説明

充電用コネクタ

【課題】部品点数を増やさずに、電子部品のリードの変形や折損を防止する。
【解決手段】充電用コネクタ1は、車体60に取り付けられるハウジング10と、ハウジング10に取り付けられた複数の端子金具15と、端子金具15に接続されてハウジング10から導出されたAC線21,22(電力線)と、AC線21,22が巻回されていて、変圧器29を構成するフェライトコア30と、パッケージ33からリード34を突出させた形態であって、リード34がAC線21,22に接続されたコンデンサ32(電子部品)とを備えている。コンデンサ32はフェライトコア30の近傍に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電気自動車やプラグインハイブリッド車に搭載したバッテリを充電するために車体に設けられる受電側の充電用コネクタが開示されている。充電用コネクタは、車体に取り付けられるハウジングと、ハウジングに取り付けられた複数の端子金具と、端子金具に接続されてハウジングの背面側へ導出された電力線を含むワイヤーハーネスとを備えて構成されている。
【0003】
この種の充電用コネクタでは、車両と給電装置との間で充電制御のための情報を送受信するための手段として、車両側に電力線送信手段(以下、PLC(Power Line Communication)という)が設けられる。PLCの一例としては、電力線に重畳された信号を取り出すための変圧器を、充電用コネクタの近傍に配置するとともに、電力線に重畳された信号を変圧器から抽出することにより給電装置からの信号を取り出するためのPLCユニットを、充電用コネクタから離れた位置に配置した回路基板に実装する形態が考えられる。
【0004】
この場合、変圧器の一次コイルは、2本の電力線をフェライトコアに巻回することによって構成し、二次コイルは、PLCユニットに接続された細い通信線をフェライトコアに巻回することによって構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−192826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電子部品は、パッケージからリードを突出させた形態となっているが、このリードは、細く長く片持ち状に突出しているため、異物が当たった場合に変形したり折損したりすることが懸念される。リードの変形や折損を防止する手段としては、リードを保護するための専用の保護部材を用いることが考えられるが、この場合、部品点数が多くなったり、保護部材とリードを組み付けるための余分な作業が増える等の問題が生じる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数を増やすことなく電子部品のリードの変形や折損を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、車体に取り付けられるハウジングと、前記ハウジングに取り付けられた複数の端子金具と、前記端子金具に接続されて前記ハウジングから導出された電力線と、前記電力線が巻回されていて、変圧器を構成するフェライトコアと、パッケージからリードを突出させた形態であって、前記リードが前記電力線に接続された電子部品とを備えた充電用コネクタにおいて、前記電子部品が前記フェライトコアの近傍に配置されているところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記電子部品は、前記リードが前記パッケージから前記フェライトコアに向かって突出する向きに配置されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記電子部品のうち前記パッケージから前記リードに亘る領域が、熱収縮チューブで包囲されているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0010】
<請求項1の発明>
リードに対して異物が接近しても、その異物は、リードに到達する前に、リードの近傍に位置するフェライトコアに当たるので、リードが異物の干渉によって変形したり折損したりする虞はない。本発明では、変圧器を構成するフェライトコアを、リードに対する異物の干渉を防止する手段として兼用させたので、専用の保護部材が不要である。
【0011】
<請求項2の発明>
リードがパッケージからフェライトコアに向かって突出する向きとなっているので、パッケージとフェライトコアとの間にリードが挟まれるように位置する。これにより、リードに対する異物の干渉は、フェライトコアだけでなくパッケージによっても防止される。
【0012】
<請求項3の発明>
異物がフェライトコアに当たらずにリードに接近したとき、その異物はリードに直接当たらずに熱収縮チューブに当たる。このときの熱収縮チューブに対する異物の衝撃は、リードに作用しないか、緩和された状態でリードに作用することになる。したがって、リードの変形や折損を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1の充電コネクタにおけるフェライトコアとコンデンサ(電子部品)との位置関係をあらわす斜視図
