説明

光ディスク装置及び光ディスク装置の調整方法

【課題】記録開始までの時間を短縮すると共に、高い信頼性でフォーカスバランスを調整する。
【解決手段】光ディスク媒体にデータを読み書きする光ディスク装置であって、レーザ光によって光ディスク媒体にデータを読み書きするピックアップと、前記光ディスク装置の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、装着された前記光ディスク媒体が未記録であるかを判定し、前記光ディスク媒体が未記録であると判定された場合、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出し、前記所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出す際に、フォーカスバランスを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置に関し、特に、情報を読み書きする際のフォーカスバランスを調整する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
CD、DVD、BD等の光ディスク媒体に情報を記録する光ディスク装置において、例えば、フォーカスバランスの調整は従来から課題となっている。従来の光ディスク装置では、ディスクに記録されたデータを読み出してフォーカスバランスを調整していた。
【0003】
また、未記録光ディスク媒体では、フォーカスバランスの調整前にフォーカスバランス調整用のデータをPCA(Power Calibration Area)に記録し、この記録された管理情報を読み出してフォーカスバランスを調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−55678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、未記録の光ディスク媒体では、フォーカスバランスのためのデータを所定の領域(例えば、PCA)に記録しているので、この記録のための記録パワーの調整(OPC)をしなければならず、フォーカスバランスのための時間がかかっていた。
【0006】
また、複数回フォーカスバランスをする場合、フォーカスバランスを実行する毎にデータを所定の領域(例えば、内周側又は外周側のPCA)に記録するので、PCAの記録領域を無駄に使用することになり、後にPCAの記録領域が不足する場合があった。
【0007】
一方、Blu−ray Disc(特に、BD−RE系)では、ユーザの利便性を向上するために、未記録ディスク媒体が既に論理フォーマット(UDFフォーマット)がされた状態で販売されていることが多い。
【0008】
本発明は、未記録ディスクでも、ライト処理を開始するまでの時間を短縮することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、光ディスク媒体にデータを読み書きする光ディスク装置であって、レーザ光によって光ディスク媒体にデータを読み書きするピックアップと、前記光ディスク装置の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、装着された前記光ディスク媒体が未記録であるかを判定し、前記光ディスク媒体が未記録であると判定された場合、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出し、前記所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出す際に、フォーカスバランスを調整する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施の形態によると、未記録ディスクでもライト処理を開始するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の記録パワーの制御及びフォーカスバランスの調整の処理のフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態の記録パワー及びフォーカスバランスの調整の処理のタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の光ディスク装置に装着されるBD−Rディスクのフォーマットを示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の光ディスク装置に装着されるBD−REディスクのフォーマットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施の形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
本発明の実施形態の光ディスク装置は、ディスクモータ2、光ピックアップ3、フロントモニタ4、温度センサ5、モータ駆動部6、RF信号生成部7、サーボ制御部8、レーザパワー制御部9、レーザドライバ10、デコーダ11、制御部12、メモリ13及びエンコーダ14を有する。
【0014】
ディスクモータ2は、モータ駆動部6によって駆動され、光ディスク媒体1を回転する。モータ駆動部6は、制御部12からの指示によってモータの回転(例えば、回転、停止、回転数)を制御する。
【0015】
光ピックアップ3は、アクチュエータ31、対物レンズ32、レーザ33、受光部、スプリッタ、フロントモニタ4及び温度センサ5を有する。レーザ33は、記録及び再生のために所定の強度のレーザ光を発生する半導体レーザを有する発光部である。レーザ33から発光されたレーザ光は対物レンズ32を介して光ディスク媒体1の記録面(光ディスク面)に照射される。受光部は、対物レンズ32を介し光ディスク媒体1の記録面で反射したレーザ光を受け、受光した反射光を電気信号に変換し、変換された電気信号を出力する。対物レンズ32は、アクチュエータ31によって駆動され、光ディスク面上にレーザ光が合焦するように調整される。アクチュエータ31は、サーボ制御部8によって駆動される。
