光ディスク装置
【課題】装置の大型化及びユーザへの負担を生じさせずに対物レンズの汚れ検出信号を出力可能にした光ディスク装置を提供する。
【解決手段】制御部(15)は、トレイ2を引出位置に移動させるイジェクト信号を信号入出力部(17)が受け付けた状態で光ピックアップ34が備える対物レンズ(34a)の汚れを検出する場合、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けられた反射部材2cが光ピックアップ34と対向する位置に引き出して停止させる。制御部(15)は、対物レンズ(34a)を通した光を反射部材2cに向けて照射させる。反射部材2cの反射面による反射光が光ピックアップ34により受光され、光強度検出部(34c)により光強度が検出される。制御部(15)は、検出された光強度が予め設定されている所定値未満である場合、対物レンズ(34a)の汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部(17)から出力する。
【解決手段】制御部(15)は、トレイ2を引出位置に移動させるイジェクト信号を信号入出力部(17)が受け付けた状態で光ピックアップ34が備える対物レンズ(34a)の汚れを検出する場合、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けられた反射部材2cが光ピックアップ34と対向する位置に引き出して停止させる。制御部(15)は、対物レンズ(34a)を通した光を反射部材2cに向けて照射させる。反射部材2cの反射面による反射光が光ピックアップ34により受光され、光強度検出部(34c)により光強度が検出される。制御部(15)は、検出された光強度が予め設定されている所定値未満である場合、対物レンズ(34a)の汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部(17)から出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズの汚れ検出信号を出力する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置は、AV機器、パーソナルコンピュータ等の情報機器及び携帯音楽プレーヤ等の携帯機器に広く用いられている。これらの機器では、レーザ素子から出射したレーザ光を高速に回転する光ディスクの記録面上に集光して光ディスクに記録されたデータの再生又は光ディスクへのデータの記録を行う。光ディスク装置は、データの再生又は記録を行うために、レーザ素子、対物レンズ及び光検出素子等から構成された光ピックアップを備えている。光ピックアップは、レーザ素子から出射したレーザ光を光ディスクの記録面に集光されるよう対物レンズをフォーカス制御して照射し、記録面で反射された反射光を光ピックアップの光検出素子により受光する。受光した反射光に基づいて、光ディスクの記録面に記録されたデータが読み取られて再生される。
【0003】
光ディスク装置内で高速に回転する光ディスクは、光ディスク装置の筺体内に負圧を生じさせる。この負圧により筺体内に吸い込まれる外気と共に埃等の塵埃が流入し、筺体内で露出している対物レンズの表面に付着して汚れが生じる。対物レンズの汚れは、対物レンズを通して光ディスクの記録面に照射されるレーザ光の光強度を減少させる。また、光ディスクの記録面に付着する汚れも、光ピックアップが検出する反射光の光強度の減少等を生じさせる。光ディスク記録面の汚れは、ユーザが視認して除去することが可能であるが、光ディスク装置内に設けられた光ピックアップの対物レンズの汚れを視認して除去することは不可能である。そのため、光ディスク装置が対物レンズの汚れを検出してユーザに報知し、対物レンズのクリーニングを促す必要がある。
【0004】
そこで、対物レンズの汚れを検出するために、反射部材を設けて光ピックアップから照射されるレーザ光を光ディスクの記録面の代わりに光ピックアップに向けて反射させる反射面を形成させた光ディスク装置が特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1に記載の光ディスク装置には、トレイに載置された光ディスクの外周よりも外側に反射部材が設けられている。光ピックアップが反射部材の反射面と対向する位置まで移動された後に、光ピックアップから反射面にレーザ光が照射され、反射面による反射光が光ピックアップにより受光される。受光された反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れが検出される。
【0005】
特許文献2に記載の光ディスク装置には、トレイの光ディスク載置面と対向する筺体の天板に反射部が設けられている。光ディスクがトレイに載置されていない状態で光ピックアップから反射部材にレーザ光が照射され、反射光が受光される。また、特許文献2には、反射部材として、データが記録された通常の光ディスクの代わりにトレイに載置されており、反射面が形成された汚れ検出用の光ディスクを用いる方法についても記載されている。
【特許文献1】特開2006−107682号公報
【特許文献2】特開2004−39189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置では、光ディスクの外周よりも外側に配置された反射部材と対向する位置に光ピックアップをトラバース移動可能にすべくサイズの大きなトラバース移動機構を構成する必要があり、光ディスク装置が大型化するという問題があった。特許文献2に記載の光ディスク装置においては、天板に設けられた反射部材の反射面が光ピックアップから遠距離に位置するため、光ピックアップを反射部材に接近させる移動機構を必要とし、光ディスク装置が大型化するという問題があった。また、特許文献2に記載の汚れ検出用の光ディスクを用いる場合、ユーザがトレイに載置する場合等において、反射面に汚れが付着することがないよう取り扱う必要があり、ユーザへの負担が生じるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面と、トレイが引出位置及び収納位置の間にある場合、光ピックアップからトレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に光を照射し、反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、判定手段が所定値未満であると判定した場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることにより、装置の大型化及びユーザへの負担を生じさせずに対物レンズの汚れを検出することが可能となる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクが載置されるトレイと、該トレイを収納する筺体と、該筺体に対して前記トレイが引き出された引出位置又は前記筺体内に収納された収納位置に前記トレイを移動するトレイ移動手段と、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記光ディスクに対物レンズを経て照射した光の反射光を受光する光ピックアップと、該光ピックアップを前記光ディスク半径方向に移動する光ピックアップ移動手段とを備えた光ディスク装置において、前記トレイの光ディスク載置面の反対面の一部又は全部に形成された反射面と、前記トレイが前記引出位置及び収納位置の間にある場合、前記光ピックアップが受光した前記反射面による反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段が所定値未満であると判定した場合、前記対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、光ディスクが載置されたトレイが収納位置にある場合、トレイの光ディスク載置面の反対側に配された光ピックアップにより、光ディスクに対物レンズを経て照射された光の反射光が受光される。トレイが収納位置及び引出位置の間にある場合、光ピックアップにより、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に対物レンズを経て照射された光の反射光が受光される。光ディスク装置は、反射面による反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する。
【0010】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面が前記光ピックアップと対向する位置に前記トレイを停止させる停止手段を備え、前記判定手段は、前記停止手段が前記トレイを停止させた場合、判定するよう構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、反射面が光ピックアップと対向する位置にトレイが停止され、光ピックアップにより反射面による反射光が受光される。光ディスク装置は、反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する。
【0012】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面に付着する塵埃を除去する除塵手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、反射面に付着する塵埃が反射面による反射光の光強度を減少させることを防ぐべく、除塵される。
【0014】
本発明に係る光ディスク装置は、前記除塵手段は、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動した場合、前記反射面に接触して塵埃を除去するよう構成してあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、トレイの移動に伴って、トレイの光ディスク載置面の反対側に配された除塵手段が反射面に接触し、反射面に付着した塵埃を拭って除去する。
【0016】
本発明に係る光ディスク装置は、前記光ピックアップ移動手段は、前記判定手段が判定する場合、前記光ピックアップを前記トレイの収納方向に向けて移動するよう構成してあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、反射面による反射光を受光する場合、トレイを収納位置から引き出す距離を短くすべく、光ピックアップがトレイの収納方向に向けて移動される。移動された光ピックアップは、トレイの収納方向の端部近傍に形成された反射面による反射光を受光する。
【0018】
