説明

光ディスク再生装置

【課題】
光ディスクのレイヤーの切り換えやエリアを選択する操作を行うことなしに、外部機器のオーディオ信号の出力形態に応じて、光ディスクに記録されたマルチチャンネル又は2チャンネルのオーディオ信号を再生することができる光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】
第1記録層又は第2記録層に記録されたオーディオ信号と管理情報を読み取る読取部と、読取部が読み取ったオーディオ信号に信号処理を施す信号処理部と、信号処理部が信号処理を施したオーディオ信号を出力する出力部と、出力部と接続した外部機器から当該外部機器のオーディオ信号の出力形態を示す情報を入力する入力部と、入力部から入力された出力形態を示す情報に応じたオーディオ信号を光デスクから読み取るように読取部を制御する制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録されたオーディオ信号を再生する光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルオーディオ信号が記録された光ディスクとして、CD-DA(Compact Disc-Digital Audio)がある。このCD-DAには、44.1kHzのサンプリング周波数でサンプリングされた16ビットのデジタルオーディオ信号が1.6μmのトラックピッチで記録されている。これに対して、サンプリング周波数が2822.4kHzであり、デルタシグマ変調された1ビットのデジタルオーディオ信号が0.74μmのトラックピッチで記録された高記録密度の光ディスクがある。
【0003】
この高記録密度の光ディスクには、上述した2822.4kHzでサンプリングされデルタシグマ変調された1ビットのデジタルオーディオ信号が記録された記録層(以下HD(High Definition)レイヤーという。)と44.1kHzでサンプリングされた16ビットのデジタルオーディオ信号が記録された記録層(以下CDレイヤーという。)の2つの記録層を有するハイブリッドレイヤーディスクがある。このハイブリッドレイヤーディスクの他に、1層のHDレイヤーのみを有するシングルレイヤーディスク、2層のHDレイヤーを有するデュアルレイヤーディスクがある。また、高記録密度の光ディスクにおいて、HDレイヤーは、2チャンネルのデジタルオーディオ信号を記録する2チャンネルステレオエリアと、6チャンネルまでのマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号を記録するマルチチャンネルエリアを有する。
【0004】
これらの高記録密度の光ディスクのうちハイブリッドレイヤーディスクは、通常、HDレイヤーの2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリア及びCDレイヤーに、同一内容のデジタルオーディオ信号が収録されたトラックが記録されている。
【0005】
このような光ディスクを再生することができる光ディスク再生装置は、HDレイヤーとCDレイヤーの再生を切り換えることができる(例えば、特許文献1参照)。また、HDレイヤーを再生する場合には、2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリアを選択することができる。
【0006】
通常、マルチチャンネルのオーディオ信号が記録された光ディスクを再生する光ディスク再生装置は、外部機器としてAV(Audio Visual)アンプを接続する。AVアンプは、入力されたオーディオ信号にサラウンド処理等を施し各チャンネルのオーディオ信号に分離する。各チャンネル毎に分離されたオーディオ信号は、アナログ信号に変換された後、AVアンプに接続した複数のスピーカから出力される。
【0007】
AVアンプには、マルチチャンネルのスピーカシステムとして、左右のフロントスピーカ、センタースピーカ、左右のサラウンドスピーカ及びサブウーハー等の複数のスピーカを接続することができる。また、ユーザによって、接続したスピーカの種類、スピーカの有無、各チャンネルの再生レベル等の設定をすることができる。
【0008】
【特許文献1】特開平11−296861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ユーザは、マルチチャンネルのスピーカシステム(例えば、5.1chのスピーカシステム)を用いた聴取環境にする場合、AVアンプにおいて、左右のフロントスピーカ、センタースピーカ、左右のサラウンドスピーカ及びサブウーハーを有りとする設定をし、オーディオ信号の出力形態をマルチチャンネルにする。ここで、ユーザは、高記録密度の光ディスクを再生するとき、光ディスク再生装置において再生するレイヤーをHDレイヤーに切り換える操作をした後、マルチチャンネルエリアの選択をすることにより、AVアンプに接続されたスピーカからサラウンド効果のあるオーディオ信号を聴取することができる。
【0010】
また、ユーザは、2チャンネルステレオスピーカシステム(左右のフロントスピーカ)を用いた聴取環境を選択する場合がある。この場合、ユーザは、AVアンプにおいて、左右のフロントスピーカを有りとし、その他のスピーカを無しとする設定をし、オーディオ信号の出力形態を2チャンネルにする。ここで、ユーザは、高記録密度の光ディスクを再生するとき、光ディスク再生装置において再生するレイヤーをCDレイヤーに切り換える操作又はHDレイヤーに切り換える操作をした後、2チャンネルステレオエリアの選択をすることにより、AVアンプに接続されたスピーカから2チャンネルステレオのオーディオ信号を聴取することができる。
