説明

光ディスク装置及びその制御方法

【課題】対物レンズアクチュエータの設計負担を低減しつつ、対物レンズをトラッキング方向へ駆動する際に発生するACチルトを抑制可能な光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスク装置1の制御部6は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を行う際に、対物レンズ(光ピックアップ4に備えられる)のトラッキング方向の駆動を制御するトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号によって、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録される情報を再生したり、光ディスクに情報を記録したりする際に使用される光ディスク装置に関し、詳細には光ディスク装置が備える対物レンズアクチュエータにおいて発生するACチルトを抑制する制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスクを回転駆動して、光ディスクの情報を再生したり、光ディスクに情報を記録したりする光ディスク装置が普及している。この光ディスク装置は、光ディスクに光を照射するとともに光ディスクで反射された戻り光(反射光)を検出する光ピックアップを備え、この光ピックアップを用いて情報の読み取りや書き込みを行うようになっている。なお、光ディスク装置は、光ピックアップから出力される信号を処理することによって、再生信号やサーボ制御を行うための信号(例えばフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号等)を生成するように構成されている。
【0003】
光ピックアップには、光源から出射される光を光ディスクの情報記録面に集光できるように対物レンズが備えられている。この対物レンズは、フォーカスサーボ制御やトラッキングサーボ制御が可能となるように、対物レンズアクチュエータによって少なくともフォーカス方向やトラッキング方向に移動可能とされる。
【0004】
ここで、フォーカス方向とは光ディスクの情報記録面と略直交する方向であり、トラッキング方向とは光ディスクの半径方向と略平行な方向である。また、フォーカスサーボ制御とは対物レンズの焦点位置が常に情報記録面に合うように行う制御のことを指し、トラッキングサーボ制御とは対物レンズによって集光された光スポットが光ディスクのトラックに常に追随するように行う制御のことを指している。
【0005】
対物レンズアクチュエータの構成として、従来、いわゆるワイヤ方式のものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。このワイヤ方式の対物レンズアクチュエータは、対物レンズを保持するレンズホルダが、一端を固定部に固定されるワイヤによって揺動可能に片持ち支持された構成となっている。そして、レンズホルダに固定されるコイルと、対物レンズアクチュエータを構成するベースに固定される磁石と、で構成される磁気回路によって、レンズホルダがフォーカス方向やトラッキング方向に移動可能となるように構成される。
【0006】
このように構成されるワイヤ方式の対物レンズアクチュエータにおいては、レンズホルダの重心と、レンズホルダをトラッキング方向に駆動する際に発生される駆動力の作用点とが高さ方向(フォーカス方向)にずれることが原因となって、ローリングによるACチルトが発生することが従来知られている(例えば特許文献1参照)。ACチルトが発生して対物レンズが傾くと、光学的な収差が発生して光ディスク装置の再生品質や記録品質が劣化するために問題となる。
【0007】
従来においては、例えばレンズホルダのバランス設計の最適化、ローリング周波数(ねじれ共振周波数)の最適化といった対物レンズアクチュエータの設計を最適化することによって、上述のACチルトの発生を抑制するようにしていた。また、特許文献1に示すように、対物レンズのラジアル方向(半径方向)の傾き(或いは対物レンズの傾きに関する情報)を検出する検出制御手段によって、チルト用コイル(対物レンズを傾かせるためのコイル)への補正用電流を制御してACチルトを低減するといったことを行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−22552号公報
【特許文献2】特開2007−305243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、近年においては、光ディスク装置は、例えばBD(ブルーレイディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)等の複数種類の光ディスクに対して対応可能に設けられるのが一般的である。このような光ディスク装置では、一般に、光ディスクの種類によってワーキングディスタンス(対物レンズの先端と光ディスクとの間の距離)が異なる。このために、いずれの光ディスクを再生等する場合においても上述のACチルトを抑制できるように、レンズホルダのバランス設計を最適化するのは容易でない。
【0010】
また、近年においては光ディスクの回転周波数が高速化する傾向にあり、上述のACチルトを抑制できるようにローリング周波数を最適化するのも容易ではない。すなわち、対物レンズアクチュエータの設計を最適化することによって上述のACチルトを発生させないようにするのは容易ではない。
