電源ソケットを通じて供給される電力を使用してバッテリを充電する構成にされている場合、充電制御装置の通知手段は、電力供給の再開後に、検知器から宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、宅内の電流使用量を示す通知信号を、送信インタフェースを通じて充電装置に送信する構成にすることができる(請求項22)。
【0028】
また、第五の発明は、充電装置であって、上記制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続されるプラグと、プラグを通じて供給される電力を使用して、バッテリを充電する充電手段と、宅内からの電力供給の停止及び再開を検知する検知手段と、検知手段により宅内からの電力供給が停止したことが検知されると、電力供給再開後における充電手段によるバッテリの充電動作を制限する充電制限手段と、検知手段により電力供給の再開が検知された後、所定条件が満足されると上記制限を解除する制限解除手段と、を備えることを特徴とする(請求項23)。この発明によれば、第一の発明に対応する充電システムとしての機能を、充電装置単体で実現することができる。従って、この発明によれば、第一の発明に対応する充電システムを容易に導入することができる。
【0029】
尚、この充電装置における上記制限解除手段は、上述した充電システムと同様、検知手段により電力供給の再開が検知された後、所定時間が経過すると、上記制限を解除する構成にすることができる(請求項24)。
【0030】
また、第六の発明は、上記制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続されるプラグと、宅内の電流使用量を通知する通知信号を受信可能な受信インタフェースと、予め設定された使用可能電流量を逸脱しない範囲内でプラグを通じて供給される電力を使用してバッテリを充電する充電手段と、受信インタフェースを通じて受信した通知信号が示す宅内の電流使用量に基づき、使用可能電流量の設定値を変更する変更手段と、を備えることを特徴とする充電装置である。この発明によれば、第二の発明に対応する充電システムを容易に導入することができる(請求項25)。
【0031】
尚、この充電装置には、宅内からの電力供給の停止及び再開を検知する検知手段と、検知手段により宅内からの電力供給が停止したことが検知されると、現在設定されている使用可能電流量での充電手段によるバッテリの充電動作を禁止する充電禁止手段と、を設けることができる。また、変更手段は、検知手段により電力供給の再開が検知された後、受信インタフェースを通じて受信した通知信号が示す宅内の電流使用量に基づき、使用可能電流量の設定値を変更して、充電手段に変更後の使用可能電流量を逸脱しない範囲内でプラグを通じて供給される電力を使用してバッテリを充電させる構成にすることができる(請求項26)。この充電装置によれば、電力供給の再開後、使用可能電流量の設定値が変更されるまでは、バッテリの充電動作が開始されないので、再停電の発生を一層抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】充電制御装置30及び充電装置50を備える充電システムの構成図である。
【図2】充電装置50の詳細構成を表す図である。
【図3】充電制御装置30の制御ユニット37が実行する充電制御信号出力処理を表すフローチャートである。
【図4】制御ユニット37が実行する充電開始制御処理を表すフローチャートである。
【図5】制御ユニット37が実行する自動再開処理を表すフローチャートである。
【図6】充電装置50の制御ユニット57が実行する状態切替処理を表すフローチャートである。
【図7】第二実施例における充電装置60の構成を表す図である。
【図8】第二実施例の状態切替処理を表すフローチャートである。
【図9】第二実施例の充電開始制御処理を表すフローチャートである。
【図10】第三実施例の充電制御信号出力処理及び自動再開処理を表すフローチャートである。
【図11】第三実施例の状態切替処理を表すフローチャートである。
【図12】第三実施例の状態切替処理のサブルーチンとして実行される充電開始制御処理を表すフローチャートである。
【図13】第四実施例の充電制御信号出力処理を表すフローチャートである。
【図14】第四実施例の自動再開処理を表すフローチャートである。
【図15】充電装置70を備える第五実施例の充電システムの構成図である。
【図16】充電装置70の制御ユニット77が実行する充電制御処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
[第一実施例]
本実施例の充電システム1は、プラグイン電気自動車やプラグインハイブリッドカー等の車両5に搭載されるモータ駆動用の高圧バッテリBH(図2参照)を充電するためのシステムであり、図1に示すように、宅内に設置される充電制御装置30と、車両に搭載される充電装置50と、を備えるものである。
【0034】
充電制御装置30が設置される宅内には、アンペアブレーカ11、漏電遮断器(図示せず)及び配線用遮断器群13を備えた分電盤10が設置されており、充電制御装置30は、アンペアブレーカ11、漏電遮断器及び配線用遮断器を通じて電力会社から供給される電力を使用して動作する。
【0035】
アンペアブレーカ11は、周知のように、宅内の電流使用量が上限値を超える場合には宅内への電力供給を停止する電流制限器である。上限値は、周知のように電力会社との契約により定められる。一方、配線用遮断器は、宅内において複数系統配線された各電源線の端点に設置されるものであり、配線用遮断器群13を構成する系統毎の上記配線用遮断器は、担当する系統に過剰な電流(上限値を超える電流)が流れたときに電路を遮断しアンペアブレーカからの当該系統に対する電力供給を停止するものである。配線用遮断器には、系統毎に、アンペアブレーカ11に設定される上限値より低い上限値が設定される。例えば、アンペアブレーカの40アンペアに対し20アンペアといった具合である。
【0036】
また、本実施例の分電盤10には、アンペアブレーカ11から配線用遮断器群13に至る経路において、宅内の電流使用量A0を検知可能な電流計15が設けられている。電流計15は、アンペアブレーカ11から宅内に供給される電流量を計測することにより、宅内の電流使用量A0を検知する。この電流計15の検知(計測)結果は、充電制御装置30に入力される。
【0037】
続いて、充電制御装置30の詳細構成を説明する。本実施例の充電制御装置30は、分電盤10から自装置が管理する電源ソケット31への電源線に接続された電源ユニット33を備える。電源ソケット31には、充電プラグPLを介した充電装置50の接続有無を検知する接続検知部311が設けられており、接続検知部311の検知結果は、充電制御装置30が備える制御ユニット37に入力される。尚、充電プラグPLを介した充電装置50の接続有無は、通電の有無によって検知可能である。
【0038】
また、電源ユニット33は、分電盤10から供給される交流電力を直流電力に変換して自装置が備えるバッテリ34を充電し、更には当該充電制御装置30内の各部への電力供給を行うものである。この充電制御装置30がバッテリ34を備えるのは、例えばアンペアブレーカ11が落ちて停電が発生した際にも充電制御装置30を継続的に動作させるためである。停電時(即ち、分電盤10からの電力供給停止時)、電源ユニット33は、バッテリ34から供給される電力を充電制御装置30内の各部に提供する。
【0039】
この他、電源ユニット33は、アンペアブレーカ11が落ちるなどして発生する停電の発生有無を検知する停電検知部331を備える。具体的に、停電検知部331は、分電盤10からの電力供給の有無によって、停電の発生有無を検知する。この停電検知部331での検知結果は、制御ユニット37に入力される。
【0040】
また、充電制御装置30は、充電装置50との間で電源線通信可能な通信インタフェース35を備える。この通信インタフェース35は、制御ユニット37から入力される送信対象の信号を、電源線通信により、電源ソケット31を通じて、この電源ソケット31に接続された充電装置50に送信する。即ち、充電制御装置30が管理する電源ソケット31を通じては、高圧バッテリBHを充電するための交流電力が充電装置50に提供される他、充電装置50に対する通信信号が出力される。
【0041】
また、制御ユニット37は、マイクロコンピュータ等により構成され、充電制御装置30が備えるユーザインタフェース38を通じて入力されるユーザの操作信号に従って各種処理を実行するものである。例えば、制御ユニット37は、ユーザの操作信号に従って、充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を制御するための充電制御信号を、通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する。
【0042】
この他、制御ユニット37は、停電検知部331からの入力信号に基づき、通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する上記充電制御信号を切り替える。具体的には、停電検知部331からの入力信号に基づき、停電が発生したことを契機に、充電装置50に対して高圧バッテリBHの充電を禁止するように命令する信号(後述する禁止命令信号)を上記充電制御信号として送信し、停電解消後、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Axと、電流計15から入力される宅内の電流使用量A0とに基づき、高圧バッテリBHの充電を再開しても停電が発生しないタイミングを特定して、このタイミングで充電装置50に対し充電動作の禁止状態を解除するように命令する信号(後述する解除命令信号)を上記充電制御信号として送信する。
