光アクセスシステム及び受信装置
【課題】本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うための受信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器216Hと、半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器216Hに出力する信号発生器217Hと、半導体光増幅器216Hでサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器201Hと、を備える受信装置2Hである。
【解決手段】本発明は、時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器216Hと、半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器216Hに出力する信号発生器217Hと、半導体光増幅器216Hでサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器201Hと、を備える受信装置2Hである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度にデータ受信を行うための受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度に反映させた、ベースバンド伝送方式が利用されている。近年は、更なる伝送性能の向上を目的として、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度、位相及び周波数に反映させた、4値PSK(Phase Shift Keying)、16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などの多値変調方式が検証されている。
【0003】
非特許文献1及び非特許文献2は、従来技術の光アクセスシステムを開示している。
【0004】
図1は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1は、受信装置2を含む複数の受信装置に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1では、帯域信号発生器101は、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102は、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。図1(b)は、帯域信号発生器101から出力される電気信号である帯域信号を示し、図1(c)は、光送信器102から出力される光信号である帯域信号を示す。受信装置2では、受光器201は、帯域信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD(Analog/Digital)変換回路202は、帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、所定の方式により帯域信号をデータ信号に復調し、必要に応じて送信装置1及び光伝送路3などによる信号劣化を補償する。図1(d)は、受光器201から出力される電気信号である帯域信号を示す。
【0005】
図2は、従来技術の光送信器を示す図である。図2(a)では、直接変調方式により、帯域信号をレーザ光源103に入力し、変調光をレーザ光源103から出力する。図2(b)では、外部変調方式により、帯域信号及びレーザ光源103の連続発振光を光変調器104に入力し、変調光を光変調器104から出力する。
【0006】
光伝送路3の広帯域特性を利用して、複数の帯域信号を時分割多重化する時分割多重化方式が利用されている。非特許文献3は、特に光信号を受信し光信号を無線信号に変換し無線信号を送信する、図5に示した従来技術の時分割多重化受信装置を開示している。非特許文献4は、特に直接検波方式を利用せずコヒーレント検波を利用する、図8に示した従来技術の時分割多重化受信装置を開示している。
【0007】
図3は、従来技術の時分割多重化送信装置を示す図である。図3(a)に示したように、送信装置1Aは、帯域信号発生器101A−1、101A−2、・・・、101A−N、時分割多重用スイッチ105A及び光送信器102Aから構成される。帯域信号発生器101A−1、101A−2、・・・、101A−Nは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に各々変調する。時分割多重用スイッチ105Aは、複数の帯域信号を時分割多重化する。図3(b)は、時分割多重用スイッチ105Aに入力される複数の帯域信号を示し、図3(c)は、時分割多重用スイッチ105Aから出力される時分割多重化信号を示す。光送信器102Aは、時分割多重化信号を電気信号から光信号に変換し送信する。図3(d)は、光送信器102Aから送信される時分割多重化信号を示す。
【0008】
図4は、従来技術の第1の時分割多重化受信装置を示す図である。図4(a)に示したように、受信装置2Aは、受光器201A、時分割分離用スイッチ204A、AD変換回路202A及びディジタル信号処理回路203Aから構成される。受光器201Aは、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換する。図4(b)は、受光器201Aで受信される時分割多重化信号を示す。時分割分離用スイッチ204Aは、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出する。図4(c)は、時分割分離用スイッチ204Aに入力される時分割多重化信号を示し、図4(d)は、時分割分離用スイッチ204Aから出力される所定の帯域信号を示す。AD変換回路202Aは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Aは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。このように、受信装置2Aは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。
【0009】
図5は、従来技術の第2の時分割多重化受信装置を示す図である。図5(a)に示したように、受信装置2Bは、受光器201B、時分割分離用スイッチ204B、バンドパスフィルタ205B、無線信号フロントエンド206B及びアンテナ207Bから構成される。受光器201Bは、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換する。図5(b)は、受光器201Bで受信される時分割多重化信号を示す。時分割分離用スイッチ204Bは、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出する。図5(c)は、時分割分離用スイッチ204Bに入力される時分割多重化信号を示し、図5(d)は、時分割分離用スイッチ204Bから出力される所定の帯域信号を示す。バンドパスフィルタ205Bは、所定の周波数の信号を抽出する。無線信号フロントエンド206Bは、所定の周波数の信号を電力増幅する。アンテナ207Bは、所定の周波数の信号を送信する。このように、受信装置2Bは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。
【0010】
図6は、従来技術の第2の時分割多重化受信装置の処理を示す図である。図6(a)は、元の帯域信号をサンプリングする前の帯域信号の周波数分布を示す。図6(b)は、元の帯域信号をサンプリングした後の帯域信号の周波数分布を示す。図6(b)では図6(a)と異なり、元の帯域信号の情報のコピーを有する信号が、元の帯域信号の周波数からサンプリング周波数の整数倍だけ隔てて周波数空間に分布する。ここで、図3の送信装置1A及び図5の受信装置2Bにおいて、サンプリングのパルス幅を十分に狭く設定することにより、元の帯域信号の情報のコピーを有する信号が、高周波数帯である無線周波数帯にも分布する。そこで、バンドパスフィルタ205Bは、所定の無線周波数の信号を抽出でき、アンテナ207Bは、所定の無線周波数の信号を送信できる。
【0011】
図7は、従来技術の第3の時分割多重化受信装置を示す図である。図7(a)に示したように、受信装置2Cは、光スイッチ208C、受光器201C、AD変換回路202C及びディジタル信号処理回路203Cから構成される。光スイッチ208Cは、時分割多重信号を受信し時分割多重信号から所定の帯域信号を抽出する。図7(b)は、光スイッチ208Cに入力される時分割多重化信号を示し、図7(c)は、光スイッチ208Cから出力される所定の帯域信号を示す。受光器201Cは、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する。図7(d)は、受光器201Cから出力される所定の帯域信号を示す。AD変換回路202Cは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Cは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。このように、受信装置2Cは、光領域で時分割分離を行う。
【0012】
図8は、従来技術の第4の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Dは、光合波器209D、受光器201D、AD変換回路202D、ディジタル信号処理回路203D、周波数安定化回路210D、パルス光源211D及び偏波調整器212Dから構成される。周波数安定化回路210Dは、パルス光源211Dから出力されるパルス光信号の周波数をサンプリング周波数に安定化するとともに、パルス光源211Dの発振波長及び受信した時分割多重化信号の波長の差が所定の値となるように、パルス光源211Dの発振波長を安定化する。偏波調整器212Dは、パルス光源211Dから出力されるパルス光信号の偏波状態を調整する。光合波器209Dは、送信装置1Aからの時分割多重信号及び偏波調整器212Dからのパルス光信号を合波する。受光器201Dは、合波信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202Dは、合波信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Dは、所定の方式により合波信号をデータ信号に復調する。合波信号は、所定の帯域信号をビート信号として含む。このように、受信装置2Dは、光領域で時分割分離を行う。
【0013】
受信装置2が、数GHz程度の広帯域信号を受信するときには、受光器201、AD変換回路202、ディジタル信号処理回路203、バンドパスフィルタ205及び無線信号フロントエンド206は、数GHz程度の高速な動作を要求される。とくに、AD変換回路202は、数GHz程度の高速な動作を困難とするため、受信装置2の構成を複雑にしており、受信装置2の価格を高額にしている。そこで、複数のAD変換回路202が、数GHz程度の広帯域信号を、分散・並列して処理するようにしている。
【0014】
図9は、従来技術の第1の広帯域信号受信装置を示す図である。図9(a)に示したように、受信装置2Eは、受光器201E、時分割分離用スイッチ204E、AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−N及びディジタル信号処理回路203Eから構成される。受光器201Eの処理は、図4の受光器201Aの処理と同様である。図9(b)は、受光器201Eで受信される広帯域信号を示す。時分割分離用スイッチ204Eは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングした広帯域信号を、各々AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−Nに出力する。図9(c)は、時分割分離用スイッチ204Eに入力されるサンプリング前の広帯域信号を示し、図9(d)は、時分割分離用スイッチ204Eから出力されるサンプリング後の広帯域信号を示す。AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Eは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を合波して、所定の方式により広帯域信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Eは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行い分散・並列処理を行う。
【0015】