【0011】
また、特許文献1に開示される構成では、例えば光ディスクの再生中に、検出制御手段によって対物レンズの傾きを監視する必要がある。このために、対物レンズの傾きを検出する装置が必要となってコスト面等において不利である。その他、対物レンズの傾きを検出する装置を新たに導入しない場合でも、対物レンズの傾きに関する情報を検出しながらチルト用コイルに補正電流を流して対物レンズの傾き制御を行う構成であり、制御動作の負担を考えると更なる工夫が望まれる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、対物レンズアクチュエータの設計負担を低減しつつ、対物レンズをトラッキング方向へ駆動する際に発生するACチルトを抑制可能な光ディスク装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、対物レンズをトラッキング方向へ駆動する際に発生するACチルトをなるべく簡単な制御動作で抑制できる光ディスク装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、光源から出射された光を対物レンズによって光ディスクの情報記録面に集光するとともに、該光ディスクで反射された反射光を受光部で受光する光ピックアップと、前記光ピックアップに含まれ、前記対物レンズをフォーカス方向、トラッキング方向及びチルト方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータと、前記受光部から出力される信号に基づいて前記対物レンズアクチュエータの駆動を制御する制御部と、を備える光ディスク装置であって、前記制御部は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を行う際に、前記対物レンズのトラッキング方向の駆動を制御するトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号によって、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することを特徴としている。
【0014】
トラッキングドライブ信号によって対物レンズをトラッキング方向に駆動させることによってACチルトは発生する。この点、本構成では、対物レンズのチルト方向の駆動を制御するチルトドライブ信号がACチルトの発生原因となるトラッキングドライブ信号と同期する構成であるために、チルトドライブ信号をACチルトによる対物レンズの傾きを打ち消すように与えられる。このため、本構成によれば、対物レンズをトラッキング方向へ駆動する際に発生するACチルトを抑制可能である。そして、チルト方向の駆動制御によりACチルトを抑制する構成であるために、対物レンズアクチュエータの設計負担を低減可能である。
【0015】
上記構成の光ディスク装置において、線速度一定となるように光ディスクの回転制御が行われ、前記制御部は、光ディスクの半径方向に移動する前記光ピックアップの位置によって前記チルトドライブ信号の設定条件を変化させることとしてもよい。
【0016】
光ディスクの回転制御を線速度一定となるように制御する場合、光ピックアップの位置によって光ディスクの回転周波数が変化する。ACチルトの発生量は周波数に依存するために、本構成のように、光ピックアップの位置によって(すなわち、光ディスクの回転周波数によって)チルトドライブ信号の設定条件を変化させることにより、適切なACチルト抑制が可能となる。
【0017】
このように光ピックアップの位置によって前記チルトドライブ信号の設定条件を変化させる構成においては、前記制御部は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を開始する前に、前記光ピックアップを複数の位置に配置して、前記複数の位置の各々において再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて前記チルトドライブ信号の最適設定条件を決定し、決定された複数の前記チルトドライブ信号の最適設定条件に基づいて、前記光ピックアップの各位置における前記チルトドライブ信号の最適設定条件を求め、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を行う際には、先に求められた前記光ピックアップの各位置における前記チルトドライブ信号の最適設定条件に基づいて、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することとしてもよい。
【0018】
上記構成の光ディスク装置において、前記制御部は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を開始する前に、再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて前記チルトドライブ信号の最適設定条件を決定するのが好ましい。本構成によれば、光ディスクの再生及び/又は記録の開始前にチルトドライブ信号の最適設定条件を決定することにより、その後は決定した条件にしたがって対物レンズのチルト方向の駆動制御を行えるために、制御動作が複雑とならない。
【0019】