【0043】
尚、充電制御装置30が備える記憶ユニット39は、電気的にデータ書換可能な不揮発性メモリ(NVRAM)で構成されており、電流上限値Axとして、アンペアブレーカ11が電力供給を停止しない上限の電流量を記憶保持する。この電流上限値Axの情報は、ユーザインタフェース38を通じてユーザの操作により入力され、記憶ユニット39に記憶保持される。
【0044】
続いて、充電装置50の構成について図2を用いて説明する。本実施例の充電装置50は、充電プラグPLを通じて、宅内に設置された充電制御装置30が管理する電源ソケット31に接続される。そして、電源ソケット31を通じて供給される電力を用いて車両に搭載された高圧バッテリBHを充電する。
【0045】
図2に示すように、充電装置50は、車両の走行時に使用されるモータ100を、モータ駆動回路110を通じて駆動する際の動力源として用いられる高圧バッテリBHを充電するためのものである。この充電装置50は、コネクタ51と、充電ユニット53と、通信インタフェース55と、制御ユニット57と、リレー回路59とを備える。
【0046】
コネクタ51には、充電プラグPLの電源ソケット31に接続されるプラグ部とは反対側のコネクタ部が接続され、このコネクタ51に接続された充電プラグPLを通じて電源ソケット31から供給される電力は、充電ユニット53に入力される。
【0047】
充電ユニット53は、電源ソケット31から供給される交流電力を直流電力に変換し、高圧バッテリBHを充電するものである。この充電ユニット53は、コネクタ51を通じた外部からの電力供給の有無を検知する検知部531を備えており、検知部531による検知結果は、制御ユニット57に入力される。
【0048】
また、通信インタフェース55は、充電制御装置30が備える通信インタフェース35と通信可能なインタフェースであり、通信インタフェース55が充電制御装置30から受信した電源線通信による通信信号は、制御ユニット57に入力される。
【0049】
制御ユニット57は、通信インタフェース55を通じて充電制御装置30から受信した充電制御信号に基づき、リレー回路59をオン/オフ制御して、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を許可/禁止する。リレー回路59は、充電ユニット53から高圧バッテリBHへの電力供給経路に設けられ、オフの状態では、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を禁止し、オンの状態では、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を許可する。
【0050】
尚、これら充電装置50の各部は、車両5に設けられた図示しない低圧バッテリ(例えば12Vバッテリ)からの電力供給を受けて動作する。低圧バッテリは、周知のように、例えばDC−DCコンバータ(図示せず)により低圧電力に変換された高圧バッテリBHからの電力により充電される。
【0051】
続いて、充電制御装置30及び充電装置50の制御ユニット37,57が実行する処理について、図3〜図6を用いて説明する。
充電制御装置30の制御ユニット37は、接続検知部311からの入力信号に基づき、電源ソケット31と充電装置50とが充電プラグPLを介して接続されたことを契機に、図3に示す充電制御信号出力処理を開始する。そして、開始後には、充電制御信号として、高圧バッテリBHの充電動作を禁止するように命令する禁止命令信号を、通信インタフェース35を通じて電源線通信により充電装置50に送信する動作を開始する(S100)。
【0052】
その後、制御ユニット37は、接続検知部311からの入力信号に基づき、電源ソケット31と充電装置50との充電プラグPLを介した接続が解除されたか否かを判断し(S110)、接続が解除された場合には(S110でYes)、当該充電制御信号出力処理を終了する。
【0053】
一方、接続が解除されていない場合には(S110でNo)、充電装置50が充電プラグPLを通じて電源ソケット31に接続された直後であるか否かを判断する(S120)。具体的に、充電制御信号出力処理開始後の初回の判断では、肯定判断(接続直後であると判断)し、二回目以降の判断では、否定判断(接続直後ではないと判断)する。
【0054】
そして、肯定判断した場合には(S120でYes)、図4に示す充電開始制御処理の実行を開始する(S210)。その後、S110に移行する。
充電開始制御処理を開始すると、制御ユニット37は、電流計15からの入力信号を参照して現在における宅内の電流使用量A0を特定する(S310)。そして、特定した宅内の電流使用量A0に、高圧バッテリBHの充電時に使用される電流量A1を加算し、充電時の総電流量As(=A0+A1)を算出する(S320)。高圧バッテリBHとしては、リチウムイオン電池を挙げることができるが、リチウムイオン電池の充電時には、電池電圧が所定電圧に達成するまで定電流充電により充電を行い、その後に定電圧充電に切り替える。ここでの総電流量Asの算出に用いる電流量A1は、定電流充電時の電流量である。定電圧充電時の電流量は、定電流充電時のそれよりも低いので、電流量A1は、充電時に使用される最大電流量とも言える。
【0055】
また、S320での処理を終えると、制御ユニット37は、算出した総電流量Asに所定の余裕量αを加算した値(As+α)と、記憶ユニット39で記憶される電流上限値Axとを比較して、加算値(As+α)がアンペアブレーカ11の落ちる電流量Axを超えているか否かを判断する(S330)。即ち、As+α>Axであるか否かを判断する。尚、余裕量αは、充電時の電流使用量を冗長に見積もって、充電開始後に停電が発生する確率を抑えるためのものであり、充電システム1の使い勝手を考慮してゼロ以上の値で設計者が任意に定めることができる。
【0056】
そして、値(As+α)が電流上限値Axを超えていると判断すると、容量オーバーの旨のメッセージを、ユーザインタフェース38に表示し(S340)、その後、S350に移行する。尚、充電制御装置30のユーザインタフェース38は、各種操作スイッチの他、メッセージ表示用の表示デバイスを有するものとする。
【0057】
S350に移行すると、制御ユニット37は、停電検知部331の入力信号に基づき停電が発生したか否かを判断すると共に、ユーザインタフェース38を通じて充電停止操作がなされたか否かを判断し、更には、接続検知部311の入力信号に基づき、充電プラグPLを介した電源ソケット31と充電装置50との接続が解除されたか否かを判断する。
【0058】
そして、停電が発生するか、充電停止操作がなされるか、接続解除がなされると(S350でYes)、当該充電開始制御処理を終了する。一方、停電が発生しておらず、充電停止操作もなされておらず、接続解除もなされていない場合には(S350でNo)、S310に戻って、S310以降の処理を再度実行する。
【0059】
この他、S330にて、As+α≦Axであると判断すると(S330でNo)、制御ユニット37は、S360に移行し、充電装置50に送信する充電制御信号を、禁止命令信号から充電動作の禁止状態を解除するように命令する(換言すれば、充電動作を開始するように命令する)解除命令信号に切り替えて、当該充電開始制御処理を終了する。
【0060】
このようにして、充電開始制御処理では、宅内の電流使用量A0が電流上限値Axを超える可能性がある場合には、宅内の電流使用量A0が下がるまで待って、充電装置50に高圧バッテリBHの充電を開始させるように、充電制御信号を、通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する。
【0061】
話を、図3に示す充電制御信号出力処理に戻す。制御ユニット37は、S120で否定判断すると、S130に移行し、ユーザインタフェース38を通じてユーザから充電開始操作がなされたか否かを判断する。そして、充電開始操作がなされている場合には(S130でYes)、S210に移行して、上述した充電開始制御処理の実行を開始する。その後、S110に移行する。但し、充電開始操作がなされた時点で充電開始制御処理が既に並列実行されている場合又は高圧バッテリBHの充電動作がなされている場合には(換言すれば充電装置50に対して上記解除命令信号を送信している場合)には、S210の処理を実行せずに、S110に移行する。
【0062】
一方、充電開始操作がなされていない場合には(S130でNo)、ユーザインタフェース38を通じてユーザから充電停止操作がなされているか否かを判断し(S140)、充電停止操作がなされている場合には(S140でYes)、S240に移行し、充電装置50に送信する充電制御信号を、上記禁止命令信号に切り替えることで、充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する。その後、S110に移行する。尚、充電停止操作がなされた時点で上記充電開始制御処理が並列実行されている場合には、S350(図4)での判断により、充電開始制御処理が終了する。
【0063】
この他、充電停止操作もなされていない場合(S140でNo)、制御ユニット37は、停電検知部331からの入力信号に基づき、停電が発生したかを判断し、停電が発生していない場合には(S170でNo)、S110に移行する。一方、停電が発生している場合には(S170でYes)、充電装置50に送信する充電制御信号を上記禁止命令信号に切り替えることで(S180)、充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する。
