充電電流を調節できるバッテリ管理システム
【課題】充電電流を調節できるバッテリ管理システムを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、バッテリ管理システムは、監視回路および充電器を具備している。監視回路は、複数のセルを具備するバッテリパックを監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいてバッテリパックの不均衡状態をチェックするように動作可能である。充電器は、バッテリパックへの充電電流を制御し、監視回路から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおける不均衡状態の検出に応答して、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節するように動作可能である。
【解決手段】本発明の一実施形態によれば、バッテリ管理システムは、監視回路および充電器を具備している。監視回路は、複数のセルを具備するバッテリパックを監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいてバッテリパックの不均衡状態をチェックするように動作可能である。充電器は、バッテリパックへの充電電流を制御し、監視回路から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおける不均衡状態の検出に応答して、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節するように動作可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリ管理システムに関し、具体的には、充電電流を調節できるバッテリ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年3月7日に出願された米国特許仮出願第60/905679号の優先権を主張し、「Battery Management Systems with Controllable Adapter Output」を発明の名称とし、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる2007年6月20日に出願された同時係属の米国特許出願第11/821042号の一部継続出願である。
【0003】
図1は、従来のバッテリ充電回路100のブロック図を示している。図1に示されているように、バッテリ充電回路100は、アダプタ102と、パルス幅変調コントローラ108と、充電器コントローラ110と、バッテリパック104内のバッテリ保護回路(図示せず)とによって実現されている。アダプタ102は、固定電圧を出力するとともに、充電器106(パルス幅変調コントローラ108および充電器コントローラ110として示されている)は、ブロック112の電力スイッチおよびバックコンバータ(buck converter)を制御することによって、アダプタ102の出力電圧を降圧する。その結果、従来のバッテリ充電回路は、比較的大きく、かつ高価であることがある。
【0004】
図2は、従来の他の充電回路200のブロック図を示している。充電回路200は、制御可能アダプタ202と、充電器コントローラ210として示されている外部制御チップとを具備している。外部制御チップ(充電器コントローラ210)は、バッテリパック204の電流/電圧に従って制御可能アダプタ202の出力電力を制御する。図2に示されているように、充電回路200は、さらに、バッテリパック204の充電電流を制御する追加のスイッチ212を必要とする。その結果、このようなバッテリ充電回路も比較的大きく、かつ高価である。
【0005】
さらに、従来の充電回路では、不均衡の問題(例えば、バッテリパック内の複数のセルが異なる電圧/容量を有することがある)のため、他のセルにはまだ十分に充電されていなくても、一部のセルが過電圧状態に達してしまうことがある。換言すると、充電過程が、全セルについて十分に精確でないことがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、バッテリ管理システムは、監視回路および充電器を具備している。監視回路は、複数のセルを有するバッテリパックを監視し、複数のサイクルの各サイクルにおいてバッテリパックの不均衡状態(unbalanced condition)をチェックするように動作可能である。充電器は、バッテリパックへの充電電流を制御し、監視回路から監視情報を受信し、現在のサイクル(current cycle)における不均衡状態の検出に応答して、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調整するように動作可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態の特徴および利点は、添付図面を参照しながら、以下に続く詳細な記載のとおりに明らかである。添付図面において、同じ参照符号は同じ構成要素を表している。
【0008】
図1は、従来のバッテリ充電回路のブロック図を示している。
【0009】
図2は、従来の充電回路のブロック図を示している。
【0010】
図3は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図を示している。
【0011】
図4は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムの他のブロック図を示している。
【0012】
図5は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0013】
図6は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0014】
図7は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0015】
図8は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0016】
図9は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムのブロック図を示している。
【0017】
図10は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0018】
図11は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0019】
図12は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0020】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照する。本発明はこれらの実施形態に関して記載されるが、それらの実施形態は、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図したものではないことを理解される。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲に含まれる可能性がある代替物、変更物および等価物を包含することが意図されている。
【0021】
さらに、以下の本発明の詳細な記載では、本発明が十分理解されるように、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても本発明を実施することができることは、当業者にとって自明である。また、本発明の諸態様をむやみに不明瞭にすることがないように、周知の方法、手順、構成要素および回路を詳細に記載することはしなかった。
【0022】
一実施形態において、本発明は、制御可能なアダプタ出力を有するバッテリ管理システムを提供する。そのような一実施形態において、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック内に組み込まれた制御回路によって、アダプタ出力(例えば、アダプタ出力電力、アダプタ出力電圧およびアダプタ出力電流)を、各セル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)に従って調節することができ、バッテリパック内に組み込まれた制御回路は、スペースを節約し、かつコストを削除する。その結果、本発明のバッテリ管理システムは、各セル状態に従って、複数の充電モード(例えば、標準定電流充電モード(standard constant current charging mode)、軽定電流充電モード(light constant current charging mode)、標準定電圧充電モード(standard constant voltage charging mode)、軽定電圧充電モード(light constant voltage charging mode))を有効にすることができる。一実施形態では、全セルが完全に充電された場合、バッテリ充電を終了させるため、望ましくない状態(例えば、過電圧、過充電、過電流)を回避することができる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム300のブロック図を示している。前記バッテリ管理システム300は、複数のセル310_1〜310_Nを具備するバッテリパック304(簡潔かつ明瞭にするため、図3に全セル310_1〜310_Nは示されていない)を充電するためのアダプタ302(例えば、制御可能アダプタ)を具備している。
【0024】
一実施形態では、前記バッテリパック304を監視する目的と、複数の充電モードを有効にするためにアダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成する目的とで、制御回路320を使用することができる。より具体的には、制御回路320を使用して、バッテリパック304の複数のセル310_1〜310_Nの各セルの状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)に応じた制御信号350を生成することができる。一実施形態では、制御回路320に接続されたアダプタ302が、バッテリパック304を充電する。好ましくは、アダプタ302の出力340の出力電力を制御信号350に従って調節することができる。
【0025】
一実施形態において、前記制御回路320は、バッテリパック304内に組み込まれる。そのような場合、バッテリパック304は、各セル状態に従って、制御可能アダプタ302の出力340を直接制御することができる。したがって、外部制御チップ(例えば、充電器コントローラ)および外部電力スイッチを省略することができる。
【0026】
限定するわけではないが、一実施形態において、前記制御回路320は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., maxであり、maxは、異なる軽定電流充電モードの数を示すnの予め定められた最大数である)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max'であり、max'は、異なる軽定電圧モードの数を示すmの予め定められた最大数である)と、充電終了モードとを有効にする。一実施形態では、不均衡状態が発生した場合、軽定電流充電モードまたは軽定電圧充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、望ましくない状態/誤り状態が発生した場合、または全セルが完全に充電された場合、充電終了モードを有効にすることができる。
【0027】
好ましくは、一実施形態では、実質的に一定の充電電流I0を前記出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、標準定電流充電モードCC0は、有効にされる。一実施形態において、本開示の用語「実質的に一定の」は、バッテリパック304を安全に充電することができる範囲に限って充電電流/電圧が変化しうることを意味する。そのような場合、実質的に一定の充電電流I0によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)を出力340に供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御した場合、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、I0>I1>I2>...>Imaxである。
【0028】
同様に、一実施形態では、実質的に一定の充電電圧V0を前記出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、標準定電圧充電モードCV0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電圧V0によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')を出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、V0>V1>V2>...>Vmax'である。
【0029】
好ましくは、各セル状態に従って前記異なる充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にすることによって、全セル310_1〜310_Nを完全に充電し、望ましくない状態を回避し、それによってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0030】
前述のとおり、一実施形態において、前記制御回路320は、各セル状態を監視し、複数の充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にするためにアダプタ302の出力電力を制御する。他の実施形態では、バッテリパック304(例えば、バッテリパック電圧およびバッテリパック電流)を監視し、複数の充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にする制御信号を生成する制御回路を、バッテリパック304の外側に実装することもできる。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム400の他のブロック図を示している。図3と同じ参照符号が付された構成要素は、同様の機能を有しているとともに、簡潔かつ明瞭にするため、ここでその説明を繰り返すことはしない。前記バッテリ管理システム400は、複数のセルを具備するバッテリパック304を監視し、複数のサイクルの各サイクルにおいて、バッテリパック304の不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇、過充電)をチェックする監視回路424を具備している。図4の実施例において、バッテリパック304は、3つのセル310_1,310_2,310_3を具備している。バッテリ管理システム400は、さらに、バッテリパック304への充電電流を制御し、監視回路424から監視情報を受信し、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態が検出された場合に、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節するアダプタ302(例えば、充電器)を具備している。
【0032】
一実施形態では、前記複数のセルのうちの2つのセル間の電圧差が、所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生する。一実施形態では、セル電圧またはパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、望ましくない状態、例えば過電圧状態が発生する。
【0033】
図4において、前記監視回路424(例えば、ガスゲージ回路(gas gauge circuit))は、各セル310_1〜310_3のセル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)を監視し、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇および過充電)から各セル310_1〜310_3を保護するように構成されている。一実施形態において、監視回路424は、各セル310_1〜310_3を監視し、セル状態を示す各セル310_1〜310_3の監視信号を生成する。
【0034】
前記監視回路424は、例えば、セル310_1〜310_3の電圧を監視し、セル310_1〜310_3の電圧をそれぞれ示す監視信号490_1〜490_3を生成する。一実施形態では、全セル310_1〜310_3が同じ電流を有するため、監視回路424は、感知抵抗器470を介してバッテリ電流を監視するとともに、バッテリ電流を示す監視信号492を生成する。一実施形態において、監視回路424は、さらに、温度センサ472を介してバッテリ温度を監視し、バッテリ温度を示す監視信号494を生成する。一実施形態において、監視回路は、さらに、セル310_1〜310_3の容量を監視することができ、セル310_1〜310_3の容量を示す監視信号(簡潔かつ明瞭にするため、図4には示されていない)をそれぞれ生成する。
【0035】
好ましくは、一実施形態において、前記監視回路424に接続されたコマンド変換器426は、監視信号490_1〜490_3,492,494に従って制御信号350を生成する。より具体的には、バッテリパック304内に組み込まれたコマンド変換器426を使用して、各セル状態に基づいてアダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成することができる。したがって、一実施形態では、各セル状態に応じて異なる充電モードを有効にすることができる。コマンド変換器426は、バッテリパック304の外側に実装することもできる。このような一実施形態において、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304と充電器302との間に接続された、制御信号350を送信する通信チャネルを具備することができる。換言すると、バッテリパック304と充電器302との間の通信チャネルは、バッテリパック304内の監視回路424からアダプタ(充電器)302に、監視情報を送信することができる。そのような場合、コマンド変換器426は、監視情報、例えば、監視信号490_1〜490_3,492,494を、通信チャネルを介して受信することができる。通信チャネルは、シリアルバス、例えば、1ワイヤバスまたは2ワイヤバス(例えば、SMBusバス、I2Cバスなど)とすることができる。
【0036】
一実施形態において、前記コマンド変換器426は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、または状態マシンによって実現することができる。限定するわけではないが、一実施形態において、コマンド変換器426は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')と、充電終了モードとを有効にする。
【0037】
一実施形態において、前記制御信号350は、アナログ制御信号である。アナログ制御信号350を使用して、パルス幅変調信号発生器480によって生成されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することができる。一実施形態において、パルス幅変調信号発生器480は、アダプタ302内にある。パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節することによって、出力340におけるアダプタ302の出力電力をそれに応じて調節することができる。換言すると、一実施形態では、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、異なる充電モードを有効にすることができる。例えば、各セル状態に基づき標準定電流充電モード(CC0)を有効にする必要がある場合、アナログ制御信号350は、アダプタ302が定電流I0を出力するようにパルス幅変調信号のデューティサイクルを調節する。
【0038】
一実施形態において、前記制御信号350は、ディジタル制御信号である。一実施形態では、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御するため、ディジタル制御信号350をアナログ制御信号に変換する復号器(decoder)を、アダプタ302内に実装することができる。
【0039】
その上、一実施形態において、前記コマンド変換器426は、さらに、バッテリパック304内の充電スイッチ430および放電スイッチ432を制御する。一実施形態では、充電スイッチ430がオフにされると、バッテリ充電を終了する。一実施形態では、バッテリパック304がシステム負荷(図4には示されていない)に電力を供給する場合、放電スイッチ432がオンにされる。
【0040】
一実施形態では、前記セル310_1〜310_3の性能を向上させるため、バッテリパック304内に、セル310_1〜310_3を均衡させるセル均衡化回路(cell balancing circuit)428を具備している。セル均衡化回路428は、不均衡状態が検出された場合に、バッテリパック304内の複数のセル、例えばセル310_1〜310_3を均衡させることができる。
【0041】
前記セル均衡化回路428は、監視回路424の外側または監視回路424の内側に実装することができる。一実施形態では、不均衡なセルに対して、セル均衡化回路428によってブリーディング電流(bleeding current)(バイパス電流)を有効にすることができる。セル均衡化回路428に示されているように、セル310_1のブリーディング電流は、スイッチ410_1がオンにされた場合、有効にされる。セル310_2のブリーディング電流は、スイッチ410_2がオンにされた場合、有効にされる。セル310_3のブリーディング電流は、スイッチ410_3がオンにされた場合、有効にされる。スイッチ410_1〜410_3は、監視回路424またはコマンド変換器426によって制御することができる。そのような場合、監視回路424またはコマンド変換器426によってセル均衡化回路428を制御することができる。