【図2】コンデンサを熱収縮チューブで包囲した状態をあらわす斜視図
【図3】フェライトコアとコンデンサをグロメットで包囲した状態をあらわす断面図
【図4】実施形態2の充電コネクタにおけるフェライトコアとコンデンサ(電子部品)との位置関係をあらわす平面図
【図5】実施形態2においてコンデンサを熱収縮チューブで包囲した状態をあらわす平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図3を参照して説明する。本実施形態の充電用コネクタ1は、図3に示すように、車体60に設けられたものであって、この充電用コネクタ1には、給電装置の給電用コネクタ(図示省略)が嵌合されるようになっている。充電用コネクタ1に給電側コネクタを嵌合すると、車載バッテリ(図示省略)を充電することができるようになっている。
【0015】
充電用コネクタ1は、ハウジング10と、ハウジング10内に収容した複数の端子金具15と、ハウジング10から導出されたワイヤーハーネス20と、ワイヤーハーネス20を包囲するグロメット50とを備えて構成されている。尚、以下の説明において、便宜上、ワイヤーハーネス20がハウジング10から導出される方向(つまり、車体60の外部から車体60の内部に向かう方向)を「後方」という。
【0016】
図3に示すように、ハウジング10は、端子収容部材11と、端子収容部材11に対して後方から組み付けられたリテーナ14とを備えて構成されている。端子収容部材11は合成樹脂製であり、端子収容部材11内には、端子収容部材11を前後方向に貫通する複数室のキャビティ12が形成されている。端子収容部材11の外周には、フランジ部13が形成されている。
【0017】
各キャビティ12内には、夫々、端子金具15が後方(車内側)から挿入されている。各端子金具15の挿入方向後端部に接続された電線21〜25は、ハウジング10の後方(つまり、車内側)へ導出されている。また、端子金具15は、キャビティ12内において前後方向に相対変位し得るようになっている。したがって、キャビティ12の内周と端子金具15の外周との間は、端子金具15の移動を許容するためのクリアランスが確保されている。
【0018】
ハウジング10は、端子収容部材11を車体60に貫通させるとともに、フランジ部13を車体60にボルト締めすることによって固定されている。車体60に固定されたハウジング10は、その前面を車体60の外部へ臨ませており、このハウジング10の前端部が給電側コネクタとの嵌合部(接続部)となっている。また、上述のように、キャビティ12と端子金具15との間にはクリアランスがあるため、車体60の外部に臨むハウジング10の前面に水が付着すると、その水は、キャビティ12と端子金具15の隙間を通って車体60の内部(ワイヤーハーネス20側)へ浸入し得るようになっている。
【0019】
図1に示すように、端子金具15に接続されてハウジング10から後方へ導出された複数本の電線21〜25のうち、3本は径寸法が大きいシールド電線21,22,23であり、3本は径寸法の小さい非シールド電線24,25である。太径の3本の電線21〜23のうち2本は高圧用のAC線21,22(本発明の構成要件である電力線)であり、1本はアース線23(以下、GND線という)である。2本のAC線21,22の端末部は第1コネクタ36に接続されている。また、複数本の細径の電線は信号線24,25である。これらの信号線24,25のうち1本の信号線24の端末部は、アース端子28を介してアース線23の端末部に接続されている。細径の信号線24,25のうち別の2本の信号線25の端末部と、アース線23から分岐した細径の信号線26の端末部は、第2コネクタ37に接続されている。図2に示すように、アース線23と信号線26との接続部分(分岐部分)は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ38により液密状に包囲されている。
【0020】
図1に示すように、ワイヤーハーネス20は、上記の電線21〜26の他に、断線検知用抵抗27と、フェライトコア30を含む変圧器29と、第3コネクタ39を介して図示しないPLC(Power Line Communication)ユニットに接続されるPLC線31(PLC用通信線)と、コンデンサ32(本発明の構成要件である電子部品)とを備えている。断線検知用抵抗27は、アース端子28を介してアース線23に接続された信号線24の途中に接続されている。図2に示すように、断線検知用抵抗27及び断線検知用抵抗27と信号線24との接続部分は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ40により液密状に包囲されている。
【0021】