【0064】
このようにして充電制御信号出力処理では、ユーザインタフェース38を通じて入力されるユーザの操作信号に従って、充電装置50による充電動作を禁止/許可する一方、停電が発生した際には、強制的に充電装置50による充電動作を一旦禁止する。
【0065】
その後、制御ユニット37は、S190に移行し、高圧バッテリBHの充電制御に関する動作モードが自動再開モードに設定されているか否かを判断して、動作モードに対応した処理を実行する。尚、上記充電制御に関する動作モードは、自動再開モード及び手動再開モードからなり、動作モードが手動再開モードに設定されている場合、制御ユニット37は、停電発生後、ユーザインタフェース38を通じて充電開始操作がなされるまでは、高圧バッテリBHの充電動作を禁止した状態に保持する。一方、動作モードが自動再開モードに設定されている場合には、停電解消後、所定条件が満足された時点で、高圧バッテリBHの充電禁止状態を解除して、充電装置50に高圧バッテリBHの充電を再開させる。この動作モードは、ユーザインタフェース38を通じたユーザのモード切替操作によって切り替えられ、動作モードの設定値は、記憶ユニット39に記憶保持される。
【0066】
具体的に、S190で動作モードが自動再開モードであると判断した場合(S190でYes)、制御ユニット37は、S200に移行して、図5に示す自動再開処理の実行を開始する。その後、S110に移行する。一方、動作モードが手動再開モードであると判断した場合には(S190でNo)、自動再開処理の実行を開始せずに、S110に移行する。
【0067】
ここで、自動再開処理の内容を、図5を用いて説明すると、この自動再開処理では、図5に示すように、停電が解消されるか、ユーザインタフェース38を通じて充電停止操作がなされるか、電源ソケット31と充電装置50との充電プラグPLを介した接続が解除されるまで待機する(S410,S420)。
【0068】
そして、停電検知部331からの入力信号に基づき、停電が解消されたと判断すると(S410でYes)、上述した図4に示す充電開始制御処理を実行する(S430)。即ち、電流計15からの入力信号を参照することにより特定される宅内の電流使用量A0と、充電時に使用される電流量A1と、電流上限値Axと、余裕量αと、に基づき、宅内の電流使用量A0が、充電を開始しても停電が再発生しない十分な状態(As+α≦Axである状態)になるまで待機し、宅内の電流使用量A0が充電を開始しても停電が再発生しない十分な状態になった時点で、充電装置50に送信する充電制御信号を、禁止命令信号から解除命令信号に切り替えることにより、この時点から充電装置50に高圧バッテリBHの充電を開始させる。停電が解消された場合には、このような内容の充電開始制御処理の実行後、当該自動再開処理を終了する。
【0069】
一方、停電が解消されない状態で、充電停止操作がなされるか、電源ソケット31と充電装置50との充電プラグPLを介した接続が解除されると(S420でYes)、S430の処理を実行せずに、当該自動再開処理を終了する。動作モードが自動再開モードに設定されている場合、制御ユニット37は、このようにして、停電解消後、再停電が生じないようなタイミングで、充電装置50に高圧バッテリBHの充電を再開させる。
【0070】
一方、このような充電制御装置30からの充電制御信号を受ける充電装置50の制御ユニット57は、検知部531からの入力信号に基づき、充電ユニット53がコネクタ51を通じて外部電源からの電力供給を受け高圧バッテリBHを充電可能な状態になると、図6に示す状態切替処理を実行することで、充電制御信号に対応したリレー回路59のオン/オフ制御を行う。
【0071】
状態切替処理を開始すると、制御ユニット57は、まず、リレー回路59をオフに設定して、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する(S510)。S510での処理を終えると、制御ユニット57は、通信インタフェース55を通じて充電制御装置30から充電制御信号として解除命令信号が入力されているか否かを判断し(S520)、解除命令信号が入力されている場合には(S520でYes)、リレー回路59をオンに切り替えて、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を許可する(S570)。その後、S520に移行する。
【0072】
一方、制御ユニット57は、通信インタフェース55を通じて充電制御装置30から解除命令信号が入力されていない場合、充電制御装置30から充電制御信号として禁止命令信号が入力されているか否かを判断し、禁止命令信号が入力されている場合には(S530でYes)、リレー回路59をオフに切り替えて、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する(S590)。その後、S520に移行する。
【0073】
この他、制御ユニット57は、通信インタフェース55を通じて充電制御装置30から禁止命令信号及び解除命令信号のいずれも受信できない状態が一定時間継続しているか否かによって、充電装置50と電源ソケット31との充電プラグPLを介した接続が解除されているか否かを判断し、両信号のいずれも受信できない状態が一定時間以上継続している場合には、充電装置50と電源ソケット31との充電プラグPLを介した接続が解除されていると判断し(S540でYes)、リレー回路59をオフに設定して、当該状態切替処理を終了する。
【0074】
一方、充電制御装置30から上記充電制御信号の入力が継続している場合には、充電装置50と電源ソケット31との充電プラグPLを介した接続が継続されていると判断して(S540でNo)、S520に移行する。
【0075】
このようにして、制御ユニット57は、通信インタフェース55を介して入力される充電制御信号が、禁止命令信号から解除命令信号に切り替わると、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を開始させ、入力される充電制御信号が解除命令信号から禁止命令信号に切り替わると、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する。そして、充電装置50と充電制御装置30との接続が解除された時点で、リレー回路59をオフに設定して、当該状態切替処理を終了する。
【0076】
以上、本実施例の充電システム1の構成について説明したが、本実施例によれば、宅内の電流使用量A0が予め定められた電流上限値Axを超えてアンペアブレーカ11が落ち、宅内の各配線への電力供給が停止すると、停電解消後の充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する。そして、この禁止状態を宅内の電流使用量A0が十分に下がるまで継続する。換言すれば、本実施例の充電システム1では、従来技術のように、停電が解消した後、すぐさま無条件にバッテリの充電動作を再開しないようにする。
【0077】
従って、本実施例の充電システム1によれば、アンペアブレーカ11の操作による停電解消後、宅内の電流使用量A0がブレーカ落ちする前とさほどかわっていないことが原因で、再度、短い期間で停電が生じるのを抑制することができる。従って、本実施例によれば、利便性の高い充電システム1をユーザに提供することができる。
【0078】
特に、本実施例の充電システム1によれば、停電発生時に、電源ソケット31から充電プラグPLが抜かれなくても、自動で充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を禁止するので、ユーザにとっては、プラグを抜く手間や充電を禁止する操作をする手間が省け、便利である。
【0079】
また、動作モードを自動再開モードに設定しておけば、停電解消後に、充電開始操作をしなくても、適切なタイミングで、充電装置50による充電動作が再開されるので、停電解消後に、充電開始操作をし忘れて、必要なときにバッテリの充電が完了していないといったトラブルが発生するのを抑制することができる。
【0080】
また、本実施例の充電システム1によれば、宅内のユーザインタフェース38を通じて充電の開始を操作することができるので、手動再開モードであっても、停電解消後に、充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を再開させる操作が簡単である。即ち、車両内の高圧バッテリBHを充電するための電源ソケット31は、ユーザが生活するリビングやキッチンから離れた室外(家の外壁等)に設置されるのが通常であり、電源ソケット31からプラグを抜いたり差したりするためには、ユーザがリビングから移動する必要があるが、本実施例によれば、充電制御装置30をリビングやキッチンなどのユーザが良く利用する部屋に設置しておくことで、高圧バッテリBHの充電開始操作や充電停止操作を簡単に行うことができ、勝手のよい充電システム1をユーザに提供することができる。
【0081】
尚、本実施例の充電制御装置30において電源ソケット31は、充電制御装置30の他の構成部位から離れて配置することができる。即ち、電源ソケット31に繋がる電源線を宅内に配線して、充電制御装置30の本体部については、リビングやキッチンなどのユーザが良く利用する部屋に設置し、電源ソケット31については、車両を駐車する場所に近い宅内の外壁等に設置することができる。このように、充電制御装置30を配置すれば、ユーザによる充電開始操作や充電停止操作が非常に簡単になり、利便性の高い充電システム1を提供することができる。