【0016】
レーザ33が発生したレーザ光はスプリッタで分離され、フロントモニタ4に導かれる。フロントモニタ4は、スプリッタで分離されたレーザ光によって、レーザ光のパワーを監視する。温度センサ5は、光ピックアップ3の温度を検出する。
【0017】
RF信号生成部7は、光ピックアップ3からの信号のアナログ処理(増幅、復調等)をする。
【0018】
サーボ制御部8は、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、スライドサーボを制御する。すなわち、フォーカスサーボは、アクチュエータ31を駆動することによって、レーザ光が光ディスク面上にレーザ光が合焦するように対物レンズ32を制御する。トラッキングサーボは、光ピックアップ3が光ディスク媒体1のトラックに追従するように制御する。スライドサーボは、光ピックアップを所定の位置に動かし、その位置を保つように制御する。
【0019】
レーザパワー制御部9は、光ディスク媒体1に予め記録されたレーザ出力、又は、OPC(Optimum Power Control)によって決定されたレーザ出力に従って、レーザ光の出力強度を制御する。レーザドライバ10は、レーザ33を駆動するドライバ回路である。レーザパワー制御部9は、レーザドライバ10を制御する。
【0020】
デコーダ11は、光ピックアップ3からの信号を、RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号等として出力する。エンコーダ14は、光ディスク媒体1に書き込むデータを生成する。
【0021】
制御部(マイコン)12は、光ディスク装置の動作を制御する。例えば、レーザ33から出力されるレーザ光の強度を決めるOPC処理、レーザ光が光ディスク面上にレーザ光が合焦するように対物レンズ32の位置を決めるフォーカスバランス調整処理、記録動作中のレーザ光の出力の制御処理をする。メモリ13は、制御部12によって実行されるプログラム及びプログラムの実行に必要なデータを格納する。
【0022】
光ディスク装置は、インターフェース(図示省略)を介して、ホスト計算機に接続される。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態の記録パワー及びフォーカスバランスの調整の処理のフローチャートである。
【0024】
まず、光ディスク装置に電源が供給されると、光ディスク装置は、各種通信パラメータの設定などの初期設定の後、ホスト計算機からのコマンドを受け付けられる状態となり、レディコマンドをホスト計算機に送信する。
【0025】
その後、制御部12は、光ディスク媒体が装着されたことを検出すると、光ディスク媒体が装着されたことをホスト計算機に通知する。
【0026】
ホスト計算機は、光ディスク媒体からデータを読み出す前に、装着された光ディスク媒体のデータ形式を知るために、ファイルシステムの情報を読み出すコマンドを送る。これは、ファイルシステム情報は、ホスト計算機が光ディスク媒体に記録されたデータを読み出すため、すなわち、光ディスク媒体に記録されたデータの状態を知るために必要な情報であり、光ディスク媒体からデータを読み出そうとするホスト計算機が、レディコマンドを受信した後、通常、最初に送信する読み出し要求コマンドである。
【0027】
まず、光ディスク媒体が装着されると、制御部12は、サーボ制御部8に指示し、光ピックアップ3を初期位置(例えば、内周側の端部等)に移動させた後、光ピックアップ3のレーザ33を点灯する。そして、管理領域(例えばDMA)に記録された管理情報を読み出して、装着されたディスクが未記録ディスク(新品のディスク)であるか否かを判定する(S101)。例えば、記録済ディスクのDMAには最終記録位置が記録されているので、DMAから最終記録位置を読み出すことができれば、記録済ディスクであると判定することができる。また、Control Data、PAC(図4参照)に記録されたデータによっても判定することができる。
【0028】
その結果、記録済ディスクであると判定された場合に、既に記録されているデータを用いてフォーカスバランスを調整する(S108)。このフォーカスバランスの調整は、データ領域に記録されているデータを読み出すことによっても、以前のフォーカスバランスを実行する際に所定の領域に記録されたデータを読み出すことによっても、内周部又は外周部に記録された管理情報を読み出すことによってもよい。その後、ステップS109に進み、記録パワーの調整(OPC)を行う。
【0029】
記録されたデータを用いたフォーカスバランスの調整は、例えば、アクチュエータを動作させ、対物レンズの焦点距離を変化させながらデータ(又は、RF)を読み出し、最適な読み出し条件をフォーカスバランスに設定する。例えば、出力されるトラッキング信号が最大値が得られるレンズ位置を、この光ディスクに対する最適なフォーカスバランスに設定する。また、読み出されたデータのジッタ(又は、モジュレーション等の他のパラメータを用いてもよい)の最適値を用いてフォーカスバランスを設定してもよい。
【0030】
一方、未記録ディスクであると判定された場合、ファイルシステムの情報が記録されているか否かを判定する(S102)。例えば、特定の領域に特定のデータが記録されているかによって判定することができる。すなわち、光ディスク媒体には、UDFによるフォーマットの際に必ず記録される領域が決まっているので、この領域にデータが記録されているかによって、光ディスク媒体が記録済みかを判定することができる。具体的には、UDFによるフォーマット済みの光ディスク媒体には、光ディスク媒体の内周側(例えば、論理ブロックアドレス0x10〜0x100)にファイルシステムの情報が記録されている。
【0031】
