説明

充電制御システム

【課題】防犯又は防災の警戒動作中に盗電が発生する可能性を低減できる充電制御システムを提供する。
【解決手段】充電制御システムは、異常検知装置2及び報知装置3からなるセキュリティシステム1と、充電制御装置4とを備える。異常検知装置2は、建物の防犯又は防災に関わる異常を検知する。報知装置3は、異常検知装置2から異常の検知情報を受信し、異常発生を報知する。充電制御装置4は、電動車両が備える蓄電措置への給電を制御する。報知装置3の動作モードが、建物内に人がいない状態で異常検知装置2から異常の検知情報が入力されると報知動作を行う第1警戒モードに設定されると、充電制御装置4は、電源から蓄電装置への給電を許可しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場に駐車された電気自動車と建物の電力出力端子とを接続ケーブルで接続して、電気自動車を充電する場合に、電気自動車の周りに人が所定時間存在することが検知されると、警告音を発生する防犯システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また上記の防犯システムでは、セキュリティモード時に所定の充電時刻がくると、電気自動車への充電を自動的に開始することも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−92221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の防犯システムでは、充電中の盗電や自動車そのものの盗難が起こらないように、充電中の電気自動車から接続ケーブルが外されるのを検出すると警報を発していた。また充電中に接続ケーブルが外されて、自動車そのものが盗難されないよう、充電中に電気自動車の周りに人が所定時間存在することが検知されると、警報音を発生するようになっていた。しかしながら、警報モードにセットされた状態で、電力出力端子に接続ケーブルを介して電気自動車を接続すれば、電力出力端子から電気自動車に電力が供給されるため、他人が電気自動車を無断で接続し、勝手に充電する可能性があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、防犯又は防災の警戒動作中に盗電が発生する可能性を低減できる充電制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願の充電制御システムは、異常検知装置と報知装置と充電制御装置とを備える。異常検知装置は建物の防犯又は防災に関わる異常を検知する。報知装置は異常検知装置から異常の検知情報が入力される。充電制御装置は、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御する。異常検知装置から検知情報が入力されると報知動作を行う第1警戒モードに報知装置の動作モードが設定されると、充電制御装置が蓄電装置への給電を許可しないことを特徴とする。
【0007】
この充電制御システムにおいて、充電制御装置は給電プラグと保持部と切替部とを備える。給電プラグは電動車両の受電用ソケットに着脱自在に接続される。保持部は給電プラグを受電用ソケットに接続できない状態で保持する。切替部は、保持部が給電プラグを保持する状態と給電プラグを解放する状態とを切り替える。報知装置が第1警戒モードで動作中は、切替部が保持部に保持状態を維持させることが好ましい。
【0008】
この充電制御システムにおいて、報知装置の動作モードとして第2警戒モードがあり、報知装置の動作モードが第2警戒モードに設定された場合、報知装置は、異常検知装置から異常の検知情報が入力されると報知動作を行い、且つ、充電制御装置は、蓄電装置への給電を許可することも好ましい。
【0009】
この充電制御システムにおいて、充電制御装置は、報知装置の動作モードが第1警戒モードに設定された時点で蓄電装置に給電中であれば、蓄電装置が充電を完了するまで給電を継続し、充電完了後は蓄電装置への給電を許可しないことも好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、報知装置の動作モードが第1警戒モードに切り替えられると、充電制御装置が電動車両への給電を許可しないので、留守などで第1警戒モードに設定された場合に充電制御装置が無断で使用されて、盗電される可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1の充電制御システムのブロック図である。
【図2】同上の概略的なシステム構成図である。
【図3】同上の動作を説明するシーケンス図である。
【図4】同上の別の動作を説明するシーケンス図である。
【図5】同上のまた別の動作を説明するシーケンス図である。
【図6】実施形態2の充電制御システムのブロック図である。