上記構成の光ディスク装置において、前記制御部は、前記チルトドライブ信号の設定条件が予め記憶された記憶部からデータを読み出して、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することとしてもよい。本構成によれば、光ディスクの再生や記録を開始するまでの時間を短縮しつつ、ACチルトを抑制することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するために本発明の光ディスク装置の制御方法は、光源から出射された光を対物レンズによって光ディスクの情報記録面に集光するとともに、該光ディスクで反射された反射光を受光部で受光する光ピックアップと、前記光ピックアップに含まれ、前記対物レンズをフォーカス方向、トラッキング方向及びチルト方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータと、を備える光ディスク装置の制御方法であって、再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて、前記対物レンズのトラッキング方向の駆動を制御するトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号の最適設定条件を取得するステップと、先に取得された前記最適設定条件にしたがって前記チルトドライブ信号による、前記対物レンズのチルト方向の駆動制御を行うステップと、を備えることを特徴としている。
【0021】
本構成の光ディスク装置の制御方法によれば、対物レンズのチルト方向の駆動を制御するチルトドライブ信号がACチルトの発生原因となるトラッキングドライブ信号と同期する構成であるために、チルトドライブ信号をACチルトによる対物レンズの傾きを打ち消すように与えられる。そして、チルトドライブ信号による対物レンズのチルト方向の駆動制御は、事前に決定した条件にしたがって行われるために、制御動作が複雑とならない。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、対物レンズをトラッキング方向へ駆動する際に発生するACチルトを抑制して光ディスクの再生や記録を行えるために、再生品質や記録品質の向上を図れる。また、制御動作によってACチルトを抑制できるために、いわゆるワイヤ方式の対物レンズアクチュエータの設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図
【図2】本実施形態の光ディスク装置に備えられる光ピックアップについて説明するための平面図
【図3】本実施形態の光ディスク装置が備える対物レンズアクチュエータの構成を示す概略斜視図
【図4】本実施形態の対物レンズアクチュエータが備えるコイルの構成を示す概略斜視図
【図5】本実施形態の光ディスク装置において、対物レンズをトラッキング方向に駆動する際に発生するACチルトの特性を示すグラフ
【図6】本実施形態の光ディスク装置において、対物レンズをトラッキング方向に駆動する際にレンズホルダがローリングする様子を示す模式図
【図7】本実施形態の光ディスク装置におけるACチルトを抑制するための制御動作を示すフローチャート
【図8】本実施形態の光ディスク装置において、所定の位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件を決定するための制御動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の光ディスク装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(光ディスク装置の構成)
図1は、本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施形態の光ディスク装置に備えられる光ピックアップについて説明するための平面図である。なお、図2には光ディスクDを破線で示しているが、光ディスクDは光ピックアップ4の上部(図2において、紙面手前側)に位置している。
【0026】
図1に示すように、本実施形態の光ディスク装置1はスピンドルモータ2を有する。このスピンドルモータ2は、その出力軸2aが光ディスクDを着脱自在に保持するターンテーブル3(図2参照)に連結されている。このため、スピンドルモータ2を駆動させることによって、ターンテーブル3に保持された光ディスクDを回転させることができる。このスピンドルモータ2の駆動制御は、スピンドルモータ駆動回路11を用いて行われる。光ディスク装置1においては、光ディスクDの回転は線速度が一定となるように制御(CLV(Constant Linear Velocity)制御)される。
【0027】
また、光ディスク装置1には、光ディスクDに記録される情報を読み取ったり、光ディスクDに情報を書き込んだりするために用いられる光ピックアップ4が備えられる。光ピックアップ4は、例えばレーザダイオードで構成される図示しない光源を有する。光ディスク装置1によって再生や記録を行うことが可能な光ディスクDの種類に対応して、光源から出射される光(レーザ光)の波長の種類が適宜決められる。例えば、光ディスク装置1が、BD、DVD、CDの3種類の光ディスクに対応する場合には、405nm帯の波長のレーザ光、650nm帯の波長のレーザ光、及び780nm帯の波長のレーザ光が出射可能な構成とされる。光ピックアップ4が有する光源の駆動制御は、レーザ駆動回路12を用いて行われる。
【0028】