【0011】
以上のように、ユーザは、AVアンプに接続した光ディスク再生装置を用いて高記録密度の光ディスクを再生するとき、AVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、その都度、再生する光ディスクのCDレイヤーとHDレイヤーの切り換え及びHDレイヤーの2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリアの選択の操作をしなければならなかった。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、再生する光ディスクのCDレイヤーとHDレイヤーの切り換え及びHDレイヤーの2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリアの選択の操作を行うことなしに、AVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、光ディスクに記録されたマルチチャンネル又は2チャンネルのオーディオ信号を再生することができる光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本願の請求項1記載の発明は、2チャンネルのオーディオ信号が記録されたステレオエリア及びマルチチャンネルのオーディオ信号が記録されたマルチチャンネルエリアを有する第1記録層と2チャンネルのオーディオ信号が記録された第2記録層を備え、前記第1記録層に記録されたオーディオ信号を管理する管理情報が前記第1記録層に記録され、前記第2記録層に記録されたオーディオ信号を管理する管理情報が前記第2記録層に記録された光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、前記第1記録層又は前記第2記録層に記録されたオーディオ信号と管理情報を読み取る読取部と、前記読取部が読み取ったオーディオ信号に信号処理を施す信号処理部と、前記信号処理部が信号処理を施したオーディオ信号を出力する出力部と、前記出力部と接続した外部機器から当該外部機器のオーディオ信号の出力形態を示す情報を入力する入力部と、前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報に応じたオーディオ信号を光ディスクから読み取るように前記読取部を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ディスク再生装置において、前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報がマルチチャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のマルチチャンネルエリアからマルチチャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする。
【0015】
また、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク再生装置において、前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のステレオエリアから2チャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする。
【0016】
また、本願の請求項4に記載の発明は、 請求項1記載の光ディスク再生装置において、前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第2記録層に記録された2チャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする。
【0017】
また、本願の請求項5に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク再生装置において、前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のマルチチャンネルエリアからマルチチャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御し、当該マルチチャンネルのオーディオ信号を2チャンネルのオーディオ信号にダウンミックスするように前記信号処理部を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光ディスク再生装置によれば、再生する光ディスクのCDレイヤーとHDレイヤーの切り換え及びHDレイヤーの2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリアの選択の操作を行うことなしに、AVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、光ディスクに記録されたマルチチャンネル又は2チャンネルのオーディオ信号を再生することができる光ディスク再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態に基づいて説明する。本発明の一実施例の光ディスク再生装置は、HDレイヤーとCDレイヤーの記録層を有するハイブリッドレイヤーディスク、1層のHDレイヤーのみを有するシングルレイヤーディスク、2層のHDレイヤーを有するデュアルレイヤーディスク、CDやDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクに記録されたデジタルオーディオ信号を再生することができる光ディスク再生装置である。
