説明

光ディスク再生装置

【課題】偏荷重を有する光ディスクを再生させた場合でも光ディスクを正確に再生することができ、また、不要な振動が生じてしまうことを防止する。
【解決手段】前面にピンを備え光ディスクを再生する再生部6と、ピンを挿入し前方に突出する突出部7と、弾性体を備え再生部の後方部分を弾性体により保持する弾性保持手段と、突出部を挿入し突出部が上下方向に移動可能な長孔部111を備える保持部11と、左右方向に対して上下に傾斜する傾斜溝122を備えると共に傾斜溝の左右の一端にそれぞれ連通し水平方向に長孔を有する水平溝123を備え突出部が傾斜溝または水平溝に挿入され左右方向にスライド可能なスライド部12と、スライド部を左右方向にスライドさせるスライド駆動部とを備え、突出部は、ピンを挿入し後端に鍔部を備える弾性部と、弾性部の前方部分を挿入し後端に鍔部を備えるキャップ部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録されているデータを再生する光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク再生装置として、光ディスクを載置したローダ部を筐体の内部に移動させ、筐体内部に備えるターンテーブルによって当該光ディスクを回転させることによって、光ディスクに記録されたデータを再生するディスクローディング機構を有する光ディスク再生装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示された光ディスク再生装置は、光ディスクを回転させるターンテーブル及び光ディスクに記録されたデータを再生する光ピックアップ等を備えた再生部(特許文献1ではトラバース系27)を備える。この再生部は、一端が筐体本体に軸支され、他端にピン(特許文献1ではピン部28)を備える。このピンは、スライド部(特許文献1ではスライドレバーA18)に備えた溝部(特許文献1ではカム溝23)に係合し、当該スライド部がスライドすることによって昇降する。これにより、再生部は、筐体に軸支された一端部分を軸として上下に昇降可能となっている。
【0004】
前述したように、特許文献1に開示された光ディスク再生装置は、先ず、ローダ部が光ディスクを筐体内に移動させ、次に、筐体内に移動された光ディスクの下方から筐体に一端が軸支された再生部が上昇して再生部に備えるターンテーブルが光ディスクを保持した後、当該ターンテーブルが光ディスクを回転させると共に光ピックアップが光ディスクに記録されたデータを読み取ることによって、光ディスクに記録されたデータを再生する構成となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−251481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているような従来の光ディスク再生装置は、通常、再生部の一端の左右側面からそれぞれ水平方向に軸が突出し、この軸を筐体に固定された軸受けが軸支することによって再生部の一端を軸支する構成となっている。このため、例えば、偏荷重を有する光ディスクをターンテーブルによって回転させた場合、光ディスクの有する偏荷重によって当該光ディスクが水平方向又は上下方向に振動する。このとき、光ディスクから発生した振動が再生部に備える光ピックアップにも伝達してしまい、光ディスクに記録されているデータを光ピックアップが正確に読み取ることができなくなる。また、光ディスクから発生した振動によって再生部が常に振動している状態が長時間に亘ると、この断続的な振動によって再生部に備える光ピックアップや他の電子部品が破損してしまう虞がある。更に、光ディスクから発生した振動が、再生部6を介して筐体2にも伝達し、筐体2にも振動が発生してしまう。筐体2が振動することにより、光ディスク再生装置1の全体に振動が生じて不要な騒音を発生させてしまい、また、筐体2に備えるローダ駆動用モータ5、スライド駆動部15及び制御部等が振動により破損してしまう虞がある。
【0007】
本発明は、再生部を昇降することによって光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置において、偏荷重を有する光ディスクを再生させた場合でも光ディスクに記録されたデータを正確に再生することができ、また、不要な振動が生じてしまうことを防止することができる光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の請求項1記載の発明は、光ディスク再生装置において、筐体と、前記筐体の前面に開口する開口部と、光ディスクを載置するディスク載置部を備えるローダ部を備え前記開口部を介して当該ローダ部を前記筐体の外部から前記筐体の内部に移動させるローダ駆動手段と、前面に前方に突出するピンを備え前記ローダ駆動手段によって前記筐体の内部に移動された光ディスクに記録されたデータを再生する