【0042】
限定するわけではないが、本開示におけるセル不均衡状態は、以下の状態を含みうる。一実施形態では、あるセルが、他の任意のセルに対して、所定の電圧差ΔVを超える電圧差を有する場合、前記セルは不均衡である。他の実施形態では、あるセルが、所定のしきい電圧Vbalanceを超える電圧を有する場合、前記セルは不均衡である。さらに他の実施形態では、あるセルが、所定の閾値
【数1】
を超える
【数2】
(充電時間の差分に対するセル電圧の差分)を有するとき、前記セルは不均衡である。さらに他の実施形態では、あるセルが、他の任意のセルに対して、所定の容量の差分ΔCを超える容量の差分を有するとき、そのセルは不均衡である。
【0043】
前述のとおり、好ましくは、不均衡状態が発生したとき、前記アダプタ302は、より小さな充電電流によってバッテリパック304を充電する(軽定電流充電モード)。したがって、セル均衡化回路428は、全セルを完全に充電するために(ブリーディング電流を有効にすることによって)セルを均衡させるのに、より長い時間を要することがある。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に従って、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理のフローチャート500を示している。一実施形態では、図4のバッテリ管理システム400がフローチャート500に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。より具体的には、フローチャート500は、一実施形態において、コマンド変換器426が、異なるセル状態に応じてどの充電モードを有効にするのかを示している。図5は、図3および図4と合わせて説明される。
【0045】
図5の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、不均衡状態が発生した場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧(例えば、セル310_1の電圧が3.80V、セル310_2の電圧が3.90V、セル310_3の電圧が4.05Vである場合、最も高いセル電圧は4.05Vである)が、予め設定された第1電圧(例えば、リチウムイオンセルでは3.9V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、不均衡状態が存在するかどうかを判断するために不均衡チェックを実行する。一実施形態では、不均衡状態が存在する場合、バッテリ管理システム400は、セル均衡化回路428によって、不均衡セルのブリーディング電流を有効にするだけなく、バッテリパック304の充電電流を調節する(例えば、低減させる)。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは、4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0046】
前記ブロック502で、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック504で、制御信号350によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック506では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート500のブロック530に進み、バッテリの充電を終了させる(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426は、充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック508に進む。
【0047】
前記ブロック508では、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、バッテリパック304の平均セル電圧は、予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)と比較される。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高く、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック524に進む。
【0048】
前記ブロック524において、制御信号350によって、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)は、有効にされる。ブロック526では、(ブロック506と同様の)保護チェックが実行される。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート500のブロック530に進み、バッテリ充電を終了させる(充電終了モード)。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック528に進む。
【0049】
前記ブロック528で、バッテリパック304の全セルが完全に充電された場合、フローチャート500のブロック530に進み、充電を終了させる(充電終了モード)。バッテリパック304の全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート500のブロック524に戻り、ブロック524に示されているように、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)の下でバッテリパック304を引き続き充電する。一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から電圧監視信号を受信するとともに、全セルが完全に充電されたかどうかを判定する。
【0050】
前記ブロック508に戻ると、バッテリパックの平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、標準/軽定電流充電モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック510に進む。
【0051】
前記ブロック510では、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が、予め設定された第1電圧(例えば、リチウムイオンセルでは3.9V)と比較される。予め設定された第1電圧は、不均衡チェックを実行するかどうかを判定するために使用される。一実施形態では、最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に不均衡チェックが実行されるとともに、フローチャート500のブロック512に進む。最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート500のブロック504に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック504の説明をここで繰り返すことは省く。
【0052】
前記ブロック512では、不均衡チェックが実行される。不均衡状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック504に戻る。不均衡状態が存在する場合、不均衡セルに対してブリーディング電流は有効にされるとともに(簡潔かつ明瞭にするため、このステップはフローチャート500に示されていない)、フローチャート500のブロック514に進む。
【0053】
前記ブロック514では、タイマが起動される。ブロック516では、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、バッテリパック304の平均セル電圧が、予め設定された(ブロック508と同様の)第2電圧と比較される。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高く、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)でバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック524に進む。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック524の説明をここで繰り返すことは省く。
【0054】
前記ブロック516に戻ると、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、標準/軽定電流充電モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック518に進む。ブロック518で、タイマが時間切れの場合(例えば、タイマが所定の時間に達した場合)、フローチャート500のブロック520に進む。タイマが時間切れでない場合、フローチャート500のブロック516に戻る。
【0055】
前記ブロック520では、例えばコマンド変換器426によって、nが、所定の最大数maxと比較される。nが所定の最大数maxに等しい場合、フローチャート500のブロック504に戻り、軽定電流モードCCmaxを継続する。そうでない場合、フローチャート500のブロック522に進む。ブロック522では、nが1増分されるとともに、フローチャート500のブロック504に戻り、新たなサイクルを開始する。nは、前のサイクルの間にブロック522において1増分されているため、一実施形態では、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック504の説明をここで繰り返すことは省く。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理の他のフローチャート600を示している。一実施形態では、図4のバッテリ管理システムがフローチャート600に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。図6は、図3および図4と合わせて説明される。
【0057】
図6の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧が、予め設定された第3電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.3V)よりも高い場合と、平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合とで、過電圧保護を有効にするため、バッテリ管理システム400が、定電流充電モードをCCnからCCn+1に変更することによって、充電電流を低減させる。一実施形態では、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0058】
前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。ブロック602で、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック604で、制御信号350によって、定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxである場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック606では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート600のブロック636に進み、バッテリの充電は終了する(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426は、充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック608に進む。
【0059】
前記ブロック608では、過電圧状態が存在するかどうかをチェックするために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示す)、フローチャート600のブロック614に進む。ブロック614では、nが1増分される。フローチャート600のブロック624に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示す)、フローチャート600のブロック610に進む。
【0060】
前記ブロック610では、不均衡チェックが実行される。一実施形態では、前記複数のセルのうちの2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生する。不均衡状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック624に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。不均衡状態が存在する場合、不均衡セルに対してブリーディング電流が有効にされるとともに(このステップはフローチャート600には示されていない)、フローチャート600のブロック615に進む。
【0061】
前記ブロック615では、タイマが起動される。ブロック616で、タイマが時間切れの場合、フローチャート600のブロック618に進むとともに、nが1増分される。フローチャート600のブロック624に進むとともに、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。
【0062】
前記ブロック624では、定電圧充電モードを有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、平均セル電圧が予め設定された第2電圧と比較される。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合、フローチャート600のブロック604に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、ブロック608で過電圧状態が検出された場合にブロック614において1増分されており、またはブロック610で不均衡状態が検出された場合にブロック618において1増分されているため、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流は、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック604の説明をここで繰り返すことは省く。
【0063】
前記平均電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合、フローチャート600のブロック626に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0064】
前記ブロック616に戻ると、タイマが時間切れでない場合、フローチャート600の(ブロック624と同様の)ブロック622に進み、定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。ブロック622において、例えばコマンド変換器426によって、平均セル電圧は、予め設定された第2電圧と比較される。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合、フローチャート600のブロック616に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック616の説明をここで繰り返すことは省く。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合、フローチャート600のブロック626に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にする。
【0065】
前記ブロック628では、(ブロック606と同様の)保護チェックが実行される。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート600のブロック636に進み、バッテリ充電は終了する(充電終了モード)。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック630に進む。ブロック630では、過電圧状態が存在するかどうかをチェックするために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が、予め設定された(ブロック608と同様の)第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示している)、フローチャート600のブロック634に進む。ブロック634では、nが、所定の最大値maxに設定されるとともに、フローチャート600のブロック604に戻る。そのような場合、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)は、有効にされる。最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示している)、フローチャート600のブロック632に進む。ブロック632で、全セルが完全に充電された場合、フローチャート600のブロック636に進み、充電を終了させる。全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート600のブロック626に戻り、定電圧充電モードを継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック626の説明をここで繰り返すことは省く。
【0066】
図7は、前記バッテリ管理システム400によって実行される本発明の一実施形態に基づく処理の他のフローチャート700を示している。一実施形態では、リン酸リチウムイオンバッテリセルに関して、あるセルがある電圧閾値に達した後に、そのセルの電圧が急上昇する(これは「電圧ジャンプ(voltage jump)」と呼ばれる)。そのような場合、一実施形態では、「電圧ジャンプ」が生じた場合に充電電流を低減させることによって、リン酸リチウムイオンバッテリセルを充電するように、フローチャート700を実施することができる。一実施形態では、図4のバッテリ管理システムがフローチャート700に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。図7は、図3および図4と合わせて説明される。
【0067】
図7の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、過電圧状態が発生した場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.3V)よりも高い場合に、過電圧状態が発生する。一実施形態では、「電圧ジャンプ」が起こった場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モード(例えば、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)を使用するCCmax)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも大きい場合、「電圧ジャンプ」が検出される。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0068】
ブロック702で、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック704で、制御信号350によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック706では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態では、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート700のブロック728に進み、バッテリの充電を終了させる(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426が充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート700のブロック708に進む。
【0069】
前記ブロック708では、過電圧状態が存在するかどうかを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示している)、フローチャート700のブロック710に進む。ブロック710では、nが1増分される。フローチャート700のブロック712に進み、「電圧ジャンプ」チェックを実行する。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示している)、フローチャート700のブロック712に直接進む。
【0070】
ブロック714で、ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも小さい場合、前記フローチャート700のブロック704に戻り、新たなサイクルを開始する。nは、ブロック708で過電圧状態が検出された場合にブロック704において1増分されているため、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流は、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック704の説明をここで繰り返すことは省く。
【0071】
ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも大きい場合、ブロック716で、軽定電流充電モード(例えば、CCmax)の下でバッテリパック304は充電される。一実施形態において、バッテリ304を充電するため定充電電流(Imax)を出力するように、制御信号350は、アダプタ302を制御する。
【0072】
ブロック720では、定電圧充電モード(CV)チェックが実行される。より具体的には、前記定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モード(CV0))を有効にすることができるかどうかを判定するために、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧と比較される。ブロック720で、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、軽定電流モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート700のブロック716に戻る。
【0073】
前記ブロック720で、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合には、ブロック722で、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)の下で、バッテリパック304は充電される。フローチャート700のブロック724に進み、全セルが完全に充電されたかどうかを判定する。
【0074】
前記ブロック724で、全セルが完全に充電されている場合、ブロック728で、充電過程は終了する(充電終了モード)。全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート700のブロック722に戻り、定電圧充電モードの下で、バッテリパック304の充電を継続する。
【0075】
図5〜図7に関して説明したとおり、一実施形態では、前記複数の定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0、軽定電流充電モードCC1〜CCmax)と、1つの定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)との下で、バッテリパック304は充電される。コマンド変換器426を構成/プログラミングすることによって、他の充電方法を実現することもできる。例えば、一実施形態では、1つの定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0)と、複数の定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0、軽定電圧充電モードCV1〜CVmax)との下で、バッテリパック304を充電することもできる。一実施形態では、複数の定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0、軽定電流充電モードCC1〜CCmax)と、複数の定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0、軽定電圧充電モードCV1〜CVmax)との下で、バッテリパック304を充電することもできる。好ましくは、アダプタ302(充電器)は、監視回路424から監視情報を受信することができるとともに、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧)が検出された場合、アダプタ302(充電器)は、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節することができる。したがって、一実施形態では、全セル、例えば310_1〜310_3を完全に充電することができ、かつ望ましくない状態を回避することができるように、バッテリパック304は、より長い均衡化時間を要することがある。
【0076】
図8は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理のフローチャート800を示している。図8は、図3および図4と合わせて説明される。
【0077】
図8に示されているように、ブロック802において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304内の複数のセルの各セルを監視する。例えば、監視回路424は、セル電圧、電流、温度などを監視するとともに、各セルの状態を示す監視信号をセルごとに生成する。
【0078】
ブロック804において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304内の複数のセルの各セルの状態に従って、制御信号350を生成する。制御信号350は、例えば、図4に示された監視信号490_1〜490_3,492,494に従って生成される。
【0079】
ブロック806において、前記バッテリ管理システム400は、制御信号350に従って、アダプタ302の出力電力を調節する。バッテリ管理システムは例えば、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、アダプタ302の出力電力を調節する。
【0080】
したがって、前記バッテリ管理システムは提供される。そのような一実施形態において、バッテリパックは、バッテリパック内に組み込まれた制御回路によって、アダプタの出力電力を直接に調節することができる。好ましくは、アダプタの出力電力は、各セル状態に従って調節される。したがって、一実施形態では、各セル状態に従って複数の充電モードを有効にすることができる。そのような場合、一実施形態では、全セルが完全に充電された場合にバッテリの充電を終了することができるとともに、望ましくない状態を回避することができる。
【0081】
一実施形態では、前記各セル状態の代わりに、バッテリパックの状態に従って複数の充電モードを有効にすることもできる。例えば、充電の始めに、標準定電流充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、バッテリパック電圧が第1閾値よりも高い場合、軽定電流充電モードを有効にすることができる。ある時間のバッテリ電圧の上昇が第2閾値よりも大きい場合(不均衡状態が発生したことを示す)に、軽定電流充電モードを有効にすることもできる。一実施形態では、バッテリパック電圧が第3閾値よりも高い場合、定電圧充電モードを有効にすることができる。
【0082】
一実施形態において、本発明は、前記バッテリパックの状態に従って調節することができる、制御可能なアダプタ出力を有するバッテリ管理システムを提供する。そのような一実施形態において、前記バッテリ管理システムは、複数の充電モード(例えば、標準定電流充電モード、軽定電流充電モード、標準定電圧充電モード、軽定電圧充電モード)を有効にするために、アダプタ出力を、バッテリパックの状態(例えば、バッテリパック電圧、バッテリパック電流)に従って調節することができる。一実施形態では、全セルが完全に充電された場合にバッテリ充電は終了し、望ましくない状態(例えば、過電圧、過充電、過電流)を回避することができる。
【0083】
図9は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム900のブロック図を示している。前記バッテリ管理システム900は、複数のセルを具備するバッテリパック904を監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいて、バッテリパック904の不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)をチェックする監視回路908を具備している。図9の実施例において、バッテリパック904は、3つのセル910_1,910_2,910_3を具備している。しかしながら、バッテリパック904には任意の数のセルを具備することができる。バッテリ管理システム900は、さらに、バッテリパック904への充電電流を制御し、監視回路908から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、過充電)が検出された場合に、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルより低い第2レベルに調節する充電器902を具備している。充電器902は、充電器コントローラ907によって制御することができるアダプタ906を具備している。
【0084】
前記充電器902は、出力端子940を介して充電電流/電圧を供給することができる。一実施形態では、充電器902内に監視回路908(例えば、ガスゲージ回路)がある。監視回路908は、充電器902の出力端子940を通してバッテリパックの状態を監視することができるとともに、バッテリパック904の状態を示す監視信号960を生成することができる。一実施形態において、監視回路908は、バッテリパック電圧を監視するとももに、バッテリパック電圧を示す監視信号960を生成する。一実施形態において、監視回路908は、バッテリパック904の充電電流を監視するとともに、バッテリパック充電電流を示す監視信号960を生成する。例えば、監視回路908は、充電時間の差分(dt)に対するバッテリパック電圧の差分(dV)を監視するとともに、dV/dtを示す監視信号960を生成することができる。監視回路908は、充電時間の差分(dt)に対するバッテリパック充電電流の差分(dI)を監視するとともに、dI/dtを示す監視信号960を生成することもできる。
【0085】
前記監視回路908によって生成された監視信号960は、充電器コントローラ907に送信される。充電器コントローラ907は、複数の充電モードを有効にするためにアダプタ906の出力電力を制御する制御信号950を生成する。より具体的には、充電器コントローラ907を使用して、バッテリパックの状態(例えば、バッテリパック電圧、バッテリパック充電電流、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分、充電時間の差分に対するバッテリパック電流の差分、およびある時間のバッテリパック電圧の上昇)に応じた制御信号950を生成することができる。好ましくは、制御信号950に従って、アダプタ906の出力電力を調節することができる。
【0086】
一実施形態において、前記監視回路908および充電器コントローラ907は、充電器902内に組み込まれる。そのような場合、充電器902は、バッテリパック904の状態に従って、アダプタ906の出力電力を調節することができる。したがって、充電器902とバッテリパック904との間の通信チャネルを省略することができる。
【0087】
好ましくは、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック電圧に応じて、バッテリパック904の複数の充電モードを有効にすることができる。限定するわけではないが、一実施形態において、充電器コントローラ907は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., maxであり、maxは、異なる軽定電流充電モードの数を示すnの予め定められた最大数である)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max'であり、max'は、異なる軽定電圧充電モードの数を示すmの予め定められた最大数である)と、充電終了モードとを有効にする。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態が検出された場合、軽定電流充電モードまたは軽定電圧充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、望ましくない状態/誤り状態が発生した場合、またはバッテリパックが完全に充電された場合、充電終了モードを有効にすることができる。
【0088】
好ましくは、一実施形態において、実質的に一定の前記充電電流I0を出力端子940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、標準定電流充電モードCC0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電流I0によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、I0>I1>I2>...>Imaxである。
【0089】
同様に、一実施形態では、実質的に一定の前記充電電圧V0を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、標準定電圧充電モードCV0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電圧V0によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、V0>V1>V2>...>Vmax'である。
【0090】
好ましくは、前記バッテリパックの状態に従って異なる充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にすることによって、バッテリパック904を完全に充電し、望ましくない状態を回避し、それによってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0091】
一実施形態において、前記アダプタ906は、パルス幅変調信号発生器980を具備している。制御信号950を使用して、パルス幅変調信号発生器980によって生成されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することができる。パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節することによって、出力940におけるアダプタ906の出力電力をそれに応じて調節することができる。換言すると、一実施形態では、アダプタ906内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、異なる充電モードを有効にすることができる。例えば、バッテリパックの状態に基づき標準定電流充電モード(CC0)を有効にする必要がある場合、制御信号950は、アダプタ906が実質的に一定の電流I0を出力するようにパルス幅変調信号のデューティサイクルを調節する。
【0092】
一実施形態において、セル監視回路920(例えば、ガスゲージ回路)は、前記各セル910_1,910_2,910_3のセル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)を監視し、不均衡状態および他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇および過充電)から各セル910_1,910_2,910_3を保護するように構成されている。一実施形態において、前記セル監視回路920は、バッテリパック904内に組み込まれ、一実施形態において、セル監視回路920は、バッテリパック904内の充電スイッチ930および放電スイッチ932を制御することができる。望ましくない状態が発生した場合には、セル監視回路920によって充電スイッチ930をオフにすることができ、望ましくない状態が除去された場合には、セル監視回路920によって充電スイッチ930をオンにすることができる。一実施形態では、バッテリパック904がシステム負荷(簡潔かつ明瞭にするために図9には示されていない)に電力を供給する場合、放電スイッチ932がオンにされる。
【0093】
一実施形態では、前記セル910_1〜910_3の性能をさらに向上させるため、バッテリパック304内に、セル910_1〜910_3を均衡させる均衡化回路928を具備している。均衡化回路928は、セル監視回路920の外側またはセル監視回路920の内側に実装することができる。不均衡セルを均衡させるため、不均衡なセルに対して、均衡化回路928によって、ブリーディング電流(バイパス電流)を有効にすることができる。均衡化回路928に示されているように、セル910_1のブリーディング電流は、スイッチ912_1がオンにされた場合、有効にされる。セル910_2のブリーディング電流は、スイッチ912_2がオンにされた場合、有効にされる。セル910_3のブリーディング電流は、スイッチ912_3がオンにされた場合、有効にされる。スイッチ912_1〜912_3は、セル監視回路920によって制御することができる。
【0094】
図10は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム900によって実行される処理のフローチャート1000を示している。一実施形態では、図9のバッテリ管理システム900がフローチャート1000に示された方法で動作するように、充電器コントローラ907がアダプタ906を制御する。より具体的には、フローチャート1000は、一実施形態において、充電器コントローラ907が、異なるバッテリパックの状態に応じてどの充電モードを有効にするのかを示している。図10は、図9と合わせて説明される。
【0095】
図10の実施例において、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック904を最初に充電する。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム900は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に、バッテリ管理システム900は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック904を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、さらに、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分(dV/dt)を所定の閾値TH1と比較することによって、均衡チェックを実行する。
【0096】
ブロック1002で、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック1004で、制御信号950によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。
【0097】
ブロック1006では、前記望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は、充電器902の出力端子940を通してバッテリパック904を監視し、充電電流が予め定められた第1電流値よりも小さい場合に、望ましくない状態が発生したと判定する。充電電流が予め定められた第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が存在することを示している)、フローチャート1000のブロック1007に進む。ブロック1007ではnが1増分される。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合に、セル監視回路920が充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め定められた第1電流値よりも大きい場合望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1000のブロック1008に進む。
【0098】
前記ブロック1008では、不均衡状態が発生したかどうかを検出する均衡チェックが実行される。一実施形態では、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分(dV/dt)が、予め設定された閾値TH1と比較される。dV/dtがTH1よりも大きい場合(不均衡状態が発生したことを示している)、フローチャート1000のブロック1016に進む。dV/dtがTH1よりも小さい場合、フローチャート1000のブロック1010に進む。
【0099】
前記ブロック1016ではタイマが起動される。ブロック1018で、タイマが時間切れの場合(例えば、タイマが所定の時間まで進んだ場合)、フローチャート1000のブロック1019に進み、nが1増分され、次いでフローチャート1000のブロック1010に進み、CVチェックを実行する。
【0100】
前記ブロック1010では、CVチェックが実行される。一実施形態では、定電圧充電モードを有効にすることができるか否かを判定するために、例えば監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1000のブロック1004に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、ブロック1006で望ましくない状態が検出された場合にブロック1007で1増分されている、またはブロック1008で不均衡状態が検出された場合にブロック1019において1増分されているため、この新たな充電サイクル(現在のサイクル)では、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。ブロック1008で不均衡状態が検出されたとき、一実施形態では、所定の時間の後に新たなサイクルが開始される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1004の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1000のブロック1012に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0101】