【0082】
ここで、本実施例と「特許請求の範囲」との対応関係を説明する。アンペアブレーカ11は、「特許請求の範囲」記載の制限器に対応し、充電ユニット53は、充電手段に対応する。また、停電が発生すると充電制御装置30の制御ユニット37が禁止命令信号を通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する処理(S180)及び充電装置50の制御ユニット57が禁止命令信号を受信すると、リレー回路59をオフにして充電動作を禁止する処理(S590)は、充電制限手段に対応し、特に充電制御装置30の処理(S180)は、制限命令手段に対応し、充電装置50の処理(S590)は、制限命令受付手段に対応する。
【0083】
また、停電解消後、充電時の総電流量As+αが電流上限値Ax以下となった時点で解除命令信号を通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する処理(S430,S360)及び充電装置50の制御ユニット57が解除命令信号を受信すると、リレー回路59をオンに設定して充電動作を再開させる処理(S570)は、請求項7〜9記載の制限解除手段に対応する。特に充電制御装置30の処理(S360)は、解除命令手段に対応し、充電装置50の処理(S570)は、解除命令受付手段に対応する。
【0084】
この他、動作モードが手動再開モードに設定されている場合には、停電解消後、充電開始操作がなされてから解除命令信号を充電装置50に送信する処理(S210,S360)及び充電装置50の制御ユニット57が解除命令信号を受信すると、リレー回路59をオンに設定して充電動作を再開させる処理(S570)は、請求項3,4記載の制限解除手段に対応する。
【0085】
尚、変形例として、充電制御装置30は、手動再開モードにおいて、停電解消後に充電開始操作がなされた場合には、図4に示す充電開始制御処理を実行せずに、ただちに解除命令信号を充電装置50に送信する構成にされてもよい。
[第二実施例]
続いて、第二実施例について説明する。但し、第二実施例の充電システムは、第一実施例の充電システム1と共通点も多いので、以下では、第一実施例と共通する構成に同一符号を付し、当該構成の説明を適宜省略する。第二実施例の充電システムでは、充電制御装置30(図1参照)の電源ソケット31に、図7に示す構成の充電装置60が電源プラグPLを介して接続される。この充電装置60は、コネクタ51と、第一実施例の充電ユニット53に対応する充電ユニット63と、通信インタフェース55と、第一実施例の制御ユニット57に対応する制御ユニット67と、リレー回路59とを備える。
【0086】
更に、充電ユニット63は、第一実施例の機能に加えて、充電時の電流量A1を制御ユニット67により設定された値に調整可能な機能を有する。即ち、本実施例の充電ユニット63は、検知部531に加えて、充電時の電流量A1を制御ユニット67により設定された値に調整可能な調整部631を備えた構成にされている。電流量A1は、第一実施例と同様、定電流充電時の電流量であり、充電時に使用する最大電流量に対応する。
【0087】
第二実施例の充電制御装置30は、充電動作の禁止状態を解除するように命令する上記解除命令信号を、充電ユニット63に電流量A1として設定すべき電流量Ac(以下、「設定指令値Ac」と表現する。)の情報を含んだ信号として送信する構成にされており、制御ユニット67は、この解除命令信号を充電制御装置30から通信インタフェース55を介して受信すると、解除命令信号が示す設定指令値Acに基づき、充電時の電流量A1を、この解除命令信号が示す設定指令値Acに設定する。
【0088】
詳述すると、制御ユニット67は、検知部531からの入力信号に基づき、充電ユニット63がコネクタ51を通じて電力供給を受け高圧バッテリBHを充電可能な状態になると、図8に示す第二実施例の状態切替処理を実行する。そして、この状態切替処理では、概ね第一実施例と同様の処理を実行するが、通信インタフェース55を介して充電制御装置30から解除命令信号を受信した場合には、リレー回路59をオンに切り替えるS570の処理に先駆けて、充電ユニット63に対して充電時の電流量A1を、受信した解除命令信号が示す設定指令値Acに設定する処理を行う(S560)。
【0089】
このようにして制御ユニット67は、解除命令信号が示す設定指令値Acが切り替わる度、充電ユニット63に対する電流量A1の設定値を変更する。
一方、第二実施例の充電制御装置30は、図4に示す充電開始制御処理に代えて、図9に示す充電開始制御処理を実行する。尚、第二実施例の充電制御装置30は、第一実施例と比較して制御ユニット37が実行する充電開始制御処理の内容が異なる程度であるため、本実施例では充電制御装置30の説明として、図9を用いて、第二実施例の制御ユニット37が実行する充電開始制御処理を選択的に説明する。この充電開始制御処理は、第一実施例と同様、S210又はS430で実行される。
【0090】
図9に示す充電開始制御処理を開始すると、制御ユニット37は、電流計15からの入力信号を参照して現在における宅内の電流使用量A0を特定する(S610)。そして、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Axから、上記特定した宅内の電流使用量A0を減算して、ブレーカ落ちを原因とする停電が発生しない範囲で、高圧バッテリBHの充電動作に使用可能な電流量Ap(=Ax−A0)を算出する(S620)。また、この算出後には、使用可能電流量Apから余裕量βを減算し(S630)、使用可能電流量Apを補正する(Ap←Ap−β)。ここで余裕量βを減算するのは、使用可能電流量Apを低く見積もることで、充電開始後に停電が発生する確率を抑えるためである。この余裕量βは、充電システムの使い勝手を考慮してゼロ以上の値で設計者が任意に定めることができる。
【0091】
また、使用可能電流量Apの補正後には、当該補正後の使用可能電流量Apが、充電ユニット63に設定可能な電流量A1の下限値未満であるか否かを判断し(S640)、下限値未満である場合には(S640でYes)、高圧バッテリBHの充電を下限値で開始しても停電する可能性が高いので、容量オーバーの旨のメッセージを、ユーザインタフェース38に表示し(S650)、S660に移行する。
【0092】
そして、S660では、第一実施例のS350と同様の判断を行い、停電が発生するか、充電停止操作がなされるか、接続解除がなされた場合には(S660でYes)、当該充電開始制御処理を終了する。一方、停電が発生しておらず、充電停止操作もなされておらず、接続解除もなされていない場合には(S660でNo)、S610以降の処理を再度実行する。
【0093】
この他、S640で、補正後の使用可能電流量Apが充電ユニット63に設定可能な電流量A1の下限値以上であると判断すると(S640でNo)、制御ユニット37は、使用可能電流量Apが予め定められた標準値Arより大きいか否かを判断し(S670)、使用可能電流量Apが標準値Arよりも大きい場合には(S670でYes)、充電装置60に送信する充電制御信号を、設定指令値Acとして標準値Arを示した解除命令信号に切り替える(S680)。その後、当該充電開始制御処理を終了する。尚、標準値Arとしては、充電時間の短縮を目的として、例えば、充電ユニット63に設定可能な電流量A1の上限値を採用することができる。
【0094】
一方、補正後の使用可能電流量Apが標準値Ar以下である場合には(S670でNo)、充電装置60に送信する充電制御信号を、設定指令値Acとして補正後の使用可能電流量Apを示した解除命令信号に切り替える(S690)。その後、当該充電開始制御処理を終了する。
【0095】
尚、充電ユニット63に対して電流量A1を離散的な値でしか設定することができない場合、S690では、補正後の使用可能電流量Ap以下の範囲で、充電ユニット63に対して設定可能な電流量A1の最大値を、設定指令値Acとして記して、解除命令信号を充電装置60に送信することができる。
【0096】
以上、第二実施例について説明したが、本実施例によれば、宅内の電流使用量A0に基づいて、充電に使用可能な電流量Apを設定し、この電流量を逸脱しない(超えない)範囲内で、高圧バッテリBHの充電を行うので、停電解消後の再停電を抑制することができるだけでなく、高圧バッテリBHの充電開始による停電の発生自体を抑制することができる。
【0097】
但し、本実施例のように、高圧バッテリBHの充電開始時(停電解消後の充電開始時も含む)に、その時点での宅内の電流使用量A0に基づき、高圧バッテリBHの充電に用いる電流量A1を設定する手法の場合には、電流量A1の設定を簡単に行うことができるものの、充電開始後の宅内の電流使用量A0に合わせて充電に用いる電流量A1を変更することができないため、高圧バッテリBHの充電開始後に、宅内の電流使用量A0が充電以外の原因で大きく上昇すると停電が発生してしまう。従って、構成が複雑にはなるものの、充電システムは、高圧バッテリBHの充電中にも、逐一宅内の電流使用量A0を監視し、最新の電流使用量A0に基づき、充電時の電流量A1を設定変更するように構成されてもよい。
【0098】
ここで、本実施例と「特許請求の範囲」との対応関係を説明する。充電ユニット63は、「特許請求の範囲」記載の充電手段に対応する。また、停電が発生すると充電制御装置30の制御ユニット37が禁止命令信号を充電装置60に送信する処理(S180)及び充電装置60の制御ユニット67が禁止命令信号を受信するとリレー回路59をオフに設定して充電動作を禁止する処理(S590)は、充電禁止手段(請求項11,12)に対応し、特に充電制御装置30の処理(S180)は、禁止命令手段に対応し、充電装置60の処理(S590)は、禁止命令受付手段に対応する。
