説明

光ディスクドライブ用ターンテーブル

【課題】高温・多湿環境下に放置した場合にも強度低下を起こさず、剛性、靭性・耐衝撃性、寸法精度、及び表面平滑性に優れた光ディスクドライブに用いられるターンテーブルを提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル系樹脂(a1)および必要によりスチレン系樹脂(a2)80〜98重量部と、イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー(b)2〜20重量部からなる樹脂組成物100重量部に対して、シラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤(c)5〜100重量部配合してなるフィラー強化樹脂組成物にて光ディスクドライブ用ターンテーブルを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剛性、靭性・耐衝撃性、寸法精度、及び表面平滑性に優れたCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、ブルーレイ−DVD、HD−DVD、MD、MO、LD(レーザーディスク)等の光ディスクドライブに用いられるターンテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン、オーディオ、ゲーム機等向けのCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、ブルーレイ−DVD、HD−DVD、MD、LD等光ディスクドライブに使用されるターンテーブル要求される主な特性としては、ディスクを載せ回転させた際にディスクが面ブレを起こさない為の剛性、寸法精度、製品落下に耐えるような靭性・耐衝撃性が挙げられ、更にディスクを傷つけないという目的で表面平滑性の要求についても高まっている。
現在光ディスクドライブに用いるターンテーブル用材料としては、ポリカーボネート(PC)系樹脂にガラス繊維を配合した材料が主に使用されており、ターンテーブル用材料として、寸法精度を向上するために板状の無機質充填剤を使用した熱可塑性樹脂材料も開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
これらの材料製のターンテーブルは、ターンテーブルの基本的な要求性能を満足しているが、昨今ターンテーブルの製品性能の向上要求が厳しくなっており、特に高温・多湿環境下に放置した場合にも強度低下を起こさず、剛性、寸法精度、靭性・耐衝撃性、表面平滑性のバランスのより取れた製品の要求が高まっているのが現状である。
【特許文献1】特開平7−233276
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、高温・多湿環境下に放置した場合にも強度低下を起こさず、剛性、靭性・耐衝撃性、寸法精度、及び表面平滑性に優れた光ディスクドライブに用いられるターンテーブルを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記課題を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂とイミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物にシラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤を特定量配合してなるフィラー強化樹脂組成物を材料として用いた場合に前記課題を解決出来ることを見出し本発明をなすに至った。
【発明の効果】
【0005】
本発明の光ディスクドライブ用ターンテーブルは、高温・多湿環境下に放置した場合にも強度低下を起こさず、剛性、寸法精度、靭性・耐衝撃性のバランスに優れ、更に表面平滑性に優れることからディスクの傷つきを防止することができる為、ターンテーブルの性能向上に伴う光ディスクドライブの性能向上に大きく寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(a1)および必要によりスチレン系樹脂(a2)80〜98重量部と、イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー(b)2〜20重量部からなる樹脂組成物100重量部に対して、シラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤(c)5〜100重量部配合してなるフィラー強化樹脂組成物にて構成された光ディスクドライブ用ターンテーブルである。
本発明の(a1)成分であるポリフェニレンエーテル系樹脂とは、次に示す一般式(1)、
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,R6 は炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素等の一価の残基であり、R5 ,R6 は同時に水素ではない)を繰り返し単位とし、構成単位が一般式(1)の〔a〕及び〔b〕からなる単独重合体、あるいは共重合体が使用できる。
【0009】
ポリフェニレンエーテル系樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を包含する。
【0010】
また、本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂中には、本発明の主旨に反しない限り、従来ポリフェニレンエーテル樹脂中に存在させてもよいことが提案されている他の種々のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいても構わない。少量共存させることが提案されているものの例としては、特開平1−297428号公報及び特開昭63−301222号公報に記載されている2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや、2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂の主鎖中にジフェノキノン等が少量結合したものも含まれる。
(a2)成分として必要により用いられるスチレン系樹脂とは、スチレン系化合物、スチレン系化合物と共重合可能な化合物をゴム質重合体存在または非存在下に重合して得られる重合体である。
スチレン系化合物とは、一般式〔2〕
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、Rは水素、低級アルキルまたはハロゲンを示し、Zはビニル、水素、ハロゲン及び低級アルキルよりなる群から選択され、pは0〜5の整数である。)で表される化合物を意味する。
【0013】
これらの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。また、スチレン系化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物類;無水マレイン酸等の酸無水物等が挙げられ、スチレン系化合物と共に使用される。また、ゴム質重合体としては共役ジエン系ゴムおよび共役ジエンと芳香族ビニル化合物のコポリマーまたはこれらの水添物あるいはエチレン−プロピレン共重合体系ゴム等が挙げられる。本発明のために特に好適なポリスチレン系樹脂はポリスチレンおよびゴム強化ポリスチレンである。
