説明

充電制御システム

【課題】専用の認証部を設けることなく、盗電の可能性を低減できる充電制御システムを提供する。
【解決手段】充電制御システムは、電気錠システム1と充電制御装置7とを備える。電気錠システム1は、住宅100の出入口に設けられた扉101の施錠及び解錠を行う電気錠2、及び、操作端末4,5を用いてユーザが入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると電気錠2を施錠又は解錠させる主装置3を有する。充電制御装置7は、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御するものであり、電気錠システム1から認証成立を通知する認証情報が入力されると、蓄電装置への給電を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、充電用電源から電気自動車への給電を特定の人物のみに制限するようにした充電システムとして、特許文献1に開示されるような充電システムがある。この充電システムでは、住居の出入口に設けた電子錠、又は、電気自動車のキーレスエントリーシステムに用いられる電子式携帯鍵を用い、電気自動車への充電ケーブルが接続されるコンセント部の近傍に認証部を設置し、電子式携帯鍵による認証に成功すれば、コンセント部から電気自動車への給電を開始させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−154712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の充電システムでは、充電ケーブルが接続されるコンセント部の近傍に、電気自動車への充電を許可するための認証部を設ける必要があり、認証部の設置スペースを確保しなければならないという問題があった。また電気自動車への充電を開始させる際に、ユーザが電子式携帯鍵をもって、コンセント部の近傍に設置された認証部のところへ行かねばならず、使い勝手が悪かった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、専用の認証部を設けることなく、盗電の可能性を低減できる充電制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願の充電制御システムは電気錠システムと充電制御装置とを備える。電気錠システムは、扉の施錠及び解錠を行う電気錠、及び、ユーザが入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると電気錠を施錠又は解錠させる認証部を有する。充電制御装置は、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御するものであり、電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、蓄電装置への給電を許可することを特徴とする。
【0007】
この充電制御システムにおいて、充電制御装置は、電動車両が備える蓄電装置と電気的に接続された状態で、電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、蓄電装置への給電を開始することも好ましい。
【0008】
また本願の充電制御システムは電気錠システムと充電制御装置とを備えている。電気錠システムは、扉の施錠及び解錠を行う電気錠、及び、ユーザが入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると電気錠を施錠又は解錠させる認証部を有する。充電制御装置は、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御するものである。充電制御装置は、電動車両に接続される給電プラグと、給電プラグを電動車両に接続できない状態で保持する保持部と、保持部により給電プラグを保持する保持状態と給電プラグを解放する解放状態とを切り替える切替部とを備える。電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、切替部が保持部を解放状態に切り替える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気錠システムの認証部が、ユーザの入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると、充電制御装置から電動車両の蓄電装置への充電が可能になるので、予め登録されたユーザ以外によって電動車両が充電される可能性を低減できる。しかも、電気錠システムの認証部を、電動車両を充電する際の認証に利用しているので、充電時の認証用に新たに認証部を備えることなく、盗電の可能性を低減した充電制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1の充電制御システムのブロック図である。
【図2】同上の概略的なシステム構成図である。
【図3】同上の動作を説明するシーケンス図である。
【図4】同上の使用形態を模式的に示した説明図である。
【図5】実施形態2の充電制御システムのブロック図である。