【0099】
この他、停電解消後、電流計15からの入力信号に基づき特定した宅内の電流使用量A0に基づき、充電ユニット63に充電時の電流量A1として設定すべき電流量(設定指令値Ac)を決定し、これを記した解除命令信号を通信インタフェース35を通じて送信する処理(S430,S680,S690)及び充電装置60の制御ユニット67が解除命令信号を受信すると、解除命令信号が示す設定指令値Acを充電ユニット63に充電時の電流量A1として設定し、この電流量A1にて充電動作を再開させる処理(S560,S570)は、請求項12記載の設定変更手段に対応する。特に充電制御装置30の処理(S430,S680,S690)は、通知手段に対応し、充電装置60の処理(S560,S570)は、変更手段に対応する。
[第三実施例]
第三実施例の充電システムは、充電ユニット63(図7参照)に設定すべき電流量を、充電装置60で算出するようにしたものである。即ち、第三実施例の充電システムは、第二実施例の充電システムと同様、図1に示す充電制御装置30の電源ソケット31に図7に示す充電装置60が接続されて構成されるが、本実施例では、充電制御装置30の制御ユニット37が、図10(a)に示す充電制御信号出力処理を実行し、充電装置60の制御ユニット67が、図11に示す状態切替処理を実行する。図10(a)は、第三実施例の充電制御信号出力処理を表すフローチャートである。
【0100】
以下では、充電制御装置30の制御ユニット37が実行する図10(a)に示す充電制御信号出力処理及び充電装置60の制御ユニット67が実行する図11に示す状態切替処理について説明するが、これら制御ユニット37及び制御ユニット67が実行する処理に関して、上述した実施例と同一の手順には、同一符号(ステップ番号)を付し、これらの詳細な説明を適宜省略する。
【0101】
まず、充電制御装置30の制御ユニット37が実行する充電制御信号出力処理について説明する。電源ソケット31に充電プラグPLを介して充電装置60が接続されることで、図10(a)に示す充電制御信号出力処理を開始すると、制御ユニット37は、概ね第一実施例及び第二実施例と同様の処理を実行するものの、充電装置60の接続直後(S120でYes)、又は、ユーザインタフェース38を通じて充電開始操作がなされた場合(S130でYes)には、S220に移行して、次の処理を実行する。
【0102】
S220では、充電制御信号として、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Ax及び最新の宅内の電流使用量A0を記した解除命令信号の送信を開始する。即ち、S220では、充電装置60に送信する充電制御信号を、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Ax及び電流計15の入力信号から特定される最新の宅内の電流使用量A0を記した解除命令信号に切り替える。その後、制御ユニット37は、S110に移行する。このようにして制御ユニット37は、S220の処理後、充電制御信号を禁止命令信号に切り替えるまで、解除命令信号に記す宅内の電流使用量A0を逐一最新値に更新し、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Ax及び最新の電流使用量A0を逐一充電装置60に通知する。
【0103】
一方、停電が発生したときに実行する自動再開処理(S200)では、具体的に図10(b)に示す処理を実行する。図10(b)は、第三実施例の自動再開処理を表すフローチャートである。この自動再開処理では、概ね第一及び第二実施例と同様の処理を実行するものの、停電が解消した場合には(S410でYes)、S440に移行して次の処理を実行する。即ち、S440では、S220と同様、充電装置60に送信する充電制御信号を、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Ax及び最新の宅内の電流使用量A0を記した解除命令信号に切り替えて、停電解消後には、再度停電が発生するか充電停止操作がなされて、充電制御信号を禁止命令信号に切り替えるまで、逐一解除命令信号に記す宅内の電流使用量A0を最新値に更新して、記憶ユニット39が記憶する電流上限値Ax及び最新の電流使用量A0を充電装置60に通知する。
【0104】
また、このような解除命令信号を受ける充電装置60は、図11に示すように、解除命令信号を受信すると(S520でYes)、S580及びS585の処理を実行する。具体的に、S580では、既にリレー回路59がオンに設定されている状態であるか否かを判断し、リレー回路59がオンに設定されている場合には(S580でYes)、S585の処理を実行せずに、S520に移行する。
【0105】
一方、リレー回路59がオフに設定されている場合には(S580でNo)、S585に移行し、図12に示す充電開始制御処理を実行する。充電装置60の制御ユニット67は、この充電開始制御処理を開始すると、受信した解除命令信号が示す電流上限値Ax及び宅内の電流使用量A0に基づき、S620の処理と同様、高圧バッテリBHの充電動作に使用可能な電流量Ap(=Ax−A0)を算出する(S710)。その後、S630の処理と同様、S710で算出した使用可能電流量Apから余裕量βを減算し(S720)、使用可能電流量Apを補正する(Ap←Ap−β)。
【0106】
また、制御ユニット67は、補正後の使用可能電流量Apが、充電ユニット63に設定可能な電流量A1の下限値未満であるか否かを判断し(S730)、下限値未満である場合には(S730でYes)、当該充電開始制御処理を終了して、S520に移行する。このようにして、補正後の使用可能電流量Apが、充電ユニット63に設定可能な電流量A1の下限値未満である場合には、充電制御装置30から受信した充電動作の禁止解除の命令を無視して、充電動作の禁止状態(リレー回路59をオフした状態)を継続する。
【0107】
一方、補正後の使用可能電流量Apが、充電ユニット63に設定可能な電流量A1の下限値以上である場合には(S730でNo)、この補正後の使用可能電流量Apが予め定められた標準値Arより大きいか否かを判断し(S750)、使用可能電流量Apが標準値Arよりも大きい場合には(S750でYes)、充電ユニット63に対し充電時の電流量A1として標準値Arを設定した後(S760)、リレー回路59をオンに設定することで(S770)、充電ユニット63に電流量Arで高圧バッテリBHの充電動作を開始させる。その後、充電開始制御処理を終了して、S520に移行する。
【0108】
これに対し、補正後の使用可能電流量Apが標準値Ar以下である場合には(S750でNo)、充電ユニット63に対し、充電時の電流量A1として上記補正後の使用可能電流量Apを設定した後(S780)、リレー回路59をオンに設定することで(S790)、充電ユニット63に、この時点での使用可能電流量Apで高圧バッテリBHの充電動作を開始させる。その後、充電開始制御処理を終了して、S520に移行する。
【0109】
以上、第三実施例について説明したが、本実施例の充電システムによれば、第二実施例と同様、高圧バッテリBHの充電開始による停電の発生を抑制することができる。
尚、本実施例と「特許請求の範囲」との対応関係は、次の通りである。即ち、停電解消後、電流計15からの入力信号に基づき特定される宅内の電流使用量A0及び電流上限値Axを記した解除命令信号を送信する処理(S440)及び充電装置60の制御ユニット67が解除命令信号を受信すると、解除命令信号が示す宅内の電流使用量A0及び電流上限値Axに基づき、充電ユニット63に充電時の電流量A1として設定すべき電流量を決定し、充電ユニット63にこの電流量にて充電動作を再開させる処理(S760,S770,S780,S790)は、請求項13記載の設定変更手段に対応する。
[第四実施例]
続いて、第四実施例について説明する。但し、第四実施例の充電システムは、分電盤10に電流計15が設けられていないこと、及び、充電制御装置30の制御ユニット37が実行する充電制御信号出力処理の内容が異なることを除けば第一実施例と同一構成であるため、以下では、制御ユニット37が実行する充電制御信号出力処理の内容を選択的に説明する。また、第一実施例と同一の手順には、同一ステップ番号を付し、これらの手順の詳細な説明を適宜省略する。
【0110】
第一実施例の内容から理解できるように、第四実施例においても、充電装置50は、充電制御信号として通信インタフェース55を通じて解除命令信号を受信すると、リレー回路59をオンに切り替えて、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を開始し、充電制御信号として禁止命令信号を受信すると、リレー回路59をオフに切り替えて、充電ユニット53による高圧バッテリBHの充電動作を禁止する。
【0111】
この充電装置50が充電プラグPLを介して電源ソケット31に接続されると、充電制御装置30の制御ユニット37は、図13に示す充電制御信号出力処理を開始する。この充電制御信号出力処理では、第一実施例と概ね同様の処理を実行するが、ユーザインタフェース38を通じて待機時間の設定操作がなされた場合には(S150でYes)、その操作内容に従って、記憶ユニット39が記憶する待機時間Twの設定値を更新する(S160)。尚、記憶ユニット39が記憶する待機時間Twの設定値は、停電解消後、充電動作を再開するまでの待ち時間である(詳細後述)。
【0112】
