説明

充電装置

【課題】充電中に温度異常が発生した場合に、そのことをユーザに的確に知らせる。
【解決手段】充電装置20は、充電中の二次電池23の温度TBが充電を実行する正常温度、または充電を中止する異常温度であるかを繰り返し判断する充電状態判断部31と、情報を表示する表示部16と、充電状態判断部31により異常温度が判断された場合、充電中に異常温度が発生したことを通知する通知情報を表示部16に表示する表示制御部36と、操作部12とを有する。そして、表示制御部36は、表示部16に通知情報を表示している場合に充電状態判断部31により正常温度が判断されても表示部16での通知情報の表示を継続し、操作部12に対する操作がなされた場合に、表示部16による通知情報の表示を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を充電する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、携帯用電子機器の筐体内にセンサ部を設け、筐体内における温度、湿度などの状態を検出し、検出結果に応じたキャラクタ画像を表示部に表示する携帯用電子機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−90326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、センサ部の検出に応じて表示を切り替える構成であるため、センサ部が新たな状態を検出したら、その新たな検出に応じて表示も新たな表示に切り替わることになる。
【0005】
そのため、たとえば充電中の携帯用電子機器の筐体内の温度が通常の温度から充電仕様の限界(高温または低温)を超えて、充電を停止する制御を実施する場合において、ユーザに対して的確に報知できないことがある。
たとえば充電中に温度異常が発生して充電を停止した後、正常な温度に復帰して充電が再開された場合、センサ部は、正常な温度検出に応じて表示を正常な温度検出の表示に切り替えてしまう。
その結果、充電再開後にユーザが表示を確認しても、ユーザは充電中に温度異常が発生していたことを知ることはできない。
【0006】
本発明は、充電中に温度異常が発生した場合に、そのことをユーザに的確に知らせる充電装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点の充電装置は、充電中の二次電池の温度が充電を実行する正常温度、または充電を中止する異常温度であるかを繰り返し判断する充電状態判断部と、情報を表示する表示部と、前記充電状態判断部により異常温度が判断された場合、充電中に異常温度が発生したことを通知する通知情報を前記表示部に表示する表示制御部と、操作部とを有し、前記表示制御部は、前記表示部に前記通知情報を表示している場合に前記充電状態判断部により正常温度が判断されても前記表示部での前記通知情報の表示を継続し、前記操作部に対する操作がなされた場合に、前記表示部による前記通知情報の表示を終了する。
【0008】
好適には、前記表示制御部は、前記操作部に対する操作に基づいて前記通知情報の表示を終了した後に、前記充電状態判断部により再び異常温度と判断された場合、前記表示部に前記通知情報を表示しなくてもよい。
【0009】
好適には、前記充電状態判断部は、前記二次電池が満充電状態であるか否かを判断し、前記表示制御部は、前記充電状態判断部により満充電状態が判断された場合、前記操作部に対する操作がなされていなくても、前記表示部による前記通知情報の表示を終了してもよい。
【0010】
好適には、前記充電状態判断部による温度異常の判断結果を蓄積するログデータを記憶する記憶部を有し、前記表示制御部は、起動時に前記ログデータを読み込み、当該起動直前の電源オフ期間において前記充電状態判断部により異常温度が判断されている場合、起動時に前記通知情報を前記表示部に表示してもよい。
【0011】
好適には、前記二次電池が配設される筐体と、前記筐体内に配設され、前記表示部と前記操作部とが接続され、プログラムを実行することで前記充電状態判断部および前記表示制御部を実現する処理回路とを有し、前記充電状態判断部は、前記充電状態判断部により低温の異常温度が判断された場合、前記処理回路の負荷または動作周波数を増やして前記二次電池の温度を上昇させてもよい。
【0012】
好適には、前記二次電池を充電し、前記二次電池の温度が充電を停止する前記異常温度である場合には充電を停止する充電部を有してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、充電中に温度異常が発生した場合に、そのことをユーザに的確に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機の外観図である。
【図2】図2は、図1の携帯電話機の主な回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、図1の携帯電話機において、充電装置の回路構成を示す回路図である。
【図4】図4は、図3の充電ICの動作状態と、制御入力端子および状態出力端子との関係を示す説明図である。
【図5】図5は、図3の充電制御部の処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、図3の充電制御部の状態入力端子の入力レベルと、制御出力端子の出力レベルとの関係図である。
【図7】図7は、図3の二次電池の検出温度と、状態通知制御回路の第1温度通知端子および第2温度通知端子との関係図である。
【図8】図8は、CIAJ勧告のリチウムイオン電池の充電方式の説明図である。
【図9】図9は、図1の携帯電話機において、充電装置のUI機能を示すブロック図である。
【図10】図10は、図9の充電状態判断部による充電状態判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図11は、図9の充電状態判断部(CPU)の入力と判断結果との関係図である。
【図12】図12は、図9のログデータのデータ構造の一例を示す説明図である。
【図13】図13は、図9の表示制御部の処理を示すフローチャートである。
