説明

光コヒーレント検波器評価装置及び光コヒーレント検波器評価方法

【課題】光コヒーレント検波器を簡易に評価することのできる光コヒーレント検波器評価装置及び光コヒーレント検波器評価方法の提供を目的とする。
【解決手段】本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、光コヒーレント検波器50の試験を行う光コヒーレント検波器評価装置100であって、光源11からの光を分岐する光分岐部12と、分岐光の一方を透過又は遮光する第1の光シャッタ23と、分岐光の一方を光コヒーレント検波器50に出力する第1の光出力部14と、分岐光の他方を透過又は遮光する第2の光シャッタ24と、分岐光の他方を光コヒーレント検波器50に出力する第2の光出力部15と、分岐光の一方を遅延させる光遅延器13と、分岐光の一方の偏波状態を変化させる偏波コントローラ25と、光コヒーレント検波器50からの出力光が入力される光入力部16と、光電変換部17と、信号処理部19と、制御部21と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコヒーレント受信部のフロントエンドに用いられる光コヒーレント検波器を評価するための光コヒーレント検波器評価装置及び光コヒーレント検波器評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、光通信の大容量化に伴い、100G(bps/チャネル)級の長距離伝送が要求されており、これらの長距離伝送ではファイバの分散や波長フィルタリングに対する耐力がある伝送方式や、1つの信号(シンボル)上に複数データをのせる周波数効率のよい多値変調方式が注目され、その一技術としてデジタルコヒーレント技術の研究が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
例えば、直交2変調多重と4値変調であるQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式やDP−QPSK(Dual Polarization−Quadrature Phase Shift Keying)方式は、25G/シンボルの信号で、100Gbps級の伝送を行うことができる伝送方式であるが、ここにもデジタルコヒーレントの技術が用いられている。
【0004】
デジタルコヒーレントの光コヒーレント検波器では、入力コヒーレント信号光の偏波ダイバーシティを行うための偏光分離や、ローカル光として用いる狭線幅レーザや入力コヒーレント信号光をホモダイン検波又はヘテロダイン検波して復調するための90°光ハイブリッドが必要となる。これらには複数の光素子が集積化されており、各部の特性を評価することが難しく、送信部と受信部間に実際に信号を流してビット誤り率から送受信部の評価を総合的に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−153863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
送受信部間の総合的な評価で問題があった場合には、その原因を突き止めることの必要性から、個々の不具合を特定することが必要となるが、現時点ではそれを容易に行うことはできない。
【0007】
そこで、本発明は、光コヒーレント検波器を簡易に評価することのできる光コヒーレント検波器評価装置及び光コヒーレント検波器評価方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価装置(100)であって、光を出力する光源(11)と、前記光源からの光を2つの分岐光に分岐する光分岐部(12)と、前記光分岐部からの前記分岐光の一方を透過又は遮光する第1の光シャッタ(23)と、前記第1の光シャッタの出力光を、前記光コヒーレント検波器の入力光の一方として出力する第1の光出力部(14)と、前記光分岐部からの前記分岐光の他方を透過又は遮光する第2の光シャッタ(24)と、前記第2の光シャッタからの前記分岐光の他方を、前記光コヒーレント検波器の入力光の他方として出力する第2の光出力部(15)と、前記光分岐部と前記第1の光出力部の間の光路に挿入され、前記分岐光の一方を任意の遅延量で遅延させる光遅延器(13)と、前記光源と前記第1の光出力部との間の光路に配置され、前記分岐光の一方の偏波状態を変化させる偏波コントローラ(25)と、複数の入力端子(16−1〜16−8)を有し、前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された複数の干渉光がそれぞれ異なる前記入力端子に入力される光入力部(16)と、前記光入力部に入力された前記複数の干渉光を、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換する光電変換部(17)と、前記光電変換部からの電気信号を、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換するデジタル変換部(18)と、前記デジタル変換部からのデジタル信号の信号処理を行う信号処理部(19)と、前記信号処理部の処理結果を表示する表示部(22)と、前記光源、前記第1の光シャッタ、前記第2の光シャッタ、前記光遅延器、前記偏波コントローラ、前記信号処理部及び前記表示部の動作を制御する制御部(21)と、を備える。
【0009】
光源(11)と、光分岐部(12)と、第1の光出力部(14)と、第2の光出力部(15)と、光入力部(16)と、光電変換部(17)と、デジタル変換部(18)と、信号処理部(19)と、を備えるため、光コヒーレント検波器(50)に光を入力し、光コヒーレント検波器(50)からの出力光を解析することができる。第1の光シャッタ(23)と、第2の光シャッタ(24)と、光遅延器(13)と、偏波コントローラ(25)と、を備えるため、光コヒーレント検波器(50)についての種々の評価を行うことができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、光コヒーレント検波器を簡易に評価することができる。
【0010】