ブロック1018に戻ると、タイマが時間切れでない場合、フローチャート1000のブロック1020に進み、定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする(ブロック1010と同様の)CVチェックを実行する。ブロック1020では、例えば、監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1000のブロック1018に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1018の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1000のブロック1012に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0102】
ブロック1014では、(前記ブロック1006と同様の)保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視し、充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態が存在することを示している)、フローチャート1000のブロック1015に進む。ブロック1015では、nが所定の最大値maxに設定されるとともに、フローチャート1000のブロック1004に戻る。そのような場合、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)が有効にされうる。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合に、セル監視回路920が充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め設定された第1電流値よりも大きい場合(望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1000のブロック1022に進む。ブロック1022では完全充電チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第2電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第2電流値よりも小さい場合(バッテリパック904が完全に充電されたことを示している)、フローチャート1000のブロック1024に進み、充電を終了させる。充電電流が予め設定された第2電流値よりも大きい場合(バッテリパック904に完全には充電されていないことを示している)、フローチャート1000はブロック1012に戻り、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1012の説明をここで繰り返すことは省く。
【0103】
図11は、本発明の一実施形態に基づく、例えばリン酸リチウムイオンバッテリセルを充電するために、前記バッテリ管理システム900によって実行される処理の他のフローチャート1100を示している。一実施形態では、図9のバッテリ管理システムがフローチャート1100に示された方法で動作するように、充電器コントローラ907がアダプタ906を制御する。図11は、図9と合わせて説明される。
【0104】
図11の実施例において、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、最初に、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム900が、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に、バッテリ管理システム900が、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック904を充電する。
【0105】
ブロック1102で、前記バッテリ管理システム900はバッテリパック904の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は0に初期化される。ブロック1104において、制御信号950によって定電流充電モードCCnは有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0が有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)が有効にされる。ブロック1106では、保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態が存在することを示している)、フローチャート1100のブロック1107に進む。ブロック1107では、nが1増分される。次いで、フローチャート1100のブロック1104に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、望ましくない状態が検出された場合にブロック1107において1増分されているため、この新たな充電サイクル(現在のサイクル)では、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合、セル監視回路920は充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め設定された第1電流値よりも大きい場合(望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1100のブロック1108に直接進む。
【0106】
前記ブロック1108では、バッテリパック電圧を予め設定された第2電圧と比較することによって、均衡チェックが実行される。一実施形態では、バッテリパック904のバッテリパック電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合に、不均衡状態が発生し、次いでフローチャート1100のブロック1104に戻る。そうでない場合、フローチャート1100のブロック1112に進む。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1104の説明をここで繰り返すことは省く。
【0107】
前記ブロック1112では、軽定電流充電モード(例えば、CCmax)の下でバッテリパック904は充電される。一実施形態では、バッテリパック904を充電するため実質的に一定の充電電流(Imax)を出力するように、制御信号950がアダプタ906を制御する。
【0108】
ブロック1114では、前記定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックするCVチェックが実行される。ブロック1114では、例えば、監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1100のブロック1112に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1112の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1100のブロック1116に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。次いで、フローチャート1100のブロック1118に進み、完全充電チェックを実行する。
【0109】
前記ブロック1118では、完全充電のチェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第2電流よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第2電流よりも小さい場合(バッテリパックが完全に充電されていることを示している)、フローチャート1100のブロック1120に進み、充電を終了させる。充電電流が予め設定された第2電流よりも大きい場合(バッテリパックが完全には充電されていないことを示している)、フローチャート1100のブロック1116に戻り、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1116の説明をここで繰り返すことは省く。
【0110】
図12は、本発明の一実施形態に基づく前記バッテリ管理システム400/900によって実行される処理のフローチャート1200を示している。図12は、図4および図9と合わせて説明される。
【0111】
図12に示されているように、ブロック1202で、前記バッテリ管理システム400/900は、バッテリパック904の状態を監視する。一実施形態では、図4に示されているように、バッテリパック304内に組み込まれた監視回路424は、バッテリパック304の各セルのセル電圧を監視し、その監視情報が、通信チャネルを介して監視回路424から充電器(例えば、アダプタ302)に送信される。他の実施形態では、図9に示されているように、充電器902内に組み込まれた監視回路908は、出力端子940を通して、バッテリパック電圧および/またはバッテリパックの充電電流を監視する。
【0112】
ブロック1204では、前記複数のサイクルの各サイクルにおける不均衡状態を、監視回路(例えば、図4の監視回路424または図9の監視回路908)によってチェック/検出することができる。この処理は、さらに、複数のサイクルの各サイクルにおいて、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇、過充電)を、監視回路424または908によってチェック/検出するステップも具備している。
【0113】
一実施形態では、前記監視回路424が、複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、バッテリパックのバッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、望ましくない状態が発生したと判定する。
【0114】
ブロック1206では、現在のサイクルにおいて不均衡状態が検出された場合に、前記バッテリ管理システム400/900は、充電器902によって供給される充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節する。例えば、バッテリ管理システム400は、アダプタ302からの充電電流を、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって調節し、バッテリ管理システム900は、アダプタ906からの充電電流を、アダプタ906内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって調節する。この処理はさらに、現在のサイクルにおいて望ましくない状態が検出された場合に、充電器(例えば、アダプタ302または充電器902 )によって供給される充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第3レベルに調節するステップを具備している。
【0115】
したがって、本発明に基づく実施形態は、バッテリパックを複数の段階で充電することができるバッテリ管理システムを提供する。前述のとおり、好ましくは、不均衡状態および/または他の望ましくない状態が発生した場合、バッテリ管理システムは、より小さな充電電流によってバッテリパックを充電することができる(軽定電流充電モード)。したがって、均衡化回路は、全セルを完全に充電するため、(ブリーディング電流を有効にすることによって)セルを均衡させるのに、より長い時間を有することができ、望ましくない状態を回避することができる。
【0116】
以上の記載および図面は本発明の実施形態を表現しているが、それらの実施形態に、特許請求の範囲で定義された本発明の原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、変更および置換えを実施することができることは自明である。本発明の原理から逸脱することなく、本発明を、特定の環境および動作要件に特に適合した、本発明の実施において使用される形態、構造、配置、比率、材料、構成要素、成分、その他の多く変更ともに使用することができることは当業者にとって自明である。したがって、本明細書に開示された実施形態は、あらゆる点で例示的なものであって、限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法律上の等価物によって示され、上述の記載に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】従来のバッテリ充電回路のブロック図である。
【図2】従来の充電回路のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムの他のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
300 バッテリ管理システム
302 アダプタ
304 バッテリパック
310_1 セル
310_2 セル
310_3 セル
310_N セル
320 制御回路
340 アダプタ出力
350 制御信号
400 バッテリ管理システム
410_1 スイッチ
410_2 スイッチ
410_3 スイッチ
424 監視回路
426 コマンド変換器
428 セル均衡化回路
430 充電スイッチ
432 放電スイッチ
470 感知抵抗器
472 温度センサ
480 パルス幅変調信号発生器
490_1 監視信号
490_2 監視信号
490_3 監視信号
492 監視信号
494 監視信号
900 バッテリ管理システム
902 充電器
904 バッテリパック
906 アダプタ
907 充電器コントローラ
908 監視回路
910_1 セル
910_2 セル
910_3 セル
912_1 スイッチ
912_2 スイッチ
912_3 スイッチ
920 セル監視回路
928 均衡化回路
930 充電スイッチ
932 放電スイッチ
940 出力端子
950 制御信号
960 監視信号
980 パルス幅変調信号発生器
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリ管理システムに関し、具体的には、充電電流を調節できるバッテリ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2007年3月7日に出願された米国特許仮出願第60/905679号の優先権を主張し、「Battery Management Systems with Controllable Adapter Output」を発明の名称とし、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる2007年6月20日に出願された同時係属の米国特許出願第11/821042号の一部継続出願である。
【0003】
図1は、従来のバッテリ充電回路100のブロック図を示している。図1に示されているように、バッテリ充電回路100は、アダプタ102と、パルス幅変調コントローラ108と、充電器コントローラ110と、バッテリパック104内のバッテリ保護回路(図示せず)とによって実現されている。アダプタ102は、固定電圧を出力するとともに、充電器106(パルス幅変調コントローラ108および充電器コントローラ110として示されている)は、ブロック112の電力スイッチおよびバックコンバータ(buck converter)を制御することによって、アダプタ102の出力電圧を降圧する。その結果、従来のバッテリ充電回路は、比較的大きく、かつ高価であることがある。
【0004】
図2は、従来の他の充電回路200のブロック図を示している。充電回路200は、制御可能アダプタ202と、充電器コントローラ210として示されている外部制御チップとを具備している。外部制御チップ(充電器コントローラ210)は、バッテリパック204の電流/電圧に従って制御可能アダプタ202の出力電力を制御する。図2に示されているように、充電回路200は、さらに、バッテリパック204の充電電流を制御する追加のスイッチ212を必要とする。その結果、このようなバッテリ充電回路も比較的大きく、かつ高価である。
【0005】
さらに、従来の充電回路では、不均衡の問題(例えば、バッテリパック内の複数のセルが異なる電圧/容量を有することがある)のため、他のセルにはまだ十分に充電されていなくても、一部のセルが過電圧状態に達してしまうことがある。換言すると、充電過程が、全セルについて十分に精確でないことがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、バッテリ管理システムは、監視回路および充電器を具備している。監視回路は、複数のセルを有するバッテリパックを監視し、複数のサイクルの各サイクルにおいてバッテリパックの不均衡状態(unbalanced condition)をチェックするように動作可能である。充電器は、バッテリパックへの充電電流を制御し、監視回路から監視情報を受信し、現在のサイクル(current cycle)における不均衡状態の検出に応答して、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調整するように動作可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施形態の特徴および利点は、添付図面を参照しながら、以下に続く詳細な記載のとおりに明らかである。添付図面において、同じ参照符号は同じ構成要素を表している。
【0008】
図1は、従来のバッテリ充電回路のブロック図を示している。
【0009】
図2は、従来の充電回路のブロック図を示している。
【0010】
図3は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図を示している。
【0011】
図4は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムの他のブロック図を示している。
【0012】
図5は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0013】
図6は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0014】
図7は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0015】
図8は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0016】
図9は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムのブロック図を示している。
【0017】
図10は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0018】
図11は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートを示している。
【0019】
図12は、本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートを示している。
【0020】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照する。本発明はこれらの実施形態に関して記載されるが、それらの実施形態は、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図したものではないことを理解される。逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の趣旨および範囲に含まれる可能性がある代替物、変更物および等価物を包含することが意図されている。
【0021】
さらに、以下の本発明の詳細な記載では、本発明が十分理解されるように、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても本発明を実施することができることは、当業者にとって自明である。また、本発明の諸態様をむやみに不明瞭にすることがないように、周知の方法、手順、構成要素および回路を詳細に記載することはしなかった。
【0022】
一実施形態において、本発明は、制御可能なアダプタ出力を有するバッテリ管理システムを提供する。そのような一実施形態において、前記バッテリ管理システムは、バッテリパック内に組み込まれた制御回路によって、アダプタ出力(例えば、アダプタ出力電力、アダプタ出力電圧およびアダプタ出力電流)を、各セル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)に従って調節することができ、バッテリパック内に組み込まれた制御回路は、スペースを節約し、かつコストを削除する。その結果、本発明のバッテリ管理システムは、各セル状態に従って、複数の充電モード(例えば、標準定電流充電モード(standard constant current charging mode)、軽定電流充電モード(light constant current charging mode)、標準定電圧充電モード(standard constant voltage charging mode)、軽定電圧充電モード(light constant voltage charging mode))を有効にすることができる。一実施形態では、全セルが完全に充電された場合、バッテリ充電を終了させるため、望ましくない状態(例えば、過電圧、過充電、過電流)を回避することができる。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム300のブロック図を示している。前記バッテリ管理システム300は、複数のセル310_1〜310_Nを具備するバッテリパック304(簡潔かつ明瞭にするため、図3に全セル310_1〜310_Nは示されていない)を充電するためのアダプタ302(例えば、制御可能アダプタ)を具備している。
【0024】