【図14】図14は、ログデータの内容と温度異常通知画面の表示制御との対応関係を示す説明図である。
【図15】図15は、温度異常検出時の充電装置の全体動作のタイミングチャートである。
【図16】図16は、満充電検出時の充電装置の全体動作のタイミングチャートである。
【図17】図17は、第2の実施の形態に係る携帯電話機において、充電装置の回路構成を示す回路図である。
【図18】図18は、第2の実施の形態に係る携帯電話機において、充電装置のUI機能を示すブロック図である。
【図19】図19は、第2の実施の形態に係る携帯電話機において、充電状態判断部の判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、折り畳み型の携帯電話機1の充電装置を例に説明する。
【0017】
[携帯電話機1の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯電話機1の外観図である。そして、携帯電話機1は、二次電池を充電する機能を有する。
携帯電話機1は、上部筐体2と、下部筐体3と、ヒンジ部4とを有する。ヒンジ部4は、上部筐体2と下部筐体3とを開閉可能に連結する。図1(A)は携帯電話機1を開いた開状態である。図1(B)は携帯電話機1を閉じた閉状態である。
そして、上部筐体2には、図1(B)の閉状態においては外部に露出しない面に表示部16が配置される。また、下部筐体3には、図1(B)の閉状態においては外部に露出しない面に操作部12が配置される。
【0018】
図2は、図1の携帯電話機1の主な回路構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、通信部11、操作部12、音声入出力部13、CPU(Central Processing Unit)14、記憶部15、表示部16、撮像部17、およびこれらを接続するシステムバス18を有する。
【0019】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display Device)や有機EL(Electro-Luminescence)などを有する。
表示部16は、CPU14からテキストデータまたは画像データを含む信号が入力されると、そのテキストまたは画像によりユーザに対する情報を表示する。
【0020】
通信部11は、無線通信システムを捕捉し、通信ネットワークの図示しない携帯電話機1用の基地局との間で無線通信を行い、各種のデータを送受信する。
また、通信部11は、受信データを含む信号をCPU14へ出力し、CPU14から送信データを含む信号が入力される。
【0021】
音声入出力部13は、スピーカおよびマイクロフォンに接続される。
音声入出力部13は、マイクロフォンに入力された音声をサンプリングし、音響データを含む信号をCPU14へ出力する。
また、音声入出力部13は、CPU14から音響データを含む信号が入力されると、音響データに基づく音声をスピーカから出力する。
【0022】
このように表示部16、通信部11または音声入出力部13は、CPU14から入力されたデータに基づいて、表示、通信または音声により所定の報知を行う。
【0023】
撮像部17は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの光電変換素子を有する。
そして、撮像部17は、光電変換素子が撮像した映像データを含む信号をCPU14へ出力する。
【0024】
操作部12は、たとえば電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、発信キーなどの各種の機能が割り当てられた操作キーを有する。
また、操作部12は、これらのキーがユーザにより操作された場合、操作されたキーに対応する信号をCPU14へ出力する。
【0025】
記憶部15は、不揮発性の記憶デバイス(不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置、光ディスク装置など)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(例えばSRAM、DRAM)などにより構成される。
記憶部15は、CPU14が実行するコンピュータのプログラム、および各種のデータを記憶する。記憶部15は、たとえば後述する充電制御のためにログデータ37、長周期TL、短周期TSなどを記憶する。
なお、記憶部15に記憶されるプログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されていたものをインストールしたものであればよい。また、プログラムは、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしてインストールしたものでもよい。
【0026】
CPU14は、コンピュータの処理部として機能し、記憶部15に格納されたプログラムを実行する。そして、CPU14は、携帯電話機1の全体的な動作を統括的に制御する。また、CPU14は、後述する充電制御を実行する。
なお、CPU14は、実行中のプログラムが無い場合、または実行負荷が低い場合、通常動作状態から低消費電力動作状態に切り替わる。
【0027】
[充電装置20の充電部]
図3は、図1の携帯電話機1における充電装置20の回路構成を示す回路図である。
図3の充電装置20は、図示外の充電器などが接続される充電器コネクタ21、充電器検出回路27、充電IC(Integrated Circuit)22、二次電池23、温度センサ24、状態通知制御回路25、CPU14を有する。
また、携帯電話機1で二次電池23を充電する場合、CPU14には、充電制御部26が実現される。
なお、図2および図3の回路は、二次電池23とともに、携帯電話機1の上部筐体2および下部筐体3内に配設される。特に、CPU14は、二次電池23とともに下部筐体3内に配設される。
【0028】
充電器コネクタ21は、第1外部端子21−1と、第2外部端子21−2とを有する。
第1外部端子21−1は、充電IC22の後述する電圧入力端子PINに接続される。
第2外部端子21−2は、グランド部に接続される。