光コヒーレント検波器評価装置では、前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記偏波コントローラの変化させる偏波状態を一定に保った状態で、前記光遅延器の遅延量を変化させながら、前記第1の光出力部から前記分岐光の一方を出力させるとともに、前記第2の光出力部から前記分岐光の他方を出力させる遅延制御部(21−1)を備え、前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光遅延器の遅延量及び前記入力端子に関連付けて記憶する位相処理部(19−1)を備え、前記表示部は、前記信号処理部の記憶する前記デジタル信号の出力値を、前記光遅延器の遅延量に対するグラフで表示する位相表示部(22−1)を備えていてもよい。
遅延制御部を備えるため、2つの入力光の位相差を変化させながら、2つの入力光を光コヒーレント検波器(50)に入力することができる。これにより、光コヒーレント検波器(50)の各出力信号の位相差を測定することができる。位相処理部及び位相表示部を備えることで、各光コヒーレント検波器の各出力信号の位相を比較して位相直交度を評価することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、光コヒーレント検波器の位相直交度を簡易に評価することができる。
【0011】
光コヒーレント検波器評価装置では、前記光コヒーレント検波器は、入力光の一方を所定の偏波状態で所定数に分離しかつ入力光の他方を前記所定数に分岐して、前記2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力し、前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を遮断させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記光遅延器の遅延量を一定にした状態で、前記偏波コントローラの偏波状態を変化させながら前記第2の光出力部から前記分岐光の他方を出力させる偏波状態制御部(21−3)を備え、前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を用いて、前記任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を算出するローカル光分岐比処理部(19−3)を備え、前記表示部は、前記任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を表示するローカル光分岐比表示部(22−3)を備えていてもよい。
これにより、光コヒーレント検波器(50)は、入力光の他方を、P偏光成分側とS偏光成分側とに分岐して出力する。ローカル光分岐比処理部(19−3)及びローカル光分岐比表示部(22−3)を備えるため、光コヒーレント検波器(50)が分岐したP偏光成分側の光とS偏光成分側の光の強度比を測定し、光コヒーレント検波器(50)の分岐比を評価することができる。
【0012】
光コヒーレント検波器評価装置では、前記光源は、前記光の出力波長が可変であり、前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記光遅延器の遅延量を一定にした状態で、前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の一方及び前記分岐光の他方を出力させる干渉光波長制御部(21−4)を備え、前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶する干渉光処理部(19−4)を備え、前記表示部は、前記信号処理部の記憶する前記光源の各出力波長での前記デジタル信号の出力値を、前記入力端子ごとに表示する干渉光表示部(22−4)を備えていてもよい。
干渉光波長制御部(21−4)を備えるため、波長を変化させながら、2つの入力光を光コヒーレント検波器(50)に入力することができる。これにより、光コヒーレント検波器(50)は、任意の波長の2つの入力光を干渉させて干渉光を出力する。干渉光処理部(19−4)及び干渉光表示部(22−4)を備えるため、各干渉光の光強度を波長ごとに測定して、各干渉光の光強度の波長特性を評価することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、光コヒーレント検波器の干渉強度の波長特性を簡易に評価することができる。
【0013】
光コヒーレント検波器評価装置では、前記光源は、前記光の出力波長が可変であり、前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させて前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を遮光させて前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の一方を出力させるか、或いは前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を遮光させて前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させて前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の他方を出力させる光波長制御部(21−5)を備え、前記信号処理部は、前記偏波コントローラで偏波状態を変化させたときに最大となる前記各デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の出力強度及び前記デジタル信号の出力値を用いて前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の各入出力端子間の損失を算出する光損失処理部(19−5)を備え、前記表示部は、前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の損失を前記入力端子ごとに表示する光損失表示部(22−5)を備えていてもよい。