図10は、従来技術の第2の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Fは、光スイッチ208F、受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−N、AD変換回路202F−1、202F−2、・・・、202F−N及びディジタル信号処理回路203Fから構成される。光スイッチ208Fは、広帯域信号を受信し、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングした広帯域信号を、各々受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−Nに出力する。受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を、光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202F−1、202F−2、・・・、202F−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を、アナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Fは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を合波して、所定の方式により広帯域信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Fは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。
【0016】
図11は、従来技術の第3の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Gは、光分岐器213G、光合波器209G−1、209G−2、・・・、209G−N、受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−N、AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−N、ディジタル信号処理回路203G、周波数安定化回路210G、パルス光源211G、偏波調整器212G、光分岐器214G及び光遅延器215G−2、・・・、215G−Nから構成される。周波数安定化回路210G、パルス光源211G、偏波調整器212Gの処理は、各々図8の周波数安定化回路210D、パルス光源211D、偏波調整器212Dの処理と同様である。光分岐器214Gは、光パルス信号を偏波調整器212Gから入力し分岐する。光遅延器215G−2、・・・、215G−Nは、光分岐器214Gから分岐後の光パルス信号を入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の光パルス信号を遅延させる。光分岐器213Gは、送信装置1Aから広帯域信号を入力し分岐する。光合波器209G−1は、光分岐器213Gからの分岐後の広帯域信号及び光分岐器214Gからの分岐後の光パルス信号を合波し、光合波器209G−2、・・・、209G−Nは、各々光分岐器213Gからの分岐後の広帯域信号及び光遅延器215G−2、・・・、215G−Nからの分岐・遅延後の光パルス信号を合波する。受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−Nは、各々光合波器209G−1、209G−2、・・・、209G−Nからの合波信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−Nは、各々受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−Nからの合波信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Gは、AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−Nからの合波信号を合波して、所定の方式により更なる合波信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Gは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Dayou Qian,Neda Cvijetic,Junqiang Hu and Ting Wang,“108 Gb/s OFDMA−PON with polarization multiplexing and direct detection”,IEEE J. Lightw. Technol.,Vol.28,No.4,pp.484−493,Feb.2010.
【非特許文献2】Sang−Yuep Kim,Naoya Sakurai,Hideaki Kimura and Kiyomi Kumozaki,“10−Gbit/s next−generation coherent QPSK−PON with reduced bandwidth requirements employing linear digital equalization with adaptive algorithm”,OFC 2009,OMN6,Mar.2009.
【非特許文献3】原田 博司,塚本 勝俊,小牧 省三,森永 規彦,“光TDMを用いたミリ波無線信号光ファイバ伝送システム”,電子情報通信学会論文誌C−I,Vol.J77−C−I,No.1,pp.649−658.,1994年11月.
【非特許文献4】張 超,五十嵐 浩司,加藤 一弘,菊池 和朗,“時間多重分離機能を持つディジタルコヒーレント受信器による光QPSK信号の復調”,2008年電子情報通信学会総合大会,B−10−98,2008年3月.
【非特許文献5】Eszter Udvary and Tibor Berceli,“Semiconductor Optical Amplifier for Detection Function in Radio Over Fiber Systems”,Journal of Lightwave Technology,Vol.26,No.15,pp.2563−2570,August 1,2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図4及び図5に示した受信装置2A、2Bは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。図9に示した受信装置2Eは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行い分散・並列処理を行う。そのため、受信装置2A、2B、2Eは、数GHz程度の帯域信号を受信するのに適していない。
【0019】
図7及び図8に示した受信装置2C、2Dは、光領域で時分割分離を行う。図10及び図11で示した受信装置2F、2Gは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。そのため、受信装置2C、2D、2F、2Gは、数GHz程度の帯域信号を受信するのに適している。しかし、受信装置2C、2Fでは、光スイッチ208が光損失を発生させ、光損失を補償するために光増幅器を配置すれば、装置構成が複雑になる。そして、受信装置2D、2Gでは、周波数安定化回路210及び偏波調整器212が必要であり、装置構成が複雑になる。とくに、図1に示した光アクセスシステムでは、送信装置1は収容局舎であり、受信装置2は加入者宅内装置である。そして、受信装置2C、2D、2F、2Gを加入者宅内装置に適用すれば、光アクセスシステムが高額となる。このように、光領域の時分割分離の有効な手法について、具体的な検討はなかった。
【0020】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うための受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、光半導体増幅器が、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号を、所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにした。信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。
【0022】
具体的には、本発明は、時分割多重化された光信号を送信する送信装置と、前記時分割多重化された光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記受信装置は、前記時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0023】
この構成によれば、時分割多重化された光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0024】
また、本発明は、光信号を送信する送信装置と、前記光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記受信装置は、前記光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0025】
この構成によれば、広帯域信号などの光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離し、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0026】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0027】
この構成によれば、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号の受信強度の変動に柔軟に対応する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、前記受信装置は、前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0029】
この構成によれば、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0030】
また、本発明は、時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、を備えることを特徴とする受信装置である。
【0031】
この構成によれば、時分割多重化された光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離する受信装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明は、光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、を備えることを特徴とする受信装置である。
【0033】
この構成によれば、広帯域信号などの光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離し、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理する受信装置を提供することができる。
【0034】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする受信装置である。
【0035】
この構成によれば、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号の受信強度の変動に柔軟に対応する受信装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明は、前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする受信装置である。
【0037】
この構成によれば、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する受信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うための受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図2】従来技術の光送信器を示す図である。
【図3】従来技術の時分割多重化送信装置を示す図である。
【図4】従来技術の第1の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図5】従来技術の第2の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図6】従来技術の第2の時分割多重化受信装置の処理を示す図である。
