説明

光ディスク装置

【課題】P−ON信号がLOWレベルにある待機時や電源−OFF時に、光ディスク本体のトレイ内に光ディスクが残っているか否かを、電力を使用しないで簡易に検出し、筐体の表示用開口部に光ディスク本体の有無を表示することができる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】筐体1内に光ディスク装置本体2を内装すると共に、P−ON信号がLOWレベルのとき光ディスクDの有無を自重で回転して検出する検出レバー11を光ディスク装置本体2に取付け、この検出レバー11に光ディスクの有無を表示する表示体12を設けると共に、この表示体12を筐体1の前面に設けた表示用開口部1bに背後から臨ませた構成の光ディスク装置とする。P−ON信号がLOWレベルのとき検出レバーが自重で回転して光ディスクの有無を検出できるので電力を消費することはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置に関し、特に、P−ON信号がLOWレベルのときに光ディスクが光ディスク本体のディスクトレイに残っているか否かを、電力を使わないで簡易に検出して表示できるように改良した光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置には、P−ON信号がHIレベルにある使用時に光ディスクの有無などを電機的に検知する検知手段が設けられている。けれども、P−ON信号がLOWレベルにある待機時や電源−OFF時に、光ディスクの有無を電力を使用しないで簡易に検出できる検出手段を設けたものは見出せない。
【0003】
ところで、カートリッジの誤消去防止爪の有無を検出する略U字形の検出レバーをキャビネット内に設け、この検出レバーの一端でカートリッジの誤消去防止爪の有無を検出すると共に、他端で光ディスクに録音可能か否かを表示窓孔に色表示させるように構成した記録再生装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この検出レバーの技術を利用して、P−ON信号がLOWレベルにある時の光ディスクの有無を検出することは難しい。
【特許文献1】特開平8−31078号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、P−ON信号がLOWレベルにある待機時や電源−OFF時に、光ディスク本体のトレイ内に光ディスクが残っているか否かを、電力を使用しないで簡易に検出し、筐体の表示用開口部に光ディスク本体の有無を表示することができる光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る光ディスク装置は、筐体内に光ディスク装置本体を内装すると共に、P−ON信号がLOWレベルのとき光ディスクの有無を自重で回転して検出する検出レバーを光ディスク装置本体に取付け、この検出レバーに光ディスクの有無を表示する表示体を設けると共に、この表示体を筐体の前面に設けた表示用開口部に背後から臨ませたことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の光ディスク装置においては、上記検出レバーが、P−ON信号がHIレベルになると光ディスクに当たらない第一の角度位置まで上方に回動して停止し、P−ON信号がLOWレベルになると、存在している光ディスクに当たる第二の角度位置、又は、光ディスクが存在しないときの第三の角度位置まで自重で下方に回動して、光ディスクの有無を検出するものであることが望ましい。
【0008】
そして、上記表示体を検出レバーの先端に設け、検出レバーが第二の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在する旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨み、検出レバーが第三の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在しない旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにすることが望ましい。
【0009】
また、P−ON信号がHIレベルになって検出レバーが第一の角度位置まで上方に回動して停止したときに、上記表示体の無表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにすることも望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光ディスク装置では、P−ON信号がLOWレベルのとき検出レバーが自重で回転して光ディスクの有無を検出できる。そして、筐体の表示用開口部の背後に臨む表示体を、表示用開口部を通じて見ることにより、P−ON信号がLOWレベルのときの光ディスクの有無を確認することができる。従って、従来の光ディスク装置のように、わざわざ電源スイッチを入れて光ディスクの有無を確認することが不要となり、しかも、待機電力を一切消費しないので経済的である。
【0011】
また、上記検出レバーが、P−ON信号がHIレベルになると光ディスクに当たらない第一の角度位置まで上方に回動して停止し、P−ON信号がLOWレベルになると、存在している光ディスクに当たる第二の角度位置、又は、光ディスクが存在しないときの第三の角度位置まで自重で下方に回動して、光ディスクの有無を検出するものであると、P−ON信号がHIレベルにある使用時に光ディスクの回転を妨げる心配がなく、しかも、検出レバーが光ディスクに直接当たるか否かで簡単かつ確実に光ディスクの有無を検出することができる。
【0012】
