説明

光ディスク装置

【課題】 光ディスクの再生時におけるイコライズ調整が光ディスクの再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に適正に行える光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 光ディスク装置1は、光ディスク10の再生開始時には、イコライザ回路5におけるイコライズ調整を、メモリ2aに記憶しているカットオフ周波数、およびブースト量を用いて行うので、ユーザが再生開始の入力操作を行ってから、実際に光ディスク10の再生が開始されるまでに要する時間の短縮が図れる。また、光ディスク10の再生を開始すると、再生が停止されるまで、ジッタが最小になるブースト量の検出を繰り返し行うので、光ディスク10の再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に最適なパラメータでイコライズ調整を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本体にセットされているDVDやCD等の光ディスクに記録されているデータを再生する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、DVDやCD等の光ディスクに記録されているデータを再生する光ディスク装置が一般に普及している。光ディスク装置は、周知のように、本体にセットされている光ディスクに対してレーザ光を照射し、その反射光を受光素子で検出することで、この光ディスクに記録されているデータを読み取るピックアップヘッドを備えている。ピックアップヘッドは、光ディスクに記録されているデータの読取信号であるRF信号を出力する。ピックアップヘッドから出力されるRF信号は、種々の周波数成分を含んでおり、高い周波数ほどそのレベルが低い。また、レベルが低い信号ほどジッタが悪い。一般的な光ディスク装置は、ジッタを最適化するために、ピックアップヘッドの出力であるRF信号に対してイコライズ調整を行っている。イコライズ調整は、光ディスクから読み取ったRF信号に対して、ある周波数を超える成分をカットするとともに、ブーストする処理である。光ディスクに記録されているデータがディジタルであることから、イコライズ調整におけるRF信号のカットオフ周波数については、固定値であってもジッタを十分に抑えることができるが、ブースト量については、再生する光ディスク(本体にセットされている光ディスク)におけるデータの記録密度や、信号品位等により大きく変化するため、本体にセットされている光ディスクに応じて設定しなければならない。
【0003】
なお、カットオフ周波数およびブースト量の両方を、本体にセットされている光ディスクに応じて設定する光ディスク装置もすでに一般に普及している。
【0004】
従来の光ディスク装置は、再生に先立って、本体にセットされた光ディスクについてジッタが最適になるRF信号のカットオフ周波数、およびブースト量を検出し、その後光ディスクの再生を開始している。この光ディスクの再生では、ここで検出したカットオフ周波数、およびブースト量に基いてイコライズ調整が行われる。このように、再生に先立ってイコライズ調整に用いるパラメータ(カットオフ周波数、およびブースト量)を検出することから、このパラメータの検出に要する時間だけ光ディスクの再生が遅れる。そこで、再生に先立って行う、イコライズ調整に用いるカットオフ周波数、およびブースト量の検出に要する時間を短縮する方法が特許文献1〜3等で提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、カットオフ周波数は光ディスクの回転速度に比例し、ブースト量は光ディスクの回転速度に対して殆ど変化しないことから、光ディスクの回転速度が再生時の回転速度に達するまえに、ジッタが最適になるカットオフ周波数、およびブースト量を検出し、今回検出したカットオフ周波数とこのカットオフ周波数を検出したときの光ディスクの回転速度とに基づいて再生時の回転速度での最適なカットオフ周波数を算出することが提案されている。ブースト量については、検出したブースト量を用いている。
【0006】
また、特許文献2では、RF信号のカットオフ周波数、およびブースト量を検出する処理を簡単化し、該処理にかかる時間を短縮する方法が示されている。具体的には、カットオフ周波数を固定し、ブースト量を変化させてジッタが最小になるブースト量を検出し、次にブースト量をここで検出した値に固定し、カットオフ周波数を変化させてジッタが最小になるカットオフ周波数を検出し、最後にカットオフ周波数をここで決定した値に固定し、ブースト量を変化させてジッタが最小になるブースト量を検出する方法が示されている。
【0007】
また、特許文献3ではカットオフ周波数とブースト値の初期値を記憶しておき、カットオフ周波数を初期値に固定し、ブースト値を初期値から一定量ずつ減少させて、ジッタが最小になるブースト値を決定する方法が示されている。
【特許文献1】特開2004−227697号公報
【特許文献2】特開2002−8243号公報