これにより、充電器コネクタ21に充電器などの電源が接続されると、直流電圧が充電IC22に供給される。なお、充電器は、たとえば商用交流電源に接続して使用する。
【0029】
充電器検出回路27は、充電器コネクタ21に接続される。
充電器検出回路27は、充電器コネクタ21への入力電圧を検出すると、CPU14へ充電器検出信号S27を出力する。
【0030】
二次電池23は、充電IC22の後述する充電端子POUTとグランド部との間に接続される。二次電池23は、蓄電できる電池であればよく、たとえばリチウムイオン電池などがある。リチウムイオン電池は、充電時に温度による制御をしなくとも充電が可能な二次電池である。
【0031】
充電IC22は、複数の入出力端子を有する。入出力端子には、たとえば電圧入力端子PIN、充電端子POUT、制御入力端子CIN、状態出力端子SOがある。
充電端子POUTは、二次電池23に接続される。そして、充電IC22は、電圧入力端子PINから入力される電力を変換し、充電端子POUTから出力する。二次電池23は、充電IC22の充電端子POUTから供給される電圧および電流により充電される。
また、充電IC22は、IC内において、充電端子POUTの出力電圧(充電電圧)および出力電流(充電電流)を検出する。
【0032】
図4は、充電IC22の動作状態と、制御入力端子CINおよび状態出力端子SOとの関係を示す説明図である。充電IC22の動作状態には、充電中状態、満充電状態、および停止状態がある。
【0033】
制御入力端子CINがローレベルである場合、充電IC22は充電動作可能なイネーブル状態となる。そして、充電IC22は、二次電池23の充電状態に応じて充電中状態または満充電状態になる。
充電中状態では、充電IC22は、二次電池23を充電するために、充電端子POUTから二次電池23へ所定の電圧Vc1および所定の電流Ic2を出力する。また、充電IC22は、状態出力端子SOをローレベルに制御する。
二次電池23が充電されて二次電池23の充電電圧が所定の満充電電圧Vc1以上になると、充電IC22は、二次電池23が満充電になったと判断し、満充電状態になる。満充電状態では、充電IC22は、充電端子POUTからの充電電圧および充電電流の出力を停止する。また、充電IC22は、状態出力端子SOをハイレベルに制御する。
【0034】
制御入力端子CINがハイレベルである場合、充電IC22は、充電IC22を充電しないディスエーブル状態となり、動作を停止する。このとき、状態出力端子SOは、たとえばローレベルであればよい。
【0035】
CPU14は、複数の入出力端子を有する。入出力端子には、たとえば検出端子DTCT、制御出力端子COUT、状態入力端子SI、および温度入力端子STINがある。
検出端子DTCTは、充電器検出回路27に接続される。
制御出力端子COUTは、オア回路28の入力端子に接続される。オア回路28の出力端子は、充電IC22の制御入力端子CINに接続される。
状態入力端子SIは、オア回路29の出力端子に接続される。オア回路29の入力端子は、充電IC22の状態出力端子SOに接続される。
温度入力端子STINは、状態通知制御回路25に接続される。
CPU14の充電制御部26は、これらの入出力端子を用いて、充電IC22による二次電池23の充電を制御する。
【0036】
図5は、図3の充電制御部26が実行する充電制御の流れを示すフローチャートである。
充電制御部26は、携帯電話機1の電源がオフ状態にあっても、携帯電話機1に充電器が接続されると起動し、図5の処理を実行する。
【0037】
図5の充電制御において、充電制御部26は、携帯電話機1が図示しない充電器に接続されたか否かを判断する(ステップS1)。
充電制御部26は、たとえば充電器検出回路27から充電器検出信号S27が入力されたことに基づいて、携帯電話機1が充電器に接続されたと判断すればよい。
【0038】
ステップS1において充電器が接続されたと判断すると、充電制御部26は、後述する図9に示すログ記録部35へ充電開始を通知する(ステップS2)。
なお、充電制御部26は、たとえばCPU14のプログラム間通信機能を用いて、ログ記録部35へ充電開始を通知すればよい。
ログ記録部35へ充電開始を通知した後、充電制御部26は、充電状態を判断する(ステップS3)。
また、充電制御部26は、判断した充電状態に応じて制御出力端子COUTを制御する(ステップS4,S5)。
【0039】
図6は、充電制御部26の状態入力端子SIの入力レベルと、制御出力端子COUTの出力レベルとの関係図である。
図6に示すように、充電制御部26の状態入力端子SIがローレベルである場合、充電制御部26は、制御出力端子COUTをローレベルに制御する。
また、充電制御部26の状態入力端子SIがハイレベルである場合、充電制御部26は、制御出力端子COUTをハイレベルに制御する。
【0040】
ステップS4またはS5において充電IC22へ指示した後、充電制御部26は、所定時間が経過することを待つ(ステップS6)。
このとき、充電制御部26は、記憶部15の後述する周期レジスタ32から長周期TLの時間を読み込み、この長周期TLの時間が経過することを待つ。
そして、所定時間(長周期TLの時間)が経過すると、充電制御部26は、充電器が離脱されたか否かを判断する(ステップS7)。
充電制御部26は、たとえば充電器検出回路27から充電器検出信号S27が入力されてない場合、充電器が離脱したと判断する。この場合、充電制御部26は、再び充電器が接続されるまで、図5の充電処理を終了する。
【0041】
充電器が携帯電話機1に接続されていて、充電器が離脱していない場合(ステップS7でNoの場合)、充電制御部26は、ステップS3〜ステップS6の処理を繰り返し実行する。
これにより、充電制御部26は、充電器が接続されている間は、所定の期間(長周期TLの時間)毎に充電IC22の動作状態を検出し、検出した動作状態に応じて充電IC22の動作を制御する。
【0042】
以上の図5の充電制御により、たとえば、充電制御部26が、まず、制御出力端子COUTをハイレベルからローレベルに制御すると、充電IC22はイネーブル状態になって充電動作を開始し、状態出力端子SOをローレベルに制御する。