そして、表示体を検出レバーの先端に設け、検出レバーが第二の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在する旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨み、検出レバーが第三の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在しない旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにしたものは、表示用開口部を通じて光ディスクの有無を一目で確認でき、更に、P−ON信号がHIレベルになって検出レバーが第一の角度位置まで上方に回動して停止したときに、上記表示体の無表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにしたものは、装置を使用している間、表示用開口部が表示体の無表示部分で閉鎖されるので体裁が良く、特に、無表示部分が筐体と同色又は調和した色に着色されている場合は、美観が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る光ディスク装置をその筐体を省略して示した斜視図、図2は同光ディスク装置の正面図、図3はP−ON信号がHIレベルにある同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図、図4はP−ON信号がLOWレベルにあって光ディスクが存在するときの同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図、図5はP−ON信号がLOWレベルにあって光ディスクが存在しないときの同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図である。
【0015】
この光ディスク装置は、図2に示すような筐体1の内部に、図1に示すような光ディスク装置本体2が内装されたものであり、筐体1の前面には図2に示すように、光ディスク装置本体のディスクトレイ の出入口1aと、後述するように光ディスの有無を表示する表示用開口部1bが形成されている。
【0016】
光ディスク装置本体2は、図1に示すように、メインシャーシ3、トラバースシャーシ4、クランパー5、ターンテーブル6、光ピックアップ7、カムスライダー8、トレイ9などの主要部品で構成されている。
【0017】
即ち、この光ディスク装置本体2のメインシャーシ3には左右方向のブリッジ部3aが形成されており、このブリッジ部3aの中央のホルダー部にはクランパー5が回転自在に保持されている。そして、メインシャーシ3の内側には、トラバースシャーシ4がその後端部で上下揺動可能に取付けられており、このトラバースシャーシ4には、ターンテーブル6と光ピックアップ7が搭載されている。このターンテーブル6は、トラバースシャーシ4が上昇したときにクランパー5との間に光ディスクDを挟んでチャッキングし、スピンドルモータで回転するようになっている。
【0018】
また、光ピックアップ7は、左右のガイド軸10a,10b(主軸と副軸)に沿って、ターンテーブル6に対して接近・離反可能に、つまり前後方向に往復移動可能に搭載されている。そして、駆動モータ(不図示)から駆動力が駆動力伝達歯車機構を介して光ピックアップ7のラックに伝達され、光ピックアップ7がターンテーブル6に接近する方向(光ディスクの求心方向)に移動しながら、対物レンズ7aからレーザービームを光ディスクDに照射して記録・再生が行われるようになっている。
【0019】
メインシャーシ3の前端部内側には、トラバースシャーシ4を上下に揺動させるカムスライダー8が左右移動可能に取付けられており、トラバースシャーシ4の前端の摺動ボスがカムスライダー8のカム溝に挿入されて係合している。そして、トラバースシャーシ4とクランパー6との間には、光ディスクDを載置するトレイ9が配置されてメインシャーシ3の内側に挿入・排出可能に取付けられており、このトレイ9には、トラバースシャーシ4を上昇させたときにターンテーブル6や光ピックアップ7が下方から突入する略長方形の開口部9aが形成されている。
【0020】
このような光ディスク装置本体2は、トラバースシャーシが4が下降してディスクトレイ9が排出された状態で光ディスクDをディスクトレイ9に載置して装置本体2内部にディスクトレイ9を挿入すると、カムスライダー8が移動してトラバースシャーシ4が上向きに回動(上昇)し、ターンテーブル6とクランパー5との間に光ディスクDが挟まれて回転する。すると、光ピックアップ7がガイド軸10a,10bに沿ってターンテーブル6の方へ移動しながら、レーザービームを光ディスクDに照射し、その反射ビームが光ピックアップ7の光検出器で検出されて、記録・再生が行われる。そして、記録・再生が終わると、上記と逆動作して光ディスクDがディスクトレイ9に載置されて排出されるようになっている。
【0021】
この光ディスク装置の大きい特徴は、P−ON信号がLOWレベルにある待機時又は電源−OFFの時に、電力を消費しないで、光ディスクDがディスクトレイ9に残っているか否かを簡易に検出する検出レバー11を設けた点にある。
【0022】
即ち、図1,図3〜図5に示すように、この検出レバー11は、その回転軸部11aがメインシャーシ3のブリッジ部3aに形成された軸受部11b,11bに回転自在に軸受けされており、この回転軸部11aから後方へ延びるレバー後端部11cの先端には磁性板11dが設けられている。そして、この磁性板11dの下方に位置して電磁石11eがブリッジ部3aに設けられており,P−ON信号がHIレベルにある使用時には、図3に示すように、電磁石11eによって磁性板11dが磁着されて、検出レバー11の途中から下方に延びる検出片11fが光ディスクDに当たらない第一の角度位置(図3に示す略水平な角度位置)まで検出レバー11が上向きに回動して停止するようになっている。
【0023】
上記検出レバー11の先端には、光ディスクDの有無を表示する表示体12が設けられており、この表示体12は、図1に示すように、その上部が光ディスクDが存在しない旨を表示する「NO DISK」を記載した表示部分12a、中間部分が光ディスクDが存在する旨を表示する「DISK IN」を記載した表示部分12b、下部が筐体1と同色又は調和した色に着色された無表示部分12cとなっている。そして、これらの表示部分12a,12bと無表示部分12cは、それぞれの境界部分で鈍角に屈曲しており、後述するように検出レバー11が自重で回動したときに、これらの表示部分や無表示部分が筐体1の表示用開口部1bに背後から平行に臨むようになっている。
