説明

光ディスクドライブ

第1回路(CRT1 )を具える電子ユニット(PCB)と、この電子ユニット(PCB)に対して移動可能に組立てられた光ピックアップユニット(OPU)であって、ディスク(DSK)からの反射された光(RFL)を受けるための複数の光センサ(PHDS)を有する第2回路(CRT2 )を具え、各光センサが電気信号(IA 〜IH )を発生するようになっている当該光ピックアップユニットと、第2回路(CRT2 )を第1回路(CRT1 )に結合し、これら第1回路(CRT1 )及び第2回路(CRT2 )間で情報を伝達する為の結合手段とを有する光ディスクドライブを提供する。通常の処理モードでは、第2回路(CRT2 )により複数の電気信号(IE ,IG ;IF ,IH )を組合わせ、これらの組合わされた電気信号(IE ,IG ;IF ,IH )と、残りの組合わされてない電気信号(IA 〜ID )とを、前記結合手段を介して第1回路(CRT1 )に伝達する。テストモードでは、全部又は一部の電気信号を、第2回路(CRT2 )により個別に処理する。このことにより、光ピックアップユニットと電子ユニットとの間の電気接続の個数を減少させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクドライブ、より具体的には、第1電子回路を具える電子ユニットと、この電子ユニットに対して移動可能に組立てられており、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからのデータの読み取りの双方又はいずれか一方を行う為の光を発生する光発生手段を具える光ピックアップユニットであって、この光ピックアップユニットは、この光発生手段により生じ前記光ディスクから反射された光を受けるための複数の光センサを具える第2電子回路を有し、これらの各光センサが電気信号を発生するための出力端を具える当該光ピックアップユニットと、前記第2電子回路を前記第1電子回路に結合し、これら第1電子回路及び第2電子回路間で情報を伝達する為の結合手段とを有する光ディスクドライブに関するものである。
また、本発明は、光ディスクドライブを有する再生/記録装置にも関するものである。
【0002】
一般に既知であるように、光記憶ディスクは、データパターンの形態で情報を記憶させうる少なくとも1つのトラックを、連続的ならせん又は複数の同心円の形態で有する。光ディスクは、ユーザが読み取ることができる情報を製造中に記憶させておく読み取り専用の種類にすることができる。また、光記憶ディスクは、ユーザが情報を記憶させることができる書き込み可能な種類にすることもできる。書き込み可能な光記憶ディスクの記憶スペースに情報を書き込む為に、光ディスクドライブは、光ディスクを収容し回転させる回転手段と、光ビーム、代表的にはレーザビームを発生させ、このレーザビームにより記憶トラックを走査するための光発生手段とを有している。一般的な光ディスクの技術及び光ディスクに情報を記憶させる方法は一般に既知である為、ここではこれらの詳細な説明は行わない。本発明を理解する為には、レーザービームを変調させることにより、ディスクの材料の特性を変化させた位置のパターンであって、符号化情報に対応するパターンを生ぜしめることを説明することで充分である。光ディスクの記録処理中には、レーザ駆動器が駆動電流によりレーザを制御する。この駆動電流、従ってレーザにより放出される光は、符号化情報により決定される所望のパターンに従う。
【0003】
光ディスクドライブは、多数の機械及び電子部品を有する。主要な電子部品は、いわゆるプリント回路基板の形態で電子ユニット内に配置される。プリント回路基板は以降PCBと称する。このPCBは、何らかの方法で電子ユニットのハウジングに固着されている。以降OPUとも称する光ピックアップユニットは、このハウジングに対して、従ってPCBに対しても移動可能に組立てられている。このOPUは、特に、レーザと、通常は光感応性ホトダイオードにより構成されている複数の光センサと、レンズ系と、ディスクドライブの電子部品の一部とを有する。レンズ系は、ディスクの表面上でのレーザ光の集束を正確なものとし、ホトダイオードは、反射された光を電気信号に変換する。OPUは、スイングアーム又はスレッジにより水平方向に移動させうるようになっている。OPUを移動させる為の他の手段を採用することもできる。更に、レーザ及びレンズ系の双方又はいずれか一方は、焦点を合わせる為に垂直方向に移動させることができる。このようにOPUが移動可能になっていることにより、レーザから放出される光を位置決めして、ディスクの所望の位置上に光が放出されるようにすることができる。1つより多いホトダイオードを用いることにより、データを取出しうるHF信号をディスクから取出すだけでなく、スレッジ(又は他の手段)のずれを測定しそれによりスレッジの位置を是正するとともに、レーザ又はレンズ系の垂直方向の移動を制御することもできる。