また、状態入力端子SIがローレベルになると、充電制御部26は、充電中であると判断し、制御出力端子COUTをローレベルに制御する。
これにより、制御出力端子COUTはローレベルに制御し続けられ、充電IC22は充電し続けることができる。
【0043】
また、二次電池23が満充電になると、充電IC22は満充電状態と判断し、状態入力端子SIをハイレベルに制御する。
状態入力端子SIがハイレベルになると、充電制御部26は、満充電状態であると判断し、制御出力端子COUTをローレベルからハイレベルへ制御する。充電IC22はディスエーブル状態になって停止する。
これにより、二次電池23が満充電状態になると、充電IC22による充電を停止することができる。
【0044】
そして、以上の充電IC22の充電動作および充電制御部26の充電制御により、充電装置20は、二次電池23を満充電電圧Vc1まで充電できる。
【0045】
図3に説明を戻す。
状態通知制御回路25には、温度センサ24が接続される。温度センサ24は、二次電池23の温度TBを検出する。
また、状態通知制御回路25は、第1温度通知端子ST1と、第2温度通知端子ST2とを有する。
第1温度通知端子ST1は、CPU14の状態入力端子SIに接続されたオア回路29の入力端子と、温度入力端子STINとに接続される。
第2温度通知端子ST2は、充電IC22の制御入力端子CINに接続されたオア回路28の入力端子に接続される。
【0046】
図7は、二次電池23の検出温度TBと、第1温度通知端子ST1および第2温度通知端子ST2との関係図である。
なお、図7には、CPU14の状態入力端子SIの入力レベル、充電制御部26の判断内容、充電IC22の制御入力端子CINの入力レベル、充電IC22の動作状態も併せて図示されている。
二次電池23の検出温度TBは、第1温度T1と第3温度T3と比較される。
第1温度T1および第3温度T3は、後述するようにCIAJ勧告における第1温度T1および第3温度T3である。
【0047】
二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低い場合、状態通知制御回路25は、第1温度通知端子ST1および第2温度通知端子ST2をハイレベルに制御する。
二次電池23の検出温度TBが第3温度T3より高い場合、状態通知制御回路25は、第1温度通知端子ST1および第2温度通知端子ST2をハイレベルに制御する。
第1温度通知端子ST1がハイレベルに制御されると、オア回路29を通じて、CPU14の状態入力端子SIもハイレベルになる。このため、充電制御部26は、満充電と判断する。
また、第2温度通知端子ST2がハイレベルに制御されると、オア回路28を通じて、充電IC22の制御入力端子CINもハイレベルになる。このため、充電IC22は、ディスエーブル状態となって停止する。
【0048】
これに対して、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1と第3温度T3との間の温度である場合、状態通知制御回路25は、第1温度通知端子ST1および第2温度通知端子ST2をローレベルに制御する。
第1温度通知端子ST1がローレベルに制御されると、オア回路29の出力レベルは、充電IC22の状態出力端子SOの電圧レベル(論理レベル)になる。そして、状態出力端子SOがローレベルである場合、充電制御部26は充電中と判断する。また、状態出力端子SOがハイレベルである場合、充電制御部26は満充電と判断する。
また、第2温度通知端子ST2がローレベルに制御されると、オア回路28の出力レベルは、CPU14の制御出力端子COUTの電圧レベル(論理レベル)になる。そして、制御出力端子COUTがローレベルである場合、充電制御部26は、イネーブル状態となって充電動作する。また、制御出力端子COUTがハイレベルである場合、充電制御部26は、ディスエーブル状態となって停止する。
【0049】
このように、図3の充電装置20は、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低い場合、または第3温度T3より高い場合、充電制御部26に満充電と判断させ、充電IC22を停止することができる。
また、図3の充電装置20は、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1と第3温度T3との間の温度である場合、充電制御部26の制御の下で充電IC22を充電動作させることができる。
【0050】
図8は、CIAJ(Communications Industries Association of Japan)により勧告されたリチウムイオン電池の充電方式の説明図である。
図8(A)に示すように、CIAJ勧告では、二次電池23の検出温度が第1温度T1より低い場合には二次電池23の充電を禁止し、第1温度T1から第2温度T2では第1充電電圧Vc1および第2充電電流Ic2で充電し、第2温度T2から第3温度T3では第1充電電圧Vc1および第1充電電流Ic1で充電し、第3温度T3から第4温度T4では第2充電電圧Vc2および第1充電電流Ic1で充電し、第4温度T4より高い場合には二次電池23の充電を禁止する。
【0051】
図8(B)は、図8(A)のCIAJ勧告を図式化したものである。横軸は、二次電池23の検出温度TB、右縦軸は充電電圧Vc、左縦軸は充電電流Icである。
図8(B)に示すように、第1充電電圧Vc1は、二次電池23に充電可能な電圧であり、第2充電電圧Vc2は、第1充電電圧Vc1より低い電圧である。そして、図8(B)において左下がりのハッチング範囲A1が、CIAJで勧告された二次電池23に充電電圧を印加してもよい範囲である。
また、第1充電電流Ic1は、二次電池23に流してもよい充電電流であり、第2充電電流Ic2は、第1充電電流Ic1より低い電流である。そして、図8(B)において右下がりのハッチング範囲A2が、CIAJで勧告された二次電池23に充電電流を流してもよい範囲になる。
【0052】
そして、第1の実施の形態では、図8(A)に示すように、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低い場合には充電を停止し、第1温度T1から第2温度T2では第1充電電圧Vc1および第2充電電流Ic2で充電し、第2温度T2から第3温度T3では第1充電電圧Vc1および第2充電電流Ic2で充電し、第3温度T3から第4温度T4では充電を停止し、第4温度T4より高い場合には充電を停止する。