本発明に係る光ディスク装置は、前記光ディスクを所定位置にクランプし、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動する場合、クランプ解除するクランプ機構を備え、前記反射面は、前記判定手段が判定する場合、前記対物レンズとの距離が、クランプされた前記光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう構成してあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、収納位置にあるトレイに載置された光ディスクが、クランプ機構により所定位置にクランプされ、光ピックアップにより対物レンズを経て照射された光が光ディスクに集光される。クランプ機構は、トレイが移動する場合、光ディスクをクランプ解除する。光ピックアップにより照射される光は、対物レンズとの距離が、クランプされた光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう形成された反射面に集光される。
【0020】
本発明に係る光ディスク装置は、前記クランプ機構をクランプ位置及びクランプ解除位置に移動するクランプ移動手段を備え、前記光ピックアップは、前記クランプ機構と共に移動するよう構成してあり、前記反射面は、前記クランプ機構が前記クランプ解除位置にある場合、法線が前記対物レンズの光軸に対して略平行となるよう構成してあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、光ディスクをクランプ解除すべくクランプ解除位置に移動されたクランプ機構と共に光ピックアップも移動される。反射面による反射光を受光する場合、クランプ機構の移動と共に移動された光ピックアップの対物レンズから反射面に対して略垂直に光が照射される。
【0022】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に貼着された反射面が光ピックアップから照射される光を光ピックアップに向けて反射する。
【0024】
本発明に係る光ディスク装置は、前記トレイは、光反射性樹脂を成型してなることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、光反射性樹脂を成型してなるトレイの光ディスク載置面の反対面に反射面が形成される。
【0026】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面は、光反射性塗料を塗布して形成されることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に塗布された光反射性材料が光ピックアップから照射される光を光ピックアップに向けて反射する。
【発明の効果】
【0028】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面と、トレイが引出位置及び収納位置の間にある場合、光ピックアップからトレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に光を照射し、反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、判定手段が所定値未満であると判定した場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることにより、装置の大型化及びユーザへの負担を生じさせずに対物レンズの汚れを検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの外観を示す模式的斜視図、図2は、トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図、図3は、トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図、図4は、光ディスクドライブの天板及びトレイを取り外した状態を示す模式的平面図、図5は、光ディスクドライブの一部を分解した斜視図、図6は、トレイの構成を示す光ディスク載置反対側模式的平面図、図7は、シフタの拡大正面図、図8はシフタ及びリフタが取り付けられたローディングベースの構成を示す平面側斜視図、図9は光ディスクドライブの構成を示す平面側斜視図である。本発明においては、光ディスク装置を、録画機器、パーソナルコンピュータ、及び音楽再生機器等に内蔵される光ディスクドライブに置き換えて説明する。
【0030】
光ディスクドライブは、光ディスクが載置されるトレイ2と、ディスク装着位置の光ディスクをクランプ及びクランプ解除するクランプ機構3と、該クランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置に昇降させるリフタ4と、該リフタ4を揺動させてクランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置へ動作させるシフタ5と、トレイ2を収納する筺体6とを備えている。トレイ2は、筺体6に対して引き出された引出位置又は筺体6に対して収納された収納位置との間を往復移動可能にしてある。ここで、トレイ2が引出位置から収納位置に向かう方向を収納方向と呼ぶ。
【0031】
筺体6は、底面及び周面(前面、両側面、背面)を有するローディングベース61と、該ローディングベース61の底面の反対側に取着された天板62とを備えており、クランプ機構3をローディングベース61の底面にて支持している。クランプ機構3は、収納方向反対側部分が降下して傾斜することで、クランプ解除位置に降下するようにしてある。ローディングベース61の底面には、クランプ機構3の降下時にクランプ機構3の収納方向反対側部分が挿通する矩形開口部が設けられている。天板62には、光ディスクが載置されたトレイ2が収納位置にある場合、後述のターンテーブル31aと共に、光ディスクをトレイ2の光ディスク載置面に対して間隙を有して所定位置に挟持するクランパ62aが設けられている。
【0032】
トレイ2は、トラバース移動する光ピックアップ34が挿通可能にすべく、載置される光ディスクの中心から収納方向に向かって延びる矩形切欠部を有している。矩形切欠部は、トレイ2の収納方向端部近傍において収納方向と交差する方向に沿って連結してあり、連結部分は、載置される光ディスクの中心よりも収納方向側に位置している。これにより、光ピックアップ34は、光ディスクの中心から光ディスク半径方向に沿って矩形切欠部の連結部分までをトラバース移動可能にしてある。トレイ2は、筺体6に備えられたトレイ駆動ギヤ7と噛合しており、収納方向に向かって延びるラック歯2aを光ディスク載置面の反対面に有する。トレイ2は、ラック歯2aと噛合するトレイ駆動ギヤ7の一方向への回転により引出位置から収納位置に移動し、トレイ駆動ギヤ7の他方向への回転により収納位置から引出位置に戻り移動するようにしてある。
【0033】
また、トレイ2は、光ディスク載置面の反対面に設けられたガイド溝2bにより、引出位置から収納位置に向かって移動を開始した場合、ガイド溝2bと嵌合する係合凸部5cを有する後述のシフタ5をトレイ2の移動方向と交差する方向(図5に示すX方向)に所定量移動させるようにしてある。トレイ2は、光ディスク載置面の反対面に位置しており、矩形切欠部の連結部に取着された反射部材2cを備えている。反射部材2cは、真空蒸着された金属等により形成された反射面を有するガラス等の矩形板状部材からなる。反射部材2cは、クランプ機構3がクランプ解除位置にある場合に、クランプ機構3と共に傾斜した後述の光ピックアップ34の対物レンズ34aの光軸と略平行な法線を有するように、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に対し、傾斜して設けられている。
【0034】
反射部材2cの反射面及び後述の汚れ検出位置にある光ピックアップ34の対物レンズ34aの距離は、所定位置にクランプされた光ディスクの記録面及び対物レンズ34aの距離と略同一となるようにしてある。クランプ機構3は、スピンドルモータ31と、該スピンドルモータ31により駆動され、光ディスクを回転させるターンテーブル31aと、スピンドルモータ31を支持した矩形の支持板32と、該支持板32に2本の案内軸33,33を介して光ディスクの半径方向にトラバース動作可能に搭載されており、光ディスクの記録面に対してデータの再生又は記録を行う光ピックアップ34と、光ピックアップ34をトラバース移動させるためのスレッドモータ36とを備えている。
【0035】
スレッドモータ36は、光ピックアップ34に設けられたラック歯と歯合するスレッドギヤを駆動することにより、光ピックアップ34をトラバース移動するようにしてある。また、支持板32には、矩形開口部の収納方向端部に沿って延びる基部からトレイ2の光ディスク載置面の反対面に向かって先端が突出するブラシ又はフェルト等からなる除塵部37を備えている。除塵部37は、先端及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面の距離が、クランプ機構3がクランプ解除位置に下降した状態での支持板32及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面間の距離から反射部材2cの反射面及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面の距離を差し引いた距離よりも長くなるよう突設してある。これにより、トレイ2が移動した場合、除塵部37の先端が反射部材2cの反射面と接触可能にしてある。
【0036】
支持板32の四角部には弾性筒体35、35、…が係止されており、支持板32のスピンドルモータ31側角部に配置された2つの弾性筒体35,35に挿入される軸体4b,4b及び該軸体4b,4bに螺着される雄ねじにより支持板32にリフタ4が連結されており、支持板32のスレッドモータ36側角部に配置された2つの弾性筒体35,35に挿入される軸体61a,61a及び該軸体に螺着される雄ねじにより筺体6のローディングベース61の底面に取着されている。リフタ4は略U字形に形成されており、両側面部の上端部分に枢軸4a,4aが突設されており、底面部に離隔する2つの軸体4b,4b及び係合凸部4c,4cが突設されている。
【0037】
ローディングベース61の周面に穿設された孔に枢軸4a,4aが内嵌され、支持板32の弾性筒体35,35に軸体4b,4bが内嵌されることによりリフタ4が揺動自在となり、このリフタ4の揺動に連動して支持板32、ひいてはクランプ機構3の収納方向反対側部分を昇降可能にしてある。シフタ5はX方向へ所定量の移動を可能としてローディングベース61の底面に保持されている。このシフタ5は、X方向に穿設された2つのカム溝5a,5aと、トレイ駆動ギヤ7に噛合することが可能なラック歯5bと、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けられたカム溝5aに嵌合することが可能な係合凸部5cとを有している。ラック歯5bはトレイ2が引出位置にあり、クランプ機構3がクランプ解除位置に停止している場合にトレイ駆動ギヤ7と非噛合となるようにしてある。