一実施形態では、前記バッテリパック304を監視する目的と、複数の充電モードを有効にするためにアダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成する目的とで、制御回路320を使用することができる。より具体的には、制御回路320を使用して、バッテリパック304の複数のセル310_1〜310_Nの各セルの状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)に応じた制御信号350を生成することができる。一実施形態では、制御回路320に接続されたアダプタ302が、バッテリパック304を充電する。好ましくは、アダプタ302の出力340の出力電力を制御信号350に従って調節することができる。
【0025】
一実施形態において、前記制御回路320は、バッテリパック304内に組み込まれる。そのような場合、バッテリパック304は、各セル状態に従って、制御可能アダプタ302の出力340を直接制御することができる。したがって、外部制御チップ(例えば、充電器コントローラ)および外部電力スイッチを省略することができる。
【0026】
限定するわけではないが、一実施形態において、前記制御回路320は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., maxであり、maxは、異なる軽定電流充電モードの数を示すnの予め定められた最大数である)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max'であり、max'は、異なる軽定電圧モードの数を示すmの予め定められた最大数である)と、充電終了モードとを有効にする。一実施形態では、不均衡状態が発生した場合、軽定電流充電モードまたは軽定電圧充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、望ましくない状態/誤り状態が発生した場合、または全セルが完全に充電された場合、充電終了モードを有効にすることができる。
【0027】
好ましくは、一実施形態では、実質的に一定の充電電流I0を前記出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、標準定電流充電モードCC0は、有効にされる。一実施形態において、本開示の用語「実質的に一定の」は、バッテリパック304を安全に充電することができる範囲に限って充電電流/電圧が変化しうることを意味する。そのような場合、実質的に一定の充電電流I0によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)を出力340に供給するように、制御信号350がアダプタ302を制御した場合、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、I0>I1>I2>...>Imaxである。
【0028】
同様に、一実施形態では、実質的に一定の充電電圧V0を前記出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、標準定電圧充電モードCV0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電圧V0によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')を出力340に供給するように制御信号350がアダプタ302を制御した場合、軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')によってバッテリパック304は充電される。一実施形態では、V0>V1>V2>...>Vmax'である。
【0029】
好ましくは、各セル状態に従って前記異なる充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にすることによって、全セル310_1〜310_Nを完全に充電し、望ましくない状態を回避し、それによってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0030】
前述のとおり、一実施形態において、前記制御回路320は、各セル状態を監視し、複数の充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にするためにアダプタ302の出力電力を制御する。他の実施形態では、バッテリパック304(例えば、バッテリパック電圧およびバッテリパック電流)を監視し、複数の充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にする制御信号を生成する制御回路を、バッテリパック304の外側に実装することもできる。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム400の他のブロック図を示している。図3と同じ参照符号が付された構成要素は、同様の機能を有しているとともに、簡潔かつ明瞭にするため、ここでその説明を繰り返すことはしない。前記バッテリ管理システム400は、複数のセルを具備するバッテリパック304を監視し、複数のサイクルの各サイクルにおいて、バッテリパック304の不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇、過充電)をチェックする監視回路424を具備している。図4の実施例において、バッテリパック304は、3つのセル310_1,310_2,310_3を具備している。バッテリ管理システム400は、さらに、バッテリパック304への充電電流を制御し、監視回路424から監視情報を受信し、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態が検出された場合に、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節するアダプタ302(例えば、充電器)を具備している。
【0032】
一実施形態では、前記複数のセルのうちの2つのセル間の電圧差が、所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生する。一実施形態では、セル電圧またはパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、望ましくない状態、例えば過電圧状態が発生する。
【0033】
図4において、前記監視回路424(例えば、ガスゲージ回路(gas gauge circuit))は、各セル310_1〜310_3のセル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)を監視し、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇および過充電)から各セル310_1〜310_3を保護するように構成されている。一実施形態において、監視回路424は、各セル310_1〜310_3を監視し、セル状態を示す各セル310_1〜310_3の監視信号を生成する。
【0034】
前記監視回路424は、例えば、セル310_1〜310_3の電圧を監視し、セル310_1〜310_3の電圧をそれぞれ示す監視信号490_1〜490_3を生成する。一実施形態では、全セル310_1〜310_3が同じ電流を有するため、監視回路424は、感知抵抗器470を介してバッテリ電流を監視するとともに、バッテリ電流を示す監視信号492を生成する。一実施形態において、監視回路424は、さらに、温度センサ472を介してバッテリ温度を監視し、バッテリ温度を示す監視信号494を生成する。一実施形態において、監視回路は、さらに、セル310_1〜310_3の容量を監視することができ、セル310_1〜310_3の容量を示す監視信号(簡潔かつ明瞭にするため、図4には示されていない)をそれぞれ生成する。
【0035】
好ましくは、一実施形態において、前記監視回路424に接続されたコマンド変換器426は、監視信号490_1〜490_3,492,494に従って制御信号350を生成する。より具体的には、バッテリパック304内に組み込まれたコマンド変換器426を使用して、各セル状態に基づいてアダプタ302の出力電力を制御する制御信号350を生成することができる。したがって、一実施形態では、各セル状態に応じて異なる充電モードを有効にすることができる。コマンド変換器426は、バッテリパック304の外側に実装することもできる。このような一実施形態において、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304と充電器302との間に接続された、制御信号350を送信する通信チャネルを具備することができる。換言すると、バッテリパック304と充電器302との間の通信チャネルは、バッテリパック304内の監視回路424からアダプタ(充電器)302に、監視情報を送信することができる。そのような場合、コマンド変換器426は、監視情報、例えば、監視信号490_1〜490_3,492,494を、通信チャネルを介して受信することができる。通信チャネルは、シリアルバス、例えば、1ワイヤバスまたは2ワイヤバス(例えば、SMBusバス、I2Cバスなど)とすることができる。
【0036】
一実施形態において、前記コマンド変換器426は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、または状態マシンによって実現することができる。限定するわけではないが、一実施形態において、コマンド変換器426は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')と、充電終了モードとを有効にする。
【0037】
一実施形態において、前記制御信号350は、アナログ制御信号である。アナログ制御信号350を使用して、パルス幅変調信号発生器480によって生成されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することができる。一実施形態において、パルス幅変調信号発生器480は、アダプタ302内にある。パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節することによって、出力340におけるアダプタ302の出力電力をそれに応じて調節することができる。換言すると、一実施形態では、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、異なる充電モードを有効にすることができる。例えば、各セル状態に基づき標準定電流充電モード(CC0)を有効にする必要がある場合、アナログ制御信号350は、アダプタ302が定電流I0を出力するようにパルス幅変調信号のデューティサイクルを調節する。
【0038】
一実施形態において、前記制御信号350は、ディジタル制御信号である。一実施形態では、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御するため、ディジタル制御信号350をアナログ制御信号に変換する復号器(decoder)を、アダプタ302内に実装することができる。
【0039】
その上、一実施形態において、前記コマンド変換器426は、さらに、バッテリパック304内の充電スイッチ430および放電スイッチ432を制御する。一実施形態では、充電スイッチ430がオフにされると、バッテリ充電を終了する。一実施形態では、バッテリパック304がシステム負荷(図4には示されていない)に電力を供給する場合、放電スイッチ432がオンにされる。
【0040】
一実施形態では、前記セル310_1〜310_3の性能を向上させるため、バッテリパック304内に、セル310_1〜310_3を均衡させるセル均衡化回路(cell balancing circuit)428を具備している。セル均衡化回路428は、不均衡状態が検出された場合に、バッテリパック304内の複数のセル、例えばセル310_1〜310_3を均衡させることができる。
【0041】
前記セル均衡化回路428は、監視回路424の外側または監視回路424の内側に実装することができる。一実施形態では、不均衡なセルに対して、セル均衡化回路428によってブリーディング電流(bleeding current)(バイパス電流)を有効にすることができる。セル均衡化回路428に示されているように、セル310_1のブリーディング電流は、スイッチ410_1がオンにされた場合、有効にされる。セル310_2のブリーディング電流は、スイッチ410_2がオンにされた場合、有効にされる。セル310_3のブリーディング電流は、スイッチ410_3がオンにされた場合、有効にされる。スイッチ410_1〜410_3は、監視回路424またはコマンド変換器426によって制御することができる。そのような場合、監視回路424またはコマンド変換器426によってセル均衡化回路428を制御することができる。
【0042】
限定するわけではないが、本開示におけるセル不均衡状態は、以下の状態を含みうる。一実施形態では、あるセルが、他の任意のセルに対して、所定の電圧差ΔVを超える電圧差を有する場合、前記セルは不均衡である。他の実施形態では、あるセルが、所定のしきい電圧Vbalanceを超える電圧を有する場合、前記セルは不均衡である。さらに他の実施形態では、あるセルが、所定の閾値
【数1】
を超える
【数2】
(充電時間の差分に対するセル電圧の差分)を有するとき、前記セルは不均衡である。さらに他の実施形態では、あるセルが、他の任意のセルに対して、所定の容量の差分ΔCを超える容量の差分を有するとき、そのセルは不均衡である。
【0043】
前述のとおり、好ましくは、不均衡状態が発生したとき、前記アダプタ302は、より小さな充電電流によってバッテリパック304を充電する(軽定電流充電モード)。したがって、セル均衡化回路428は、全セルを完全に充電するために(ブリーディング電流を有効にすることによって)セルを均衡させるのに、より長い時間を要することがある。
【0044】
図5は、本発明の一実施形態に従って、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理のフローチャート500を示している。一実施形態では、図4のバッテリ管理システム400がフローチャート500に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。より具体的には、フローチャート500は、一実施形態において、コマンド変換器426が、異なるセル状態に応じてどの充電モードを有効にするのかを示している。図5は、図3および図4と合わせて説明される。
【0045】
図5の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、不均衡状態が発生した場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧(例えば、セル310_1の電圧が3.80V、セル310_2の電圧が3.90V、セル310_3の電圧が4.05Vである場合、最も高いセル電圧は4.05Vである)が、予め設定された第1電圧(例えば、リチウムイオンセルでは3.9V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、不均衡状態が存在するかどうかを判断するために不均衡チェックを実行する。一実施形態では、不均衡状態が存在する場合、バッテリ管理システム400は、セル均衡化回路428によって、不均衡セルのブリーディング電流を有効にするだけなく、バッテリパック304の充電電流を調節する(例えば、低減させる)。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは、4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0046】
前記ブロック502で、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック504で、制御信号350によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック506では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート500のブロック530に進み、バッテリの充電を終了させる(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426は、充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック508に進む。
【0047】
前記ブロック508では、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、バッテリパック304の平均セル電圧は、予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)と比較される。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高く、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック524に進む。
【0048】
前記ブロック524において、制御信号350によって、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)は、有効にされる。ブロック526では、(ブロック506と同様の)保護チェックが実行される。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート500のブロック530に進み、バッテリ充電を終了させる(充電終了モード)。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック528に進む。
【0049】
前記ブロック528で、バッテリパック304の全セルが完全に充電された場合、フローチャート500のブロック530に進み、充電を終了させる(充電終了モード)。バッテリパック304の全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート500のブロック524に戻り、ブロック524に示されているように、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)の下でバッテリパック304を引き続き充電する。一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から電圧監視信号を受信するとともに、全セルが完全に充電されたかどうかを判定する。
【0050】
前記ブロック508に戻ると、バッテリパックの平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、標準/軽定電流充電モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック510に進む。
【0051】
前記ブロック510では、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が、予め設定された第1電圧(例えば、リチウムイオンセルでは3.9V)と比較される。予め設定された第1電圧は、不均衡チェックを実行するかどうかを判定するために使用される。一実施形態では、最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に不均衡チェックが実行されるとともに、フローチャート500のブロック512に進む。最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート500のブロック504に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック504の説明をここで繰り返すことは省く。
【0052】
前記ブロック512では、不均衡チェックが実行される。不均衡状態が存在しない場合、フローチャート500のブロック504に戻る。不均衡状態が存在する場合、不均衡セルに対してブリーディング電流は有効にされるとともに(簡潔かつ明瞭にするため、このステップはフローチャート500に示されていない)、フローチャート500のブロック514に進む。
【0053】
前記ブロック514では、タイマが起動される。ブロック516では、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、バッテリパック304の平均セル電圧が、予め設定された(ブロック508と同様の)第2電圧と比較される。一実施形態では、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高く、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)でバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック524に進む。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック524の説明をここで繰り返すことは省く。
【0054】
前記ブロック516に戻ると、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、標準/軽定電流充電モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート500のブロック518に進む。ブロック518で、タイマが時間切れの場合(例えば、タイマが所定の時間に達した場合)、フローチャート500のブロック520に進む。タイマが時間切れでない場合、フローチャート500のブロック516に戻る。
【0055】