よって、第1の実施の形態の充電装置20の充電方式は、CIAJ勧告を満たす。
【0053】
[充電装置20のUI部]
図9は、図1の携帯電話機1における充電装置20のUI(User Interface)機能を示すブロック図である。
図9の充電装置20のCPU14には、ログ記録部35へ充電開始を通知する充電制御部26の他に、充電状態判断部31、周期レジスタT_REG32、操作検出部33、起動制御部34、ログ記録部35、および表示制御部36が実現される。
また、記憶部15には、ログデータ37が記憶される。
【0054】
充電状態判断部31は、CPU14の状態入力端子SIおよび温度入力端子STINの入力に基づいて充電装置20による充電状態を判断する。充電状態判断部31は、判断結果をログ記録部35へ出力する。充電状態判断部31が判断する充電状態には、たとえば二次電池23の温度エラー、温度復旧、満充電などがある。
【0055】
図10は、図9の充電状態判断部31による判定処理を示すフローチャートである。
充電状態判断部31は、携帯電話機1の電源がオフ状態にあっても、携帯電話機1に充電器が接続されると充電制御部26とともに起動し、図10の処理を実行する。
【0056】
図10の充電状態の判定処理において、充電状態判断部31は、携帯電話機1が図示しない充電器に接続されたか否かを判断する(ステップS11)。
ステップS11において充電器が接続されたと判断すると、充電状態判断部31は、充電状態を判断する(ステップS12)。
また、充電状態判断部31は、判断結果をログ記録部35へ通知する(ステップS13,S14,S15)。
【0057】
図11は、CPU14の入力状態と、充電状態判断部31の判断結果との関係を示す図である。
充電状態判断部31は、温度入力端子STINがローレベルからハイレベルへ変化すると、温度エラーと判断する。そして、充電状態判断部31は、温度エラーをログ記録部35へ通知する(ステップS13)。
また、温度入力端子STINがハイレベルからローレベルへ変化すると、充電状態判断部31は、温度復旧と判断する。そして、充電状態判断部31は、温度復旧をログ記録部35へ通知する(ステップS14)。
また、温度入力端子STINがローレベルであり、かつ、状態入力端子SIがハイレベルであると、充電状態判断部31は、満充電と判断する。そして、充電状態判断部31は、満充電をログ記録部35へ通知する(ステップS15)。
【0058】
ステップS13からS15の通知ステップにおいてログ記録部35へ判断結果を通知した後、充電状態判断部31は、所定時間が経過することを待つ(ステップS16)。
このとき、充電状態判断部31は、記憶部15の周期レジスタ32から長周期TLの時間を読み込み、この長周期TLの時間が経過することを待つ。
そして、所定時間(長周期TLの時間)が経過すると、充電状態判断部31は、充電器が離脱されたか否かを判断する(ステップS17)。
充電器が離脱されている場合、充電状態判断部31は、再び充電器が接続されるまで、図10の充電状態の判断処理を終了する。
【0059】
また、充電器が携帯電話機1に接続されていて、充電器が離脱していない場合(ステップS17でNoの場合)、充電状態判断部31は、ステップS12〜ステップS16の処理を繰り返し実行する。
これにより、充電状態判断部31は、充電器が接続されている間は、所定の期間(長周期TLの時間)毎に充電IC22の動作状態を検出し、検出した動作状態に応じて充電IC22の動作を制御する。
【0060】
図9において、周期レジスタT_REG32は、充電装置20の動作周期として、たとえば長周期TLの時間の値を保持する。
周期レジスタT_REG32が記憶する動作周期の値は、充電制御部26による図5の充電制御ループの繰り返し周期として用いられる。また、充電状態判断部31による図9の状態判断ループの繰り返し周期として用いられる。
【0061】
操作検出部33は、操作部12が操作された場合、操作検出通知をログ記録部35へ通知する。
【0062】
起動制御部34は、たとえば操作部12の電源キーが操作されて携帯電話機1が電源オン状態になると、操作検出部33、表示制御部36などを起動する。また、起動制御部34は、電源オン通知をログ記録部35へ通知する。
また、起動制御部34は、たとえば操作部12の電源キーが操作されて携帯電話機1が電源オフ状態になると、操作検出部33、表示制御部36などを停止する。また、起動制御部34は、電源オフ通知をログ記録部35へ通知する。
【0063】
表示制御部36は、表示部16の表示内容を制御する。
表示制御部36は、たとえば充電中に二次電池23の温度が異常となった場合、温度異常通知画面を表示部16に表示させる。そして、表示制御部36は、温度異常の表示通知を、ログ記録部35へ通知する。
また、表示制御部36は、所定の条件が整うと、表示部16による温度異常通知画面の表示を終了する。そして、表示制御部36は、温度異常表示の終了通知を、ログ記録部35へ通知する。
【0064】
ログ記録部35には、上述したCPU14内の各部から、イベント通知が入力される。ログ記録部35は、通知されたイベント内容を記憶部15に蓄積する。
これにより、記憶部15には、複数のイベント内容を蓄積したログデータ37が生成される。
【0065】
図12は、図9のログデータ37のデータ構造の一例を示す説明図である。
図12において、各行は、イベント毎のレコードに対応する。レコードは、ログIDと、イベント内容を示す情報とを有する。
ログIDは、各レコードに固有の識別番号である。図12では、古いレコードが下側であり、新しいレコードが上側になっている。そして、図12において、古いレコードのログIDの値は、新しいレコードのログIDの値より小さい。
【0066】
各レコードのイベント情報は、CPU14内の各部から通知されたイベントを示す情報である。
図12のログデータ37において、たとえば、イベント情報「CHRGE_OFF」は、充電制御部26の充電終了通知に対応する。