図1〜3に示すように、変圧器29は、リング状のフェライトコア30に一方のAC線21を1周り巻回するとともに他方のAC線22を2周り巻回して形成した一次コイルと、フェライトコア30にPLC線31の折返し部分を巻回して形成した二次コイルとを備えて構成されている。変圧器29は、AC線21,22に重畳された信号を取り出すためのものであり、ハウジング10の近傍に配置されている。PLCユニットは、AC線21,22に重畳された信号を変圧器29から抽出することにより給電装置からの信号を取り出すものであり、充電用コネクタ1から離れた位置に配置された回路基板(図示省略)に実装されている。
【0022】
図1,3に示すように、コンデンサ32は、2本のAC線21,22の間に接続されている。コンデンサ32とAC線21,22との接続位置は、変圧器29よりも後方(変圧器29を挟んでハウジング10とは反対側)であってフェライトコア30に比較的近い位置である。コンデンサ32は、機能部品(図示省略)を収容する比較的硬質の材料からなるパッケージ33と、機能部品から片持ち状に延出してパッケージ33の外部へ互いに平行に突出する2本の細長いリード34とを備えて構成されている。パッケージ33の厚さ(高さ寸法)と幅寸法は、フェライトコア30の外径寸法より小さい。
【0023】
コンデンサ32と2本のAC線21,22は、AC線21,22よりも細径の2本の接続用電線35を介して接続されている。この接続構造は、次の通りである。コンデンサ32は、パッケージ33からリード34が前方(即ち、フェライトコア30に接近する方向)へ突出する向きに配置されている。つまり、フェライトコア30の後方にリード34が位置し、リード34の後方にパッケージ33が位置している。各リード34の前端部(突出端部)には、夫々、スプライス端子41を介して接続用電線35の端末部が平行に並ぶように接続されている。この接続用電線35の接続端部の端末方向は、リード34の突出方向とは前後逆方向である。
【0024】
一方のリード34に接続された接続用電線35は後方へ折り返され、この折り返された接続用電線35の後端部が、スプライス端子42を介して一方のAC線21に接続されている。他方のリード34に接続された接続用電線35は、後方へ折り返された後、パッケージ33の後方において前方へ折り返され、この前方への折返部分の前端部が、スプライス端子43を介して他方のAC線22に接続されている。AC線21,22のうち端子金具15に接続された前端部から、接続用電線35との接続部分よりも少し後方の位置に至る領域は、シース44と、シールド用の編組線45が除去された非シールド領域となっている。そして、AC線21,22における接続用電線35との接続部分は、コアが除去されて導体が露出され、この導体にスプライス端子42,43が固着されている。
【0025】
図2,3に示すように、コンデンサ32は、そのパッケージ33と2本のリード34の両方を含む全体が、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ46によって一括して包囲されている。熱収縮チューブ46は、その前後両端部のみが加熱されて縮径しており、前側の縮径部分には一方の接続用電線35が液密状に挿通され、後側の縮径部分には他方の接続用電線35が液密状に挿通されている。したがって、パッケージ33とリード34は、熱収縮チューブ46のうち熱収縮していない大径領域によって包囲されている。
【0026】
また、接続用電線35とAC線21,22との接続部分も、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ47によって液密状に包囲されている。さらに、AC線21,22のうちシース44と編組線45が除去された非シールド領域と、シース44及び編組線45が除去されていないシールド領域との境界部分(即ち、接続用電線35とAC線21,22との接続部分よりも後方の位置)には、簡易防水手段として結束テープ48が巻き付けられている。さらに、この結束テープ48が巻き付けられた境界部分よりも少し後方においては、AC線21,22は、シース44のみを所定長さだけ除去されて、編組線45を露出させている。この編組線45の露出部分と、この露出部分の前方及び後方に隣接する領域は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ49によって液密状に包囲されている。
【0027】
図3に示すように、グロメット50は、全体として前後方向に貫通する筒状をなす。グロメット50の径寸法は、前端部で最大であり、後方に向かって次第に小径となり、後端部で最小となる。グロメット50の前端部は、フランジ部13の後面に液密状に取り付けられている。また、グロメット50の後端部は、ワイヤーハーネス20のうち結束テープ48が巻き付けられている部分よりも後方であり、且つAC線21,22のうちシース44のみが除去されて熱収縮チューブ49で包囲された部分よりも前方の位置に配置されている。したがって、ワイヤーハーネス20のうちフェライトコア30(変圧器29)とコンデンサ32は、グロメット50内に収容されており、コネクタ36,37,39とAC線21,22のうちシース44のみが除去された部分は、グロメット50の後方外部に配置されている。