光波長制御部(21−5)を備えるため、波長を変化させながら、入力光を光コヒーレント検波器(50)に入力することができる。光損失処理部(19−5)及び光損失表示部(22−5)を備えるため、光コヒーレント検波器(50)からの出力光の光パワーを用いて光コヒーレント検波器(50)の各入出力端子間の損失を測定することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価装置は、光コヒーレント検波器の損失の波長特性を簡易に評価することができる。
【0014】
本発明に係る光コヒーレント検波器評価方法は、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光の一方の遅延量を変化させながら、前記光コヒーレント検波器の前記2つの入力光として、前記2つの分岐光を出力する干渉光出力手順(S101)と、前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、前記各デジタル信号を前記入力端子及び前記遅延量に関連付けて記憶し、前記遅延量に対する前記デジタル信号の出力値をグラフ表示する干渉光処理手順(S102)と、を順に有する。
【0015】
干渉光出力手順(S101)を有するため、2つの入力光の位相差を変化させながら、2つの入力光を光コヒーレント検波器(50)に入力することができる。これにより、光コヒーレント検波器(50)の各出力信号の位相差を測定することができる。干渉光処理手順(S102)を有するため、各光コヒーレント検波器の各出力信号の位相を比較して位相直交度を評価することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価方法は、光コヒーレント検波器の位相直交度を簡易に評価することができる。
【0016】
本発明に係る光コヒーレント検波器評価方法は、入力光の一方を所定の偏波状態で所定数に分離しかつ入力光の他方を前記所定数に分岐して、前記2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光の偏波状態を変化させながら、前記光コヒーレント検波器の入力光の他方として前記分岐光の一方を出力する偏光出力手順(S301)と、前記分岐光の一方が前記光コヒーレント検波器で分離されて出力された前記所定の偏波状態の出力光をそれぞれ異なる前記入力端子に入力し、前記所定の偏波状態ごとに電気信号に光電変換し、前記所定の偏波状態ごとにデジタル信号に変換し、前記デジタル信号の出力値を前記所定の偏波状態に関連付けて記憶し、任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を算出して表示するローカル光分岐比測定手順(S302)と、を順に有する。
【0017】
これにより、光コヒーレント検波器(50)は、入力光の他方を、P偏光成分側とS偏光成分側とに分岐して出力する。ローカル光分岐比測定手順(S302)を有するため、光コヒーレント検波器(50)が分岐したP偏光成分側の光とS偏光成分側の光の強度比を測定することができる。
【0018】
本発明に係る光コヒーレント検波器評価方法は、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、光源からの光の出力波長を変化させながら前記光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記光コヒーレント検波器の前記2つの入力光として前記2つの分岐光を出力する干渉用波長可変光出力手順(S401)と、前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された前記複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、前記デジタル信号の出力値を前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の各出力波長での前記デジタル信号の出力値を前記入力端子ごとに表示する干渉強度測定手順(S402)と、を順に有する。
干渉用波長可変光出力手順(S401)を有するため、波長を変化させながら、2つの入力光を光コヒーレント検波器(50)に入力することができる。これにより、光コヒーレント検波器(50)は、任意の波長の2つの入力光を干渉させて干渉光を出力する。干渉強度測定手順(S402)を有するため、各干渉光の光強度を波長ごとに測定して、各干渉光の光強度の波長特性を評価することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価方法は、光コヒーレント検波器の干渉強度の波長特性を簡易に評価することができる。
【0019】
本発明に係る光コヒーレント検波器評価方法は、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、光源からの光の出力波長を変化させながら前記光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光のいずれか一方を、前記光コヒーレント検波器の入力光のいずれか一方として出力する波長可変光出力手順(S501)と、前記分岐光のいずれか一方が前記光コヒーレント検波器で分離されて出力された複数の出力光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、偏波コントローラで前記光源からの光の偏波状態を変化させたときに最大となる前記各デジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の出力強度及び前記デジタル信号の出力値を用いて前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の各入出力端子間の損失を前記入力端子ごとに算出して表示する損失測定手順(S502)と、を順に有する。
【0020】
これにより、光コヒーレント検波器(50)は、任意の波長の入力光を分離して出力する。損失測定手順(S502)を有するため、光コヒーレント検波器(50)からの出力光の光パワーを用いて光コヒーレント検波器(50)の各入出力端子間の損失を測定することができる。したがって、本願発明の光コヒーレント検波器評価方法は、光コヒーレント検波器の損失の波長特性を簡易に評価することができる。