【0014】
本発明の(b)成分を構成するスチレン系熱可塑性エラストマーとは、ポリスチレンブロックとゴム中間ブロックとを有するブロック共重合体であり、ゴム中間ブロックとしてはポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン・ブチレン)、ポリ(エチレン・プロピレン)、ビニル−ポリイソプレン等が挙げられる。ゴム中間ブロックはこれらの組み合わせであっても良い。配列様式はリニアタイプでもラジアルタイプでも良い。またポリスチレンブロックとゴム中間ブロックの関係は二型、三型、四型の何れであっても良い。本発明の目的のために特に好適なのはゴム中間ブロックがポリ(エチレン・ブチレン)で三型のリニアタイプのブロック共重合体であるが、ゴム中間ブロック中に30重量%を超えない範囲でブタジエン単位が含まれたものであっても良い。
【0015】
本発明の(b)成分を構成する熱可塑性エラストマーを変性するために用いられるイミダゾリジノン化合物としては、例えば、1、3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−プロピル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−ブチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエチル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレンチオウレア、N,N‘−ジエチルプロピレンウレア、N−メチル−N’−エチルプロピレンウレア、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等が挙げられ、中でも1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが好ましい。
【0016】
上記(a)、(b)成分の配合割合は、耐衝撃性、表面平滑性、剛性、層剥離防止の観点から(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂80〜98重量部、(b)イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー2〜20重量部である。更に(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂90〜98重量部、(b)イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー2〜10重量部である事が特に好ましい。
本発明の(c)成分を構成する非繊維状無機質充填剤としては、ガラスフレーク、タルク、マイカ、クレー類、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を例示することが出来る。中でも本発明の目的のために好適なのはタルク、マイカおよびクレー類等のミネラルフィラー類であり、表面平滑性の面から平均粒子径が150μm以下の非繊維状無機質充填剤を用いることが好ましく、特に好適なのは一次粒子の平均径が0.5μm以下のクレー類である。また、非繊維状無機質充填剤は、単独配合だけでなく2種類以上の非繊維状充填剤の併用配合やガラス繊維、炭素繊維等の繊維状強化充填剤との併用配合を行うことも可能である。
【0017】
本発明の(c)成分において非繊維状無機質充填剤を表面処理するに用いられるシラン化合物は通常ガラスフィラーやミネラルフィラー等を表面処理するに用いられるものである。その具体例としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシシラン化合物、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド等の硫黄系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン化合物、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物等が挙げられる。シラン化合物は単独で用いても二種以上を併用しても良い。また異なるシラン化合物で表面処理した非繊維状無機充填材を混合して用いることもできる。本発明の目的のために特に好適なのはメルカプトシラン化合物または該化合物を主体とするものである。
【0018】
(c)成分のシラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤の配合量は上記ポリフェニレンエーテル系樹脂および必要によりスチレン系樹脂、(b)イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーからなる樹脂組成物100重量部に対して5〜100重量部である。ターンテーブル成形品の剛性、寸法精度の点から5重量部以上でであり、ターンテーブル成形品の耐衝撃性および表面平滑性の点から100重量部以下である。また、好ましくは10〜70重量部、更に25〜45重量部配合することが特に好ましい。
本発明において、(b)成分が1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマーであり、(c)成分がメルカプトシラン化合物で表面処理されたクレーであるフィラー強化樹脂組成物にて光ディスクドライブ用ターンテーブルを構成した場合に最も優れた特性バランスを得ることができる。
【0019】
本発明において、(a)成分中のスチレン系樹脂は成形加工をより容易にするため耐熱温度を下げる目的で主に添加される。従って、その要求がないときには添加する必要がない。
本発明の光ディスクドライブ用ターンテーブルを構成する樹脂組成物には、上記成分の他に必要に応じて通常の熱可塑性樹脂に添加される添加剤、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、滑剤、染料、顔料などを配合する事も特に制限されるものではない。
これらのフィラー強化樹脂組成物の調整は、ブラベンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などの従来公知の技術によって達成されるが、特に好適なのは押出機である。
本発明の光ディスクドライブ用ターンテーブルは、上記フィラー強化樹脂組成物を用い一般的な射出成形、インジェクションプレス成形、またはガスインジェクション成形等公知の成形方法にて成形を行なうことによって得られる。
【実施例】
【0020】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの例によって限定されるものではない。実施例及び比較例において使用した成分は以下のものである。
(a1およびa2)ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂
(a−1):固有粘度(クロロホルム溶媒で30℃にて測定)が0.43dl/gのポリマー片末端鎖がフェノール性水酸基を有するポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル。