「CHRGE_START」は、充電制御部26の充電開始通知に対応する。
「POWER_ON」は、起動制御部34の電源オン通知に対応する。
「T_ERROR」は、充電状態判断部31の温度異常通知に対応する。
「T_RECOVER」は、充電状態判断部31の温度復旧通知に対応する。
「MAN_OPERATION」は、操作検出部33の操作検出通知に対応する。
「CHRGE_FULL」は、充電状態判断部31の満充電通知に対応する。
【0067】
[温度異常通知画面の表示制御]
次に、図1の携帯電話機1における充電装置20の表示制御について説明する。
図13は、図9の表示制御部36の表示制御の流れを示すフローチャートである。
図13の表示制御により、表示制御部36は、温度異常通知画面の表示を制御する。
【0068】
表示制御部36は、起動されると、ログデータ37を読み込む(ステップS21)。
表示制御部36は、読み込んだログデータ37の内容を解析し、温度異常通知画面の表示要否を判断する(ステップS22)。
ステップS22において温度異常通知画面を表示する必要があると判断した場合、表示制御部36は、温度異常通知画面を表示部16に表示させる(ステップS23)。
【0069】
ステップS22において温度異常通知画面を表示する必要がないと判断した場合、表示制御部36は、さらに当該画面を表示中か否かを判断する(ステップS24)。
そして、当該画面を表示している場合には、表示制御部36は、温度異常通知画面の表示を終了する。これにより、表示部16に表示されていた温度異常通知画面が消去される(ステップS25)。
【0070】
また、ステップS24において温度異常通知画面の表示中ではないと判断した場合、表示制御部36は、表示部16の表示を変更することなく処理を終了する。
【0071】
表示部16による温度異常通知画面の表示を制御した後、表示制御部36は、ログデータ37が更新されたか否かを判断する。
ログデータ37が更新されていない場合、表示制御部36は、ログデータ37の更新待ち状態となる(ステップS26)。
なお、表示制御部36は、たとえばログ記録部35からのログデータ37の更新通知により、ログデータ37が更新されたか否かを判断すればよい。
【0072】
そして、ログデータ37が更新された場合、表示制御部36は、ステップS21からS25までの処理を繰り返す。
これにより、表示部16には、ログデータ37の内容に応じて温度異常通知画面の表示を制御する。
【0073】
図14は、ログデータ37の内容と、温度異常通知画面の表示との対応関係を示す説明図である。
【0074】
図14に示すように、充電装置20は、温度異常通知画面の表示に関するステータスとして、起動ステータスSC1、表示ステータスSC2および非表示ステータスSC3を有する。
起動ステータスSC1は、充電装置20の表示制御部36が起動された状態である。
表示ステータスSC2は、充電装置20の表示部16に温度異常通知画面を表示した状態である。
非表示ステータスSC3は、充電装置20の表示部16に温度異常通知画面を表示しない状態である。
【0075】
充電装置20の表示制御部36が起動されると、充電装置20のステータスは、まず、起動ステータスSC1になる。
そして、表示制御部36が図13の表示制御を実行し、起動前の温度異常ログデータの有無を判断する。
なお、起動前の温度異常検出の有無は、たとえば図12において充電終了通知を含むレコードよりID(0099)の値が大きいレコードについて調べ、「T_ERROR」を含むレコードの有無を判断すればよい。
【0076】
そして、起動前の温度異常ログデータがログデータ37に含まれていると判断すると(J1)、充電装置20は表示ステータスSC2になる。
また、起動前の温度異常ログデータがログデータ37に含まれていないと判断すると(J2)、充電装置20は非表示ステータスSC3になる。
【0077】
非表示ステータスSC3において、ログデータ37に起動後の最初の温度異常ログデータ「T_ERROR」が含まれると(J3)、充電装置20は表示ステータスSC2になる。
これに対して、2個回目以降の温度異常ログデータ「T_ERROR」がログデータ37に新たに含まれても(J6)、充電装置20は非表示ステータスSC3を維持する。
【0078】
表示ステータスSC2において、ログデータ37に新たに操作検出ログデータ「MAN_OPERATION」が含まれると(J4)、充電装置20は非表示ステータスSC3になる。
また、ログデータ37に新たに満充電検出ログデータ「CHRGE_FULL」が含まれると(J5)、充電装置20は非表示ステータスSC3になる。
これに対して、ログデータ37に新たに温度復旧ログデータ「T_RECOVER」が含まれても(J7)、充電装置20は表示ステータスSC2を維持する。
【0079】
[充電装置20の全体動作]
図15および図16は、充電装置20の全体的な動作を示すタイミングチャートである。
図15(A)は、充電装置20(携帯電話機1)の電源オンオフ信号の波形である。図15(B)は、操作検出部33による操作検出通知信号の波形である。図15(C)は、充電状態検出部31による温度異常検出通知信号の波形である。図15(D)は、ログデータ37の更新信号の波形である。図15(E)は、表示制御部36による温度異常表示用の出力信号の波形である。
また、図中のt1からt21は、イベントの発生タイミングを示す。
【0080】
[タイミングt1〜t6について]
充電装置20(携帯電話機1)は、タイミングt1でオン状態になる。充電状態検出部31は、タイミングt2で温度異常検出を通知する。これらのイベントは、ログデータ37に蓄積される。そして、表示制御部36は、タイミングt2で異常温度検出を表示する。
その後、タイミングt3で充電状態検出部31が温度復旧を通知するが、表示制御部36は、異常温度検出の表示を継続する。
これに対して、タイミングt4において操作検出部33が操作検出を通知すると、表示制御部36は、異常温度検出表示を終了する。
さらにその後のタイミングt5において充電状態検出部31が再び温度異常検出を通知するが、表示制御部36は、異常温度検出を表示しない。
【0081】
[タイミングt7〜t14について]