【0021】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、光コヒーレント検波器を簡易に評価することのできる光コヒーレント検波器評価装置及び光コヒーレント検波器評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価装置の一例を示す。
【図2】本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第1例を示す。
【図3】位相表示部の表示例を示す。
【図4】本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第2例を示す。
【図5】本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第3例を示す。
【図6】干渉光表示部の表示例を示す。
【図7】本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第4例を示す。
【図8】光損失表示部の表示例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0025】
図1は、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価装置の一例を示す。本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価装置100は、光コヒーレント検波器50の試験を行う。光コヒーレント検波器50は、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する。信号光として入力光の一方Sが入力され、ローカル光として入力光の他方Lが入力されることで、光コヒーレント検波器50は、信号光Sの検波を行う。
【0026】
光コヒーレント検波器50は、入力ポート51と、入力ポート54と、PBS(Polarization Beam Splitter)52と、BS55と、90°光ハイブリッド53−Pと、90°光ハイブリッド53−Sと、を備える。入力ポート51に入力光の一方Sが入力され、入力ポート54に入力光の他方Lが入力される。
【0027】
光コヒーレント検波器評価装置100は、光源11と、光分岐部12と、第1の光シャッタ23と、第1の光出力部14と、第2の光シャッタ24と、第2の光出力部15と、光遅延器13と、偏波コントローラ25と、光入力部16と、光電変換部17と、デジタル変換部18と、信号処理部19とサンプリング信号発生部20と、制御部21と、表示部22と、を備える。
【0028】
光源11は、光を出力する。偏波コントローラ25は、光源11と第1の光出力部14との間の光路に配置され、分岐光の偏波状態を変化させる。光分岐部12は、光源11からの光を2つの分岐光に分岐する。第1の光シャッタ23は、光分岐部12からの分岐光の一方を透過又は遮光する。光遅延器13は、光分岐部12と第1の光出力部14の間の光路に挿入され、分岐光の一方を任意の遅延量で遅延させる。第1の光出力部14は、第1の光シャッタ23の出力光を、光コヒーレント検波器50の入力光の一方として入力ポート51へ出力する。第2の光シャッタ24は、光分岐部12からの分岐光の他方を透過又は遮光する。第2の光出力部15は、第2の光シャッタ24からの分岐光の他方を、光コヒーレント検波器50の入力光の他方として入力ポート54へ出力する。
【0029】
PBS52は、入力ポート51に入力された入力光を、偏光成分ごとに分離する。例えば、P偏光成分とS偏光成分に分離する。BS55は、入力ポート54に入力された入力光を、分岐する。90°光ハイブリッド53−Pは、PBS52からのP偏光成分の光及びBS55からの光が入力され、4つの出力ポートから干渉光(P+L)、干渉光(P−L)、干渉光(P+jL)、干渉光(P−jL)を出力する。90°光ハイブリッド53−Sは、PBS52からのS偏光成分の光及びBS55からの光が入力され、4つの出力ポートから干渉光(S+L)、干渉光(S−L)、干渉光(S+jL)、干渉光(S−jL)を出力する。
【0030】
光入力部16は、複数の入力端子16−1〜16−8を有し、2つの分岐光が光コヒーレント検波器50で干渉されて出力された複数の干渉光がそれぞれ異なる入力端子に入力される。例えば、入力端子16−1に干渉光(P+L)が入力され、入力端子16−2に干渉光(P−L)が入力され、入力端子16−3に干渉光(P+jL)が入力され、入力端子16−4に干渉光(P−jL)が入力され、入力端子16−5に干渉光(S+L)が入力され、入力端子16−6に干渉光(S−L)が入力され、入力端子16−7に干渉光(S+jL)が入力され、入力端子16−8に干渉光(S−jL)が入力される。
【0031】
光電変換部17は、光入力部16に入力された複数の干渉光を、入力端子16−1〜16−8ごとに電気信号に光電変換する。例えば、光電変換部17は、各入力端子16−1〜16−8に入力された干渉光を光電変換するPD(Photo Diode)17−1〜PD17−8を備える。
【0032】
サンプリング信号発生部20は、デジタル変換部18のサンプリングするタイミング信号を発生する。デジタル変換部18は、サンプリング信号発生部20からのタイミング信号に従って、光電変換部17からの電気信号を、入力端子16−1〜16−8ごとにデジタル信号に変換する。例えば、デジタル変換部18は、PD17−1〜PD17−8からの各アナログ信号をデジタル信号に変換するADC(Analog−to−Digital Converter)18−1〜18−8を備える。
【0033】
信号処理部19は、デジタル変換部18からのデジタル信号の信号処理を行う。これにより、光コヒーレント検波器50の評価を行う。例えば、信号処理部19は、各干渉光の位相を評価する位相処理部19−1と、BS55の分岐比を評価するローカル光分岐比処理部19−3と、各干渉光の波長特性を評価する干渉光処理部19−4と、入力ポート51から光コヒーレント検波器50の各出力ポートまでの光損失又は入力ポート54から光コヒーレント検波器50の各出力ポートまでの光損失を評価する光損失処理部19−5と、を備える。
【0034】
表示部22は、信号処理部19の処理結果を表示する。例えば、位相処理部19−1の処理結果を表示する位相表示部22−1と、ローカル光分岐比処理部19−3の処理結果を表示するローカル光分岐比表示部22−3と、干渉光処理部19−4の処理結果を表示する干渉光表示部22−4と、光損失処理部19−5の処理結果を表示する光損失表示部22−5と、を備える。