【図6】同上の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】同上の壁取り付け型の充電制御装置を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、充電制御システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(実施形態1)
本実施形態の充電制御システムについて図1〜図4を参照して説明する。この充電制御システムは、図2に示すような戸建て住宅100に適用されており、電気錠システム1と、充電制御装置7とを主要な構成として備えている。尚、以下では充電制御システムを戸建て住宅に適用した形態について説明するが、集合住宅や事業所などに適用してもよいことは言うまでもない。
【0013】
電気錠システム1は電気錠2と主装置3と操作端末4,5と非接触型ICカード6とを主要な構成として備える。
【0014】
電気錠2は、住宅100の玄関扉101に設けられ、主装置3によって駆動され、デッドボルト(図示せず)をドア枠側のストライクに進入又は退出させることで、玄関扉101を施錠又は解錠するものである。
【0015】
主装置3は操作部31と報知部32と通信部33と鍵駆動部34と主制御部35とを備え、住宅100の内部に設置される。
【0016】
操作部31は、宅内にいるユーザ(例えば住宅100の住人)によって操作されるスイッチを有し、ユーザの操作に応じた信号を主制御部35に出力する。また操作部31は、図示しない接点装置からの入力を監視しており、接点入力があると主制御部35に出力する。
【0017】
報知部32は、発光ダイオードなどの表示ランプやスピーカなどからなり、主制御部35からの信号に応じた報知動作を行う。
【0018】
通信部33は通信線を介して操作端末4,5や充電制御装置7に接続されており、操作端末4,5又は充電制御装置7との間で通信を行う。尚、主装置3は、操作端末4,5及び充電制御装置7との間で、例えば電力線を利用した電力線搬送通信方式で通信を行っているが、専用の通信線を介して有線通信を行ってもよいし、特定小電力無線通信などの無線通信でもよい。
【0019】
鍵駆動部34は、主制御部35からの制御信号に応じて電気錠2の開閉状態を切り替える。
【0020】
主制御部35は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、認証処理や電気錠2の開閉制御処理など、主装置3の全体的な動作を制御する。
【0021】
操作端末4,5は、住宅100の外側で玄関扉101の近傍位置に配置されており、ユーザ(例えば住宅100の住人)が外出する際に施錠操作を行うために、或いは、ユーザが外出先から帰宅した際に解錠操作を行うために使用される。
【0022】
操作端末4は、認証に用いる情報(認証情報)をユーザが直接入力するための端末であり、操作部41と報知部42と通信部43と制御部44とを備える。操作部41は例えばテンキーなどからなり、ユーザが認証情報(例えば暗証番号)を入力するために用いられる。報知部42は、発光ダイオードなどの表示ランプやスピーカなどからなり、操作端末4の動作状況や認証の結果などを報知する。通信部43は通信線を介して主装置3との間で通信を行う。制御部44は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、各部(操作部41、報知部42、通信部43)の動作を制御する。
【0023】
操作端末5は、認証に用いる情報(認証情報)をユーザが非接触で入力するための端末であり、操作部51と無線インタフェース(無線IF)52と報知部53と通信部54と制御部55とを備える。操作部51は、ユーザによって操作されるスイッチなどからなり、操作に応じた信号を制御部55に出力する。無線インタフェース52は、ユーザが所持する非接触型ICカード6との間で無線通信を行い、非接触型ICカード6に予め記憶されている認証情報を読み込み、制御部55に出力する。報知部53は、発光ダイオードなどの表示ランプやスピーカなどからなり、操作端末5の動作状況や認証の結果などを報知する。通信部54は通信線を介して主装置3との間で通信を行う。制御部55は、例えばマイクロコンピュータにより構成され、各部(操作部51、無線インタフェース52、報知部53、通信部54)の動作を制御する。
【0024】
充電制御装置7は、住宅100の外壁に設けられたコンセント90に接続されて使用される可搬型の装置であり、電源(例えば商用交流電源)から電動車両200が備える蓄電装置201への電力供給を制御するものである。尚、電動車両200には、例えば動力源として電動機のみを備えた電気自動車(EV)や、動力源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)がある。電動車両200は、電動機を駆動する電源として例えばリチウムイオン二次電池からなる二次電池と、この二次電池を充電する充電回路を備え、これら二次電池と充電回路とで蓄電装置201が構成されている。
【0025】
この充電制御装置7は、図4に示すように、人が手で持ち運べる程度の大きさに形成された直方体状の本体70を備えている。本体70の長手方向一端側からは電源側に接続される電源ケーブルCB1が導出され、長手方向他端側からは電動車両200側に接続される電源ケーブルCB2が導出されている。電源ケーブルCB1は、電圧極の2本の電線と接地線とで構成され、その先端には電源用のコンセント90,90a,90bに差込接続される差込プラグP1が接続されている。電源ケーブルCB2は、電圧極の2本の電線と、接地線と、蓄電装置201との間で信号を授受するための信号線とで構成され、その先端には、電動車両200に設けられた受電用のソケット202に着脱自在に接続される給電プラグP2が設けられている。ここで、電源ケーブルCB1,CB2が備える電圧極の2本の電線により、外部電源から電動車両200への給電路が構成されている。