【図7】従来技術の第3の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図8】従来技術の第4の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図9】従来技術の第1の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図10】従来技術の第2の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図11】従来技術の第3の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図12】実施形態1の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図13】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図14】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図15】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図16】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図17】実施形態1のタイミング調整方法を示す図である。
【図18】実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。
【図19】実施形態2の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図20】実施形態3の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図21】実施形態4の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図22】実施形態5の時分割多重化受信装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0041】
(実施形態1)
図12は、実施形態1の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Hは、半導体光増幅器216H、受光器201H、AD変換回路202H、ディジタル信号処理回路203H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hから構成される。
【0042】
半導体光増幅器216Hは、時分割多重化信号を受信し、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、所定の帯域信号を抽出する。受光器201Hは、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202Hは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Hは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。
【0043】
信号発生器217Hは、半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器216Hに出力する。タイミング調整回路218Hは、信号発生器217Hからの電流信号のタイミングを調整する。振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整する。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整する。
【0044】
図13から図16は、実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。信号発生器217Hからの電流信号についての信号強度は、所定のタイミングでは半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きくなり、所定のタイミング以外の時間では半導体光増幅器216Hの閾値電流以下となる。よって、半導体光増幅器216Hの利得は、所定のタイミングでは有限値となるが、所定のタイミング以外の時間ではほぼ0となる。そして、半導体光増幅器216Hでの受信信号のうち、所定のタイミングでの信号は増幅され通過するが、所定のタイミング以外の時間での信号はほぼ通過しない。
【0045】
図13では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は時間的に一定の強度を有する受信信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は矩形波信号である。図13(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図13(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図13(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0046】
振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器216Hの増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器216Hの増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。
【0047】
図14では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は時間的に一定の強度を有する受信信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図14(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図14(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図14(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0048】
振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器216Hのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器216Hのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。図14では、正弦波信号は広帯域信号ではないため、受信装置2Hは簡便なハードウェアを備えるのみで十分である。
【0049】
図15では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は強度の大きい時分割多重化信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図15(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図15(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図15(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0050】
信号発生器217Hは、所定の帯域信号を抽出するために、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器216Hでの受信信号は、強度の大きい時分割多重化信号であるため、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスは小さくても構わない。
【0051】
図16では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は強度の小さい時分割多重化信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図16(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図16(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図16(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0052】
信号発生器217Hは、所定の帯域信号を抽出するために、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器216Hでの受信信号は、強度の小さい時分割多重化信号であるため、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスは大きければ望ましい。
【0053】
図15及び図16で説明したように、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスを制御するためには、受光器201Hの出力電流をモニタリングすればよい。受信装置2Hは、時分割多重化信号の受信強度の変動に柔軟に対応することができる。
【0054】
図17は、実施形態1のタイミング調整方法を示す図である。送信装置1Aでは、時分割多重用スイッチ105Aは、複数の帯域信号及び同期捕捉用信号を時分割多重化する。同期捕捉用信号は、例えば交番信号などである。受信装置2Hでは、タイミング調整回路218Hは、信号発生器217Hからの電流信号のタイミングを調整することにより、同期捕捉用信号を抽出できるようにする。半導体光増幅器216Hは、同期捕捉用信号から所定の時間だけ隔てたタイミングで、時分割多重化信号をサンプリング及び増幅することにより、所定の帯域信号を抽出することができる。
【0055】
図18は、実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。図18(a)は、200MHzの正弦波により大きく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図18(b)は、200MHzの正弦波により小さく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図18(a)及び図18(b)では、サンプリング幅が110〜120psであるときに、サンプリングが高精度に行われていた。半導体光増幅器の動作条件を調整することにより、サンプリング幅が70〜80psであるときも、サンプリングが高精度に行われていた。
【0056】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、受信装置は、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うことができる。
【0057】
ここで、半導体光増幅器は、偏波依存性を小さくすることもできる。このときには、コヒーレント検波を利用したときに生じる偏波依存性の問題を解決することができる。さらに、半導体光増幅器は、量子ドット構造を利用して、100nm以上の増幅波長帯域を有することもできる。このときには、非常に広い波長帯域で動作させることができる。
【0058】
(実施形態2)
図19は、実施形態2の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Jは、半導体光増幅器216J、受光器201J、バンドパスフィルタ205J、無線信号フロントエンド206J、アンテナ207J、信号発生器217J、タイミング調整回路218J、振幅調整回路219J及びバイアス調整回路220Jから構成される。
【0059】
半導体光増幅器216J、受光器201J、信号発生器217J、タイミング調整回路218J、振幅調整回路219J及びバイアス調整回路220Jの処理は、各々図12の半導体光増幅器216H、受光器201H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hの処理と同様である。バンドパスフィルタ205J及び無線信号フロントエンド206Jの処理は、各々図5のバンドパスフィルタ205B及び無線信号フロントエンド206Bの処理と同様である。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、無線信号を出力することもできる。
【0060】
(実施形態3)