【0038】
ラック歯5bは、トレイ2の収納方向への移動を開始させ、トレイ2のカム溝5a及び係合凸部5cを介してシフタ5がX方向に所定量移動した場合、トレイ駆動ギヤ7と噛合するようにしてある。トレイ駆動ギヤ7の駆動力が、噛合したラック歯5bを介してシフタ5をX方向に移動させることにより、カム溝5a,5a及び係合凸部4c,4cを介してリフタ4を揺動させ、クランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置の間で昇降させることができるようにしてある。クランプ機構3がクランプ位置にある場合、支持板32は、ローディングベース61の底面に対して略平行となり、ターンテーブル31aがクランパ62aと対向するようにしてある。
【0039】
図10は、光ディスクドライブの電気的な内部構成を示すブロック図である。光ディスクドライブは、トレイ駆動ギヤ7を駆動する電動モータを制御してトレイ2を移動させるトレイ移動部11と、スピンドルモータ31を制御して光ディスクを回転させるディスク回転部12と、スレッドモータ36を制御して光ピックアップ34をトラバース移動させるトラバース移動部13と、タイマ14と、光ピックアップ34と、ハードウェア各部の制御及び汚れの検出を行うMPU(micro processing unit)等からなる制御部15と、制御部15で実行される制御プログラムが記憶された記憶部16と、光ディスクドライブを内蔵する機器から各種制御信号が入力され、又汚れ検出信号を光ディスクドライブを内蔵する機器へ出力する信号入出力部17とを備える。
【0040】
光ピックアップ34は、対物レンズ34aを通してレーザ光等の光を出射する光出射部34bと、対物レンズ34aを通して光ディスクの記録面又は反射部材2cの反射面による反射光を受光して光強度を検出する光強度検出部34cとを含んでいる。制御部15は、光ピックアップ34が受光した反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段としても機能する。記憶部16は、後述の光ディスクの装着回数、光強度を判定するための所定値及び制御部15の制御処理中に発生するデータ等を記憶するようにしてある。信号入出力部17に入力される制御信号は、例えば、トレイ2を収納位置に移動させるよう指示するローディング信号及びトレイ2を引出位置に移動させて光ディスクの載置又は取出しを可能とするよう指示するイジェクト信号等からなる。
【0041】
また、信号入出力部17は、光ディスクドライブが対物レンズ34aの汚れを検出した場合に、その旨を報知する汚れ検出信号を出力するようにしてあり、汚れ検出信号の出力手段としても機能する。タイマ14には、トレイ移動部11により収納位置のトレイ2が引出位置に向けて移動を開始した時点から、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34の対物レンズ34aと対向する後述の汚れ検出位置にトレイ2が移動するまでの所要時間が予め求められてタイマ時間として設定されている。タイマ14は、制御部15からの指示により、タイマ時間のカウントダウンを開始し、カウントダウンが終了した場合にタイマ信号を制御部15に出力するようにしてある。以上のように構成された光ディスクドライブのローディング動作を説明する。
【0042】
図11及び図12夫々は、トレイ2が引出位置及び収納位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。図中8は、トレイ2に載置された光ディスクを示す。光ディスクドライブは、引出位置にあるトレイ2に光ディスク8が載置された後、光ディスクドライブを内蔵する機器等からローディング信号を受け付けた場合、トレイ2の収納位置への移動を開始させる。トレイ2の収納方向への移動に伴って反射部材2cが、除塵部37の先端部と接触して反射面に付着する塵埃が拭われて除去される。シフタ5は、係合凸部5c及びカム溝5aによりX方向に所定量を移動し、トレイ2が収納位置に到達する直前にラック歯5bがトレイ駆動ギヤ7と噛合する。
【0043】
リフタ4は、ラック歯5bを介してシフタ5に伝達されたトレイ駆動ギヤ7の駆動力により、カム溝5a、5a及び係合凸部4c、4cを介し、天板62に向けて上昇する。リフタ4の上昇に伴ってクランプ機構3が天板62側に向けて押し上げられ、ターンテーブル31aが光ディスク8をクランパ62aに向けて押圧し、光ディスク8がクランプされる。光ディスク8のクランプと同時にトレイ2が収納位置に停止され、記憶部16に記憶されている光ディスクの装着回数がインクリメントされてローディング動作を完了する。光ディスクドライブは、光ディスク8を所定の回転速度で回転させる。光ディスクドライブは、光ピックアップ34をトラバース移動させて、光ディスク8の記録面に対してデータの再生又は記録を実行する。次に光ディスクドライブのイジェクト動作を説明する。
【0044】
光ディスクドライブは、イジェクト信号を受け付けた場合、トレイ2の引出位置への移動を開始させる。リフタ4は、ラック歯5bを介してシフタ5に伝達されたトレイ駆動ギヤ7の駆動力により、カム溝5a、5a及び係合凸部4c、4cを介してローディングベース61の底板に向けて下降する。リフタ4の下降に伴ってクランプ機構3がローディングベース61に向けて押し下げられ、光ディスク8をクランパ62aに向けて押圧していたターンテーブル31aが下降し、光ディスク8がクランプ解除される。シフタ5が係合凸部5c及びカム溝5aにより、X方向の反対方向に所定量移動し、クランプ機構3がクランプ解除位置となった場合、ラック歯5bがトレイ駆動ギヤ7と非噛合となり、シフタ5の移動が停止する。トレイ2の移動に伴って反射部材2cが、除塵部37の先端部と接触して反射面に付着する塵埃が拭われる。トレイ2は、引出位置で停止され、イジェクト動作が完了する。次に光ディスクドライブの汚れ検出動作について説明する。
【0045】
図13は、トレイ2の汚れ検出位置での光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。光ディスクドライブの汚れ検出動作は、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態でイジェクト動作が実行される場合に行われる。光ディスクドライブは、トレイ2が収納位置にあり、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態でイジェクト信号を受付けた場合、トレイ2の引出位置への移動を開始させると共に、タイマ14にタイマ時間のカウントダウンを開始させる。光ディスクドライブは、光ピックアップ34を移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動させる。タイマ14がタイマ信号を出力した場合、トレイ2を停止させることにより、トレイ2を汚れ検出位置に停止させる。光ピックアップ34から対物レンズ34aを通した光が、反射部材2cの反射面に向けて照射される。
【0046】
光ピックアップ34により、反射部材2cの反射面による反射光が受光されて光強度が検出される。光ディスクドライブは、光強度検出部34cが検出した反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズ34aの汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部17から出力する。また、光ディスクドライブは、記憶部16に記憶されている光ディスクの装着回数をクリアし、汚れ検出動作を完了する。光ディスクドライブは、汚れ検出動作の完了後、汚れ検出位置に停止していたトレイ2の移動を再開させて引出位置に移動させ、イジェクト動作を完了する。
【0047】
図14は、信号受付処理の手順を示すフローチャートである。信号受付処理は、信号入出力部17にローディング信号又はイジェクト信号が入力された場合、制御部15により実行される。制御部15は、信号入出力部17に入力された信号が、イジェクト信号及びローディング信号のいずれの信号であるかを判定する(ステップS11)。制御部15は、イジェクト信号であると判定した場合(ステップS11で“イジェクト信号”)、トレイ2が収納位置にあるか否かを判定する(ステップS12)。制御部15は、トレイ2が収納位置にないと判定した場合(ステップS12でNO)、信号受付処理を終了する。
【0048】
制御部15は、収納位置にあると判定した場合(ステップS12でYES)、記憶部16に記憶されている装着回数を読み出す(ステップS13)。制御部15は、トレイ2を引出方向に移動させてイジェクト動作を開始する(ステップS14)。制御部15は、読み出した装着回数が予め設定されている所定回数を超えているか否かを判定する(ステップS15)。制御部15は、所定回数を超えていると判定した場合(ステップS15でYES)、後述の汚れ検出処理を実行し(ステップS16)、信号受付処理を終了する。制御部15は、所定回数を超えていないと判定した場合(ステップS15でNO)、信号受付処理を終了する。
【0049】
制御部15は、入力された信号がイジェクト信号及びローディング信号のいずれの信号であるかを判定するステップS11において、ローディング信号であると判定した場合(ステップS11で“ローディング信号”)、トレイ2が引出位置にあるか否かを判定する(ステップS17)。制御部15は、トレイ2が引出位置にないと判定した場合(ステップS17でNO)、信号受付処理を終了する。制御部15は、トレイ2が引出位置にあると判定した場合(ステップS17でYES)、トレイ2を移動させてローディング動作を開始する(ステップS18)。制御部15は、ローディング動作が完了したか否かを判定する(ステップS19)。
【0050】
制御部15は、ローディング動作が完了していないと判定した場合(ステップS19でNO)、ローディング動作が完了するまで待機する。制御部15は、ローディング動作が完了したと判定した場合(ステップS19でYES)、光ディスクがクランプされているか否かを判定する(ステップS20)。制御部15は、光ディスクがクランプされていないと判定した場合(ステップS20でNO)、信号受付処理を終了する。制御部15は、光ディスクがクランプされていると判定した場合(ステップS20でYES)、記憶部16に記憶されている装着回数をインクリメントし(ステップS21)、信号受付処理を終了する。
【0051】