【0026】
また充電制御装置7は、図1に示すように、制御回路71と操作部72と報知部73と通信部74とリレー75と零相変流器(ZCT)76を主要な構成として備え、これらは上述の本体70に収納されている。
【0027】
操作部72は、例えば、本体70の表面に操作部位が設けられた複数のスイッチ(図示せず)などで構成され、電動車両200への充電の開始操作や停止操作などの操作入力に応じて、制御回路71に操作信号を出力する。
【0028】
報知部73は、制御回路71によって動作が制御され、電動車両200への充電状態などを報知する。この報知部73は、例えば発光ダイオードなどの表示ランプやスピーカで構成され、ユーザに対して音や光で報知する。
【0029】
通信部74は、通信線を介して電気錠システム1の主装置3に接続され、主装置3との間で通信を行う。
【0030】
リレー75は、外部電源と電動車両200の蓄電装置201との間の給電路にリレー接点が挿入されており、制御回路71からの制御信号に応じて、このリレー接点のオン/オフを切り替え、外部電源から蓄電装置201への給電路を開閉する。
【0031】
零相変流器76は、電動車両200側での漏電時に発生する不平衡電流を検出するために設けられ、零相変流器76の出力信号は制御回路71に入力される。
【0032】
制御回路71は、例えばマイコンなどをその構成要素として備え、充電制御装置7の各部を統括的に制御する。制御回路71は、電動車両200の蓄電装置201から電源ケーブルCB2を介して入力される信号や操作部72からの操作入力に基づいて、リレー75を開閉制御することで、外部電源から蓄電装置201への給電をオン/オフする。また制御回路71は、零相変流器76の検出出力をもとに不平衡電流の発生を検出すると、電動車両200側で漏電が発生したと判断し、リレー75を開極させて電動車両200への電力供給を遮断することで、漏電保護動作を行う。なお制御回路71は、漏電保護動作を行うと、報知部73により漏電が発生したことを報知させる。
【0033】
次に、本実施形態の充電制御システムにより、電動車両200に乗って帰宅したユーザが、電動車両200の充電を行う場合の動作について、図3のシーケンス図に基づいて説明する。初期状態では、充電制御装置7のリレー75は開極しており、制御回路71は報知部73により充電停止状態を報知させている。外出先から帰宅したユーザが電動車両200の充電を行う場合、ユーザは、充電制御装置7の差込プラグP1をコンセント90に、給電プラグP2を電動車両200のソケット202にそれぞれ接続した後、操作部72を用いて充電開始操作を行う(図3のS1)。この時、操作部72から制御回路71へ充電開始操作に応じた信号が出力されるが(S2)、制御回路71には、電気錠システム1の主装置3から認証成立を通知する認証情報が入力されていないので、リレー75を閉極させず、認証情報の入力待ちの状態となる(S3)。すなわち、電気錠システム1は、ユーザが外出時に施錠操作した状態のままであり、この状態では充電制御装置7は充電を開始させないようになっている。したがって、この充電制御システムにより充電を認められた人物以外が、電動車両をコンセント90に勝手に接続しても、電動車両への充電が行われることはなく、盗電が発生する可能性を低減できる。
【0034】
その後、帰宅したユーザが、操作端末4の操作部41を用いて所定の解錠操作(例えばテンキーによる暗証番号の入力)を行うと(S4)、制御部44が、入力された暗証番号を、通信部43から主装置3へ送信させる(S5)。主装置3の通信部33が操作端末4から送信された暗証番号を受信すると、主制御部35は、通信部33の受信した暗証番号を、メモリ(図示せず)に予め登録されている暗証番号と照合することによって認証を行う(S6)。S6の認証の結果、認証が成立すると、主制御部35は鍵駆動部34に解錠命令を出力し(S7)、電気錠2を解錠させる(S8)。また主制御部35は、S6の認証処理で認証が成立したと判断すると、認証成立を通知する認証情報を充電制御装置7に出力するよう決定し(S9)、通信部33から充電制御装置7に認証情報を送信させる(S10)。
【0035】
充電制御装置7の通信部74が主装置3から送信された認証情報を受信すると、制御回路71は、通信部74が受信した認証情報に基づいて、充電を開始するよう決定し(S11)、リレー75を閉極させて、蓄電装置201への給電を開始させる(S12)。また制御回路71は報知部73を駆動して充電開始を報知する(S13)。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の充電制御システムは電気錠システム1と充電制御装置7とを備えている。電気錠システム1は、出入口に設けられた扉101の施錠及び解錠を行う電気錠2、及び、ユーザから入力される認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると電気錠2を施錠又は解錠させる認証部(本実施形態の主装置3)を備えている。充電制御装置7は、電動車両200が備える蓄電装置201への給電を制御するものであり、充電制御装置7は、電気錠システム1から認証成立を通知する認証情報が入力されると、蓄電装置201への給電を許可している。