また、停電発生後のS200では、図14に示す自動再開処理を開始する。この自動再開処理を充電制御信号出力処理と並列に行う点は、第一実施例と同一である。図14に示す自動再開処理を開始すると、制御ユニット37は、第一実施例と同様に、S410,S420の処理を行う。そして、停電が解消すると(S410でYes)、この時点からの経過時間Tmの計測を開始する(S460)。
【0113】
その後には、停電解消時からの経過時間Tmが記憶ユニット39により記憶保持される待機時間Twの設定値を超えるか、停電が発生するか、充電停止操作がなされるか、電源ソケット31からの充電装置50の接続解除がなされるまで待機する(S470,S480)。
【0114】
そして、停電が発生するか、充電停止操作がなされるか、接続解除がなされると(S480でYes)、当該自動再開処理を終了する。一方、停電解消時からの経過時間Tmが待機時間Twの設定値を超えると(S470でYes)、通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する充電制御信号を、禁止命令信号から解除命令信号に切り替えることにより、充電装置50に、停電を契機に禁止状態としていた高圧バッテリBHの充電動作を再開させる(S490)。その後、当該自動再開処理を終了する。
【0115】
以上に、第四実施例について説明したが、本実施例では、停電が発生する契機となった電気製品の使用による宅内の電流使用量A0の上昇は一時的であるケースが多いという統計的な傾向から、停電解消時からの経過時間Tmが待機時間Twの設定値を超えた時点で充電動作の禁止状態を解除することで、ユーザが充電再開のためにユーザインタフェース38を操作しなくても、充電による再停電の発生を抑えて、適切なタイミングに自動で高圧バッテリBHの充電動作を再開できるようにした。
【0116】
本実施例によれば、簡単な処理手順で、充電装置50による高圧バッテリBHの充電動作を、再停電が発生しないように制御でき、宅内の電流使用量A0を特定するために電流計15を設けなくて済む。従って、本実施例によれば、比較的安価に、再停電を抑制可能な充電システムを構築することができて、便利である。
【0117】
また、本実施例と「特許請求の範囲」との対応関係は、次の通りである。即ち、停電解消後、待機時間Twが経過した時点で解除命令信号を、通信インタフェース35を通じて充電装置50に送信する処理(S490)及び充電装置50の制御ユニット57が解除命令信号を受信すると、リレー回路59をオンに設定して充電ユニット53による充電動作を再開させる処理(S570)は、請求項5,6記載の制限解除手段に対応する。
[第五実施例]
続いて、第五実施例について説明する。図15に示すように第五実施例の充電システム2については、宅内の設備が従来と同一である点が注目すべき点である。即ち、第五実施例の充電システム2において、本発明に係る特徴は、全て充電装置70が有しており、本実施例によれば、宅内設備を変更することなく、高圧バッテリBHの充電再開による再停電を抑制することができる。
【0118】
以下、第五実施例の充電システム2の詳細構成を説明するが、第一実施例と同一構成の部位には同一符号を付して説明を適宜省略する。図15に示すように、本実施例の充電装置70は、車両5に搭載され、充電プラグPLを介して、宅内に設けられた電源ソケット19のいずれかに接続される。電源ソケット19の上流地点には、アンペアブレーカ11が設置されており、第一実施例と同様、宅内の電流使用量A0が所定の上限値Axを超えると、アンペアブレーカ11の機能により電源ソケット19への電力供給は停止される。
【0119】
この電源ソケット19からの電力供給を受けて車両5に設置された高圧バッテリBHを充電する充電装置70は、図15に示すように、コネクタ51と、充電ユニット53と、第一実施例の制御ユニット57に対応する制御ユニット77と、ユーザが操作可能な各種操作スイッチ及び表示デバイスを備えるユーザインタフェース78と、リレー回路59とを備える。
【0120】
また、制御ユニット77は、ユーザインタフェース78を通じて充電開始条件についての設定開始操作がなされると、図16に示す充電制御処理を実行する。
充電制御処理を開始すると、制御ユニット77は、ユーザインタフェース78の表示デバイスに、充電開始時刻の入力画面を表示し、ユーザインタフェース78を通じて充電開始時刻Tsの入力操作を受け付けて、入力された充電開始時刻Tsを記憶保持する(S910)。この後、制御ユニット77は、停電解消後における充電動作再開までの待機時間Twの入力操作を、ユーザインタフェース78を通じて受け付けて、入力された待機時間Twを記憶保持する(S920)。尚、充電開始時刻Ts及び待機時間Twは、低圧バッテリからの電力供給を受けて常時記憶保持可能な制御ユニット77が有する記憶回路(図示せず)に記憶保持される。ここでは充電開始時刻Tsとして日時の入力を受け付けることができる。
【0121】
S920までの処理を終えると、制御ユニット77は、上記入力された充電開始時刻Tsが到来するまで待機し(S930)、充電開始時刻Tsが到来すると(S930でYes)、充電装置70が充電プラグPLを介して電源ソケット19に接続されているか否かを判断する(S940)。具体的には、検知部531からの入力信号に基づき、充電ユニット53がコネクタ51を通じて外部電源からの電力供給を受け高圧バッテリBHを充電可能な状態になっているか否かを判断する。
【0122】
そして、接続されていないと判断すると(S940でNo)、当該充電制御処理を終了する。一方、接続されていると判断すると(S940でYes)、リレー回路59をオンして充電動作を開始する(S950)。尚、リレー回路59は、第一実施例と同様、初期状態でオフに設定されているものとする。また、第一実施例と同様、制御ユニット77は、検知部531からの入力信号に基づき、充電装置70が電源ソケット19に接続されたときにリレー回路59を一旦オフする構成にされてもよい。
【0123】
S950での処理を終えると、制御ユニット77は、停電が発生するか(S960)、ユーザインタフェース78を通じて充電の中断操作がなされるか(S970)、高圧バッテリBHが満充電となる(S980)まで待機する。
【0124】
尚、充電ユニット53には高圧バッテリBHの満充電を検知して充電動作を停止する機能が備わっているため、高圧バッテリBHが満充電となったか否かの判断は、充電ユニット53の動作を監視して、満充電による充電ユニット53の充電動作の停止を検知することにより実現することができる。また、停電が発生したか否かの判断については、検知部531からの入力信号に基づき判断することができる。付言すると、検知部531の構成によっては、宅内の停電と電源ソケット19からの充電装置70の接続解除とを区別できないが、ここでは、これを問題としない。
【0125】
そして、ユーザインタフェース78を通じて中断操作がなされるか(S970でYes)、高圧バッテリBHが満充電となると(S980でYes)、リレー回路59をオフに設定して(S990)、当該充電制御処理を終了する。
【0126】
一方、停電が発生すると(S960でYes)、制御ユニット77は、リレー回路59をオフに設定した後(S1000)、停電が解消するか(S1010)、所定のタイムアウト時間が経過する(S1020)まで待機する。尚、停電が解消したか否かは、検知部531からの入力信号に基づき判断する。
【0127】
そして、停電が解消せずに所定のタイムアウト時間が経過した場合には(S1020でYes)、ブレーカ落ち以外の原因でコネクタ51からの電力供給が停止したと取り扱って、当該充電制御処理を終了する。
【0128】
一方、停電が解消すると(S1010でYes)、制御ユニット77は、S1030に移行し、停電解消時からの経過時間Tmの計測を開始する。
その後、制御ユニット77は、停電解消時からの経過時間TmがS920で入力された待機時間Twを超えるか(S1040)、ユーザインタフェース78を通じて充電の中断操作がなされる(S1050)まで待機し、中断操作がなされると(S1050でYes)、当該充電制御処理を終了する。これに対し、停電解消時からの経過時間Tmが待機時間Twを超えると(S1040でYes)、リレー回路59をオンに設定して、充電ユニット53に高圧バッテリBHの充電動作を再開させる(S1060)。その後、S960に移行する。
【0129】
以上、第五実施例について説明したが、本実施例によれば、充電装置70が独立して高圧バッテリBHの充電動作を制御するので、宅内設備を変更することなく、宅内の再停電を抑制することができる。換言すると、高圧バッテリBHの充電動作によって停電が発生した際の再停電を抑制可能な充電システムを簡単に構築することができる。
[その他]
以上に、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0130】
例えば、本発明は、充電対象の高圧バッテリBHを車両5から取り外して充電可能なシステムに適用することができる。即ち、充電装置50,60,70を、車両5内に固定せずに持ち運び可能な構成すると共に、車両5から取り外された高圧バッテリBHを装着可能な構成にする。そして、高圧バッテリBHの充電時には、高圧バッテリBHを車両5から取り外して充電装置50,60,70に装着すると共に、充電装置50,60,70を、充電プラグPLを介して電源ソケット31,19に接続するといった具合である。このような充電システムに本発明を適用しても、上述した効果を得ることができる。尚、このような充電システムの場合、充電装置50,60は、充電制御装置30と一体に構成することができる。
【0131】