従って、トラッキング及び焦点合わせは、これらホトダイオードから受ける情報(電流)により実施することもできる。トラッキングは、通常「プッシュプル」ラジアルトラッキングと称される。プッシュプルトラッキングは、一般に既知であり、公知文献に詳細に説明されている。従って、プッシュプルトラッキングの原理についての詳細な説明は省略する。本発明に関しては、いわゆる3スポットラジアルトラッキングプッシュプルシステム(以降「3スポットプッシュプル」とも称する)が頻繁に使用されるものであることに言及しておけば充分である。この3スポットプッシュプルも文献から周知の事項である。3スポットプッシュプルを使用する場合、レーザから生ずる光路内に空間格子を付加することにより3つのスポットを発生させる。この場合も、これら3つのスポットは、ホトダイオードに向けて反射される。従って、正確なトラッキングを行う為に、通常3セグメントのホトダイオードを使用する。各セグメントは、通常、複数のホトダイオードを有する。多くの場合には、8つの個別の電流が、これらホトダイオードにより発生される。これらの電流は、PCB上の電子部品に伝達され、更に処理される。これらの電流は極めて微弱である為、通常は、結合手段を介してPCBに伝達される前で最初に増幅される。このようにして、これらの電流が、電子部品のいずれかの場所で発生し結合手段により捕捉される不所望な信号により妨害されにくくする。即ち、微弱な電気信号を最初に増幅することにより、より高い信号対雑音比を達成することができる。このことにより、例えばプッシュプルトラッキングの制御がより信頼性あるものとなる。
【0004】
OPUは、PCBに対して移動可能になっている為、結合手段は、機械的に強固な電気接続部により形成することはできない。従って、特殊な結合手段を利用する必要があるが、このような結合手段はあまり安価ではない。そこで、この結合手段内の電気ワイヤの数を最少にする試みがなされている。
【0005】
従って、本発明の目的は、OPU及びPCB間の電気接続部の数を低減させることにある。
【0006】
本発明のこの目的を達成する為に、頭書に記載した光ディスクドライブは、通常の処理モードでは、複数の電気信号が、前記第2電子回路により組合わされ、これらの組合わされた電気信号と、残りの組合わされていない電気信号とが、前記結合手段を介して前記第1電子回路に伝達されるようになっており、テストモードでは、前記電気信号の全部又は一部が、前記第2電子回路により個別に処理されるようになっていることを特徴とする。
【0007】
既知の光ディスクドライブでは、OPUの一部である第2電子回路からの全ての電気信号は、結合手段を介してPCBの一部である第1電子回路に伝達されるようになっている。その理由は、テストモードでは、これら全ての電気信号が、第1電子回路内のいわゆるテスト回路により個別に必要とされる為である。このテスト回路は、光ディスクドライブの製造中にのみ用いられるテストモードにおいてのみ作動するものである。このテストモードでは、ディスクから反射される光に対するホトダイオードの位置(角度を含む)が規定される(校正)。従って、このテストモードは、ユーザによる通常の処理中に再度使用されることはない。
【0008】
本発明は、幾つかの電気信号が第1電子回路において合計される為、HF信号の取出し、トラッキング及び焦点制御に関して全ての電気信号が必要なわけではないという認識に基づくものである。即ち、テスト回路を、PCB上の第1電子回路からOPU上の第2電子回路に移動させることにより、第2電子回路において予め合計処理を行っておくことができるようになり、結合手段を介してPCBに伝達する必要のある電気信号の数が少なくなる。テスト回路は、極めて容易に第2電子回路内に設けることができる。その理由は、第2電子回路は、通常では集積回路により構成される為である。従って、この場合、OPUの重量が著しく増大してしまうという欠点が無くなる。重量が増大することは、OPUの機械的構造及びOPUの電力消費に関して不利になるおそれがある。従って、テストモードにおいて、全ての電気信号を増幅器により個別に増幅する必要があるだけである。本発明は、ホトダイオードからの幾つかの電流を組合わせる(合計する)通常モードでは、一部の増幅器をスイッチオフすることができるという追加の利点が得られる。このことにより、増幅器により消費される電力が少なくなる。即ち、例えば、通常モードにおいて、合計で8つの電流のうち6つの電流のみを結合手段を介して伝達すればよい場合には、合計で8つの増幅器のうち2つの増幅器のスイッチがオフになる。
【0009】
請求項3に記載されているように、結合手段は、可撓性電気接続装置により構成するのが好ましい。その理由は、OPUをPCBに対して移動可能にする必要がある為である。