図20は、実施形態3の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Kは、光分岐器213K、半導体光増幅器216K−1、216K−2、・・・、216K−N、受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−N、AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−N、ディジタル信号処理回路203K、信号発生器217K、タイミング調整回路218K、振幅調整回路219K、バイアス調整回路220K、分岐器221K及び遅延回路222K−2、・・・、222K−Nから構成される。
【0061】
信号発生器217K、タイミング調整回路218K、振幅調整回路219K、バイアス調整回路220Kの処理は、各々図12の信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H、バイアス調整回路220Hの処理と同様である。
【0062】
分岐器221Kは、電流信号を信号発生器217Kから入力し分岐する。遅延回路222K−2、・・・、222K−Nは、分岐後の電流信号を分岐器221Kから入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の電流信号を遅延させる。光分岐器213Kは、送信装置1Aから広帯域信号を入力し分岐する。
【0063】
半導体光増幅器216K−1は、光分岐器213Kから分岐後の広帯域信号を入力し、分岐器221Kから分岐後の電流信号を入力し、分岐後の電流信号を用いて分岐後の広帯域信号をサンプリング及び増幅する。半導体光増幅器216K−2、・・・、216K−Nは、光分岐器213Kから分岐後の広帯域信号を入力し、各々遅延回路222K−2、・・・、222K−Nから分岐・遅延後の電流信号を入力し、各々の分岐・遅延後の電流信号を用いて分岐後の広帯域信号をサンプリング及び増幅する。
【0064】
受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−Nは、各々半導体光増幅器216K−1、216K−2、・・・、216K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を、光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−Nは、各々受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を、アナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Kは、AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を合波して、所定の方式により合波されたサンプリング・増幅後の広帯域信号をデータ信号に復調する。
【0065】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、広帯域信号などの光信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、受信装置は、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うことができる。受信装置は、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理することができる。
【0066】
(実施形態4)
図21は、実施形態4の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Lは、半導体光増幅器216L、AD変換回路202L、ディジタル信号処理回路203L、信号発生器217L、タイミング調整回路218L、振幅調整回路219L、バイアス調整回路220L及び信号分離回路223Lから構成される。
【0067】
AD変換回路202L、ディジタル信号処理回路203L、信号発生器217L、タイミング調整回路218L、振幅調整回路219L及びバイアス調整回路220Lの処理は、各々図12のAD変換回路202H、ディジタル信号処理回路203H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hの処理と同様である。
【0068】
半導体光増幅器216Lは、時分割多重化信号を受信し、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、所定の帯域信号を抽出するとともに、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する(非特許文献5を参照。)。信号分離回路223Lは、半導体光増幅器216Lからの所定の帯域信号及び信号発生器217Lからの電流信号を分離する。信号分離回路223Lとして、方向性結合器を利用することができる。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、受光器を不要とすることもできる。
【0069】
(実施形態5)
図22は、実施形態5の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Mは、半導体光増幅器216M、受光器201M、切替回路226M、AD変換回路202M、ディジタル信号処理回路203M、ベースバンド信号受信回路227M、信号発生器217M、タイミング調整回路218M、振幅調整回路219M、バイアス調整回路220M、制御回路224M及びスイッチ回路225Mから構成される。
【0070】
送信装置1Aは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を、所定のタイミングで切り替えて送信する。受信装置2Mは、受信信号がベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうちいずれであるかに応じて、受信信号の処理方法を選択する。ベースバンド信号として、10Gb/s又は40Gb/sのNRZ信号などの高速ベースバンド信号をあげられる。ベースバンド信号が変調された変調信号として、4値PSK、16値QAM及びOFDMなどの多値変調信号をあげられる。
【0071】
制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを、以下に説明するように判断する。
【0072】
まず、ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と異なる場合について説明する。制御回路224Mは、ベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号からクロック抽出することができたときには、受光器201Mからの電気信号がベースハンド信号であると判断する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号からクロック抽出することができないときには、受光器201Mからの電気信号がベースハンド信号が変調された変調信号であると判断する。
【0073】
次に、ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と等しい場合について説明する。送信装置1Aでは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうち少なくともいずれかのヘッダ部分に、信号種類判断用のパターンを予め付加する。受信装置2Mでは、制御回路224Mは、信号種類判断用のパターンに基づいて、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する。
【0074】
ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と異なる場合には、制御回路224Mがベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有してもよく、送信装置1Aでは信号種類判断用のパターンを予め付加してもよい。ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と等しい場合には、制御回路224Mがベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有しても、時分割多重化信号のクロックの高調成分がクロック抽出される可能性があるため、送信装置1Aでは信号種類判断用のパターンを予め付加する。
【0075】
まず、受信装置2Mがベースバンド信号を受信したときの処理方法について説明する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であると判断し、スイッチ回路225Mをオフにし、切替回路226Mをベースバンド信号受信回路227M側にセットする。半導体光増幅器216Mは、ベースバンド信号を単に増幅させる。ベースバンド信号受信回路227Mは、所定の方式によりベースバンド信号を復調する。
【0076】
次に、受信装置2Mがベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理方法について説明する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であると判断し、スイッチ回路225Mをオンにし、切替回路226MをAD変換回路202M側にセットする。半導体光増幅器216Mは、ベースバンド信号が変調された変調信号を信号発生器217Mからの電流信号を用いてサンプリング及び増幅する。AD変換回路202Mは、ベースバンド信号が変調された変調信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203Mは、所定の方式によりベースバンド信号が変調された変調信号を復調する。
【0077】
以上に説明したように、受信装置は、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る光アクセスシステム及び受信装置は、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を光信号として送受信するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1:送信装置
2:受信装置
3:光伝送路
4:光スプリッタ
101:帯域信号発生器
102:光送信器
103:レーザ光源
104:光変調器
105:時分割多重用スイッチ
201:受光器
202:AD変換回路
203:ディジタル信号処理回路
204:時分割分離用スイッチ
205:バンドパスフィルタ
206:無線信号フロントエンド
207:アンテナ
208:光スイッチ
209:光合波器
210:周波数安定化回路
211:パルス光源
212:偏波調整器
213:光分岐器
214:光分岐器
215:光遅延器
216:半導体光増幅器
217:信号発生器
218:タイミング調整回路
219:振幅調整回路
220:バイアス調整回路
221:分岐器
222:遅延回路
223:信号分離回路
224:制御回路
225:スイッチ回路
226:切替回路
227:ベースバンド信号受信回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度にデータ受信を行うための受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度に反映させた、ベースバンド伝送方式が利用されている。近年は、更なる伝送性能の向上を目的として、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度、位相及び周波数に反映させた、4値PSK(Phase Shift Keying)、16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などの多値変調方式が検証されている。
【0003】
非特許文献1及び非特許文献2は、従来技術の光アクセスシステムを開示している。
【0004】