【図7】同上の充電制御装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、充電制御システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(実施形態1)
実施形態1の充電制御システムについて図1〜図5を参照して説明する。
【0014】
本実施形態の充電制御システムは、図2に示すような戸建て住宅100に適用されており、セキュリティシステム1と、充電制御装置4とを主要な構成として備えている。尚、以下では充電制御システムを戸建て住宅に適用した形態について説明するが、集合住宅や事業所などに適用してもよいことは言うまでもない。
【0015】
セキュリティシステム1は 1乃至複数の異常検知装置2(図2の例では3台の異常検知装置2a,2b,2c)と、報知装置3とで構成されている。
【0016】
異常検知装置2は、建物(住宅100)の防犯又は防災に関わる異常を検知するものであり、センサ部21と報知部22と通信部23と制御部24とを備える。尚、異常検知装置2には検知対象の異常に合わせて種々のものがあり、防災用の異常検知装置2としては、熱や煙を検知することによって火災の発生を検知する火災感知器2aや、地震の発生を検知する感震センサ(図示せず)などがある。また防犯用の異常検知装置2としては、住宅100の内側及び外側でそれぞれ人を検知する人感センサ2b,2cや、窓或いはドアなどの開閉を検知する開閉センサ(図示せず)や、窓ガラスの破壊を検知する破壊検知センサ(図示せず)などがある。
【0017】
センサ部21は、異常検知装置2の種類に応じた異常の有無を検知し、異常が発生したことを検知すると、検知情報を制御部24に出力する。
【0018】
報知部22は、センサ部21が異常の発生を検知すると、周囲の人に対して異常の発生を報知するために音や光を出力する。また防犯用途の場合には、報知部22が音や光を出力することで、周囲の人に対する報知を行うとともに、音や光で不審者を威嚇する動作を行う。
【0019】
通信部23は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、異常の検知情報を報知装置3へ無線送信したり、報知装置3から受信した信号を制御部24に出力する。
【0020】
制御部24は、例えばマイクロコンピュータをその構成要素として備え、異常検知装置2の動作を統括的に制御する。制御部24は、センサ部21の検知状態を定期的に監視しており、センサ部21が異常を検知すると、報知部22により報知動作を行わせるとともに、通信部23から報知装置3へ異常の検知情報を無線送信させる。
【0021】
報知装置3は、建物100内で人が頻繁に通る場所に設置されており、異常検知装置2から送信された異常の検知情報を受信、管理するとともに、住宅100内にいる人に対して異常の発生を報知するものである。
【0022】
報知装置3は、操作部31と、報知部32と、通信部33と、制御部34を備えている。
【0023】
操作部31は、報知装置3の動作モードを設定するためのものであり、不在警戒釦31aと在宅警戒釦31bと解除釦31cを有する。不在警戒釦31aは、住宅100内に人がいない状態で(例えば外出中)、異常検知装置2から異常の検知情報が入力されると、報知動作を行う第1警戒モードを選択するための操作釦である。在宅警戒釦31bは、住宅100内に人がいる状態で(例えば就寝中)、異常検知装置2から異常の検知情報が入力されると、報知動作を行う第2警戒モードを選択するための操作釦である。解除釦31cは、警戒モード(第1警戒モード、第2警戒モード)を解除するための操作釦である。
【0024】
報知部32は、異常検知装置2から異常の検知情報が入力された際にランプを点灯させたりスピーカから警報音を出力させるなどして、周囲にいる人に対して異常の発生を光や音で報知する。
【0025】
通信部33は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、異常検知装置2や充電制御装置4との間で無線通信を行うものである。尚、報知装置3と異常検知装置2との間、報知装置3と充電制御装置4との間の通信は無線通信に限定されるものではなく、有線通信(専用の通信線を介した通信、電力線を利用した電力線搬送通信など)でもよい。
【0026】
制御部34は、例えばマイクロコンピュータをその構成要素として備え、報知装置3の動作を統括的に制御する。
【0027】
操作部31を用いて動作モードが警戒モード(第1警戒モード又は第2警戒モード)に設定されている場合、制御部34は、通信部33が異常検知装置2から送信された異常の検知情報を受信すると、報知部32により報知動作を行わせる。一方、操作部31により警戒モードが解除されている場合、制御部34は、通信部33が異常の検知情報を受信しても、報知動作は行わせない。
【0028】
また動作モードが第1警戒モードに設定された場合、制御部34は、電動車両200への給電を許可しない旨を通知する不許可信号を通信部33から充電制御装置4へ送信させる。また動作モードが第2警戒モードに設定された場合や警戒モードが解除されている場合、制御部34は、電動車両200への給電を許可する旨を通知する許可信号を通信部33から充電制御装置4へ送信させる。