【0010】
請求項4に記載されているように、この可撓性電気接続装置は、可撓性プリント回路にすることができる。
【0011】
光ディスクドライブの一例では、前記光発生手段が、動作中、主光スポットと、第1及び第2サテライト光スポットとを発生し、前記複数の光センサは、前記主光スポットから生じる光を受ける主部と、前記第1サテライト光スポットから生じる光を受ける第1サテライト部と、第2サテライト光スポットから生じる光を受ける第2サテライト部とに分けられており、組み合わされた前記電気信号は、前記光センサの前記第1及び前記第2サテライト部に対応する電気信号を組合わせたものとなるようにしたことを特徴とする。
【0012】
このために、上述した3スポットプッシュプルシステムを使用する。通常モードでは、サテライト光スポットに対応する幾つかの電流を合計することができる為、結合手段を介して伝達される電流の数が減少する。合計処理は、ある増幅器の入力端と他の増幅器の入力端とを短絡させるスイッチを作動させることにより達成することができる。
【0013】
光ディスクドライブの他の例では、前記第2電子回路はBUSシステムを有し、このBUSシステムは、当該BUSシステムの少なくとも1つの制御ビット(電圧又は電流とすることができる)により、少なくとも1つの前記増幅器の利得を制御するようになっており、少なくとも1つの前記制御ビットの振幅を、少なくとも1つの前記増幅器の利得を制御するのに必要な振幅より大きくしうることにより、このBUSシステムを介して追加の情報を送り一部の前記増幅器をスイッチオフ又はスタンバイ状態にしうるようになっていることを特徴とする。このBUSシステムを介して、各増幅器の利得を他の増幅器と関係なく設定することができる。このことは、PCB上の第1電子回路が、異なる利得値で電流を処理することができるために有利なことである。このことは、例えば、サテライト光スポットに対応する電流が、主光スポットに対応する電流より通常極めて弱いことにより生じうるものである。前述したように、一部の増幅器をスイッチオフし又はスタンバイ状態にする追加情報をBUSシステムを介して送ることは有利なことである。その理由は、このようにしなければ、BUSシステムに使用する制御ビットの数を多くする必要がある為である。
【0014】
光ディスクドライブの更に他の例では、BUSシステムが、3値論理を用いることを特徴とする。通常、BUSシステムには2値論理が適用される。3値論理を用いれば、必要となる制御ビットの数がより少なくなる。この例では、前述したように、一部の増幅器をスイッチオフし又はスタンバイ状態にする追加情報をBUSシステムを介して送ることは、少なくとも1つの制御ビットの振幅を、前記少なくとも1つの増幅器の利得を制御するのに必要な振幅より大きくしうるようにすることにより、達成することができる。或いは又、請求項9に記載されているように、追加の情報を、少なくとも1つの制御ビットの振幅を通常より大きくせずにBUSを介して送る。このことは、2値論理よりも3値論理を用いた方が、BUSシステムの電気接続部当りより多くの情報を送ることができる為になし得ることである。
【0015】
光ディスクドライブの更に他の例では、少なくとも1つの前記増幅器の少なくとも1つの電力供給ラインを、この少なくとも1つの電力供給ライン上の電圧レベルを一時的に増大させ又は低減させることにより追加の情報を送る為にも使用するようになっていることを特徴とする。一部の増幅器をスイッチオフし、又はスタンバイ状態にするのに、増幅器のいわゆるVDD又はVSS電力ラインを使用すれば、特に2値論理を適用する場合に、BUSシステムの電気ワイヤの数を減らすことができる。例えば、増幅器のVSS電力ラインにおいて電圧を下げるのは一時的のみにすることができる。その理由は、このようにしなければ対応する増幅器が、必要な場合に通常の増幅処理を行い得ない為である。VSS電力ラインは、例えば、全ての増幅器に対して共通のVSS電力ラインにすることができる。或いは又、同様のことをVDD電力ラインにより達成することができる。後者の場合には、VDD電力ライン上の電圧は一時的に増大させる必要がある。増幅器の電力ライン上の電圧は、一時的にのみ低減させ又は増大させることができるので、対応する増幅器(テストモードに必要な増幅器)に、ある種のメモリ手段、例えばラッチを設ける必要がある。
【0016】
本発明を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
図面において、同様の機能又は目的を有する部分又は素子には、同じ参照符号を付してある。
図1は、OPUの実施例を示す線図である。このOPUは、レーザLSと、空間格子GRTと、偏光ビームスプリッタPBSと、コリメータ(レンズ)CLMと、1/4λ板PLTと、対物レンズOLと、光感応性ホトダイオードPHDSとを有する。また、光ディスクDSKも示してある。