この他、上記実施例では、充電プラグPLを充電装置50,60,70から着脱可能としたが、充電プラグPLは、充電装置50,60,70と一体に構成されてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1,2…充電システム、5…車両、10…分電盤、11…アンペアブレーカ、13…配線用遮断器群、15…電流計、19,31…電源ソケット、30…充電制御装置、33…電源ユニット、34…バッテリ、35,55…通信インタフェース、37,57,67,77…制御ユニット、38,78…ユーザインタフェース、39…記憶ユニット、50,60,70…充電装置、51…コネクタ、53,63…充電ユニット、59…リレー回路、100…モータ、110…モータ駆動回路、311…接続検知部、331…停電検知部、531…検知部、631…調整部、BH…高圧バッテリ、PL…充電プラグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて供給される電力によりバッテリを充電する充電手段と、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記電力供給の再開後における前記充電手段による前記バッテリの充電動作を制限する充電制限手段と、
前記電力供給の再開後、所定条件が満足されると前記制限を解除する制限解除手段と、
を備えることを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記充電制限手段は、前記バッテリの充電動作を禁止することにより、前記バッテリの充電動作を制限すること
を特徴とする請求項1記載の充電システム。
【請求項3】
前記制限解除手段は、前記電力供給の再開後、ユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、前記所定条件が満足されたとして前記制限を解除すること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の充電システム。
【請求項4】
前記宅内には、送信インタフェースが設けられ、
前記充電手段は、宅内配線された前記電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続される充電装置内に設けられ、
前記充電装置内には、更に、前記送信インタフェースを通じて送信される信号を受信可能な受信インタフェースが設けられており、
前記充電制限手段は、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記充電を制限するように命令する制限命令信号を送信する前記宅内の制限命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記制限命令信号を受信すると、前記充電手段による前記バッテリの充電動作を制限する前記充電装置内の制限命令受付手段と、
を構成要素とする手段であり、
前記制限解除手段は、
前記電力供給の再開後、前記宅内に設けられた前記ユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、前記送信インタフェースを通じて前記制限を解除するように命令する解除命令信号を送信する前記宅内の解除命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記解除命令信号を受信すると、前記制限を解除する前記充電装置内の解除命令受付手段と、
を構成要素とする手段であること
を特徴とする請求項3記載の充電システム。
【請求項5】
前記制限解除手段は、前記電力供給の再開後、所定時間が経過すると、前記所定条件が満足されたとして前記制限を解除すること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の充電システム。
【請求項6】
前記宅内には、送信インタフェースが設けられ、
前記充電手段は、宅内配線された前記電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続される充電装置内に設けられ、
前記充電装置内には、更に、前記送信インタフェースを通じて送信される信号を受信可能な受信インタフェースが設けられており、
前記充電制限手段は、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記充電を制限するように命令する制限命令信号を送信する前記宅内の制限命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記制限命令信号を受信すると、前記充電手段による前記バッテリの充電動作を制限する前記充電装置内の制限命令受付手段と、
を構成要素とする手段であり、
前記制限解除手段は、
前記電力供給の再開後に所定時間が経過すると、前記送信インタフェースを通じて、前記制限を解除するように命令する解除命令信号を送信する前記宅内の解除命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記解除命令信号を受信すると、前記制限を解除する前記充電装置内の解除命令受付手段と、
を構成要素とする手段であること
を特徴とする請求項5記載の充電システム。
【請求項7】
前記制限解除手段は、前記宅内の電流使用量を検知可能な検知器から、前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記宅内の電流使用量が所定条件を満足すると、前記制限を解除すること
を特徴とする請求項1又は請求項2記載の充電システム。
【請求項8】
前記所定条件は、前記充電動作の制限を解除すると前記制限器の動作により電力供給が再度停止される前記宅内の電流使用量を基準に定められていること
を特徴とする請求項7記載の充電システム。
【請求項9】
前記宅内には、送信インタフェースが設けられ、
前記充電手段は、宅内配線された前記電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続される充電装置内に設けられ、
前記充電装置内には、更に、前記送信インタフェースを通じて送信される信号を受信可能な受信インタフェースが設けられており、
前記充電制限手段は、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記充電を制限するように命令する制限命令信号を送信する前記宅内の制限命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記制限命令信号を受信すると、前記充電手段による前記バッテリの充電動作を制限する前記充電装置内の制限命令受付手段と、
を構成要素とする手段であり、
前記制限解除手段は、
前記電力供給の再開後に、前記検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を逐次取得し、この検知結果が示す前記宅内の電流使用量が所定条件を満足すると、前記送信インタフェースを通じて、前記制限を解除するように命令する解除命令信号を送信する前記宅内の解除命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記解除命令信号を受信すると、前記制限を解除する前記充電装置内の解除命令受付手段と、
を構成要素とする手段であること
を特徴とする請求項7又は請求項8記載の充電システム。
【請求項10】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて供給される電力を、予め設定された使用可能電流量を逸脱しない範囲内で使用して、バッテリを充電する充電手段と、
前記宅内の電流使用量を検知可能な検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記使用可能電流量の設定値を変更する設定変更手段と、
を備えることを特徴とする充電システム。
【請求項11】
前記制限器からの電力供給が停止すると、現在設定されている使用可能電流量での前記充電手段による前記バッテリの充電動作を禁止する充電禁止手段を備え、
前記設定変更手段は、前記電力供給の再開後、前記検知器から取得した検知結果が示す前記宅内の電流使用量に基づき、前記使用可能電流量の設定値を変更して、前記充電手段に前記変更後の使用可能電流量を逸脱しない範囲内での前記バッテリの充電動作を開始させること
を特徴とする請求項10記載の充電システム。
【請求項12】
前記宅内には、送信インタフェースが設けられ、
前記充電手段は、宅内配線された前記電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続される充電装置内に設けられ、
前記充電装置内には、更に、前記送信インタフェースを通じて送信される信号を受信可能な受信インタフェースが設けられており、
前記充電禁止手段は、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記充電を禁止するように命令する禁止命令信号を送信する前記宅内の禁止命令手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記禁止命令信号を受信すると、現在設定されている使用可能電流量での前記充電手段による前記バッテリの充電動作を禁止する前記充電装置内の禁止命令受付手段と、
を構成要素とする手段であり、
前記設定変更手段は、
