説明

光スイッチ

【課題】同時に駆動する光スイッチ素子数を抑制しつつ、単位光スイッチ素子の接続段数を削減した光スイッチを提供する。
【解決手段】光スイッチにおいて、1入力2出力の単位光スイッチ素子をN個(N≧3)縦列に接続して構成された主光スイッチ素子群(521)のうちのN−1番目を除くi番目(1≦i≦N−1)の単位光スイッチ素子の他方の出力ポートの各々に、(N−i)個の1入力2出力の単位光スイッチ素子を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群(541,542,543,544,545,546)を接続し、副光スイッチ素子群を構成する1入力2出力の単位光スイッチ素子の2つの出力ポートのうちの1つ、および主光スイッチ素子群のうちN−1番目およびN番目の単位光スイッチ素子(511−7,511−8)の2つの出力ポートのうちの1つを外部出力ポートとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信等で用いられる光スイッチに関し、特に、1入力2出力の単位光スイッチ素子を縦列接続して構成される1入力M出力の光スイッチ、または2入力1出力の単位光スイッチ素子を縦列接続して構成されるM入力1出力の光スイッチに関して、単位光スイッチ素子の接続段数を削減するとともに、同時に駆動する単位光スイッチ素子の数を抑制した回路構成を実現するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを伝送媒体とする光通信技術は、信号の伝送距離の拡大をもたらし、大規模な光通信網が構築されてきた。近年では、インターネット通信が広範に普及するのに伴って、通信トラフィックが急速に増大しており、通信網に対する大容量化、高速化、高機能化の要求が高まっている。これまでに、波長の異なる複数の光信号を1本の伝送路で同時に伝送する波長多重通信技術の導入によって、二地点間の伝送容量を増大することが可能となった。
【0003】
しかし、通信網においては、複数の伝送路が集まるノードにおいて、信号の経路を設定(ルーティング)したり、切替(スイッチング)したりする必要があり、伝送容量の増大に伴って、これらの信号処理がボトルネックになってきている。これまでは、伝送されてきた光信号を一旦電気信号に変換した後に経路設定や経路切替を行ない、再び電気信号を光信号に変換して伝送路に送出する方式が用いられてきたが、今後は光信号を電気信号に変換することなく、信号経路の設定や切替処理を行なう方式を用いることによって、ノードのスループットを飛躍的に拡大することができるものと期待されている。このような方式を光通信網に導入するうえで必要不可欠な部品が光スイッチである。
【0004】
光スイッチは、入出力数が1または2の単位光スイッチ素子を複数接続することによって、1入力×多出力(または多入力×1出力)、多入力×多出力、2入力×2出力を多連にしたものなど、入出力ポート数やポート間の接続パターンに関して、様々な回路構成の光スイッチを作製することができる。そのなかで、1入力×多出力(または多入力×1出力)の光スイッチは、複数の出力ポート(または入力ポート)のうち1つを選択して光信号を出力する光スイッチとして、広く用いられている。1入力×多出力の光スイッチの構成法としては、1入力2出力の単位光スイッチ素子を樹形状に接続したツリー構成と、1入力2出力の単位光スイッチ素子を縦列接続したタップ構成とがある。
【0005】
図1にツリー構成の1×8光スイッチの例を示す。図1に示すように、該ツリー構成の1×8光スイッチは、7個の1入力2入力の単位光スイッチ素子111〜117を樹形状に3段で接続した構成となっている。この構成において、外部入力ポート101に接続された1番目の単位光スイッチ素子111の2つの出力ポートの一方は2段目の1番目の単位光スイッチ素子112の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは2段目の2番目の単位光スイッチ素子113の入力ポートに接続される。以下、同様に、2段目の1番目の単位光スイッチ素子112の2つの出力ポートの一方は3段目の1番目の単位光スイッチ素子114の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは3段目の2番目の単位光スイッチ素子115の入力ポートに接続される。また、2段目の2番目の単位光スイッチ素子113の2つの出力ポートの一方は3段目の3番目の単位光スイッチ素子116の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは3段目の4番目の単位光スイッチ素子117の入力ポートに接続される。3段目の単位光スイッチ素子115〜118の2つの出力ポートは、それぞれ外部出力ポート121〜128となる。
【0006】
図2にタップ構成の1×8光スイッチの例を示す。図2に示すように、該タップ構成の1×8光スイッチは、8個の1入力2入力の単位光スイッチ素子211〜218を縦列に接続した構成となっている。この構成において、外部入力ポート201に接続された1番目の単位光スイッチ素子211の2つの出力ポートの一方は2番目の単位光スイッチ素子212の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート221となる。以下、同様に、単位光スイッチ素子212〜217の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子213〜218の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート222〜227となる。8番目の単位光スイッチ素子218の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート228となる。
【0007】
このような光スイッチにおいて、構造が非対称であり、駆動信号がオフの状態で一方の出力ポートに経路設定され、駆動信号がオンで他方の出力ポートに経路設定されるような単位光スイッチ素子を用いることができる。この場合、図2に示すようなタップ構成は、外部出力ポート数によらず、駆動する光スイッチ素子(以下、駆動光スイッチ素子または駆動素子ともいう。)の数は1個のみなので、制御が簡単であり、駆動電力が小さくて済む、という長所がある(例えば、非特許文献1参照)。
【0008】
一方、図1に示すようなツリー構成は、どの外部出力ポートに経路設定するかによっても異なるが、最大の場合、段数と同じ数の単位光スイッチ素子を同時に駆動する必要がある。例えば、図1の1×8光スイッチの場合、駆動信号がオフの状態でスルー側の出力ポートに経路設定され、駆動信号がオンでクロス側の出力ポートに経路設定されるとすると、外部出力ポート128に接続するためには、単位光スイッチ素子111、113、117の3個を同時にオンにしなければならない。この駆動素子の最大数(以下、最大駆動素子数ともいう。)は、外部出力ポート数Mに応じて、増加していく。外部出力ポート数M=16,32,64,128の場合、最大駆動素子数は、それぞれ、4,5,6,7となる。
【0009】