【0020】
図1は、本発明の一実施例である光ディスク再生装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はターンテーブル、2はスピンドルモータ、3はサーボ制御部、4は光ピックアップ、5は再生アンプ、6は信号処理部、7はメモリ制御部、8はRAM(Random Access Memory)、9はDAC(Digital to Analog Converter)、10はデジタルインターフェース(デジタルI/F)、11は制御部、12は操作部、13は表示部を示す。
【0021】
スピンドルモータ2に固定されたターンテーブル1は、光ディスクを載置する。操作部(図示せず)に備えられた操作ボタンをユーザが操作し再生開始の指示がされると、サーボ制御部3は、スピンドルモータ2を所定の線速度で回転駆動させる制御をする。また、サーボ制御部3は、再生部である光ピックアップ4からのレーザ光が光ディスクのピット列を正しくトレースするように、図示しないフォーカスサーボ回路とトラッキングサーボ回路を制御する。
【0022】
光ピックアップ4は、図示しないレーザダイオードと対物レンズを備えている。CD又はCDレイヤーに記録されたデジタルオーディオ信号を読み取る場合は、波長780nmのレーザ光を使用し、HDレイヤーに記録されたデジタルオーディオ信号を読み取る場合は、波長650nmのレーザ光を使用する。また、光ピックアップ4は、CDレイヤー及びHDレイヤーのどちらの記録層にも焦点が合うように対物レンズの開口数を調節することができる。
【0023】
光ピックアップ4が読み取ったデジタルオーディオ信号は、再生アンプ5により波形整形及び増幅され信号処理部6に入力される。信号処理部6は、CD又はCDレイヤーから読み取ったデジタルオーディオ信号の復調、HDレイヤーから読み取ったデジタルオーディオ信号の復調、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号等のエラー信号、同期信号の抜き出し等をしてデジタルオーディオ信号をメモリ制御部7に入力する。また、信号処理部6は、制御部11の制御によりマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号を2チャンネルステレオのデジタルオーディオ信号にダウンミックする処理をする。
【0024】
メモリ制御部7は、入力されたデジタルオーディオ信号をRAM8に入力するよう制御する。RAM8は、入力されたデジタルオーディオ信号を記憶する。RAM8が記憶したデジタルオーディオ信号は、メモリ制御部7の制御により読み出されDAC9に入力される。DAC9は、デジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する。DAC9により変換されたアナログオーディオ信号は、出力端子から出力される。
【0025】
また、RAM8から読み出されたデジタルオーディオ信号は、メモリ制御部7の制御によりデジタルI/F10に入力される。デジタルI/F10は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠したデジタルインターフェースであり、HDMI端子を備えている。HDMIは、パソコンとモニターの接続に用いられるインターフェースのDVI(Digital Video Interface)を発展させた規格であり、デジタルオーディオ信号、デジタルビデオ信号、制御情報信号の送受信を1本のケーブル(HDMI端子接続ケーブル)で可能とする。
【0026】
デジタルI/F10に入力される制御情報信号は、HDMI端子と接続した外部機器に関する情報を示し、外部機器としてAVアンプを接続した場合は、AVアンプのメーカ名、プロダクトコード、シリアル番号、オーディオ信号の出力形態等の情報を表す。入力された制御情報信号は、デジタルI/F10を介して制御部11に入力される。
【0027】
制御部11は、サーボ制御部3、信号処理部6、メモリ制御部7、デジタルI/F10、表示部13を制御する。また、制御部11は、デジタルI/F10から入力された制御情報信号を解析する。操作部12は、再生ボタン、再生停止ボタン、早送りボタン、早戻しボタンを備えている。表示部13は、現在再生しているトラックの再生時間、トラックナンバー、マルチチャンネルのオーディオ信号を2チャンネルステレオのオーディオ信号にダウンミックスして再生するか否かを示す情報等を表示する。
【0028】
図2は、本発明の一実施例である光ディスク再生装置とAVアンプの接続を説明する図である。図2において、21は本実施例の光ディスク再生装置、22はHDMI対応のAVアンプ、23はHDMI接続ケーブル、24はビデオ・オーディオ接続コードを示す。光ディスク再生装置21は、HDMI接続ケーブル23によって外部機器としてのAVアンプ22と接続される。さらに、光ディスク再生装置21は、ビデオ・オーディオ接続コード24によってAVアンプ22と接続される。これは、再生する光ディスクの種類により、光ディスクに記録されたデジタルオーディオ信号を出力できない場合があり、この場合は、デジタルオーディオ信号をアナログオーディ信号に変換して出力するためである。AVアンプ22には、図示しない複数のスピーカ、モニター等が接続される。