前記電力供給の再開後に、前記検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、新たに設定すべき前記使用可能電流量を決定し、前記決定した前記使用可能電流量を通知する通知信号を、前記送信インタフェースを通じて送信する前記宅内の通知手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記通知信号を受信すると、前記使用可能電流量の設定値を、前記通知信号が示す前記使用可能電流量に変更して、前記充電手段に前記変更後の使用可能電流量を逸脱しない範囲内での前記バッテリの充電動作を開始させる前記充電装置内の変更手段と、
を構成要素とする手段であること
を特徴とする請求項11記載の充電システム。
【請求項13】
前記設定変更手段は、前記通知手段及び前記変更手段に代えて、
前記電力供給の再開後に、前記検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記宅内の電流使用量を通知する通知信号を、前記送信インタフェースを通じて送信する前記宅内の通知手段と、
前記受信インタフェースを通じて前記通知信号を受信すると、この通知信号が示す前記宅内の電流使用量に基づき、前記使用可能電流量の設定値を変更する前記充電装置内の変更手段と、
を構成要素とする手段であること
を特徴とする請求項12記載の充電システム。
【請求項14】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続され、当該電源ソケットを通じて制限器から供給される電力を使用してバッテリを充電し、前記充電を制限するように命令する制限命令信号を受信すると、前記制限命令信号に従って前記バッテリの充電動作を制限し、前記制限を解除するように命令する解除命令信号を受信すると、前記制限を解除する構成にされた充電装置
による前記バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
送信インタフェースと、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて前記制限命令信号を前記充電装置に送信する制限命令手段と、
前記電力供給の再開後、所定条件が満足されると、前記送信インタフェースを通じて前記解除命令信号を前記充電装置に送信する解除命令手段と、
を備えることを特徴とする充電制御装置。
【請求項15】
前記制限命令信号は、前記充電を禁止するように命令する信号であること
を特徴とする請求項14記載の充電制御装置。
【請求項16】
前記解除命令手段は、自装置が備えるユーザインタフェースを通じて充電の再開を許可する操作がなされると、前記所定条件が満足されたとして、前記送信インタフェースを通じて前記解除命令信号を前記充電装置に送信すること
を特徴とする請求項14又は請求項15記載の充電制御装置。
【請求項17】
前記解除命令手段は、前記電力供給の再開後、所定時間が経過すると、前記所定条件が満足されたとして、前記送信インタフェースを通じて前記解除命令信号を前記充電装置に送信すること
を特徴とする請求項14又は請求項15記載の充電制御装置。
【請求項18】
前記解除命令手段は、前記宅内の電流使用量を検知可能な検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記電力供給の再開後、前記宅内の電流使用量が所定条件を満足すると、前記送信インタフェースを通じて前記解除命令信号を前記充電装置に送信すること
を特徴とする請求項14又は請求項15記載の充電制御装置。
【請求項19】
前記所定条件は、前記充電動作の制限を解除すると前記制限器の動作により電力供給が再度停止される前記宅内の電流使用量を基準に定められていること
を特徴とする請求項18記載の充電制御装置。
【請求項20】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続され、当該電源ソケットを通じて制限器から供給される電力を使用してバッテリを充電し、使用可能電流量を通知する通知信号を受信すると、前記通知信号が示す前記使用可能電流量を逸脱しない範囲内で前記電源ソケットを通じて供給される電力を使用して前記バッテリを充電する構成にされた充電装置
による前記バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
送信インタフェースと、
前記宅内の電流使用量を検知可能な検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記充電装置に通知する前記使用可能電流量を決定し、前記決定した前記使用可能電流量を示す前記通知信号を、前記送信インタフェースを通じて前記充電装置に送信する通知手段と、
を備えることを特徴とする充電制御装置。
【請求項21】
前記充電装置は、前記バッテリの充電を禁止するように命令する禁止命令信号を受信すると前記バッテリの充電動作を禁止し、その後、前記使用可能電流量を通知する通知信号を受信すると、前記通知信号が示す前記使用可能電流量を逸脱しない範囲内で前記電源ソケットを通じて供給される電力を使用して前記バッテリを充電する構成にされており、
前記充電制御装置は、前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記禁止命令信号を前記充電装置に送信する禁止命令手段を備え、
前記通知手段は、前記電力供給の再開後に、前記検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記充電装置に通知する前記使用可能電流量を決定し、前記決定した前記使用可能電流量を記した前記通知信号を、前記送信インタフェースを通じて前記充電装置に送信すること
を特徴とする請求項20記載の充電制御装置。
【請求項22】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続され、当該電源ソケットを通じて制限器から供給される電力を使用してバッテリを充電し、前記バッテリの充電を禁止するように命令する禁止命令信号を受信すると前記バッテリの充電動作を禁止し、その後、前記宅内の電流使用量を通知する通知信号を受信すると、前記通知信号が示す前記宅内の電流使用量に基づき前記バッテリの充電時に使用可能な電流量を決定して、前記決定した電流量を逸脱しない範囲内で前記電源ソケットを通じて供給される電力を使用して前記バッテリを充電する構成にされた充電装置
による前記バッテリの充電を制御する充電制御装置であって、
送信インタフェースと、
前記制限器からの電力供給が停止すると、前記送信インタフェースを通じて、前記禁止命令信号を前記充電装置に送信する禁止命令手段と、
前記電力供給の再開後に、前記宅内の電流使用量を検知可能な検知器から前記宅内の電流使用量についての検知結果を取得し、この検知結果に基づき、前記宅内の電流使用量を示す前記通知信号を、前記送信インタフェースを通じて前記充電装置に送信する通知手段と、
を備えることを特徴とする充電制御装置。
【請求項23】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続されるプラグと、
前記プラグを通じて供給される電力を使用して、バッテリを充電する充電手段と、
前記宅内からの電力供給の停止及び再開を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記宅内からの電力供給が停止したことが検知されると、前記電力供給の再開後における前記充電手段による前記バッテリの充電動作を制限する充電制限手段と、
前記検知手段により前記電力供給の再開が検知された後、所定条件が満足されると前記制限を解除する制限解除手段と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項24】
前記制限解除手段は、前記検知手段により前記電力供給の再開が検知された後、所定時間が経過すると、前記所定条件が満足されたとして前記制限を解除すること
を特徴とする請求項23記載の充電装置。
【請求項25】
宅内の電流使用量が上限値を超える場合には前記宅内への電力供給を停止する制限器から宅内配線された電源線を通じて電力供給される電源ソケットに接続されるプラグと、
前記宅内の電流使用量を通知する通知信号を受信可能な受信インタフェースと、
予め設定された使用可能電流量を逸脱しない範囲内で前記プラグを通じて供給される電力を使用して、バッテリを充電する充電手段と、
前記受信インタフェースを通じて受信した前記通知信号が示す前記宅内の電流使用量に基づき、前記使用可能電流量の設定値を変更する変更手段と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項26】
前記宅内からの電力供給の停止及び再開を検知する検知手段と、
前記検知手段により前記宅内からの電力供給が停止したことが検知されると、現在設定されている使用可能電流量での前記充電手段による前記バッテリの充電動作を禁止する充電禁止手段と、
を備え、
前記変更手段は、前記検知手段により前記電力供給の再開が検知された後、前記受信インタフェースを通じて受信した前記通知信号が示す前記宅内の電流使用量に基づき、前記使用可能電流量の設定値を変更して、前記充電手段に前記変更後の前記使用可能電流量を逸脱しない範囲内で前記プラグを通じて供給される電力を使用して前記バッテリを充電させること
を備えることを特徴とする請求項25記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−44807(P2012−44807A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185231(P2010−185231)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】