【0037】
これにより、電気錠システム1による認証が成立していない状態では、充電制御装置7が電動車両200の蓄電装置201への給電を停止しているので、予め登録されたユーザ以外によって電動車両200が充電される可能性を低減できる。しかも、電気錠システム1の認証部を、電動車両200を充電する際の認証に利用しているので、充電時の認証用に新たに認証部を備えることなく、盗電の可能性を低減した充電制御システムを提供することができる。
【0038】
また本実施形態では、充電制御装置7が、電動車両200が備える蓄電装置201と電気的に接続された状態で、電気錠システム1から認証成立を通知する認証情報が入力されると、電動車両200の蓄電装置201への給電を開始している。
【0039】
これにより、住宅100の居住者が電動車両200に乗って帰宅した際に、電動車両200に充電制御装置7を接続した後、玄関扉101を解錠するために操作端末4又は操作端末5を用いて認証を行うと、充電制御装置7から電動車両200への給電が開始される。したがって、玄関扉101を解錠するための認証を行うだけで充電が開始されるから、充電を開始させるための認証手続が不要であり、使い勝手が向上する。
【0040】
尚、本実施形態では電気錠システム1による認証方法として暗証番号を入力する方法や、非接触型ICカード6を用いた認証を例示しているが、特定の認証方法に限定されるものではなく、例えば指紋や虹彩や声紋などの生態情報を用いた生体認証でもよい。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態の充電制御システムについて図5〜図7を参照して説明する。尚、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0042】
実施形態1では充電制御装置7が可搬型であったが、本実施形態では、図7(a)(b)に示すように住宅100の外壁103に設置される壁取り付け型としてある。この充電制御装置7は、外壁103に取り付けられる縦長の器体80を備えており、器体80の下部には、前側及び下側にそれぞれ開放された収納部81が設けられ、収納部81内には左右両端が収納部81の内壁に固定された横棒82が設けられている。電動車両200のソケット202に着脱自在に接続される給電プラグP2には横棒82に引っ掛けるためのフック83が設けられ、フック83を横棒82に引っ掛けることによって、給電プラグP2は収納部81内に吊り下げられた状態で保持される。尚、器体80の前面には、操作部72を構成する複数個の操作釦72aや、報知部73を構成する複数個の表示ランプ73a及びスピーカ73bが配置されている。
【0043】
図5は本実施形態のブロック図であり、充電制御装置7は、実施形態1で説明した構成に加えてロック部77(保持部)及び鍵駆動部78(切替部)を備えている。
【0044】
ロック部77(保持部)は、給電プラグP2を電動車両に接続できない状態で保持するものであり、収納部81の内壁に進退自在に設けられたデッドボルト(図示せず)と、デッドボルトを駆動する電動モータ(図示せず)とを備える。デッドボルトは、収納部81内に収納された給電プラグP2の被係合部と係合することによって給電プラグP2を保持する保持位置と、給電プラグP2から離れる方向へ移動することにより給電プラグP2を解放する解放位置との間で進退自在となっている。
【0045】
鍵駆動部78(切替部)は、制御回路71からの制御信号に応じて、ロック部77を駆動し、ロック部77に給電プラグP2を保持させる保持状態と給電プラグP2を解放する解放状態の何れかにロック部77を切り替える。
【0046】
次に、本実施形態の動作を図6のシーケンス図に基づいて説明する。住宅100の居住者が外出している状態では、充電制御装置7の制御回路71は、収納部81内に収納された給電プラグP2を保持状態として充電を行えないようにする制御命令を鍵駆動部78に出力する。鍵駆動部78は、この制御命令に基づいてロック部77を駆動して、給電プラグP2を保持状態とする(図6のS21)。ロック部77によって給電プラグP2が保持されると、給電プラグP2を収納部81から取り外すことができないので、給電プラグP2を電動車両200の受電用ソケット202に接続することができず、この状態では電動車両200の充電を行うことはできない。その後、住宅100に帰宅した居住者が玄関扉101を解錠させるために認証情報を入力すると、電気錠システム1の主装置3で入力された認証情報に基づいて認証が行われ(S22)、認証成立を通知する認証情報が充電制御装置7に送信される(S23)。充電制御装置7の通信部74が主装置3から送信された認証情報を受信すると、制御回路71は、通信部74が受信した認証情報に基づいて、給電プラグP2の保持状態を解除(給電プラグP2を解放)するよう決定する(S24)。すなわち、制御回路71は、収納部81内に収納された給電プラグP2を解放状態とする制御命令を鍵駆動部78に出力し、鍵駆動部78はこの制御命令に基づいてロック部77を解放状態に切り替える。給電プラグP2の保持が解除されると、給電プラグP2を収納部81から取り出すことができるようになり、給電プラグP2を電動車両200の受電用ソケット202に接続して充電を行うことができる。而して、ユーザが給電プラグP2を電動車両200のソケット202に接続した後、操作部72を用いて給電を開始する操作を行うと、制御回路71がリレー75を閉極させて、電動車両200への充電が開始されるのである。