【0035】
制御部21は、光源11、第1の光シャッタ23、第2の光シャッタ24、光遅延器13、偏波コントローラ25、サンプリング信号発生部20、信号処理部19及び表示部22の動作を制御する。例えば、制御部21は、光コヒーレント検波器50の評価内容に応じて、光源11の出力波長を制御したり、第1の光シャッタ23及び第2の光シャッタ24のON/OFFを切り替えたり、光遅延器13の遅延量を制御したり、偏波コントローラ25の偏波状態を制御したり、サンプリング信号発生部20の出力するタイミング信号の周波数を制御したり、信号処理部19の動作を切り替えたり、表示部22の表示を切り替えたりする。以下、光コヒーレント検波器50の具体的な評価例について説明する。
【0036】
図2に、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第1例を示す。光コヒーレント検波器評価方法の第1例は、干渉光出力手順S101と、干渉光処理手順S102と、を順に有し、各干渉光の位相を評価する。
【0037】
干渉光出力手順S101では、光源11からの光を2つの分岐光に分岐し、分岐光の一方の遅延量を変化させながら、光コヒーレント検波器50の2つの入力光として、2つの分岐光を出力する。このとき、遅延制御部21−1は、第1の光シャッタ23に分岐光の一方を透過させ、第2の光シャッタ24に分岐光の他方を透過させ、偏波コントローラ25の変化させる偏波状態を一定に保った状態で、光遅延器13の遅延量を変化させながら、第1の光出力部14から分岐光の一方を出力させるとともに、第2の光出力部15から分岐光の他方を出力させる。
【0038】
これにより、第1の光出力部14から分岐光の一方が入力光の一方Sとして入力ポート51に入力され、第2の光出力部15から分岐光の他方が入力光の他方Lとして入力ポート54に入力される。そして、90°光ハイブリッド53−P及び53−Sからの干渉光が、光入力部16に入力される。
【0039】
干渉光処理手順S102では、2つの分岐光が光コヒーレント検波器50で干渉されて出力された複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子16−1〜16−8に入力し、入力端子16−1〜16−8ごとに電気信号に光電変換し、入力端子16−1〜16−8ごとにデジタル信号に変換し、各デジタル信号を入力端子16−1〜16−8及び遅延量に関連付けて記憶し、遅延量に対するデジタル信号の出力値をグラフ表示する。
【0040】
このとき、位相処理部19−1は、デジタル変換部18からのデジタル信号の出力値を、光遅延器13の遅延量及び入力端子16−1〜16−8に関連付けて記憶する。位相表示部22−1は、信号処理部19の記憶するデジタル信号の出力値を、光遅延器13の遅延量に対するグラフで表示する。これらにより、各入力端子16−1〜16−8の信号の相対的な位相を求めることができる。
【0041】
図3に、位相表示部22−1の表示例を示す。干渉光(P+L)、干渉光(P−L)、干渉光(P+jL)、干渉光(P−jL)、干渉光(S+L)、干渉光(S−L)、干渉光(S+jL)及び干渉光(S−jL)の光強度を、光遅延器13の遅延量に対するグラフで表示する。光源11の波長相当の遅延量可変によって光強度は1周期の強度変化が生じるため、光遅延器13の遅延量は少なくとも1周期以上変化させる。また、光遅延器13の可変ステップは、数nm以下であることが好ましい。
【0042】
図4に、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第2例を示す。光コヒーレント検波器評価方法の第2例では、2つの入力光のうちの一方を所定の偏波状態で分離し2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器50の試験を行う。所定の偏波状態は、例えばP偏光とS偏光である。光コヒーレント検波器評価方法の第2例は、偏光出力手順S301と、ローカル光分岐比測定手順S302と、を順に有する。
【0043】
偏光出力手順S301では、光源11からの光を2つの分岐光に分岐し、分岐光の偏波状態を変化させながら、光コヒーレント検波器50の入力光の他方Lとして分岐光の他方を入力ポート54に出力する。このとき、偏波状態制御部21−3は、第1の光シャッタ23に分岐光の一方を遮断させ、第2の光シャッタ24に分岐光の他方を透過させ、光遅延器13の遅延量を一定にした状態で、偏波コントローラ25の偏波状態を変化させながら第2の光出力部15から分岐光の他方を出力させる。
【0044】
これにより、入力光の他方Lが入力ポート54に入力される。BS55は、入力光の他方Lを分岐する。90°光ハイブリッド53−Pは、BS55からの光をさらに分岐して4つの出力ポートから出力する。90°光ハイブリッド53−Pからの出力光は、入力端子16−1〜16−4に入力される。90°光ハイブリッド53−Sは、BS55からの分岐光を分岐して4つの出力ポートから出力する。90°光ハイブリッド53−Sからの出力光は、入力端子16−5〜16−8に入力される。
【0045】
ローカル光分岐比測定手順S302では、分岐光の他方が光コヒーレント検波器50で分離されて出力されたP偏光とS偏光の出力光をそれぞれ異なる入力端子16−1〜16−8に入力し、P偏光とS偏光ごとに電気信号に光電変換し、P偏光とS偏光ごとにデジタル信号に変換し、デジタル信号の出力値をP偏光とS偏光に関連付けて記憶し、任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を算出して表示する。このとき、ローカル光分岐比処理部19−3は、デジタル変換部18からのデジタル信号の出力値を用いて、任意の偏波状態におけるP偏光とS偏光のデジタル信号の出力値の比を算出する。例えば、入力端子16−1〜16−4のデジタル信号の出力値の和と入力端子16−5〜16−8のデジタル信号の出力値の和との比を算出する。ローカル光分岐比表示部22−3は、任意の偏波状態におけるP偏光とS偏光のデジタル信号の出力値の比を表示する。
【0046】