図1および図2に示すような光スイッチにおいて、高い消光比を得るために、各外部出力ポートに、1入力1出力のゲート光スイッチ素子を接続することができる。(例えば、特許文献1および非特許文献2参照)さらに、このゲート光スイッチは、駆動電力をアナログ的に制御することで、可変光減衰器としての機能も得られるため、出力光のパワーレベルを調整することが可能である。
【0010】
図3に、ゲート光スイッチ素子が接続されたツリー構成の1×8光スイッチの例を示す。図3に示すように、該1×8光スイッチは、7個の1入力2入力の単位光スイッチ素子311〜318に、8個の1入力1入力の単位ゲート光スイッチ素子321〜328が接続され、合計で4段の構成となっている。ゲート光スイッチ素子321〜328の出力ポートが、それぞれ外部出力ポート331〜338となる。また、該1×8光スイッチでは、同時に駆動する光スイッチ素子の数は、単位ゲート光スイッチ素子221〜228のうちの1個の分だけ増えて、計4個となる。外部出力ポート数M=16,32,64,128の場合、ゲート光スイッチ素子を含めた最大駆動素子数は、それぞれ、5,6,7,8となる。
【0011】
図4に、ゲート光スイッチ素子が接続されたタップ構成の1×8光スイッチの例を示す。図4に示す1×8光スイッチは、図2に示す1×8光スイッチと同様に8個の1入力2入力の単位光スイッチ素子411〜418を縦列に接続し、さらに単位光スイッチ素子411〜418に、8個の1入力1入力の単位ゲート光スイッチ素子421〜428を接続した構成となっている。ゲート光スイッチ素子421〜428の出力ポートが、それぞれ外部出力ポート431〜438となる。また、該1×8光スイッチでは、同時に駆動する光スイッチ素子は、単位光スイッチ素子411〜418のうちの1個と、単位ゲート光スイッチ素子421〜428のうちの1個とで、計2個となる。この駆動素子数は、外部出力ポート数を増やした場合でも、2個のままである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許3406691号公報
【特許文献2】特開2008−299238号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】小湊、外6名「C-3-141 ツリー・タップ複合構成石英系1×16熱光学スイッチ」、1999年電子情報通信学会総合大会、1999年、p. 295
【非特許文献2】奥野、外6名「C-3-116 高消光比8連1×8PLCスイッチとその応用」、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、2002年、p. 216
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、図2および図4に示すタップ構成の1×M光スイッチは、外部出力ポート数Mに比例して、光スイッチ素子の接続段数が多くなってしまい、光スイッチの長さ(光の進行方向の寸法)が大きくなってしまうという課題があった。
【0015】
また、図1および図3に示すツリー構成の1×M光スイッチは、前述した駆動光スイッチ素子数の課題のほかに、外部出力ポート数Mに比例して、最終段の単位光スイッチ素子の数が増えてしまい、光スイッチの幅(光の進行方向に垂直な方向の寸法)が大きくなってしまうという課題があった。
【0016】
光スイッチの長さや幅が大きくなると、集積性が悪くなり、部品占有面積が大きくなってしまう。また、単位光スイッチ素子の接続段数が多くなると、挿入損失も増大してしまう。
【0017】
本発明はこのような課題を解決するものであって、同時に駆動する光スイッチ素子数を抑制しつつ、単位光スイッチ素子の接続段数を削減した光スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、1入力2出力の単位光スイッチ素子を接続して構成された光スイッチであって、単位光スイッチ素子をN個(ここで、Nは3以上の整数である)縦列に接続した主光スイッチ素子群を有し、前記主光スイッチ素子群のうちのi番目の単位光スイッチ素子(ここで、iは1≦i≦N−1の整数である)の2つの出力ポートの一方は、当該主光スイッチ素子群のうちの(i+1)番目の単位光スイッチ素子の入力ポートに接続され、前記主光スイッチ素子群のうちのN−1番目を除く前記i番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポートは、(N−i)個の単位光スイッチ素子を縦列に接続した副光スイッチ素子群に接続され、前記副光スイッチ素子群のうちのj番目の単位光スイッチ素子(ここで、jは1≦j≦N−i−1の整数である)の2つの出力ポートの一方は、当該副光スイッチ素子群のうちの(j+1)番目の単位光スイッチ素子の入力ポートに接続され、前記副光スイッチ素子群のうちの前記j番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポート、および前記副光スイッチ素子群の各々の最終段の単位光スイッチ素子の2つの出力ポートのうちの1つ、および、前記主光スイッチ素子群のうちN−1番目およびN番目の単位光スイッチ素子の2つの出力ポートのうちの1つを外部出力ポートとしたことを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、2入力1出力の単位光スイッチ素子を接続して構成される光スイッチであって、単位光スイッチ素子をN個(ここで、Nは3以上の整数である)縦列に接続した主光スイッチ素子群を有し、前記主光スイッチ素子群のうち(i+1)番目の単位光スイッチ素子(ここで、iは1≦i≦N−1の整数である)の2つの入力ポートの一方は、当該主光スイッチ素子群のうちi番目の前記単位光スイッチ素子の出力ポートに接続され、前記主光スイッチ素子群のうちの1番目と2番目を除く前記(i+1)番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポートは、i個の単位光スイッチ素子を縦列に接続した副光スイッチ素子群に接続され、前記副光スイッチ素子群のうちの(j+1)番目の単位光スイッチ素子(ここで、jは1≦i≦N−2の整数である)の2つの入力ポートの一方は、当該副光スイッチ素子群のうちのj番目の単位光スイッチ素子の出力ポートに接続され、前記副光スイッチ素子群のうちの前記(j+1)番目の単位光スイッチ素子の他方の入力ポート、前記副光スイッチ素子群のうち1番目の単位光スイッチ素子の2つの入力ポートのうちの1つ、ならびに前記主光スイッチ素子群のうち1番目および2番目の単位光スイッチ素子の2つの入力ポートのうちの1つを、外部入力ポートとしたことを特徴とする。
【0020】
すなわち、請求項2に記載の光スイッチは、請求項1に記載の光スイッチにおいて、外部入力ポートと外部出力ポートを入れ替えた構成に相当する。
【0021】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光スイッチにおいて、外部出力ポートに、1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の光スイッチにおいて、外部入力ポートに、1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続したことを特徴とする。