図1は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1は、受信装置2を含む複数の受信装置に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1では、帯域信号発生器101は、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102は、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。図1(b)は、帯域信号発生器101から出力される電気信号である帯域信号を示し、図1(c)は、光送信器102から出力される光信号である帯域信号を示す。受信装置2では、受光器201は、帯域信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD(Analog/Digital)変換回路202は、帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、所定の方式により帯域信号をデータ信号に復調し、必要に応じて送信装置1及び光伝送路3などによる信号劣化を補償する。図1(d)は、受光器201から出力される電気信号である帯域信号を示す。
【0005】
図2は、従来技術の光送信器を示す図である。図2(a)では、直接変調方式により、帯域信号をレーザ光源103に入力し、変調光をレーザ光源103から出力する。図2(b)では、外部変調方式により、帯域信号及びレーザ光源103の連続発振光を光変調器104に入力し、変調光を光変調器104から出力する。
【0006】
光伝送路3の広帯域特性を利用して、複数の帯域信号を時分割多重化する時分割多重化方式が利用されている。非特許文献3は、特に光信号を受信し光信号を無線信号に変換し無線信号を送信する、図5に示した従来技術の時分割多重化受信装置を開示している。非特許文献4は、特に直接検波方式を利用せずコヒーレント検波を利用する、図8に示した従来技術の時分割多重化受信装置を開示している。
【0007】
図3は、従来技術の時分割多重化送信装置を示す図である。図3(a)に示したように、送信装置1Aは、帯域信号発生器101A−1、101A−2、・・・、101A−N、時分割多重用スイッチ105A及び光送信器102Aから構成される。帯域信号発生器101A−1、101A−2、・・・、101A−Nは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に各々変調する。時分割多重用スイッチ105Aは、複数の帯域信号を時分割多重化する。図3(b)は、時分割多重用スイッチ105Aに入力される複数の帯域信号を示し、図3(c)は、時分割多重用スイッチ105Aから出力される時分割多重化信号を示す。光送信器102Aは、時分割多重化信号を電気信号から光信号に変換し送信する。図3(d)は、光送信器102Aから送信される時分割多重化信号を示す。
【0008】
図4は、従来技術の第1の時分割多重化受信装置を示す図である。図4(a)に示したように、受信装置2Aは、受光器201A、時分割分離用スイッチ204A、AD変換回路202A及びディジタル信号処理回路203Aから構成される。受光器201Aは、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換する。図4(b)は、受光器201Aで受信される時分割多重化信号を示す。時分割分離用スイッチ204Aは、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出する。図4(c)は、時分割分離用スイッチ204Aに入力される時分割多重化信号を示し、図4(d)は、時分割分離用スイッチ204Aから出力される所定の帯域信号を示す。AD変換回路202Aは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Aは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。このように、受信装置2Aは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。
【0009】
図5は、従来技術の第2の時分割多重化受信装置を示す図である。図5(a)に示したように、受信装置2Bは、受光器201B、時分割分離用スイッチ204B、バンドパスフィルタ205B、無線信号フロントエンド206B及びアンテナ207Bから構成される。受光器201Bは、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換する。図5(b)は、受光器201Bで受信される時分割多重化信号を示す。時分割分離用スイッチ204Bは、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出する。図5(c)は、時分割分離用スイッチ204Bに入力される時分割多重化信号を示し、図5(d)は、時分割分離用スイッチ204Bから出力される所定の帯域信号を示す。バンドパスフィルタ205Bは、所定の周波数の信号を抽出する。無線信号フロントエンド206Bは、所定の周波数の信号を電力増幅する。アンテナ207Bは、所定の周波数の信号を送信する。このように、受信装置2Bは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。
【0010】
図6は、従来技術の第2の時分割多重化受信装置の処理を示す図である。図6(a)は、元の帯域信号をサンプリングする前の帯域信号の周波数分布を示す。図6(b)は、元の帯域信号をサンプリングした後の帯域信号の周波数分布を示す。図6(b)では図6(a)と異なり、元の帯域信号の情報のコピーを有する信号が、元の帯域信号の周波数からサンプリング周波数の整数倍だけ隔てて周波数空間に分布する。ここで、図3の送信装置1A及び図5の受信装置2Bにおいて、サンプリングのパルス幅を十分に狭く設定することにより、元の帯域信号の情報のコピーを有する信号が、高周波数帯である無線周波数帯にも分布する。そこで、バンドパスフィルタ205Bは、所定の無線周波数の信号を抽出でき、アンテナ207Bは、所定の無線周波数の信号を送信できる。
【0011】
図7は、従来技術の第3の時分割多重化受信装置を示す図である。図7(a)に示したように、受信装置2Cは、光スイッチ208C、受光器201C、AD変換回路202C及びディジタル信号処理回路203Cから構成される。光スイッチ208Cは、時分割多重信号を受信し時分割多重信号から所定の帯域信号を抽出する。図7(b)は、光スイッチ208Cに入力される時分割多重化信号を示し、図7(c)は、光スイッチ208Cから出力される所定の帯域信号を示す。受光器201Cは、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する。図7(d)は、受光器201Cから出力される所定の帯域信号を示す。AD変換回路202Cは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Cは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。このように、受信装置2Cは、光領域で時分割分離を行う。
【0012】
図8は、従来技術の第4の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Dは、光合波器209D、受光器201D、AD変換回路202D、ディジタル信号処理回路203D、周波数安定化回路210D、パルス光源211D及び偏波調整器212Dから構成される。周波数安定化回路210Dは、パルス光源211Dから出力されるパルス光信号の周波数をサンプリング周波数に安定化するとともに、パルス光源211Dの発振波長及び受信した時分割多重化信号の波長の差が所定の値となるように、パルス光源211Dの発振波長を安定化する。偏波調整器212Dは、パルス光源211Dから出力されるパルス光信号の偏波状態を調整する。光合波器209Dは、送信装置1Aからの時分割多重信号及び偏波調整器212Dからのパルス光信号を合波する。受光器201Dは、合波信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202Dは、合波信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Dは、所定の方式により合波信号をデータ信号に復調する。合波信号は、所定の帯域信号をビート信号として含む。このように、受信装置2Dは、光領域で時分割分離を行う。
【0013】
受信装置2が、数GHz程度の広帯域信号を受信するときには、受光器201、AD変換回路202、ディジタル信号処理回路203、バンドパスフィルタ205及び無線信号フロントエンド206は、数GHz程度の高速な動作を要求される。とくに、AD変換回路202は、数GHz程度の高速な動作を困難とするため、受信装置2の構成を複雑にしており、受信装置2の価格を高額にしている。そこで、複数のAD変換回路202が、数GHz程度の広帯域信号を、分散・並列して処理するようにしている。
【0014】
図9は、従来技術の第1の広帯域信号受信装置を示す図である。図9(a)に示したように、受信装置2Eは、受光器201E、時分割分離用スイッチ204E、AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−N及びディジタル信号処理回路203Eから構成される。受光器201Eの処理は、図4の受光器201Aの処理と同様である。図9(b)は、受光器201Eで受信される広帯域信号を示す。時分割分離用スイッチ204Eは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングした広帯域信号を、各々AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−Nに出力する。図9(c)は、時分割分離用スイッチ204Eに入力されるサンプリング前の広帯域信号を示し、図9(d)は、時分割分離用スイッチ204Eから出力されるサンプリング後の広帯域信号を示す。AD変換回路202E−1、202E−2、・・・、202E−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Eは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を合波して、所定の方式により広帯域信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Eは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行い分散・並列処理を行う。
【0015】
図10は、従来技術の第2の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Fは、光スイッチ208F、受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−N、AD変換回路202F−1、202F−2、・・・、202F−N及びディジタル信号処理回路203Fから構成される。光スイッチ208Fは、広帯域信号を受信し、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングした広帯域信号を、各々受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−Nに出力する。受光器201F−1、201F−2、・・・、201F−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を、光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202F−1、202F−2、・・・、202F−Nは、各々第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を、アナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Fは、第1、第2、・・・、第Nのタイミングでサンプリングされた広帯域信号を合波して、所定の方式により広帯域信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Fは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。
【0016】