図5に、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第3例を示す。光コヒーレント検波器評価方法の第3例では、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器50の試験を行う。光コヒーレント検波器評価方法の第3例は、干渉用波長可変光出力手順S401と、干渉強度測定手順S402と、を順に有する。
【0047】
干渉用波長可変光出力手順S401では、光源11からの光の出力波長を変化させながら光源11からの光を2つの分岐光に分岐し、光コヒーレント検波器50の2つの入力光として2つの分岐光を出力する。このとき、光源11は、光の出力波長が可変である。干渉光波長制御部21−4は、第1の光シャッタ23に分岐光の一方を透過させ、第2の光シャッタ24に分岐光の他方を透過させ、光遅延器13の遅延量を一定にした状態で、光源11の出力波長を変化させながら分岐光の一方及び分岐光の他方を出力させる。
【0048】
これにより、第1の光出力部14から分岐光の一方が入力光の一方Sとして入力ポート51に入力され、第2の光出力部15から分岐光の他方が入力光の他方Lとして入力ポート54に入力される。そして、90°光ハイブリッド53−P及び53−Sからの干渉光が、光入力部16に入力される。
【0049】
干渉強度測定手順S402では、2つの分岐光が光コヒーレント検波器50で干渉されて出力された複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子16−1〜16−8に入力し、入力端子16−1〜16−8ごとに電気信号に光電変換し、入力端子16−1〜16−8ごとにデジタル信号に変換し、デジタル信号の出力値を光源11の出力波長及び入力端子16−1〜16−8に関連付けて記憶し、光源11の各出力波長でのデジタル信号の出力値を入力端子16−1〜16−8ごとに表示する。
【0050】
このとき、干渉光処理部19−4は、デジタル変換部18からのデジタル信号の出力値を、光源11の出力波長及び入力端子16−1〜16−8に関連付けて記憶する。干渉光表示部22−4は、干渉光処理部19−4の記憶する光源11の各出力波長でのデジタル信号の出力値を、入力端子16−1〜16−8ごとに表示する。
【0051】
図6に、干渉光表示部22−4の表示例を示す。干渉光(P+L)、干渉光(P−L)、干渉光(P+jL)、干渉光(P−jL)、干渉光(S+L)、干渉光(S−L)、干渉光(S+jL)又は干渉光(S−jL)の干渉強度を、光源11の出力波長に対するグラフで表示する。これにより、干渉強度の波長特性を測定することができる。
【0052】
図7に、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法の第4例を示す。光コヒーレント検波器評価方法の第4例では、2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器50の試験を行う。光コヒーレント検波器評価方法の第4例は、波長可変光出力手順S501と、損失測定手順S502と、を順に有する。
【0053】
波長可変光出力手順S501では、出力波長が可変の光源11を用い、光源11からの光の出力波長を変化させながら光源11からの光を2つの分岐光に分岐し、分岐光のいずれか一方を、光コヒーレント検波器50の入力光のいずれか一方として出力する。例えば、光波長制御部21−5は、第1の光シャッタ23に分岐光の一方を遮光させて第2の光シャッタ24に分岐光の他方を透過させて光源11の出力波長を変化させながら分岐光の他方を出力する。
【0054】
これにより、第2の光出力部15から分岐光の他方が入力光の他方Lとして入力ポート54に入力される。そして、90°光ハイブリッド53−P及び53−Sからの光が、光入力部16に入力される。
【0055】
損失測定手順S502では、分岐光のいずれか一方が光コヒーレント検波器50で分離されて出力された複数の出力光をそれぞれ異なる入力端子16−1〜16−8に入力し、入力端子16−1〜16−8ごとに電気信号に光電変換し、入力端子16−1〜16−8ごとにデジタル信号に変換し、偏波コトローラ21で光源11からの光の偏波状態を変化させたときに最大となる各デジタル信号の出力値を、光源11の出力波長及び入力端子16−1〜16−8に関連付けて記憶し、光源11の出力強度及びデジタル信号の出力値を用いて光源11の各出力波長での光コヒーレント検波器50の各入出力端子間の損失を入力端子16−1〜16−8ごとに算出して表示する。
【0056】
このとき、光損失処理部19−5は、デジタル変換部18からのデジタル信号の出力値を、光源11の出力波長及び入力端子16−1〜16−8に関連付けて記憶し、光源11の出力強度及びデジタル信号の出力値を用いて光源11の各出力波長での光コヒーレント検波器50の入出力端子間の損失を入力端子16−1〜16−8ごとに算出する。光損失表示部22−5は、光源11の各出力波長での光コヒーレント検波器50の入出力端子間の損失を入力端子16−1〜16−8ごとに表示する。
【0057】
図8に、光損失表示部22−5の表示例を示す。干渉光(P+L)、干渉光(P−L)、干渉光(P+jL)、干渉光(P−jL)、干渉光(S+L)、干渉光(S−L)、干渉光(S+jL)又は干渉光(S−jL)の損失を、光源11の出力波長に対するグラフで表示する。これにより、光コヒーレント検波器50の損失の波長特性を測定することができる。
【0058】
なお、波長可変光出力手順S501において、光波長制御部21−5は、第1の光シャッタ23に分岐光の一方を透過させて第2の光シャッタ24に分岐光の他方を遮光させて光源11の出力波長を変化させながら分岐光の一方を出力させてもよい。これにより、入力光Sの一方が入力ポート51に入力される。
【0059】
制御部21は、遅延制御部21−1、偏波状態制御部21−3、干渉光波長制御部21−4又は光波長制御部21−5の機能を発揮させることで、光コヒーレント検波器50の評価を簡易に行うことができる。このように、本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価装置100及び本実施形態に係る光コヒーレント検波器評価方法は、光コヒーレント検波器50の評価を簡易に行うことができる。
【0060】