【0017】
レーザは、極めて細い光ビームLを発生し、この光ビームLは、空間格子GRTを通過して3つの光ビーム3Lを形成する。これら3つの光ビーム3Lは、いわゆる3スポットのプッシュプルトラッキング制御を所望する場合に必要になる(それ以外の場合には、この空間格子GRTは省略することができる)。これら3つの光ビーム3Lは、偏光ビームスプリッタPBSにより反射されてコリメータCLMに向かう。コリメータCLMに入射される発散光ビームは、平行な(即ち非発散及び非収束の)光ビームに変化されたものである。これら平行な光ビームは、1/4λ板PLTを通過し、それにより、これら光ビームの偏光は約90°変化する。対物レンズOLが、これら光ビームを例えばDVDである光ディスクDSKの所望の位置上に収束させる。(設計によっては、対物レンズOLに対してより高いジオプター値を選択することにより、コリメータCLMを省略しうる場合もある。)
【0018】
ディスクDSKから反射される光は、ディスクDSK上の情報によって変調されており、1/4λ板PLTを通過して光の偏光が約90°変化する。その後、この光はコリメータCLMを通過する。反射された光の偏光はこの時点で、レーザLSからの「入射」光ビームの偏光に対して反対になっている(180°変化している)ため、偏光ビームスプリッタPBSにより反射されてレーザLSの方に戻るのではなく、偏光ビームスプリッタPBSを通過する。従って、参照符号RFLで表される、ディスクから反射された光は、光感応性ホトダイオードPHDS上に集束する。これらホトダイオードPHDSはこの光に応答して、ディスクDSKから読み取られたデータを含む電流を発生する。データは、これらホトダイオードPHDSから生じるHF信号を復調して取出すことができ、HF信号は、焦点制御及び(3スポット)プッシュプルトラッキング制御に必要な情報を含んでいる。
【0019】
図2は、1つの主光スポットと2つのサテライト光スポットとにより照射されているトラックの一部を示す。主光スポットMSPは、トラックTR上に集束しており、第1サテライト光スポットFSTは、左側のトラックLTRとトラックTRとの間に入射しており、第2サテライト光スポットSSTは、トラックTRと右側のトラックRTRとの間に入射している。図示する状態では、理想的なプッシュプルトラッキングが行われており、反射した光RFL(図1参照)は、図3に示すようにホトダイオードPHDSに当たる。(このことは、製造工程中に、いわゆるテストモードの段階でホトダイオードの位置/角度が校正されているという前提に基づくものである。)これらスポットMSP、FST及びSSTは、一時的に、例えば左の方にシフトするおそれがある。この場合、主光スポットMSPに対応する光を受けるホトダイオードPHDSの主部分A,Bもシフトし、その結果電気信号IA ,IB が変化する。同じことが、それぞれ第1及び第2サテライト光スポットFST及びSSTに対応する光を受けるホトダイオードPHDSの第1サテライト部E、F及び第2サテライト部G、Hにも当てはまる。電気信号IA 〜IH の変化に応じて、プッシュプルトラック制御(しばしばサーボ制御とも称される)が、例えばOPUが装着されたいわゆるスレッジ(図1には図示せず)により、ディスクDSK上に集束されたレーザビームの水平位置を変える。これら電気信号IA 〜IH から焦点制御及び符号情報の取出しを行うこともできる。データの取出し、焦点制御及びプッシュプル制御は周知の技術である為、これらの技術に関するより詳細な説明は要しない。
【0020】
図4は、光ディスクドライブの一部を示す。この光ディスクドライブは、特に、主要な電子部品を有するPCBを具える。これらの電子部品を第1電子回路CRT1 として示す。この光ディスクドライブは更に、複数の機械部材(図4には図示せず)と、第2電子回路CRT2 として示す幾つかの電子部品とを有するOPUを具える。この第2電子回路CRT2 は、反射された光RFL(図1も参照)を受けるためのホトダイオードPHDS(図3も参照)を有する。これらホトダイオードPHDSは、電流(図3のIA 〜IH 参照)を発生する。既知のディスクドライブにおいては、これら電流は全て、可撓性電気接続装置FCDを介して第1電子回路CRT1 に送られる。第1電子回路CRT1 がこれらの電流を処理し、幾つかの電流が合計される。実際には、この合計処理を、第2電子回路CRT2 において予め行っておくことができ、可撓性電気接続装置FCDにおいて必要とされる電気ワイヤの数を少なくすることができる。本例の場合、このようにはしていない。その理由は、全ての電流が、第1電子回路CRT1 内のテスト回路TSTにより実施されるテストモードにおいて個別に必要とされる為である。
【0021】