すなわち、請求項4に記載の光スイッチは、請求項3に記載の光スイッチにおいて、外部入力ポートと外部出力ポートを入れ替えた構成に相当する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、タップ構成の光スイッチにおける1入力2出力(または2入力1出力)の単位光スイッチ素子の接続段数を大幅に削減することができる。当該単位光スイッチ素子の接続段数がNのとき、外部出力(入力)ポートの本数Mは次式で表わされる。
【0023】
【数1】

【0024】
例えば、N=8のときにM=29が得られる。また、同時に駆動する単位光スイッチ素子数は、外部出力(または入力)ポートの本数Mによらず最大2個である。
【0025】
さらに、外部出力(または入力)ポートに1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続することで、高い消光比を得ることが可能となる。この場合、1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続しない場合に比べて、単位光スイッチの接続段数が1段多くなるが、同時に駆動する単位光スイッチは、外部出力(または入力)ポートの本数Mによらず最大3個である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来のツリー型1×8光スイッチの回路構成を示す図である。
【図2】従来のタップ型1×8光スイッチの回路構成を示す図である。
【図3】従来のツリー型1×8光スイッチの回路構成を示す図である。
【図4】従来のタップ型1×8光スイッチの回路構成を示す図である。
【図5】本発明の第一の実施形態による1×29光スイッチの回路構成を示す図である。
【図6】本発明の第二の実施形態による29×1光スイッチの回路構成を示す図である。
【図7】本発明の第三の実施形態による1×29光スイッチの回路構成を示す図である。
【図8】(a)は、本発明に用いられる光スイッチ素子の構成例の上面図であり、(b)、は(a)示した光スイッチ素子におけるA−A’断面図である。
【図9】本発明の第四の実施形態による29×1光スイッチの回路構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明における光スイッチを実施するにあたっては、多数の光スイッチ素子を単一の基板上に集積することが可能な導波路型光スイッチを用いることが望ましい。導波路型光スイッチの方式としては、熱光学効果を用いる方式、電気光学効果を用いる方式、電流注入による屈折率変化を用いる方式などがある。
【0028】
また、熱光学効果を用いる方式にも、用いる材料として、石英系ガラス、有機ポリマー、シリコンなどがある。そのなかでも石英系光導波路の熱光学効果を用いた光スイッチは、光ファイバとの整合性が良く、挿入損失が低いことに加えて、原理的な偏波依存性が小さく、構成材料が物理的、化学的に安定で信頼性に優れていることから、実用性が最も高く、本発明の実施に適している。
【0029】
本実施形態において、1入力2出力の単位光スイッチ素子とは、非対称な構造であって、駆動信号がオフの状態で一方の出力ポートに接続され、駆動信号がオンの状態で他方の出力ポートに接続される単位光スイッチ素子である。また、2入力1出力の単位光スイッチ素子とは、非対称な構造であって、駆動信号がオフの状態で出力ポートに接続されず、駆動信号がオンの状態で出力ポートに接続される単位光スイッチ素子である。さらに、1入力1出力の単位光スイッチ素子(ゲート光スイッチ素子)とは、駆動信号がオフの状態で出力ポートに接続されず、駆動信号がオンの状態で出力ポートに接続される単位光スイッチ素子である。
【0030】
以下に、本発明の実施形態を、N=8の場合を例として説明する。
【0031】
(第一の実施形態)
図5は、本発明の第一の実施形態の1×29光スイッチの構成例を示す図である。
図5に示す光スイッチは、8個の1入力2入力の単位光スイッチ素子511−1〜511−8が縦列に接続されて構成された主光スイッチ素子群521を有する。主光スイッチ素子群のうち1番目の単位光スイッチ素子511−1の2つの出力ポートの一方は2番目の単位光スイッチ素子511−2の入力ポートに接続されている。以下、同様に、単位光スイッチ素子511−2〜511−7の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子511−3〜511−8の入力ポートにそれぞれ接続されている。
【0032】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−1の他方の出力ポートには、7個の単位光スイッチ素子531−1〜531−7を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群541が接続されている。
【0033】
副光スイッチ素子群541のうち1番目の単位光スイッチ素子531−1の2つの出力ポートの一方は2番目の単位光スイッチ素子531−2の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−1となる。以下、同様に、単位光スイッチ素子531−2〜531−6の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子531−3〜531−7の入力ポートにそれぞれ接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−2〜551−6となる。副光スイッチ素子群541のうち7番目の単位光スイッチ素子531−7の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−7となる。
【0034】
同様に、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−2の他方の出力ポートには、6個の単位光スイッチ素子531−1〜532−6を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群542が接続されている。副光スイッチ素子群542のうちの単位光スイッチ素子532−1〜532−5の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子532−2〜532−6の入力ポートにそれぞれ接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−8〜551−12となる。副光スイッチ素子群542のうちの6番目の単位光スイッチ素子532−6の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−13となる。
