説明

充電システム及び充電方法

【課題】充電電力の無駄を防止し、劣化の進行を抑制すること。
【解決手段】充電システム10は、一つの態様において、組電池2と、充電器3と、制御部5とを有する。組電池2は、複数の蓄電池1が直列に接続されることで形成される。充電器3は、組電池2を形成する複数の蓄電池1各々を充電する。制御部5は、充電器3により充電される蓄電池1ごとの電圧値各々を監視し、満充電電圧となった蓄電池1があるとの監視結果が得られた場合に、充電器3から蓄電池1各々に供給する電力である充電電流を減少させるように充電器3を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電システム及び充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電源から出力される交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電流を負荷に供給する整流器がある。例えば、整流器は、商用の交流電力を受け付け、48Vなどの直流電力に変換した上で出力する。商用の交流電力が停電した場合でも負荷への給電を継続することを目的として、商用の交流電源が停電した際に、単電池と呼ばれる1本の蓄電池を複数個直列に接続した組電池をバックアップ電源として用いるシステムもある。
【0003】
図5は、従来の電源システムの一例を示す図である。図5に示すように、例えば、従来の電源システム40は、整流器47と、組電池42とを有する。図5に示す例では、説明の便宜上、交流電源44と、負荷48とを併せて示した。整流器47は、交流電源44から出力される交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電流を負荷48に供給する。組電池42は、複数の単電池41が直列に接続されて形成される。組電池42は、整流器47によって供給される直流電力により充電され、交流電源44の停電時に負荷48に直流電力を供給する。
【0004】
ここで、交流電源44が有効である場合には、整流器47が直流電力を出力し、組電池42を充電しながら負荷48に電力を供給する。また、交流電源44が停電した場合には、整流器47は直流電力の出力を停止することになり、組電池42が負荷48に電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−148485号公報
【特許文献2】特開2008−211935号公報
【特許文献3】特開2008−278668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
組電池42は、直列に接続された蓄電池41のうち、いずれか一つでも放電終止電圧となると、放電を停止する。また、最初に放電終止電圧に達する蓄電池41は、最もSOCが低かった蓄電池41となる。この結果、図5に示すような電源システムでは、満充電の状態において何時間バックアップできるかを示すバックアップ能力は、組電池42を形成する蓄電池41のうち、最もSOC(State Of Charge)が低い蓄電池41によって決定される。
【0007】
ここで、偏った経年劣化や製造上のばらつき、使用環境の差などによって、組電池単位で充電した場合、組電池42を形成する蓄電池41各々間において、印加電圧がばらつくことがある。この場合、組電池42の電圧が整流器47の出力電圧と等しくなって充電が終了したとしても、蓄電池41各々のSOCは同一とはならず、SOCがばらつくことがある。つまり、組電池42単位で充電を行うことで蓄電池41各々においてSOCがばらつく結果、組電池42全体としてのバックアップ能力が低下することになる。
【0008】
このことを踏まえ、蓄電池41各々に充電器を接続することで、蓄電池41全てを満充電(SOC=100%)とする手法が考えられる。しかしながら、蓄電池41全てを満充電とする手法では、充電電力が無駄になる場合や、組電池42を形成する複数の蓄電池41のうち、一部の蓄電池41について劣化が促進される場合があるという課題がある。
【0009】
この点について更に詳細に説明する。蓄電池41各々のSOCの上限値(SOH:State of Health)は、異なる場合がある。例えば、各蓄電池41のSOHは、製造段階においてばらつきが生じ、組電池42が形成された時点において既にばらつきが生じている。また、例えば、蓄電池41各々のSOHのばらつきは、蓄電池41各々の劣化度合いが温度等の使用環境の差によって差が生じる結果、更に拡大することもある。この結果、蓄電池41全てを満充電とする手法では、SOHが最も低い蓄電池41が最初に放電を停止する結果、組電池42のSOCは、SOHが最も低い蓄電池41によって決定される。
【0010】
ここで、蓄電池41各々のSOCのうち、SOHが最も低い蓄電池41のSOHを超える部分については、組電池42の放電時に放電されることなく放電が停止される。言い換えると、組電池42を形成する蓄電池41全てを満充電状態としたとしても、充電容量の一部は利用されることがなく、充電電力が無駄になる。また、蓄電池の種類によっては、満充電状態に置かれることで、蓄電池の劣化が促進されることもある。