図11は、従来技術の第3の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Gは、光分岐器213G、光合波器209G−1、209G−2、・・・、209G−N、受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−N、AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−N、ディジタル信号処理回路203G、周波数安定化回路210G、パルス光源211G、偏波調整器212G、光分岐器214G及び光遅延器215G−2、・・・、215G−Nから構成される。周波数安定化回路210G、パルス光源211G、偏波調整器212Gの処理は、各々図8の周波数安定化回路210D、パルス光源211D、偏波調整器212Dの処理と同様である。光分岐器214Gは、光パルス信号を偏波調整器212Gから入力し分岐する。光遅延器215G−2、・・・、215G−Nは、光分岐器214Gから分岐後の光パルス信号を入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の光パルス信号を遅延させる。光分岐器213Gは、送信装置1Aから広帯域信号を入力し分岐する。光合波器209G−1は、光分岐器213Gからの分岐後の広帯域信号及び光分岐器214Gからの分岐後の光パルス信号を合波し、光合波器209G−2、・・・、209G−Nは、各々光分岐器213Gからの分岐後の広帯域信号及び光遅延器215G−2、・・・、215G−Nからの分岐・遅延後の光パルス信号を合波する。受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−Nは、各々光合波器209G−1、209G−2、・・・、209G−Nからの合波信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−Nは、各々受光器201G−1、201G−2、・・・、201G−Nからの合波信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Gは、AD変換回路202G−1、202G−2、・・・、202G−Nからの合波信号を合波して、所定の方式により更なる合波信号をデータ信号に復調する。このように、受信装置2Gは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Dayou Qian,Neda Cvijetic,Junqiang Hu and Ting Wang,“108 Gb/s OFDMA−PON with polarization multiplexing and direct detection”,IEEE J. Lightw. Technol.,Vol.28,No.4,pp.484−493,Feb.2010.
【非特許文献2】Sang−Yuep Kim,Naoya Sakurai,Hideaki Kimura and Kiyomi Kumozaki,“10−Gbit/s next−generation coherent QPSK−PON with reduced bandwidth requirements employing linear digital equalization with adaptive algorithm”,OFC 2009,OMN6,Mar.2009.
【非特許文献3】原田 博司,塚本 勝俊,小牧 省三,森永 規彦,“光TDMを用いたミリ波無線信号光ファイバ伝送システム”,電子情報通信学会論文誌C−I,Vol.J77−C−I,No.1,pp.649−658.,1994年11月.
【非特許文献4】張 超,五十嵐 浩司,加藤 一弘,菊池 和朗,“時間多重分離機能を持つディジタルコヒーレント受信器による光QPSK信号の復調”,2008年電子情報通信学会総合大会,B−10−98,2008年3月.
【非特許文献5】Eszter Udvary and Tibor Berceli,“Semiconductor Optical Amplifier for Detection Function in Radio Over Fiber Systems”,Journal of Lightwave Technology,Vol.26,No.15,pp.2563−2570,August 1,2008.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図4及び図5に示した受信装置2A、2Bは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行う。図9に示した受信装置2Eは、光信号を電気信号に変換した後に、電気領域で時分割分離を行い分散・並列処理を行う。そのため、受信装置2A、2B、2Eは、数GHz程度の帯域信号を受信するのに適していない。
【0019】
図7及び図8に示した受信装置2C、2Dは、光領域で時分割分離を行う。図10及び図11で示した受信装置2F、2Gは、光領域で時分割分離を行い、電気領域で分散・並列処理を行う。そのため、受信装置2C、2D、2F、2Gは、数GHz程度の帯域信号を受信するのに適している。しかし、受信装置2C、2Fでは、光スイッチ208が光損失を発生させ、光損失を補償するために光増幅器を配置すれば、装置構成が複雑になる。そして、受信装置2D、2Gでは、周波数安定化回路210及び偏波調整器212が必要であり、装置構成が複雑になる。とくに、図1に示した光アクセスシステムでは、送信装置1は収容局舎であり、受信装置2は加入者宅内装置である。そして、受信装置2C、2D、2F、2Gを加入者宅内装置に適用すれば、光アクセスシステムが高額となる。このように、光領域の時分割分離の有効な手法について、具体的な検討はなかった。
【0020】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うための受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するために、光半導体増幅器が、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号を、所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにした。信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。
【0022】
具体的には、本発明は、時分割多重化された光信号を送信する送信装置と、前記時分割多重化された光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記受信装置は、前記時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0023】
この構成によれば、時分割多重化された光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0024】
また、本発明は、光信号を送信する送信装置と、前記光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記受信装置は、前記光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0025】
この構成によれば、広帯域信号などの光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離し、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0026】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0027】
この構成によれば、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号の受信強度の変動に柔軟に対応する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0028】
また、本発明は、前記受信装置は、前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0029】
この構成によれば、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する受信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0030】
また、本発明は、時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、を備えることを特徴とする受信装置である。
【0031】
この構成によれば、時分割多重化された光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離する受信装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明は、光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、を備えることを特徴とする受信装置である。
【0033】
この構成によれば、広帯域信号などの光信号を経済的かつ高精度に光領域で時分割分離し、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理する受信装置を提供することができる。
【0034】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする受信装置である。
【0035】
この構成によれば、時分割多重化された光信号又は広帯域信号などの光信号の受信強度の変動に柔軟に対応する受信装置を提供することができる。
【0036】
また、本発明は、前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする受信装置である。
【0037】
この構成によれば、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する受信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うための受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図2】従来技術の光送信器を示す図である。
【図3】従来技術の時分割多重化送信装置を示す図である。
【図4】従来技術の第1の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図5】従来技術の第2の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図6】従来技術の第2の時分割多重化受信装置の処理を示す図である。
【図7】従来技術の第3の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図8】従来技術の第4の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図9】従来技術の第1の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図10】従来技術の第2の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図11】従来技術の第3の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図12】実施形態1の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図13】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図14】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図15】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図16】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図17】実施形態1のタイミング調整方法を示す図である。
【図18】実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。
【図19】実施形態2の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図20】実施形態3の広帯域信号受信装置を示す図である。
【図21】実施形態4の時分割多重化受信装置を示す図である。
【図22】実施形態5の時分割多重化受信装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0041】
(実施形態1)
図12は、実施形態1の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Hは、半導体光増幅器216H、受光器201H、AD変換回路202H、ディジタル信号処理回路203H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hから構成される。
【0042】
半導体光増幅器216Hは、時分割多重化信号を受信し、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、所定の帯域信号を抽出する。受光器201Hは、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202Hは、所定の帯域信号をアナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Hは、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。