【0029】
次に、上述した高記録密度の光ディスクに有するHDレイヤーの構造を説明する。
HDレイヤーは、光ディスクの内周から外周に向かってリードインゾーン、信号ゾーン、リードアウトゾーンが形成されている。信号ゾーンは、マスターTOCエリア、オーディオエリア及びエクストラ信号エリアを備える。マスターTOCエリアには、ディスクに関する情報、エリアに関する情報、トラックに関する情報などの管理情報が記録されている。オーディオエリアは、2チャンネルのデジタルオーディオ信号が記録されている2チャンネルステレオエリアと6チャンネルまでのマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号が記録されているマルチチャンネルエリアとを備える。
【0030】
2チャンネルステレオエリアとマルチチャンネルエリアは、デジタルオーディオ信号がトラックナンバー順に記録されるトラックエリアを備え、このトラックエリアの前後にエリアTOCが配置されている。この2つのエリアTOCには、同じ内容の情報が記録される。2チャンネルステレオエリアに配置されたエリアTOCには、トラックエリアに記録される2チャンネルのデジタルオーディオ信号のトラックを管理する情報などが記録されている。また、マルチチャンネルエリアに配置されたエリアTOCには、トラックエリアに記録されるマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号のトラックを管理する情報などが記録されている。エクストラ信号エリアは、オーディオ信号以外の信号を記録することができるエリアである。
【0031】
また、CDレイヤーは、CDの記録層の構造と同一であり、光ディスクの内周から外周に向かってリードインエリア、プログラムエリア、リードアウトエリアが形成されている。プログラムエリアには、2チャンネルのデジタルオーディ信号がトラック単位で記録されている。リードインエリアには、プログラムエリアに記録されたトラックを管理するTOC情報等が記録されている。
【0032】
上述した高記録密度の光ディスクのHDレイヤーから再生されたデジタルオーディオ信号は、現在、光ディスク再生装置からデジタル信号での出力が禁止されているため、DAC9により変換されたアナログオーディオ信号が出力される。また、高記録密度の光ディスクのCDレイヤーやCD等から再生されたデジタルオーディオ信号は、光ディスク再生装置からデジタル信号での出力が可能であるため、デジタルI/F10を介してHDMI端子から出力することができる。
【0033】
図3は、本発明の一実施例の光ディスク再生装置の再生動作を説明するフローチャートである。本実施例の光ディスク再生装置は、図2に示すようにAVアンプと、HDMI接続ケーブル及びビデオ・オーディオ接続コードによって接続されている。
【0034】
図3に示すフローチャートのステップS1は、ユーザが本実施例の光ディスク再生装置に光ディスクを装着するステップである。本実施例において、光ディスク再生装置に装着する光ディスクは、上述した高記録密度の光ディスクとする。
【0035】
ステップS2は、制御部11がHDレイヤーのマスターTOCエリアに記録された情報を読み取る制御をする。制御部11は、光ディスクがターンテーブル1に固定されると、サーボ制御部3を制御し光ピックアップ4にHDレイヤーのマスターTOCエリアに記録された情報を読み取らせる制御をする。読み取られたマスターTOCエリアに記録された情報は、制御部11に内蔵された図示しない記憶部に記憶される。
【0036】
ステップS3は、制御部11がAVアンプからデジタルI/F10を介して入力された制御情報信号を解析し、AVアンプのオーディオ信号の出力形態を判別するステップである。オーディオ信号の出力形態がマルチチャンネルを示す場合は、ステップS4に進む。オーディオ信号の出力形態が2チャンネルを示す場合は、ステップS5に進む。
【0037】
本実施例では、AVアンプのオーディオ信号の出力形態をマルチチャンネルと2チャンネルとする。AVアンプのオーディオ信号の出力形態がマルチチャンネルになる場合としては、ユーザがオーディオ信号の出力先をスピーカとする設定をした場合、ユーザがスピーカの有無を全スピーカにおいて有りとする設定した場合などがある。
【0038】
一方、AVアンプのオーディオ信号の出力形態が2チャンネルになる場合としては、ユーザがオーディオ信号の出力先をHDMI対応モニターに備えられたスピーカとする設定をした場合、ユーザが左右のフロントスピーカを有りとし、その他のスピーカを無しとする設定した場合などがある。
【0039】
ステップS4は、制御部11がHDレイヤーのマルチチャンネルエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生する制御をするステップである。制御部11は、HDレイヤーのマルチチャンネルエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生するようにサーボ制御部3、信号処理部6を制御する。HDレイヤーのマルチチャンネルエリアから再生されたデジタルオーディオ信号は、DAC9によりアナログオーディオ信号に変換された後、出力端子からAVアンプに出力される。ここで、HDレイヤーにマルチチャンネルエリアを有さない場合、制御部11は、HDレイヤーの2チャンネルステレオエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生する制御をする。