また、光ピックアップ4は、上記光源から出射された光を光ディスクDの情報記録面RS(図1参照)に集光する対物レンズ41と、情報記録面RSで反射された反射光を受光する受光部(図示せず)と、を備えている。受光部は、受光した光信号を電気信号に変換する光電変換手段である。その他、光ピックアップ4には、各種レンズや収差を補正するための収差補正手段等が適宜設けられる。なお、本実施形態では、光ピックアップ4は1つの対物レンズ41のみを有する構成としているが、光ディスクDの種類によって使い分けられる複数の対物レンズを有する構成としても勿論構わない。
【0029】
光ピックアップ4は、光ディスクDの半径方向(ラジアル方向)と略平行な方向に延びる2本のガイドレール10に沿って摺動可能となっている。また、光ピックアップ4のラジアル方向への移動は図示しないスレッドモータの駆動によって可能となっている。これにより、光ピックアップ4はラジアル方向に自在に移動し、光ディスクDの任意のアドレスに適宜アクセスすることができる。なお、スレッドモータの駆動制御は、スレッドモータ駆動回路13を用いて行われる。
【0030】
また、光ピックアップ4が有する対物レンズ41は、いわゆる、ワイヤ方式の対物レンズアクチュエータ(後述の図3及び図4に示す)によって、フォーカス方向、トラッキング方向及びチルト方向に移動可能となっている。なお、フォーカス方向とは、光ディスクDの情報記録面RSに略直交する方向である。また、トラッキング方向とはラジアル方向に略平行な方向である。また、チルト方向とは、フォーカス方向とトラッキング方向とに直交する軸の軸周り方向である。
【0031】
ここで、図3及び図4を参照して、光ピックアップ4が備える対物レンズアクチュエータ5の構成について説明する。図3は、本実施形態の光ディスク装置が備える対物レンズアクチュエータの構成を示す概略斜視図である。図4は、本実施形態の対物レンズアクチュエータが備えるコイルの構成を示す概略斜視図である。
【0032】
対物レンズアクチュエータ5は、光ピックアップ4を構成するピックアップベースに搭載される強磁性のアクトベース51と、対物レンズ41を保持するレンズホルダ52と、を備える。なお、光ピックアップが複数の対物レンズを有する構成とする場合には、このレンズホルダに複数の対物レンズが保持される構成とすればよい。
【0033】
アクトベース51上には、レンズホルダ52を挟むようにタンジェンシャル方向(フォーカス方向Fとトラッキング方向Tとの両方に垂直な方向)に対称配置された、一対の永久磁石53が立設されている。なお、対物レンズアクチュエータ5においては、永久磁石53によって作られる磁束を効率良く利用するために、アクトベース51を折曲形成して得られるヨーク57が永久磁石53の外面側に磁着されている。
【0034】
レンズホルダ52には、片側に3本ずつ、両側で計6本となるワイヤ54の各一端が固定されている。各ワイヤ54の他端は、アクトベース51上に立設される回路基板55に固定され、これにより、レンズホルダ52はワイヤ54によって片持ち支持された状態となり、アクトベース51に対して揺動可能となっている。
【0035】
なお、アクトベース51のレンズホルダ52の下側に当る部分には図示しない貫通穴が形成されており、光源から出射された光がレンズホルダ52に保持される対物レンズ41に入射されるようになっている。また、回路基板55に並設してゲルホルダ56が設けられており、その一端がレンズホルダ52に固定されるワイヤ54は、一部がゲルホルダ56のゲル材充填部56aに挿通された状態で、回路基板55に他端を固定されている。ゲル材充填部56aに充填されるゲル材は、対物レンズアクチュエータ5の駆動に応じてワイヤ34に生じた振動を減衰する役目を果たす。
【0036】
また、レンズホルダ52には、レンズホルダ52の内部側壁に沿って対物レンズ41の光軸を取り巻くように配置されるフォーカスコイル521(図4参照)と、レンズホルダ52の2つの外部側壁(永久磁石53と対向する側壁)の対称位置に、それぞれ2つずつ配置される4つのトラックコイル522(図3及び図4参照)と、レンズホルダ52の内部であってフォーカスコイル521の下部側に、対称的に配置される2つのチルトコイル523と、が取り付けられている。これらのコイル521〜523はいずれも略矩形状に巻回され、ワイヤ34を介して電流が供給されるようになっている。
【0037】
フォーカスコイル521に電流が流れると、永久磁石53によって作られる磁界との電磁気的な作用によって、電流が流れる向き及び電流の大きさに応じて、対物レンズ41はレンズホルダ52と共にフォーカス方向Fに移動する。同様に、トラックコイル522に電流が流れると、その向き及び大きさに応じて、対物レンズ41はレンズホルダ52と共にトラッキング方向Tに移動する。
【0038】
また、チルトコイル523に電流が流れると、その向き及び大きさに応じて、対物レンズ41は、レンズホルダ52と共にフォーカス方向F及びトラッキング方向Tに直交する軸(図3に破線で示す)の軸回り方向Rに回転する。この回転によって、対物レンズ41のラジアル方向の傾き(チルト)調整が可能となる。
【0039】
図1に戻って、再生RF信号生成回路14は、光ピックアップ4の受光部から出力される信号に基づいて再生RF信号を生成し、生成された再生RF信号を制御装置6へと出力する。FE信号生成回路15は、光ピックアップ4の受光部から出力される信号に基づいて、例えば非点収差法等の公知の手法によってフォーカスエラー信号(FE信号)を生成し、生成されたFE信号を制御装置6へと出力する。また、TE信号生成回路16は、光ピックアップ4の受光部から出力される信号に基づいて、例えばPP(Push-Pull)法やDPP(Differential Push-Pull)法等の公知の手法によってトラッキングエラー信号(TE信号)を生成し、生成されたTE信号を制御装置6へと出力する。