前記ブロック520では、例えばコマンド変換器426によって、nが、所定の最大数maxと比較される。nが所定の最大数maxに等しい場合、フローチャート500のブロック504に戻り、軽定電流モードCCmaxを継続する。そうでない場合、フローチャート500のブロック522に進む。ブロック522では、nが1増分されるとともに、フローチャート500のブロック504に戻り、新たなサイクルを開始する。nは、前のサイクルの間にブロック522において1増分されているため、一実施形態では、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック504の説明をここで繰り返すことは省く。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理の他のフローチャート600を示している。一実施形態では、図4のバッテリ管理システムがフローチャート600に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。図6は、図3および図4と合わせて説明される。
【0057】
図6の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧が、予め設定された第3電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.3V)よりも高い場合と、平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合とで、過電圧保護を有効にするため、バッテリ管理システム400が、定電流充電モードをCCnからCCn+1に変更することによって、充電電流を低減させる。一実施形態では、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0058】
前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。ブロック602で、バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック604で、制御信号350によって、定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxである場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック606では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態において、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート600のブロック636に進み、バッテリの充電は終了する(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426は、充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック608に進む。
【0059】
前記ブロック608では、過電圧状態が存在するかどうかをチェックするために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示す)、フローチャート600のブロック614に進む。ブロック614では、nが1増分される。フローチャート600のブロック624に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示す)、フローチャート600のブロック610に進む。
【0060】
前記ブロック610では、不均衡チェックが実行される。一実施形態では、前記複数のセルのうちの2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生する。不均衡状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック624に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。不均衡状態が存在する場合、不均衡セルに対してブリーディング電流が有効にされるとともに(このステップはフローチャート600には示されていない)、フローチャート600のブロック615に進む。
【0061】
前記ブロック615では、タイマが起動される。ブロック616で、タイマが時間切れの場合、フローチャート600のブロック618に進むとともに、nが1増分される。フローチャート600のブロック624に進むとともに、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。
【0062】
前記ブロック624では、定電圧充電モードを有効にすることができるか否かを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、平均セル電圧が予め設定された第2電圧と比較される。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合、フローチャート600のブロック604に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、ブロック608で過電圧状態が検出された場合にブロック614において1増分されており、またはブロック610で不均衡状態が検出された場合にブロック618において1増分されているため、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流は、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック604の説明をここで繰り返すことは省く。
【0063】
前記平均電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合、フローチャート600のブロック626に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0064】
前記ブロック616に戻ると、タイマが時間切れでない場合、フローチャート600の(ブロック624と同様の)ブロック622に進み、定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする。ブロック622において、例えばコマンド変換器426によって、平均セル電圧は、予め設定された第2電圧と比較される。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも低い場合、フローチャート600のブロック616に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック616の説明をここで繰り返すことは省く。平均セル電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合、フローチャート600のブロック626に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にする。
【0065】
前記ブロック628では、(ブロック606と同様の)保護チェックが実行される。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート600のブロック636に進み、バッテリ充電は終了する(充電終了モード)。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート600のブロック630に進む。ブロック630では、過電圧状態が存在するかどうかをチェックするために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が、予め設定された(ブロック608と同様の)第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示している)、フローチャート600のブロック634に進む。ブロック634では、nが、所定の最大値maxに設定されるとともに、フローチャート600のブロック604に戻る。そのような場合、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)は、有効にされる。最も高いセル電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示している)、フローチャート600のブロック632に進む。ブロック632で、全セルが完全に充電された場合、フローチャート600のブロック636に進み、充電を終了させる。全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート600のブロック626に戻り、定電圧充電モードを継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック626の説明をここで繰り返すことは省く。
【0066】
図7は、前記バッテリ管理システム400によって実行される本発明の一実施形態に基づく処理の他のフローチャート700を示している。一実施形態では、リン酸リチウムイオンバッテリセルに関して、あるセルがある電圧閾値に達した後に、そのセルの電圧が急上昇する(これは「電圧ジャンプ(voltage jump)」と呼ばれる)。そのような場合、一実施形態では、「電圧ジャンプ」が生じた場合に充電電流を低減させることによって、リン酸リチウムイオンバッテリセルを充電するように、フローチャート700を実施することができる。一実施形態では、図4のバッテリ管理システムがフローチャート700に示された方法で動作するように、コマンド変換器426を構成することができる。図7は、図3および図4と合わせて説明される。
【0067】
図7の実施例において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、最初に、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、過電圧状態が発生した場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、バッテリパック304の最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.3V)よりも高い場合に、過電圧状態が発生する。一実施形態では、「電圧ジャンプ」が起こった場合、バッテリ管理システム400は、軽定電流充電モード(例えば、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)を使用するCCmax)でバッテリパック304を充電する。一実施形態では、ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも大きい場合、「電圧ジャンプ」が検出される。一実施形態において、バッテリパック304の平均セル電圧が予め設定された第2電圧(例えば、リチウムイオンセルでは4.2V)よりも高い場合に、バッテリ管理システム400は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック304を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム400は、さらに保護チェックを実行する。
【0068】
ブロック702で、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック704で、制御信号350によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。ブロック706では、保護チェックが実行される。例えば、一実施形態では、コマンド変換器426は、監視回路424から監視信号を受信するとともに、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する。望ましくない状態が存在する場合、フローチャート700のブロック728に進み、バッテリの充電を終了させる(充電終了モード)。そのような場合、コマンド変換器426が充電スイッチ430をオフにして、バッテリ充電を終了させる。望ましくない状態が存在しない場合、フローチャート700のブロック708に進む。
【0069】
前記ブロック708では、過電圧状態が存在するかどうかを判定するために、例えばコマンド変換器426によって、最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧と比較される。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも高い場合(過電圧状態が存在することを示している)、フローチャート700のブロック710に進む。ブロック710では、nが1増分される。フローチャート700のブロック712に進み、「電圧ジャンプ」チェックを実行する。最も高いセル電圧が予め設定された第3電圧よりも低い場合(過電圧状態が存在しないことを示している)、フローチャート700のブロック712に直接進む。
【0070】
ブロック714で、ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも小さい場合、前記フローチャート700のブロック704に戻り、新たなサイクルを開始する。nは、ブロック708で過電圧状態が検出された場合にブロック704において1増分されているため、この新たなサイクル(現在のサイクル)において、充電電流は、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック704の説明をここで繰り返すことは省く。
【0071】
ある時間の電圧(例えば、各セル電圧または平均セル電圧)の上昇ΔV/Δtが閾値Δthよりも大きい場合、ブロック716で、軽定電流充電モード(例えば、CCmax)の下でバッテリパック304は充電される。一実施形態において、バッテリ304を充電するため定充電電流(Imax)を出力するように、制御信号350は、アダプタ302を制御する。
【0072】
ブロック720では、定電圧充電モード(CV)チェックが実行される。より具体的には、前記定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モード(CV0))を有効にすることができるかどうかを判定するために、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧と比較される。ブロック720で、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧よりも低く、軽定電流モードでまだバッテリパック304を充電することができることを示している場合、フローチャート700のブロック716に戻る。
【0073】
前記ブロック720で、バッテリパック304の平均電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合には、ブロック722で、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)の下で、バッテリパック304は充電される。フローチャート700のブロック724に進み、全セルが完全に充電されたかどうかを判定する。
【0074】
前記ブロック724で、全セルが完全に充電されている場合、ブロック728で、充電過程は終了する(充電終了モード)。全セルが完全には充電されていない場合、フローチャート700のブロック722に戻り、定電圧充電モードの下で、バッテリパック304の充電を継続する。
【0075】
図5〜図7に関して説明したとおり、一実施形態では、前記複数の定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0、軽定電流充電モードCC1〜CCmax)と、1つの定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)との下で、バッテリパック304は充電される。コマンド変換器426を構成/プログラミングすることによって、他の充電方法を実現することもできる。例えば、一実施形態では、1つの定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0)と、複数の定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0、軽定電圧充電モードCV1〜CVmax)との下で、バッテリパック304を充電することもできる。一実施形態では、複数の定電流充電モード(例えば、標準定電流充電モードCC0、軽定電流充電モードCC1〜CCmax)と、複数の定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0、軽定電圧充電モードCV1〜CVmax)との下で、バッテリパック304を充電することもできる。好ましくは、アダプタ302(充電器)は、監視回路424から監視情報を受信することができるとともに、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧)が検出された場合、アダプタ302(充電器)は、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節することができる。したがって、一実施形態では、全セル、例えば310_1〜310_3を完全に充電することができ、かつ望ましくない状態を回避することができるように、バッテリパック304は、より長い均衡化時間を要することがある。
【0076】
図8は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム400によって実行される処理のフローチャート800を示している。図8は、図3および図4と合わせて説明される。
【0077】
図8に示されているように、ブロック802において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304内の複数のセルの各セルを監視する。例えば、監視回路424は、セル電圧、電流、温度などを監視するとともに、各セルの状態を示す監視信号をセルごとに生成する。
【0078】
ブロック804において、前記バッテリ管理システム400は、バッテリパック304内の複数のセルの各セルの状態に従って、制御信号350を生成する。制御信号350は、例えば、図4に示された監視信号490_1〜490_3,492,494に従って生成される。
【0079】
ブロック806において、前記バッテリ管理システム400は、制御信号350に従って、アダプタ302の出力電力を調節する。バッテリ管理システムは例えば、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、アダプタ302の出力電力を調節する。
【0080】
したがって、前記バッテリ管理システムは提供される。そのような一実施形態において、バッテリパックは、バッテリパック内に組み込まれた制御回路によって、アダプタの出力電力を直接に調節することができる。好ましくは、アダプタの出力電力は、各セル状態に従って調節される。したがって、一実施形態では、各セル状態に従って複数の充電モードを有効にすることができる。そのような場合、一実施形態では、全セルが完全に充電された場合にバッテリの充電を終了することができるとともに、望ましくない状態を回避することができる。
【0081】
一実施形態では、前記各セル状態の代わりに、バッテリパックの状態に従って複数の充電モードを有効にすることもできる。例えば、充電の始めに、標準定電流充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、バッテリパック電圧が第1閾値よりも高い場合、軽定電流充電モードを有効にすることができる。ある時間のバッテリ電圧の上昇が第2閾値よりも大きい場合(不均衡状態が発生したことを示す)に、軽定電流充電モードを有効にすることもできる。一実施形態では、バッテリパック電圧が第3閾値よりも高い場合、定電圧充電モードを有効にすることができる。
【0082】
一実施形態において、本発明は、前記バッテリパックの状態に従って調節することができる、制御可能なアダプタ出力を有するバッテリ管理システムを提供する。そのような一実施形態において、前記バッテリ管理システムは、複数の充電モード(例えば、標準定電流充電モード、軽定電流充電モード、標準定電圧充電モード、軽定電圧充電モード)を有効にするために、アダプタ出力を、バッテリパックの状態(例えば、バッテリパック電圧、バッテリパック電流)に従って調節することができる。一実施形態では、全セルが完全に充電された場合にバッテリ充電は終了し、望ましくない状態(例えば、過電圧、過充電、過電流)を回避することができる。
【0083】
図9は、本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システム900のブロック図を示している。前記バッテリ管理システム900は、複数のセルを具備するバッテリパック904を監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいて、バッテリパック904の不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)をチェックする監視回路908を具備している。図9の実施例において、バッテリパック904は、3つのセル910_1,910_2,910_3を具備している。しかしながら、バッテリパック904には任意の数のセルを具備することができる。バッテリ管理システム900は、さらに、バッテリパック904への充電電流を制御し、監視回路908から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおいて不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、過充電)が検出された場合に、充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルより低い第2レベルに調節する充電器902を具備している。充電器902は、充電器コントローラ907によって制御することができるアダプタ906を具備している。
【0084】