【0029】
充電制御装置4は、住宅100の外壁に設けられたコンセント101に接続されて使用される可搬型の装置であり、商用交流電源から電動車両200が備える蓄電装置201への電力供給を制御するものである。尚、電動車両200には、例えば動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。電動車両200は、電動機を駆動する電源として例えばリチウムイオン二次電池からなる二次電池と、この二次電池を充電する充電回路を備え、これら二次電池と充電回路とで蓄電装置201が構成されている。
【0030】
この充電制御装置4は、図2に示すように、人が手で持ち運べる程度の大きさに形成された直方体状の本体40を備えている。本体40の長手方向一端側からは電源側に接続される電源ケーブルCB1が導出され、長手方向他端側からは電動車両200側に接続される電源ケーブルCB2が導出されている。電源ケーブルCB1は、電圧極の2本の電線と接地線とで構成され、その先端には電源用のコンセント101に差込接続される差込プラグP1が接続されている。電源ケーブルCB2は、電圧極の2本の電線と、接地線と、蓄電装置201との間で信号を授受するための信号線とで構成され、その先端には、電動車両200に設けられた受電用ソケット202に着脱自在に接続される給電プラグP2が設けられている。ここで、電源ケーブルCB1,CB2が備える電圧極の2本の電線により、電源(例えば商用交流電源)から電動車両200への給電路が構成されている。
【0031】
また充電制御装置4は、図1に示すように、制御部41と操作部42と報知部43と通信部44とリレー45と零相変流器(ZCT)46を主要な構成として備え、これらは上述の本体40に収納されている。
【0032】
操作部42は、例えば、本体40の表面に操作部位が設けられた複数のスイッチ(図示せず)などで構成され、電動車両200への充電の開始操作や停止操作などの操作入力に応じて、制御部41に操作信号を出力する。
【0033】
報知部43は、制御部41によって動作が制御され、電動車両200への充電状態などを報知する。この報知部43は、例えば発光ダイオードなどの表示ランプやスピーカで構成され、ユーザに対して音や光で報知する。
【0034】
通信部44は、例えば特定小電力無線モジュールからなり、電気錠システム1の報知装置3との間で無線通信により信号を送受信する。
【0035】
リレー45は、電源と電動車両200の蓄電装置201との間の給電路にリレー接点が挿入されており、制御部41からの制御信号に応じて、このリレー接点のオン/オフを切り替え、外部電源から蓄電装置201への給電路を開閉する。
【0036】
零相変流器46は、電動車両200側での漏電時に発生する不平衡電流を検出するために設けられ、零相変流器46の出力信号は制御部41に入力される。
【0037】
制御部41は、例えばマイコンなどをその構成要素として備え、充電制御装置4の各部を統括的に制御する。制御部41は、電動車両200の蓄電装置201から電源ケーブルCB2を介して入力される信号や操作部42からの操作入力に基づいて、リレー45を開閉制御することで、電源から蓄電装置201への給電をオン/オフする。また制御部41は、零相変流器46によって不平衡電流が検出されると、電動車両200側で漏電が発生したと判断し、リレー45を開極させて電動車両200への電力供給を遮断することによって、漏電保護動作を行う。なお制御部41は、漏電保護動作を行うと、報知部43により漏電が発生したことを報知させる。
【0038】
また、通信部44が報知装置3からの許可信号を受信した場合、制御部41は、操作部42の操作に応じて電動車両200への給電を行わせることができる。一方、通信部44が報知装置3からの不許可信号を受信した場合、制御部41は、電動車両200への給電を禁止しており、操作部42を用いて給電開始操作が行われたとしても、電動車両200への給電は行われない。
【0039】
次に、第1警戒モードに切り替えられた場合の動作を図3のシーケンス図に基づいて説明する。初期状態では住宅100内に人がおり、宅内の人によって報知装置3の動作モードが警戒解除モードに切り替えられ(S1)、充電制御装置4には、報知装置3から給電を許可する許可信号が入力され、充電許可モードで動作している(S2)。この場合には操作部42の操作に応じて、制御部41は電動車両200への給電をオン/オフしている。尚、操作部42の操作に応じて、制御部41がリレー45を開極させているものとし(S3)、報知部43では充電停止状態を報知している(S4)。
【0040】