再生部と、前記ピンを挿入し前方に突出する突出部と、弾性体を備え前記再生部の後方部分を当該弾性体により保持する弾性保持手段と、前記突出部を挿入し前記突出部が上下方向に移動可能な長孔部を備える保持部と、左右方向に対して上下に傾斜する傾斜溝を備えると共に当該傾斜溝の左右の一端にそれぞれ連通し水平方向に長孔を有する水平溝を備え前記突出部が当該傾斜溝または当該水平溝に挿入され左右方向にスライド可能なスライド部と、前記スライド部を左右方向にスライドさせるスライド駆動部とを備え、前記突出部は、弾性体により形成され前記ピンを挿入し後端に前記長孔部の水平方向の内径より大きい外径を形成する鍔部を備える弾性部と、前記弾性部の前方部分を挿入し後端に前記長孔部の水平方向の内径より大きい外径を形成する鍔部を備えるキャップ部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、再生部を昇降することによって光ディスクに記録されたデータを再生する光ディスク再生装置において、偏荷重を有する光ディスクを再生させた場合でも光ディスクに記録されたデータを正確に再生することができ、また、不要な振動が生じてしまうことを防止することができる光ディスク再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、従来技術で示した構成要素と同一の部分については同符号を用いる。
【0011】
図1は、本発明の一実施例の光ディスク再生装置を示す上面図である。
光ディスク再生装置1は、筐体2、ローダ部3、案内部4、ローダ駆動用モータ5、再生部6、突出部7、ゴムブッシュ8、ベース部10、保持部11、スライド部12、スライド案内部13、スライド駆動部15、後述するクランパ、スプリング及び図示しない制御部を備える。
図1においては、下方を光ディスク再生装置1の前方とする。
【0012】
筐体2は、箱型を形成し、前面に開口部201を備える。ローダ部3は、平板であって、中央部分にディスク載置部301を備える。ディスク載置部301は、上面に図示しない光ディスクを載置可能な凹部302を備え、凹部302の中央部分に孔303を備える。ローダ部3の左右部分の下面にはそれぞれ下方に突出する凸部304を備え、上方から見て左側の凸部304の内側にはラックギヤ305を備える。
【0013】
案内部4は、ローダ部3の左右の側面に近接した位置にそれぞれ配設された状態で筐体2に固定される。ローダ部3は、左右の側面に案内部4が近接していることによって、左右方向への移動が抑止され、筐体2に対して前後方向にのみ移動可能となる。ローダ駆動用モータ5は、回転軸にピニオン501を備え、このピニオン501は、ラックギヤ305に噛合っている。ローダ駆動用モータ5は、制御部の制御によりピニオン501を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させる。ローダ部3は、ローダ駆動用モータ5のピニオン501が時計回り方向又は反時計回り方向に回転することによって、ピニオン501に噛合ったラックギヤ305が前後方向に移動し、開口部201を介して筐体2の前方と筐体2内部との間を自在にスライドする。
【0014】
再生部6は、筐体2の内部に配設され、前面に前方に突出した2つのピン605を備える。再生部6は、後方部分の左右部分にそれぞれ孔608を備える。ゴムブッシュ8は、外周部分に溝を備え、当該溝に孔608の内壁部分を挿入することにより孔608に保持される。再生部6は、上面にターンテーブル601、スピンドルモータ602、光ピックアップ603及びピックアップ駆動部604を備える。
【0015】
ターンテーブル601は、ローダ部3によって筐体2の内部に搬送された光ディスクを保持する。スピンドルモータ602は、制御部の制御によりターンテーブル601を回転させる。ピックアップ駆動部604は、制御部の制御により、スピンドルモータ602の軸方向に光ピックアップ603をスライド駆動させる。光ピックアップ603は、光ディスクに記録されたオーディオデータを読み取る。
【0016】
保持部11は、下面が筐体2に固定され、再生部6の前方となる位置に配設される。スライド部12は、保持部11の前方となる位置に配設される。
【0017】
図2は、保持部11及びスライド部12の構成を示す図で、図2(a)は保持部11を示す正面図、図2(b)は保持部11とスライド部12の構成を示す正面図である。
【0018】
図1及び図2(a)に示すように、保持部11は、薄い板状を成し、前後に貫通し長手方向が上下方向である2つの長孔部111を備える。2つの長孔部111は、再生部6の前面に備える2つのピン605がそれぞれ貫通した状態となる。
【0019】
図1及び図2(b)に示すように、スライド部12は、下方部分が前方に突出したL字型を形成し、前方部分に歯部121を備える。スライド部12は、前後方向に貫通し前方から見て右側方向に亘って上方に傾斜した2つの傾斜溝122を備え、この傾斜溝122の両端部分にはそれぞれ当該傾斜溝122に連通し水平方向に長孔を有する水平溝123及び水平溝124を備える。