前記充電器902は、出力端子940を介して充電電流/電圧を供給することができる。一実施形態では、充電器902内に監視回路908(例えば、ガスゲージ回路)がある。監視回路908は、充電器902の出力端子940を通してバッテリパックの状態を監視することができるとともに、バッテリパック904の状態を示す監視信号960を生成することができる。一実施形態において、監視回路908は、バッテリパック電圧を監視するとももに、バッテリパック電圧を示す監視信号960を生成する。一実施形態において、監視回路908は、バッテリパック904の充電電流を監視するとともに、バッテリパック充電電流を示す監視信号960を生成する。例えば、監視回路908は、充電時間の差分(dt)に対するバッテリパック電圧の差分(dV)を監視するとともに、dV/dtを示す監視信号960を生成することができる。監視回路908は、充電時間の差分(dt)に対するバッテリパック充電電流の差分(dI)を監視するとともに、dI/dtを示す監視信号960を生成することもできる。
【0085】
前記監視回路908によって生成された監視信号960は、充電器コントローラ907に送信される。充電器コントローラ907は、複数の充電モードを有効にするためにアダプタ906の出力電力を制御する制御信号950を生成する。より具体的には、充電器コントローラ907を使用して、バッテリパックの状態(例えば、バッテリパック電圧、バッテリパック充電電流、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分、充電時間の差分に対するバッテリパック電流の差分、およびある時間のバッテリパック電圧の上昇)に応じた制御信号950を生成することができる。好ましくは、制御信号950に従って、アダプタ906の出力電力を調節することができる。
【0086】
一実施形態において、前記監視回路908および充電器コントローラ907は、充電器902内に組み込まれる。そのような場合、充電器902は、バッテリパック904の状態に従って、アダプタ906の出力電力を調節することができる。したがって、充電器902とバッテリパック904との間の通信チャネルを省略することができる。
【0087】
好ましくは、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック電圧に応じて、バッテリパック904の複数の充電モードを有効にすることができる。限定するわけではないが、一実施形態において、充電器コントローラ907は、標準定電流充電モードCCn(n=0)と、1つまたは複数の軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., maxであり、maxは、異なる軽定電流充電モードの数を示すnの予め定められた最大数である)と、標準定電圧充電モードCVm(m=0)と、1つまたは複数の軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max'であり、max'は、異なる軽定電圧充電モードの数を示すmの予め定められた最大数である)と、充電終了モードとを有効にする。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態が検出された場合、軽定電流充電モードまたは軽定電圧充電モードを有効にすることができる。一実施形態では、望ましくない状態/誤り状態が発生した場合、またはバッテリパックが完全に充電された場合、充電終了モードを有効にすることができる。
【0088】
好ましくは、一実施形態において、実質的に一定の前記充電電流I0を出力端子940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、標準定電流充電モードCC0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電流I0によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電流In(n=1, 2,..., max)によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、I0>I1>I2>...>Imaxである。
【0089】
同様に、一実施形態では、実質的に一定の前記充電電圧V0を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、標準定電圧充電モードCV0が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の充電電圧V0によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')を出力940に供給するように制御信号950がアダプタ906を制御した場合、軽定電圧充電モードCVm(m=1, 2,..., max')が有効にされる。そのような場合、実質的に一定の軽充電電圧Vm(m=1, 2,..., max')によってバッテリパック904は充電される。一実施形態では、V0>V1>V2>...>Vmax'である。
【0090】
好ましくは、前記バッテリパックの状態に従って異なる充電モード(CC0、CC1、...、CCmaxおよびCV0、CV1、...、CVmax')を有効にすることによって、バッテリパック904を完全に充電し、望ましくない状態を回避し、それによってバッテリ寿命を延ばすことができる。
【0091】
一実施形態において、前記アダプタ906は、パルス幅変調信号発生器980を具備している。制御信号950を使用して、パルス幅変調信号発生器980によって生成されるパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することができる。パルス幅変調信号のデューティサイクルを調節することによって、出力940におけるアダプタ906の出力電力をそれに応じて調節することができる。換言すると、一実施形態では、アダプタ906内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって、異なる充電モードを有効にすることができる。例えば、バッテリパックの状態に基づき標準定電流充電モード(CC0)を有効にする必要がある場合、制御信号950は、アダプタ906が実質的に一定の電流I0を出力するようにパルス幅変調信号のデューティサイクルを調節する。
【0092】
一実施形態において、セル監視回路920(例えば、ガスゲージ回路)は、前記各セル910_1,910_2,910_3のセル状態(例えば、セル電圧、セル電流、セル温度およびセル容量)を監視し、不均衡状態および他の望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇および過充電)から各セル910_1,910_2,910_3を保護するように構成されている。一実施形態において、前記セル監視回路920は、バッテリパック904内に組み込まれ、一実施形態において、セル監視回路920は、バッテリパック904内の充電スイッチ930および放電スイッチ932を制御することができる。望ましくない状態が発生した場合には、セル監視回路920によって充電スイッチ930をオフにすることができ、望ましくない状態が除去された場合には、セル監視回路920によって充電スイッチ930をオンにすることができる。一実施形態では、バッテリパック904がシステム負荷(簡潔かつ明瞭にするために図9には示されていない)に電力を供給する場合、放電スイッチ932がオンにされる。
【0093】
一実施形態では、前記セル910_1〜910_3の性能をさらに向上させるため、バッテリパック304内に、セル910_1〜910_3を均衡させる均衡化回路928を具備している。均衡化回路928は、セル監視回路920の外側またはセル監視回路920の内側に実装することができる。不均衡セルを均衡させるため、不均衡なセルに対して、均衡化回路928によって、ブリーディング電流(バイパス電流)を有効にすることができる。均衡化回路928に示されているように、セル910_1のブリーディング電流は、スイッチ912_1がオンにされた場合、有効にされる。セル910_2のブリーディング電流は、スイッチ912_2がオンにされた場合、有効にされる。セル910_3のブリーディング電流は、スイッチ912_3がオンにされた場合、有効にされる。スイッチ912_1〜912_3は、セル監視回路920によって制御することができる。
【0094】
図10は、本発明の一実施形態に基づく、前記バッテリ管理システム900によって実行される処理のフローチャート1000を示している。一実施形態では、図9のバッテリ管理システム900がフローチャート1000に示された方法で動作するように、充電器コントローラ907がアダプタ906を制御する。より具体的には、フローチャート1000は、一実施形態において、充電器コントローラ907が、異なるバッテリパックの状態に応じてどの充電モードを有効にするのかを示している。図10は、図9と合わせて説明される。
【0095】
図10の実施例において、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック904を最初に充電する。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム900は、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に、バッテリ管理システム900は、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック904を充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、さらに、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分(dV/dt)を所定の閾値TH1と比較することによって、均衡チェックを実行する。
【0096】
ブロック1002で、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は、0に初期化される。ブロック1004で、制御信号950によって定電流充電モードCCnは、有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0は、有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)は、有効にされる。
【0097】
ブロック1006では、前記望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生したかどうかを判定する保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は、充電器902の出力端子940を通してバッテリパック904を監視し、充電電流が予め定められた第1電流値よりも小さい場合に、望ましくない状態が発生したと判定する。充電電流が予め定められた第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が存在することを示している)、フローチャート1000のブロック1007に進む。ブロック1007ではnが1増分される。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合に、セル監視回路920が充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め定められた第1電流値よりも大きい場合望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1000のブロック1008に進む。
【0098】
前記ブロック1008では、不均衡状態が発生したかどうかを検出する均衡チェックが実行される。一実施形態では、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分(dV/dt)が、予め設定された閾値TH1と比較される。dV/dtがTH1よりも大きい場合(不均衡状態が発生したことを示している)、フローチャート1000のブロック1016に進む。dV/dtがTH1よりも小さい場合、フローチャート1000のブロック1010に進む。
【0099】
前記ブロック1016ではタイマが起動される。ブロック1018で、タイマが時間切れの場合(例えば、タイマが所定の時間まで進んだ場合)、フローチャート1000のブロック1019に進み、nが1増分され、次いでフローチャート1000のブロック1010に進み、CVチェックを実行する。
【0100】
前記ブロック1010では、CVチェックが実行される。一実施形態では、定電圧充電モードを有効にすることができるか否かを判定するために、例えば監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1000のブロック1004に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、ブロック1006で望ましくない状態が検出された場合にブロック1007で1増分されている、またはブロック1008で不均衡状態が検出された場合にブロック1019において1増分されているため、この新たな充電サイクル(現在のサイクル)では、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。ブロック1008で不均衡状態が検出されたとき、一実施形態では、所定の時間の後に新たなサイクルが開始される。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1004の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1000のブロック1012に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0101】
ブロック1018に戻ると、タイマが時間切れでない場合、フローチャート1000のブロック1020に進み、定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックする(ブロック1010と同様の)CVチェックを実行する。ブロック1020では、例えば、監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1000のブロック1018に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1018の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1000のブロック1012に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。
【0102】
ブロック1014では、(前記ブロック1006と同様の)保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視し、充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態が存在することを示している)、フローチャート1000のブロック1015に進む。ブロック1015では、nが所定の最大値maxに設定されるとともに、フローチャート1000のブロック1004に戻る。そのような場合、最小充電電流Imax(I0>I1>I2>...>Imax)が有効にされうる。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合に、セル監視回路920が充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め設定された第1電流値よりも大きい場合(望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1000のブロック1022に進む。ブロック1022では完全充電チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第2電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第2電流値よりも小さい場合(バッテリパック904が完全に充電されたことを示している)、フローチャート1000のブロック1024に進み、充電を終了させる。充電電流が予め設定された第2電流値よりも大きい場合(バッテリパック904に完全には充電されていないことを示している)、フローチャート1000はブロック1012に戻り、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1012の説明をここで繰り返すことは省く。
【0103】
図11は、本発明の一実施形態に基づく、例えばリン酸リチウムイオンバッテリセルを充電するために、前記バッテリ管理システム900によって実行される処理の他のフローチャート1100を示している。一実施形態では、図9のバッテリ管理システムがフローチャート1100に示された方法で動作するように、充電器コントローラ907がアダプタ906を制御する。図11は、図9と合わせて説明される。
【0104】
図11の実施例において、前記バッテリ管理システム900は、バッテリパック904を複数のサイクルで充電する。一実施形態において、バッテリ管理システム900は、最初に、標準定電流充電モードCC0でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、不均衡状態および/または他の望ましくない状態(例えば、過電圧状態)が発生した場合に、バッテリ管理システム900が、軽定電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)でバッテリパック904を充電する。一実施形態では、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合に、バッテリ管理システム900が、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)でバッテリパック904を充電する。
【0105】
ブロック1102で、前記バッテリ管理システム900はバッテリパック904の充電を開始するとともに、n(異なる定電流充電モードを表す)は0に初期化される。ブロック1104において、制御信号950によって定電流充電モードCCnは有効にされる。例えば、nが0に設定されている場合、標準電流充電モードCC0が有効にされる。nが1からmaxの間である場合、軽電流充電モードCCn(n=1, 2,..., max)が有効にされる。ブロック1106では、保護チェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第1電流値よりも小さい場合(望ましくない状態が存在することを示している)、フローチャート1100のブロック1107に進む。ブロック1107では、nが1増分される。次いで、フローチャート1100のブロック1104に戻り、新たな充電サイクルを開始する。前のサイクルの間に、nは、望ましくない状態が検出された場合にブロック1107において1増分されているため、この新たな充電サイクル(現在のサイクル)では、充電電流が、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節される。代替実施形態では、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流および温度過上昇)が発生した場合、セル監視回路920は充電スイッチ930をオフにすることができるため、充電電流をゼロまで低減させることができる。充電電流が予め設定された第1電流値よりも大きい場合(望ましくない状態が存在しないことを示している)、フローチャート1100のブロック1108に直接進む。
【0106】
前記ブロック1108では、バッテリパック電圧を予め設定された第2電圧と比較することによって、均衡チェックが実行される。一実施形態では、バッテリパック904のバッテリパック電圧が予め設定された第2電圧よりも高い場合に、不均衡状態が発生し、次いでフローチャート1100のブロック1104に戻る。そうでない場合、フローチャート1100のブロック1112に進む。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1104の説明をここで繰り返すことは省く。
【0107】
前記ブロック1112では、軽定電流充電モード(例えば、CCmax)の下でバッテリパック904は充電される。一実施形態では、バッテリパック904を充電するため実質的に一定の充電電流(Imax)を出力するように、制御信号950がアダプタ906を制御する。
【0108】
ブロック1114では、前記定電圧モード(例えば、標準定電圧充電モードCV0)を有効にすることができるか否かをチェックするCVチェックが実行される。ブロック1114では、例えば、監視回路908によって、バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧と比較される。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも低い場合、フローチャート1100のブロック1112に戻る。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1112の説明をここで繰り返すことは省く。バッテリパック電圧が予め設定された第1電圧よりも高い場合、フローチャート1100のブロック1116に進み、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を有効にする。次いで、フローチャート1100のブロック1118に進み、完全充電チェックを実行する。
【0109】
前記ブロック1118では、完全充電のチェックが実行される。例えば、監視回路908は充電電流を監視するとともに、充電電流が予め設定された第2電流よりも小さいかどうかを判定する。充電電流が予め設定された第2電流よりも小さい場合(バッテリパックが完全に充電されていることを示している)、フローチャート1100のブロック1120に進み、充電を終了させる。充電電流が予め設定された第2電流よりも大きい場合(バッテリパックが完全には充電されていないことを示している)、フローチャート1100のブロック1116に戻り、定電圧充電モード(例えば、標準定電圧モードCV0)を継続する。明瞭かつ簡潔にするため、すでに説明したブロック1116の説明をここで繰り返すことは省く。