【0028】
グロメット50の内部空間はハウジング10の後面に臨んでいるので、ハウジング10の前端部に付着してキャビティ12と端子金具15の隙間を通過した水は、グロメット50の内部に入り込む。ここで、グロメット50には、その底面を貫通する排水孔51が形成されているので、グロメット50内に入り込んだ水は、排水孔51からドレンホース52を通ってグロメット50外の所定空間へ排出される。
【0029】
本実施形態の充電用コネクタ1は、車体60に取り付けられるハウジング10と、ハウジング10に取り付けられた複数の端子金具15と、端子金具15に接続されてハウジング10から導出されたAC線21,22と、AC線21,22が巻回されていて、変圧器29を構成するフェライトコア30と、パッケージ33からリード34を突出させた形態であって、リード34がAC線21,22に接続されたコンデンサ32とを備えており、コンデンサ32をフェライトコア30の近傍に配置した点に特徴を有している。
【0030】
この構成によれば、リード34に対して異物(図示省略)が接近しても、その異物は、リード34に到達する前に、リード34の近傍に位置するフェライトコア30に当たるので、リード34が異物の干渉によって変形したり折損したりする虞はない。本実施形態では、変圧器29を構成するフェライトコア30を、リード34に対する異物の干渉を防止する手段として兼用させたので、専用の保護部材が不要である。
【0031】
また、コンデンサ32は、リード34がパッケージ33からフェライトコア30に向かって突出する向きに配置されている。この構成によれば、パッケージ33とフェライトコア30との間にリード34が挟まれるように位置するので、リード34に対する異物の干渉は、フェライトコア30だけでなくパッケージ33によっても防止される。
【0032】
また、パッケージ33とリード34を含むコンデンサ32の全体が、熱収縮チューブ46で包囲されている。しかも、この熱収縮チューブ46のうちコンデンサ32(パッケージ33とリード34)を包囲する領域は、熱収縮していないので、パッケージ33とリード34を包囲する空間は閉塞された干渉空間として機能する。したがって、異物がフェライトコア30に当たらずにリード34に接近したときには、その異物が熱収縮チューブ46の非熱収縮領域に当たるだけで済み、熱収縮チューブ46に対する異物の衝撃がリード34に作用することはない。これにより、リード34の変形や折損を確実に防止できる。
【0033】
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図4,5を参照して説明する。本実施形態2の充電用コネクタ2は、コンデンサ70(本発明の構成要件である電子部品)と接続用電線74,76との接続形態、及びコンデンサ70に対する熱収縮チューブ75,79の取付形態を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0034】
コンデンサ70は、フェライトコア30の方向において、2本のリード72がパッケージ71からフェライトコア30に向かって前方へ突出する向きに配置されている。2本のリード72は、その前端部(突出端部)に向かって間隔が狭まるように斜めに曲げられている。各リード72の前端部には、夫々、スプライス端子73を介して第1接続用電線74の後向きの接続端部が接続されている。一方のリード72の前端部と第1接続用電線74との接続部分は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ75により液密状に包囲されている。他方のリード72の前端部と第1接続用電線74との接続部分も、一方のリード72とは独立して、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ75により液密状に包囲されている。
【0035】
リード72に接続された各第1接続用電線74は、夫々、後方へ折り返され、更に、パッケージ71の後方で前方へ折り返されている。そして、この前方へ折り返された部分の前端部には、半田付けにより、第2接続用電線76の後向きの接続端部が接続されている。この第1接続用電線74と第2接続用電線76との接続部分は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ77により液密状に包囲されている。第2接続用電線76の前端部は、実施形態1と同様に、AC線21,22のうちコアを除去して露出させた導体にスプライス端子(図示省略)を介して接続されている。このAC線21,22と第2接続用電線76との接続部分も、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ78により液密状に包囲されている。