【0040】
制御装置6はマイクロコンピュータによって構成され、光ディスク装置1を構成する各部が実行すべき動作に応じて適宜制御処理を実行したり、また、制御に必要となる演算処理を実行したりする。制御装置6はROM611(Read Only Memory)及びRAM612(Random Access Memory)からなる記憶部61を備える。ROM611には、制御装置6が各種処理を行う上で必要となる各種のパラメータや動作プラグラムが記憶されている。RAM612はワーク領域として用いられ、また、各種必要な情報の格納領域とされる。
【0041】
制御装置6には信号処理部62が含まれる。この信号処理部62によって再生RF信号の復号化処理が行われ、インターフェース7を介して外部に再生データの出力が行われる。また、信号処理部62は、インターフェース7を介して外部から入力されたデータを符号化する処理を行う。符号化処理されたデータは、制御装置6の制御の下、光ピックアップ4を動作させることにより、光ディスクDに書き込まれる(記録される)。
【0042】
制御装置6にはサーボ処理部63が含まれる。このサーボ処理部63は、フォーカスサーボ制御を行うためにFE信号に基づいてフォーカスドライブ信号を生成したり、トラッキングサーボ制御を行うためにTE信号に基づいてトラッキングドライブ信号を生成したりする。制御装置6は、得られたフォーカスドライブ信号及びトラッキングドライブ信号によって、対物レンズアクチュエータ駆動回路17を介して対物レンズアクチュエータ5を制御しサーボ制御を行う。
【0043】
また、サーボ処理部63は、光ピックアップ4をラジアル方向に移動させるために用いられるスレッドモータを駆動するための制御信号も生成する。制御装置6は、生成された制御信号によってスレッドモータ駆動回路13を介してスレッドモータを制御する。
【0044】
制御装置6にはチルト制御条件設定部64が含まれる。このチルト制御条件設定部64は、対物レンズアクチュエータ5によって対物レンズ41をトラッキング方向Tに駆動する際に発生するACチルト(対物レンズアクチュエータ5のローリング特性に起因する)を抑制するためのチルトドライブ信号の条件設定を行う。ここで言うチルトドライブ信号は、対物レンズ41のチルト方向の駆動を制御する信号のことである。制御装置6は、チルト制御条件設定部64によって設定された条件のチルトドライブ信号によって、対物レンズアクチュエータ駆動回路15を介して対物レンズアクチュエータ5のチルト方向の駆動制御を行う。
【0045】
(ACチルト抑制制御)
次に、以上のように構成される光ディスク装置1における、ACチルト(対物レンズ41をトラッキング方向Tに駆動する際に発生する)を抑制するための制御動作の詳細について説明する。
【0046】
まず、光ディスク装置1が備える対物レンズアクチュエータ5において、対物レンズ41をトラッキング方向Tに駆動する際に発生するACチルトについて、図5及び図6を参照して簡単に説明しておく。図5は、本実施形態の光ディスク装置において、対物レンズをトラッキング方向に駆動する際に発生するACチルトの特性を示すグラフである。図6は、本実施形態の光ディスク装置において、対物レンズをトラッキング方向に駆動する際にレンズホルダがローリングする様子を示す模式図である。
【0047】
図5においては、対物レンズ41(レンズホルダ52に保持される)をトラッキング方向Tに所定量変位させる場合の駆動周波数と、対物レンズ41のチルト角度との関係が示されている。図5に示すように、ACチルトの発生量は周波数に依存し、特定の周波数範囲で特に大きくなるのがわかる。また、対物レンズ41(レンズホルダ52)のフォーカス方向Fの位置によってACチルトの発生量が異なるのがわかる。なお、図5において、(a)は対物レンズ41がフォーカス方向Fに沿って光ディスクDから離れる方向に所定量オフセットした状態を示し、(b)は対物レンズ41がフォーカス方向Fにオフセットしていない状態を示し、(c)は対物レンズ41がフォーカス方向Fに沿って光ディスクDに近づく方向に所定量オフセットした状態を示す。
【0048】
図6に示すように、対物レンズ41を保持するレンズホルダ52の重心Gと、レンズホルダ52をトラッキング方向Tに駆動する際に発生される駆動力の作用点fとが位置ずれしていると、対物レンズ41(レンズホルダ52)をトラッキング方向Tに駆動することによってローリングが起きてACチルトが発生する。本実施形態の光ディスク装置1では、図5に示すように、対物レンズ41(レンズホルダ52)のフォーカス方向Fの高さが高くなるにつれて上記重心Gと作用点fの位置ずれが大きくなり、ローリングによるACチルトの発生量が大きくなる構成となっている。
【0049】
ACチルトが大きく発生した状態では光学的な収差が発生するために、光ディスクDの再生品質、及び、光ディスクDへの記録品質が劣化してしまう。このために、本実施形態の光ディスク装置1では、チルトドライブ信号によって対物レンズ41のチルト方向の駆動を制御してACチルトを抑制し、上記再生品質等の劣化を抑制する構成となっている。
【0050】