その後、住宅100内にいる人が外出する際に、報知装置3の不在警戒釦31aを操作すると(S5)、制御部34は、不在警戒釦31aからの操作入力に基づいて、動作モードを第1警戒モードに切り換える(S6)。この時、制御部34は、報知部32に報知命令を出力し(S7)、第1警戒モードに切り替わったことを音や光などで報知部32から報知させる(S8)。また制御部34は、動作モードが第1警戒モードに設定されると、電動車両200への給電を許可しない不許可信号を通信部33から充電制御装置4へ送信させる(S9)。充電制御装置4では、通信部44が報知装置3から送信された不許可信号を受信すると、制御部41は、この不許可信号に基づいて、電動車両200への給電を禁止する充電不許可モードに動作モードを切り換える(S10)。
【0041】
充電制御装置4が充電不許可モードに切り替わった後に、ユーザが、充電制御装置4の差込プラグP1をコンセント101に、給電プラグP2を電動車両200にそれぞれ接続し、操作部42を用いて充電開始操作を行うと(S11)、操作部42から充電開始操作に応じた信号が制御部41に入力されるが、制御部41は、充電不許可モードで動作中のためリレー45を閉極させることはなく、電動車両200への給電は行われない。この時、制御部41は、充電不許可を報知する報知命令を報知部43に出力し(S12)、報知部43により充電不許可のため給電が行われないことを音や光で報知させる。尚、報知装置3では、第1警戒モードで動作中に、異常検知装置2から異常の検知情報が入力されると、制御部34が報知部32を用いて異常の発生を周囲の人に音や光で報知させるとともに、防犯に関わる異常の場合は音や光で不審者を威嚇する。
【0042】
このように、本実施形態の充電制御システムは、建物の防犯又は防災に関わる異常を検知する異常検知装置2と、異常検知装置2から異常の検知情報が入力される報知装置3と、電動車両200が備える蓄電装置201への給電を制御する充電制御装置4を備える。異常検知装置2から検知情報が入力されると報知動作を行う第1警戒モードに報知装置3の動作モードが設定されると、充電制御装置4が蓄電装置201への給電を許可しないようになっている。
【0043】
これにより、セキュリティシステム1が第1警戒モードに切り替えられた状態では,充電制御装置4の動作モードが充電不許可モードに切り替えられるので、住宅100に人がいない留守中に電動車両200が充電されることはない。したがって、部外者が充電制御装置4を勝手に使用して、盗電される可能性を低減できる。また充電制御装置4の報知部43により充電不許可状態を報知しているので、報知部43の報知内容をもとに、充電不許可状態のため給電が行われないのか、故障などの原因で給電が行われないのかを、ユーザが判別することができる。
【0044】
次に、第2警戒モードに切り替えられた場合の動作を図4のシーケンス図に基づいて説明する。初期状態では住宅100内に人がおり、宅内の人によって報知装置3の動作モードが警戒解除モードに切り替えられ(S1)、充電制御装置4には、報知装置3から給電を許可する許可信号が入力され、充電許可モードで動作している(S2)。この場合には操作部42の操作に応じて、制御部41は電動車両200への給電をオン/オフしている。尚、操作部42の操作に応じて、制御部41がリレー45を開極させているものとし(S3)、報知部43では充電停止状態を報知している(S4)。
【0045】
その後、住宅100内にいる人が例えば就寝する際に、報知装置3の在宅警戒釦31bを操作すると(S21)、制御部34は、在宅警戒釦31bからの操作入力に基づいて、動作モードを第2警戒モードに切り換える(S22)。この時、制御部34は、報知部32に報知命令を出力し(S23)、第2警戒モードに切り替わったことを音や光などで報知部32から報知させる(S24)。また制御部34は、動作モードが第2警戒モードに設定されると、電動車両200への給電を許可する許可信号を通信部33から充電制御装置4へ送信させる(S25)。充電制御装置4では、通信部44が報知装置3から送信された許可信号を受信すると、制御部41は、この許可信号に基づいて、電動車両200への給電を許可する充電許可モードで継続して動作する(S26)。この状態で、ユーザが、充電制御装置4の差込プラグP1をコンセント101に、給電プラグP2を電動車両200にそれぞれ接続し、操作部42を用いて充電開始操作を行うと(S27)、操作部42から充電開始操作に応じた信号が制御部41に入力される。制御部41は、充電許可モードで動作中であるので、充電開始の信号に基づいて充電開始を決定し(S28)、リレー45を閉極させて、電動車両200への給電を開始するとともに(S29)、報知部43により充電中であることを報知させる(S30)。
【0046】
このように、報知装置3の動作モードとして第2警戒モードがあり、報知装置3の動作モードが第2警戒モードに設定された場合、報知装置3は、異常検知装置2から異常の検知情報が入力されると報知動作を行い、且つ、充電制御装置4は、蓄電装置201への給電を許可することも好ましい。
【0047】