【0036】
コンデンサ70のうちパッケージ71の全体と、リード72のうち前端部を除いた領域は、加熱により溶融する溶剤が内周に塗布された熱収縮チューブ79により液密状に包囲されている。この熱収縮チューブ79は、その全長(前端から後端に至る領域)に亘って熱収縮しているので、パッケージ71とリード72は熱収縮チューブ79に密着している。熱収縮チューブ79の前端部においては、2本のリード72の前端部を個別に包囲する2本の熱収縮チューブ75が左右に並んで密着した状態で挿通されているとともに、2本の第1接続用電線74の後方へ折り返された部分が熱収縮チューブ75に密着した状態で挿通されている。一方、熱収縮チューブ79の後端部においては、2本の第1接続用電線74の後方へ折り返された領域の後端部が、並んで挿通されている。
【0037】
本実施形態2では、2本のリード72を個別に包囲する2本の熱収縮チューブ75を密着するように並べ、この並べた部分を熱収縮チューブ79で固定している。この構成によれば、各リード72は、パッケージ71と熱収縮チューブ75とによって前後両端部で支持されることになるので、片持ち状のままで存在している場合に比べると、変形や破損が生じ難くなっている。
【0038】
しかも、パッケージ71を密着状態で包囲する熱収縮チューブ79は、パッケージ71だけでなく、リード72のうち熱収縮チューブ75で包囲されていない領域、及びリード72のうち熱収縮チューブ75で包囲された領域に亘って連続して密着している。したがって、この熱収縮チューブ79の剛性によっても、リード72の変形や折損が防止されている。
【0039】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コンデンサ(電子部品)を、リードがパッケージからフェライトコアに向かって突出する向きに配置したが、電子部品は、リードがパッケージからフェライトコアとは反対方向へ突出する向きに配置してもよく、リードが、パッケージとフェライトコアを結ぶ仮想線に対して交差する方向へ突出する向きに配置してもよい。
(2)上記実施形態では、リードの突出方向と、接続用電線におけるリードへの接続端部の端末方向とを互いに逆向きとしたが、リードの突出方向と、接続用電線におけるリードへの接続端部の端末方向とを同じ向きとしてもよい。この場合、リードの突出方向と接続用電線の端末方向を同じ向きに揃えるのは、2本のリードの両方であってもよく、2本のリードのうちいずれか一方のみであってもよい。
(3)上記実施形態では、コンデンサ(電子部品)が、2本のリードを互いに同じ向きに突出する形態であったが、コンデンサ(電子部品)は、2本のリードがパッケージから互いに反対方向へ突出する形態であってもよい。
(4)上記実施形態では、AC線(電力線)とコンデンサ(電子部品)のリードを、AC線(電力線)よりも線径の細い接続用電線を介して接続したが、電力線とコンデンサ(電子部品)のリードとを、直接、接続してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…充電用コネクタ
10…ハウジング
15…端子金具
21,22…AC線(電力線)
29…変圧器
30…フェライトコア
32…コンデンサ(電子部品)
33…パッケージ
34…リード
46…熱収縮チューブ
60…車体
2…充電用コネクタ
70…コンデンサ(電子部品)
71…パッケージ
72…リード
79…熱収縮チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた複数の端子金具と、
前記端子金具に接続されて前記ハウジングから導出された電力線と、
前記電力線が巻回されていて、変圧器を構成するフェライトコアと、
パッケージからリードを突出させた形態であって、前記リードが前記電力線に接続された電子部品とを備えた充電用コネクタにおいて、
前記電子部品が前記フェライトコアの近傍に配置されていることを特徴とする充電用コネクタ。
【請求項2】
前記電子部品は、前記リードが前記パッケージから前記フェライトコアに向かって突出する向きに配置されていることを特徴とする請求項1記載の充電用コネクタ。
【請求項3】
前記電子部品のうち前記パッケージから前記リードに亘る領域が、熱収縮チューブで包囲されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の充電用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−230851(P2012−230851A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99188(P2011−99188)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】