【0047】
以上説明したように本実施形態の充電制御システムは電気錠システム1と充電制御装置7とを備えている。電気錠システム1は、出入口に設けられた扉101の施錠及び解錠を行う電気錠2、及び、ユーザから入力される認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると電気錠2を施錠又は解錠させる認証部(本実施形態の主装置3)を備えている。充電制御装置7は、電動車両200が備える蓄電装置201への給電を制御するものである。充電制御装置7は、電動車両に接続される給電プラグP2と、給電プラグP2を電動車両200に接続できない状態で保持する保持部(上記のロック部77)と、ロック部77に給電プラグP2を保持させる保持状態と給電プラグP2を解放させる解放状態の何れかにロック部77を切り替える切替部(上記の鍵駆動部78)とを備える。そして、電気錠システム1から認証成立を通知する認証情報が入力されると、切替部(鍵駆動部78)が保持部(ロック部77)を解放状態に切り替えている。
【0048】
これにより、住宅100の居住者が外出中は充電制御装置7が保持状態となっているから、電動車両200に対して給電することができず、居住者の外出中に勝手に電動車両に充電される盗電が発生する可能性を低減できる。しかも、電気錠システム1の認証部を、充電制御装置7の保持状態を解除する際の認証に利用しているので、ロック解除のための認証用に新たに認証部を備えることなく、盗電の可能性を低減した充電制御システムを提供することができる。さらに、電気錠システム1を用いた認証により、充電制御装置7の保持状態が解除されるので、充電制御装置7に保持状態を解除させるための認証部を設けた場合のように、充電制御装置7側で保持状態を解除させるための認証処理を行う必要がないという効果もある。
【0049】
尚、本実施形態では充電制御装置7に認証部が設けられておらず、電気錠システム1の認証部を、ロック部77による保持状態を解除するための認証用に兼用しているが、充電制御装置7に認証部を設けてもよい。例えばユーザが操作部72を用いて暗証番号を入力すると、制御回路71が入力された暗証番号に基づいて認証を行い、認証が成立すれば、ロック部77による保持状態を解除するようにしてもよい。この場合でも、認証が不成立であれば、ロック部77による保持状態が継続されるので、予め許可されている人物以外が充電制御装置7を用いて充電できないようにすることができ、盗電の可能性を低減できる。
【0050】
尚、充電制御装置7側に認証部が設けられた場合の認証方法は、入力された暗証番号の照合によるもの以外に、非接触型ICカードを用いた認証でもよいし、指紋や虹彩や声紋などの生態情報を用いた生体認証でもよく、特定の認証方法に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0051】
1 電気錠システム
2 電気錠
3 主装置(認証部)
4,5 操作端末
7 充電制御装置
100 住宅
101 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉の施錠及び解錠を行う電気錠、及び、ユーザが入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると前記電気錠を施錠又は解錠させる認証部を有する電気錠システムと、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御する充電制御装置とを備え、前記充電制御装置は、前記電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、前記蓄電装置への給電を許可することを特徴とする充電制御システム。
【請求項2】
前記充電制御装置は、電動車両が備える蓄電装置と電気的に接続された状態で、前記電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、前記蓄電装置への給電を開始することを特徴とする請求項1記載の充電制御システム。
【請求項3】
扉の施錠及び解錠を行う電気錠、及び、ユーザが入力した認証情報をもとに認証を行い、認証が成立すると前記電気錠を施錠又は解錠させる認証部を有する電気錠システムと、電動車両が備える蓄電装置への給電を制御する充電制御装置とを備え、前記充電制御装置は、電動車両に接続される給電プラグと、前記給電プラグを電動車両に接続できない状態で保持する保持部と、前記保持部により前記給電プラグを保持する保持状態と前記給電プラグを解放する解放状態とを切り替える切替部とを備え、前記電気錠システムから認証成立を通知する認証情報が入力されると、前記切替部が前記保持部を解放状態に切り替えることを特徴とする充電制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−228096(P2012−228096A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94567(P2011−94567)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】