これにより、報知装置3の動作モードが第2警戒モードに切り替えられた状態では,充電制御装置4の動作モードが充電許可モードに切り替えられるので、例えば就寝中など在宅中に警戒モードに切り替えたい場合はユーザが第2警戒モードに切り替えることで、電動車両200への充電が可能になるので、使い勝手が向上する。
【0048】
また本実施形態において、報知装置3の動作モードが第1警戒モードに設定された時点で充電制御装置4が蓄電装置201に給電中であれば、充電制御装置4は蓄電装置201が充電を完了するまで給電を継続し、充電完了後は蓄電装置201への給電を許可しないことも好ましい。
【0049】
この場合の動作を図5のシーケンス図に基づいて説明する。初期状態では住宅100内に人がおり、宅内の人によって報知装置3の動作モードが警戒解除モードに切り替えられ(S1)、充電制御装置4には、報知装置3から給電を許可する許可信号が入力され、充電許可モードで動作している(S2)。この場合には操作部42の操作に応じて、制御部41は電動車両200への給電をオン/オフしている。尚、操作部42の操作に応じて、制御部41がリレー45を開極させているものとし(S3)、報知部43では充電停止状態を報知している(S4)。
【0050】
このように、充電制御装置4が充電許可モードで動作中に、ユーザが、充電制御装置4の差込プラグP1をコンセント101に、給電プラグP2を電動車両200にそれぞれ接続し、操作部42を用いて充電開始操作を行うと(S31)、操作部42から充電開始操作に応じた信号が制御部41に入力される。制御部41は、充電許可モードで動作中であるので、操作部42から充電開始の信号が入力されると、充電開始を決定し(S32)、リレー45を閉極させて、電動車両200への給電を開始するとともに(S33)、報知部43により充電中であることを報知させる(S34)。
【0051】
ここで、充電制御装置4が蓄電装置201への給電を行っている状態で、ユーザが、外出するために不在警戒釦31aを操作すると(S35)、制御部34は、不在警戒釦31aからの操作入力に基づいて、動作モードを第1警戒モードに切り換える(S36)。この時、制御部34は、報知部32に報知命令を出力し(S37)、第1警戒モードに切り替わったことを音や光などで報知部32から報知させる(S38)。また制御部34は、動作モードが第1警戒モードに設定されると、電動車両200への給電を許可しない不許可信号を通信部33から充電制御装置4へ送信させる(S39)。充電制御装置4では、通信部44が報知装置3から送信された不許可信号を受信すると、制御部41は、この不許可信号に基づいて、電動車両200への給電を禁止する充電不許可モードに動作モードを切り換えるが(S40)、この時点ではリレー45が閉極し蓄電装置201が充電中のため、リレー45は閉極したままとする。その後、蓄電装置201が充電を完了すると、蓄電装置201から充電完了を通知する通知信号が充電制御装置4に送信される。この通知信号が通信部44によって受信され、通信部44から制御部41へ入力されると(S41)、制御部41は、リレー45を開極させるととともに(S42)、報知部43により充電停止状態を表示させる(S43)。
【0052】
その後、ユーザが、充電制御装置4の差込プラグP1をコンセント101に、給電プラグP2を電動車両200にそれぞれ接続し、操作部42を用いて充電操作を行った場合(S44)、制御部41には、充電操作に応じた信号が入力されるが、充電不許可モードで動作中のため、リレー45を閉極させることはなく(S45)、報知部43により充電不許可状態を報知させる(S46)。
【0053】
このように、充電制御装置4は、報知装置3の動作モードが第1警戒モードに設定された時点で蓄電装置201に給電中であれば、蓄電装置201が充電を完了するまで給電を継続し、充電完了後は蓄電装置201への給電を許可しないようになっている。
【0054】
これにより、電動車両200の充電途中で第1警戒モードに切り替えられた場合でも最後まで充電を行うことができる。すなわち、電動車両200を充電中にユーザが第1警戒モードに切り替えて外出する場合、外出中も充電が継続され、充電が完了すれば、充電制御装置4は充電を許可しないモードに切り替わるので、不在中に盗電が発生する可能性を低減することができる。
【0055】
(実施形態2)
実施形態2の充電制御システムについて図6〜図7を参照して説明する。
【0056】
実施形態1では充電制御装置4が可搬型であったが、本実施形態では、図7(a)(b)に示すように住宅100の外壁102に設置される壁取り付け型としてある。この充電制御装置4は、外壁102に取り付けられる縦長の器体50を備えており、器体50の下部には、前側及び下側にそれぞれ開放された収納部51が設けられ、収納部51内には左右両端が収納部51の内壁に固定された横棒52が設けられている。電動車両200の受電用ソケット202に着脱自在に接続される給電プラグP2には横棒52に引っ掛けるためのフック53が設けられ、フック53を横棒52に引っ掛けることによって、給電プラグP2は収納部51内に吊り下げた状態で保持される。ここにおいて、収納部51内に設けられた横棒52などから、電動車両200の受電用ソケット202に給電プラグP2を接続できない状態で保持する保持部が構成されている。また器体50の前面には、操作部42を構成する複数個の操作釦42aや、報知部43を構成する複数個の表示ランプ43a及びスピーカ43bが配置されている。