【特許文献3】特開2002−74845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の光ディスク装置は、イコライズ調整に用いるカットオフ周波数、およびブースト量を再生に先立って決定しているだけであった。一方、ジッタが最小になるブースト量は、光ディスクの再生位置(内周側、外周側)で変化する。特に追記型や書換型の光ディスク(以下、総称して記録型の光ディスクと言う。)では、記録されているコンテンツ毎に記録時の環境(周囲温度やレーザパワー等)が異なっていることから、記録されているコンテンツ単位でジッタが最小になるブースト量が異なっている。したがって、従来の光ディスク装置のように、再生に先立って決定したブースト量を用いてイコライズ調整を行う構成では、再生位置の変化や、コンテンツの変化により、最適なイコライズ調整が行えなくなるという問題があった。
【0009】
この発明の目的は、光ディスクの再生時におけるイコライズ調整が光ディスクの再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に適正に行える光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の光ディスク装置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0011】
(1)本体にセットされている光ディスクに対してレーザ光を照射し、その反射光を受光素子で検出することで、この光ディスクに記録されているデータの読取信号であるRF信号を出力する読取手段と、
前記読取手段の出力であるRF信号に対してイコライズ調整を行うイコライズ手段と、
前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号から再生信号を生成し、出力する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記イコライズ調整手段がイコライズ調整に用いるパラメータの初期値を記憶するパラメータ記憶手段と、
本体にセットされている光ディスクの再生時に、前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記パラメータの値を検出するパラメータ検出手段と、
前記イコライズ手段は、本体にセットされている光ディスクの再生開始時に前記パラメータ記憶手段が記憶する初期値を用いてイコライズ調整を行い、その後、前記パラメータ検出手段がイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記パラメータの値を検出する毎に、検出されたパラメータの値を用いてイコライズ調整を行う手段である。
【0012】
この構成では、光ディスクの再生開始時には、イコライズ手段がパラメータ記憶手段に記憶している初期値を用いてイコライズ調整を行う。パラメータ記憶手段には、カットオフ周波数、およびブースト量の初期値が記憶されている。このように、イコライズ調整に用いるパラメータを決定する処理を行うことなく、光ディスクの再生を開始するので、再生が開始されるまでの時間が短く、ユーザの使い勝手の向上が図れる。
【0013】
また、パラメータ検出手段が、ジッタが最適になるパラメータを光ディスクの再生時に検出し、イコライズ手段が検出されたパラメータを用いてイコライズ調整を行うので、光ディスクの再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に最適なパラメータでイコライズ調整を行うことができる。
【0014】
(2)前記パラメータ検出手段は、イコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する手段である。
【0015】
この構成では、カットオフ周波数を固定し、ジッタが最適になるブースト量のみ検出する構成としたので、再生時における装置本体の処理負荷が抑えられる。
【0016】
なお、光ディスクに記録されているデータがディジタルであることから、イコライズ調整におけるRF信号のカットオフ周波数を固定値としても、十分にジッタを抑えることができるので、特に問題はない。
【0017】
(3)前記パラメータ検出手段は、その時点でイコライズ調整に用いているブースト量、このブースト量よりも所定量だけ大きいブースト量、および所定量だけ小さいブースト量の3つのブースト量でイコライズ調整を行い、ジッタが最小であったブースト量をイコライズ調整に用いるブースト量として検出する手段である。
【0018】
この構成では、現在のブースト量、これよりも所定量大きいブースト量、および所定量小さいブースト量の3つのブースト量の中で、ジッタが最小であるブースト量をイコライズ調整に用いるブースト量として検出する。このような簡単な処理でイコライズ調整に用いるブースト量を検出するので、再生時における装置本体の処理負荷が十分に抑えられる。
【0019】
(4)前記パラメータ検出手段は、検出したイコライズ調整に用いるブースト量がその時点でイコライズ調整に用いているブースト量と同じであれば、イコライズ調整に用いるブースト量を検出する処理を停止し、且つ光ディスクの再生開始直後、および再生しているコンテンツが切り替わった直後にイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する処理を開始する手段である。
【0020】