なお、本実施形態の光コヒーレント検波器50では、90°光ハイブリッドを2個備える例を示したが、90°光ハイブリッドは1個であってもよいし、3個以上であってもよい。90°光ハイブリッドは1個の場合は光入力部16の入力端子の数を4個にすればよいし、90°光ハイブリッドがN個の場合は光入力部16の入力端子の数を4×N個にすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
11:光源
12:光分岐部
13:光遅延器
14:第1の光出力部
15:第2の光出力部
16:光入力部
16−1〜16−8:入力端子
17:光電変換部
17−1〜17−8:PD
18:デジタル変換部
18−1〜18−8:ADC
19:信号処理部
19−1:位相処理部
19−3:ローカル光分岐比処理部
19−4:干渉光処理部
19−5:光損失処理部
20:サンプリング信号発生部
21:制御部
21−1:遅延制御部
21−3:偏波状態制御部
21−4:干渉光波長制御部
21−5:光波長制御部
22:表示部
22−1:位相表示部
22−3:ローカル光分岐比表示部
22−4:干渉光表示部
22−5:光損失表示部
23:第1の光シャッタ
24:第2の光シャッタ
25:偏波コントローラ
50:光コヒーレント検波器
51、54:入力ポート
52:PBS
53−P、53−S:90°光ハイブリッド
55:BS
100:光コヒーレント検波器評価装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価装置(100)であって、
光を出力する光源(11)と、
前記光源からの光を2つの分岐光に分岐する光分岐部(12)と、
前記光分岐部からの前記分岐光の一方を透過又は遮光する第1の光シャッタ(23)と、
前記第1の光シャッタの出力光を、前記光コヒーレント検波器の入力光の一方として出力する第1の光出力部(14)と、
前記光分岐部からの前記分岐光の他方を透過又は遮光する第2の光シャッタ(24)と、
前記第2の光シャッタからの前記分岐光の他方を、前記光コヒーレント検波器の入力光の他方として出力する第2の光出力部(15)と、
前記光分岐部と前記第1の光出力部の間の光路に挿入され、前記分岐光の一方を任意の遅延量で遅延させる光遅延器(13)と、
前記光源と前記第1の光出力部との間の光路に配置され、前記分岐光の一方の偏波状態を変化させる偏波コントローラ(25)と、
複数の入力端子(16−1〜16−8)を有し、前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された複数の干渉光がそれぞれ異なる前記入力端子に入力される光入力部(16)と、
前記光入力部に入力された前記複数の干渉光を、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換する光電変換部(17)と、
前記光電変換部からの電気信号を、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換するデジタル変換部(18)と、
前記デジタル変換部からのデジタル信号の信号処理を行う信号処理部(19)と、
前記信号処理部の処理結果を表示する表示部(22)と、
前記光源、前記第1の光シャッタ、前記第2の光シャッタ、前記光遅延器、前記偏波コントローラ、前記信号処理部及び前記表示部の動作を制御する制御部(21)と、
を備える光コヒーレント検波器評価装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記偏波コントローラの変化させる偏波状態を一定に保った状態で、前記光遅延器の遅延量を変化させながら、前記第1の光出力部から前記分岐光の一方を出力させるとともに、前記第2の光出力部から前記分岐光の他方を出力させる遅延制御部(21−1)を備え、
前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光遅延器の遅延量及び前記入力端子に関連付けて記憶する位相処理部(19−1)を備え、
前記表示部は、前記信号処理部の記憶する前記デジタル信号の出力値を、前記光遅延器の遅延量に対するグラフで表示する位相表示部(22−1)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレント検波器評価装置。
【請求項3】
前記光コヒーレント検波器は、入力光の一方を所定の偏波状態で所定数に分離しかつ入力光の他方を前記所定数に分岐して、前記2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力し、
前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を遮断させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記光遅延器の遅延量を一定にした状態で、前記偏波コントローラの偏波状態を変化させながら前記第2の光出力部から前記分岐光の他方を出力させる偏波状態制御部(21−3)を備え、
前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を用いて、前記任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を算出するローカル光分岐比処理部(19−3)を備え、
前記表示部は、前記任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を表示するローカル光分岐比表示部(22−3)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレント検波器評価装置。
【請求項4】
前記光源は、前記光の出力波長が可変であり、
前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させ、前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させ、前記光遅延器の遅延量を一定にした状態で、前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の一方及び前記分岐光の他方を出力させる干渉光波長制御部(21−4)を備え、