【0035】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−3の他方の出力ポートには、5個の単位光スイッチ素子533−1〜533−5を縦列に接続して構成されたた副光スイッチ素子群543が接続される。副光スイッチ素子群543のうちの単位光スイッチ素子533−1〜533−4の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子533−2〜533−5の入力ポートにそれぞれ接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−14〜551−17となる。副光スイッチ素子群543のうちの5番目の単位光スイッチ素子533−5の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−18となる。
【0036】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−4の他方の出力ポートには、4個の単位光スイッチ素子534−1〜534−4を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群544が接続される。副光スイッチ素子群544のうちの単位光スイッチ素子354−1〜534−3の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子534−2〜534−4の入力ポートにそれぞれ接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−19〜551−21となる。副光スイッチ素子群544のうちの4番目の単位光スイッチ素子534−4の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−22となる。
【0037】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−5の他方の出力ポートには、3個の単位光スイッチ素子535−1〜535−3を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群545が接続されている。副光スイッチ素子群545の単位光スイッチ素子535−1〜535−2の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子535−2〜535−3の入力ポートにそれぞれ接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−23〜551−24となる。副光スイッチ素子群545のうちの3番目の単位光スイッチ素子535−3の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−25となる。
【0038】
主光スイッチ素子群を構成する単位光スイッチ素子511−6の他方の出力ポートには、2個の単位光スイッチ素子536−1〜536−2を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群546が接続されている。副光スイッチ素子群546の単位光スイッチ素子536−1の2つの出力ポートの一方は単位光スイッチ素子536−2の入力ポートに接続され、他方の出力ポートは外部出力ポート551−26となる。副光スイッチ素子群546のうちの2番目の単位光スイッチ素子536−2の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−27となる。
【0039】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−7の他方の出力ポートは、外部出力ポート551−28となる。
【0040】
主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−8の2つの出力ポートのうち一方は、外部出力ポート551−29となる。
【0041】
図5に示す1×29光スイッチにおいて、各外部出力ポート551−1〜551−29へ経路設定する方法は以下のとおりである。
【0042】
外部出力ポート551−1〜551−7に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−1をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群541を構成する単位光スイッチ素子531−1〜531−7のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−1〜551−7のいずれかに(オンにした単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポートに)経路設定される。
【0043】
外部出力ポート551−8〜551−13に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−2をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群542を構成する単位光スイッチ素子532−1〜532−6のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−8〜551−13のいずれかに経路設定される。
【0044】
外部出力ポート551−14〜551−18に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−3をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群543を構成する単位光スイッチ素子533−1〜533−5のいずれか1つをオンにすることで、これらの端9光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−14〜551−18のいずれかに経路設定される。
【0045】
外部出力ポート551−19〜551−22に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−4をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群544を構成する単位光スイッチ素子534−1〜534−4のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−19〜551−22のいずれかに経路設定される。
【0046】
外部出力ポート511−23〜551−25に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−5をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群545を構成する単位光スイッチ素子535−1〜535−3のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−23〜551−25のいずれかに経路設定される。
【0047】