この構成では、検出したジッタが最小になるブースト量が現在のブースト量であれば、この時点でジッタが最適になるブースト量が検出されているので、イコライズ調整に用いるブースト量の検出にかかる処理を停止することで、再生時における装置本体の処理負荷を一層抑えることができる。また、再生開始時や再生しているコンテンツが切り替わった直後にイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する処理を開始するので、再生しているコンテンツの変化による影響を受けることなく、最適なイコライズ調整が行える。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、イコライズ調整に用いるパラメータを決定する処理を行うことなく、光ディスクの再生を開始するので、再生が開始されるまでの時間が短く、ユーザの使い勝手の向上が図れる。また、ジッタが最適になるパラメータを光ディスクの再生時に検出し、ここで検出したパラメータを用いてイコライズ調整を行うので、光ディスクの再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に最適なパラメータでイコライズ調整を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施形態である光ディスク装置について説明する。
【0023】
図1は、この発明の実施形態である光ディスク装置の主要部の構成を示すブロック図である。この実施形態の光ディスク装置1は、本体の動作を制御する制御部2と、本体にセットされたCDやDVD等の光ディスク10を回転するスピンドルモータ3と、本体にセットされている光ディスク10にレーザ光を照射し、その反射光を受光してRF信号を出力するピックアップヘッド4と、ピックアップヘッド4から出力されたRF信号の周波数特性を調整するイコライザ回路5と、イコライザ回路5で周波数特性が調整されたRF信号から再生信号(音声信号、映像信号)を生成し、この再生信号を出力する信号処理回路6とを備えている。また、7はスピンドルモータ3の回転を制御するドライバ回路7であり、8はピックアップヘッド4に設けられている対物レンズ(不図示)を光ディスクに接離する方向に移動するフォーカスサーボ制御、および対物レンズを光ディスクの半径方向に移動するトラッキングサーボ制御を行うサーボ回路である。9は、ユーザが入力操作を行う操作部である。
【0024】
ピックアップヘッド4が、この発明で言う読取手段に相当する。ピックアップヘッド4には、公知のようにフォーカスエラー信号(FE信号)、およびトラッキングエラー信号(TE信号)を得るために、4分割の受光素子(PD)を設けている。FE信号は光ディスク10の記録面とレーザ光の集光位置とのズレ量を示す信号であり、TE信号は光ディスク10のトラックの中心とレーザ光の集光位置とのズレ量を示す信号である。サーボ回路8は、ピックアップヘッド4から入力されたFE信号に基づいてフォーカスサーボ制御を行うとともに、TE信号に基づいてトラッキングサーボ制御を行う。イコライザ回路5におけるピックアップヘッド4から出力されたRF信号の周波数特性の調整は、設定されているカットオフ周波数(Fc)を超える成分をカットし、設定されているブースト量(Bt)に基づいてブーストする処理である。制御部2は、カットオフ周波数およびブースト量の初期値をメモリ2aに記憶している。具体的には、記録密度や信号品位が標準的な光ディスクについて測定した、再生時にジッタが最小になるカットオフ周波数、およびブースト量をメモリ2aに初期値として記憶している。この実施形態の光ディスク装置1は、再生開始時にはカットオフ周波数、およびブースト量の初期値を用いてイコライズ調整を行い、その後再生しながらジッタが最小になるブースト量を検出し、ここで検出したブースト量を用いてイコライズ調整を行う。カットオフ周波数は、初期値に固定する。ブースト量を検出する処理については後述する。
【0025】
また、信号処理回路6は、イコライザ回路5で周波数特性が調整されたRF信号を復調するとともにエラー訂正を行い、これをデコードした音声信号や映像信号を再生信号として出力する。ドライバ回路7は、スピンドルモータ3の回転速度を制御することで、光ディスク10の回転速度を制御する。操作部7は、ユーザが入力操作を行う操作キーや、図示していないリモコン装置から送信されてきた本体に対する制御信号を受信するリモコン受信部が設けられている。
【0026】
次に、この実施形態の光ディスク装置1における光ディスク10の再生時の動作について説明する。図2は、この発明の実施形態である光ディスク装置における再生時の動作を示すフローチャートである。光ディスク装置1は、再生開始の指示があると本処理を開始する。例えば、操作部9に設けられた再生キーが操作されたときや、図示していないリモコン装置から送信されてきた再生開始を指示するコマンドを受信したとき、さらには本体に光ディスク10がセットされたときに本処理を開始する。
【0027】
光ディスク装置1は、まず最初に本体にセットされている光ディスク10の回転を開始する(スピンドルモータ3の回転を開始する。)(s1)。本体にセットされた光ディスク10の回転速度は、図3に示すように、s1で回転が開始されてから、t時間経過後に予め設定されている回転速度(この発明で言う所定の回転速度)に達する。図3において、T0が光ディスク10の回転を開始したタイミングであり、T1が光ディスク10の回転速度が所定の回転速度Vbに達したタイミングである。光ディスク装置1は、s1で本体にセットされている光ディスク10の回転を開始すると、再生時の回転速度(Vb)に達するのを待つことなく、サーボ回路8によるフォーカス制御、およびトラッキング制御を開始する(s2)。周知のように、フォーカス制御は光ディスク10に照射しているレーザ光の焦点位置を該光ディスク10のデータの記録面に合わせる制御であり、トラッキング制御は光ディスク10に照射しているレーザ光の照射位置を該光ディスク10のトラックの中心に合わせる制御である。このサーボ回路8における、フォーカス制御、およびトラッキング制御の詳細については公知であるので、ここでは説明を省略する。