前記信号処理部は、前記デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶する干渉光処理部(19−4)を備え、
前記表示部は、前記信号処理部の記憶する前記光源の各出力波長での前記デジタル信号の出力値を、前記入力端子ごとに表示する干渉光表示部(22−4)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレント検波器評価装置。
【請求項5】
前記光源は、前記光の出力波長が可変であり、
前記制御部は、前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を透過させて前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を遮光させて前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の一方を出力させるか、或いは前記第1の光シャッタに前記分岐光の一方を遮光させて前記第2の光シャッタに前記分岐光の他方を透過させて前記光源の出力波長を変化させながら前記分岐光の他方を出力させる光波長制御部(21−5)を備え、
前記信号処理部は、前記偏波コントローラで偏波状態を変化させたときに最大となる前記各デジタル変換部からのデジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の出力強度及び前記デジタル信号の出力値を用いて前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の各入出力端子間の損失を算出する光損失処理部(19−5)を備え、
前記表示部は、前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の損失を前記入力端子ごとに表示する光損失表示部(22−5)を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレント検波器評価装置。
【請求項6】
2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、
光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光の一方の遅延量を変化させながら、前記光コヒーレント検波器の前記2つの入力光として、前記2つの分岐光を出力する干渉光出力手順(S101)と、
前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、前記各デジタル信号を前記入力端子及び前記遅延量に関連付けて記憶し、前記遅延量に対する前記デジタル信号の出力値をグラフ表示する干渉光処理手順(S102)と、
を順に有する光コヒーレント検波器評価方法。
【請求項7】
入力光の一方を所定の偏波状態で所定数に分離しかつ入力光の他方を前記所定数に分岐して、前記2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、
光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光の偏波状態を変化させながら、前記光コヒーレント検波器の入力光の他方として前記分岐光の一方を出力する偏光出力手順(S301)と、
前記分岐光の一方が前記光コヒーレント検波器で分離されて出力された前記所定の偏波状態の出力光をそれぞれ異なる前記入力端子に入力し、前記所定の偏波状態ごとに電気信号に光電変換し、前記所定の偏波状態ごとにデジタル信号に変換し、前記デジタル信号の出力値を前記所定の偏波状態に関連付けて記憶し、任意の偏波状態におけるローカル光の分岐比を算出して表示するローカル光分岐比測定手順(S302)と、
を順に有する光コヒーレント検波器評価方法。
【請求項8】
2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、
光源からの光の出力波長を変化させながら前記光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記光コヒーレント検波器の前記2つの入力光として前記2つの分岐光を出力する干渉用波長可変光出力手順(S401)と、
前記2つの分岐光が前記光コヒーレント検波器で干渉されて出力された前記複数の干渉光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、前記デジタル信号の出力値を前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の各出力波長での前記デジタル信号の出力値を前記入力端子ごとに表示する干渉強度測定手順(S402)と、
を順に有する光コヒーレント検波器評価方法。
【請求項9】
2つの入力光を干渉させて複数の干渉光を出力する光コヒーレント検波器(50)の試験を行う光コヒーレント検波器評価方法であって、
光源からの光の出力波長を変化させながら前記光源からの光を2つの分岐光に分岐し、前記分岐光のいずれか一方を、前記光コヒーレント検波器の入力光のいずれか一方として出力する波長可変光出力手順(S501)と、
前記分岐光のいずれか一方が前記光コヒーレント検波器で分離されて出力された複数の出力光をそれぞれ異なる入力端子に入力し、前記入力端子ごとに電気信号に光電変換し、前記入力端子ごとにデジタル信号に変換し、偏波コントローラで前記光源からの光の偏波状態を変化させたときに最大となる前記各デジタル信号の出力値を、前記光源の出力波長及び前記入力端子に関連付けて記憶し、前記光源の出力強度及び前記デジタル信号の出力値を用いて前記光源の各出力波長での前記光コヒーレント検波器の各入出力端子間の損失を前記入力端子ごとに算出して表示する損失測定手順(S502)と、
を順に有する光コヒーレント検波器評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−247800(P2011−247800A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122523(P2010−122523)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】