外部出力ポート551−26〜551−27に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−6をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群546を構成する単位光スイッチ素子536−1〜536−2のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部出力ポート551−26〜551−27のいずれかに経路設定される。
【0048】
外部出力ポート551−28に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−7をオンにする。また、外部出力ポート551−29に経路設定する場合は、主光スイッチ素子群521を構成する単位光スイッチ素子511−8をオンにする。
【0049】
したがって、外部出力ポート551−1〜551−27に経路設定するための駆動光スイッチ素子数は2個であり、外部出力ポート551−28〜551−29に経路設定するための駆動光スイッチ素子数は1個である。
【0050】
図5の1×29光スイッチは、外部入力ポートと外部出力ポートを入れ替えて29×1光スイッチとすることができる。
【0051】
(第二の実施形態)
図6は、本発明の第二の実施形態の29×1光スイッチの構成例を示す図である。
図6に示す光スイッチは、8個の2入力1入力の単位光スイッチ素子611〜611−8が縦列に接続されて構成された主光スイッチ素子群621を有する。主光スイッチ素子群のうち2番目の単位光スイッチ素子611−2の2つの入力ポートの一方は1番目の単位光スイッチ素子611−1の出力ポートに接続されている。以下、同様に、単位光スイッチ素子611−3〜611−8の2つの入力ポートの一方は単位光スイッチ素子611−2〜611−7の出力ポートにそれぞれ接続されている。
【0052】
主光スイッチ素子群621のうち1番目の単位光スイッチ素子611−1の2つの入力ポートの1つは外部入力ポート601−1となる。主光スイッチ素子群621のうち2番目の単位光スイッチ素子611−2の他方の入力ポートは外部入力ポート601−2となる。
【0053】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−3の他方の入力ポートには、2個の単位光スイッチ素子613−1〜613−2を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群643が接続されている。
【0054】
副光スイッチ素子群643のうち1番目の単位光スイッチ素子613−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−3となる。2番目の単位光スイッチ素子631−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子613−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−4となる。2番目の単位光スイッチ素子613−2の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−3の他方の入力ポートが接続されている。
【0055】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−4の他方の入力ポートには、3個の単位光スイッチ素子614−1〜614−3を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群644が接続されている。
【0056】
副光スイッチ素子群644のうち1番目の単位光スイッチ素子614−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−5となる。2番目の単位光スイッチ素子614−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子614−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−6となる。3番目の単位光スイッチ素子614−3の2つの入力ポートのうちの一方は2番目の単位光スイッチ素子614−2の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−7となる。3番目の単位光スイッチ素子614−3の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−4の他方の入力ポートが接続されている。
【0057】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−5の他方の入力ポートには、4個の単位光スイッチ素子615−1〜615−4を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群645が接続されている。
【0058】
副光スイッチ素子群645のうち1番目の単位光スイッチ素子615−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−8となる。2番目の単位光スイッチ素子615−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子615−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−9となる。3番目の単位光スイッチ素子615−3の2つの入力ポートのうちの一方は2番目の単位光スイッチ素子615−2の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−10となる。4番目の単位光スイッチ素子615−4の2つの入力ポートのうちの一方は3番目の単位光スイッチ素子615−3の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−11となる。4番目の単位光スイッチ素子615−4の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−5の他方の入力ポートが接続されている。
【0059】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−6の他方の入力ポートには、5個の単位光スイッチ素子616−1〜616−5を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群646が接続されている。
【0060】
副光スイッチ素子群646のうち1番目の単位光スイッチ素子616−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−12となる。2番目の単位光スイッチ素子616−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子616−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−13となる。3番目の単位光スイッチ素子616−3の2つの入力ポートのうちの一方は2番目の単位光スイッチ素子616−2の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−14となる。4番目の単位光スイッチ素子616−4の2つの入力ポートのうちの一方は3番目の単位光スイッチ素子616−3の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−15となる。5番目の単位光スイッチ素子616−5の2つの入力ポートのうちの一方は4番目の単位光スイッチ素子616−4の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−16となる。5番目の単位光スイッチ素子616−5の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−6の他方の入力ポートが接続されている。