【0011】
このように、蓄電池41を個々に充電することで、蓄電池41各々を満充電状態にしたとしても、そもそも蓄電池41各々にはSOHのばらつきがある結果、充電電力が無駄になり、蓄電池41の劣化が促進されることとなる。
【0012】
開示の技術は、上述に鑑みてなされたものであって、充電電力の無駄を防止し、劣化の進行を抑制可能となる充電システム及び充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
開示する充電システムは、一つの態様において、組電池と、充電器と、制御部とを有する。組電池は、複数の蓄電池が直列に接続されることで形成される。充電器は、前記組電池を形成する前記複数の蓄電池各々を充電する。制御部は、前記充電器により充電される前記蓄電池ごとの電圧値各々を監視し、満充電電圧となった前記蓄電池があるとの監視結果が得られた場合に、前記充電器から前記蓄電池各々に供給する電力である充電電流を減少させるように前記充電器を制御する。
【発明の効果】
【0014】
開示する充電システムの一つの態様によれば、充電電力の無駄を防止し、劣化の進行を抑制可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、実施例1における充電システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、実施例1における制御部による処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例1における充電器による出力電力、蓄電池の電圧、組電池に対して供給される充電電流の時系列上における変化の一例を示す図である。
【図4】図4は、整流器を有する充電システムの構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、従来の電源システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、開示する充電システム及び充電方法の実施例について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施例により開示する発明が限定されるものではない。各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0017】
図1は、実施例1における充電システムの構成の一例を示す図である。図1に示す例では、説明の便宜上、交流電源4を併せて示した。図1に示すように、充電システム10は、組電池2と、充電器3と、制御部5とを有する。
【0018】
組電池2は、複数の蓄電池1が直列に接続されることで形成され、交流電源4の停電時に負荷に直流電力を供給する。例えば、蓄電池1は、リチウムイオン蓄電池(定格電圧3.7V、満充電電圧4.1V、定格容量200Ah)であり、組電池2は、12個の蓄電池1が直列に接続されることで形成される。なお、以下では、蓄電池1がリチウムイオン蓄電池である場合を例として説明するが、これに限られるものではなく、任意の蓄電池であって良い。また、電圧値や電流値として記載した値は一例であり、これに限定されるものではなく、任意の値を用いて良い。なお、以下では、満充電電圧を「第1の電圧」「V1」とも記載する。
【0019】
ここで、蓄電池1各々は、SOH(State of Health)が異なる場合がある。例えば、蓄電池1各々間におけるSOHのばたつきは、製造段階において生じる。また、例えば、蓄電池1各々間におけるSOHのばたつきは、蓄電池1各々の劣化度合いが温度等の使用環境の差によって差が生じる結果、更に拡大する。
【0020】
充電器3は、組電池2を形成する複数の蓄電池1各々を充電する。例えば、充電器3は、交流電源4から受けた交流電力を直流電力に変換して出力することで、組電池2を充電する。充電器3により組電池2に出力される電流である充電電流(垂下電流)は、例えば、最大40Aとなる。
【0021】
制御部5は、充電器3により充電される蓄電池1ごとの電圧値各々を監視し、満充電電圧となった蓄電池1があるとの監視結果が得られた場合に、充電器3により蓄電池1各々に供給される電力である充電電力を減少させる。つまり、制御部5は、充電器3から蓄電池1各々に供給する電力である充電電流を減少させるように充電器3を制御する。例えば、制御部5は、蓄電池1各々の電圧を計測し、蓄電池1各々に出力する充電電流値(垂下電流値)を充電器3に指示することで、充電電力を減少させる。
【0022】
なお、制御部5は、例えば、各種の処理手順などを規定したプログラムを記憶する内部メモリを有し、種々の処理を制御する。制御部5は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などである。
【0023】
図2は、実施例1における制御部による処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、適宜図3を参照した上で、制御部5による処理の一例を説明する。図3は、