【0020】
スライド案内部13は、下方に凹部131を備え、両端が筐体2に固定される。スライド案内部13の凹部131には、スライド部12の下方部分の前方に突出した部分が挿入された状態となり、スライド部12の上下方向への移動を抑止する。
【0021】
スライド部12は、スライド案内部13によって上下方向への移動を抑止されることから、スライド案内部13及び筐体2に狭持された状態となり、この結果、左右方向にスライド可能となる。
【0022】
図1に示すように、スライド駆動部15は、モータ151、ウォーム152、ウォームホイール153、プーリ156及びベルト157を備える。モータ151は、筐体2に固定され、図示しない制御部の制御によってウォーム152を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させる。ウォームホイール153は、ウォーム152と噛合った状態で筐体2に軸支される。ウォームホイール153は、同軸上にプーリ154を備える。ウォーム152に噛合ったウォームホイール153は、ウォーム152が回転することにより回転する。ベルト157は、プーリ154とプーリ156との間に掛架され、ウォームホイール153の回転力をプーリ156に伝達する。プーリ156は、同軸上にピニオン155を備え、このピニオン155は、スライド部12の歯部121と噛合っている。ピニオン155は、ウォーム152の回転力がウォームホイール153、プーリ154及びベルト157を介してプーリ156に伝達され、回転することによって、噛合ったスライド部12の歯部121を右方向または左方向にスライドさせる。
【0023】
この構成により、スライド駆動部15は、モータ151が時計回り方向または反時計回り方向に回転することによって、スライド部12を右方向または左方向にスライドさせる。
【0024】
図3は、突出部7、ゴムブッシュ8及びスプリング9の構成を示す図で、図2(a)は図1に示す突出部7のA−A断面図、図2(b)は図1に示すゴムブッシュ8及びその周辺部分のB−B断面図である。
【0025】
図3(a)に示すように、突出部7は、弾性部70、キャップ部71及びEリング72を備える。弾性部70は、円柱形を形成したゴム部材であり、中心部分には前後方向に貫通する孔701を備え、後端部分に鍔部702を備える。
【0026】
キャップ部71は、後方に開口した円筒形を形成した硬質な鉄鋼部材またはプラスチック部材から成り、中心部分には前後方向に貫通する孔711を備え、後端部分に鍔部712を備える。
【0027】
弾性部70は、孔701に再生部6のピン605が挿入され、また、キャップ部71が前方部分に挿入された状態となる。このとき、ピン605は、孔701及び孔711から前方に突出する長さに配設され、先端部分に外径が孔711の内径より大きい外径を有するEリング72がはめ込まれることにより、弾性部70及びキャップ部71を保持した状態となる。
【0028】
このように、突出部7は、キャップ部71が被せられた弾性部70の孔701がピン605に挿入され、ピン605の先端部分にEリング72がはめ込まれた状態で保持部11の長孔部111及びスライド部12の水平溝124に挿入した状態となる。このとき、弾性部70の鍔部702及びキャップ部71の鍔部712は、保持部11の長孔部111の水平方向の内径より大きい外径に配設される。
【0029】
図3(b)に示すように、ベース部10の上面には、スプリング9の下面が図示しない接着剤により固定されスプリング9の上面には図示しない接着剤によって、孔608に保持されたゴムブッシュ8が固定されている。これにより、再生部6は、ゴムブッシュ8及びスプリング9によって保持された状態となり、ゴムブッシュ8及びスプリング9の弾性により再生部6を保持する弾性保持手段となる。
【0030】
図4は、ローダ部3によって光ディスクを筐体2の内部にローディングした場合における再生部6とスライド部12の動作の過程を説明する図で、図4(a)はローダ部3によって光ディスクを筐体2の内部にローディングした後の状態を示す正面図、図4(b)は図4(a)の側面図、図4(c)は図3(a)及び図4(b)の状態からスライド部12を前方から見て左方向にスライドした状態を示す正面図、図4(d)は図4(c)の側面図である。
【0031】
図5は、ローダ部3によって光ディスクを筐体2の内部にローディングした場合における再生部6とスライド部12の動作の過程を説明する図で、図5(a)は図4(c)及び図4(d)の状態からスライド部12を前方から見て更に左方向にスライドした状態を示す正面図、図5(b)は図5(a)の側面図である。
【0032】