【0061】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−7の他方の入力ポートには、6個の単位光スイッチ素子617−1〜617−6を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群647が接続されている。
【0062】
副光スイッチ素子群647のうち1番目の単位光スイッチ素子617−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−17となる。2番目の単位光スイッチ素子617−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子617−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−18となる。3番目の単位光スイッチ素子617−3の2つの入力ポートのうちの一方は2番目の単位光スイッチ素子617−2の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−19となる。4番目の単位光スイッチ素子617−4の2つの入力ポートのうちの一方は3番目の単位光スイッチ素子617−3の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−20となる。5番目の単位光スイッチ素子617−5の2つの入力ポートのうちの一方は4番目の単位光スイッチ素子617−4の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−21となる。6番目の単位光スイッチ素子617−6の2つの入力ポートのうちの一方は5番目の単位光スイッチ素子617−5の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−22となる。6番目の単位光スイッチ素子617−6の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−7の他方の入力ポートが接続されている。
【0063】
主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−8の他方の入力ポートには、7個の単位光スイッチ素子617−1〜617−7を縦列に接続して構成された副光スイッチ素子群648が接続されている。
【0064】
副光スイッチ素子群648のうち1番目の単位光スイッチ素子618−1の2つの入力ポートの一つは外部入力ポート601−23となる。2番目の単位光スイッチ素子618−2の2つの入力ポートのうちの一方は1番目の単位光スイッチ素子618−1の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−24となる。3番目の単位光スイッチ素子618−3の2つの入力ポートのうちの一方は2番目の単位光スイッチ素子618−2の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−25となる。4番目の単位光スイッチ素子618−4の2つの入力ポートのうちの一方は3番目の単位光スイッチ素子618−3の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−26となる。5番目の単位光スイッチ素子618−5の2つの入力ポートのうちの一方は4番目の単位光スイッチ素子618−4の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−27となる。6番目の単位光スイッチ素子618−6の2つの入力ポートのうちの一方は5番目の単位光スイッチ素子618−5の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−28となる。7番目の単位光スイッチ素子618−7の2つの入力ポートのうちの一方は6番目の単位光スイッチ素子618−6の出力ポートに接続され、他方の入力ポートは外部入力ポート601−29となる。7番目の単位光スイッチ素子618−7の出力ポートには主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−8の他方の入力ポートが接続されている。
【0065】
本実施形態では、特許文献2に開示された構成にもとづき、副光スイッチ素子群643〜648を、交互に、主光スイッチ素子群621の対向する側に振り分けて配置している。
【0066】
図6に示す29×1光スイッチにおいて、各外部入力ポート601−1〜601−29から経路設定する方法は以下のとおりである。
【0067】
外部入力ポート601−1から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−1をオンにする。また、外部入力ポート601−2から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−2をオンにする。
【0068】
外部入力ポート601−3〜601−4から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−3をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群643を構成する単位光スイッチ素子613−1〜613−2のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−3〜601−4のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0069】
外部入力ポート601−5〜601−7から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−4をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群644を構成する単位光スイッチ素子614−1〜614−3のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−5〜601−7のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0070】