その結果、ファイルシステムの情報が記録されている未記録ディスクであると判定された場合、ファイルシステムの情報を読み出してフォーカスバランスを調整する(S103)。フォーカスバランスの調整の具体的方法は、ステップS108にて前述した方法と同じである。その後、ステップS109に進み、記録パワーの調整(OPC)を行う。
【0032】
なお、ファイルシステムの情報ではなく、UDFフォーマットの実行によって記録される他の情報(例えば、Pre Write Area、Control Data、DMAなどに記録される情報)を用いてもよい。また、UDFフォーマット済みの光ディスク媒体に記録された他の情報(例えば、所定パターンの信号)を読み出すことによって、得られたRF信号を用いてもよい。さらに、データが記録されている領域であれば、データの読み出し品質の指標(例えば、PI Error、SER、Jitterなど)に基づいてフォーカスバランスを調整することもでき、さらに安定したフォーカスバランスの調整ができる。
【0033】
一方、ファイルシステム情報が記録されていない未記録ディスクであると判定された場合、内周又は外周のPCA(Power Calibration Area)を用いて、記録パワーの仮調整(Pre OPC)を行う(S104)。具体的には、記録パワー(レーザ出力)を変化させたレーザ光を光ディスク媒体1の記録面に照射し、所定のデータ(記録マーク)を光ディスク媒体1のPCAの最終記録位置(次にOPCのためのデータを書き込むべきアドレス)に記録する。なお、仮OPC時のフォーカスバランスの設定は、光ディスク装置の製造時に調整された値(又は、ファームウェアによって指定されるDefault値)を使用するとよい。そして、記録されたデータを読み出して、読み出されたデータのβ値、ジッタ、エラー率等を測定することによって、適切なレーザ光の記録パワーを仮に設定する。なお、ステップS104におけるOPCは、ステップS106でフォーカスバランスを調整するためのレーザパワーの仮の調整である。
【0034】
その後、ステップS104にて仮に設定された記録パワーで、PCAの最終記録位置にデータを記録する(S105)。このデータは、ステップS104でフォーカスバランスを調整する際に読み出すためのものなので、任意のデータ、例えば連続した”0”のデータでよい。なお、PCAにOPC用のデータを記録する際に、フォーカスバランスは調整されていないので、フォーカスバランスの中心値でデータを書き込めばよい。
【0035】
その後、ステップS104にて書き込まれたデータを用いてフォーカスバランスを調整する(S106)。フォーカスバランスの調整の具体的方法は、ステップS108にて前述した方法と同じである。
【0036】
その後、フォーカスバランスを調整するためのデータが書き込まれた(又は、書き込むことができる)アドレス等の情報をメモリに保存する。これらの情報は、Discの管理情報のリザーブ領域等を利用して、Disc上に残すことができ、Discの管理情報の更新の際にデータを付加すればよく、ステップS107にて実際にDisc上に記録する必要はない。
【0037】
その後、設定されたフォーカスバランスを用いて、記録パワーの調整(OPC)を行う(S109)。
【0038】
図2において、記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理は、ホスト計算機からファイルシステムの情報を読み出すコマンドが送信されたことを契機に実行されるものとして説明したが、光ディスク装置のセットアップ中か、記録開始要求受信時に実行されてもよい。
【0039】
例えば、光ディスク装置は、装着された光ディスク媒体がフォーマット済みであるかを、セットアップ中に判定するために、ファイルシステムの情報を読み出す。そして、ファイルシステムの情報が記録されていれば、UDFフォーマット済みであると判定し、前述した記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理が実行される。
【0040】
また、前述のようにセットアップ中にUDFフォーマット済みかを判定し、記録開始要求受信時に、前述した記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理が実行される。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態の記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理のタイミングチャートである。
【0042】
このタイミングチャートに従って、未記録ディスクにおける、従来の記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理(図3(A))と、本発明による記録パワー及びフォーカスバランスを調整する処理(図3(B))との相違点について説明する。
【0043】
図3(A)に示すように、従来の方法では、光ディスク媒体が装着されると、ファイルシステムに記録された情報を読み出して、装着された未記録ディスクがUDFフォーマット済みか否かを判定する(S102)。例えば、光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレス(例えば論理アドレス0x10〜0x100)に特定のデータが記録されているかによって、UDFフォーマット済みディスクであるかを判定することができる。
【0044】
UDFフォーマットがされている光ディスク媒体であっても、データが書き込まれていないと判定された場合、例えば、内周のPCAを用いて、記録パワーの仮調整(Pre OPC)を行う(S104)。その後、仮調整された記録パワーで、PCAの最終記録位置にデータを記録して、調整領域を作成する(S105)。そして、調整領域に書き込まれたデータを用いてフォーカスバランスを調整し(S106)、調整されたフォーカスバランスを用いて、記録パワーの調整(OPC)を行う(S109)。