【0040】
以上のように、本実施例の光ディスク再生装置は、ステップS3においてAVアンプのオーディオ信号の出力形態がマルチチャンネルであると判別した場合、ステップS4において、光ディスクのHDレイヤーのマルチチャンネルエリアに記録されたデジタルオーディオ信号の再生を開始する。したがって、本実施例の光ディスク再生装置は、ユーザがAVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、レイヤーを切り換える操作及びエリアを選択する操作を行わなくても、マルチチャンネルのオーディオ信号を出力することができる。
【0041】
ステップS5は、制御部部11が装着された光ディスクのHDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有するか否かを判別するステップである。制御部11は、ステップS2において読み取ったマスターTOCエリアに記録された情報から、HDレイヤーの2チャンネルステレオエリアの有無を判別する。HDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有すると判別した場合は、ステップS6に進む。HDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有さないと判別した場合は、ステップS7に進む。
【0042】
ステップS6は、制御部11がHDレイヤーの2チャンネルステレオエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生する制御をするステップである。制御部11は、HDレイヤーの2チャンネルステレオエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生するようにサーボ制御部3、信号処理部6を制御する。HDレイヤーの2チャンネルステレオエリアから再生されたデジタルオーディオ信号は、DAC9によりアナログオーディオ信号に変換された後、出力端子からAVアンプに出力される。
【0043】
以上のように、本実施例の光ディスク再生装置は、ステップS3においてAVアンプのオーディオ信号の出力形態が2チャンネルであると判別し、ステップS5において再生する光ディスクのHDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有すると判別した場合、ステップS6において、当該2チャンネルステレオエリアに記録されたデジタルオーディオ信号の再生を開始する。したがって、本実施例の光ディスク再生装置は、ユーザがAVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、レイヤーを切り換える操作及びエリアを選択する操作を行わなくても、2チャンネルのオーディオ信号を出力することができる。
【0044】
ステップS7は、制御部11が装着された光ディスクがCDレイヤーを備えているか否かを判別するステップである。制御部11は、ステップ2において読み取ったマスターTOCエリアに記録された情報から、装着された光ディスクがCDレイヤーを備えているか否かを判別する。CDレイヤーを備えていると判別した場合は、ステップS8に進む。CDレイヤーを備えていないと判別した場合は、ステップS9に進む。
【0045】
ステップS8は、制御部11がCDレイヤーに記録された2チャンネルのデジタルオーディオ信号を再生する制御をするステップである。制御部11は、CDレイヤーに記録された2チャンネルのデジタルオーディオ信号を再生するようにサーボ制御部3、信号処理部6を制御する。CDレイヤーから再生された2チャンネルのデジタルオーディオ信号は、デジタルI/F10を介してHDMI端子からAVアンプに出力される。
【0046】
本実施例の光ディスク再生装置は、ステップS3においてAVアンプのオーディオ信号の出力形態が2チャンネルであると判別し、ステップS5において再生する光ディスクのHDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有さないと判別し、ステップ7においてCDレイヤーを有すると判別した場合、ステップS8において、CDレイヤーに記録された2チャンネルのデジタルオーディオ信号の再生を開始する。したがって、本実施例の光ディスク再生装置は、ユーザがAVアンプのオーディオ信号の出力形態に応じて、レイヤーを切り換える操作及びエリアを選択する操作を行わなくても、2チャンネルのオーディオ信号を出力することができる。
【0047】
ステップS9は、制御部11がHDレイヤーのマルチチャンネルエリアから再生されたデジタルオーディオ信号を2チャンネルステレオのデジタルオーディオ信号にダウンミックスする制御をするステップである。制御部11は、HDレイヤーのマルチチャンネルエリアに記録されたデジタルオーディオ信号を再生し、再生したマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号を2チャンネルステレオのデジタル信号にダウンミックスするように信号処理部6を制御する。ダウンミックスされたデジタルオーディオ信号は、DAC9によりアナログオーディオ信号に変換された後、出力端子からAVアンプに出力される。