実施例1における充電器による出力電力、蓄電池の電圧、組電池に対して供給される充電電流の時系列上における変化の一例を示す図である。図3において、横軸は時間軸を示す。また、図3において、グラフ31の縦軸は、充電器3による出力電力を示す。グラフ32の縦軸は、蓄電池1の電圧を示す。グラフ33の縦軸は、組電池2に対して供給される充電電流を示す。なお、グラフ32においては、線各々が、それぞれ、複数ある蓄電池1各々の電圧各々に対応する。
【0024】
図2に示すように、充電器3による蓄電池1各々の充電が開始されると、制御部5は、充電器3の出力電流(垂下電流)を40A(I1)とする(ステップS101)。すなわち、充電開始当初においては、蓄電池1各々が未充電状態にあり、40A(I1)の充電電流があっても組電池2の電圧が低いため、制御部5は、充電器3が垂下して40A(I1)の一定電流による充電を行うように制御する。
【0025】
ここで、図3の「0」から「t1」に示すように、充電が進行するに従って、蓄電池1各々の電圧は上昇し、充電器3の出力電圧も上昇する。ここで、上述したように、蓄電池1各々のSOHは、異なる。この結果、図3の「0」から「t1」に示すように、複数ある蓄電池1各々間にあるSOHばらつきが、電圧差となって現れ、蓄電池1各々間の電圧差が維持されたまま、蓄電池1各々の電圧が上昇する。
【0026】
ここで、制御部5は、充電中、蓄電池1各々の電圧値を監視し、各蓄電池1の電圧値のうち最大値をV1と比較する(ステップS102)。つまり、制御部5は、複数ある蓄電池1各々のうち、満充電電圧以上となった蓄電池1の有無を判定する。なお、上述したように、個々の蓄電池1各々の電圧値の上限値は異なることを踏まえ、制御部5は、蓄電池1ごとの最大値と比較する。
【0027】
ここで、制御部5は、最大値がV1未満であると判定した場合には(ステップS102否定)、ステップS102の判定処理を繰り返す。なお、制御部5によりステップS102の判定処理が繰り返されている間、充電電流I1による充電が継続されることとなる。
【0028】
一方、制御部5は、最大値がV1以上となったと判定した場合には(ステップS102肯定)、充電器3により出力される出力電流を0.1A(ΔI)低下させる(ステップS103)。つまり、制御部5は、満充電電圧となった蓄電池1があるとの監視結果が得られた場合に、充電器3により蓄電池1各々に供給される電力である充電電力を減少させる。
【0029】
その後、制御部5は、組電池2の充電電流が予め設定された最低値となっているか否かを判定する(ステップS104)。ここで、例えば、予め設定された充電電流が「0.5A」である場合には、制御部5は、組電池2の充電電流が「0.5A」以下であると判定した場合には(ステップS104肯定)、充電を終了させる。一方、制御部5は、組電池2の充電電流が「0.5A」以下でないと判定した場合には(ステップS104否定)、ステップS102に戻り、処理を繰り返す。
【0030】
すなわち、図3の「t1」〜「t2」に示すように、制御部5によって充電電流が調整される結果、組電池2のうち最も高い電圧の蓄電池1の電圧がV1に維持されたまま、充電電流が徐々に減少しながらも充電が進行し、予め設定された最低値に充電電流が達したときに、充電終了となる。
【0031】
なお、図2に示す例では、制御部5が、蓄電池1のうちいずれかの電圧値が最大値となった場合に、充電電流を徐々に減少させながら充電をしばらく進行させた上で、充電終了とする場合を例に示したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部5は、蓄電池1のうちいずれかの電圧値が最大値となった場合に、すぐに充電を終了させても良い。
【0032】
また、制御部5は、上述したステップS103にて用いる蓄電池1ごとの電圧値の最大値として、急速充電において充電可能となる電圧の最大値を満充電電圧として用いても良い。蓄電池1を急速に充電する急速充電においては、経験則上、蓄電池1は100%充電されるわけではない。例えば、蓄電池1は、80%〜90%充電されるに留まる場合がある。この場合、急速充電の後に、充電電流の大きさを急速充電時と比較して減少した上で充電を継続することで、充電率を向上させることが可能となる場合がある。このことを踏まえ、例えば、制御部5は、蓄電池1各々の急速充電を開始した後に、急速充電において充電可能となる電圧の最大値を満充電電圧を用いて図2におけるステップS103を実行し、その後、充電電流を減少した上で充電をしばらく継続することで、急速充電を用いながら、蓄電池1各々の充電率を高めることが可能となる。
【0033】
なお、予め設定された充電電流の最低値を「第2の電流:I2」とも記載する。上述した説明では、第2の電流として「0.5A」を用いる場合を例に示したが、これに限定されるものではなく、任意の値を用いて良い。
【0034】