【0028】
また、光ディスク装置1は、メモリ2aに記憶しているカットオフ周波数、およびブースト量の初期値を読み出す(s3)。その後、光ディスク装置1は、本体にセットされている光ディスク10の回転速度(Va)が再生時の回転速度(Vb)に達するのを待って、再生を開始する(s4、s5)。s5では、イコライザ回路5はs3でメモリ2aから読み出した初期値(カットオフ周波数、およびブースト量)を用いて、ピックアップヘッド4から入力されているRF信号のイコライズ調整を行う。イコライザ回路5でイコライズ調整されたRF信号は信号処理回路6に入力され、信号処理回路6が再生信号を生成し、出力する。この再生信号信号は、図示していないテレビ受像機等に入力される。テレビ受像機では、入力された再生信号に基づく映像や音声の出力が行われる。
【0029】
光ディスク装置1は、s5で本体にセットされている光ディスク10の再生を開始すると、イコライザ回路5でイコライズ調整に用いている現在のブースト量(A)と、このブースト量よりも所定量(B)だけ大きいブースト量(A+B)と、このブースト量よりも所定量(B)だけ小さいブースト量(A−B)と、でイコライズ調整したときのジッタをそれぞれ検出する(s6)。光ディスク装置1は、s6で検出したジッタが最小であったときのブースト量を、イコライザ回路5におけるイコライズ調整に用いる新たなブースト量に更新する(s7)。イコライザ回路5は、s7で更新されたブースト量を用いてイコライズ調整を行う。光ディスク装置1は、光ディスク10の再生を停止するまで(s8)、s6、s7にかかる処理を繰り返す。
【0030】
このように、この実施形態の光ディスク装置1は、光ディスク10の再生開始時には、イコライザ回路5におけるイコライズ調整を、メモリ2aに記憶しているカットオフ周波数、およびブースト量を用いて行う構成としたので、ユーザが再生開始の入力操作を行ってから、実際に光ディスク10の再生が開始されるまでに要する時間の短縮が図れ、ユーザの使い勝手を向上できる。
【0031】
また、光ディスク10の再生を開始すると、再生が停止されるまで、ジッタが最小になるブースト量の検出を繰り返し行うので、光ディスク10の再生位置の変化や、コンテンツの変化による影響を受けることなく常に最適なパラメータでイコライズ調整を行うことができる。
【0032】
なお、この実施形態では、イコライズ調整に用いるカットオフ周波数を初期値に固定しているが、光ディスクに記録されているデータがディジタルであることから、イコライズ調整におけるRF信号のカットオフ周波数を固定値(初期値)としても、十分にジッタを抑えることができるので、特に問題はない。また、ジッタが最小となるカットオフ周波数を検出する処理を行わないことで、再生時おける装置の負荷が抑えられるので、再生動作が不安定になるのを防止できる。
【0033】
次に、この発明にかかる光ディスク装置1の別の実施形態について説明する。この実施形態の光ディスク装置1も図1に示した構成である。図4は、この発明の別の実施形態である光ディスク装置における再生時の動作を示すフローチャートである。この実施形態の光ディスク装置1は、上記した実施形態の装置と同様に、s1〜s6の処理を行う。この実施形態の光ディスク装置1は、s6で検出したジッタが最小であったときのブースト量が、その時点でイコライザ回路5でイコライズ調整に用いている現在のブースト量(A)であるかどうかを判定する(s11)。光ディスク装置1は、s11で2つのブースト量が同じでないと判定すると、s6で検出したジッタが最小であったときのブースト量を、イコライザ回路5におけるイコライズ調整に用いる新たなブースト量に更新する(s7)。一方、光ディスク装置1は、s11で2つのブースト量が同じであると判定すると、再生しているコンテンツが別のコンテンツに変わるか(s12)、光ディスク10の再生が停止するのを待つ(s13)。
【0034】
このように、この実施形態の光ディスク装置1は、s11で2つのブースト量が同じであると判定すると、この時点でイコライザ回路5で用いているブースト量が収束していると判断し、上記s6、s7にかかる処理を一時的に停止する。これにより、光ディスク装置1の再生時における負荷を一層抑えることができ、再生動作が不安定になるのをより確実に防止できる。
【0035】
また、光ディスク装置1は、s12でコンテンツが切り替わったと判定すると、s6に戻る。このように、再生しているコンテンツが切り替わった直後にイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する処理を開始するので、再生しているコンテンツの変化による影響を受けることなく、最適なイコライズ調整が行える。
【0036】
光ディスク装置1は、s8またはs13で光ディスク10の再生が停止したと判定すると、本処理を終了する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施形態である光ディスク装置の主要部の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態である光ディスク装置における再生時の動作を示すフローチャートである。
【図3】再生時における光ディスクの回転速度の制御を説明する図である。
【図4】この発明の別の実施形態である光ディスク装置における再生時の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1−光ディスク装置