【0057】
また本実施形態の充電制御装置4は、実施形態1で説明した構成に加えて、切替部47を備えている。切替部47は、収納部51の内壁に進退自在に設けられたデッドボルト(図示せず)と、デッドボルトを駆動する電動モータ(図示せず)とを備える。デッドボルトは、収納部51内に収納された給電プラグP2の被係合部と係合する保持位置と、給電プラグP2から離れる方向へ移動することにより係合状態を解除する解放位置との間で進退自在となっている。この切替部47は、制御部41からの制御命令によって電動モータが駆動され、デッドボルトが保持位置及び解放位置の何れかに移動させられる。そして、制御部41では、報知装置3が第1警戒モードで動作中は、切替部47が保持部による保持状態を維持させており、給電プラグP2が保持部から外せないようになっているので、許可されていない人が勝手に充電制御装置4を使用して電動車両を充電する可能性を低減している。
【0058】
上述のように、本実施形態では、充電制御装置4が、電動車両200の受電用ソケット202に着脱自在に接続される給電プラグP2と、給電プラグP2を受電用ソケット202に接続できない状態で保持する保持部と、保持部が給電プラグP2を保持する状態と給電プラグP2を解放する状態とを切り替える切替部47とを備えている。報知装置3が第1警戒モードで動作中は、切替部47が保持部に保持状態を維持させることで、蓄電装置201への給電を許可しないようになっている。
【0059】
これにより、報知装置3が第1警戒モードで動作中は、給電プラグP2自体を電動車両200の受電用ソケット202に接続できないようにすることで、電動車両200への給電を不許可とし、部外者が充電制御装置4を勝手に使用して、盗電される可能性を低減できる。
【0060】
尚、上述の実施形態では異常検知装置2と報知装置3とを別々に構成しているが、異常検知装置2及び報知装置3を一体とし、1つの装置に異常検知装置2の機能と報知装置3の機能を持たせても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 セキュリティシステム
2 異常検知装置
3 報知装置
4 充電制御装置
200 電動車両
201 蓄電装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の防犯又は防災に関わる異常を検知する異常検知装置と、前記異常検知装置から異常の検知情報が入力される報知装置と、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御する充電制御装置を備え、前記報知装置の動作モードが、前記異常検知装置から検知情報が入力されると報知動作を行う第1警戒モードに設定されると、前記充電制御装置が前記蓄電装置への給電を許可しないことを特徴とする充電制御システム。
【請求項2】
前記充電制御装置は、前記電動車両の受電用ソケットに着脱自在に接続される給電プラグと、前記給電プラグを前記受電用ソケットに接続できない状態で保持する保持部と、前記保持部が前記給電プラグを保持する状態と前記給電プラグを解放する状態とを切り替える切替部とを備え、前記報知装置が前記第1警戒モードで動作中は、前記切替部が前記保持部に保持状態を維持させることを特徴とする請求項1記載の充電制御システム。
【請求項3】
前記報知装置の動作モードとして第2警戒モードがあり、前記報知装置の動作モードが前記第2警戒モードに設定された場合、前記報知装置は、前記異常検知装置から異常の検知情報が入力されると報知動作を行い、且つ、前記充電制御装置は、前記蓄電装置への給電を許可することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の充電制御システム。
【請求項4】
前記充電制御装置は、前記報知装置の動作モードが前記第1警戒モードに設定された時点で前記蓄電装置に給電中であれば、前記蓄電装置が充電を完了するまで給電を継続し、充電完了後は前記蓄電装置への給電を許可しないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の充電制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−227032(P2012−227032A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94568(P2011−94568)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】