なお、対物レンズアクチュエータ5によって対物レンズ41を傾けることができる方向と、対物レンズ41をトラッキング方向Tに駆動する際に発生するACチルトによって対物レンズ41が傾く方向とは、いずれもフォーカス方向とトラッキング方向とに垂直な軸の軸周り方向である。このために、ACチルトによる傾きと反対向きに対物レンズが傾くように対物レンズアクチュエータ5による対物レンズ41のチルト方向を制御することでACチルトを抑制できる。
【0051】
図7は、本実施形態の光ディスク装置におけるACチルトを抑制するための制御動作を示すフローチャートである。この図7を参照しながら、光ディスク装置1のACチルト抑制制御について説明する。
【0052】
光ディスク装置1の制御装置6(チルト制御条件設定部64)は、光ディスクDの再生や記録を開始する前に、ACチルトを抑制するためのチルトドライブ信号の設定条件を決定する。具体的には、まず、光ディスクDの回転を開始、及び、フォーカスサーボ制御を開始する(ステップS1)。次に、スレッドモータを駆動して、予め定められた第1の所定位置(記憶部61に記憶される)に光ピックアップ4を移動する(ステップS2)。この第1の所定位置は、例えば光ディスクDの内周側の或る位置とされる。
【0053】
光ピックアップ4を第1の所定位置に配置すると、その位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件を決定するための動作を行う(ステップS3)。このチルトドライブ信号の最適設定条件を決定するための動作は、図8に示すフローチャートに沿って行われる。
【0054】
ここで、図8を参照しながら、光ピックアップ4を第1の所定位置に配置した状態で、チルト制御条件設定部64がチルトドライブ信号の最適設定条件を決定するために行う制御動作について説明する。光ピックアップ4を第1の所定位置に配置すると(この時点でトラッキングサーボ制御動作は開始されている)、トラッキングドライブ信号に同期させたチルトドライブ信号による対物レンズ41のチルト方向の駆動制御を開始する(ステップS31)。
【0055】
ここで用いるチルトドライブ信号の設定条件(例えば信号振幅が挙げられる)は、予め記憶部61に記憶しておいた条件を用いるようにすればよい。また、トラッキングドライブ信号と同期されたチルトドライブ信号は、対物レンズ41をトラッキング方向Tに駆動した場合に発生するローリングによる傾き(ACチルト)を打ち消す向きとなるように与えられる。
【0056】
チルトドライブ信号による対物レンズ41のチルト方向の駆動制御を行った状態で、再生品質及び/又は記録品質の指標として使用できる所定の物理量(例えばRF信号の振幅、ジッタ、Itop(アイパターンの上端値)等)を取得する(ステップS32)。取得した物理量は記憶部61に記憶させておく。
【0057】
所定の物理量を取得すると、チルトドライブ信号の設定条件(例えば信号振幅)を変更して、ステップS31と同様に、トラッキングドライブ信号に同期させたチルトドライブ信号による対物レンズ41のチルト方向の駆動制御を開始する(ステップS33)。そして、ステップS32と同様に、再生品質及び/又は記録品質の指標として使用できる所定の物理量を取得し(ステップS34)、取得した物理量は記憶部61に記憶させておく。
【0058】
次に、チルトドライブ信号の設定条件を所定回数(例えば3回)変更したか否かを確認する(ステップS35)。設定条件の変更回数が所定の回数でない場合(ステップS35でNo)には、ステップS33に戻って、ステップS33以降の動作を再度行う。一方、設定条件の変更回数が所定の回数である場合(ステップS35でYes)には、取得した所定の物理量とチルトドライブ信号の設定条件(例えば信号振幅)とに基づいて、再生品質や記録品質が最良となる場合のチルトドライブ信号の条件を求める(ステップS36)。前述の条件を求めるにあたっては、例えば曲線近似等の手法を用いた演算が行われる。そして、求めた条件を、第1の所定位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件として決定する(ステップS37)。
【0059】
上述のように、ACチルトはトラッキングドライブ信号によってレンズホルダ52がトラッキング方向Tに移動することによって生じる。このため、トラッキングドライブ信号に同期させたチルトドライブ信号を、ACチルトによる対物レンズ41の傾きを打ち消すように与えることで、RF信号やジッタ等を良好とできる。
【0060】
ACチルトの発生量は上述の図5に示すように、対物レンズ41がトラッキング方向Tへ駆動する際の周波数に依存している。光ディスク装置1は、上述のように光ディスクDをCLV制御するために、光ピックアップ4の位置によって光ディスクDの回転周波数が異なるように制御される。このため、光ピックアップ4のラジアル方向の位置によって、トラッキングドライブ信号に同期して与えられるチルトドライブ信号の条件設定を変更するのが好ましい。この点を考慮して、図7に示すACチルト抑制制御のステップS4以降が行われる。
【0061】
第1の所定位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件を決定すると、制御装置6は光ピックアップ4を、スレッドモータを駆動して予め定められた第2の所定位置(記憶部61に記憶される)に移動する(ステップS4)。この第2の所定位置は、例えば光ディスクDの外周側の或る位置とされる。なお、この際、光ディスクDは回転されており、フォーカスサーボ制御は行われている。
【0062】