【0045】
その後、ホスト計算機から要求されたデータを光ディスク媒体に書き込む。
【0046】
一方、本発明の実施形態の方法では、図3(B)に示すように、光ディスク媒体が装着されると、ファイルシステムに記録された情報を読み出して、装着されたディスクがUDFフォーマット済みの光ディスク媒体か否かを判定する(S102)。
【0047】
UDFフォーマットがされている光ディスク媒体であり、データが書き込まれていないと判定された場合、ファイルシステム情報を読み出してフォーカスバランスを調整し(S103)、調整されたフォーカスバランスを用いて、記録パワーの調整(OPC)を行う(S109)。
【0048】
その後、ホスト計算機から要求されたデータを光ディスク媒体に書き込む。
【0049】
図4は、本発明の実施の形態の光ディスク装置に装着されるBD−Rディスクのフォーマットを示す説明図である。
【0050】
BD−Rディスクには、内周からリードイン領域51、データ記録領域52及びリードアウト領域53が設けられている。
【0051】
ファイルシステムのデータ54は、データ記録領域52の内周側(例えば、論理ブロックアドレス0x10〜0x100)に記録される。前述したように、UDFフォーマット済みの光ディスク媒体では、ファイルシステムのデータが記録されている。
【0052】
また、論理フォーマット済みのBD−Rディスクでは、リードイン領域51内のPre Write Area55にデータが記録されている。
【0053】
このため、光ディスク装置に装着された光ディスクがBD−Rディスクである場合、ステップS102で内周側(例えば、Pre Write Area55のデータ)又は外周側の管理情報を読み出し、読み出されたデータを用いてフォーカスバランスを調整してもよい(S103)。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態の光ディスク装置に装着されるBD−REディスクのフォーマットを示す説明図である。
【0055】
BD−REディスクには、内周からリードイン領域51、データ記録領域52及びリードアウト領域53が設けられている。
【0056】
ファイルシステムのデータ54は、データ記録領域52の内周側(例えば、論理ブロックアドレス0x10〜0x100)に記録される。前述したように、UDFフォーマット済みの光ディスク媒体では、当該光ディスク媒体のファイルシステムの仕様が定まっており、ファイルシステムのデータが記録されている。
【0057】
また、論理フォーマット済みのBD−REディスクでは、リードイン領域51内のControl Data領域56、57、PAC領域60、61、DMA領域62、63、及びリードアウト領域53内のControl Data領域58、59、DMA領域64、65にデータが記録されている。
【0058】
このため、光ディスク装置に光ディスク媒体が装着された後、装着された光ディスクがBD−REディスクである場合、ステップS102でControl Data領域、PAC領域、DMA領域のいずれかの領域のデータを読み出し、いずれかの領域でフォーカスバランスを調整してもよい(S103)。
【0059】
以上、本発明の実施形態について、ファイルシステムの情報を用いて、フォーカスバランスを設定する例について説明したが、読み出したファイルシステムの情報を用いてチルト調整をしてもよい。
【0060】
以上説明したように、本発明の実施形態によると、未記録ディスクにおいて、ファイルシステム情報を用いてフォーカスバランスを調整するので、PCAの記録領域を浪費することなくフォーカスバランスの調整をすることができる。また、フォーカスバランスを高い信頼性で調整できる。これは、ファイルシステム情報は、ホスト計算機から必ず読み出しが要求される領域であるため、ホスト計算機からのファイルシステム情報の読み出し要求に対応して、特定の論理ブロックアドレスのデータ(ファイルシステム情報)を用いてフォーカスバランスを調整することが効率がよいからである。
【0061】
また、フォーカスバランスのためのデータを書き込む未記録領域をサーチして、フォーカスバランスのためにデータを書き込む必要がないので、ライト処理を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0062】
さらに、ファイルシステム情報には、光ディスク媒体に記録されたデータの形式の情報が記載されており、ファイルシステム情報が読み出せなければ、光ディスク媒体に記録されたデータを正しく読み出すことができない。このため、ファイルシステム情報を用いてフォーカスバランスを調整することによって、高い信頼性でフォーカスバランスを調整できる。すなわち、光ディスク媒体の他の管理情報を用いてフォーカスバランスを調整することと比較して、ファイルシステム情報を確実に読み出せる条件に光ディスク装置を設定することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 光ディスク
3 光ピックアップ
31 アクチュエータ
32 対物レンズ
33 レーザ
9 レーザパワー制御部
10 レーザドライバ
12 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスク媒体にデータを読み書きする光ディスク装置であって、
レーザ光によって光ディスク媒体にデータを読み書きするピックアップと、前記光ディスク装置の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
装着された前記光ディスク媒体が未記録であるかを判定し、
前記光ディスク媒体が未記録であると判定された場合、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出し、