【0110】
図12は、本発明の一実施形態に基づく前記バッテリ管理システム400/900によって実行される処理のフローチャート1200を示している。図12は、図4および図9と合わせて説明される。
【0111】
図12に示されているように、ブロック1202で、前記バッテリ管理システム400/900は、バッテリパック904の状態を監視する。一実施形態では、図4に示されているように、バッテリパック304内に組み込まれた監視回路424は、バッテリパック304の各セルのセル電圧を監視し、その監視情報が、通信チャネルを介して監視回路424から充電器(例えば、アダプタ302)に送信される。他の実施形態では、図9に示されているように、充電器902内に組み込まれた監視回路908は、出力端子940を通して、バッテリパック電圧および/またはバッテリパックの充電電流を監視する。
【0112】
ブロック1204では、前記複数のサイクルの各サイクルにおける不均衡状態を、監視回路(例えば、図4の監視回路424または図9の監視回路908)によってチェック/検出することができる。この処理は、さらに、複数のサイクルの各サイクルにおいて、望ましくない状態(例えば、過電圧、過電流、温度過上昇、過充電)を、監視回路424または908によってチェック/検出するステップも具備している。
【0113】
一実施形態では、前記監視回路424が、複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、バッテリパックのバッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、不均衡状態が発生したと判定する。一実施形態では、監視回路908が、充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、望ましくない状態が発生したと判定する。
【0114】
ブロック1206では、現在のサイクルにおいて不均衡状態が検出された場合に、前記バッテリ管理システム400/900は、充電器902によって供給される充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第2レベルに調節する。例えば、バッテリ管理システム400は、アダプタ302からの充電電流を、アダプタ302内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって調節し、バッテリ管理システム900は、アダプタ906からの充電電流を、アダプタ906内でパルス幅変調信号のデューティサイクルを制御することによって調節する。この処理はさらに、現在のサイクルにおいて望ましくない状態が検出された場合に、充電器(例えば、アダプタ302または充電器902 )によって供給される充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、第1レベルよりも低い第3レベルに調節するステップを具備している。
【0115】
したがって、本発明に基づく実施形態は、バッテリパックを複数の段階で充電することができるバッテリ管理システムを提供する。前述のとおり、好ましくは、不均衡状態および/または他の望ましくない状態が発生した場合、バッテリ管理システムは、より小さな充電電流によってバッテリパックを充電することができる(軽定電流充電モード)。したがって、均衡化回路は、全セルを完全に充電するため、(ブリーディング電流を有効にすることによって)セルを均衡させるのに、より長い時間を有することができ、望ましくない状態を回避することができる。
【0116】
以上の記載および図面は本発明の実施形態を表現しているが、それらの実施形態に、特許請求の範囲で定義された本発明の原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな追加、変更および置換えを実施することができることは自明である。本発明の原理から逸脱することなく、本発明を、特定の環境および動作要件に特に適合した、本発明の実施において使用される形態、構造、配置、比率、材料、構成要素、成分、その他の多く変更ともに使用することができることは当業者にとって自明である。したがって、本明細書に開示された実施形態は、あらゆる点で例示的なものであって、限定するものではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法律上の等価物によって示され、上述の記載に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】従来のバッテリ充電回路のブロック図である。
【図2】従来の充電回路のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムの他のブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に基づくバッテリ管理システムのブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理の他のフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態に基づく、バッテリ管理システムによって実行される処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0118】
300 バッテリ管理システム
302 アダプタ
304 バッテリパック
310_1 セル
310_2 セル
310_3 セル
310_N セル
320 制御回路
340 アダプタ出力
350 制御信号
400 バッテリ管理システム
410_1 スイッチ
410_2 スイッチ
410_3 スイッチ
424 監視回路
426 コマンド変換器
428 セル均衡化回路
430 充電スイッチ
432 放電スイッチ
470 感知抵抗器
472 温度センサ
480 パルス幅変調信号発生器
490_1 監視信号
490_2 監視信号
490_3 監視信号
492 監視信号
494 監視信号
900 バッテリ管理システム
902 充電器
904 バッテリパック
906 アダプタ
907 充電器コントローラ
908 監視回路
910_1 セル
910_2 セル
910_3 セル
912_1 スイッチ
912_2 スイッチ
912_3 スイッチ
920 セル監視回路
928 均衡化回路
930 充電スイッチ
932 放電スイッチ
940 出力端子
950 制御信号
960 監視信号
980 パルス幅変調信号発生器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを具備するバッテリパックを監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいて前記バッテリパックの不均衡状態をチェックする監視回路と、
前記バッテリパックに充電電流を供給し、前記監視回路から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおける前記不均衡状態の検出に応答して、前記充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第2レベルに調節する充電器と
を具備することを特徴とするバッテリ管理システム。
【請求項2】
前記バッテリパックは、前記不均衡状態が検出された場合に前記複数のセルを均衡させる均衡化回路を具備することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項3】
前記バッテリパックと前記充電器との間に接続された、前記監視回路からの前記監視情報を前記充電器に送信する通信チャネルをさらに具備し、
前記監視回路は、前記バッテリパック内にあり、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルに対するセル電圧を示すことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項4】
前記複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項5】
前記監視回路は、前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックを監視することができ、
前記監視情報は、前記バッテリパックのバッテリパック電圧を示すことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項6】
充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項7】
前記バッテリパックのバッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項8】
前記不均衡状態が検出された場合、前記充電器は、所定の時間の後に、前記充電電流を前記第2レベルに調節することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項9】
前記監視回路は、さらに、前記複数のサイクルの各サイクルにおいて、前記バッテリパックの望ましくない状態をチェックすることができ、
前記充電器は、さらに、現在のサイクルにおける前記望ましくない状態の検出に応答して、前記充電電流を、前記前のサイクルにおける前記第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第3レベルに調節することができることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項10】
前記バッテリパックと前記充電器との間に接続され、前記監視回路からの前記監視情報を前記充電器に送信する通信チャネルをさらに具備し、
前記監視回路は、前記バッテリパック内にあり、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルのセル電圧を示すことを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項11】
前記バッテリパックは、前記望ましくない状態が検出された場合に充電スイッチをオフにするように動作可能であることを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項12】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含むことを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項13】
前記監視回路は、前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックを監視することができ、
前記監視回路は、前記充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、前記望ましくない状態を検出することを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項14】
複数のセルを具備するバッテリパックを充電する方法であって、
前記バッテリパックの状態を監視するステップと、
複数のサイクルの各サイクルにおいて前記バッテリパックの不均衡状態をチェックするステップと、
現在のサイクルにおける前記不均衡状態の検出に応答して、前記バッテリパックの充電電流を、充電器によって、前のサイクルにおける第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第2レベルに調節するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記不均衡状態が検出された場合に前記複数のセルを均衡させるステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックの前記状態を監視するステップをさらに具備し、
前記監視情報は、前記バッテリパックのバッテリパック電圧を示すことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
バッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記不均衡状態が検出された場合、所定の時間の後に、前記充電電流を前記第2レベルに調節するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記監視回路からの前記監視情報を、前記バッテリパックと前記充電器との間の通信チャネルを介して前記充電器に送信するステップをさらに具備し、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルに対するセル電圧を示すことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のサイクルの各サイクルにおいて、前記バッテリパックの望ましくない状態をチェックするステップと、
現在のサイクルにおける前記望ましくない状態の検出に応答して、前記バッテリパックの前記充電電流を、前記前のサイクルにおける前記第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第3レベルに調節するステップと
をさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記望ましくない状態が検出された場合に、充電スイッチをオフにするステップをさらに具備することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、前記望ましくない状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項1】
複数のセルを具備するバッテリパックを監視するとともに、複数のサイクルの各サイクルにおいて前記バッテリパックの不均衡状態をチェックする監視回路と、
前記バッテリパックに充電電流を供給し、前記監視回路から監視情報を受信するとともに、現在のサイクルにおける前記不均衡状態の検出に応答して、前記充電電流を、前のサイクルにおける第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第2レベルに調節する充電器と
を具備することを特徴とするバッテリ管理システム。
【請求項2】
前記バッテリパックは、前記不均衡状態が検出された場合に前記複数のセルを均衡させる均衡化回路を具備することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項3】
前記バッテリパックと前記充電器との間に接続された、前記監視回路からの前記監視情報を前記充電器に送信する通信チャネルをさらに具備し、
前記監視回路は、前記バッテリパック内にあり、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルに対するセル電圧を示すことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項4】
前記複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項5】
前記監視回路は、前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックを監視することができ、
前記監視情報は、前記バッテリパックのバッテリパック電圧を示すことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項6】
充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項7】
前記バッテリパックのバッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、前記不均衡状態が発生することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項8】
前記不均衡状態が検出された場合、前記充電器は、所定の時間の後に、前記充電電流を前記第2レベルに調節することを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項9】
前記監視回路は、さらに、前記複数のサイクルの各サイクルにおいて、前記バッテリパックの望ましくない状態をチェックすることができ、
前記充電器は、さらに、現在のサイクルにおける前記望ましくない状態の検出に応答して、前記充電電流を、前記前のサイクルにおける前記第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第3レベルに調節することができることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ管理システム。
【請求項10】
前記バッテリパックと前記充電器との間に接続され、前記監視回路からの前記監視情報を前記充電器に送信する通信チャネルをさらに具備し、
前記監視回路は、前記バッテリパック内にあり、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルのセル電圧を示すことを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項11】
前記バッテリパックは、前記望ましくない状態が検出された場合に充電スイッチをオフにするように動作可能であることを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項12】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含むことを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項13】
前記監視回路は、前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックを監視することができ、
前記監視回路は、前記充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、前記望ましくない状態を検出することを特徴とする請求項9に記載のバッテリ管理システム。
【請求項14】
複数のセルを具備するバッテリパックを充電する方法であって、
前記バッテリパックの状態を監視するステップと、
複数のサイクルの各サイクルにおいて前記バッテリパックの不均衡状態をチェックするステップと、
現在のサイクルにおける前記不均衡状態の検出に応答して、前記バッテリパックの充電電流を、充電器によって、前のサイクルにおける第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第2レベルに調節するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記不均衡状態が検出された場合に前記複数のセルを均衡させるステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のセルのうち2つのセル間の電圧差が所定の電圧差よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記充電器の出力端子を通して前記バッテリパックの前記状態を監視するステップをさらに具備し、
前記監視情報は、前記バッテリパックのバッテリパック電圧を示すことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
充電時間の差分に対するバッテリパック電圧の差分が所定の閾値よりも大きい場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
バッテリパック電圧が所定の電圧よりも高い場合に、前記不均衡状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記不均衡状態が検出された場合、所定の時間の後に、前記充電電流を前記第2レベルに調節するステップをさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記監視回路からの前記監視情報を、前記バッテリパックと前記充電器との間の通信チャネルを介して前記充電器に送信するステップをさらに具備し、
前記監視情報は、前記複数のセルの各セルに対するセル電圧を示すことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記複数のサイクルの各サイクルにおいて、前記バッテリパックの望ましくない状態をチェックするステップと、
現在のサイクルにおける前記望ましくない状態の検出に応答して、前記バッテリパックの前記充電電流を、前記前のサイクルにおける前記第1レベルから、前記第1レベルよりも低い第3レベルに調節するステップと
をさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項23】
前記望ましくない状態は、過電圧状態を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記望ましくない状態が検出された場合に、充電スイッチをオフにするステップをさらに具備することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記充電電流が所定の電流値よりも小さい場合に、前記望ましくない状態が発生したと判定するステップをさらに具備することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−247195(P2009−247195A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−305213(P2008−305213)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]