2−制御部
2a−メモリ
3−スピンドルモータ
4−ピックアップヘッド
5−イコライザい回路
6−信号処理回路
7−ドライバ回路
8−サーボ回路
9−操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体にセットされている光ディスクに対してレーザ光を照射し、その反射光を受光素子で検出することで、この光ディスクに記録されているデータの読取信号であるRF信号を出力する読取手段と、
前記読取手段の出力であるRF信号に対してイコライズ調整を行うイコライズ手段と、
前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号から再生信号を生成し、出力する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記イコライズ調整手段がイコライズ調整に用いるブースト量の初期値を記憶するパラメータ記憶手段と、
本体にセットされている光ディスクの再生時に、前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記ブースト量の値を検出するパラメータ検出手段と、
前記イコライズ手段は、本体にセットされている光ディスクの再生開始時に前記パラメータ記憶手段が記憶する初期値を用いてイコライズ調整を行い、その後、前記パラメータ検出手段がイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記ブースト量の値を検出する毎に、検出されたブースト量の値を用いてイコライズ調整を行う手段であり、
また、前記パラメータ検出手段は、その時点でイコライズ調整に用いているブースト量、このブースト量よりも所定量だけ大きいブースト量、および所定量だけ小さいブースト量の3つのブースト量でイコライズ調整を行い、ジッタが最小であったブースト量をイコライズ調整に用いるブースト量として検出する手段であり、
さらに、前記パラメータ検出手段は、検出したイコライズ調整に用いるブースト量がその時点でイコライズ調整に用いているブースト量と同じであれば、イコライズ調整に用いるブースト量を検出する処理を停止し、且つ光ディスクの再生開始直後、および再生しているコンテンツが切り替わった直後にイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する処理を開始する手段である光ディスク装置。
【請求項2】
本体にセットされている光ディスクに対してレーザ光を照射し、その反射光を受光素子で検出することで、この光ディスクに記録されているデータの読取信号であるRF信号を出力する読取手段と、
前記読取手段の出力であるRF信号に対してイコライズ調整を行うイコライズ手段と、
前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号から再生信号を生成し、出力する再生手段と、を備えた光ディスク装置において、
前記イコライズ調整手段がイコライズ調整に用いるパラメータの初期値を記憶するパラメータ記憶手段と、
本体にセットされている光ディスクの再生時に、前記イコライズ手段によりイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記パラメータの値を検出するパラメータ検出手段と、
前記イコライズ手段は、本体にセットされている光ディスクの再生開始時に前記パラメータ記憶手段が記憶する初期値を用いてイコライズ調整を行い、その後、前記パラメータ検出手段がイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になる前記パラメータの値を検出する毎に、検出されたパラメータの値を用いてイコライズ調整を行う手段である光ディスク装置。
【請求項3】
前記パラメータ検出手段は、イコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する手段である請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記パラメータ検出手段は、その時点でイコライズ調整に用いているブースト量、このブースト量よりも所定量だけ大きいブースト量、および所定量だけ小さいブースト量の3つのブースト量でイコライズ調整を行い、ジッタが最小であったブースト量をイコライズ調整に用いるブースト量として検出する手段である請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記パラメータ検出手段は、検出したイコライズ調整に用いるブースト量がその時点でイコライズ調整に用いているブースト量と同じであれば、イコライズ調整に用いるブースト量を検出する処理を停止し、且つ光ディスクの再生開始直後、および再生しているコンテンツが切り替わった直後にイコライズ調整されたRF信号のジッタが最適になるブースト量を検出する処理を開始する手段である請求項3、または4に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−179088(P2006−179088A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370127(P2004−370127)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】