【0043】
信号発生器217Hは、半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器216Hに出力する。タイミング調整回路218Hは、信号発生器217Hからの電流信号のタイミングを調整する。振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整する。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整する。
【0044】
図13から図16は、実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。信号発生器217Hからの電流信号についての信号強度は、所定のタイミングでは半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きくなり、所定のタイミング以外の時間では半導体光増幅器216Hの閾値電流以下となる。よって、半導体光増幅器216Hの利得は、所定のタイミングでは有限値となるが、所定のタイミング以外の時間ではほぼ0となる。そして、半導体光増幅器216Hでの受信信号のうち、所定のタイミングでの信号は増幅され通過するが、所定のタイミング以外の時間での信号はほぼ通過しない。
【0045】
図13では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は時間的に一定の強度を有する受信信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は矩形波信号である。図13(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図13(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図13(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0046】
振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器216Hの増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器216Hの増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。
【0047】
図14では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は時間的に一定の強度を有する受信信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図14(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図14(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図14(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0048】
振幅調整回路219Hは、信号発生器217Hからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器216Hのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路220Hは、信号発生器217Hからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器216Hのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。図14では、正弦波信号は広帯域信号ではないため、受信装置2Hは簡便なハードウェアを備えるのみで十分である。
【0049】
図15では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は強度の大きい時分割多重化信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図15(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図15(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図15(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0050】
信号発生器217Hは、所定の帯域信号を抽出するために、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器216Hでの受信信号は、強度の大きい時分割多重化信号であるため、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスは小さくても構わない。
【0051】
図16では、半導体光増幅器216Hでの受信信号は強度の小さい時分割多重化信号であり、信号発生器217Hからの電流信号は正弦波信号である。図16(a)は、半導体光増幅器216Hでの受信信号についての信号強度の時間変化を示す。図16(b)は、半導体光増幅器216Hの電流−利得特性及び信号発生器217Hからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図16(c)は、半導体光増幅器216Hでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0052】
信号発生器217Hは、所定の帯域信号を抽出するために、所定のタイミングで半導体光増幅器216Hの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器216Hでの受信信号は、強度の小さい時分割多重化信号であるため、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスは大きければ望ましい。
【0053】
図15及び図16で説明したように、信号発生器217Hからの電流信号の振幅及びバイアスを制御するためには、受光器201Hの出力電流をモニタリングすればよい。受信装置2Hは、時分割多重化信号の受信強度の変動に柔軟に対応することができる。
【0054】
図17は、実施形態1のタイミング調整方法を示す図である。送信装置1Aでは、時分割多重用スイッチ105Aは、複数の帯域信号及び同期捕捉用信号を時分割多重化する。同期捕捉用信号は、例えば交番信号などである。受信装置2Hでは、タイミング調整回路218Hは、信号発生器217Hからの電流信号のタイミングを調整することにより、同期捕捉用信号を抽出できるようにする。半導体光増幅器216Hは、同期捕捉用信号から所定の時間だけ隔てたタイミングで、時分割多重化信号をサンプリング及び増幅することにより、所定の帯域信号を抽出することができる。
【0055】
図18は、実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。図18(a)は、200MHzの正弦波により大きく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図18(b)は、200MHzの正弦波により小さく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図18(a)及び図18(b)では、サンプリング幅が110〜120psであるときに、サンプリングが高精度に行われていた。半導体光増幅器の動作条件を調整することにより、サンプリング幅が70〜80psであるときも、サンプリングが高精度に行われていた。
【0056】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、受信装置は、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うことができる。
【0057】
ここで、半導体光増幅器は、偏波依存性を小さくすることもできる。このときには、コヒーレント検波を利用したときに生じる偏波依存性の問題を解決することができる。さらに、半導体光増幅器は、量子ドット構造を利用して、100nm以上の増幅波長帯域を有することもできる。このときには、非常に広い波長帯域で動作させることができる。
【0058】
(実施形態2)
図19は、実施形態2の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Jは、半導体光増幅器216J、受光器201J、バンドパスフィルタ205J、無線信号フロントエンド206J、アンテナ207J、信号発生器217J、タイミング調整回路218J、振幅調整回路219J及びバイアス調整回路220Jから構成される。
【0059】
半導体光増幅器216J、受光器201J、信号発生器217J、タイミング調整回路218J、振幅調整回路219J及びバイアス調整回路220Jの処理は、各々図12の半導体光増幅器216H、受光器201H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hの処理と同様である。バンドパスフィルタ205J及び無線信号フロントエンド206Jの処理は、各々図5のバンドパスフィルタ205B及び無線信号フロントエンド206Bの処理と同様である。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、無線信号を出力することもできる。
【0060】
(実施形態3)
図20は、実施形態3の広帯域信号受信装置を示す図である。受信装置2Kは、光分岐器213K、半導体光増幅器216K−1、216K−2、・・・、216K−N、受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−N、AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−N、ディジタル信号処理回路203K、信号発生器217K、タイミング調整回路218K、振幅調整回路219K、バイアス調整回路220K、分岐器221K及び遅延回路222K−2、・・・、222K−Nから構成される。
【0061】
信号発生器217K、タイミング調整回路218K、振幅調整回路219K、バイアス調整回路220Kの処理は、各々図12の信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H、バイアス調整回路220Hの処理と同様である。
【0062】
分岐器221Kは、電流信号を信号発生器217Kから入力し分岐する。遅延回路222K−2、・・・、222K−Nは、分岐後の電流信号を分岐器221Kから入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の電流信号を遅延させる。光分岐器213Kは、送信装置1Aから広帯域信号を入力し分岐する。
【0063】
半導体光増幅器216K−1は、光分岐器213Kから分岐後の広帯域信号を入力し、分岐器221Kから分岐後の電流信号を入力し、分岐後の電流信号を用いて分岐後の広帯域信号をサンプリング及び増幅する。半導体光増幅器216K−2、・・・、216K−Nは、光分岐器213Kから分岐後の広帯域信号を入力し、各々遅延回路222K−2、・・・、222K−Nから分岐・遅延後の電流信号を入力し、各々の分岐・遅延後の電流信号を用いて分岐後の広帯域信号をサンプリング及び増幅する。
【0064】
受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−Nは、各々半導体光増幅器216K−1、216K−2、・・・、216K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を、光信号から電気信号に変換する。AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−Nは、各々受光器201K−1、201K−2、・・・、201K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を、アナログ信号からディジタル信号に変換する。ディジタル信号処理回路203Kは、AD変換回路202K−1、202K−2、・・・、202K−Nからのサンプリング・増幅後の広帯域信号を合波して、所定の方式により合波されたサンプリング・増幅後の広帯域信号をデータ信号に復調する。