充電装置20(携帯電話機1)は、タイミングt7においてオフ状態になる。オフ期間中のタイミングt8において、充電状態検出部31は、温度異常検出を通知する。また、タイミングt9において、充電状態検出部31は、温度復旧を通知する。
このように電源のオフ期間において温度異常が検出された場合、タイミングt10で充電装置20(携帯電話機1)が再び電源オン状態になると、表示制御部36は、異常温度検出を表示する。
その後、タイミングt11で操作検出部33が操作検出を通知すると、表示制御部36は、異常温度検出表示を終了する。
さらにその後のタイミングt12において充電状態検出部31が再び温度異常検出を通知するが、表示制御部36は、異常温度検出を表示しない。
【0082】
[タイミングt15〜t21について]
表示制御部36は、タイミングt16で異常温度検出を表示する。表示制御部36は、タイミングt17において、操作検出部33の操作検出通知に基づいて異常温度検出表示を終了する。
そして、タイミングt17の操作検出部33の操作検出通知の後にも表示制御部36が異常温度を検出し続けている場合、表示制御部36は、電源がオン状態になる度に、異常温度検出を表示する(タイミングt19、t21)。
【0083】
[タイミングt31〜t32について]
図16(A)は、充電状態検出部31による満充電通知信号の波形である。図16(B)は、ログデータ37の更新信号の波形である。図15(E)は、表示制御部36による温度異常表示用の出力信号の波形である。
タイミングt31において表示制御部36が異常温度検出を表示した後、タイミングt32において充電状態検出部31が満充電を通知すると、表示制御部36は、異常温度検出の表示を終了する。
【0084】
以上のように、第1の実施の形態では、充電中に二次電池23の温度異常が発生すると、表示部16に異常温度検出を通知する画面が表示される。
また、この異常温度検出の通知画面は、二次電池23の検出温度が正常温度に復旧しても消去されず、ユーザが操作部12を操作することにより消去される。
よって、ユーザが操作部12を操作するまで、充電中に温度異常が発生したことが表示されるので、そのことをユーザに知らせることができる。
そして、充電中の温度異常検出により充電が停止し、充電が完了できなかった場合には、温度異常より充電が未完了であることを確実に知らせることができる。
【0085】
また、充電の度に温度異常より充電が未完了になる場合、この通知が繰り返し表示される。よって、ユーザに充電に適した環境を自然に学習させ、CIAJ勧告に従った適切な環境下で充電をさせるように仕向けることができる。
【0086】
また、第1の実施の形態では、1回の充電においては、ユーザが操作により異常温度検出の通知画面を消去した後は、温度異常が再び検出されても、当該画面を再度表示しない。
よって、ユーザにより既に温度異常が認識されている場合に、通知表示を何度も表示してユーザを煩わせることはない。
【0087】
また、第1の実施の形態では、満充電が検出された場合には、異常温度検出の通知画面が自動的に消去される。よって、異常温度検出の通知画面は、充電が未完了の場合にのみ表示され続けることになる。
これにより、充電が完了した場合には、ユーザに通知画面を消去させる操作をさせないようにすることができる。ユーザの利便性を向上できる。
【0088】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る携帯電話機1は、基本的なハードウェア構成およびソフトウェア構成は第1の実施の形態に係る携帯電話機1と同じである。
以下は、相違点を説明する。
【0089】
図17は、第2の実施の形態に係る携帯電話機1において、充電装置20の回路構成を示す回路図である。
図17に示す状態通知制御回路25は、低温検出出力端子ST3を有する。
状態通知制御回路25は、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低い場合、低温検出出力端子ST3をハイレベルへ制御する。これ以外の場合、状態通知制御回路25は、低温検出出力端子ST3をローレベルへ制御する。
また、CPU14の充電制御部26は、低温検出入力端子TINを有する。低温検出入力端子TINは、低温検出出力端子ST3に接続される。
【0090】
図18は、第2の実施の形態に係る携帯電話機1において、充電装置20のUI機能を示すブロック図である。
図18に示す充電状態判断部31は、周期レジスタT_REG32の値を更新する。
具体的には、低温検出入力端子TINがローレベルである場合、充電状態判断部31は、第1の実施の形態と同様に、周期レジスタT_REG32に長周期TLを記憶させる。
低温検出入力端子TINがハイレベルである場合、充電状態判断部31は、長周期TLより短い時間である短周期TSを周期レジスタT_REG32に記憶させる。
なお、この周期レジスタT_REG32に記憶される所定の周期は、充電制御部26による図5の充電制御ループの繰り返し周期として用いられる。また、充電状態判断部31による図9の状態判断ループの繰り返し周期として用いられる。
【0091】
図19は、第2の実施の形態に係る携帯電話機1において、充電状態判断部31の充電状態の判定処理の流れを示すフローチャートである。
図19において、充電状態判断部31は、充電状態を判断し(ステップS12)、判断結果をログ記録部35へ通知した後(ステップS13,S14,S15)、低温検出入力端子TINがハイレベルであるか否かを判断する(ステップS31)。
【0092】
二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低く、低温検出入力端子TINがハイレベルである場合、充電状態判断部31は、短周期TSを周期レジスタT_REG32に記憶させる(ステップS32)。
二次電池23の検出温度TBが第1温度T1以上であり、低温検出入力端子TINがローレベルである場合、充電状態判断部31は、長周期TLを周期レジスタT_REG32に記憶させる(ステップS32)。
【0093】
その後、充電状態判断部31は、所定時間が経過することを待つ(ステップS16)。
このとき、充電状態判断部31は、記憶部15の周期レジスタ32から短周期TSまたは長周期TLの時間を読み込み、この周期の時間が経過することを待つ。