図15は、汚れ検出処理の手順を示すフローチャートである。制御部15は、タイマ14にタイマ時間の計時を開始させる(ステップS31)。制御部15は、光ピックアップ34を移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動させる(ステップS32)。制御部15は、タイマ14が出力するタイマ信号を検出したか否かを判定する(ステップS33)。制御部15は、タイマ信号を検出していないと判定した場合(ステップS33でNO)、タイマ信号を検出するまで待機する。制御部15は、タイマ信号を検出した場合(ステップS33でYES)、トレイ2を停止させる(ステップS34)。制御部15は、光強度検出部34cが検出した反射光の光強度を取得する(ステップS35)。
【0052】
制御部15は、取得した光強度が記憶部16に予め記憶されている所定値未満であるか否かを判定する(ステップS36)。制御部15は、所定値未満であると判定した場合(ステップS36でYES)、対物レンズ34aの汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部17から出力させ(ステップS37)、記憶部16に記憶されている装着回数をクリアする(ステップS38)。制御部15は、停止していたトレイ2の移動を再開させて(ステップS39)、汚れ検出処理を終了する。制御部15は、光強度が所定値未満であるか否かを判定するステップS36において、所定値未満でないと判定した場合(ステップS36でNO)、トレイ2の移動を再開させるステップS39に処理を移す。
【0053】
光ピックアップ34が移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動されてから、トレイ2を汚れ検出位置に移動することにより、収納位置から汚れ検出位置までのトレイ2の引出距離を短くすることが可能となる。また、反射部材2cの反射面は、対物レンズ34aの光軸と略平行となる法線を有するようトレイ2の光ディスク載置面の反対面に対して傾斜して形成されているため、対物レンズ34aの汚れを検出する場合、対物レンズ34aから反射部材2cの反射面に照射される光を対物レンズ34aに向けて反射させることが可能となる。反射面及び対物レンズ34aの距離は、クランプされた光ディスク8の記録面及び対物レンズ34aの距離と略同一であるため、新たにフォーカス制御をすることなく光ピックアップ34から照射される光を反射部材2cの反射面に集光することが可能となる。
【0054】
タイマ14が出力するタイマ信号を検出することにより、トレイ2を移動開始した時点からの経過時間に基づいてトレイ2を汚れ検出位置に停止させる場合を示したが、汚れ検出位置にあるトレイ2を検出して停止させてもよい。この場合、汚れ検出位置にあるトレイ2を検出すべくフォトインタラプタ等を用いた光スイッチ又は機械スイッチ等をトレイ2の光ディスク載置面の反対側に設けて、これらのスイッチが出力する信号を検出してトレイ2を停止させるとよい。
【0055】
除塵部37が光ディスクドライブに設けられる場合を示したが、反射部材2cの反射面に透明性樹脂等をコーティングして除塵部37による除塵を省略してもよい。この場合、光が集光されない透明樹脂面に塵埃が付着するため、塵埃による反射光の減衰が緩やかとなり、除塵部37を省略したことによる影響が抑えられる。また、反射部材2cとして板状の反射部材が貼着される場合を示したが、これに限るものではなく反射性塗料が塗布されて形成されてもよい。反射部材2cを設ける代わりにトレイ2を高い光反射率を有する樹脂を成型してトレイ2の光ディスク載置面の反対面全体に反射面を形成してもよい。
【0056】
光ディスクドライブの汚れ検出動作は、イジェクト動作によるトレイ2の移動時に行われる場合を示したが、ローディング動作によるトレイ2の移動時に行ってもよい。また、光ディスクドライブの汚れ検出動作は、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態で行われる場合を示したが、これに限るものではなく、例えば、1週間及び1ヵ月等の所定の時間間隔を設定して、毎週及び毎月等の間隔で実行してもよい。
【0057】
光ディスクドライブの汚れ検出動作は、トレイ2を汚れ検出位置に停止させた状態で実行する場合を示したが、トレイ2が移動している期間のうち、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34と対向している状態が継続している期間に、反射面による反射光の光強度を検出するよう構成してトレイ2を停止させずに実行してもよい。この場合、光ピックアップ34が反射光の光強度の検出を完了するために要する時間が、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34と対向している期間よりも短くなるようにトレイ2の移動速度の設定及び反射部材2cの反射面の収納方向の長さの決定を行うとよい。
【0058】
光ピックアップ34には、対物レンズ34a及び光出射部34bを夫々一つ備える場合を示したが、これに限るものではなく、複数の異なる波長を有する光を照射して光ディスクの記録面に対してデータの再生又は記録を行うべく、複数の対物レンズ34a及び光出射部34bを備えていてもよい。この場合、複数の対物レンズ34aと対向するよう反射面の面積を設定した反射部材2c、又は複数の対物レンズ34aと夫々対向する複数の反射部材2cをトレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けるとよい。
【0059】
光ディスクドライブを内蔵する機器には、光ディスクドライブが汚れ検出信号を出力した場合にユーザに対物レンズ34aのクリーニングを促すべく点灯するLED等からなる警告灯を設けるとよい。また、光ディスクドライブを内蔵する機器から外部の表示装置にユーザに対物レンズ34aのクリーニングを促すメッセージを表示する映像信号を出力するようにしてもよい。本発明においては、録画機器、パーソナルコンピュータ、及び音楽再生機器等に内蔵される光ディスクドライブについて示したが、これに限るものではなく係る機器等に接続される外部の光ディスク装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの外観を示す模式的斜視図である。
【図2】トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図3】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図4】光ディスクドライブの天板及びトレイを取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図5】光ディスクドライブの一部を分解した斜視図である。
【図6】トレイの構成を示す光ディスク載置反対側模式的平面図である。
【図7】シフタの拡大正面図である。
【図8】シフタ及びリフタが取り付けられたローディングベースの構成を示す平面側斜視図である。
【図9】光ディスクドライブの構成を示す平面側斜視図である。
【図10】光ディスクドライブの電気的な内部構成を示すブロック図である。
【図11】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図12】トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図13】トレイの汚れ検出位置での光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図14】信号受付処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】汚れ検出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
11 トレイ移動部
12 ディスク回転部
13 トラバース移動部
14 タイマ
15 制御部
16 記憶部
17 信号入出力部
2 トレイ
2a,5b ラック歯
2b ガイド溝
2c 反射部材
3 クランプ機構
31 スピンドルモータ
31a ターンテーブル
32 支持板
33 案内軸
34 光ピックアップ
34a 対物レンズ
34b 光出射部
34c 光強度検出部
35 弾性筒体
36 スレッドモータ
37 除塵部
4 リフタ
4a 枢軸
4b,61a 軸体
4c,5c 係合凸部
5 シフタ
5a カム溝
6 筺体
61 ローディングベース
62 天板
62a クランパ
7 トレイ駆動ギヤ
8 光ディスク
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズの汚れ検出信号を出力する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置は、AV機器、パーソナルコンピュータ等の情報機器及び携帯音楽プレーヤ等の携帯機器に広く用いられている。これらの機器では、レーザ素子から出射したレーザ光を高速に回転する光ディスクの記録面上に集光して光ディスクに記録されたデータの再生又は光ディスクへのデータの記録を行う。光ディスク装置は、データの再生又は記録を行うために、レーザ素子、対物レンズ及び光検出素子等から構成された光ピックアップを備えている。光ピックアップは、レーザ素子から出射したレーザ光を光ディスクの記録面に集光されるよう対物レンズをフォーカス制御して照射し、記録面で反射された反射光を光ピックアップの光検出素子により受光する。受光した反射光に基づいて、光ディスクの記録面に記録されたデータが読み取られて再生される。
【0003】
光ディスク装置内で高速に回転する光ディスクは、光ディスク装置の筺体内に負圧を生じさせる。この負圧により筺体内に吸い込まれる外気と共に埃等の塵埃が流入し、筺体内で露出している対物レンズの表面に付着して汚れが生じる。対物レンズの汚れは、対物レンズを通して光ディスクの記録面に照射されるレーザ光の光強度を減少させる。また、光ディスクの記録面に付着する汚れも、光ピックアップが検出する反射光の光強度の減少等を生じさせる。光ディスク記録面の汚れは、ユーザが視認して除去することが可能であるが、光ディスク装置内に設けられた光ピックアップの対物レンズの汚れを視認して除去することは不可能である。そのため、光ディスク装置が対物レンズの汚れを検出してユーザに報知し、対物レンズのクリーニングを促す必要がある。
【0004】
そこで、対物レンズの汚れを検出するために、反射部材を設けて光ピックアップから照射されるレーザ光を光ディスクの記録面の代わりに光ピックアップに向けて反射させる反射面を形成させた光ディスク装置が特許文献1及び特許文献2に記載されている。特許文献1に記載の光ディスク装置には、トレイに載置された光ディスクの外周よりも外側に反射部材が設けられている。光ピックアップが反射部材の反射面と対向する位置まで移動された後に、光ピックアップから反射面にレーザ光が照射され、反射面による反射光が光ピックアップにより受光される。受光された反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れが検出される。