そして、光ピックアップ4を第2の所定位置に配置すると、その位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件を決定するための動作を行う(ステップS5)。この最適設定条件の決定方法は、第1の所定位置の場合(図8に示す動作)と同様であるために、詳細説明は省略する。
【0063】
第1の所定位置と第2の所定位置との2つの位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件が決定されると、この2つの最適設定条件に基づいて、例えば直線補完(一例である)を用いて、光ピックアップ4の各位置におけるチルトドライブ信号の最適設定条件を求める(ステップS6)。
【0064】
なお、ステップS6においては、例えば、光ピックアップ4の位置の変動に伴ってチルトドライブ信号の設定条件を連続的に変化させられるように条件出しを行ってもよい。また、光ピックアップ4の位置が所定量移動する毎にチルトドライブ信号の設定条件を段階的に変化させられるように条件出しを行ってもよい。
【0065】
また、ACチルトの発生量は図5に示すように、特定の周波数帯で大きくなるものである。このため、場合によっては、光ディスクDの回転周波数が前述の特定の周波数帯に入ってこないような位置(光ピックアップ4の位置であり、光ディスクDの外周側がこのような位置に該当する場合が多い)においては、直線補完を行うのではなく、チルトドライブ信号をオフする(本発明では、この状態もチルトドライブ信号の設定条件の変化に含めている)ように条件設定してもよい。
【0066】
ステップS6によってチルトドライブ信号の設定条件を求めると、光ディスク装置1は、取得した設定条件(光ピックアップ4の位置(言い換えると光ディスクDの回転周波数)によって条件が適宜変更される)に従って、トラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号による対物レンズ41のチルト方向の駆動制御を行いながら光ディスクDの再生又は記録を行う(ステップS7)。これにより、ACチルトを抑制して、光ディスク装置1における光ディスクDの再生及び記録品質を向上できる。
【0067】
ところで、対物レンズ41をチルト方向に移動可能な対物レンズアクチュエータ5を備える光ディスク装置1では、光ディスクDの反りによる影響を抑制できるように、予め求めた所定量(例えば光ディスクDの再生等の前に求められる)だけ対物レンズ41を傾けるといった制御が行われることがある。このような構成を採用する場合にも上述のチルトドライブ信号を適用したACチルト抑制制御は可能である。すなわち、反りによる影響を抑制するために与えられる信号(DC的な信号)に重畳させた形でトラッキングドライブ信号に同期させたチルトドライブ信号を与えて、対物レンズの傾き制御を行うようにすればよい。
【0068】
(その他)
以上に示した光ディスク装置1は本発明の一形態であり、本発明の光ディスク装置は以上の構成に限定されるものではない。
【0069】
例えば、以上に示した実施形態では、光ピックアップ4の位置の変動によって光ディスクDの回転周波数が変動することに対応するために、第1の所定位置と第2の所定位置との2箇所でチルトドライブ信号の最適設定条件を求める構成とした。本発明はこの構成に限定されない。すなわち、3箇所以上でチルトドライブ信号の最適設定条件を求める構成としても構わない。
【0070】
また、以上に示した実施形態では、光ピックアップ4が所定位置(第1の所定位置或いは第2の所定位置)にある場合のチルトドライブ信号の最適設定条件を求めるにあたって、予め定めた回数だけ設定条件を変更する構成としたが、これに限定される趣旨ではない。すなわち、例えば設定条件を変更する毎に所定の物理量の評価を行い、最適設定条件が得られたと判断されるタイミングで設定条件の変更を終了する構成(すなわち、設定条件を任意の回数変更する構成)等でもよい。
【0071】
また、以上に示した実施形態では、光ディスクDの再生又は記録を行う前に、トラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号の設定条件を所定の物理量を指標に求め、求めた設定条件にしたがってチルトドライブ信号による対物レンズのチルト方向の駆動制御を行う構成とした。しかし、この構成に限定される趣旨ではない。すなわち、例えばトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号の最適設定条件を予め実験によって取得(取得方法は図7及び図8の動作と同様とできる)して記憶部61に記憶させておき、これを読み出してチルトドライブ信号による対物レンズ41のチルト方向の駆動制御を行うようにしてもよい。
【0072】
また、本実施形態の光ディスク装置1は、光ピックアップ4の位置によって光ディスクDの回転周波数が変化する構成(CLV制御の構成)とした。しかしながら、本発明は光ピックアップ4の位置によって光ディスクDの回転周波数が変化しない構成(CAV(Constant Angular Velocity)制御の構成)に適用してもよい。この場合には、光ピックアップ4の位置によってチルトドライブ信号の設定条件を変化させない構成としてもよい。
【0073】