(a−2):ピー エス ジャパン(株)製ゴム強化ポリスチレンH9302
【0021】
(b)スチレン系熱可塑性エラストマー
(b−1):官能基を有しないスチレン系熱可塑性エラストマー、旭化成(株)製タフテックH1041
(b−2):イミダゾリノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー
窒素ガスで置換した攪拌機付きリアクターのシクロヘキサン溶剤中で、n−ブチルリチウムを重合開始剤として用い、数平均分子量が40000、結合スチレン30重量%、ブタジエンの1,2−ビニル結合量が38%のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンの構造で、ポリマー鎖末端がリビングリチウムイオン構造を示すブロック共重合体を重合した。重合終了後、使用したn−ブチルリチウム量から重合体溶液中に存在するリチウムイオンに対して1.5倍モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを加え95℃にて10分間反応させた後、米国特許第4501857号に記載された方法にて水素添加反応をポリブタジエン部分のエチレン製不飽和結合量が20%未満になるまで定量的に継続して実施し、水素添加率81.6%のポリマーを得た。この水添反応後のポリマー溶液に熱劣化安定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールをポリマー100gに対して0.3部添加し、溶剤であるシクロヘキサンを加熱除去し、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、該ポリスチレン鎖末端に2級アミンが付加したスチレン系熱可塑性エラストマーを得た。
【0022】
(c)非繊維状無機質充填剤
(c−1):表面処理していない平均粒子径0.2μmのクレー、米国J.M.Huber社製ポリフィルHG90
(c−2):メルカプトシラン化合物で表面処理した平均粒子径0.2μmのクレー、ニューキャップ290(米国J.M.Huber社製)
(c−3):アミノシラン化合物で表面処理した平均粒子径0.2μmのクレー、ニューロック390(米国J.M.Huber社製)
(c−4):アミノシラン化合物で表面処理した平均粒子径140μmのガラスフレーク、マイクログラスフレカREFG−302(日本板硝子製)
(d)芳香族燐酸エステル系難燃剤
大八化学(株)製、商品名CR741
【0023】
なお、物性評価方法及び光ディスクドライブ機構部品(図1のトレー形状)の評価方法、評価基準は下記の通りである。
(1)材料物性
1)曲げ弾性率(ASTM D−790に準拠して測定、23℃)
2)IZOD衝撃強度(ASTM D256に準拠して測定、23℃)
3)引張り破断伸び(ASTM D638に準拠して測定、23℃)
(2)ターンテーブル成形品での性能評価
図1、図2に示すターンテーブル成形品(直径30mm、平面部肉厚1.5mm)、中央ボス部(外径
5.0mmm、内径2.0mm、高さ3.0mm)の中央ボス部にSUS製ピン(外径2.04mm、長さ30mm)を圧入した製品にて以下の性能評価を行った。
【0024】
1)表面平滑性
ターンテーブル成形品平面部の表面粗さ(中心線表面粗さ、最大高さ)の測定を実施した。
2)面ぶれ
ターンテーブル回転時の外周部が上下する距離の測定を実施した。
3)圧入ピンの抜去力(23℃中)
SUS製ピンの抜去力の測定を実施した。
4)耐高温・高湿特性
製品を80℃×98RH中に500時間放置した後にピン圧入ボス部へのクラック発生の有無を光学顕微鏡にて評価を実施した。
クラック発生なし:○
クラック発生あり:×
【0025】
[実施例1〜5、比較例1〜5]
表1に示す組成の(a)ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、(b)スチレン系熱可塑性エラストマー、(c)無機質充填剤、(d)芳香族燐酸エステル系難燃剤の各成分を温度290〜310℃、スクリュー回転数250rpmに設定したニ軸押出機(独国Werner&Pfleiderer社製ベントポート付きZSK25二軸押出機)にて溶融混練りし、組成物ペレットを得た。
このペレットを用いてシリンダー温度290〜310℃、金型温度80〜90℃にて射出成形を行い材料物性評価用のテストピース、及びターンテーブル成形品を作成し、前記した方法により各種試験を行った。評価結果を表2に示す。
【0026】
[比較例6]
ガラス繊維30%強化のポリカーボネート樹脂(パンライトG3430:帝人化成製)を材料として用い、前記実施例1〜5、比較例1〜5と同様にテストピース、及びターンテーブル成形品を作成し、前記した方法により各種試験を行なった。評価結果を表2に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明のターンテーブルは、高温・多湿環境下に放置した場合にも強度低下を起こさず、剛性、寸法精度、靭性・耐衝撃性、表面平滑性のバランスに非常に優れている為、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、ブルーレイ−DVD、HD−DVD、MD、MO、LD(レーザーディスク)等の光ディスクドライブに用いられるターンテーブルに有効に利用できる、
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】性能評価に用いたターンテーブル成形品の平面図
【図2】性能評価に用いたターンテーブル成形品の側面図
【符号の説明】
【0031】
1、ピン圧入用ボス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェニレンエーテル系樹脂(a1)および必要によりスチレン系樹脂(a2)80〜98重量部と、イミダゾリジノン化合物で変性されたスチレン系熱可塑性エラストマー(b)2〜20重量部からなる樹脂組成物100重量部に対して、シラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤(c)5〜100重量部配合してなるフィラー強化樹脂組成物にて構成された光ディスクドライブ用ターンテーブル。
【請求項2】
(c)成分が、メルカプトシラン化合物で表面処理された非繊維状無機質充填剤である請求項1に記載の光ディスクドライブ用ターンテーブル。
【請求項3】
(c)成分が、メルカプトシラン化合物で表面処理されたクレーである請求項1または2に記載の光ディスクドライブ用ターンテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−286138(P2006−286138A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−107462(P2005−107462)
【出願日】平成17年4月4日(2005.4.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レーザーディスク
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】