【0048】
図3に示すフローチャートのステップS9において、本実施例の光ディスク再生装置は、マルチチャンネルエリアから再生したマルチチャンネルのデジタルオーディオ信号を2チャンネルステレオのデジタル信号にダウンミックスするので、再生する光ディスクがHDレイヤーに2チャンネルステレオエリア及びCDレイヤーを有さないシングルレイヤーディスクであっても、2チャンネルのオーディオ信号を出力することができる。
【0049】
上述した本実施例の光ディスク再生装置は、図3に示すフローチャートのステップS5において再生する光ディスクのHDレイヤーに2チャンネルステレオエリアを有さないと判別すると、ステップS7の処理を行なわずに、ステップS9の処理を行なうようにしても良い。この場合、本実施例の光ディスク再生装置は、再生する光ディスクにCDレイヤーを備えているか否かの判別をすることなく、2チャンネルのオーディオ信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例である光ディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例である光ディスク再生装置とAVアンプの接続を説明する図。
【図3】本発明の実施例である光ディスク再生装置の再生動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0051】
1…ターンテーブル、2…スピンドルモータ、3…サーボ制御部、4…光ピックアップ、5…再生アンプ、6…信号処理部、7…メモリ制御部、8…RAM、9…DAC、10…デジタルI/F、11…制御部、12…操作部、13…表示部、21…光ディスク再生装置、22…AVアンプ、23…HDMI接続ケーブル、24…ビデオ・オーディオコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2チャンネルのオーディオ信号が記録されたステレオエリア及びマルチチャンネルのオーディオ信号が記録されたマルチチャンネルエリアを有する第1記録層と2チャンネルのオーディオ信号が記録された第2記録層を備え、前記第1記録層に記録されたオーディオ信号を管理する管理情報が前記第1記録層に記録され、前記第2記録層に記録されたオーディオ信号を管理する管理情報が前記第2記録層に記録された光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、
前記第1記録層又は前記第2記録層に記録されたオーディオ信号と管理情報を読み取る読取部と、
前記読取部が読み取ったオーディオ信号に信号処理を施す信号処理部と、
前記信号処理部が信号処理を施したオーディオ信号を出力する出力部と、
前記出力部と接続した外部機器から当該外部機器のオーディオ信号の出力形態を示す情報を入力する入力部と、
前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報に応じたオーディオ信号を光ディスクから読み取るように前記読取部を制御する制御部とを備えることを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク再生装置において、
前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報がマルチチャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のマルチチャンネルエリアからマルチチャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項3】
請求項1記載の光ディスク再生装置において、
前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のステレオエリアから2チャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項4】
請求項1記載の光ディスク再生装置において、
前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第2記録層に記録された2チャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御することを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項5】
請求項1記載の光ディスク再生装置において、
前記入力部から入力された前記出力形態を示す情報が2チャンネルを示す情報である場合、前記制御部は、前記第1記録層のマルチチャンネルエリアからマルチチャンネルのオーディオ信号を読み取るように前記読取部を制御し、当該マルチチャンネルのオーディオ信号を2チャンネルのオーディオ信号にダウンミックスするように前記信号処理部を制御することを特徴とする光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−236422(P2006−236422A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−46354(P2005−46354)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(301066006)株式会社デノン (61)
【Fターム(参考)】