また、光ディスク装置における光ディスクDの回転制御の方式には、光ディスクDを内周からいくつかのゾーンに分け、各ゾーン内では線速度一定に保ち、ゾーン毎に異なる線速度とするZCLV(Zone Constant Linear Velocity)方式というものがある。この方式を用いる場合も本発明は適用可能である。この方式を用いる場合にも、CLV方式の場合と同様に、光ピックアップ4の位置によって光ディスクDの回転周波数が変化するが、回転周波数の変化の仕方がゾーン毎に異なるものとなる。このため、この方式が用いられる場合には、例えば、ゾーン毎に図7におけるステップS2〜S6の処理を行って、光ピックアップ4の各位置におけるチルトドライブ信号の最適設定を求めるようにするのがよい。
【0074】
また、以上の実施形態においては、光ディスク装置が再生及び記録を行える構成としたが、本発明は光ディスク装置が再生と記録のうちのいずれかしか行えないような装置である場合にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば光ディスクプレーヤーや光ディスクレコーダ等に適用可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 光ディスク装置
4 光ピックアップ
5 対物レンズアクチュエータ
6 制御装置
41 対物レンズ
D 光ディスク
RS 情報記録面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射された光を対物レンズによって光ディスクの情報記録面に集光するとともに、該光ディスクで反射された反射光を受光部で受光する光ピックアップと、
前記光ピックアップに含まれ、前記対物レンズをフォーカス方向、トラッキング方向及びチルト方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータと、
前記受光部から出力される信号に基づいて前記対物レンズアクチュエータの駆動を制御する制御部と、
を備える光ディスク装置であって、
前記制御部は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を行う際に、前記対物レンズのトラッキング方向の駆動を制御するトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号によって、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
線速度一定となるように光ディスクの回転制御が行われ、
前記制御部は、光ディスクの半径方向に移動する前記光ピックアップの位置によって前記チルトドライブ信号の設定条件を変化させることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記制御部は、光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を開始する前に、再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて前記チルトドライブ信号の最適設定条件を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記制御部は、
光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を開始する前に、前記光ピックアップを複数の位置に配置して、前記複数の位置の各々において再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて前記チルトドライブ信号の最適設定条件を決定し、決定された複数の前記チルトドライブ信号の最適設定条件に基づいて、前記光ピックアップの各位置における前記チルトドライブ信号の最適設定条件を求め、
光ディスクの再生及び記録のうちの少なくもいずれか一方を行う際には、先に求められた前記光ピックアップの各位置における前記チルトドライブ信号の最適設定条件に基づいて、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記チルトドライブ信号の設定条件が予め記憶された記憶部からデータを読み出して、前記対物レンズのチルト方向の駆動を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
光源から出射された光を対物レンズによって光ディスクの情報記録面に集光するとともに、該光ディスクで反射された反射光を受光部で受光する光ピックアップと、
前記光ピックアップに含まれ、前記対物レンズをフォーカス方向、トラッキング方向及びチルト方向に移動可能とする対物レンズアクチュエータと、
を備える光ディスク装置の制御方法であって、
再生品質及び記録品質のうちの少なくともいずれか一方の指標となる所定の物理量に基づいて、前記対物レンズのトラッキング方向の駆動を制御するトラッキングドライブ信号に同期したチルトドライブ信号の最適設定条件を取得するステップと、
先に取得された前記最適設定条件にしたがって前記チルトドライブ信号による、前記対物レンズのチルト方向の駆動制御を行うステップと、
を備えることを特徴とする光ディスク装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−9114(P2012−9114A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144667(P2010−144667)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】