ここで、充電終了時点における蓄電池1各々について更に説明する。充電終了時点においては、蓄電池1のうち、図2におけるステップS102においてV1に達したと判定された蓄電池1については、満充電に達している。一方、図2におけるステップS102においてV1に達したと判定された蓄電池1以外の蓄電池1については、V1に達しておらず、満充電しているとは言えない。すなわち、V1に達したと判定された蓄電池1は、SOHが最も低い蓄電池1となり、この蓄電池1が組電池2のSOCを支配することとなる。V1に達したと判定された蓄電池1は、他の蓄電池1と比較して早く満充電電圧となったことを示し、他の蓄電池1よりもSOHが低いこととなるからである。
【0035】
上述したように、実施例1によれば、組電池2と、充電器3とを有し、制御部5が、充電器3により充電される蓄電池1ごとの電圧値各々を監視し、満充電電圧となった蓄電池1があるとの監視結果が得られた場合に、充電器3により蓄電池1各々に供給される電力である充電電力を減少させる。
【0036】
また、実施例1によれば、制御部5は、充電器3により供給される充電電流が所定値以下となった場合に、充電器3による充電を終了させる。この結果、充電電力の無駄を防止し、劣化の進行を抑制可能となる。
【0037】
すなわち、充電終了時点においては、蓄電池1のうち、図2におけるステップS102においてV1に達したと判定された蓄電池1については、満充電に達している。一方、図2におけるステップS102においてV1に達したと判定された蓄電池1とは別の蓄電池1については、V1に達しておらず、満充電していない。ここで、V1に達したと判定された蓄電池1は、SOHが最も低い蓄電池1となり、この蓄電池1が組電池2のSOCを支配することとなる。V1に達したと判定された蓄電池1は、他の蓄電池1と比較して早く満充電電圧となったことを示し、他の蓄電池1よりもSOHが低いこととなるからである。
【0038】
ここで、図2におけるステップS102において、V1に達したと判定された後に、V1に達したと判定された蓄電池1以外の蓄電池1について満充電にしたとしても、V1に達したと判定された後に充電された電力については、放電する際には、V1に達したと判定された蓄電池1の放電が終了した時点で放電が停止される結果、放電時に利用されない。このことを踏まえ、V1に達したと判定された後に、V1に達したと判定された蓄電池1以外の他の蓄電池1を充電することなく充電終了とする。この結果、充電電力の無駄を防止することが可能となる。また、V1に達したと判定された蓄電池1以外の蓄電池1について満充電としない結果、蓄電池の劣化を防止可能となる。
【実施例2】
【0039】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、その他の実施例にて実施されても良い。そこで、以下では、その他の実施例を示す。なお、以下では、上述した実施例と同様の点については、説明を適宜省略する。
【0040】
[整流器]
上述した実施例では、充電器3により組電池2を充電する充電システムを例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、充電システムは、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電流を供給する整流器を更に有し、交流電源が停電していない際に、整流器が、負荷に直流電流を供給しつつ、充電電力を組電池2に供給することで蓄電池1各々を充電しても良い。
【0041】
図4は、整流器を有する充電システムの構成の一例を示す図である。図4に示す例では、説明の便宜上、負荷8を併せて示した。また、図4に示す例では、説明の便宜上、3つの制御部5と、3つの組電池2と、3つの充電器3と、3つのダイオード6とを有する場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、制御部5と組電池2と充電器3とダイオード6とは、それぞれ一つずつであっても良く、任意の数であって良い。
【0042】
図4に示すように、充電システム20は、整流器7とダイオード6とを更に有する。整流器7は、交流電源4から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電流を負荷8に供給する。図4に示す例では、複数の組電池2の出力は、整流器7と並列接続される。また、充電器3により組電池2を形成する蓄電池1各々を充電することを目的として、それぞれの組電池2の出力に放電方向にのみ電力を通すダイオード6を有する。
【0043】
[交換時期]
組電池2では、充放電を繰り返すことで、又は、経年変化により、蓄電池1が劣化する。このことを踏まえ、充電システムに対して、交換時期を判定する判定部を更に設けても良い。なお、判定部は、制御部5の一部として実現しても良く、制御部5とは別の部として搭載しても良い。
【0044】
すなわち、充電終了時に電圧が満充電電圧V1に到達した蓄電池1は最もSOHが低く、他の蓄電池1の電圧は満充電電圧V1に到達していないことからSOHがより高いと考えられる。このことを踏まえ、充電終了時の満充電電圧V1に到達しなかった蓄電池1の電圧値に基づき、個々の蓄電池1の劣化度合いを推定しても良い。
【0045】