そして、所定時間の経過後に充電器が携帯電話機1に接続されている場合、充電状態判断部31は、ステップS12〜S16およびS31〜S33の処理を繰り返す。
また、図5に示すように、充電制御部26も、周期レジスタ32に記憶されている周期で、ステップS3〜S6の充電制御処理を繰り返す。
【0094】
以上のように、第2の実施の形態では、二次電池23の検出温度TBが第1温度T1より低いために、周期レジスタ32に短周期TSが記憶されると、充電状態判断部31および充電制御部26は、通常の長周期TLより短い周期で処理を繰り返す。
そのため、CPU14の処理負荷が高くなる。また、単位時間当たりに、CPU14が通常動作状態から低消費電力動作状態に切り替わる時間が減る。
このようにCPU14の単位時間当たりの通常動作期間が増えることにより、CPU14の発熱量が増える。その結果、携帯電話機1の内部温度が上昇する。
また、CPU14と同じ下部筐体3内に配設された二次電池23の温度も上昇する。二次電池23の検出温度TBは、第一温度T1より高くなる。
【0095】
これにより第2の実施の形態は、二次電池23の温度を上昇させるための発熱部材などのハードウェアを追加することなく、二次電池23を充電可能な温度を確保し、第1温度T1より低い温度の低温環境下であっても二次電池23を充電することができる。
【0096】
以上の各実施形態は、本発明の好適な実施形態であるが、本発明は、これに限定されることなく、種々の変形または変更が可能である。
【0097】
たとえば、上記各実施形態では、充電装置20が携帯電話機1に組み込まれているが、充電装置20は、PDA(Personal Data Assistant)、携帯ゲーム機器などに組み込まれてもよい。
【0098】
上記各実施形態では、充電装置20は、CIAJ勧告の第1温度T1および第3温度T3において充電状態および表示状態を制御しているが、第4温度T4または第2温度T2においても充電状態および表示状態を制御するようにしてもよい。また、充電装置20は、第1温度T1と第4温度T4において、充電状態および表示状態を制御するようにしてもよい。
【0099】
また、上記各実施形態では、充電IC22は、充電IC22が二次電池23を充電する状態を示す状態通知制御信号を出力している。この他にもたとえば、充電IC22は、二次電池23の充電電圧を検出し、二次電池23の充電状態を示す状態通知制御信号を出力してもよい。
【0100】
また、上記第2の実施の形態において、充電状態判断部31は、充電制御ループの繰り返し周期を長周期TLから短周期TSへ変更することでCPU14の処理負荷を増やし、これにより二次電池23の温度を上昇させている。この他にもたとえば、充電状態判断部31は、CPU14の動作周波数を上げて、二次電池23の温度を上昇させてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1・・・携帯電話機、3・・・下部筐体(筐体)、12・・・操作部、14・・・CPU(処理回路)、15・・・記憶部、16・・・表示部、20・・・充電装置、22・・・充電IC(充電部)、23・・・二次電池、31・・・充電状態判断部、36・・・表示制御部、37・・・ログデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電中の二次電池の温度が充電を実行する正常温度、または充電を中止する異常温度であるかを繰り返し判断する充電状態判断部と、
情報を表示する表示部と、
前記充電状態判断部により異常温度が判断された場合、充電中に異常温度が発生したことを通知する通知情報を前記表示部に表示する表示制御部と、
操作部と
を有し、
前記表示制御部は、
前記表示部に前記通知情報を表示している場合に前記充電状態判断部により正常温度が判断されても前記表示部での前記通知情報の表示を継続し、
前記操作部に対する操作がなされた場合に、前記表示部による前記通知情報の表示を終了する
充電装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記操作部に対する操作に基づいて前記通知情報の表示を終了した後に、前記充電状態判断部により再び異常温度と判断された場合、前記表示部に前記通知情報を表示しない
請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
前記充電状態判断部は、
前記二次電池が満充電状態であるか否かを判断し、
前記表示制御部は、
前記充電状態判断部により満充電状態が判断された場合、前記操作部に対する操作がなされていなくても、前記表示部による前記通知情報の表示を終了する
請求項1または2記載の充電装置。
【請求項4】
前記充電状態判断部による温度異常の判断結果を蓄積するログデータを記憶する記憶部を有し、
前記表示制御部は、
起動時に前記ログデータを読み込み、
当該起動直前の電源オフ期間において前記充電状態判断部により異常温度が判断されている場合、起動時に前記通知情報を前記表示部に表示する
請求項1から3のいずれか一項記載の充電装置。
【請求項5】
前記二次電池が配設される筐体と、
前記筐体内に配設され、前記表示部と前記操作部とが接続され、プログラムを実行することで前記充電状態判断部および前記表示制御部を実現する処理回路と
を有し、
前記充電状態判断部は、
前記充電状態判断部により低温の異常温度が判断された場合、前記処理回路の負荷または動作周波数を増やして前記二次電池の温度を上昇させる
請求項1から4のいずれか一項記載の充電装置。
【請求項6】
前記二次電池を充電し、前記二次電池の温度が充電を停止する前記異常温度である場合には充電を停止する充電部を有する
請求項1から5のいずれか一項記載の充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−200509(P2010−200509A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43223(P2009−43223)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】