図1に示すように、筐体2の前方にスライドしたローダ部3の凹部302に光ディスク20が載置された状態で、図示しない指示釦によって制御部にローディング指示信号が入力されると、制御部は、ローダ部3を筐体2の内部にスライドするようローダ駆動用モータ5を制御する。ローダ駆動用モータ5は、ピニオン501を回転させ、図4(b)に示すように、光ディスク20を載置したローダ部3を筐体2の内部にスライドする。このとき、図4(a)に示すように、再生部6に保持された突出部7は、水平溝124に挿入された状態となる。
【0033】
図4(a)及び図4(b)の状態から図示しない指示釦によって制御部に再生指示信号が入力されると、制御部は、図1に示すモータ151を回転させ、スライド駆動部15がスライド部12を前方から見て左方向にスライドするよう制御する。スライド駆動部15は、制御部の制御により、モータ151を回転させ、ウォーム152、ウォームホイール153及びベルト157を介してピニオン155を回転させ、このピニオン155に噛合ったスライド部12の歯部121を左方向にスライドさせる。すると、図4(c)及び図4(d)に示すように、保持部11の長孔部11に挿入され左右方向への移動を抑止された突出部7は、スライド部12の傾斜溝122の内壁を右方向に移動しながら保持部11の長孔部111の内壁を上方に移動する。再生部6は、後方部分の左右の孔608がゴムブッシュ8及びスプリング9に保持されていることから、突出部7が上方に移動することによって、孔608を軸として上昇する。
【0034】
そして、更にスライド部12が左方向にスライドすると、図5(a)及び図5(b)に示すように再生部6が孔608を軸として更に上昇し、ターンテーブル601が、筐体2の内部に搬送された光ディスク20の孔21に挿入される。制御部は、ターンテーブル601が光ディスク20の孔21に挿入された後、クランパ16を降下させるよう制御を行う。光ディスク20は、クランパ16が降下することによって、ターンテーブル601とクランパ16によって孔21が狭持される。
【0035】
ターンテーブル601は、制御部の制御により光ディスク20を回転させる。光ピックアップ603は、図1に示すピックアップ駆動部604により光ディスク20の径方向にスライドし、光ディスク20に記録されているデータを読み取る。光ピックアップ603により読み取られたデータは、図示しないデータ再生回路によって再生される。
【0036】
図5(a)及び図5(b)に示すように、光ディスク20をターンテーブル601によって回転させ、光ディスク20に記録されたデータを再生する場合、図1に示すように、再生部6は、後方がゴムブッシュ8及びスプリング9によって保持された状態となり、前方がスライド部12の水平溝123に突出部7が挿入した状態となる。
【0037】
図6は、図5(a)及び図5(b)に示すように、再生部6が上昇した状態における保持部11、スライド部12、ピン605及び突出部7を示す側面図である。
【0038】
図5(a)及び図5(b)に示すように、図1に示すスライド駆動部15によってスライド部12が左方向にスライドした状態のとき、ピン605に保持された突出部7は、保持部11の長孔部111の上端に位置すると共に、傾斜溝122に連通した水平溝123に挿入された状態となり、また、孔608はゴムブッシュ8及びスプリング9を介してベース部10に保持された状態となる。このため、例えば、再生部6によって再生する光ディスク20が偏荷重を有しており、偏荷重を有する光ディスク20をターンテーブル601によって回転させることによって光ディスク20が水平方向又は上下方向に振動しても、突出部7の弾性部70とゴムブッシュ8及びスプリング9が、ぞれぞれの弾性力により、再生部6の振動を抑制し、また、再生部6の振動が筐体2に伝達するのを抑制する。このとき、弾性部70及びキャップ部71の後端部分にそれぞれ鍔部702及び鍔部712を備えることにより、例えば、再生部6が前後方向に振動した場合でも、再生部6の前面と保持部11の後面が当接してしまい、再生部6の振動が保持部11に伝達してしまうのを防止することができる。
【0039】
このことにより、偏荷重を有する光ディスク20から発生した振動によって、再生部6が不要に振動してしまい、光ディスクに記録されているデータを光ピックアップが正確に読み取ることができなくなったり、光ディスクから伝達される断続的な振動によって再生部に備える光ピックアップや他の電子部品が破損してしまうことを防止することができる。また、光ディスクから発生した振動が、再生部6を介して筐体2にも伝達し、光ディスク再生装置1の全体に振動が生じて不要な騒音を発生させてしまい、また、筐体2に備えるローダ駆動用モータ5、スライド駆動部15及び制御部等が振動により破損してしまうことを防止することができる。
【0040】