【0005】
特許文献2に記載の光ディスク装置には、トレイの光ディスク載置面と対向する筺体の天板に反射部が設けられている。光ディスクがトレイに載置されていない状態で光ピックアップから反射部材にレーザ光が照射され、反射光が受光される。また、特許文献2には、反射部材として、データが記録された通常の光ディスクの代わりにトレイに載置されており、反射面が形成された汚れ検出用の光ディスクを用いる方法についても記載されている。
【特許文献1】特開2006−107682号公報
【特許文献2】特開2004−39189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の光ディスク装置では、光ディスクの外周よりも外側に配置された反射部材と対向する位置に光ピックアップをトラバース移動可能にすべくサイズの大きなトラバース移動機構を構成する必要があり、光ディスク装置が大型化するという問題があった。特許文献2に記載の光ディスク装置においては、天板に設けられた反射部材の反射面が光ピックアップから遠距離に位置するため、光ピックアップを反射部材に接近させる移動機構を必要とし、光ディスク装置が大型化するという問題があった。また、特許文献2に記載の汚れ検出用の光ディスクを用いる場合、ユーザがトレイに載置する場合等において、反射面に汚れが付着することがないよう取り扱う必要があり、ユーザへの負担が生じるという問題があった。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面と、トレイが引出位置及び収納位置の間にある場合、光ピックアップからトレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に光を照射し、反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、判定手段が所定値未満であると判定した場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることにより、装置の大型化及びユーザへの負担を生じさせずに対物レンズの汚れを検出することが可能となる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光ディスク装置は、光ディスクが載置されるトレイと、該トレイを収納する筺体と、該筺体に対して前記トレイが引き出された引出位置又は前記筺体内に収納された収納位置に前記トレイを移動するトレイ移動手段と、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記光ディスクに対物レンズを経て照射した光の反射光を受光する光ピックアップと、該光ピックアップを前記光ディスク半径方向に移動する光ピックアップ移動手段とを備えた光ディスク装置において、前記トレイの光ディスク載置面の反対面の一部又は全部に形成された反射面と、前記トレイが前記引出位置及び収納位置の間にある場合、前記光ピックアップが受光した前記反射面による反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段が所定値未満であると判定した場合、前記対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、光ディスクが載置されたトレイが収納位置にある場合、トレイの光ディスク載置面の反対側に配された光ピックアップにより、光ディスクに対物レンズを経て照射された光の反射光が受光される。トレイが収納位置及び引出位置の間にある場合、光ピックアップにより、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に対物レンズを経て照射された光の反射光が受光される。光ディスク装置は、反射面による反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する。
【0010】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面が前記光ピックアップと対向する位置に前記トレイを停止させる停止手段を備え、前記判定手段は、前記停止手段が前記トレイを停止させた場合、判定するよう構成してあることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、反射面が光ピックアップと対向する位置にトレイが停止され、光ピックアップにより反射面による反射光が受光される。光ディスク装置は、反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する。
【0012】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面に付着する塵埃を除去する除塵手段を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、反射面に付着する塵埃が反射面による反射光の光強度を減少させることを防ぐべく、除塵される。
【0014】
本発明に係る光ディスク装置は、前記除塵手段は、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動した場合、前記反射面に接触して塵埃を除去するよう構成してあることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、トレイの移動に伴って、トレイの光ディスク載置面の反対側に配された除塵手段が反射面に接触し、反射面に付着した塵埃を拭って除去する。
【0016】
本発明に係る光ディスク装置は、前記光ピックアップ移動手段は、前記判定手段が判定する場合、前記光ピックアップを前記トレイの収納方向に向けて移動するよう構成してあることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、反射面による反射光を受光する場合、トレイを収納位置から引き出す距離を短くすべく、光ピックアップがトレイの収納方向に向けて移動される。移動された光ピックアップは、トレイの収納方向の端部近傍に形成された反射面による反射光を受光する。
【0018】
本発明に係る光ディスク装置は、前記光ディスクを所定位置にクランプし、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動する場合、クランプ解除するクランプ機構を備え、前記反射面は、前記判定手段が判定する場合、前記対物レンズとの距離が、クランプされた前記光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう構成してあることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、収納位置にあるトレイに載置された光ディスクが、クランプ機構により所定位置にクランプされ、光ピックアップにより対物レンズを経て照射された光が光ディスクに集光される。クランプ機構は、トレイが移動する場合、光ディスクをクランプ解除する。光ピックアップにより照射される光は、対物レンズとの距離が、クランプされた光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう形成された反射面に集光される。
【0020】
本発明に係る光ディスク装置は、前記クランプ機構をクランプ位置及びクランプ解除位置に移動するクランプ移動手段を備え、前記光ピックアップは、前記クランプ機構と共に移動するよう構成してあり、前記反射面は、前記クランプ機構が前記クランプ解除位置にある場合、法線が前記対物レンズの光軸に対して略平行となるよう構成してあることを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、光ディスクをクランプ解除すべくクランプ解除位置に移動されたクランプ機構と共に光ピックアップも移動される。反射面による反射光を受光する場合、クランプ機構の移動と共に移動された光ピックアップの対物レンズから反射面に対して略垂直に光が照射される。
【0022】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に貼着された反射面が光ピックアップから照射される光を光ピックアップに向けて反射する。
【0024】
本発明に係る光ディスク装置は、前記トレイは、光反射性樹脂を成型してなることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、光反射性樹脂を成型してなるトレイの光ディスク載置面の反対面に反射面が形成される。
【0026】
本発明に係る光ディスク装置は、前記反射面は、光反射性塗料を塗布して形成されることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に塗布された光反射性材料が光ピックアップから照射される光を光ピックアップに向けて反射する。
【発明の効果】
【0028】
本発明にあっては、トレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面と、トレイが引出位置及び収納位置の間にある場合、光ピックアップからトレイの光ディスク載置面の反対面に形成された反射面に光を照射し、反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段と、判定手段が所定値未満であると判定した場合、対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段とを備えることにより、装置の大型化及びユーザへの負担を生じさせずに対物レンズの汚れを検出することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。図1は、トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの外観を示す模式的斜視図、図2は、トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図、図3は、トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図、図4は、光ディスクドライブの天板及びトレイを取り外した状態を示す模式的平面図、図5は、光ディスクドライブの一部を分解した斜視図、図6は、トレイの構成を示す光ディスク載置反対側模式的平面図、図7は、シフタの拡大正面図、図8はシフタ及びリフタが取り付けられたローディングベースの構成を示す平面側斜視図、図9は光ディスクドライブの構成を示す平面側斜視図である。本発明においては、光ディスク装置を、録画機器、パーソナルコンピュータ、及び音楽再生機器等に内蔵される光ディスクドライブに置き換えて説明する。