【0065】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、広帯域信号などの光信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、受信装置は、経済的かつ高精度に光領域の時分割分離によるデータ受信を行うことができる。受信装置は、広帯域信号などの光信号を電気領域で分散・並列処理することができる。
【0066】
(実施形態4)
図21は、実施形態4の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Lは、半導体光増幅器216L、AD変換回路202L、ディジタル信号処理回路203L、信号発生器217L、タイミング調整回路218L、振幅調整回路219L、バイアス調整回路220L及び信号分離回路223Lから構成される。
【0067】
AD変換回路202L、ディジタル信号処理回路203L、信号発生器217L、タイミング調整回路218L、振幅調整回路219L及びバイアス調整回路220Lの処理は、各々図12のAD変換回路202H、ディジタル信号処理回路203H、信号発生器217H、タイミング調整回路218H、振幅調整回路219H及びバイアス調整回路220Hの処理と同様である。
【0068】
半導体光増幅器216Lは、時分割多重化信号を受信し、時分割多重化信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、所定の帯域信号を抽出するとともに、所定の帯域信号を光信号から電気信号に変換する(非特許文献5を参照。)。信号分離回路223Lは、半導体光増幅器216Lからの所定の帯域信号及び信号発生器217Lからの電流信号を分離する。信号分離回路223Lとして、方向性結合器を利用することができる。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、受光器を不要とすることもできる。
【0069】
(実施形態5)
図22は、実施形態5の時分割多重化受信装置を示す図である。受信装置2Mは、半導体光増幅器216M、受光器201M、切替回路226M、AD変換回路202M、ディジタル信号処理回路203M、ベースバンド信号受信回路227M、信号発生器217M、タイミング調整回路218M、振幅調整回路219M、バイアス調整回路220M、制御回路224M及びスイッチ回路225Mから構成される。
【0070】
送信装置1Aは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を、所定のタイミングで切り替えて送信する。受信装置2Mは、受信信号がベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうちいずれであるかに応じて、受信信号の処理方法を選択する。ベースバンド信号として、10Gb/s又は40Gb/sのNRZ信号などの高速ベースバンド信号をあげられる。ベースバンド信号が変調された変調信号として、4値PSK、16値QAM及びOFDMなどの多値変調信号をあげられる。
【0071】
制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを、以下に説明するように判断する。
【0072】
まず、ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と異なる場合について説明する。制御回路224Mは、ベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号からクロック抽出することができたときには、受光器201Mからの電気信号がベースハンド信号であると判断する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号からクロック抽出することができないときには、受光器201Mからの電気信号がベースハンド信号が変調された変調信号であると判断する。
【0073】
次に、ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と等しい場合について説明する。送信装置1Aでは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうち少なくともいずれかのヘッダ部分に、信号種類判断用のパターンを予め付加する。受信装置2Mでは、制御回路224Mは、信号種類判断用のパターンに基づいて、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する。
【0074】
ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と異なる場合には、制御回路224Mがベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有してもよく、送信装置1Aでは信号種類判断用のパターンを予め付加してもよい。ベースバンド信号のビットレートがサンプリング周波数の整数倍と等しい場合には、制御回路224Mがベースバンド信号のビットレートと等しい周波数に対してのクロック抽出機能を有しても、時分割多重化信号のクロックの高調成分がクロック抽出される可能性があるため、送信装置1Aでは信号種類判断用のパターンを予め付加する。
【0075】
まず、受信装置2Mがベースバンド信号を受信したときの処理方法について説明する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号であると判断し、スイッチ回路225Mをオフにし、切替回路226Mをベースバンド信号受信回路227M側にセットする。半導体光増幅器216Mは、ベースバンド信号を単に増幅させる。ベースバンド信号受信回路227Mは、所定の方式によりベースバンド信号を復調する。
【0076】
次に、受信装置2Mがベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理方法について説明する。制御回路224Mは、受光器201Mからの電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であると判断し、スイッチ回路225Mをオンにし、切替回路226MをAD変換回路202M側にセットする。半導体光増幅器216Mは、ベースバンド信号が変調された変調信号を信号発生器217Mからの電流信号を用いてサンプリング及び増幅する。AD変換回路202Mは、ベースバンド信号が変調された変調信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203Mは、所定の方式によりベースバンド信号が変調された変調信号を復調する。
【0077】
以上に説明したように、受信装置は、ベースバンド信号を受信したときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を受信したときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る光アクセスシステム及び受信装置は、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を光信号として送受信するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1:送信装置
2:受信装置
3:光伝送路
4:光スプリッタ
101:帯域信号発生器
102:光送信器
103:レーザ光源
104:光変調器
105:時分割多重用スイッチ
201:受光器
202:AD変換回路
203:ディジタル信号処理回路
204:時分割分離用スイッチ
205:バンドパスフィルタ
206:無線信号フロントエンド
207:アンテナ
208:光スイッチ
209:光合波器
210:周波数安定化回路
211:パルス光源
212:偏波調整器
213:光分岐器
214:光分岐器
215:光遅延器
216:半導体光増幅器
217:信号発生器
218:タイミング調整回路
219:振幅調整回路
220:バイアス調整回路
221:分岐器
222:遅延回路
223:信号分離回路
224:制御回路
225:スイッチ回路
226:切替回路
227:ベースバンド信号受信回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割多重化された光信号を送信する送信装置と、
前記時分割多重化された光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記受信装置は、
前記時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項2】
光信号を送信する送信装置と、
前記光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記受信装置は、
前記光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、
各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項3】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光アクセスシステム。
【請求項4】
前記受信装置は、
前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項5】
時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、
各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5から7に記載のいずれかの受信装置。
【請求項1】
時分割多重化された光信号を送信する送信装置と、
前記時分割多重化された光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記受信装置は、
前記時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項2】
光信号を送信する送信装置と、
前記光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記受信装置は、
前記光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、
各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項3】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光アクセスシステム。
【請求項4】
前記受信装置は、
前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項5】
時分割多重化された光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
前記半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された光信号を電気信号に変換する受光器と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項6】
光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を各電気信号に変換する複数の受光器と、
各電気信号に信号処理を行い、信号処理を行った各電気信号を合波する電気回路と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項7】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項5又は6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記受光器が出力した電気信号を監視し、前記電気信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記電気信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記電気信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項5から7に記載のいずれかの受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−259035(P2011−259035A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129336(P2010−129336)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]