【0024】
図3に示すように、P−ON信号がHIレベルで検出レバー11が第一の角度位置にあるときは、検出レバー11先端の表示体12の無表示部分12cが筐体1表面の表示用開口部1bに背後から望み、表示用開口部1bが、筐体1と同色又は調和のある色に着色された無表示部分12cによって閉塞されているので、正面から見た場合、体裁が良好である。
【0025】
そして、使用後、光ディスク装置の電源スイッチを切ってP−ON信号がLOWレベルになると、電磁石11eによる磁性体11dの磁着が解除され、図4に示すように、光ディスクDがディスクトレイ9に残っている場合には、検出レバー11の検出片11fの下端膨出部が光ディスクDに当たる第二の角度位置まで自重で下方に回動して停止し、光ディスクDが存在していることを検出する。このとき、検出レバー11先端の表示体12は、光ディスクDが存在する旨を表示する「DISK IN」と記載された表示部分12bが筐体1の表示用開口部1bに背後から臨むことになるため、筐体1の表示用開口部1bを通じて上記表示部分12bを見れば、光ディスクDがディスクトレイ9に残っていることを確認することができる。
【0026】
そして、光ディスクDがディスクトレイ9に残っていない場合は、図5に示すように、検出レバー11が光ディスクDの存在しない第三の角度位置まで自重で下方に回動して、光ディスクDが存在しない旨を表示する「NO DISK」と記載された表示部分12cが筐体1の表示用開口部1bに背後から臨むことになるため、筐体1の表示用開口部1bを通じて上記表示部分12cを見れば、光ディスクDがディスクトレイ9に残っていないことを確認することができる。
【0027】
なお、検出レバー11の検出片11fの下端膨出部の下面は球面に形成されているので、上記のように検出片11fの下端膨出部が光ディスクDに当たっても、光ディスクDを傷つける心配はない。
【0028】
上記のように、本発明の光ディスク装置は、P−ON信号がLOWレベルのとき検出レバー11が自重で回転して光ディスクDの有無を検出することができ、筐体1の表示用開口部1bの背後に臨む表示体12を、表示用開口部1bを通じて見ることにより、P−ON信号がLOWレベルのときの光ディスクDの有無を確認することができる。従って、従来の光ディスク装置のように、わざわざ電源スイッチを入れて光ディスクの有無を確認することが不要となり、しかも、待機電力を一切消費しないので経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置をその筐体を省略して示した斜視図である。
【図2】同光ディスク装置の正面図である。
【図3】P−ON信号がHIレベルにある同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図である。
【図4】P−ON信号がLOWレベルにあって光ディスクが存在するときの同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図である。
【図5】P−ON信号がLOWレベルにあって光ディスクが存在しないときの同光ディスク装置をその内部機構を省略して示した概略断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1 筐体
1b 表示用開口部
2 光ディスク装置本体
9 ディスクトレー
11 検出レバー
11e 電磁石
12 表示体
12a 光ディスクが存在しない旨の表示部分
12b 光ディスクが存在する旨の表示部分
12c 無表示部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に光ディスク装置本体を内装すると共に、P−ON信号がLOWレベルのとき光ディスクの有無を自重で回転して検出する検出レバーを光ディスク装置本体に取付け、この検出レバーに光ディスクの有無を表示する表示体を設けると共に、この表示体を筐体の前面に設けた表示用開口部に背後から臨ませたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
上記検出レバーが、P−ON信号がHIレベルになると光ディスクに当たらない第一の角度位置まで上方に回動して停止し、P−ON信号がLOWレベルになると、存在している光ディスクに当たる第二の角度位置、又は、光ディスクが存在しないときの第三の角度位置まで自重で下方に回動して、光ディスクの有無を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
上記表示体を検出レバーの先端に設け、検出レバーが第二の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在する旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨み、検出レバーが第三の角度位置まで回動したときに、上記表示体の光ディスクが存在しない旨の表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにしたことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
P−ON信号がHIレベルになって検出レバーが第一の角度位置まで上方に回動して停止したときに、上記表示体の無表示部分が筐体の表示用開口部に背後から臨むようにしたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−152946(P2010−152946A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326948(P2008−326948)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】