【0030】
光ディスクドライブは、光ディスクが載置されるトレイ2と、ディスク装着位置の光ディスクをクランプ及びクランプ解除するクランプ機構3と、該クランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置に昇降させるリフタ4と、該リフタ4を揺動させてクランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置へ動作させるシフタ5と、トレイ2を収納する筺体6とを備えている。トレイ2は、筺体6に対して引き出された引出位置又は筺体6に対して収納された収納位置との間を往復移動可能にしてある。ここで、トレイ2が引出位置から収納位置に向かう方向を収納方向と呼ぶ。
【0031】
筺体6は、底面及び周面(前面、両側面、背面)を有するローディングベース61と、該ローディングベース61の底面の反対側に取着された天板62とを備えており、クランプ機構3をローディングベース61の底面にて支持している。クランプ機構3は、収納方向反対側部分が降下して傾斜することで、クランプ解除位置に降下するようにしてある。ローディングベース61の底面には、クランプ機構3の降下時にクランプ機構3の収納方向反対側部分が挿通する矩形開口部が設けられている。天板62には、光ディスクが載置されたトレイ2が収納位置にある場合、後述のターンテーブル31aと共に、光ディスクをトレイ2の光ディスク載置面に対して間隙を有して所定位置に挟持するクランパ62aが設けられている。
【0032】
トレイ2は、トラバース移動する光ピックアップ34が挿通可能にすべく、載置される光ディスクの中心から収納方向に向かって延びる矩形切欠部を有している。矩形切欠部は、トレイ2の収納方向端部近傍において収納方向と交差する方向に沿って連結してあり、連結部分は、載置される光ディスクの中心よりも収納方向側に位置している。これにより、光ピックアップ34は、光ディスクの中心から光ディスク半径方向に沿って矩形切欠部の連結部分までをトラバース移動可能にしてある。トレイ2は、筺体6に備えられたトレイ駆動ギヤ7と噛合しており、収納方向に向かって延びるラック歯2aを光ディスク載置面の反対面に有する。トレイ2は、ラック歯2aと噛合するトレイ駆動ギヤ7の一方向への回転により引出位置から収納位置に移動し、トレイ駆動ギヤ7の他方向への回転により収納位置から引出位置に戻り移動するようにしてある。
【0033】
また、トレイ2は、光ディスク載置面の反対面に設けられたガイド溝2bにより、引出位置から収納位置に向かって移動を開始した場合、ガイド溝2bと嵌合する係合凸部5cを有する後述のシフタ5をトレイ2の移動方向と交差する方向(図5に示すX方向)に所定量移動させるようにしてある。トレイ2は、光ディスク載置面の反対面に位置しており、矩形切欠部の連結部に取着された反射部材2cを備えている。反射部材2cは、真空蒸着された金属等により形成された反射面を有するガラス等の矩形板状部材からなる。反射部材2cは、クランプ機構3がクランプ解除位置にある場合に、クランプ機構3と共に傾斜した後述の光ピックアップ34の対物レンズ34aの光軸と略平行な法線を有するように、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に対し、傾斜して設けられている。
【0034】
反射部材2cの反射面及び後述の汚れ検出位置にある光ピックアップ34の対物レンズ34aの距離は、所定位置にクランプされた光ディスクの記録面及び対物レンズ34aの距離と略同一となるようにしてある。クランプ機構3は、スピンドルモータ31と、該スピンドルモータ31により駆動され、光ディスクを回転させるターンテーブル31aと、スピンドルモータ31を支持した矩形の支持板32と、該支持板32に2本の案内軸33,33を介して光ディスクの半径方向にトラバース動作可能に搭載されており、光ディスクの記録面に対してデータの再生又は記録を行う光ピックアップ34と、光ピックアップ34をトラバース移動させるためのスレッドモータ36とを備えている。
【0035】
スレッドモータ36は、光ピックアップ34に設けられたラック歯と歯合するスレッドギヤを駆動することにより、光ピックアップ34をトラバース移動するようにしてある。また、支持板32には、矩形開口部の収納方向端部に沿って延びる基部からトレイ2の光ディスク載置面の反対面に向かって先端が突出するブラシ又はフェルト等からなる除塵部37を備えている。除塵部37は、先端及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面の距離が、クランプ機構3がクランプ解除位置に下降した状態での支持板32及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面間の距離から反射部材2cの反射面及びトレイ2の光ディスク載置面の反対面の距離を差し引いた距離よりも長くなるよう突設してある。これにより、トレイ2が移動した場合、除塵部37の先端が反射部材2cの反射面と接触可能にしてある。
【0036】
支持板32の四角部には弾性筒体35、35、…が係止されており、支持板32のスピンドルモータ31側角部に配置された2つの弾性筒体35,35に挿入される軸体4b,4b及び該軸体4b,4bに螺着される雄ねじにより支持板32にリフタ4が連結されており、支持板32のスレッドモータ36側角部に配置された2つの弾性筒体35,35に挿入される軸体61a,61a及び該軸体に螺着される雄ねじにより筺体6のローディングベース61の底面に取着されている。リフタ4は略U字形に形成されており、両側面部の上端部分に枢軸4a,4aが突設されており、底面部に離隔する2つの軸体4b,4b及び係合凸部4c,4cが突設されている。
【0037】
ローディングベース61の周面に穿設された孔に枢軸4a,4aが内嵌され、支持板32の弾性筒体35,35に軸体4b,4bが内嵌されることによりリフタ4が揺動自在となり、このリフタ4の揺動に連動して支持板32、ひいてはクランプ機構3の収納方向反対側部分を昇降可能にしてある。シフタ5はX方向へ所定量の移動を可能としてローディングベース61の底面に保持されている。このシフタ5は、X方向に穿設された2つのカム溝5a,5aと、トレイ駆動ギヤ7に噛合することが可能なラック歯5bと、トレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けられたカム溝5aに嵌合することが可能な係合凸部5cとを有している。ラック歯5bはトレイ2が引出位置にあり、クランプ機構3がクランプ解除位置に停止している場合にトレイ駆動ギヤ7と非噛合となるようにしてある。
【0038】
ラック歯5bは、トレイ2の収納方向への移動を開始させ、トレイ2のカム溝5a及び係合凸部5cを介してシフタ5がX方向に所定量移動した場合、トレイ駆動ギヤ7と噛合するようにしてある。トレイ駆動ギヤ7の駆動力が、噛合したラック歯5bを介してシフタ5をX方向に移動させることにより、カム溝5a,5a及び係合凸部4c,4cを介してリフタ4を揺動させ、クランプ機構3をクランプ位置及びクランプ解除位置の間で昇降させることができるようにしてある。クランプ機構3がクランプ位置にある場合、支持板32は、ローディングベース61の底面に対して略平行となり、ターンテーブル31aがクランパ62aと対向するようにしてある。
【0039】
図10は、光ディスクドライブの電気的な内部構成を示すブロック図である。光ディスクドライブは、トレイ駆動ギヤ7を駆動する電動モータを制御してトレイ2を移動させるトレイ移動部11と、スピンドルモータ31を制御して光ディスクを回転させるディスク回転部12と、スレッドモータ36を制御して光ピックアップ34をトラバース移動させるトラバース移動部13と、タイマ14と、光ピックアップ34と、ハードウェア各部の制御及び汚れの検出を行うMPU(micro processing unit)等からなる制御部15と、制御部15で実行される制御プログラムが記憶された記憶部16と、光ディスクドライブを内蔵する機器から各種制御信号が入力され、又汚れ検出信号を光ディスクドライブを内蔵する機器へ出力する信号入出力部17とを備える。
【0040】
光ピックアップ34は、対物レンズ34aを通してレーザ光等の光を出射する光出射部34bと、対物レンズ34aを通して光ディスクの記録面又は反射部材2cの反射面による反射光を受光して光強度を検出する光強度検出部34cとを含んでいる。制御部15は、光ピックアップ34が受光した反射光の光強度が所定値未満であるか否かを判定する判定手段としても機能する。記憶部16は、後述の光ディスクの装着回数、光強度を判定するための所定値及び制御部15の制御処理中に発生するデータ等を記憶するようにしてある。信号入出力部17に入力される制御信号は、例えば、トレイ2を収納位置に移動させるよう指示するローディング信号及びトレイ2を引出位置に移動させて光ディスクの載置又は取出しを可能とするよう指示するイジェクト信号等からなる。
【0041】
また、信号入出力部17は、光ディスクドライブが対物レンズ34aの汚れを検出した場合に、その旨を報知する汚れ検出信号を出力するようにしてあり、汚れ検出信号の出力手段としても機能する。タイマ14には、トレイ移動部11により収納位置のトレイ2が引出位置に向けて移動を開始した時点から、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34の対物レンズ34aと対向する後述の汚れ検出位置にトレイ2が移動するまでの所要時間が予め求められてタイマ時間として設定されている。タイマ14は、制御部15からの指示により、タイマ時間のカウントダウンを開始し、カウントダウンが終了した場合にタイマ信号を制御部15に出力するようにしてある。以上のように構成された光ディスクドライブのローディング動作を説明する。
【0042】
図11及び図12夫々は、トレイ2が引出位置及び収納位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。図中8は、トレイ2に載置された光ディスクを示す。光ディスクドライブは、引出位置にあるトレイ2に光ディスク8が載置された後、光ディスクドライブを内蔵する機器等からローディング信号を受け付けた場合、トレイ2の収納位置への移動を開始させる。トレイ2の収納方向への移動に伴って反射部材2cが、除塵部37の先端部と接触して反射面に付着する塵埃が拭われて除去される。シフタ5は、係合凸部5c及びカム溝5aによりX方向に所定量を移動し、トレイ2が収納位置に到達する直前にラック歯5bがトレイ駆動ギヤ7と噛合する。
【0043】