前記所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出す際に、フォーカスバランスを調整することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記ホスト計算機が前記光ディスク装置に装着された光ディスク媒体に記録されたデータの状態を知るためのデータを読み出しであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク装置の初期設定が完了し、前記ホスト計算機からの要求が受け付け可能となった後の、最初の読み出し要求によって行われることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記光ディスク装置は、電源投入後の初期設定の途中において、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク媒体に設定されたファイルシステムの情報であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の光ディスク装置。
【請求項6】
光ディスク媒体にデータを読み書きする光ディスク装置の調整方法であって、
前記光ディスク装置は、レーザ光によって光ディスク媒体にデータを読み書きするピックアップと、前記光ディスク装置の動作を制御する制御部と、を有し、
前記方法は、
前記制御部が、装着された前記光ディスク媒体が未記録であるかを判定し、
前記制御部が、前記光ディスク媒体が未記録であると判定された場合、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出し、
前記制御部が、前記所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出す際に、フォーカスバランスを調整することを特徴とする光ディスク装置の調整方法。
【請求項7】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記ホスト計算機が前記光ディスク装置に装着された光ディスク媒体に記録されたデータの状態を知るためのデータを読み出しであることを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の調整方法。
【請求項8】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク装置の初期設定が完了し、前記ホスト計算機からの要求が受け付け可能となった後の、最初の読み出し要求によって行われることを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の調整方法。
【請求項9】
前記前記制御部は、電源投入後の初期設定の途中において、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出すことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置の調整方法。
【請求項10】
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク媒体に設定されたファイルシステムの情報であることを特徴とする請求項6から9のいずれか一つに記載の光ディスク装置の調整方法。
【請求項11】
光ディスク媒体にデータを読み書きする光ディスク装置であって、
レーザ光によって光ディスク媒体にデータを読み書きするピックアップと、前記光ディスク装置の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
装着された前記光ディスク媒体が未記録であるかを判定し、
前記光ディスク媒体が未記録であると判定された場合、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出し、
前記所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出す際に、前記光ディスク媒体のチルトを調整することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項12】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記ホスト計算機が前記光ディスク装置に装着された光ディスク媒体に記録されたデータの状態を知るためのデータを読み出しであることを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
【請求項13】
前記光ディスク装置には前記ホスト計算機が接続されており、
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク装置の初期設定が完了し、前記ホスト計算機からの要求が受け付け可能となった後の、最初の読み出し要求によって行われることを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
【請求項14】
前記光ディスク装置は、電源投入後の初期設定の途中において、前記光ディスク媒体の所定の論理ブロックアドレスからデータを読み出すことを特徴とする請求項11に記載の光ディスク装置。
【請求項15】
前記の所定の論理ブロックアドレスからのデータの読み出しは、前記光ディスク媒体に設定されたファイルシステムの情報であることを特徴とする請求項11から14のいずれか一つに記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−84326(P2013−84326A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224510(P2011−224510)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】