図5に示す本発明の実施例においては、テスト回路TSTは、第1電子回路CRT1 の一部ではなく代わりに第2電子回路CRT2 の一部としている(従って、PCBの一部ではなくOPUの一部になっている)。このテスト回路TSTは、光ディスクドライブの製造中にのみ用いられるテストモードにおいてのみ作動する。このテストモードにおいて、ディスクDSKからの反射された光に対するホトダイオードPHDSの位置(角度を含む)を規定する(校正)。テストモードでは、(図5に示すように)スイッチS1及びS2を開いた状態にする。その結果、全ての電流IA 〜IH は増幅器AMPA 〜AMPH により個別に増幅され、これら増幅器AMPA 〜AMPH からの全ての出力電流は、個別にテスト回路TSTに供給される。
【0022】
通常の(ユーザ)モードでは、テスト回路TSTは常に不作動状態にあり、スイッチS1及びS2は閉じた状態にある。更に、増幅器AMPE 及びAMPH を不作動状態にもする。このことは、バスシステムBUSを介して制御することができる。スイッチS1が閉じていることにより、もはや増幅器AMPE により増幅できない電流IE が、電流IG に加わり、それによりこれら2つの電流の合計が増幅器AMPG により増幅される。スイッチS2が閉じていることにより、もはや増幅器AMPH により増幅できない電流IH が、電流IF に加わり、それによりこれら2つの電流の合計が増幅器AMPF により増幅される。増幅器AMPE 及びAMPH を除いた増幅器の出力が、可撓性電気接続装置FCDに供給される。従って、既知の光ディスクドライブでは可撓性電気接続装置FCDを介して送られる電流が8つであるところ、本例では、6つのみになる。
【0023】
バスシステムBUSは、増幅器AMPA 〜AMPH の利得を設定する制御ビットを伝達する。これらの利得は個別に設定することができる。通常の(ユーザ)モードにおいては、追加の制御ビットにより、増幅器AMPE 及びAMPH をスイッチオフ状態にすることができる。このことにより電力が節減される。この追加の制御ビットを用いる代わりに、(利得を設定するために用いる)制御ビットの電圧/電流を、一時的に増大/減少させて通常の電圧/電流値より大きく又は小さくし、増幅器AMPE 及びAMPH をスイッチオフさせることを指示するようにすることもできる。制御ビットを用いる代わりに、例えば、演算増幅器AMPA 〜AMPH のVss電力ライン上の電圧レベルを一時的に減少させることもできる。
【0024】
或いは又、バスシステムBUSは、制御ビット当りの利用可能な情報をより多くする為に3値論理制御ビットを用いることができる。この場合、演算増幅器AMPA 〜AMPH の利得設定信号及びスイッチオフ信号の双方とも、制御ビットの数を増やすことなく、BUSシステムを介して伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、OPUを示す線図である。
【図2】図2は、主スポットと2つのサテライトスポットとが照射されているトラックの一部を示す線図である。
【図3】図3は、HF信号、焦点制御信号及び3スポットプッシュプルトラッキング制御信号を取出すための電流を発生する光感応性ホトダイオードを示す線図である。
【図4】図4は、光ディスクドライブの一部を示す線図である。
【図5】図5は、本発明の一実施例を示す線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子回路を具える電子ユニットと、
この電子ユニットに対して移動可能に組立てられており、光ディスクへのデータの書き込み及び光ディスクからのデータの読み取りの双方又はいずれか一方を行う為の光を発生する光発生手段を具える光ピックアップユニットであって、この光ピックアップユニットは、この光発生手段により生じ前記光ディスクから反射された光を受けるための複数の光センサを具える第2電子回路を有し、これらの各光センサが電気信号を発生するための出力端を具える当該光ピックアップユニットと、
前記第2電子回路を前記第1電子回路に結合し、これら第1電子回路及び第2電子回路間で情報を伝達する為の結合手段と
を有する光ディスクドライブにおいて、
通常の処理モードでは、複数の電気信号が、前記第2電子回路により組合わされ、これらの組合わされた電気信号と、残りの組合わされていない電気信号とが、前記結合手段を介して前記第1電子回路に伝達されるようになっており、テストモードでは、前記電気信号の全部又は一部が、前記第2電子回路により個別に処理されるようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記第2電子回路が、複数の増幅器を有しており、これら増幅器の各々は、テストモードにおいて前記光センサの出力端に個別に結合されるようになっている入力端と、出力端とを有しており、通常の処理モードにおいては、組合わされた前記電気信号と残りの組合わされていない前記電気信号との合計に等しい個数の、前記増幅器の出力端が、個別に前記結合手段に結合され、且つ組合わされた前記電気信号の数に等しい数の、前記増幅器の入力端が、他の前記増幅器の入力端に個別に結合されるようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記結合手段が、可撓性電気接続装置により構成されていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項4】