リフタ4は、ラック歯5bを介してシフタ5に伝達されたトレイ駆動ギヤ7の駆動力により、カム溝5a、5a及び係合凸部4c、4cを介し、天板62に向けて上昇する。リフタ4の上昇に伴ってクランプ機構3が天板62側に向けて押し上げられ、ターンテーブル31aが光ディスク8をクランパ62aに向けて押圧し、光ディスク8がクランプされる。光ディスク8のクランプと同時にトレイ2が収納位置に停止され、記憶部16に記憶されている光ディスクの装着回数がインクリメントされてローディング動作を完了する。光ディスクドライブは、光ディスク8を所定の回転速度で回転させる。光ディスクドライブは、光ピックアップ34をトラバース移動させて、光ディスク8の記録面に対してデータの再生又は記録を実行する。次に光ディスクドライブのイジェクト動作を説明する。
【0044】
光ディスクドライブは、イジェクト信号を受け付けた場合、トレイ2の引出位置への移動を開始させる。リフタ4は、ラック歯5bを介してシフタ5に伝達されたトレイ駆動ギヤ7の駆動力により、カム溝5a、5a及び係合凸部4c、4cを介してローディングベース61の底板に向けて下降する。リフタ4の下降に伴ってクランプ機構3がローディングベース61に向けて押し下げられ、光ディスク8をクランパ62aに向けて押圧していたターンテーブル31aが下降し、光ディスク8がクランプ解除される。シフタ5が係合凸部5c及びカム溝5aにより、X方向の反対方向に所定量移動し、クランプ機構3がクランプ解除位置となった場合、ラック歯5bがトレイ駆動ギヤ7と非噛合となり、シフタ5の移動が停止する。トレイ2の移動に伴って反射部材2cが、除塵部37の先端部と接触して反射面に付着する塵埃が拭われる。トレイ2は、引出位置で停止され、イジェクト動作が完了する。次に光ディスクドライブの汚れ検出動作について説明する。
【0045】
図13は、トレイ2の汚れ検出位置での光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。光ディスクドライブの汚れ検出動作は、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態でイジェクト動作が実行される場合に行われる。光ディスクドライブは、トレイ2が収納位置にあり、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態でイジェクト信号を受付けた場合、トレイ2の引出位置への移動を開始させると共に、タイマ14にタイマ時間のカウントダウンを開始させる。光ディスクドライブは、光ピックアップ34を移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動させる。タイマ14がタイマ信号を出力した場合、トレイ2を停止させることにより、トレイ2を汚れ検出位置に停止させる。光ピックアップ34から対物レンズ34aを通した光が、反射部材2cの反射面に向けて照射される。
【0046】
光ピックアップ34により、反射部材2cの反射面による反射光が受光されて光強度が検出される。光ディスクドライブは、光強度検出部34cが検出した反射光の光強度が所定値未満である場合、対物レンズ34aの汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部17から出力する。また、光ディスクドライブは、記憶部16に記憶されている光ディスクの装着回数をクリアし、汚れ検出動作を完了する。光ディスクドライブは、汚れ検出動作の完了後、汚れ検出位置に停止していたトレイ2の移動を再開させて引出位置に移動させ、イジェクト動作を完了する。
【0047】
図14は、信号受付処理の手順を示すフローチャートである。信号受付処理は、信号入出力部17にローディング信号又はイジェクト信号が入力された場合、制御部15により実行される。制御部15は、信号入出力部17に入力された信号が、イジェクト信号及びローディング信号のいずれの信号であるかを判定する(ステップS11)。制御部15は、イジェクト信号であると判定した場合(ステップS11で“イジェクト信号”)、トレイ2が収納位置にあるか否かを判定する(ステップS12)。制御部15は、トレイ2が収納位置にないと判定した場合(ステップS12でNO)、信号受付処理を終了する。
【0048】
制御部15は、収納位置にあると判定した場合(ステップS12でYES)、記憶部16に記憶されている装着回数を読み出す(ステップS13)。制御部15は、トレイ2を引出方向に移動させてイジェクト動作を開始する(ステップS14)。制御部15は、読み出した装着回数が予め設定されている所定回数を超えているか否かを判定する(ステップS15)。制御部15は、所定回数を超えていると判定した場合(ステップS15でYES)、後述の汚れ検出処理を実行し(ステップS16)、信号受付処理を終了する。制御部15は、所定回数を超えていないと判定した場合(ステップS15でNO)、信号受付処理を終了する。
【0049】
制御部15は、入力された信号がイジェクト信号及びローディング信号のいずれの信号であるかを判定するステップS11において、ローディング信号であると判定した場合(ステップS11で“ローディング信号”)、トレイ2が引出位置にあるか否かを判定する(ステップS17)。制御部15は、トレイ2が引出位置にないと判定した場合(ステップS17でNO)、信号受付処理を終了する。制御部15は、トレイ2が引出位置にあると判定した場合(ステップS17でYES)、トレイ2を移動させてローディング動作を開始する(ステップS18)。制御部15は、ローディング動作が完了したか否かを判定する(ステップS19)。
【0050】
制御部15は、ローディング動作が完了していないと判定した場合(ステップS19でNO)、ローディング動作が完了するまで待機する。制御部15は、ローディング動作が完了したと判定した場合(ステップS19でYES)、光ディスクがクランプされているか否かを判定する(ステップS20)。制御部15は、光ディスクがクランプされていないと判定した場合(ステップS20でNO)、信号受付処理を終了する。制御部15は、光ディスクがクランプされていると判定した場合(ステップS20でYES)、記憶部16に記憶されている装着回数をインクリメントし(ステップS21)、信号受付処理を終了する。
【0051】
図15は、汚れ検出処理の手順を示すフローチャートである。制御部15は、タイマ14にタイマ時間の計時を開始させる(ステップS31)。制御部15は、光ピックアップ34を移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動させる(ステップS32)。制御部15は、タイマ14が出力するタイマ信号を検出したか否かを判定する(ステップS33)。制御部15は、タイマ信号を検出していないと判定した場合(ステップS33でNO)、タイマ信号を検出するまで待機する。制御部15は、タイマ信号を検出した場合(ステップS33でYES)、トレイ2を停止させる(ステップS34)。制御部15は、光強度検出部34cが検出した反射光の光強度を取得する(ステップS35)。
【0052】
制御部15は、取得した光強度が記憶部16に予め記憶されている所定値未満であるか否かを判定する(ステップS36)。制御部15は、所定値未満であると判定した場合(ステップS36でYES)、対物レンズ34aの汚れを報知する汚れ検出信号を信号入出力部17から出力させ(ステップS37)、記憶部16に記憶されている装着回数をクリアする(ステップS38)。制御部15は、停止していたトレイ2の移動を再開させて(ステップS39)、汚れ検出処理を終了する。制御部15は、光強度が所定値未満であるか否かを判定するステップS36において、所定値未満でないと判定した場合(ステップS36でNO)、トレイ2の移動を再開させるステップS39に処理を移す。
【0053】
光ピックアップ34が移動可能範囲の収納方向一端にトラバース移動されてから、トレイ2を汚れ検出位置に移動することにより、収納位置から汚れ検出位置までのトレイ2の引出距離を短くすることが可能となる。また、反射部材2cの反射面は、対物レンズ34aの光軸と略平行となる法線を有するようトレイ2の光ディスク載置面の反対面に対して傾斜して形成されているため、対物レンズ34aの汚れを検出する場合、対物レンズ34aから反射部材2cの反射面に照射される光を対物レンズ34aに向けて反射させることが可能となる。反射面及び対物レンズ34aの距離は、クランプされた光ディスク8の記録面及び対物レンズ34aの距離と略同一であるため、新たにフォーカス制御をすることなく光ピックアップ34から照射される光を反射部材2cの反射面に集光することが可能となる。
【0054】
タイマ14が出力するタイマ信号を検出することにより、トレイ2を移動開始した時点からの経過時間に基づいてトレイ2を汚れ検出位置に停止させる場合を示したが、汚れ検出位置にあるトレイ2を検出して停止させてもよい。この場合、汚れ検出位置にあるトレイ2を検出すべくフォトインタラプタ等を用いた光スイッチ又は機械スイッチ等をトレイ2の光ディスク載置面の反対側に設けて、これらのスイッチが出力する信号を検出してトレイ2を停止させるとよい。
【0055】
除塵部37が光ディスクドライブに設けられる場合を示したが、反射部材2cの反射面に透明性樹脂等をコーティングして除塵部37による除塵を省略してもよい。この場合、光が集光されない透明樹脂面に塵埃が付着するため、塵埃による反射光の減衰が緩やかとなり、除塵部37を省略したことによる影響が抑えられる。また、反射部材2cとして板状の反射部材が貼着される場合を示したが、これに限るものではなく反射性塗料が塗布されて形成されてもよい。反射部材2cを設ける代わりにトレイ2を高い光反射率を有する樹脂を成型してトレイ2の光ディスク載置面の反対面全体に反射面を形成してもよい。
【0056】
光ディスクドライブの汚れ検出動作は、イジェクト動作によるトレイ2の移動時に行われる場合を示したが、ローディング動作によるトレイ2の移動時に行ってもよい。また、光ディスクドライブの汚れ検出動作は、光ディスクの装着回数が所定回数を超えた状態で行われる場合を示したが、これに限るものではなく、例えば、1週間及び1ヵ月等の所定の時間間隔を設定して、毎週及び毎月等の間隔で実行してもよい。
【0057】
光ディスクドライブの汚れ検出動作は、トレイ2を汚れ検出位置に停止させた状態で実行する場合を示したが、トレイ2が移動している期間のうち、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34と対向している状態が継続している期間に、反射面による反射光の光強度を検出するよう構成してトレイ2を停止させずに実行してもよい。この場合、光ピックアップ34が反射光の光強度の検出を完了するために要する時間が、反射部材2cの反射面が光ピックアップ34と対向している期間よりも短くなるようにトレイ2の移動速度の設定及び反射部材2cの反射面の収納方向の長さの決定を行うとよい。
【0058】