以上のように、本実施例の光ディスク再生装置は、偏荷重を有する光ディスク20から振動が発生しても、突出部7に備える弾性部70の弾性力と、ゴムブッシュ8及びスプリング9の弾性力によって、再生部6の不要な振動を抑制し、また、筐体2に不要な振動が生じてしまうことを防止することができる。また、本実施例の光ディスク再生装置は、振動を抑止するための弾性部70をピン605とキャップ部71との間に介在させることにより、例えば、偏荷重を有する光ディスク20から発生する振動を抑止するための弾性部材を保持部11及びスライド部12と筐体2との間に備えるような従来の光ディスク再生装置の構成と比較して、装置全体の容積を小さくすることができる。このため、光ディスク再生装置の容積を前述した弾性部材を保持部11及びスライド部12と筐体2との間に備えるような従来の光ディスク再生装置より小さくすることがでる。
【0041】
本実施例の光ディスク再生装置は、再生部6の後方を弾性保持する手段として、再生部6の後方にゴムブッシュ8及びスプリング9を備える構成としたが、再生部6の後方の左右側面からそれぞれ水平方向に軸を突出させ、この軸を筐体に固定させた軸受けが軸支するようにして再生部6を昇降させる構成としても良い。この場合、軸受け部分に弾性部材を介在される構成とすれば、偏荷重を有する光ディスク20から発生した振動による再生部6の不要な振動を抑制し、また、筐体2に不要な振動が生じてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施例の光ディスク再生装置を示す上面図。
【図2】保持部11及びスライド部12の構成を示す図で、図2(a)は保持部11を示す正面図、図2(b)は保持部11とスライド部12の構成を示す正面図。
【図3】突出部7、ゴムブッシュ8及びスプリング9の構成を示す図で、図2(a)は図1に示す突出部7のA−A断面図、図2(b)は図1に示すゴムブッシュ8及びその周辺部分のB−B断面図。
【図4】ローダ部3によって光ディスクを筐体2の内部にローディングした場合における再生部6とスライド部12の動作の過程を説明する図。
【図5】ローダ部3によって光ディスクを筐体2の内部にローディングした場合における再生部6とスライド部12の動作の過程を説明する図。
【図6】図5(a)及び図5(b)に示すように、再生部6が上昇した状態における保持部11、スライド部12、ピン605及び突出部7を示す側面図。
【符号の説明】
【0043】
1 光ディスク再生装置、2 筐体、201 開口部、
3 ローダ部、301 ディスク載置部、302 凹部、303 孔、
304 凸部、305 ラックギヤ、
4 案内部、5 ローダ駆動用モータ、501 ピニオン、
6 再生部、601 ターンテーブル、602 スピンドルモータ、
603 光ピックアップ、604 ピックアップ駆動部、605 ピン、608 孔、
7 突出部、70 弾性部、701 孔、702 鍔部、
71 キャップ部、711 孔、712 鍔部、72 Eリング、
8 ゴムブッシュ、9 スプリング、10 ベース部、
11 保持部、111 長孔部、
12 スライド部、121 歯部、122 傾斜溝、123 水平溝、124 水平溝、
13 スライド案内部、131 凹部、
15 スライド駆動部、151 モータ、152 ウォーム、153 ウォームホイール、
154 プーリ、155 ピニオン、156 プーリ、157 ベルト、
16 クランパ、20 光ディスク、21 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の前面に開口する開口部と、
光ディスクを載置するディスク載置部を備えるローダ部を備え前記開口部を介して当該ローダ部を前記筐体の外部から前記筐体の内部に移動させるローダ駆動手段と、
前面に前方に突出するピンを備え前記ローダ駆動手段によって前記筐体の内部に移動された光ディスクに記録されたデータを再生する再生部と、
前記ピンを挿入し前方に突出する突出部と、
弾性体を備え前記再生部の後方部分を当該弾性体により保持する弾性保持手段と、
前記突出部を挿入し前記突出部が上下方向に移動可能な長孔部を備える保持部と、
左右方向に対して上下に傾斜する傾斜溝を備えると共に当該傾斜溝の左右の一端にそれぞれ連通し水平方向に長孔を有する水平溝を備え前記突出部が当該傾斜溝または当該水平溝に挿入され左右方向にスライド可能なスライド部と、
前記スライド部を左右方向にスライドさせるスライド駆動部とを備え、
前記突出部は、弾性体により形成され前記ピンを挿入し後端に前記長孔部の水平方向の内径より大きい外径を形成する鍔部を備える弾性部と、前記弾性部の前方部分を挿入し後端に前記長孔部の水平方向の内径より大きい外径を形成する鍔部を備えるキャップ部とを備えることを特徴とする光ディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−86599(P2010−86599A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254215(P2008−254215)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】