例えば、判定部は、充電器3による充電終了時における蓄電池1ごとの電圧値各々を取得し、取得した電圧値各々の平均値が所定値を下回った場合に、満充電電圧となったとの監視結果が得られた蓄電池1について、交換対象であると判定しても良い。
【0046】
より詳細な一例をあげて説明する。充電終了時において、12個ある蓄電池1の電圧各々が、それぞれ、4.1V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.00V、4.00V、4.00Vである場合を用いて説明する。この場合、判定部は、電圧値各々の平均値「4.042V」を算出する。ここで、判定部は、例えば、予め設定された平均値の下限値を、算出した平均値が下回った場合には、最もSOHが低下した蓄電池1が交換対象であると判定しても良い。例えば、判定部は、予め設定された下限値が「4.05V」である場合には、電圧値各々の平均値「4.042V」を算出すると、上述した図2のステップS102にてV1に達したと判定した蓄電池1が交換対象であると判定する。
【0047】
また、判定部は、充電器3による充電終了時における蓄電池1ごとの電圧値各々を取得し、取得した電圧値各々の平均値より所定の値以上低い電圧値が取得された蓄電池1について、交換対象であると判定しても良い。
【0048】
より詳細な一例をあげて説明する。充電終了時において、12個ある蓄電池1の電圧値各々が、それぞれ、4.1V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、4.05V、3.90Vである場合を用いて説明する。この場合、判定部は、電圧値各々の平均値「4.042V」を算出する。ここで、判定部は、例えば、予め閾値が設定された上で、算出した平均値から予め設定された閾値より低い電圧値を示した蓄電池1について、交換対象であると判定しても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 蓄電池
2 組電池
3 充電器
4 交流電源
5 制御部
6 ダイオード
7 整流器
8 負荷
10 充電システム
20 充電システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池が直列に接続されることで形成される組電池と、
前記組電池を形成する前記複数の蓄電池各々を充電する充電器と、
前記充電器により充電される前記蓄電池ごとの電圧値各々を監視し、満充電電圧となった前記蓄電池があるとの監視結果が得られた場合に、前記充電器から前記蓄電池各々に供給する電力である充電電流を減少させるように前記充電器を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記充電器により供給される前記充電電流が所定値以下となった場合に、該充電器による充電を終了させることを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電器による充電終了時における前記蓄電池ごとの電圧値各々を取得し、取得した該電圧値各々の平均値が所定値を下回った場合に、前記満充電電圧となったとの監視結果が得られた該蓄電池について、交換対象であると判定することを特徴とする判定部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記充電器による充電終了時における前記蓄電池ごとの電圧値各々を取得し、取得した該電圧値各々の平均値より所定の値以上低い電圧値が取得された該蓄電池について、交換対象であると判定することを特徴とする判定部を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の充電システム。
【請求項5】
交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電流を負荷に供給する整流器を更に備え、
前記組電池は、前記交流電源の停電時に前記負荷に直流電力を供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の充電システム。
【請求項6】
複数の蓄電池が直列に接続されることで形成される組電池と、前記組電池を形成する前記複数の蓄電池各々を充電する充電器とを有する充電システムで実行される充電方法であって、
前記充電器により充電される前記蓄電池ごとの電圧値各々を監視する監視ステップと、
前記監視ステップにより満充電電圧となった前記蓄電池があるとの監視結果が得られた場合に、前記充電器から前記蓄電池各々に供給する電力である充電電流を減少させるように前記充電器を制御する制御ステップと
を含んだことを特徴とする充電方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−21835(P2013−21835A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154035(P2011−154035)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(593063161)株式会社NTTファシリティーズ (475)
【Fターム(参考)】