光ピックアップ34には、対物レンズ34a及び光出射部34bを夫々一つ備える場合を示したが、これに限るものではなく、複数の異なる波長を有する光を照射して光ディスクの記録面に対してデータの再生又は記録を行うべく、複数の対物レンズ34a及び光出射部34bを備えていてもよい。この場合、複数の対物レンズ34aと対向するよう反射面の面積を設定した反射部材2c、又は複数の対物レンズ34aと夫々対向する複数の反射部材2cをトレイ2の光ディスク載置面の反対面に設けるとよい。
【0059】
光ディスクドライブを内蔵する機器には、光ディスクドライブが汚れ検出信号を出力した場合にユーザに対物レンズ34aのクリーニングを促すべく点灯するLED等からなる警告灯を設けるとよい。また、光ディスクドライブを内蔵する機器から外部の表示装置にユーザに対物レンズ34aのクリーニングを促すメッセージを表示する映像信号を出力するようにしてもよい。本発明においては、録画機器、パーソナルコンピュータ、及び音楽再生機器等に内蔵される光ディスクドライブについて示したが、これに限るものではなく係る機器等に接続される外部の光ディスク装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの外観を示す模式的斜視図である。
【図2】トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図3】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの天板を取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図4】光ディスクドライブの天板及びトレイを取り外した状態を示す模式的平面図である。
【図5】光ディスクドライブの一部を分解した斜視図である。
【図6】トレイの構成を示す光ディスク載置反対側模式的平面図である。
【図7】シフタの拡大正面図である。
【図8】シフタ及びリフタが取り付けられたローディングベースの構成を示す平面側斜視図である。
【図9】光ディスクドライブの構成を示す平面側斜視図である。
【図10】光ディスクドライブの電気的な内部構成を示すブロック図である。
【図11】トレイが引出位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図12】トレイが収納位置にある場合の光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図13】トレイの汚れ検出位置での光ディスクドライブの動作を説明するための説明図である。
【図14】信号受付処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】汚れ検出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
11 トレイ移動部
12 ディスク回転部
13 トラバース移動部
14 タイマ
15 制御部
16 記憶部
17 信号入出力部
2 トレイ
2a,5b ラック歯
2b ガイド溝
2c 反射部材
3 クランプ機構
31 スピンドルモータ
31a ターンテーブル
32 支持板
33 案内軸
34 光ピックアップ
34a 対物レンズ
34b 光出射部
34c 光強度検出部
35 弾性筒体
36 スレッドモータ
37 除塵部
4 リフタ
4a 枢軸
4b,61a 軸体
4c,5c 係合凸部
5 シフタ
5a カム溝
6 筺体
61 ローディングベース
62 天板
62a クランパ
7 トレイ駆動ギヤ
8 光ディスク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクが載置されるトレイと、該トレイを収納する筺体と、該筺体に対して前記トレイが引き出された引出位置又は前記筺体内に収納された収納位置に前記トレイを移動するトレイ移動手段と、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記光ディスクに対物レンズを経て照射した光の反射光を受光する光ピックアップと、該光ピックアップを前記光ディスク半径方向に移動する光ピックアップ移動手段とを備えた光ディスク装置において、
前記トレイの光ディスク載置面の反対面の一部又は全部に形成された反射面と、
前記トレイが前記引出位置及び収納位置の間にある場合、前記光ピックアップが受光した前記反射面による反射光の光強度が所定値未満であるか否か判定する判定手段と、
該判定手段が所定値未満であると判定した場合、前記対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記反射面が前記光ピックアップと対向する位置に前記トレイを停止させる停止手段を備え、
前記判定手段は、
前記停止手段が前記トレイを停止させた場合、判定するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記反射面に付着する塵埃を除去する除塵手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記除塵手段は、
前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、
前記トレイ移動手段が前記トレイを移動した場合、前記反射面に接触して塵埃を除去するよう構成してある
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記光ピックアップ移動手段は、前記判定手段が判定する場合、前記光ピックアップを前記トレイの収納方向に向けて移動するよう構成してあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記光ディスクを所定位置にクランプし、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動する場合、クランプ解除するクランプ機構を備え、
前記反射面は、
前記判定手段が判定する場合、前記対物レンズとの距離が、クランプされた前記光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう構成してある
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記クランプ機構をクランプ位置及びクランプ解除位置に移動するクランプ移動手段を備え、
前記光ピックアップは、
前記クランプ機構と共に移動するよう構成してあり、
前記反射面は、
前記クランプ機構が前記クランプ解除位置にある場合、法線が前記対物レンズの光軸に対して略平行となるよう構成してある
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記トレイは、光反射性樹脂を成型してなることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
前記反射面は、光反射性塗料を塗布して形成されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項1】
光ディスクが載置されるトレイと、該トレイを収納する筺体と、該筺体に対して前記トレイが引き出された引出位置又は前記筺体内に収納された収納位置に前記トレイを移動するトレイ移動手段と、前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、前記光ディスクに対物レンズを経て照射した光の反射光を受光する光ピックアップと、該光ピックアップを前記光ディスク半径方向に移動する光ピックアップ移動手段とを備えた光ディスク装置において、
前記トレイの光ディスク載置面の反対面の一部又は全部に形成された反射面と、
前記トレイが前記引出位置及び収納位置の間にある場合、前記光ピックアップが受光した前記反射面による反射光の光強度が所定値未満であるか否か判定する判定手段と、
該判定手段が所定値未満であると判定した場合、前記対物レンズの汚れ検出信号を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記反射面が前記光ピックアップと対向する位置に前記トレイを停止させる停止手段を備え、
前記判定手段は、
前記停止手段が前記トレイを停止させた場合、判定するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記反射面に付着する塵埃を除去する除塵手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記除塵手段は、
前記トレイの光ディスク載置面の反対側に配されており、
前記トレイ移動手段が前記トレイを移動した場合、前記反射面に接触して塵埃を除去するよう構成してある
ことを特徴とする請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記光ピックアップ移動手段は、前記判定手段が判定する場合、前記光ピックアップを前記トレイの収納方向に向けて移動するよう構成してあることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記光ディスクを所定位置にクランプし、前記トレイ移動手段が前記トレイを移動する場合、クランプ解除するクランプ機構を備え、
前記反射面は、
前記判定手段が判定する場合、前記対物レンズとの距離が、クランプされた前記光ディスク及び対物レンズの距離と略同一となるよう構成してある
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
前記クランプ機構をクランプ位置及びクランプ解除位置に移動するクランプ移動手段を備え、
前記光ピックアップは、
前記クランプ機構と共に移動するよう構成してあり、
前記反射面は、
前記クランプ機構が前記クランプ解除位置にある場合、法線が前記対物レンズの光軸に対して略平行となるよう構成してある
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
前記反射面は、反射部材を貼着して形成されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
前記トレイは、光反射性樹脂を成型してなることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
前記反射面は、光反射性塗料を塗布して形成されることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−301669(P2009−301669A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−157056(P2008−157056)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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