請求項3に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記可撓性電気接続装置が、可撓性プリント回路であることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記光発生手段が、動作中、主光スポットと、第1及び第2サテライト光スポットとを発生し、前記複数の光センサは、前記主光スポットから生じる光を受ける主部と、前記第1サテライト光スポットから生じる光を受ける第1サテライト部と、第2サテライト光スポットから生じる光を受ける第2サテライト部とに分けられており、組み合わされた前記電気信号は、前記光センサの前記第1及び前記第2サテライト部に対応する電気信号を組合わせたものとなるようにしたことを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項6】
請求項5に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記主部は、4つの主電気信号と称する4つの電気信号を生じる4つの領域を有し、前記第1サテライト部は、前記4つの主電気信号ではない2つの第1サテライト部電気信号と称する2つの電気信号を生じる2つの領域を有し、前記第2サテライト部は、前記4つの主電気信号でなく且つ前記2つの第1サテライト部電気信号でない2つの第2サテライト部電気信号と称する2つの電気信号を生じる2つの領域を有し、通常の処理モードでは、前記2つの第1サテライト部電気信号の少なくとも一方が、前記2つの第2サテライト部電気信号の少なくとも一方と組合わされるになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記第2電子回路はBUSシステムを有し、このBUSシステムは、当該BUSシステムの少なくとも1つの制御ビットにより、少なくとも1つの前記増幅器の利得を制御するようになっており、少なくとも1つの前記制御ビットの振幅を、少なくとも1つの前記増幅器の利得を制御するのに必要な振幅より大きくしうることにより、このBUSシステムを介して追加の情報を送り一部の前記増幅器をスイッチオフ又はスタンバイ状態にしうるようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項8】
請求項7に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記BUSシステムが、3値論理を用いるようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項9】
請求項2〜6のいずれか一項に記載の光ディスクドライブにおいて、
前記第2電子回路は、3値論理BUSシステムを有し、この3値論理BUSシステムは、当該BUSシステムの少なくとも1つの制御ビットにより、少なくとも1つの前記増幅器の利得を制御し、このBUSシステムを介して追加の情報を送り一部の前記増幅器をスイッチオフ又はスタンバイ状態にするようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載の光ディスクドライブにおいて、
少なくとも1つの前記増幅器の少なくとも1つの電力供給ラインを、この少なくとも1つの電力供給ライン上の電圧レベルを一時的に増大させ又は低減させることにより追加の情報を送る為にも使用するようになっていることを特徴とする光ディスクドライブ。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ディスクドライブを有する再生/記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−519127(P2007−519127A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516759(P2006−516759)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050991
【国際公開番号】WO2004/114290
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】