外部入力ポート601−8〜601−11から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−5をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群645を構成する単位光スイッチ素子615−1〜615−4のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−8〜601−11のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0071】
外部入力ポート601−12〜601−16から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−6をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群646を構成する単位光スイッチ素子616−1〜616−5のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−12〜601−16のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0072】
外部入力ポート601−17〜601−22から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−7をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群646を構成する単位光スイッチ素子617−1〜617−6のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−17〜601−22のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0073】
外部入力ポート601−23〜601−29から外部出力ポート651へ経路設定する場合は、主光スイッチ素子群621を構成する単位光スイッチ素子611−8をオンにする。同時に、副光スイッチ素子群646を構成する単位光スイッチ素子618−1〜618−7のいずれか1つをオンにすることで、これらの単位光スイッチ素子に接続された外部入力ポート601−23〜601−29のいずれかから外部出力ポート651へ経路設定される。
【0074】
したがって、外部入力ポート601−3〜601−29から外部出力ポート651へ経路設定するための駆動光スイッチ素子数は2個であり、外部入力ポート601−1〜601−2から外部出力ポート651へ経路設定するための駆動光スイッチ素子数は1個である。
【0075】
図6の29×1光スイッチは、外部入力ポートと外部出力ポートを入れ替えて1×29光スイッチとすることができる。
【0076】
(第三の実施形態)
図7は、本発明の第三の実施形態の1×29光スイッチの構成例を示す図である。
図7に示す1×29光スイッチは、35個の単位光スイッチ素子711−1〜711−8、731−1〜731−7、732−1〜732−6、733−1〜733−5、734−1〜733−4、735−1〜735−3、736−1〜736−2を用いて、図5に示す構成と同様の構成により主光スイッチ素子群721及び副光スイッチ素子群741〜746を構成し、さらに35個の単位光スイッチ素子のうちの29個の単位光スイッチ素子(731−1〜731−7、732−1〜732−6、733−1〜733−5、734−1〜733−4、735−1〜735−3、736−1〜736−2、711−7、711−8、)の2つの出力ポートのうちの外部出力ポート側の出力ポートにそれぞれ1入力1出力の単位ゲート光スイッチ素子751−1〜751−29を接続した構成となっている。ゲート光スイッチ素子751−1〜751−29の出力ポートが、それぞれ外部出力ポート761−1〜761−29となる。
【0077】
図7に示す1×29光スイッチにおいて、外部出力ポート761−1〜761−27に経路設定するための駆動光スイッチ素子数は3個であり、外部出力ポート761−28〜761−29に経路設定するための駆動光スイッチ素子数は2個である。
【0078】
(実施例1)
図7に示す回路構成の1×29光スイッチを以下のような光回路により作製した。
【0079】
厚さ1mm、直径152.4mm(6インチ)のシリコン基板上に石英系ガラスによって形成されるクラッド層および埋め込み型コア部を有する単一モード光導波路を、SiCl4やGeCl4などの原料ガスの火炎加水分解反応を利用した石英形ガラス膜の堆積技術と反応性イオンエッチング技術の組合せにより作製し、薄膜ヒータおよび給電のための電極をクラッド層の表面上に真空蒸着およびパターン化により作製した。作製した光導波路のコア寸法は7μm×7μmであり、クラッド層との比屈折率差は0.75%とした。本実施例における導波路光スイッチを、この光導波路を用い、直線導波路および曲線導波路を組み合わせることによって形成した。光スイッチ素子は、図8に示すように、アーム導波路の実効光路長差が信号光波長の1/2のマッハ・ツェンダー干渉計回路である。信号光波長は1.55μmであり、石英系ガラスの屈折率は1.45であるので、実際のアーム光導波路長の差は0.534μmとした。熱光学効果による位相シフタとしてクラッド層の表面上に厚さ0.3μm、幅20μm、長さ2mmの薄膜ヒータを形成した。さらに薄膜ヒータに沿ってシリコン基板が露出するまでの深さの断熱溝を形成した。図8のマッハ・ツェンダー干渉計回路によって構成される光スイッチ素子の長さは6.5mmであった。この光スイッチ素子を最小曲げ半径R=5mmの曲線導波路で接続し、図7に示す回路構成の1×29光スイッチを1チップに配置した。チップサイズは110mm×15mmであった。
【0080】
上記の方法により作製した1×29光スイッチチップの外部入力ポートおよび外部出力ポートに光ファイバを接続して光学特性を測定したところ、挿入損失1.5dB以下、消光比45dB以上であった。また、入力と出力を入れ替えて、外部出力ポート側から光を入力し、外部入力ポートへ出力される光の光学特性を測定したところ、挿入損失や消光比は同じ特性であった。
【0081】
(第四の実施形態)
図9は、本発明の第四の実施形態の29×1光スイッチの構成例を示す図である。
図9に示す29×1光スイッチは、35個の単位光スイッチ素子911−1〜911−8、933−1〜933−2、934−1〜934−3、935−1〜935−4、936−1〜936−5、937−1〜937−6、938−1〜938−7を用いて、図6に示す構成と同様の構成により主光スイッチ素子群961及び副光スイッチ素子群943〜948を構成し、さらに35個の単位光スイッチ素子のうちの29個の単位光スイッチ素子(911−1〜911−2、933−1〜933−2、934−1〜934−3、935−1〜935−4、936−1〜936−5、937−1〜937−6、938−1〜938−7)の2つの入力ポートのうちの外部入力ポート側の入力ポートにそれぞれ1入力1出力の単位ゲート光スイッチ素子951−1〜951−29を接続した構成となっている。ゲート光スイッチ素子951−1〜951−29の入力ポートが、それぞれ外部入力ポート901−1〜901−29となる。
【0082】
図9に示す29×1光スイッチにおいて、外部入力ポート901−1、901−2から外部出力ポート961へ経路設定するための駆動光スイッチ素子数(駆動させる単位光スイッチ素子とゲート光スイッチ素子の合計数)は2個であり、外部入力ポート901−3〜901−29から外部出力ポート961へ経路設定するための駆動光スイッチ素子数は3個である。
【0083】
(実施例2)
図9に示す回路構成の29×1光スイッチを実施例1と同様の光回路により作製した。チップサイズは110mm×15mmであった。
【0084】
上記の方法により作製した29×1光スイッチチップの外部入力ポートおよび外部出力ポートに光ファイバを接続して光学特性を測定したところ、挿入損失1.5dB以下、消光比45dB以上であった。また、入力と出力を入れ替えて、外部出力ポート側から光を入力し、外部入力ポートへ出力される光の光学特性を測定したところ、挿入損失や消光比は同じ特性であった。
【符号の説明】
【0085】
101 外部入力ポート
111〜117 1入力2出力の単位光スイッチ素子
121〜128 外部出力ポート
201 外部入力ポート
211〜218 1入力2出力の単位光スイッチ素子
221〜228 外部出力ポート
301 外部入力ポート
311〜317 1入力2出力の単位光スイッチ素子
321〜327 ゲート光スイッチ素子
331〜338 外部出力ポート
401 外部入力ポート
411〜418 1入力2出力の単位光スイッチ素子
421〜428 ゲート光スイッチ素子
431〜438 外部出力ポート
501 外部入力ポート
511−1〜511−8 1入力2出力の単位光スイッチ素子
521 主光スイッチ素子群
531−1〜531−7、532−1〜532−6、533−1〜533−5、534−1〜534−4、535−1〜535−3、536−1〜536−2 1入力2出力の単位光スイッチ素子
541〜546 副光スイッチ素子群
551−1〜551−29 外部出力ポート
601−1〜601−29 外部入力ポート
611−1〜611−8 2入力1出力の単位光スイッチ素子
621 主光スイッチ素子群
613−1〜613−2、614−1〜614−3、615−1〜615−4、616−1〜616−5、617−1〜617−6、618−1〜618−7 2入力1出力の単位光スイッチ素子
643〜648 副光スイッチ素子群
651 外部出力ポート
701 外部入力ポート
711−1〜511−8 1入力2出力の単位光スイッチ素子
721 主光スイッチ素子群
731−1〜731−7、732−1〜732−6、733−1〜733−5、734−1〜734−4、735−1〜735−3、736−1〜736−2 1入力2出力の単位光スイッチ素子
741〜746 副光スイッチ素子群
751−1〜751−29 ゲート光スイッチ素子
761−1〜761−29 外部出力ポート
801、802 入力ポート
811、812 出力ポート
81 シリコン基板
82 クラッド層
831、832 埋め込みコア部
841、842 薄膜ヒータ
851、852、853 断熱溝
861、862 方向性結合器
901−1〜901−29 外部入力ポート
911−1〜911−8 2入力1出力の単位光スイッチ素子
921 主光スイッチ素子群
933−1〜933−2、934−1〜934−3、935−1〜935−4、936−1〜936−5、937−1〜937−6、938−1〜938−7 2入力1出力の単位光スイッチ素子
943〜948 副光スイッチ素子群
951−1〜951−29 ゲート光スイッチ素子
961 外部出力ポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1入力2出力の単位光スイッチ素子を接続して構成された光スイッチであって、
単位光スイッチ素子をN個(ここで、Nは3以上の整数である)縦列に接続した主光スイッチ素子群を有し、
前記主光スイッチ素子群のうちのi番目の単位光スイッチ素子(ここで、iは1≦i≦N−1の整数である)の2つの出力ポートの一方は、当該主光スイッチ素子群のうちの(i+1)番目の単位光スイッチ素子の入力ポートに接続され、
前記主光スイッチ素子群のうちのN−1番目を除く前記i番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポートは、(N−i)個の単位光スイッチ素子を縦列に接続した副光スイッチ素子群に接続され、
前記副光スイッチ素子群のうちのj番目の単位光スイッチ素子(ここで、jは1≦j≦N−i−1の整数である)の2つの出力ポートの一方は、当該副光スイッチ素子群のうちの(j+1)番目の単位光スイッチ素子の入力ポートに接続され、
前記副光スイッチ素子群のうちの前記j番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポート、および前記副光スイッチ素子群の各々の最終段の単位光スイッチ素子の2つの出力ポートのうちの1つ、および、前記主光スイッチ素子群のうちN−1番目およびN番目の単位光スイッチ素子の2つの出力ポートのうちの1つを外部出力ポートとしたことを特徴とする光スイッチ。
【請求項2】
2入力1出力の単位光スイッチ素子を接続して構成される光スイッチであって、
単位光スイッチ素子をN個(ここで、Nは3以上の整数である)縦列に接続した主光スイッチ素子群を有し、
前記主光スイッチ素子群のうち(i+1)番目の単位光スイッチ素子(ここで、iは1≦i≦N−1の整数である)の2つの入力ポートの一方は、当該主光スイッチ素子群のうちi番目の前記単位光スイッチ素子の出力ポートに接続され、
前記主光スイッチ素子群のうちの1番目と2番目を除く前記(i+1)番目の単位光スイッチ素子の他方の出力ポートは、i個の単位光スイッチ素子を縦列に接続した副光スイッチ素子群に接続され、
前記副光スイッチ素子群のうちの(j+1)番目の単位光スイッチ素子(ここで、jは1≦i≦N−2の整数である)の2つの入力ポートの一方は、当該副光スイッチ素子群のうちのj番目の単位光スイッチ素子の出力ポートに接続され、
前記副光スイッチ素子群のうちの前記(j+1)番目の単位光スイッチ素子の他方の入力ポート、前記副光スイッチ素子群のうち1番目の単位光スイッチ素子の2つの入力ポートのうちの1つ、ならびに前記主光スイッチ素子群のうち1番目および2番目の単位光スイッチ素子の2つの入力ポートのうちの1つを、外部入力ポートとしたことを特徴とする光スイッチ。
【請求項3】
請求項1に記載の光スイッチにおいて、外部出力ポートに、1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続したことを特徴とする光スイッチ。
【請求項4】
請求項2に記載の光スイッチにおいて、外部入力ポートに、1入力1出力の単位光スイッチ素子を接続したことを特徴とする光スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−257557(P2011−257557A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131394(P2010−131394)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】